JPH111387A - Pzt薄膜バイモルフ構造体、pzt薄膜バイモルフ形の平行平板構造体、及びその製造方法 - Google Patents

Pzt薄膜バイモルフ構造体、pzt薄膜バイモルフ形の平行平板構造体、及びその製造方法

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JPH111387A
JPH111387A JP15510997A JP15510997A JPH111387A JP H111387 A JPH111387 A JP H111387A JP 15510997 A JP15510997 A JP 15510997A JP 15510997 A JP15510997 A JP 15510997A JP H111387 A JPH111387 A JP H111387A
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JP
Japan
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thin film
pzt thin
pzt
bimorph
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Application number
JP15510997A
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English (en)
Inventor
Toshio Fukuda
敏男 福田
Fumito Arai
史人 新井
Koichi Itoigawa
貢一 糸魚川
Hitoshi Iwata
仁 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易に多数のバイモルフ構造を得ることがで
き、小型化が可能なPZT薄膜バイモルフ構造体を提供
する。 【解決手段】平行平板構造体1は、一対のバイモルフ構
造体からなる圧電素子2を互いに相対させ、その上下両
端に対して角柱状の絶縁スペーサ3をそれぞれ挟んで互
いに固着した構成とされている。バイモルフ構造体から
なる圧電素子2は、チタンからなる平板状の基材4の表
裏両面に対して厚さ数十μmのPZT薄膜5が水熱法に
より形成され、その表裏両面のPZT薄膜5上にはアル
ミニウムからなる厚さ数μmの電極膜6が形成されてい
る。基材4の厚みは20μmとされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPZT薄膜バイモルフ構
造体、PZT薄膜バイモルフ形の平行平板構造体、及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から圧電素子としてバルクのPZT
(ジルコン・チタン酸鉛:チタン酸鉛,ジルコン酸鉛の
固溶体からなるセラミックス)素子を板状の基材の表裏
両面にそれぞれ設け、前記PZT素子の表面に電極を設
けたバイモルフ(Bimorph)構造体が知られてい
る。このバイモルフ構造体は、両PZT素子に対して電
圧を印加すると、一方のPZT素子が引き伸ばされ、他
方のPZT素子が圧縮されて、構造体の全体が変形しア
クチュエータとして利用される。又、逆に一方のPZT
素子を引き伸ばし、他方のPZT素子を圧縮した場合に
は、1つのPZT素子(圧電素子)の場合よりも2倍の
電圧を発生するセンサとして利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
なバイモルフ構造体は、バルクのPZT素子を使用して
いるため、バルクそのものの薄形化が難しく、バイモル
フ構造体全体の小型化が難しい問題があった。さらに、
バルクのPZTを使用してバイモルフ構造を得ようとし
た場合、バルクを基材の表裏面にそれぞれ貼着する必要
があるため、貼着工程が多くなる問題があった。
【0004】又、バイモルフ構造体を構成する場合、1
枚のバイモルフ構造体であると従来のバイモルフ構造体
は板状に形成されているため、変位時に変位方向以外の
力が加わると捩じれた状態で変位しやすく、正確な変位
ができない問題もあった。さらに、従来のバイモルフ構
造体は、バルクのPZT素子を基材の表裏両面に貼着し
て製造する必要があるため、1度に多くのバイモルフ構
造体を得ることができない問題もあった。
【0005】本発明は上記の課題を解消するためになさ
れたものであり、第1の目的は、容易に多数のバイモル
フ構造を得ることができ、かつ小型のバイモルフ構造体
にすることができるPZT薄膜バイモルフ構造体を提供
することにある。
【0006】第2の目的は、捩じれに強いPZT薄膜バ
イモルフ形の平行平板構造体を提供することにある。第
3の目的は、一度に多数のバイモルフ構造体を得ること
ができる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、チタン基材の第1の側
面と、第1の側面とは180度反対側に位置する第2の
側面とに、PZT薄膜が形成され、前記PZT薄膜上に
電極がそれぞれ設けられたPZT薄膜バイモルフ構造体
をその要旨としている。
【0008】請求項2の発明は、チタン基材の第1の側
面と、同第1の側面とは180度反対側に位置する第2
の側面とにPZT薄膜が形成され、前記PZT薄膜上に
電極がそれぞれ設けられた一対のPZT薄膜バイモルフ
構造体が互いにスペーサを介して、平行に連結されてい
ることを特徴とするPZT薄膜バイモルフ形の平行平板
構造体をその要旨としている。
【0009】請求項3の発明は、水熱法により、チタン
基材の第1の側面と、第1の側面とは180度反対側に
位置する第2の側面とにPZT薄膜を形成する工程と、
前記PZT薄膜上に対して、それぞれ電極を形成する工
程とを含むPZT薄膜バイモルフ構造体の製造方法をそ
の要旨としている。
【0010】請求項4の発明は、水熱法により、チタン
基材の第1の側面と、第1の側面とは180度反対側に
位置する第2の側面とにPZT薄膜を形成する工程と、
前記PZT薄膜上に対して、それぞれ複数の電極を形成
する工程と、互いに隣接した電極間を切断して複数のP
ZT薄膜バイモルフ構造体を得る工程とを含むことを特
徴とするPZT薄膜バイモルフ構造体の製造方法をその
要旨としている。
【0011】請求項5の発明は、請求項3又は請求項4
において、前記水熱法は、硝酸鉛溶液、オキシ塩化ジル
コニウムを鉱化剤とともに攪拌し、加圧及び加熱して、
チタン基材の第1及び第2の側面上に種子結晶を得る工
程と、前記種子結晶を得た基材に対して、硝酸鉛溶液、
オキシ塩化ジルコニウム、四塩化チタンの溶液を鉱化剤
とともに攪拌し、加熱及び加圧して、チタン基材の第1
の側面と、第1の側面とは180度反対側に位置する第
2の側面のそれぞれに対してPZTの結晶成長を行い、
チタン基材の第1及び第2の側面上にPZT薄膜を形成
する工程とを含むことをその要旨としている。 (作用)請求項1に記載の発明によると、チタン基材の
第1及び第2の側面に形成されたPZT薄膜は、薄いた
め、PZT薄膜バイモルフ構造体は、小型化がされる。
【0012】請求項2に記載の発明は、平行平板構造と
されて剛性が付与されるため、捩じれに対して強くな
る。請求項3の発明によると、水熱法により、チタン基
材の第1及び第2の側面にPZT薄膜が形成され、その
後、前記PZT薄膜に対して、それぞれ電極が形成され
ることにより、PZT薄膜バイモルフ構造体となる。こ
こで、水熱法とは、加熱・加圧下の水溶液から結晶を析
出、成長させる方法をいう。又、加圧とは、積極的に圧
力を加える場合の他、圧力容器内において、加熱により
蒸気圧の圧力上昇を含む趣旨である。なお、水熱法は、
一般的には水熱合成法ともいうが、この明細書では、水
熱法という。
【0013】請求項4に記載の発明によると、水熱法に
より、チタン基材の第1及び第2の側面にPZT薄膜が
形成され、その後、前記PZT薄膜に対して、それぞれ
複数の電極が形成される。そして、互いに隣接した電極
間が切断されると、複数のPZT薄膜バイモルフ構造体
が得られる。
【0014】請求項5に記載の発明によると、硝酸鉛溶
液、オキシ塩化ジルコニウムを鉱化剤とともに攪拌し、
加圧及び加熱して、チタン基材の第1及び第2の側面上
に種子結晶を得る。その後、前記種子結晶を得た基材に
対して、硝酸鉛溶液、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化
チタンの溶液を鉱化剤とともに攪拌し、加熱及び加圧し
て、チタン基材の第1及び第2の側面のそれぞれに対し
てPZTの結晶成長を行うと、チタン基材の第1及び第
2の側面にPZT薄膜を得る。
【0015】
【実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃至図1
1を参照して説明する。図1(a),(b)はPZT薄
膜バイモルフ形の平行平板構造体の断面図を示してい
る。又、図9はPZT薄膜バイモルフ形の平行平板構造
体の斜視図を示している。なお、上記図面を含む各図面
に図示されている各部材の厚みは、説明の便宜上、実際
のものより適宜拡大して図示されている。
【0016】図1(a),(b)に示すように平行平板
構造体1は、一対のバイモルフ構造体からなる平板状の
圧電素子2を互いに相対させ、その上下両端に対して角
柱状の絶縁スペーサ3をそれぞれ挟んで互いに固着した
構成とされている。なお、絶縁スペーサ3としたのは、
圧電素子2間の短絡防止のためである。
【0017】バイモルフ構造体からなる圧電素子2は、
厚みが均等に形成された平板状をなすチタンからなる基
材(チタン基材)4の両側面に対して厚さ数十μmのP
ZT薄膜5が形成され、その表裏両面のPZT薄膜5上
にはアルミニウムからなる厚さ数μmの電極膜6が形成
されている。基材4の厚みは20μmとされている。前
記基材4の両側面は本発明における第1の側面、及び第
1の側面とは180度反対側に位置する第2の側面に相
当する。又、電極膜6は本発明の電極に相当する。
【0018】図1(a),(b)には、上記のように構
成されたPZT薄膜バイモルフ形の平行平板構造体1を
アクチュエータとして使用する場合の電気回路を示して
いる。図1(a)は、PZT薄膜5の分極が方向Aの場
合であり、直流電源B1,B2をそれぞれ直列に接続し
て、直流電源B1のプラス端子を、図1において各圧電
素子2の左側の側面の電極膜6に接続し、直流電源B2
のマイナス端子を右側の側面の電極膜6に接続し、直流
電源B1,B2の中間接続点を基材4に接続している。
これは、チタン基材4の両面側に形成されるPZT薄膜
5のそれぞれに、均一に電界を印加するためであり、P
ZT薄膜5の膜厚が均一であれば、直流電源B1,B2
の中間接続点を基材4に接続する必要はない。なお、直
流電源B1,B2は同電圧を各電極膜6を介してPZT
薄膜5に印加するようになっている。
【0019】そして、上記の平行平板構造体1の下端を
図示しない台等に固定した状態で、図1(a)に示すよ
うに一対の圧電素子2の同一方向側に位置する側面に対
し電極膜6を介して同極性の電圧を印加すると、プラス
電位側に印加された方のPZT薄膜5は圧縮され、マイ
ナス電位に印加された側のPZT薄膜5は引き伸ばされ
る(図1(a)においては、左方へ変位する)。又、図
1(a)とは逆極性の電圧を各側面の電極膜6を介して
印加した場合には、前記とは反対側に位置するプラス電
位側に印加された側面(図1(a)において、各圧電素
子2の右側面)のPZT薄膜5は圧縮され、マイナス電
位に印加された側面(図1において、各圧電素子2の左
側面)のPZT薄膜5は引き伸ばされる(図1(a)に
おいては、右方へ変位する)。
【0020】図1(b)は、PZT薄膜5の分極が方向
Bの場合であり、直流電源B3のマイナス端子を基材4
に接続し、プラス端子を各圧電素子2の左右の側面の電
極膜6に接続している。図1(b)に示すように一対の
圧電素子2の両側面に位置する電極膜6を介してプラス
電位を印加すると右側のPZT薄膜5は引き伸ばされ、
左側のPZT薄膜5は圧縮される(図1(b)において
は、左側へ変形する)、又、図1(b)とは、逆極性の
電圧を印加した場合には、前記と反対方向の右側に変形
する。この場合は、図1(a)の1/2の電圧で、同じ
量の変位が得られる。
【0021】又、上記の説明ではアクチュエータとして
説明したが、変位センサとして使用することも可能であ
る。この場合は、上記の平行平板構造体1の下端を図示
しない台等に固定した状態で、図1において、上端を左
方又は右方へ変位すると、圧電素子2の圧縮された側面
のPZT薄膜5と、引き伸ばされた側面のPZT薄膜5
とは、それぞれ逆電位の電圧が生ずる。この電圧の変化
を検出すると、変位センサとして使用することができ
る。なお、この変位センサは、この実施形態では単一の
圧電素子2から生ずる電圧に比較して、一対の圧電素子
2から電圧が生ずるため、2倍の電圧を得ることができ
る。
【0022】次に、上記平行平板構造体1の製造方法を
図2乃至図9を参照して説明する。図2は、基材4Aを
示している。チタンからなる基材4Aは、厚みが均等に
形成された平板状をなしており、前記基材4の複数個分
の面積を有している。まず、この基材4Aを酸等で、ク
リーニングし、予め、一端側(図1において、基端とな
る側)を合成樹脂、又は、スパッタリングや真空蒸着等
の物理的成膜法にてチタン以外の金属等にて、被覆して
マスクMを形成し、次に水熱法で、PZT薄膜5を両面
に形成する。
【0023】この水熱法は2つの段階からなっている。 (第1段階)基材4A、原材料としてのオキシ塩化ジル
コニウム(ZrOC2 ・8H2 O)と硝酸塩(Pb(N
3 2 )の水溶液、及びKOH(8N)溶液をテフロ
ン瓶(図示しない)に投入し、攪拌する。なお、PZT
薄膜5の圧電性は、PZT薄膜5におけるチタン酸鉛,
ジルコン酸鉛の構成組成比によって決まるため、後にで
きあがるPZT薄膜5の圧電性に応じてオキシ塩化ジル
コニウムと硝酸塩とのモル比を決めればよい。
【0024】次に、図示しない圧力容器内において、基
材4Aを上方に配置し、オキシ塩化ジルコニウム(Zr
OC2 ・8H2 O)、硝酸塩(Pb(NO3 2 )の水
溶液、及びKOH(8N)溶液を攪拌しながら、加熱・
加圧する。なお、ここでいう加圧とは、加熱された溶液
の蒸気圧よる加圧のことである。温度条件は150℃
で、48時間この状態を継続する。なお、攪拌は、30
0rpmで行う。
【0025】この結果、過飽和状態で、基材4Aの平板
状の両側面にPZTの種子結晶(核)が形成される。上
記時間の経過後、基材4Aを圧力容器から取り出し、水
洗・乾燥する。
【0026】(第2段階)次に、種子結晶が核付けされ
た基材4A、原材料としてのオキシ塩化ジルコニウム
(ZrOC2 ・8H2 O)と硝酸塩(Pb(N
3 2 )の水溶液、四塩化チタン(TiCl4 )及び
KOH(4N)溶液をテフロン瓶(図示しない)に投入
し、攪拌する。なお、PZT薄膜5の圧電性は、PZT
におけるチタン酸鉛,ジルコン酸鉛の構成組成比によっ
て決まるため、後にできあがるPZTの圧電性に応じて
オキシ塩化ジルコニウムと硝酸塩とのモル比を決めれば
よい。
【0027】次に、図示しない圧力容器内において、基
材4Aを上方に配置し、オキシ塩化ジルコニウム(Zr
OC2 ・8H2 O)、硝酸塩(Pb(NO3 2 )の水
溶液、四塩化チタン(TiCl4 )及びKOH(4N)
溶液を攪拌しながら、加熱・加圧する。なお、ここでい
う加圧とは、加熱された溶液の蒸気圧よる加圧のことで
ある。温度条件は120℃で、48時間この状態を継続
する。なお、攪拌は、300rpmで行う。
【0028】この結果、過飽和状態で、基材4Aの平板
状の両側面にPZT薄膜5が所定厚み(この実施形態で
は数十μm)で形成される(図3参照)。上記時間の経
過後、基材4Aを圧力容器から取り出し、水洗・乾燥す
る。この後、マスクMを除去する。
【0029】次に、図4に示すように、PZT薄膜5を
含む、基材4Aの両側面に電極膜6をスパッタリングや
真空蒸着等の物理的成膜法により形成する。そして、基
材4Aに対して複数個分(この実施形態では3個分)の
圧電素子2が取れるようにその表裏両面をパターニング
し、不必要な電極膜6の部分を除去する(図5及び図6
参照)。
【0030】続いて、図7に示すようにPZT薄膜5、
電極膜6を備えた一対の基材4Aを互いに相対させ、そ
の両端間において、合成樹脂からなる角柱状の絶縁スペ
ーサ3を介して互いに固着し、平行平板構造体1Aとす
る。この平行平板構造体1Aは、単一の平行平板構造体
が互いに連結された構成となっている。なお、絶縁スペ
ーサ3は、硬化時に剛性の高い接着剤にて基材4Aを固
着する(図8参照)。
【0031】次に、図8の平行平板構造体1Aを点線箇
所にて切断し、単一の平行平板構造体1に分離する。な
お、この切断は、放電加工、或いはレーザカットにて行
う。さて、本実施形態によると、次のような作用効果を
奏する。
【0032】(1) 本実施形態では、基材4の両側面
に形成されたPZT薄膜5は、数十μmとして薄く形成
しているため、PZT薄膜バイモルフ構造体としての圧
電素子2を、小型化することができる。
【0033】(2) 本実施形態では、一対のバイモル
フ構造体からなる圧電素子2を互いに相対させ、平行平
板構造としているため、捩じれに対して強くすることが
できる。
【0034】図10(a)は、単一のバイモルフ構造体
10が振動する場合を示し、図10(b)は、同じく単
一のバイモルフ構造体10が振動しているときであっ
て、上方から見た場合における、バイモルフ構造体10
の上端の変位位置を示している。図10(b)の中央位
置P1は変位前の位置、P2は、中央位置P1から一方
に変位した場合の位置、P3は中央位置P1から、P2
とは反対側の他方の位置に変位した場合の位置を示して
いる。この場合、単一のバイモルフ構造体10は平板状
に形成されているため、振動方向以外の力が加わると、
図10(b)のP2,P3に示すように捩じられてしま
う問題がある。なお、図10(b)において、二点鎖線
は、捩じれが加わらなかった場合のバイモルフ構造体1
0の変位位置である。
【0035】図11(a)は、本実施形態の平行平板構
造体1が振動する場合を示し、図11(b)は、同じく
平行平板構造体1が振動しているときであって、上方か
ら見た場合における平行平板構造体1の上端の変位位置
を示している。
【0036】図11(b)の中央位置P1は変位前の位
置、P2は、中央位置P1から一方に変位した場合の位
置、P3は中央位置P1から、P2とは反対側の他方の
位置に変位した場合の位置を示している。この場合、平
行平板構造体1は、振動方向以外の力が加わっても、剛
性があるため、捩じれに強く、図11(b)のP2,P
3に示すように捩じられてしまうことはない。
【0037】、なお、図10及び図11はともに、説明
の便宜上、電極膜、PZT薄膜は省略して図示してい
る。 (3) 本実施形態では、水熱法により、複数個分の基
材4の面積を有する基材4Aの両側面にPZT薄膜5を
形成し、その後、基材4Aの両側面に対して、電極膜6
を形成した。この結果、一度に複数個の基材4に対して
PZT薄膜5及び電極膜6を形成できるため、従来と異
なり、一度に多くのバイモルフ構造体を形成することが
できる。
【0038】(4) 本実施形態では、水熱法により、
基材4Aの両側面にPZT薄膜5を形成し、その後、前
記PZT薄膜5を形成した基材4Aの両側面に対して、
それぞれ複数の電極膜6を形成し、互いに隣接した電極
6間を切断すると、複数のPZT薄膜バイモルフ構造体
を得ることができる。
【0039】本発明の実施形態は、上記実施形態以外に
次のように変更することも可能である。 (1) 前記実施形態では、絶縁スペーサ3としたが、
圧電素子2間において、短絡の虞がないように形成した
場合には、金属製スペーサのように非絶縁性のスペーサ
にて構成してもよい。この場合、圧電素子2に対する固
着は溶接等により行う。
【0040】(2) 前記実施形態では、電極膜6をア
ルミニウムで形成したが、Au(金)にて形成してもよ
く、又、他の金属にて形成してもよい。 (3) 前記実施形態では、電極膜6、PZT薄膜5、
基材4の厚みをそれぞれ所定数値としたが、上記数値に
限定されるものではなく、必要に応じて、上記以外の数
値としてもよい。
【0041】(4) 前記実施形態では、3個のバイモ
ルフ構造体の製造について説明したが、この個数には限
定されるものではなく、2個、或いは4個以上のものを
一度に形成するようにしてもよい。なお、勿論1個のバ
イモルフ構造体を製造することも可能である。
【0042】ここで、特許請求の範囲に記載された技術
的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される
技術的思想をその効果とともに以下に挙げる。 (1) 請求項3乃至請求項5のいずれかにおいて、P
ZT薄膜を形成する工程の前に、予めチタン基材の所定
部分には、マスクを施したPZT薄膜バイモルフ構造体
の製造方法。こうすることにより、マスクされた部分に
は、PZT薄膜を形成できないようにすることができ
る。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、容易に多数のバイモルフ構造を得ることがで
き、又、PZT薄膜となるため、小型のバイモルフ構造
体にすることができる。
【0044】請求項2の発明によれば、捩じれに強いP
ZT薄膜バイモルフ形の平行平板構造体とすることがで
きる。請求項3乃至請求項5の発明によれば、一度に多
数のバイモルフ構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)はPZT薄膜バイモルフ形の平
行平板構造体の断面図。
【図2】基材の断面図。
【図3】PZT薄膜にて被覆した状態の基材の断面図。
【図4】電極膜を形成した基材の断面図。
【図5】電極膜をパターンニングして形成された圧電素
子の断面図。
【図6】同じく圧電素子の斜視図。
【図7】平行平板構造体の組付け方法を示す分解斜視
図。
【図8】平行平板構造体を組付けた状態の斜視図。
【図9】PZT薄膜バイモルフ形の平行平板構造体の斜
視図。
【図10】(a)は単一のPZT薄膜バイモルフ構造体
の作用を示す斜視図、(b)は同じく説明図。
【図11】(a)は平行平板構造体の作用を示す斜視
図、(b)は同じく説明図。
【符号の説明】 1…平行平板構造体、2…圧電素子、3…絶縁スペー
サ、4,4A…基材、5…PZT薄膜、6…電極膜。
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】次に、図示しない圧力容器内において、基
材4Aを上方に配置し、オキシ塩化ジルコニウム(Zr
OC 2 ・8H2 O)、硝酸塩(Pb(NO3 2 )の
水溶液、及びKOH(8N)溶液を攪拌しながら、加熱
・加圧する。なお、ここでいう加圧とは、加熱された溶
液の蒸気圧よる加圧のことである。温度条件は150
℃で、48時間この状態を継続する。なお、攪拌は、3
00rpmで行う。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】(第2段階)次に、種子結晶が核付けされ
た基材4A、原材料としてのオキシ塩化ジルコニウム
(ZrOC 2 ・8H2 O)と硝酸塩(Pb(NO3
2 )の水溶液、四塩化チタン(TiCl4 )及びKOH
(4N)溶液をテフロン瓶(図示しない)に投入し、攪
拌する。なお、PZT薄膜5の圧電性は、PZTにおけ
るチタン酸鉛,ジルコン酸鉛の構成組成比によって決ま
るため、後にできあがるPZTの圧電性に応じてオキシ
塩化ジルコニウムと硝酸塩とのモル比を決めればよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】次に、図示しない圧力容器内において、基
材4Aを上方に配置し、オキシ塩化ジルコニウム(Zr
OC 2 ・8H2 O)、硝酸塩(Pb(NO3 2 )の
水溶液、四塩化チタン(TiCl4 )及びKOH(4
N)溶液を攪拌しながら、加熱・加圧する。なお、ここ
でいう加圧とは、加熱された溶液の蒸気圧よる加圧の
ことである。温度条件は120℃で、48時間この状態
を継続する。なお、攪拌は、300rpmで行う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 史人 名古屋市千種区青柳町6丁目5番地の1 メイツ千種青柳501 (72)発明者 糸魚川 貢一 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 岩田 仁 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地 株式会社東海理化電機製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン基材の第1の側面と、第1の側面
    とは180度反対側に位置する第2の側面とに、PZT
    薄膜が形成され、前記PZT薄膜上に電極がそれぞれ設
    けられたPZT薄膜バイモルフ構造体。
  2. 【請求項2】 チタン基材の第1の側面と、同第1の側
    面とは180度反対側に位置する第2の側面とにPZT
    薄膜が形成され、前記PZT薄膜上に電極がそれぞれ設
    けられた一対のPZT薄膜バイモルフ構造体が互いにス
    ペーサを介して、平行に連結されていることを特徴とす
    るPZT薄膜バイモルフ形の平行平板構造体。
  3. 【請求項3】 水熱法により、チタン基材の第1の側面
    と、第1の側面とは180度反対側に位置する第2の側
    面とにPZT薄膜を形成する工程と、 前記PZT薄膜上に対して、それぞれ電極を形成する工
    程とを含むPZT薄膜バイモルフ構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 水熱法により、チタン基材の第1の側面
    と、第1の側面とは180度反対側に位置する第2の側
    面とにPZT薄膜を形成する工程と、 前記PZT薄膜上に対して、それぞれ複数の電極を形成
    する工程と、 互いに隣接した電極間を切断して複数のPZT薄膜バイ
    モルフ構造体を得る工程とを含むことを特徴とするPZ
    T薄膜バイモルフ構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記水熱法は、 硝酸鉛溶液、オキシ塩化ジルコニウムを鉱化剤とともに
    攪拌し、加圧及び加熱して、チタン基材の第1及び第2
    の側面上に種子結晶を得る工程と、 前記種子結晶を得た基材に対して、硝酸鉛溶液、オキシ
    塩化ジルコニウム、四塩化チタンの溶液を鉱化剤ととも
    に攪拌し、加熱及び加圧して、チタン基材の第1の側面
    と、第1の側面とは180度反対側に位置する第2の側
    面のそれぞれに対してPZTの結晶成長を行い、チタン
    基材の第1及び第2の側面上にPZT薄膜を形成する工
    程とを含むことを特徴とする請求項3又は請求項4に記
    載のPZT薄膜バイモルフ構造体の製造方法。
JP15510997A 1997-06-12 1997-06-12 Pzt薄膜バイモルフ構造体、pzt薄膜バイモルフ形の平行平板構造体、及びその製造方法 Pending JPH111387A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1020937A4 (en) * 1997-07-04 2002-07-17 Tokai Rika Co Ltd PARALLEL PLANAR STRUCTURE WITH DIMENPHIC THIN-FILM ELEMENTS OF PZT AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF
US6922274B2 (en) 1999-12-27 2005-07-26 Ngk Insulators, Ltd. Display device and method for producing the same
KR100683325B1 (ko) * 1999-05-21 2007-02-15 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 박막 압전형 바이머프 소자와 이를 이용한 역학량 검출기,잉크젯 헤드 및 이들의 제조방법
JP2009288144A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 圧電素子、圧電センサ、圧電素子の製造方法、金属箔電極部材

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