JPH11138828A - 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法

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JPH11138828A
JPH11138828A JP32962497A JP32962497A JPH11138828A JP H11138828 A JPH11138828 A JP H11138828A JP 32962497 A JP32962497 A JP 32962497A JP 32962497 A JP32962497 A JP 32962497A JP H11138828 A JPH11138828 A JP H11138828A
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liquid
orifice
flow path
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laser light
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Jun Koide
小出  純
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出エネルギー発生素子を形成した基板とオ
リフィスや液流路を形成するオリフィスプレートとの高
精度の位置アライメントを要することなく、オリフィス
や液流路を吐出エネルギー発生素子に対して適切な位置
に容易に加工形成することができる液体噴射記録ヘッド
の製造方法を提供する。 【解決手段】 シリコン母材に熱源回路パターンを形成
した基板101と少なくともオリフィス、液流路および
液室を形成する感光性樹脂からなるオリフィスプレート
110とを接合した後に、オリフィスプレート110側
からの紫外線レーザ光120の照射によってオリフィス
111を加工し、そして、基板101側からの遠赤外線
レーザ光122の照射により少なくとも液流路113と
液室112を加工形成して、高精度の位置アライメント
を要することなく、オリフィス111や液流路113を
発熱抵抗素子102に対して適切な位置に加工形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク等の記録液
の液滴を飛翔させて記録媒体上に液滴を付着させる液体
噴射記録ヘッドおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インク等の記録液を微細なオリフィス
(吐出口)から飛翔液滴として吐出させて記録媒体に記
録あるいは印刷を行なう液体噴射記録方式に適応される
液体噴射記録ヘッドには、一般に、記録液を吐出するた
めのオリフィスと、このオリフィスに供給するための記
録液を貯える液室と、オリフィスと液室とを連通する液
流路と、この液流路の一部に設けられた記録液を吐出す
るためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子
と、液室に外部から記録液を供給するための供給口が設
けられている。
【0003】この種の液体噴射記録ヘッドは、従来か
ら、その構造上、吐出エネルギー発生素子を含む部材
(基板)と、オリフィス、液室、液流路および記録液の
供給口を含む部材(天板)を位置アライメントを行なっ
て接合させることにより組み立てていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の液体
噴射記録ヘッドにおいては、基板と天板との位置アライ
メント精度は、600dpi(1インチ当たりのドット
数)等の印字精度を必要とする場合、そのオリフィスや
液流路の配設ピッチである42μmの約10分の1の約
4μmの精度が必要とされ、非常に高精度のアライメン
ト技術が要求されており、製造組み立てに多くの時間を
必要とするため製造コストが高価になってしまうという
問題点があった。
【0005】そこで、本発明は、上記の従来技術の有す
る未解決な課題に鑑みてなされたものであって、吐出エ
ネルギー発生素子を形成した基板とオリフィスや液流路
を形成するオリフィスプレートとの高精度の位置アライ
メントを要することなく、オリフィスや液流路を吐出エ
ネルギー発生素子に対して適切な位置に容易に形成する
ことができ、安価に液体噴射記録ヘッドを製造すること
ができる液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、記録液
に熱源を接触させ熱エネルギーを与えることで気泡を液
流路中に発生させ、気泡の体積増加による圧力を記録液
のオリフィスに伝達させて、液滴を吐出させて記録媒体
に付着させる液体噴射記録ヘッドの製造方法において、
シリコン母材に熱源回路パターンを形成した基板と少な
くともオリフィス、液流路および液室を形成する感光性
樹脂からなるオリフィスプレートとを接合または接着
し、その後、前記オリフィスプレート側からの紫外線レ
ーザ光の照射によってオリフィスを形成し、前記基板側
からの遠赤外線レーザ光の照射により少なくとも液流路
および液室を形成することを特徴とする。
【0007】また、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法においては、基板側からの遠赤外線レーザ光の照射
は、予めパターニングされたフォトマスクを投影するこ
とにより、少なくとも液流路および液室を形成するこ
と、あるいは、基板に予めパターニングされた金属膜に
よりレーザ光のマスキングを施し、該基板側からの照射
によって少なくとも液流路および液室を形成することが
好ましい。
【0008】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、オリフィスプレート側からの紫外線
レーザ光の照射は、予めパターニングされたフォトマス
クを投影することにより、オリフィスを形成することが
好ましい。
【0009】さらにまた、本発明の液体噴射記録ヘッド
の製造方法は、オリフィスプレート側からの紫外線レー
ザ光の照射を行なった後に、基板側からの遠赤外線レー
ザ光の照射を行なうことが好ましく、そして、基板側か
らの遠赤外線レーザ光の照射と同時に先に形成されたオ
リフィスから液流路や液室等の加工形成時に生じる気化
または液化したオリフィスプレート材料を吸引するよう
に構成することが好ましい。
【0010】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドは、
記録液に熱源を接触させ熱エネルギーを与えることで気
泡を記録液流路中に発生させ、気泡の体積増加による圧
力を記録液のオリフィスに伝達させて、液滴を吐出させ
て記録媒体に付着させる液体噴射記録ヘッドにおいて、
シリコン母材に熱源回路パターンを形成した基板と少な
くともオリフィス、液流路、液室を形成する感光性樹脂
からなるオリフィスプレートとを接合または接着し、そ
の後、前記オリフィスプレート側からの紫外線レーザ光
の照射によってオリフィスを形成し、前記基板側からの
遠赤外線レーザ光の照射により少なくとも液流路および
液室を形成することによって製造されることを特徴とす
る。
【0011】
【作用】本発明の製造方法によれば、シリコン母材に熱
源回路パターンを形成した基板と少なくともオリフィ
ス、液流路および液室を形成する感光性樹脂からなるオ
リフィスプレートとを接合または接着した後に、前記オ
リフィスプレート側からの紫外線レーザ光の照射によっ
てオリフィスを形成し、前記基板側からの遠赤外線レー
ザ光の照射により少なくとも液流路および液室を形成す
るようになし、吐出エネルギー発生素子を形成した基板
とオリフィスや液流路を形成するオリフィスプレートと
の高精度の位置アライメントを要することなく、オリフ
ィスや液流路を吐出エネルギー発生素子に対して適切な
位置に容易に加工形成することができ、液体噴射記録ヘ
ッドの製造組み立て時間を大きく短縮でき、さらに製造
コストを低減でき、安価な液体噴射記録ヘッドを製造す
ることができる。
【0012】また、基板に接合または接着されたオリフ
ィスプレートに対して、オリフィスを加工形成した後
に、比較的大容量の液室と液流路を加工形成するように
し、そして、液室と液流路の加工時に発生する気化また
は液化したオリフィスプレート材料を開口したオリフィ
スから吸引しながら液室と液流路の加工を行なうことが
できることから、加工雰囲気を汚染することがない。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0014】図1の(a)は、本発明にかかる液体噴射
記録ヘッドの一実施例を示す模式的な分解斜視図であ
り、図1の(b)はその模式的断面図である。
【0015】図1の(a)および(b)において、液体
噴射記録ヘッド100は、シリコンからなる基板101
と感光性樹脂からなるオリフィスプレート110とから
構成され、シリコンからなる基板101上には、複数の
吐出エネルギー発生素子としての発熱抵抗素子102、
後述する電極配線に接続する複数のボンディングパット
部103、複数の発熱抵抗素子102にそれぞれ電力を
供給するアルミ等の金属によってパターン形成された配
線パターン104等の熱源回路パターン、および記録液
を外部から供給するための貫通した記録液供給口105
が形成されている。また、オリフィスプレート110に
は、記録液滴を吐出するための複数のオリフィス(吐出
口)111、記録液を貯めておくための液室112、お
よび複数のオリフィス110のそれぞれを液室112に
連通する複数の液流路113が設けられている。
【0016】次に、上記のように構成された本発明の液
体噴射記録ヘッドの製造方法について図2に図示する製
造工程にしたがって説明する。
【0017】先ず、図1の(a)に図示するようにシリ
コン母材に発熱抵抗素子102、ボンディングパッド部
103、複数の発熱抵抗素子102にそれぞれ電力を供
給するアルミ等の金属によってパターン形成された配線
パターン104等の熱源回路パターン、および貫通した
記録液供給口105が形成された基板101と、オリフ
ィス、液室および液流路等がまだ形成されていない感光
性樹脂からなるオリフィスプレート110とを、図2の
(a)に図示するように、密着押し当てて接合しまたは
接着剤を用いて接着する。
【0018】次に、図2の(b)に図示するように、オ
リフィスプレート110側から紫外線レーザ光120を
照射する。なお、紫外線レーザ光120の照射に際し
て、オリフィスプレート110の所定の位置にレーザ光
を照射しうるようにアライメントし、例えば、基板10
1上の発熱抵抗素子102を位置基準としてアライメン
トし、その後に、紫外線レーザ光120を予めパターニ
ングされたフォトマスク(図示しない)を介して投影照
射して、感光性樹脂製のオリフィスプレート110を加
工し、オリフィス111を図2の(c)に図示するよう
に途中深さまで昇華加工形成する。
【0019】そして、図2の(d)に図示するように、
吸引手段121をオリフィス111に連通するようにオ
リフィスプレート110の表面に当接させるとともに、
基板101側から照射する遠赤外線レーザ光122を、
オリフィスプレート110の所定の位置に照射しうるよ
うに、例えば、基板101上の発熱抵抗素子102を位
置基準としてアライメントする。その後、吸引手段12
1によりオリフィス111を介してエアー吸引しなが
ら、基板101側から遠赤外線レーザ光122を、予め
パターニングされたフォトマスク(図示しない)を介し
てパターン投影照射する。このとき、基板101を構成
するシリコンは遠赤外線波長領域で透明となるため遠赤
外線レーザ光122は基板101を通過する。よって、
オリフィスプレート110は、図2の(e)に図示する
ように、シリコンからなる基板101を通過した遠赤外
線レーザ光122によって、オリフィスプレート110
の接合面側から熱加工されていき、液室112や液流路
113が形成される。そして、遠赤外線レーザ光122
の照射による加工は、オリフィスプレート110の感光
性樹脂を固相から液相を経て気相にして加工するため、
液相あるいは気相状態の加工廃棄物は、吸引手段121
によって開口したオリフィス111を介して吸引除去す
ることができる。なお、基板101上に設けられている
アルミ等の金属製の配線パターン104は、その線幅部
分において遠赤外線レーザ光を透過させないけれども、
遠赤外線の波長が数μmであるため、金属配線パターン
の線幅を数μm以下に形成しておくことで、光の回析に
よって、金属配線パターンに対応する部分も加工するこ
とができ、液流路や液室の加工に影響をほとんど及ぼさ
ない。
【0020】次に、オリフィス111、液室112およ
び液流路113が加工形成されたオリフィスプレート1
10とシリコン基板101の接合体に、予め液通路12
4を設けてあるヒートシンク基板123を接合するとと
もに、ヒートシンク基板123上の配線ケーブル126
とボンディングパッド部103とをワイヤー127によ
って接合し、そして、図示しない記録液タンクから記録
液を供給する記録液供給路125をヒートシンク基板1
23の液通路124に連通して、液体噴射記録ヘッドが
完成する。
【0021】また、図3に図示するように、シリコン基
板101上に、液流路および液室を形成するためのパタ
ーンを予め金属パターン印刷130でマスク形成したも
のを用いることもできる。このようにマスク形成したシ
リコン基板を用いることによって、上述した製造方法の
ように、遠赤外線レーザ光の照射に際して、発熱抵抗素
子102を位置基準としてアライメントし、そして予め
パターニングされたフォトマスクを投影照射する必要が
なくなり、単に遠赤外線レーザ光122をシリコン基板
101側からアライメントすることなく照射すること
で、液流路や液室を精度良く加工形成することができ、
アライメントに要する組立加工時間がさらに短縮され、
より安価な液体噴射記録ヘッドを製造することができる
ようになる。
【0022】以下に、本発明の製造方法によって製造さ
れた液体噴射記録ヘッドの液体吐出動作を図4に基づい
て説明する。
【0023】図4の(a)は、発熱抵抗素子(発熱体)
102に電気エネルギー等のエネルギーが印加される前
の状態であり、発熱抵抗素子102が熱発生前の初期状
態を示している。
【0024】図4の(b)は、発熱抵抗素子102に電
気エネルギー等が印加されて発熱抵抗素子102が発熱
し、発熱した熱によって膜沸騰に伴なう気泡141が発
生し成長している状態を示している。この気泡141の
発生と成長に伴なう圧力は主としてオリフィス111か
らの記録液の吐出に寄与する。
【0025】図4の(c)は、気泡141がさらに成長
した状態を示している。気泡141はさらに成長し記録
液140が所定の速度をもって外部に移動していく。
【0026】図4の(d)は、発熱抵抗素子102の電
気エネルギー等の印加が停止され、熱エネルギーの供給
が停止されると、気泡141は周囲の記録液140によ
って冷却され、収縮していく。これと同時に速度を有し
た記録液の液滴142はオリフィス111付近にある記
録液の表面張力によって引き離され、独立した液滴とし
て速度を保ったまま図中の矢印方向に飛翔していく。こ
の後気泡141は収縮して消失し、図4の(a)の状態
に戻る。このサイクルを繰り返すことで、記録媒体に液
滴が付着し記録を行なう。
【0027】なお、本発明は、特に液体噴射記録方式の
中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行なう、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッ
ド、記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0028】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。
【0029】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0030】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0031】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0032】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0033】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0034】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記
録を行なうために有効である。
【0035】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0036】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸
発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いる
かして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクの使用も可能である。このような場合
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。上述した各インクに対して最も有効な
ものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0037】さらに加えて、インクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るものであってもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シリコン母材に熱源回路パターンを形成した基板と少な
くともオリフィス、液流路および液室を形成する感光性
樹脂からなるオリフィスプレートとを接合または接着し
た後に、オリフィスプレート側から紫外線レーザ光を照
射することによってオリフィスを形成し、基板側から遠
赤外線レーザ光を照射することにより少なくとも液流路
および液室を形成するようになし、基板とオリフィスプ
レートを高精度に位置アライメントして接合しなくて
も、オリフィスや液流路等を吐出エネルギー発生素子に
対して適正な位置に形成することができ、従来技術のよ
うな高精度の位置アライメントを必要としないために、
製造組み立て時間を短縮でき、さらに製造コストを低減
でき、安価な液体噴射記録ヘッドを提供することができ
る。
【0039】また、シリコン基板上に液流路および液室
を形成するためのパターンを予め金属パターン印刷でマ
スク形成したものを用いることによって、遠赤外線レー
ザ光の照射に際して、遠赤外線レーザ光のアライメント
をすることなく単に照射するのみで、液流路や液室を精
度良く加工形成することができ、加工時間をさらに一層
短縮することができ、生産性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の液体噴射記録ヘッドの一実施
例を示す模式的な分解斜視図であり、(b)はその模式
的断面図である。
【図2】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の一実
施例を製造工程順に説明するための模式的断面図であ
る。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の他の
実施例におけるシリコン基板を示す模式的斜視図であ
る。
【図4】本発明の液体噴射記録ヘッドの液体吐出状態を
説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
100 液体噴射記録ヘッド 101 (シリコン)基板 102 発熱抵抗素子 104 配線パターン 105 記録液供給口 110 オリフィスプレート 111 オリフィス 112 液室 113 液流路 120 紫外線レーザ光 121 吸引手段 122 遠赤外線レーザ光 123 ヒートシンク基板 130 金属パターン印刷

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録液に熱源を接触させ熱エネルギーを
    与えることで気泡を液流路中に発生させ、気泡の体積増
    加による圧力を記録液のオリフィスに伝達させて液滴を
    吐出させ記録媒体に付着させる液体噴射記録ヘッドの製
    造方法において、シリコン母材に熱源回路パターンを形
    成した基板と少なくともオリフィス、液流路および液室
    を形成する感光性樹脂からなるオリフィスプレートとを
    接合または接着し、その後、前記オリフィスプレート側
    からの紫外線レーザ光の照射によってオリフィスを形成
    し、前記基板側からの遠赤外線レーザ光の照射により少
    なくとも液流路および液室を形成することを特徴とする
    液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 基板側からの遠赤外線レーザ光の照射
    は、予めパターニングされたフォトマスクを投影するこ
    とにより、少なくとも液流路および液室を形成すること
    を特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 遠赤外線レーザ光の照射は、基板に予め
    パターニングされた金属膜によりレーザ光のマスキング
    を施し、該基板側からの照射によって少なくとも液流路
    および液室を形成することを特徴とする請求項1記載の
    液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 オリフィスプレート側からの紫外線レー
    ザ光の照射は、予めパターニングされたフォトマスクを
    投影することにより、オリフィスを形成することを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の液体噴射
    記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 オリフィスプレート側からの紫外線レー
    ザ光の照射を行なった後に、基板側からの遠赤外線レー
    ザ光の照射を行なうことを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれか1項記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 基板側からの遠赤外線レーザ光の照射と
    同時に先に形成されたオリフィスから液流路や液室等の
    加工形成時に生じる気化または液化したオリフィスプレ
    ート材料を吸引することを特徴とする請求項5記載の液
    体噴射記録ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 記録液に熱源を接触させ熱エネルギーを
    与えることで気泡を記録液流路中に発生させ、気泡の体
    積増加による圧力を記録液のオリフィスに伝達させて、
    液滴を吐出させて記録媒体に付着させる液体噴射記録ヘ
    ッドにおいて、シリコン母材に熱源回路パターンを形成
    した基板と少なくともオリフィス、液流路、液室を形成
    する感光性樹脂からなるオリフィスプレートとを接合ま
    たは接着し、その後、前記オリフィスプレート側からの
    紫外線レーザ光の照射によってオリフィスを形成し、前
    記基板側からの遠赤外線レーザ光の照射により少なくと
    も液流路および液室を形成することによって製造される
    ことを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020006538A (ja) * 2018-07-04 2020-01-16 株式会社リコー 液体吐出ヘッド組立装置および液体吐出ヘッド組立方法

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