JPH11138728A - 生分解性袋用紙 - Google Patents

生分解性袋用紙

Info

Publication number
JPH11138728A
JPH11138728A JP30835097A JP30835097A JPH11138728A JP H11138728 A JPH11138728 A JP H11138728A JP 30835097 A JP30835097 A JP 30835097A JP 30835097 A JP30835097 A JP 30835097A JP H11138728 A JPH11138728 A JP H11138728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
fiber
biodegradable
heat
bag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30835097A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Kimura
裕次 木村
Yoshiaki Ishino
良明 石野
Yoriyuki Hatsutori
順行 服部
Genichi Ikegami
元一 池上
Kimio Hiyoshi
公男 日吉
Hiroyuki Fukazawa
博之 深沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIZUOKA PREFECTURE KAGAKU GIJ
SHIZUOKA PREFECTURE KAGAKU GIJUTSU SHINKO ZAIDAN
Shizuoka Prefecture
Mishima Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
SHIZUOKA PREFECTURE KAGAKU GIJ
SHIZUOKA PREFECTURE KAGAKU GIJUTSU SHINKO ZAIDAN
Shizuoka Prefecture
Mishima Paper Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIZUOKA PREFECTURE KAGAKU GIJ, SHIZUOKA PREFECTURE KAGAKU GIJUTSU SHINKO ZAIDAN, Shizuoka Prefecture, Mishima Paper Manufacturing Co Ltd filed Critical SHIZUOKA PREFECTURE KAGAKU GIJ
Priority to JP30835097A priority Critical patent/JPH11138728A/ja
Publication of JPH11138728A publication Critical patent/JPH11138728A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートシールにより製袋が可能で且つ微生物
により分解可能で、袋の形態保持性に優れ、適度な通気
性、耐水性、吸水性を有し、食品等の包装材料あるいは
家庭用又は業務用の生ゴミ補集用袋等の一般生活関連
材、あるいは土木工事用、農業用等の産業袋用の素材と
して好適な生分解性袋用紙の提供。 【解決手段】 生分解性熱可塑性合成短繊維が30〜9
0重量%含まれてなるヒ−トシ−ル可能な層と、製紙用
天然繊維からなるヒ−トシ−ル不可能な層が抄き合わせ
により接合されてなる生分解性袋用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 生分解性、 ヒート
シール性、 耐水性、 通水性、 通気性、 吸水性を有し、 食
品等の包装材料あるいは家庭用又は業務用の生ゴミ捕集
用袋等の一般生活関連材、 あるいは土木工事用、 農業用
等の産業用袋の素材として好適な生分解性袋用紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から紙袋は、 紙を袋の形態に折り畳
み、 袋の側面、 底面部分を接合して製造されており、 接
合の方法として、 水溶性接着剤、 水性エマルジョン接着
剤、 溶剤系接着剤、 ホットメルト接着剤等の接着剤の塗
布による接着、 粘着テープの貼合による接合、 ポリエチ
レン等の熱可塑性樹脂フィルムと積層した紙のヒートシ
ール、 ポリプロピレン短繊維等の熱可塑性合成短繊維を
混抄した紙のヒートシール等が用いられてきた。
【0003】これらの接合用素材のうち、 水性エマルジ
ョン接着剤、 溶剤系接着剤、 ホットメルト接着剤、 粘着
テープ、 熱可塑性樹脂フィルム積層紙、 熱可塑性合成短
繊維混抄紙等は、 何れも自然環境下では化学的、 生物学
的に安定であるため、 微生物等に捕食されて分解するこ
とがない。また、 水溶性接着剤の中には、 澱粉やポリビ
ニルアルコールの様に生分解性のものもあるが、 これら
による接合箇所は耐水性がないため、 袋の内容物の水分
が多いと接合箇所が破れてしまうという欠点がある。
【0004】従って、 家庭用又は業務用の生ゴミ捕集用
袋等の使い捨て袋用途では、 耐水性がある非生分解性素
材で接合された袋が用いられており、袋ごと焼却または
埋め立てにより処理されているのが実情である。しか
し、 焼却処理に関しては、 多大の費用が必要とされ、 非
生分解性素材の燃焼による有害ガスの発生、高温による
焼却炉の損傷が生じる等、 自然・環境保護の観点から問
題がある。一方、埋め立てに関しては、 上述のように素
材が自然環境下で安定であるため、長期間にわたって土
中で元の形態が保持され減容化せず、 地盤の安定化が困
難になる欠点がある。更に、 生ゴミ等を堆肥化する際に
は、 袋の非生分解性素材が分解しないため、 堆肥化処理
が阻害されたり、 堆肥中に堆積して品質が低下する問題
がある。
【0005】これらの問題を解決するために、 袋を製造
する際の接合材料として、 生分解性と熱接着性を兼備す
る素材を使用することが考えられる。例えば、 ポリエチ
レンサクシネート、 ポリエチレンアジペート等の脂肪族
ポリエステル、 ポリ乳酸、 ポリカプロラクトン等のオキ
シカルボン酸やラクトンのポリエステル、 微生物が自然
界で作るポリ−3−ヒドロキシバリレート、 ポリ−3−
ヒドロキシブチレート、 ポリ−3−ヒドロキシカプロレ
ート等の微生物ポリエステル等を、基材となる紙の片面
に溶融押し出しラミネートすることにより、 紙の表面に
生分解性と熱接着性を有する接合層を設ける方法が挙げ
られる。しかしながら、 紙の表面にフィルム状に形成さ
れた接合層により通気性、 通水性が阻害されるため、 生
ゴミ捕集用袋等の用途では生ゴミの水切りを行うことが
出来ない、 フィルムが厚くなると生分解速度が遅くな
り、 袋の形態が崩壊するまでに時間がかかる等、 種々の
問題を有している。
【0006】また、 上記の生分解性と熱接着性を兼備す
る素材を溶媒に溶かした溶液を、 基材となる紙の表面に
塗工または紙中に含浸することにより紙の表面に生分解
性と熱接着性を有する接合層を設ける方法が考えられ
る。しかし、 ポリエチレンサクシネート、 ポリエチレン
アジペート等の脂肪族ポリエステル、 ポリ乳酸、 ポリ−
3−ヒドロキシバリレート、 ポリ−3−ヒドロキシブチ
レート、 ポリ−3−ヒドロキシカプロレート等の微生物
ポリエステルは、 クロロホルムのような高価な有機溶媒
以外には溶解しないため、 製造コストが高く実用性がな
い。
【0007】一方、 生分解性、 柔軟性、 吸水性、 疎水性
を有するシート状構造体として、 生分解性熱可塑性短繊
維不織布層と天然繊維不織布層とが積層されてなる積層
不織構造体が知られている。例えば、 特開平7−119
010号公報には、 生分解性熱可塑性合成短繊維からな
る不織布層と天然繊維同士が機械的に交絡してなる不織
布層とが積層され、 かつ上記生分解性熱可塑性合成短繊
維と天然繊維とが融着されてなる点状融着区域を有する
積層不織構造体であって、 前記点状融着区域において前
記両不織布層の少なくとも境界面に位置する天然繊維が
前記合成短繊維の融解部に埋設された状態で固定される
ことにより全体として一体化されてなることを特徴とす
る生分解性積層不織構造体が提案されている。しかしな
がら、 この生分解性積層不織構造体を袋に加工して用い
る場合は、 柔らかすぎて腰がなく、 大孔径の空隙が多い
ため、 袋の形態保持が困難で内容物が漏洩し易く、 袋表
面への印刷も困難で、 生ゴミ捕集用袋、 農薬や肥料の個
装袋等に使用するためには問題が多い。しかも、 この積
層不織構造体は、 これを製造するに際して、 生分解性熱
可塑性短繊維不織布層と天然繊維不織布層とを個別に製
造した後、 これらを積層し、 次いで生分解性熱可塑性短
繊維不織布を点状に融解させて両層を融着接合する等、
少なくとも三工程を必要として製造が煩雑で経済性にも
劣るものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、 生分解性熱
可塑性合成短繊維が30〜90重量%含まれてなるヒ−
トシ−ル可能な層と、製紙用天然繊維からなるヒ−トシ
−ル不可能な層が抄き合わせにより接合されてなり、 ヒ
ートシールにより製袋が可能で且つ微生物により分解可
能で、 袋の形態保持性に優れ、 適度な通気性、 通水性、
耐水性、 吸水性を有し、 食品等の包装材料あるいは家庭
用又は業務用の生ゴミ捕集用袋等の一般生活関連材、 あ
るいは土木工事用、 農業用等の産業袋用の素材として好
適な生分解性袋用紙を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、 前記課題
を達成すべく鋭意検討の結果、 本発明に到達した。すな
わち、 本発明の生分解性袋用紙は(構成1)生分解性熱
可塑性合成短繊維が30〜90重量%含まれてなるヒ−
トシ−ル可能な層と製紙用天然繊維からなるヒ−トシ−
ル不可能な層が抄き合わせにより接合されてなり、 微生
物により分解可能なことを特徴とし、さらに(構成2)
ヒ−トシ−ル可能な層が、製紙用天然繊維を70〜10
重量%含んでなることを特徴とする。
【0010】また、この生分解性袋用紙は(構成3)ヒ
−トシ−ル可能な層がポリビニルアルコール系バインダ
ー繊維を0.5〜20重量%含んでなることを特徴と
し、さらに(構成4)ヒ−トシ−ル不可能な層の両側に
ヒ−トシ−ル可能な層が抄き合わせにより接合されてな
ることを特徴とする。
【0011】本発明による生分解性袋用紙は、生分解性
熱可塑性合成短繊維が配合されたヒ−トシ−ル可能な層
と、製紙用パルプからなるヒ−トシ−ル不可能な層が抄
き合わせ接合により一体化されているため、通気性、 通
水性、 耐水性、 吸水性がありながら、不織布のような粗
大な空隙がなく、内容物の漏洩のない袋を形成すること
ができる。しかも、両層はともに生分解性を有し、土中
埋設による減容化、堆肥化が可能である。2層抄き合わ
せ紙の場合、ヒ−トシ−ル不可能な層である袋表面は平
滑性、表面強度に優れ、印刷機における通紙に必要な剛
性を有するため、容易に美麗な印刷を施すことができ
る。この生分解性袋用紙は、生分解性熱可塑性合成短繊
維が配合された紙層を有するため、ヒートシールによる
製袋が可能である。また、袋の製造はヒートシールのみ
でできるため、生分解性のない接着剤で接合する必要が
なく、全体が生分解可能な袋が得られる。なお、製造工
程は、通常の抄紙機、一工程で済むため、製造が容易で
経済性に優れるものである。
【0012】本発明の構成1〜4の生分解性袋用紙に使
用される生分解性熱可塑性合成短繊維として、(構成
5)ポリ乳酸系重合体からなる単味繊維または脂肪族ポ
リエステル系重合体からなる単味繊維またはその両方を
用いることができ、また、(構成6)ポリ乳酸系重合体
または脂肪族ポリエステル系重合体からなる第一成分と
第二成分とから構成される複合繊維であり、 第一成分の
融点は90〜200℃であり、 第二成分は第一成分より
少なくとも10℃以上高い融点を有する複合繊維も用い
ることができる。さらに、(構成7)生分解性熱可塑性
合成短繊維として、 ポリ乳酸系重合体または脂肪族ポリ
エステル系重合体からなり、融点が90〜200℃であ
る第一成分と第一成分より少なくとも10℃以上高い融
点を有する第二成分とから構成される複合繊維と、 複合
繊維の第一成分より少なくとも10℃以上高い融点を有
するポリ乳酸系重合体からなる単味繊維または脂肪族ポ
リエステル系重合体からなる単味繊維またはその両方が
含まれてなることも本発明に含まれる。
【0013】上記の単味繊維は生分解性と熱接着性を兼
備した素材であり、短繊維化することにより通常の抄紙
法で配合してシート化でき、複合繊維も、前述した単味
繊維の特性の他に、特定の温度で処理すると第一成分が
溶融して繊維間に接着するとともに、第二成分は繊維形
態を保持するため、いわゆる「糊剤と骨格」の役目をす
るので、強度が高く通気性のあるシートを形成すること
ができる。また、この単味繊維と複合繊維の両者を配合
することにより更にそれぞれの特徴を増幅させた、所望
の特性を持ったシ−トを形成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、生分解性熱可塑性合成
短繊維が含まれてなる層と、製紙用天然繊維からなる層
を抄き合わせすることによって得られる生分解性袋用紙
に関するものである。本発明における生分解性熱可塑性
合成短繊維は、 生分解性熱可塑性合成樹脂からなるもの
である。この生分解性熱可塑性合成樹脂のひとつは、 脂
肪族ポリエステル系重合体と称されるもので、脂肪族グ
リコールと脂肪族ジカルボン酸の重縮合体で、 かつ融点
が40℃以上のものである。例えば、 ポリエチレンオキ
サレート、 ポリエチレンサクシネート、 ポリエチレンア
ジペート、 ポリエチレンアゼレート、 ポリブチレンオキ
サレート、 ポリブチレンサクシネート、 ポリブチレンア
ジペート、 ポリブチレンセバケート、 ポリヘキサメチレ
ンセバケート、 ポリネオペンチルオキサレート又はこれ
らの共重合体が挙げられる。
【0015】本発明におけるいまひとつの生分解性熱可
塑性合成樹脂は、 環状2量体ラクチドの開環重合または
乳酸の重縮合により得られる乳酸を繰り返し単位とする
ポリ乳酸、 およびラクチドと各種ラクトンの開環共重合
により得られるポリ乳酸系共重合体である。 例えば、 乳
酸−グリコリド共重合体、 乳酸−ε−カプロラクトン共
重合体、 乳酸−β−メチル−δ−バレロラクトン共重合
体等が挙げられる。
【0016】これらの生分解性熱可塑性合成樹脂はそれ
ぞれ単体で使用される他に、 2種以上をブレンドしても
良く、 また、 前記生分解性熱可塑性合成樹脂にポリカプ
ロラクトン、 ポリグリコリド等の第三の生分解性熱可塑
性合成樹脂をブレンドしても良い。
【0017】生分解性熱可塑性合成短繊維は、 生分解性
熱可塑性合成樹脂を単一紡糸した単味繊維か、 又は融点
の異なる2種以上の合成樹脂成分を複合紡糸した繊維で
ある。繊維長は1〜40mm、 好ましくは3〜20mmであ
る。 生分解性熱可塑性複合繊維は、 融点の低い第一成分
と、 それより融点の高い第二成分で形成された複合繊維
であり、 第二成分の融点は第一成分より10℃以上高く
なくてはならない。例えば、 芯鞘型複合繊維の場合、芯
に融点120℃のポリブチレンサクシネート、鞘に融点
90℃のポリブチレンサクシネートアジペート共重合体
を用いたものや、 芯に融点178℃のポリ乳酸、 鞘に融
点109℃のポリ乳酸とポリカプロラクトンのブレンド
ポリマーを用いたものなどがある。これらの複合繊維
は、 第二成分の融点以下で第一成分の融点以上の温度で
加熱すると、 第一成分が溶融して繊維間を接着するとと
もに第二成分は繊維形態を保持するので、 特定の温度で
処理すると、 強度が高く通気性のあるシートが得られる
という性質を有するものである。
【0018】複合繊維における第一成分と第二成分の割
合は、 第一成分:第二成分=10〜90:90〜10、
好ましくは50:50である。 繊維断面における第一成
分と第二成分の配置は、 第二成分のまわりに第一成分が
同心円状になったもの、 第一成分と第二成分が隣り合わ
せに並んだもの、 第一成分の中に第二成分が島状に配置
されたものなどがある。
【0019】製紙用天然繊維とは、 好ましくは針葉樹パ
ルプであるが、 他に広葉樹パルプ等の木材パルプ、 マニ
ラ麻パルプ、 サイザル麻パルプ、 亜麻パルプ、ケナフパ
ルプ等の非木材パルプ等が挙げられる。また、製紙用天
然繊維の一部をレ−ヨン、リオセルなどのセルロ−ス系
短繊維で置き換えることができる。製紙用天然繊維は必
要に応じてビーター等で叩解することができ、 叩解処理
の程度は、 袋の使用目的により設定される。例えば、 袋
内容物が漏洩しないようにするときは叩解を進め、 生ゴ
ミ捕集袋のように内容物の水切りが必要な場合は叩解処
理を抑える必要がある。
【0020】ヒートシール可能な層(以下、ヒートシー
ル層という)は、 生分解性熱可塑性合成短繊維を30〜
90重量%配合してヒートシール性を付与する。生分解
性熱可塑性合成短繊維が30重量%より少なくなると十
分なヒートシール強度が得られず、 生分解性熱可塑性合
成短繊維が90重量%より多いと抄き合わせによる層間
接合強度が不十分となる。ヒートシール層は生分解性熱
可塑性合成短繊維の他に、 製紙用天然繊維を70〜10
重量%を配合する。また、ヒ−トシ−ル層にポリビニル
アルコール系バインダー繊維を0.5〜20重量%配合
するのもシ−ト強度を高くするのに有効である。生分解
性熱可塑性合成短繊維が加熱により十分融着している場
合は、 ポリビニルアルコール系バインダー繊維を配合す
る必要はないが、 融着が不十分な場合はポリビニルアル
コール系バインダー繊維を配合して強度を補強し、 生分
解性熱可塑性合成短繊維の脱落を防止しなければならな
い。ポリビニルアルコール系バインダー繊維の配合部数
が20部を越えると、 シートが抄紙機のドライヤー表面
やフェルトに付着して抄紙性が大幅に低下する。ポリビ
ニルアルコール系バインダー繊維は、 繊維長3mm以上で
60℃以上の熱水に溶解するものが好ましく、 生分解性
であるが熱可塑性、 ヒートシール性はない。
【0021】ヒートシール層の望ましい配合量は、 生分
解性熱可塑性合成短繊維が40〜80重量%、 製紙用天
然繊維が60〜20重量%の範囲であり、ヒ−トシ−ル
層の強度を更に必要とする時はポリビニルアルコール系
バインダー繊維が0.5〜10重量%の範囲で、生分解
性熱可塑性合成短繊維と製紙用天然繊維のどちらかまた
は両方と置き換えて配合する。坪量は6〜30g/m2で、
6g/m2より低いと十分なヒートシール強度が得られず、
30g/m2より高いとコスト高となる。
【0022】製紙用天然繊維からなるヒートシール不可
能な層(以下、 ノンヒートシール層という)は、 ヒート
シール出来ない性質の他、 袋とした場合の使用目的に応
じて、 耐水性、 通気性、 通水性、 吸水性、 印刷適性等が
要求される。これらの特性は製紙用天然繊維の叩解処理
の程度により調節することができる。例えば、 袋の内容
物が漏洩しないようにするときは叩解を進め、 生ゴミ捕
集袋のように内容物の水切りが必要な場合は叩解処理を
抑えることが行われる。坪量は6〜100g/m2で、6g/
m2より低いと十分な強度が得られず、100g/m2より高
いと全体の厚さが厚くなり過ぎて袋用紙の適性に欠け
る。なお、台所のゴミ収集袋等の用途に使用するには、
このままでも使用出来るが、水切りを速くするためには
製袋時に1mm程度の穿孔をして使用する場合もある。
【0023】上記のようにして作製されるヒートシール
層とノンヒートシール層は、 抄紙技術における抄紙方法
により、 図1の(A)に示すような2層抄き合わせ紙、 ま
たは図1の(B)に示すようなノンヒートシール層を中間
層とする3層抄き合わせ紙として形成される。接合紙全
体の坪量は2層抄き合わせ紙の場合、12〜130g/
m2、3層抄き合わせ紙の場合、18〜130g/m2であ
る。
【0024】袋を製造する場合、 ヒートシール層とノン
ヒートシール層からなる2層構造の生分解性袋用紙は、
ヒートシール層を内容物に接する内側にしてヒートシー
ルし、 製袋するのが一般的使用方法である。3層構造の
生分解性袋用紙の場合は、 内袋と外袋からなる二重構造
の袋において、 内袋を外袋と袋の底面部分でヒートシー
ル接合して一体化する際に、その接着部の内袋外側を外
袋内側にヒートシール接合して底面部分の強度を高める
ことができるので有用である。このような用途には、 ヒ
ートシール層だけからなる1層構造の生分解性袋用紙を
使用することも考えられるが、 1層構造の袋用紙はヒー
トシール接合に寄与しない紙層中央部にも高価な生分解
性熱可塑性合成短繊維を配合することになるため、 コス
トが上昇して利点がない。
【0025】生分解性袋用紙の湿潤強度を高めるため
に、 ヒートシール層及びノンヒートシール層に湿潤紙力
増強剤を添加することができる。 湿潤紙力増強剤として
は、 ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、 ジ
アルデヒドデンプン等が使用でき、 その添加量は、 製紙
用天然繊維に対して固形分として0.1〜1.0%、 好
ましくは0.3〜0.5%である。
【0026】生分解性袋用紙の表面強度を高めるため
に、 表面強度改質剤を含浸または塗工することができ
る。含浸加工または塗工は、 ロールコーター、 サイズプ
レス等を用いることができる。表面強度改質剤として
は、 ポリビニルアルコール、 澱粉、アルギン酸ソ−ダ、
カルボキシメチルセルロース塩、 メチルセルロース、 エ
チルセルロース、 ヒドロキシエチルセルロース、 ヒドロ
キシプロピルセルロース、 ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース等の生分解性水溶性高分子が挙げられ、 B形粘
度5〜200CPS の水溶液として用いる。
【0027】かくして得られる生分解性袋用紙は、 ヒー
トシール層の生分解性熱可塑性合成短繊維を更に融着さ
せるために加圧加熱することができる。ヒートシール層
の生分解性熱可塑性合成短繊維が1つの融点のみを有す
る場合、 加圧加熱温度は生分解性熱可塑性合成短繊維の
融点以上で熱分解温度未満の範囲から選択する。生分解
性熱可塑性合成短繊維が2つ以上の融点を有する場合、
低融点成分の融点以上で高融点成分の融点未満の温度で
加熱し、 低融点成分が溶融して繊維間を接着し、 高融点
成分は繊維形態を保持できるようにする。生分解性熱可
塑性合成短繊維の融着により、 ヒートシール層の強度が
向上し、 生分解性熱可塑性合成短繊維の脱落も防止する
ことができる。
【0028】
【実施例】次に、 実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、 本発明はこれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。実施例において、 各特性値は次の方法
で測定した。なお、以下の評価確認のための実験は、生
分解性試験の2種類の試験以外は全て20℃、65%R
Hの環境下で行った。 坪量:JIS P8124に準じて測定した。 通気度:たばこ通気度試験器で差圧100mmH2O のとき
の試料1cm2あたりの空気流量を測定した。 引っ張り強さ:JIS P8113に準じて測定した。 湿潤引っ張り強さ:JIS P8135に準じて測定し
た。 引き裂き強さ:JIS P8116に準じて測定した。 ヒートシール強度:テスター産業製ヒートシールテスタ
ーを用い、 幅15mmの試験片を180℃、 2Kg/cm2、 1
秒ヒートシールした後、 T字剥離試験を行い最大値を測
定した。 吸水性:JIS P8141に準じて測定し、 1分間に
10mm以上吸水したものを吸水性ありと評価して、 表1
〜表7中に〇で表示した。 土中生分解性:富士市大渕産の黒ぼく土を最大容水量
(Hilgard 法で117%、このときの含水率53.9
%)の50%の水分を含むように調節した。幅15mm×
長さ50mmの試験片をポリプロピレン製の網に包み、 上
記黒ぼく土の中に埋設し、 30℃、 90%RHの雰囲気
中に放置した。15日間放置後に試験片を包んだ網を取
り出して試験片の状態を観察した。試験片の形態がその
まま保持されているものを土中生分解性なしと評価し
て、 表1〜表7中に×で表示した。試験片の形態が2mm
×2mm以下の断片または繊維状になったものを土中生分
解性ありと評価して、 表1〜表7中に〇で表示した。 コンポスト中生分解性:各試料をヒートシールして幅3
00mm×深さ250mmの袋を作製し、 コンポスト分解性
評価用袋とした。この袋にキャベツを約5cm×5cmに切
って入れ、 家庭用生ゴミ処理機(日立製作所製BGD−
12型、 生ゴミの微生物分解によるコンポスト化処理
機) の中に投入した。2日間処理後に袋を回収して状態
を観察した。袋の形態がそのまま保持されているか、 5
つ以上の断片に千切れないものをコンポスト生分解性な
しと評価して、 表1〜表7中に×で表示した。試験片の
形態が5mm×5mm以下の断片または繊維状になったもの
をコンポスト中生分解性ありと評価して、 表1〜表7中
に〇で表示した。
【0029】(実施例1〜5)融点120℃のポリブチ
レンサクシネートを溶融紡糸した単味繊維(PBSU)
(ダイワボウポリテック(株)製、NBF−K、4d×5
mm)にカナダ濾水度400mlCSFに叩解した針葉樹晒
しクラフトパルプ(NBKP)及びカナダ濾水度400
mlCSFに叩解したマニラ麻パルプ(東邦ワラパルプ
(株)製、TMP2B5S)を表1の割合で配合したヒー
トシール層抄造用の原料を用意した。次に、 実施例2、
5については前記NBKP40重量%と前記マニラ麻パ
ルプ60重量%を配合し、 実施例1、3、4については
前記NBKP100重量%からなるノンヒートシール層
抄造用の原料を用意した。
【0030】表1に記載の坪量でヒートシール層とノン
ヒートシール層を手抄きし、 湿紙の状態で重ね合わせて
3.5Kg/cm2で5分間保持してから乾燥して実施例1、
2の2層抄き合わせで片面ヒートシール可能な生分解性
袋用紙、 実施例3、4、5の3層抄き合わせで両面ヒー
トシール可能な生分解性袋用紙を作製した。各実施例に
ついて、 強度、 通気性、 吸水性、 生分解性等を測定して
表1に示した。
【0031】何れの実施例においても、 袋用紙として良
好な、 引っ張り強さ、 湿潤引っ張り強さ、 引き裂き強
さ、 ヒートシール強さを有し、 通気性、 吸水性があり、
袋全体が土中およびコンポスト中で容易に生分解する紙
袋の製造ができる袋用紙が得られた。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例6〜10)融点178℃のポリ乳
酸を溶融紡糸した単味繊維(PLA)(鐘紡(株)製、ラ
クトロン、2d×4mm)に実施例1〜5で用いたNBK
P及びマニラ麻パルプを用い、更に実施例7、10につ
いてはポリビニルアルコ−ル系バインダ−繊維(PVA
繊維)((株)クラレ製、VPB105、2d×3mm)も
加えて表2の割合で配合してヒートシール層抄造用の原
料を用意した。次に、 実施例7、10については前記N
BKP40重量%と前記マニラ麻パルプ60重量%を配
合し、 実施例6、8、9については前記NBKP100
重量%からなるノンヒートシール層抄造用の原料を用意
した。
【0034】表2に記載の坪量でヒートシール層とノン
ヒートシール層を手抄きし、 湿紙の状態で重ね合わせて
3.5Kg/cm2で5分間保持してから乾燥して実施例6、
7の2層抄き合わせの生分解性袋用紙、 実施例8、9、
10の3層抄き合わせの生分解性袋用紙を作製した。各
実施例について、 強度、 通気性、 吸水性、 生分解性等を
測定して表2に示した。
【0035】何れの実施例においても、 袋用紙として良
好な、 引っ張り強さ、 湿潤引っ張り強さ、 引き裂き強
さ、 ヒートシール強さを有し、 通気性、 吸水性があり、
袋全体が土中およびコンポスト中で容易に生分解する紙
袋の製造ができる袋用紙が得られた。
【0036】
【表2】
【0037】(実施例11〜15)融点178℃のポリ
乳酸を溶融紡糸した単味繊維(PLA)(鐘紡(株)製、
ラクトロン、2d×4mm)と融点120℃のポリブチレ
ンサクシネートを溶融紡糸した単味繊維(PBSU)
(ダイワボウポリテック(株)製、NBF−K、3d×5
mm)の2種の単味繊維を用い、更に実施例6〜10で用
いたNBKP、マニラ麻パルプ及びPVA繊維を表3の
割合で配合してヒートシール層抄造用の原料を用意し
た。次に、 実施例14、15については前記NBKP4
0重量%と前記マニラ麻パルプ60重量%を配合し、 実
施例11、12、13については前記NBKP100重
量%からなるノンヒートシール層抄造用の原料を用意し
た。
【0038】表3に記載の坪量でヒートシール層とノン
ヒートシール層を手抄きし、 湿紙の状態で重ね合わせて
3.5Kg/cm2で5分間保持してから乾燥して3層抄き合
わせの生分解性袋用紙を作製した。各実施例について、
強度、 通気性、 吸水性、 生分解性等を測定して表3に示
した。
【0039】何れの実施例においても、 袋用紙として良
好な、 引っ張り強さ、 湿潤引っ張り強さ、 引き裂き強
さ、 ヒートシール強さを有し、 通気性、 吸水性があり、
袋全体が土中およびコンポスト中で容易に生分解する紙
袋の製造ができる袋用紙が得られた。
【0040】
【表3】
【0041】(実施例16〜18)融点120℃のポリ
ブチレンサクシネートを芯成分とし、 融点90℃のポリ
ブチレンサクシネートアジペートを鞘成分とし、 繊維断
面における鞘成分と芯成分の面積比が50:50である
芯鞘型複合繊維(PBSUc)(ダイワボウポリテック
(株)、NBF−KK、3d×5mm)と実施例1〜5で用
いたNBKP及びマニラ麻パルプとを表4の割合で配合
したヒートシール層抄造用の原料を用意した。 次に、 前
記NBKP40重量%と前記マニラ麻パルプ60重量%
からなるノンヒートシール層抄造用の原料を用意した。
【0042】表4に記載の坪量でヒートシール層とノン
ヒートシール層を手抄きし、 湿紙の状態で重ね合わせて
3.5Kg/cm2で5分間保持してから乾燥して実施例1
6、17の3層抄き合わせの生分解性袋用紙、 実施例1
8の2層抄き合わせの生分解性袋用紙を作製した。各実
施例について、 強度、 通気性、 吸水性、 生分解性等を測
定して表4に示した。
【0043】(実施例19〜20)実施例16〜18で
用いた芯鞘型複合繊維(PBSUc)60重量%と実施
例1〜5で用いたNBKP16重量%、マニラ麻パルプ
24重量%からなるヒートシール層抄造用の原料と前記
NBKP40重量%と前記マニラ麻パルプ60重量%か
らなるノンヒートシール層抄造用の原料を用意し、円網
式抄紙機で実施例19、20の2層抄き合わせ生分解性
袋用紙を製造した。得られた生分解性袋用紙の強度、 通
気性、 吸水性、 生分解性等は表4に示した。
【0044】何れの実施例においても、 袋用紙として良
好な、 引っ張り強さ、 湿潤引っ張り強さ、 引き裂き強
さ、 ヒートシール強さを有し、 通気性、 吸水性があり、
袋全体が土中およびコンポスト中で容易に生分解する紙
袋の製造ができる袋用紙が得られた。
【0045】
【表4】
【0046】(実施例21〜24)融点178℃のポリ
乳酸を芯成分とし、 融点109℃のポリ乳酸変性体を鞘
成分とし、 繊維断面における鞘成分と芯成分の面積比が
異なる2種の芯鞘型複合繊維(PLAc)(鐘紡(株)
製、ラクトロン、2d×4mm)の内、鞘成分と芯成分の
面積比が25:75の芯鞘型複合繊維(PLAc1)を
実施例21、23に、面積比が17:83の芯鞘型複合
繊維(PLAc2)を実施例22、24に用い、実施例
1〜5で用いたNBKP及びマニラ麻パルプと表5の割
合で配合してヒートシール層抄造用の原料を用意した。
次に、前記NBKP40重量%と前記マニラ麻パルプ6
0重量%からなるノンヒ−トシ−ル層抄造用の原料を用
意した。
【0047】表5に記載の坪量でヒートシール層とノン
ヒートシール層を手抄きし、 湿紙の状態で重ね合わせて
3.5Kg/cm2で5分間保持してから乾燥して実施例2
1、22の3層抄き合わせの生分解性袋用紙、 実施例2
3、24の2層抄き合わせの生分解性袋用紙を作製し
た。各実施例について、 強度、 通気性、 吸水性、 生分解
性等を測定して表5に示した。
【0048】(実施例25)融点178℃のポリ乳酸を
芯成分とし、 融点109℃のポリ乳酸変性体を鞘成分と
し、 繊維断面における鞘成分と芯成分の面積比が25:
75の上記芯鞘型複合繊維(PLAc1)60重量%
と、実施例1〜5で用いたNBKP40重量%からなる
ヒ−トシ−ル層抄造用の原料と前記NBKP100重量
%からなるノンヒ−トシ−ル層抄造用の原料を用意し、
円網式抄紙機で実施例25の2層抄き合わせ生分解性袋
用紙を製造した。得られた生分解性袋用紙の強度、 通気
性、 吸水性、 生分解性等を測定して表5に示した。
【0049】何れの実施例においても、 袋用紙として良
好な、 引っ張り強さ、 湿潤引っ張り強さ、 引き裂き強
さ、 ヒートシール強さを有し、 通気性、 吸水性があり、
袋全体が土中およびコンポスト中で容易に生分解する紙
袋の製造ができる袋用紙が得られた。
【0050】
【表5】
【0051】(実施例26〜29)芯鞘型複合繊維とし
て、融点178℃のポリ乳酸を芯成分とし、融点109
℃のポリ乳酸変性体を鞘成分とし、繊維断面における鞘
成分と芯成分の面積比が25:75である芯鞘型複合繊
維(PLAc)(鐘紡(株)製、ラクトロン、2d×4m
m)および融点120℃のポリブチレンサクシネートを
芯成分とし、融点90℃のポリブチレンサクシネートア
ジペートを鞘成分とし、繊維断面における鞘成分と芯成
分の面積比が50:50である芯鞘型複合繊維(PBS
Uc)(ダイワボウポリテック(株)製、NBF−KK、
3d×5mm)を用意した。
【0052】また、単味繊維として、融点178℃のポ
リ乳酸を溶融紡糸した単味繊維(PLA)(鐘紡(株)
製、ラクトロン、2d×4mm)および融点120℃のポ
リブチレンサクシネートを溶融紡糸した単味繊維(PB
SU)(ダイワボウポリテック(株)、NBF−K、3d
×5mm)を用意した。
【0053】芯鞘型複合繊維と単味繊維の種類を表6の
ように変えて、芯鞘型複合繊維40重量%と単味繊維2
0重量%および実施例1〜5で用いたNBKP40重量
%を配合し、ヒートシール層抄造用の原料を調成した。
次に、前記NBKP100重量%からなるノンヒートシ
ール層抄造用の原料を用意した。
【0054】表6に記載の坪量でヒートシール層とノン
ヒートシール層を手抄きし、湿紙の状態で重ね合わせて
3.5Kg/cm2で5分間保持してから100〜115℃で
乾燥して実施例26〜29に示す2層抄き合わせの生分
解性袋用紙を作製した。各実施例について、強度、通気
性、吸水性、生分解性等を測定して表6に示した。
【0055】何れの実施例においても、袋用紙として良
好な、引っ張り強さ、湿潤引っ張り強さ、引き裂き強
さ、ヒートシール強さを有し、通気性、吸水性があり、
袋全体が土中およびコンポスト中で容易に生分解する紙
袋の製造ができる袋用紙が得られた。
【0056】
【表6】
【0057】(比較例1、 2)融点252℃のポリエチ
レンテレフタレートを芯成分とし、 融点110℃の変性
ポリエチレンテレフタレートを鞘成分とし、 繊維断面に
おける鞘成分と芯成分の面積比が50:50である芯鞘
型複合繊維(PETc)((株)クラレ製、ソフィットN
720、2d×5mm)60重量%と実施例1〜5で用い
たNBKP40重量%とを配合したヒートシール層抄造
用の原料を用意した。次に、 前記NBKP100重量%
からなるノンヒートシール層抄造用の原料を用意した。
【0058】表7に記載の坪量でヒートシール層とノン
ヒートシール層を手抄きし、 湿紙の状態で重ね合わせて
3.5Kg/cm2で5分間保持してから乾燥して比較例1、
2に示す2層抄き合わせ片面ヒートシール紙を作製し
た。各比較例について、 強度、通気性、 吸水性、 生分解
性等を測定して表7に示した。
【0059】何れの比較例も、 袋用紙として良好な、 引
っ張り強さ、 湿潤引っ張り強さ、 引き裂き強さ、 ヒート
シール強さ、 通気性、 吸水性を有するが、 土中およびコ
ンポスト中で袋が生分解せず、 埋設前と殆ど同じ形態の
袋が回収され、 生分解が困難であった。
【0060】(比較例3)融点95℃のポリブチレンサ
クシネートアジペート(PBSU)樹脂を250℃で溶
融し、 スリット幅0.8mmのTダイより押し出し、 実施
例1〜5で用いたNBKP100重量%からなるノンヒ
ートシール性原紙の片面にフィルム状に積層して、 生分
解性熱可塑性合成樹脂フィルム積層紙を作製した。この
積層紙について、 強度、 通気性、 吸水性、 生分解性等を
測定して表7に示した。
【0061】比較例3による積層紙は片面が生分解性熱
可塑性合成樹脂フィルムからなり、袋用紙として良好な、
引っ張り強さ、 湿潤引っ張り強さ、 引き裂き強さ、 ヒ
ートシール強さを有するが、 通気性、 通水性、 吸水性が
ない。実施例1〜29によるものと同じ期間土中および
コンポスト中に放置しても袋の形態は崩壊せず、 埋設前
と殆ど同じ形態の袋が回収されるため、 生分解性熱可塑
性合成樹脂をフィルムの形態で積層したものは生分解速
度が遅い。
【0062】
【表7】
【0063】
【発明の効果】本発明の生分解性袋用紙は、 生分解性熱
可塑性合成短繊維が30〜90重量%含まれてなるヒ−
トシ−ル可能な層と、 製紙用天然繊維からなるヒ−トシ
−ル不可能な層が抄き合わせにより接合されることによ
り、その構成成分の全てが微生物により分解可能で、 袋
の形態保持性に優れ、 適度な通気性、 通水性、 耐水性、
吸水性を有するため、 食品等の包装材料あるいは家庭用
又は業務用の生ゴミ捕集用袋等の一般生活関連材、 ある
いは土木工事用、 農業用等の産業袋用の素材として好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生分解性袋用紙に関する説明図であ
る。
【符合の説明】
1 ノンヒ−トシ−ル層 2 ヒートシール層 (A) 2層構造の生分解性袋用紙の断面図 (B) 3層構造の生分解性袋用紙の断面図
フロントページの続き (72)発明者 石野 良明 静岡県富士市森下73−14 (72)発明者 服部 順行 静岡県富士市原田970 (72)発明者 池上 元一 静岡県静岡市足久保口組818−31 (72)発明者 日吉 公男 静岡県静岡市瀬名川1−3−6 (72)発明者 深沢 博之 静岡県富士市鈴川東町20−21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性熱可塑性合成短繊維が30〜9
    0重量%含まれてなるヒ−トシ−ル可能な層と製紙用天
    然繊維からなるヒ−トシ−ル不可能な層が抄き合わせに
    より接合されてなり、微生物により分解可能な生分解性
    袋用紙。
  2. 【請求項2】 ヒ−トシ−ル可能な層が、製紙用天然繊
    維を70〜10重量%含んでなることを特徴とする請求
    項1記載の生分解性袋用紙。
  3. 【請求項3】 ヒ−トシ−ル可能な層が、ポリビニルア
    ルコール系バインダー繊維を0.5〜20重量%含んで
    なることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の
    生分解性袋用紙。
  4. 【請求項4】 ヒ−トシ−ル不可能な層の両側にヒ−ト
    シ−ル可能な層が抄き合わせにより接合されてなること
    を特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の生分
    解性袋用紙。
  5. 【請求項5】 生分解性熱可塑性合成短繊維が、ポリ乳
    酸系重合体からなる単味繊維または脂肪族ポリエステル
    系重合体からなる単味繊維またはその両方であることを
    特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載の生
    分解性袋用紙。
  6. 【請求項6】 生分解性熱可塑性合成短繊維が、ポリ乳
    酸系重合体または脂肪族ポリエステル系重合体からなる
    第一成分と第二成分とから構成される複合繊維であり、
    第一成分の融点が90〜200℃であり、 第二成分は第
    一成分より少なくとも10℃以上高い融点を有すること
    を特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載の
    生分解性袋用紙。
  7. 【請求項7】 生分解性熱可塑性合成短繊維として、 ポ
    リ乳酸系重合体または脂肪族ポリエステル系重合体から
    なり、融点が90〜200℃である第一成分と第一成分
    より少なくとも10℃以上高い融点を有する第二成分と
    から構成される複合繊維と、 複合繊維の第一成分より少
    なくとも10℃以上高い融点を有するポリ乳酸系重合体
    からなる単味繊維または脂肪族ポリエステル系重合体か
    らなる単味繊維またはその両方が含まれてなることを特
    徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載の生分
    解性袋用紙。
JP30835097A 1997-11-11 1997-11-11 生分解性袋用紙 Pending JPH11138728A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30835097A JPH11138728A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 生分解性袋用紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30835097A JPH11138728A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 生分解性袋用紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11138728A true JPH11138728A (ja) 1999-05-25

Family

ID=17980009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30835097A Pending JPH11138728A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 生分解性袋用紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11138728A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002356612A (ja) * 2001-05-30 2002-12-13 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 生分解性樹脂水系分散体及び生分解性複合材料
JP2005281921A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Kohjin Co Ltd クリーンペーパー
JP2011102453A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Oji Tokushushi Kk Frp補強用不織布
JP2019052413A (ja) * 2018-12-25 2019-04-04 王子ホールディングス株式会社 生分解性工業用紙
CN110761111A (zh) * 2018-07-27 2020-02-07 东加塑胶有限公司 牡蛎纸及制造方法
JP2021508622A (ja) * 2017-12-31 2021-03-11 パプティック オイ 繊維製品の製造方法および繊維製品
KR102392215B1 (ko) * 2020-11-02 2022-04-28 김보경 식품 포장봉지 및 포장용기

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002356612A (ja) * 2001-05-30 2002-12-13 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 生分解性樹脂水系分散体及び生分解性複合材料
JP2005281921A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Kohjin Co Ltd クリーンペーパー
JP2011102453A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Oji Tokushushi Kk Frp補強用不織布
JP2021508622A (ja) * 2017-12-31 2021-03-11 パプティック オイ 繊維製品の製造方法および繊維製品
US11828025B2 (en) 2017-12-31 2023-11-28 Paptic Oy Method of producing a fibrous product and a fibrous product
CN110761111A (zh) * 2018-07-27 2020-02-07 东加塑胶有限公司 牡蛎纸及制造方法
JP2019052413A (ja) * 2018-12-25 2019-04-04 王子ホールディングス株式会社 生分解性工業用紙
KR102392215B1 (ko) * 2020-11-02 2022-04-28 김보경 식품 포장봉지 및 포장용기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3939326B2 (ja) 不織布及びティーバッグ
EP3362377B1 (en) Capsule and device for preparing beverages and method for manufacturing a capsule
US5434004A (en) Degradable laminate composition
KR101674627B1 (ko) 열융착 가능한 생분해성 패키징 재료, 그의 제조방법 및 이 재료로 만들어진 프로덕트 패키지
US5300358A (en) Degradable absorbant structures
JP2020520327A (ja) カプセルを封止するための、酸素バリア層を有するコンポスト化可能な蓋、及び該蓋で封止されたカプセル
US20050163944A1 (en) Biodegradable film
JPH11506990A (ja) 層材料
JP2010255173A5 (ja)
JP2000517260A (ja) 生物分解性包装用ラミネート、該包装用ラミネートを製造する方法及び該包装用ラミネートから製造された包装容器
JPH06500603A (ja) ポリヒドロキシ酸樹脂で結合されたセルロース系パルプ
JP2003013391A (ja) 生分解性を有する紙シート及び紙容器
JPH11138728A (ja) 生分解性袋用紙
JPH11509142A (ja) 包装材料
JP3423363B2 (ja) 熱接着された紙
JPH08269888A (ja) 生分解性を有する複合材料
JP4278646B2 (ja) 防湿層用ワックス
JP4233345B2 (ja) 生分解性フィルムの製造方法及び生分解性フィルム
JP2006333936A (ja) 生分解性カイロ包材用不織布
JP7472023B2 (ja) 繊維製品の製造方法および繊維製品
JP2007296792A (ja) 複合加工紙
JP2006034683A (ja) 出汁袋
JPH05311600A (ja) 生分解性シート状複合体
JPH1018154A (ja) 積層体
JP3142677B2 (ja) ヒートシール性ケーシング及びケーシング用紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20031226

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A521 Written amendment

Effective date: 20040220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060309

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070814

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080129