JPH11136066A - 積層lc複合型ノイズフィルタ - Google Patents

積層lc複合型ノイズフィルタ

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JPH11136066A
JPH11136066A JP29905697A JP29905697A JPH11136066A JP H11136066 A JPH11136066 A JP H11136066A JP 29905697 A JP29905697 A JP 29905697A JP 29905697 A JP29905697 A JP 29905697A JP H11136066 A JPH11136066 A JP H11136066A
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JP
Japan
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sheet
noise filter
conductor
inductors
terminals
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JP29905697A
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Osamu Kanda
修 神田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズ減衰特性の急峻化及び広帯域化により
有効信号と電磁波干渉ノイズのフィルタリング機能の向
上を図る。 【解決手段】 信号ライン方向にインダクタL1 〜L4
の4成分を直列に接続すると共に、各インダクタL1
4 同士の接続点からグランド方向に夫々各一個のコン
デンサC1 〜C3 を並列に接続したトリプルT型回路構
成を内部に一体的に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層LC複合型ノイ
ズフィルタ、詳細にはOA機器、通信端末機器、音響機
器等に搭載される電子・電気回路において発生する電磁
波干渉ノイズを有効信号から分離、除去するため、被保
護機器、又は被保護回路の周辺部位に実装され、電磁波
干渉ノイズを主にグランド端子を介してノイズ発生源に
還流させる機能を備えた3端子型構造の積層LC複合型
ノイズフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話及びノート型パーソナル
コンピュータ等に代表される移動体通信端末機器、小型
OA機器の急速な普及とこれらを駆動させる信号の高速
化及び高周波化とに伴って機器内外で発生する電磁波の
ため周辺装置、周辺機器が正常に動作しなくなる、所謂
電磁波干渉ノイズの問題が大きく取り沙汰されている。
電磁波干渉ノイズの抑制策としては、ノイズ発生源、又
はノイズに対して敏感な装置、機器を金属ケースで遮蔽
し、保護する方法、又はノイズフィルタを用いる方法が
広く採用されているが、前者のような遮蔽による保護策
は近年増加するノイズ発生頻度とノイズ周波数帯域の広
域化を考えると限度があり、近時は後者との併用が主流
となっている。
【0003】ノイズフィルタは従来種々提案されている
が、そのうちEMI(Electro Magnetic Interference
)フィルタは、ノイズ成分と有効信号成分とを周波数
により分離し、ノイズ成分の通過を制限し、またノイズ
成分を除去、又は減衰させる機能を備えている。ノイズ
の周波数は一般的に信号周波数より高いことから、通
常、EMIフィルタはローパスフィルタとしての機能を
有しており、信号周波数の高周波化と高速化に伴って、
有効信号とノイズ周波数の周波数帯域が従来よりも近接
することから両者の分離をより確実に行うために有効信
号通過時には殆ど挿入損失が無く、ノイズ対象の高周波
域で顕著な挿入損失を示すローパスフィルタリング特性
の発現、即ち周波数に対する挿入損失カーブが急峻であ
ること、また同時にノイズ対象となる高周波域ではでき
るだけ広帯域に亘って十分な減衰量が得られることが望
まれている。
【0004】このようなEMIフィルタには2端子型構
造と、3端子型構造とがある。2端子型構造にも各種の
バリエーションがあるが、一般的に高周波帯域でのノイ
ズ吸収性が不足している。一方3端子型構造のEMIフ
ィルタとしては、図5に示す如き構成のものが知られて
いる。図5は特開平4−257112号公報に開示され
ている従来の3端子型(T型)構造のEMIフィルタの
等価回路図であり、入出力端子間に2個のインダクタL
1 ,L2 を直列に接続すると共に、相互の接続点にコン
デンサC1を接続し、これを接地した構成を備え、ノイ
ズをグランドを介して発生源に還流する機能を有する。
【0005】図6は図5に示したT型のEMIフィルタ
を構成する各シートパターンの一例を示す説明図であ
り、図6(a),(e),(f) に示すシートパターンは内部導体
が形成されていない長方形の磁性体シート、所謂グリー
ンシートである。
【0006】図6(b) に示すシートパターンは前記グリ
ーンシートと等形、等大の長方形をなす磁性体シート表
面にインダクタL1 ,L2 を構成する導電体線路である
内部導体7a,7bを形成してある。各内部導体7a,
7bはシート表面の左,右の短辺部から中央部に向けて
蛇行させ、その各先端部を所定の間隔を隔てて対向さ
せ、また各基端部には磁性体シートの短辺部に沿う接続
用の端子引出し部を形成し、図示しない入出力端子に接
続されるようにしてある。
【0007】図6(c) に示すシートパターンは同じく前
記グリーンシートと等形、等大の長方形をなす誘電体シ
ート表面にコンデンサC1 の電極を構成する内部導体7
cを形成してある。内部導体7cは誘電体シート表面の
中央にシートと相似形をなす縮小された長方形状に形成
されており、その中央部は夫々●印位置でスルーホール
にて内部導体7a, 7bの○印位置と接続される。
【0008】図6(d) に示すシートパターンは同じく前
記グリーンシートと等形、等大の誘電体シート表面の中
央部にこれと相似形の縮小された長方形をなす内部導体
7dを形成し、その両長辺からシートの両長辺の辺縁に
向けて接続用の端部引出し部を形成してあり、この部分
で夫々図示しないグランド端子に接続される。このよう
なシートパターンは*印の位置及び方向を合わせて図6
(a) を最上段とし、図6(a) から図6(f) までを順次的
に積層し、焼成して一体化することで3端子構造のEM
Iフィルタに組立てられる。
【0009】ところでこのような従来の3端子構造のE
MIフィルタにあっては一体化されているインダクタ及
びコンデンサが少なく、最近のように高周波化した信号
に対し、有効信号とノイズとを分離することが難しく、
またノイズを減衰できる帯域幅も狭く、ノイズフィルタ
として十分機能しているとは言えなかった。
【0010】この対策として本発明者は図7に示す如き
ダブルT型のEMIフィルタを提案し、これについて既
に出願を行っている(特願平9-170224号)。図7は本発
明者が提案したダブルT型のEMIフィルタの等価回路
図であり、入出力端子間に3個のインダクタL1
2 ,L3 を直列に接続すると共に、相互の各接続点に
各1個のコンデンサC1 ,C2 を接続し、夫々を接地し
た構成となっている。
【0011】図8は図7に示したダブルT型のEMIフ
ィルタを構成する各シートパターンを示す説明図であ
り、EMIフィルタはこのような略等形、等大の長方形
をなす複数のシートパターンを積層し、一体化して構成
されている。図8(a) 及び図8(i) に示すシートパター
ンは内部導体が形成されていない長方形をなす磁性体シ
ート、所謂グリーンシートである。
【0012】図8(b) 及び図8(h) に示すシートパター
ンは長方形をなす磁性体シートの表面にインダクタ
1 ,L3 を構成する導電体線路である内部導体8b,
8hを形成してある。内部導体8b,8hは磁性体シー
トの左,右の短辺部から他側の短辺部側に向けその近く
まで蛇行させてあり、各先端部は○印、●印位置で夫々
スルーホールにて内部導体8cの●印位置、内部導体8
gの○印位置と接続され、また各基端部には磁性体シー
トの短辺部に沿う接続用の端部引出し部が形成され、夫
々この部分で図示しない入出力端子に接続される。
【0013】図8(c) 及び図8(g) に示すシートパター
ンは長方形をなす誘電体シート表面にコンデンサC1
2 の一方の電極を構成する導電体たる内部導体8c,
8gを形成して構成されている。内部導体8c,8gは
夫々誘電体シート表面にシートと相似形をなす縮小され
た長方形状に形成されており、内部導体8cは○印位置
でスルーホールにて内部導体8dのパッド部の○印位置
及び内部導体8eの●印位置と接続され、また●印位置
でスルーホールにて内部導体8bの○印位置と接続され
る。一方内部導体8gは○印位置でスルーホールにて内
部導体8hの●印位置と接続され、また●印位置で内部
導体8fのパッド部の○印位置及び内部導体8eの○印
位置と接続される。
【0014】図8(d) 及び図8(f) に示すシートパター
ンは誘電体シート表面にコンデンサC1 ,C2 の他方の
電極を構成する導電体たる内部導体8d,8fを形成し
て構成されており、両内部導体8d,8fは前述した内
部導体8c,8gよりも長辺の寸法を短くした長方形を
なし、その各長辺から誘電体シートの対向する各長辺の
辺縁に向けて延びる端部引出し部を有する長方形部分及
びこれと切り離されたパッド部からなり、これらの配置
関係は誘電体シートの中心を中心として180°回転さ
せた点対称形に配置されている。なお各内部導体8d,
8fの長方形部分に設けてある接続用の各端部引出し部
は図示しないグランド端子に接続されるようにしてあ
る。
【0015】図8(e) に示すシートパターンは誘電体シ
ートの中央に、インダクタL2 を構成する導電体線路で
ある内部導体8eを形成して構成されている。内部導体
8eは誘電体シートの中央部にその長手方向に沿って蛇
行させてある。このようなシートパターンは夫々に付し
てある*印位置を合わせ、その方位を揃えた状態で図8
(i) を最下段とし図8(h) 〜図8(a) を順次的に積層
し、焼成して一体化することで内部導体8b, 8e及び
8hにてインダクタL1 ,L2 ,L3 が、また内部導体
8cと8dと、並びに内部導体8fと8gとで夫々コン
デンサC1 ,C2 が構成され、図7に示す如き等価回路
を有するダブルT型のEMIフィルタが製作される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのような3
端子構造のEMIフィルタにあっても周波数に対する挿
入損失カーブの急峻性、対象ノイズの広帯域性が未だ十
分とはいえなかった。またEMIフィルタについては既
に汎用品のチップ化が進められつつあり、その製造法と
しては誘電体と磁性体の各々を薄膜シート化し、シート
面に内部導体をパターンニングした後、積層圧着する積
層プロセスが一般的な手法となっている。
【0017】しかしながら、誘電体、磁性体及び内部導
体の三者の焼結物性が自ずと異なるため、異種材積層後
の同時焼成プロセスにおいて異種材積層界面でのシート
剥離、クラック、ポア等の発生等の問題が残っており、
特に多くのインダクタ及びコンデンサを一体化すること
は困難であった。
【0018】異種材積層界面における前記した問題を回
避するため、特開平4−267615号公報には磁性体
と誘電体とを個別に作製した後、各々の焼結体を合体さ
せることにより、LC複合機能化とチップ素子化を図る
技術が開示されている。しかしハンダにより両者を密着
接続させるため、複合機能化は十分達成し得るものの、
コンデンサを所定の枠に入れ込むため、予め磁性体と誘
電体の焼成収縮を個別、かつ厳密に管理せねばならず、
工程が繁雑であるという問題があった。
【0019】本発明は、かかる事情に鑑みなされたもの
であって、ノイズ周波数が有効信号のそれと近接してい
ても確実に分離することができ、急峻な減衰特性を有す
ると共に、広帯域に亘ってノイズを減衰させることがで
き、また異種材積層界面での剥離、クラック、ポア等の
発生を効果的に抑制し得るようにしたEMIフィルタで
あって、3端子型構造の積層LC複合型ノイズフィルタ
を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る積層LC
複合型ノイズフィルタは、2つの入出力端子とグランド
端子とを有する積層3端子型ノイズフィルタであって、
内部に4個のインダクタが両入出力端子間に直列に配さ
れ、インダクタ間の接点の3箇所と、前記グランド端子
との間に各1つのコンデンサが並列に配設されたトリプ
ルT型の回路構成を有することを特徴とする。
【0021】請求項2に係る積層LC複合型ノイズフィ
ルタは、磁性体層表面又は誘電体層表面に導電体線路が
形成されたインダクタ部と誘電体層を挟んで導電体を対
向させてなるコンデンサ部とを交互に複数回積層させて
一体化させ、この積層体の各インダクタ部の導電体線路
間及び各インダクタ部の導電体線路と各コンデンサ部の
導電体との間がスルーホールにより電気的に接続された
トリプルT型の回路構成を内蔵したことを特徴とする。
【0022】請求項3に係る積層LC複合型ノイズフィ
ルタは、積層体の積層方向の両端に位置する部分は磁性
体層表面に導電体線路が形成されたインダクタ部からな
ることを特徴とする。
【0023】請求項4に係る積層LC複合型ノイズフィ
ルタは、積層体の積層方向の両端に位置する部分は導電
体線路が形成されていない磁性体層からなることを特徴
とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づき具体的に説明する。図1は本発明に係る
積層LC複合型ノイズフィルタの実施の形態を示す斜視
図である。積層LC複合型ノイズフィルタは高さ(h)
が0.70mm〜1.00mm、長さ(l)が2.00mm〜
4.50mm、幅(w)が1.25mm〜2.50mmの各範
囲内に納まる直方体形状を有し、高さ方向に3部位から
なる。上,下部は磁性体層よりなるインダクタ部1,
3、中間はコンデンサ及びインダクタからなる複合部2
である。4,4′は入出力端子、5,5′はグランド端
子を夫々示している。
【0025】積層LC複合型ノイズフィルタは複数のシ
ートパターンを積層し、焼成し、全体を一体化して構成
されている。そして直方体形の長手方向の各端面の全面
及びこれに連なる四周面に亘るよう導電膜を形成して、
夫々入出力端子4,4′が形成され、また両入出力端子
4,4′間の略中央には積層した全シートの側面及びこ
れに連なる上,下面にわたって導電膜を形成して、夫々
グランド端子5,5′が形成されている。なお各入出力
端子4,4′及びグランド端子5,5′に関しては、回
路実装時にその方向性を考慮する必要はない。
【0026】図2は図1に示す積層LC複合型ノイズフ
ィルタの等価回路図であり、L1 ,L2 〜L4 はインダ
クタ、C1 ,C2 ,C3 はコンデンサを示している。イ
ンダクタL1 〜L4 は入出力端子4,4′間に直列に配
され、インダクタL1 〜L4の直列中間接点3箇所から
グランド端子5,5′方向にコンデンサC1 〜C3 が1
成分づつ計3成分が並列に配され、素子内においてトリ
プルT型等価回路を構成している。
【0027】図3は本発明における積層LC複合型ノイ
ズフィルタを構成する12層分のシートパターンの説明
図である。各シートパターンはその全体の大きさは略同
じの長方形に形成されている。図3において、白丸表示
(○印)はスルーホール部分を示し、また黒丸表示(●
印)はスルーホール(直径200μm )により他のシー
トの白丸部分と接続されるランドマーク位置を示してい
る。
【0028】図3(a) 及び図3(l) に示すシートパター
ンは表面に内部導体を形成していない磁性体製の長方形
をなす薄膜シート、所謂グリーンシートである。また図
3(b) 及び図3(k) に示すシートパターンは同じく磁性
体製の薄膜シート(磁性体シートという)の表面にイン
ダクタL1 ,L4 を構成する導電体線路たる内部導体6
b,6kを形成して構成されている。
【0029】内部導体6b及び6kは互いに左右を反転
した形状に形成されており、長方形をなすシートの一側
の短辺部から他側の短辺部近くまで蛇行させて形成さ
れ、一側の短辺部で入出力端子4,4′と夫々接続さ
れ、またその先端はスルーホールを介して、導電体たる
内部導体6cの●印位置、6jの○印位置と夫々接続さ
れる。図3(c) 及び図3(j) に示すシートパターンは誘
電体シートの表面にコンデンサC1 ,C3 の各一方の電
極を構成する導電体たる内部導体6c, 6jを形成して
構成されている。内部導体6c及び6jは実質的に同じ
形状であって夫々誘電体シートよりも小さい相似形の長
方形をなし、内部導体6cはスルーホールにてその一隅
の○印位置が内部導体6dのパッド部の○印位置及び内
部導体6eの●印位置に接続され、また内部導体6jは
スルーホールにてその一隅の●印位置が内部導体6iの
パッド部の○印位置及び内部導体6hの○印位置に接続
される。
【0030】図3(d) 及び図3(i) に示すシートパター
ンは誘電体シートの表面にコンデンサC1 ,C3 の各他
方の電極を構成する導電体たる内部導体6d,6iを形
成して構成されている。内部導体6d,6iは前述した
内部導体6c,6jよりも長辺の寸法を短くした長方形
をなし、その長辺から誘電体シートの対向する各長辺の
辺縁に向けて延びる端部引出し部を有する長方形部分及
びこれと切り離されたパッド部とからなり、これらの配
置関係は誘電体シートの中心回りに180°回転させた
点対称形に配置されている。各内部導体6d,6iの長
方形部分に設けてある接続用の端部引出し部は図示しな
いグランド端子5,5′に接続される。
【0031】図3(e) 及び図3(h) に示すシートパター
ンは誘電体シートの表面にインダクタL2 ,L3 を構成
する導電体線路である内部導体6e, 6hを形成して構
成される。内部導体6e及び6hは実質的に同じ形状で
あって、シートの中央部を長手方向に沿って蛇行して形
成され、その両端部には夫々パッド部を備えている。内
部導体6eにおける一方のパッド部は○印位置で内部導
体6fのパッド部の○印位置及び内部導体6gの●印位
置に接続される。
【0032】また内部導体6hにおける一方のパッド部
は●印位置で内部導体6gの○印位置に接続される。図
3(f) に示すシートパターンは誘電体シートの表面にコ
ンデンサC2 の一方の電極を構成する導電体たる内部導
体6fを形成して構成されている。内部導体6fは前述
した内部導体6iと同形に形成され、そのパッド部の○
印位置で内部導体6eの○印位置及び内部導体6gの●
印位置に接続されると共に、端部引出し部でグランド端
子5, 5′に接続される。図3(g) に示すシートパター
ンは誘電体シートの表面にコンデンサC2 の他方の電極
を構成する導電体たる内部導体6gを形成して構成され
ている。内部導体6gは内部導体6c及び6jと実質的
に同じ形状に形成され、○印位置で内部導体6hの●印
位置に、また●印位置で内部導体6fのパッド部の○印
位置及び内部導体6eの○印位置に接続される。
【0033】このような図3 (a)〜図3(l) の各シート
パターンは左の肩部に付した*印を基点としてその位置
を合わせまた方位を揃えた状態で、図3(l) を最下段と
し、図3 (k)〜図3(a) の順に積層し、焼成して一体化
することにより内部導体6b〜6kが相互に接続され、
内部導体6b,6e,6h及び6kによって直列に接続
されたインダクタL1 〜L4 が、また内部導体6cと6
d、6fと6g、6iと6jとにて夫々インダクタの直
列中間接点3箇所からグランド端子方向に1成分づつ合
計3成分並列に接続されたコンデンサC1 ,C2 ,C3
が形成され、図2に示す如き等価回路が構成される。特
に積層体の最上部と最下部とにインダクタ部1、3が位
置し、その間に複合部が挟まれた構造となることで、異
種材積層界面のバランスが保たれ、剥離、反り、クラッ
ク等の発生を極力抑制し得る効果がある。なお前述した
図3(e) 及び図3(h) に示すシートは誘電体で構成した
場合を説明したが、磁性体で構成してもよい。また内部
導体は全てAg又はAg/Pd系金属を主成分とする電
極用ペーストを印刷(例えばスクリーン印刷)によりシ
ート表面に付着せしめて形成してある。
【0034】前述した磁性体シート及び誘電体シートの
配合組成は次のようなものである。磁性体シートはX−
Fe2 4 (X−:Cu,Mn,Ni,Zn)系ソフト
フェライトであり、主成分及び助剤の配合組成は次のと
おりである。 主成分 Fe2 3 :48.5モル%、ZnO:29.5モル%、 NiO :14.0モル%、CuO: 8.0モル%。 助剤 Bi2 3 :0.5重量部(対主成分100重量部) このような配合組成の材料を850℃で仮焼合成した原
料粉を直径1.0μm以下に整粒して使用した。
【0035】一方、誘電体シートはBa−Bi−Pb−
Ti−O系誘電体セラミックスであり、その主成分及び
助剤の配合組成は次のとおりである。 主成分 BaTiO3 :85.0モル%、PbTiO3 :13.5モル%、 Nd2 3 : 1.0モル%、TiO2 : 0.5モル%。 助剤 Bi2 3 : 0.5重量部、 B2 3 : 1.0重量部(対主成分100重量部) このような配合組成の材料を850℃で仮焼合成した原
料粉を直径1.0μm以下に整粒して使用した。
【0036】なお、磁性体及び誘電体シートの作製は個
別に行われるが、工程は略同様であり、以下の如くに行
う。仮焼合成した原料粉について、X線分析にて所定物
質の合成を確認した後、シート成形工程に供すべく分散
溶剤(スラリー)を作製する。スラリーは仮焼粉と有機
溶剤(例えば、トルエン,キシレン,ブタノール)とバ
インダ(例えば、PVB:ポリビニルブチラール)を混
合させることにより作製され、粘性等を調整後、ドクタ
ーブレード法にて厚さ60〜100μm のシート化を行
う。磁性体シートと誘電体シートを各々作製の後、図3
に示す内部導体の印刷が容易なように所定のシートサイ
ズに裁断する。
【0037】目標とする性能に合わせて各インダクタの
インダクタンス値及び各コンデンサのキャパシタンス値
は次のように調整する。インダクタンス値の調整は図3
(b),(e),(h),(k) に示すシートパターンにおける内部導
体6b,6e,6h及び6kの形状、線路長、線路幅を
調節することにより行われる。線路長の拡張には図3
(e),(h) に示すシートパターンのスルーホール位置(○
印位置)とランドマーク位置(●印位置)とを交互に入
れ替えたシートパターン複数枚を作製の上、これらを中
間の複合部2として積層することが特に有効である。キ
ャパシタンス値の調整には内部導体6cと6dの組、6
fと6gの組、6iと6jの組の対向面積(重なり面積)
の調節をすることにより行う。
【0038】図3(b) 〜図3(k) に示す如きグリーンシ
ート及び内部導体6b〜6kを施した各シートパターン
を*印を基点としてその位置を合わせ及び方位を揃えて
図3(l) を最下段とし、図3(k) 〜図3(a) の順番に積
層する。図3に示した磁性体、誘電体の各シート及びシ
ートパターン以外にノイズフィルタとしての機械的強度
補償、高さ方向の寸法合わせ等のため、内部導体を全く
施さない磁性体製のグリーンシート又は誘電体シートを
適宜、複数枚積層してもよい。特に、図3(b)に示すシ
ートパターンの表側と図3(k) に示すシートパターンの
裏側とに図3(a) 、図3(l) に示すグリーンシートの他
に磁性体製のグリーンシートを適宜数枚積層することが
有効である。
【0039】次にシート及びシートパターンの積層体を
大気中にて850℃〜920℃で焼成し、脱バインダ処
理と磁性体材料、誘電体材料の焼結と内部導体形成を一
括処理にて行う。焼成後、積層体に反り、クラック等が
ないことを確認した後、Agを主成分とする入出力端子
4,4′とグランド端子5,5′を図3(b),(k) 、図3
(d),(f),(i) に示す内部導体における端部引出し部の寸
法に合わせて各々設ける。形成方法は端子電極用ペース
トを印刷し、焼付けるか、又は電極材のスパッタリング
による。
【0040】表1は本発明の一実施例であるトリプルT
型等価回路を有する積層LC複合型ノイズフィルタの電
気的特性を示している。比較例1として図5に示すT型
等価回路と、比較例2として図7に示すダブルT型等価
回路とを有する各ノイズフィルタの電気的特性を併せて
示している。
【0041】
【表1】
【0042】本発明の実施の形態であるトリプルT型の
ノイズフィルタにおいて、−3dB減衰時の周波数で定
義されたカットオフ周波数であるfC から、ノイズフィ
ルタとして特に有効な−20dB以上の減衰特性を有す
る周波数領域に至る急峻性が非常に優れていることがわ
かる。また、−20dB以上の減衰特性を有する周波数
領域が最も広帯域であることがわかる。
【0043】図4は本発明に係るトリプルT型のEMI
フィルタと比較例1、2(また破線、一点鎖線で示す)
とのカットオフ周波数を50MHz に合わせた場合の減衰
特性(S21特性、50Ω系、fC 〜50MHz 対比)を示
すグラフである。トリプルT型等価回路を有する本発明
では減衰カーブの急峻性が比較例1,2に比べて格段に
優れ、加えて減衰特性に複数個の共振ピークが現れ、広
帯域に亘ってノイズ除去が可能であることを示してお
り、一素子で信頼性の高いノイズ対策が実現できる。
【0044】
【発明の効果】本発明にあっては、これによって入出力
方向のインダクタの設計自由度が増大し、実装回路イン
ピーダンスに合わせたノイズフィルタが得られ、また一
体化したインダクタ、コンデンサ夫々の素子数の増加に
よって急峻な減衰特性が得られ、ノイズ周波数と有効信
号とが近接していても確実に分離することが可能とな
り、更に構造上、L,C共振点が増加し、広帯域に亘っ
てノイズ減衰帯域を確保することが出来る。
【0045】また本発明にあってはインダクタ部の内部
線路形成パターン、磁性体材料の選択により、インダク
タンス値を任意に設定することが出来、またコンデンサ
部においても内部導体の面積、誘電体シートの厚さ、材
料の選択によりキャパシタンス値を任意に設定すること
が出来、しかもこれらによってL,C両成分の相互作用
による共振周波数域を自在に設定し、対象となる電磁波
干渉ノイズ周波数に合わせた設計が可能となる。
【0046】更に本発明にあっては異種材積層界面での
シート剥離、クラック、ポア等の発生を防止出来る等の
効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層LC複合型ノイズフィルタの実施の形態を
示す斜視図である。
【図2】本発明に係る積層LC複合型ノイズフィルタの
等価回路図である。
【図3】本発明に係る積層LC複合型ノイズフィルタを
構成するシートパターンの説明図である。
【図4】本発明に係る積層LC複合型ノイズフィルタと
従来のノイズフィルタとの減衰特性を示すグラフであ
る。
【図5】従来のT型のEMIフィルタの等価回路図であ
る。
【図6】図5に示すT型のEMIフィルタを構成するシ
ートパターンの説明図である。
【図7】従来のダブルT型のEMIフィルタの等価回路
図である。
【図8】図7に示すダブルT型のEMIフィルタを構成
するシートパターンの説明図である。
【符号の説明】
1 インダクタ部 2 複合部 3 インダクタ部 4,4′ 入出力端子 5,5′ グランド端子 6b〜6k 内部導体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの入出力端子とグランド端子とを有
    する積層3端子型ノイズフィルタであって、内部に4個
    のインダクタが両入出力端子間に直列に配され、インダ
    クタ間の接点の3箇所と、前記グランド端子との間に各
    1つのコンデンサが並列に配設されたトリプルT型の回
    路構成を有することを特徴とする積層LC複合型ノイズ
    フィルタ。
  2. 【請求項2】 磁性体層表面又は誘電体層表面に導電体
    線路が形成されたインダクタ部と誘電体層を挟んで導電
    体を対向させてなるコンデンサ部とを交互に複数回積層
    させて一体化させ、この積層体の各インダクタ部の導電
    体線路間及び各インダクタ部の導電体線路と各コンデン
    サ部の導電体との間がスルーホールにより電気的に接続
    されたトリプルT型の回路構成を内蔵したことを特徴と
    する請求項1に記載の積層LC複合型ノイズフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記積層体の積層方向の両端に位置する
    部分は磁性体層表面に導電体線路が形成されたインダク
    タ部からなることを特徴とする請求項2に記載の積層L
    C複合型ノイズフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記積層体の積層方向の両端に位置する
    部分は導電体線路が形成されていない磁性体層からなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の積層LC複合型ノイ
    ズフィルタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6504452B2 (en) * 2000-05-22 2003-01-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. Low-pass filter and mobile communication device using the same
KR20030089845A (ko) * 2002-05-20 2003-11-28 (주) 래트론 무극성의 적층 타입 칩형 노이즈 필터
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