JPH11134708A - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
- Publication number
- JPH11134708A JPH11134708A JP9300049A JP30004997A JPH11134708A JP H11134708 A JPH11134708 A JP H11134708A JP 9300049 A JP9300049 A JP 9300049A JP 30004997 A JP30004997 A JP 30004997A JP H11134708 A JPH11134708 A JP H11134708A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- weight loss
- recording medium
- optical recording
- dye
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】溝深さが100nm〜180nmで、トラック
ピッチが0.7μm〜1.0μm、溝幅が0.2〜0.
4μmである記録再生光案内用の溝があらかじめ形成さ
れた透明基板上に、少なくとも、主減量過程での減量の
傾きが2%/℃以上でありその過程での総減量が30%
以上である有機色素を主成分とする記録層、金属反射層
の順に積層したものであり下記の(1)の条件を満たす
ことを特徴とする、波長600〜700nmで記録再生
し、線速度4.9m/s以上の高速で記録し再生する光
記録媒体。 (1)10T以上の長マークにおける波形の歪み角θが
15°以下であること。 【効果】良好な短ビットを形成し、高線速記録において
も良好な、600nm〜700nmでの短波長記録に適
した光記録媒体を得ることができる。
ピッチが0.7μm〜1.0μm、溝幅が0.2〜0.
4μmである記録再生光案内用の溝があらかじめ形成さ
れた透明基板上に、少なくとも、主減量過程での減量の
傾きが2%/℃以上でありその過程での総減量が30%
以上である有機色素を主成分とする記録層、金属反射層
の順に積層したものであり下記の(1)の条件を満たす
ことを特徴とする、波長600〜700nmで記録再生
し、線速度4.9m/s以上の高速で記録し再生する光
記録媒体。 (1)10T以上の長マークにおける波形の歪み角θが
15°以下であること。 【効果】良好な短ビットを形成し、高線速記録において
も良好な、600nm〜700nmでの短波長記録に適
した光記録媒体を得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光により記
録可能な光記録媒体に関する。
録可能な光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度記録のため、レーザー光の
発振波長の短波長化が注目され、780nm、830n
mよりも短波長のレーザー光で記録再生可能な光記録媒
体が求められ、640nm〜680nmの半導体レーザ
ー光を記録再生に用いるDVDが最近開発されている。
かかる状況においては、さまざまな記録媒体があるが、
その中で、有機色素系光記録媒体は安価でプロセス上容
易であるという特長を有する。
発振波長の短波長化が注目され、780nm、830n
mよりも短波長のレーザー光で記録再生可能な光記録媒
体が求められ、640nm〜680nmの半導体レーザ
ー光を記録再生に用いるDVDが最近開発されている。
かかる状況においては、さまざまな記録媒体があるが、
その中で、有機色素系光記録媒体は安価でプロセス上容
易であるという特長を有する。
【0003】このような短波長用途の有機色素媒体の色
素としては、シアニン等が提案されており、特開平6−
336086号公報、特開平7−161068号公報、
特開平7−262604号公報、特開平7−12544
1号公報、特開平7−266705号公報等がある。記
録部では、780nmでのCD−Rと同様に、色素の熱
分解による光学定数と膜厚の減少と基板の軟化による変
形等が生じていると考えられる。また、近年では、78
0nmと640nmの両用である記録媒体CDーRIIが
開発され、特開平7ー276804号公報、特開平7ー
156550号公報、特開平8ー31010号公報、特
開平8ー111034号公報、特開平8ー108623
号公報、特開平8ー108624号公報等がある。
素としては、シアニン等が提案されており、特開平6−
336086号公報、特開平7−161068号公報、
特開平7−262604号公報、特開平7−12544
1号公報、特開平7−266705号公報等がある。記
録部では、780nmでのCD−Rと同様に、色素の熱
分解による光学定数と膜厚の減少と基板の軟化による変
形等が生じていると考えられる。また、近年では、78
0nmと640nmの両用である記録媒体CDーRIIが
開発され、特開平7ー276804号公報、特開平7ー
156550号公報、特開平8ー31010号公報、特
開平8ー111034号公報、特開平8ー108623
号公報、特開平8ー108624号公報等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
ては、記録時に、色素の分解のみか、基板の変形の両方
により記録変調度を得ているが、記録部の変形が大き
く、溝上記録の場合には隣接の溝間部に及ぶ大きなビッ
トが形成されるため、クロストークが問題となる。特
に、DVD対応で狭トラックピッチ化をすることによ
り、クロストークはさらに大きな問題となる。上記公報
あるいは、特開平4ー109441号公報、特開平4ー
1182944号公報、特開平6ー282873号公
報、特開平6ー282874号公報等には、CD−R等
において高反射率で良好な特性が得られるものが示され
ているが、高密度化に伴う色素固有の問題点、その解決
に必要な技術に関するヒントは含まれてはいない。ま
た、前述のCDーRIIの仕様では620nm〜690n
mでの反射率は20%〜35%とかなり低い。さらに、
高密度化をした上に高線速記録をした場合に良い特性が
得られる技術的ヒントは、従来技術においては明らかに
されていない。
ては、記録時に、色素の分解のみか、基板の変形の両方
により記録変調度を得ているが、記録部の変形が大き
く、溝上記録の場合には隣接の溝間部に及ぶ大きなビッ
トが形成されるため、クロストークが問題となる。特
に、DVD対応で狭トラックピッチ化をすることによ
り、クロストークはさらに大きな問題となる。上記公報
あるいは、特開平4ー109441号公報、特開平4ー
1182944号公報、特開平6ー282873号公
報、特開平6ー282874号公報等には、CD−R等
において高反射率で良好な特性が得られるものが示され
ているが、高密度化に伴う色素固有の問題点、その解決
に必要な技術に関するヒントは含まれてはいない。ま
た、前述のCDーRIIの仕様では620nm〜690n
mでの反射率は20%〜35%とかなり低い。さらに、
高密度化をした上に高線速記録をした場合に良い特性が
得られる技術的ヒントは、従来技術においては明らかに
されていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高密度記
録を実現するために良好なクロストークの小さく、か
つ、従来のCD−Rの半分程度の最短マーク長、すなわ
ち、0.35μm〜045μmの最短マーク長を有する
PWM記録(マーク長記録)用の微小記録部を形成し、
かつ、高い変調度、高い反射率を可能とする媒体であ
り、かつ、高線速記録においても良好な記録特性を有す
る媒体を鋭意検討した結果、本発明に到達した。
録を実現するために良好なクロストークの小さく、か
つ、従来のCD−Rの半分程度の最短マーク長、すなわ
ち、0.35μm〜045μmの最短マーク長を有する
PWM記録(マーク長記録)用の微小記録部を形成し、
かつ、高い変調度、高い反射率を可能とする媒体であ
り、かつ、高線速記録においても良好な記録特性を有す
る媒体を鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0006】本発明の要旨は、溝深さが100nm〜1
80nmで、トラックピッチが0.7〜1.0μm、溝
幅が0.2〜0.4μmの案内溝が形成された透明基板
上に、少なくとも、主減量過程での減量の傾きが2%以
上でありその過程での総減量が30%以上である有機色
素を主成分とする記録層、金属反射層の順に積層したも
のであり下記の(1)の条件を満たすことを特徴とす
る、波長600nm〜700nmで記録再生し、線速度
4.9m/s以上の高速で記録し再生する記録媒体で、
(1)10T以上の長マークにおける波形の歪みが15
°以下であること、に存する。
80nmで、トラックピッチが0.7〜1.0μm、溝
幅が0.2〜0.4μmの案内溝が形成された透明基板
上に、少なくとも、主減量過程での減量の傾きが2%以
上でありその過程での総減量が30%以上である有機色
素を主成分とする記録層、金属反射層の順に積層したも
のであり下記の(1)の条件を満たすことを特徴とす
る、波長600nm〜700nmで記録再生し、線速度
4.9m/s以上の高速で記録し再生する記録媒体で、
(1)10T以上の長マークにおける波形の歪みが15
°以下であること、に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明における記録層は、記録用のレーザ
ー光を吸収することによる昇温で減量し膜厚が減少し、
光学特性が変化することにより戻り光の位相が変化し、
反射率が変化したところを記録部とするものである。
て説明する。本発明における記録層は、記録用のレーザ
ー光を吸収することによる昇温で減量し膜厚が減少し、
光学特性が変化することにより戻り光の位相が変化し、
反射率が変化したところを記録部とするものである。
【0008】本発明において、透明基板としてはポリカ
ーボネート、ポリメタクリレート、非晶質ポリオレフィ
ン等の樹脂等の公知のものが用いられ、サーボ用の案内
溝を有している。その溝は、深さは、100〜180n
mで、トラックピッチは、高容量化のためには0.7〜
1.0μmである。溝形状はU字溝が好ましい。溝の深
さは、100nm未満の場合には、記録時に十分な変化
がおきず、十分な記録変調度が得られない。180nm
を越えると、転写性をあげるために、良好な平坦性を損
なうことになる。溝幅(溝の深さが半分になる溝幅)
は、0.2μm以上で、0.4μm以下である。溝幅
0.20μm未満では、十分なトラッキングエラー信号
振幅を得ることが困難となる恐れがある上に、基板の溝
転写率が低くなるため好ましくない。また、0.4μm
以上の溝幅の場合には、記録ビットが溝内におさまるほ
ど十分に溝が広いので、溝幅の記録前後の変化が生じな
いので変調度も出にくくなり、好ましくない。また、基
板の熱変形時の樹脂の流動移動が可能な空間が広いの
で、記録部の基板の陥没が著しくなって記録部再生信号
の歪みが生じやすい。なお、溝形状は、1μmピッチの
場合には、He−Cdレーザーによる光学測定により求
め、それよりもトラックピッチが狭い場合には、STM
やAFMでプロファイルを測定して求める。なお本件に
関しては、STMとAFMで求めることができる。
ーボネート、ポリメタクリレート、非晶質ポリオレフィ
ン等の樹脂等の公知のものが用いられ、サーボ用の案内
溝を有している。その溝は、深さは、100〜180n
mで、トラックピッチは、高容量化のためには0.7〜
1.0μmである。溝形状はU字溝が好ましい。溝の深
さは、100nm未満の場合には、記録時に十分な変化
がおきず、十分な記録変調度が得られない。180nm
を越えると、転写性をあげるために、良好な平坦性を損
なうことになる。溝幅(溝の深さが半分になる溝幅)
は、0.2μm以上で、0.4μm以下である。溝幅
0.20μm未満では、十分なトラッキングエラー信号
振幅を得ることが困難となる恐れがある上に、基板の溝
転写率が低くなるため好ましくない。また、0.4μm
以上の溝幅の場合には、記録ビットが溝内におさまるほ
ど十分に溝が広いので、溝幅の記録前後の変化が生じな
いので変調度も出にくくなり、好ましくない。また、基
板の熱変形時の樹脂の流動移動が可能な空間が広いの
で、記録部の基板の陥没が著しくなって記録部再生信号
の歪みが生じやすい。なお、溝形状は、1μmピッチの
場合には、He−Cdレーザーによる光学測定により求
め、それよりもトラックピッチが狭い場合には、STM
やAFMでプロファイルを測定して求める。なお本件に
関しては、STMとAFMで求めることができる。
【0009】記録層は、通常、有機色素等をエタノー
ル、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、ジア
セトンアルコール、フッ素系アルコール等の溶媒に溶か
した溶液をスピンコートして得られる。この溶媒として
は、沸点が100〜150℃である溶媒で炭素数が3以
上のフッ素系アルコール、すなわち、1H,1H,3H
−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,5H−オ
クタフルオロペンタノール、1H,1H,3H−ヘキサ
フルオロブタノール等が好ましく用いられる。沸点が1
00℃未満の場合には、スピンコート時に溶媒が速く気
化するため、ディスクの半径40mmより外周側に塗布
液がゆきつかず、半径方向の膜厚分布が極めて大きくな
り、良好な特性が得られないことがあるので好ましくな
い。また、沸点が150℃を越える場合には、蒸発に時
間がかかる上に、膜中に溶媒が残留しやすく、この様な
場合には、良好な記録ジッターが得られないことが多い
ので好ましくない。膜厚は溝間部で50〜100nm程
度が好ましく、溝部で90nm〜180nmが好まし
い。溝間部、溝部の記録層膜厚がこの範囲よりも薄い場
合には膜厚が薄すぎて十分な記録変調度が得られない恐
れがある。また、この範囲を越えると、膜厚が厚すぎて
記録部がトラック方向、ランド方向に広がりやすく、ジ
ッターやクロストークが大きくなる恐れがある。記録層
の屈折率nは2.0〜3.0、好ましくは、2.3〜
2.5であり、消衰係数kは0.03〜0.10が好ま
しい。消衰係数は、本件では高線速記録仕様を目的とし
ているので、0.10も範囲に加えた。なお、本件での
色素層のn、kの測定は以下の方法により行うことがで
きる。鏡面レプリカに、盤面のおよそ半分の領域をカバ
ーするように色素溶液を置き、スピンコートし、この記
録層の一部に反射層をスパッタして未塗布部分との段差
を3次元表面荒さ計(キャノン製ZYGO:Maxim
5800)で測定して膜厚を求め、反射層の付いていな
い記録層において日本分光製自動波長スキャンエリプソ
メータ(MEL−30S型)で多入射角測定後、前述の
膜厚を参考に集束状況のよいn、kを求め、それを求め
る光学定数n、kとする。また、塗布膜の溝深さは基板
の溝深さの50%〜80%であることが好ましい。この
範囲未満では溝部膜厚が厚すぎるため反射率が低くな
り、トラッキングエラー信号も十分とれない恐れがあ
る。また、80%を越えると溝部膜厚が薄すぎて十分な
記録変調度が得られない恐れがある。
ル、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、ジア
セトンアルコール、フッ素系アルコール等の溶媒に溶か
した溶液をスピンコートして得られる。この溶媒として
は、沸点が100〜150℃である溶媒で炭素数が3以
上のフッ素系アルコール、すなわち、1H,1H,3H
−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,5H−オ
クタフルオロペンタノール、1H,1H,3H−ヘキサ
フルオロブタノール等が好ましく用いられる。沸点が1
00℃未満の場合には、スピンコート時に溶媒が速く気
化するため、ディスクの半径40mmより外周側に塗布
液がゆきつかず、半径方向の膜厚分布が極めて大きくな
り、良好な特性が得られないことがあるので好ましくな
い。また、沸点が150℃を越える場合には、蒸発に時
間がかかる上に、膜中に溶媒が残留しやすく、この様な
場合には、良好な記録ジッターが得られないことが多い
ので好ましくない。膜厚は溝間部で50〜100nm程
度が好ましく、溝部で90nm〜180nmが好まし
い。溝間部、溝部の記録層膜厚がこの範囲よりも薄い場
合には膜厚が薄すぎて十分な記録変調度が得られない恐
れがある。また、この範囲を越えると、膜厚が厚すぎて
記録部がトラック方向、ランド方向に広がりやすく、ジ
ッターやクロストークが大きくなる恐れがある。記録層
の屈折率nは2.0〜3.0、好ましくは、2.3〜
2.5であり、消衰係数kは0.03〜0.10が好ま
しい。消衰係数は、本件では高線速記録仕様を目的とし
ているので、0.10も範囲に加えた。なお、本件での
色素層のn、kの測定は以下の方法により行うことがで
きる。鏡面レプリカに、盤面のおよそ半分の領域をカバ
ーするように色素溶液を置き、スピンコートし、この記
録層の一部に反射層をスパッタして未塗布部分との段差
を3次元表面荒さ計(キャノン製ZYGO:Maxim
5800)で測定して膜厚を求め、反射層の付いていな
い記録層において日本分光製自動波長スキャンエリプソ
メータ(MEL−30S型)で多入射角測定後、前述の
膜厚を参考に集束状況のよいn、kを求め、それを求め
る光学定数n、kとする。また、塗布膜の溝深さは基板
の溝深さの50%〜80%であることが好ましい。この
範囲未満では溝部膜厚が厚すぎるため反射率が低くな
り、トラッキングエラー信号も十分とれない恐れがあ
る。また、80%を越えると溝部膜厚が薄すぎて十分な
記録変調度が得られない恐れがある。
【0010】光学記録に用いられる有機色素としては、
フタロシアニン系色素、シアニン色素、含金属アゾ系色
素や、ジベンゾフラノン系、含金属インドアニリン等が
提案されているが、記録層を構成する有機色素の熱的特
性は記録特性に大きく影響する。短波長用途として充分
な特性を得るためには、熱重量分析における、主減量過
程での減量が、温度に対してシャープであることが必要
である。なぜならば、主減量過程の反応により、有機色
素膜は分解し、膜厚の減少と光学定数の変化をおこし、
光学的な意味でのビット(記録部)が形成される。多く
の場合、記録ビットの下の基板が記録時の色素層の熱吸
収による昇温で変形し、溝幅は広がる。また、記録層で
ある色素層が光を吸収してビットが形成されるので、主
減量が温度に対して緩慢である場合、すなわち、広い温
度範囲にわたって減量が起こる場合には、記録層の光学
変化と膜厚の変化が広い領域にわたって形成されること
になる。その結果、高密度仕様のビット長記録の場合に
はビット同志が重なりあうためクロストークが大きく、
ジッター、ビットの分解能が悪くなり、極めて不利であ
る。それ故、温度に対して、急峻な減量を起こす色素を
用いることが好ましい。本発明においては、減量の過程
が2段階になっている色素を用いた場合、すなわち、主
減量開始温度よりも低い温度領域で減量がある色素を用
いた場合も、同様な理由で不利である。本発明で用いる
色素としては、好ましくは主減量過程での減量の傾きが
2%/℃以上であり、その過程での総減量%が30%以
上、より好ましくは、減量の傾きは10%℃以上であ
り、総減量%は35%以上である。減量の傾きが上記範
囲未満では、十分小さく、ランド方向に広がらない細い
記録部が形成できなくなり、ジッター、ビットの分解能
が悪くなり、高密度対応の短ビット長記録が困難とな
る。また、総減量%が30%未満の場合には記録前後の
十分な反射率コントラストが得られず、記録変調度が小
さいために十分な短ビット特性が得られない。
フタロシアニン系色素、シアニン色素、含金属アゾ系色
素や、ジベンゾフラノン系、含金属インドアニリン等が
提案されているが、記録層を構成する有機色素の熱的特
性は記録特性に大きく影響する。短波長用途として充分
な特性を得るためには、熱重量分析における、主減量過
程での減量が、温度に対してシャープであることが必要
である。なぜならば、主減量過程の反応により、有機色
素膜は分解し、膜厚の減少と光学定数の変化をおこし、
光学的な意味でのビット(記録部)が形成される。多く
の場合、記録ビットの下の基板が記録時の色素層の熱吸
収による昇温で変形し、溝幅は広がる。また、記録層で
ある色素層が光を吸収してビットが形成されるので、主
減量が温度に対して緩慢である場合、すなわち、広い温
度範囲にわたって減量が起こる場合には、記録層の光学
変化と膜厚の変化が広い領域にわたって形成されること
になる。その結果、高密度仕様のビット長記録の場合に
はビット同志が重なりあうためクロストークが大きく、
ジッター、ビットの分解能が悪くなり、極めて不利であ
る。それ故、温度に対して、急峻な減量を起こす色素を
用いることが好ましい。本発明においては、減量の過程
が2段階になっている色素を用いた場合、すなわち、主
減量開始温度よりも低い温度領域で減量がある色素を用
いた場合も、同様な理由で不利である。本発明で用いる
色素としては、好ましくは主減量過程での減量の傾きが
2%/℃以上であり、その過程での総減量%が30%以
上、より好ましくは、減量の傾きは10%℃以上であ
り、総減量%は35%以上である。減量の傾きが上記範
囲未満では、十分小さく、ランド方向に広がらない細い
記録部が形成できなくなり、ジッター、ビットの分解能
が悪くなり、高密度対応の短ビット長記録が困難とな
る。また、総減量%が30%未満の場合には記録前後の
十分な反射率コントラストが得られず、記録変調度が小
さいために十分な短ビット特性が得られない。
【0011】本件では、従来の一倍速の記録再生ではな
く、4.9m/s以上の高線速での記録の際に生じる課
題に対処する方法を示している。すなわち、DVDーR
OMの再生速度は現在3.7〜3.8m/s(ここでは
この速度を一倍速と示す)であるが、DVDーRにおけ
る記録速度を4.9m/s以上の高線速にした場合、図
1に示すように記録マーク内の長さ方向の温度分布が一
倍速の場合と大きく異なる。一倍速と同じマーク長の記
録部を高線速記録の場合にはより短い時間で形成しなけ
ればならにために、記録パワーを高くして、最高到達温
度を高くしなければならない。これ故、マーク長方向の
温度勾配が、線速度が大きくなるほど急峻になってく
る。その結果、色素及び基板の過度の変形が生じ、再生
信号に図2に示す様な長さ方向に非対称な歪みが現れ、
その歪みはマーク長記録の場合、10T以上の長マーク
でより顕著となる。そのような波形歪みは、最適パワー
の決定を困難にし、ジッターの悪化の原因となり、波形
の歪み角θは15度未満、好ましくは10度以下であ
る。かかる長マークの歪みを、記録時に用いる信号のパ
ルスを分割することによりある程度低減させることは可
能ではあるが、記録パワーのマージンを狭くする原因に
なり、また、その媒体の範用性を狭くしてしまうため、
極めて良くないし、パルス分割による矯正にも限度があ
る。本発明者らは、再生信号波形のマークの長さ方向の
歪みと記録部形状の対応を調べた結果、4.9m/s以
上の高線速でパルス分割なしの10T以上の長マーク記
録部の基板変形において、陥没部がなくてなだらかに傾
斜しているか、陥没部がある場合には、陥没部がマーク
の読取方向の先端からはじまっているか、陥没部の中心
がマークの読取方向の中央±10%の位置にあるもの、
あるいは、陥没部の半値幅がマーク長の1/4以上を占
めなければ、良好な記録特性が得られないということが
わかった。10T以上の長マーク部での基板変形がこの
範囲をはずれる場合には、再生信号波形の長さ方向の歪
みが大きくて記録パワーマージンが狭い等、良い特性が
得られない。かかる長マークの波形歪みは、溝幅を適正
にとっていれば、CD規格の一倍速などの低速度記録で
は生じず、高線速記録で初めて現れる。従って、例えば
特開平7ー65378号公報や特開平7ー98887号
公報等でCDーRにおいて問題とされてきたマークの歪
みとは異なる現象であり、メカニズムも異なり、短波長
仕様の有機系ライトワンス媒体、例えば、DVDーR固
有の問題と考えられる。尚、本件では、記録部の基板の
変形はAFMにて、以下のようにして測定した。すなは
ち、貼り合わせ面を剥離し、セロハンテープ(スコッチ
社製)で反射層より上層を剥がしたあと、エタノールで
洗浄して露出させた基板面をAFMでスキャンし、記録
ビットの長さ方向の高低差を測定した。図2中のポイン
ト”A”が陥没のピーク位置で、100×(a/L)−
50(%)が陥没の位置がマークの中央から±何%のと
ころにあるかを示す値である。また、陥没の半値幅wは
図中の陥没の深さが半分になるところの幅で、陥没部の
両サイドの山の、陥没部の一番深い点を基準とした高さ
が、高い方を基準として25%以下異なっている場合に
は、高い方の山の高さの半分の高さにおける陥没部の幅
を半値幅wとし、25%を超えて異なる場合には低い方
の山の形状を高さ方向に(高い方の山の高さ/低い方の
山の高さ)倍に拡大し、この状態で陥没の深さが半分と
なる陥没部の幅を半値幅wとして用いる。又、w/Lも
基準として用いられる。
く、4.9m/s以上の高線速での記録の際に生じる課
題に対処する方法を示している。すなわち、DVDーR
OMの再生速度は現在3.7〜3.8m/s(ここでは
この速度を一倍速と示す)であるが、DVDーRにおけ
る記録速度を4.9m/s以上の高線速にした場合、図
1に示すように記録マーク内の長さ方向の温度分布が一
倍速の場合と大きく異なる。一倍速と同じマーク長の記
録部を高線速記録の場合にはより短い時間で形成しなけ
ればならにために、記録パワーを高くして、最高到達温
度を高くしなければならない。これ故、マーク長方向の
温度勾配が、線速度が大きくなるほど急峻になってく
る。その結果、色素及び基板の過度の変形が生じ、再生
信号に図2に示す様な長さ方向に非対称な歪みが現れ、
その歪みはマーク長記録の場合、10T以上の長マーク
でより顕著となる。そのような波形歪みは、最適パワー
の決定を困難にし、ジッターの悪化の原因となり、波形
の歪み角θは15度未満、好ましくは10度以下であ
る。かかる長マークの歪みを、記録時に用いる信号のパ
ルスを分割することによりある程度低減させることは可
能ではあるが、記録パワーのマージンを狭くする原因に
なり、また、その媒体の範用性を狭くしてしまうため、
極めて良くないし、パルス分割による矯正にも限度があ
る。本発明者らは、再生信号波形のマークの長さ方向の
歪みと記録部形状の対応を調べた結果、4.9m/s以
上の高線速でパルス分割なしの10T以上の長マーク記
録部の基板変形において、陥没部がなくてなだらかに傾
斜しているか、陥没部がある場合には、陥没部がマーク
の読取方向の先端からはじまっているか、陥没部の中心
がマークの読取方向の中央±10%の位置にあるもの、
あるいは、陥没部の半値幅がマーク長の1/4以上を占
めなければ、良好な記録特性が得られないということが
わかった。10T以上の長マーク部での基板変形がこの
範囲をはずれる場合には、再生信号波形の長さ方向の歪
みが大きくて記録パワーマージンが狭い等、良い特性が
得られない。かかる長マークの波形歪みは、溝幅を適正
にとっていれば、CD規格の一倍速などの低速度記録で
は生じず、高線速記録で初めて現れる。従って、例えば
特開平7ー65378号公報や特開平7ー98887号
公報等でCDーRにおいて問題とされてきたマークの歪
みとは異なる現象であり、メカニズムも異なり、短波長
仕様の有機系ライトワンス媒体、例えば、DVDーR固
有の問題と考えられる。尚、本件では、記録部の基板の
変形はAFMにて、以下のようにして測定した。すなは
ち、貼り合わせ面を剥離し、セロハンテープ(スコッチ
社製)で反射層より上層を剥がしたあと、エタノールで
洗浄して露出させた基板面をAFMでスキャンし、記録
ビットの長さ方向の高低差を測定した。図2中のポイン
ト”A”が陥没のピーク位置で、100×(a/L)−
50(%)が陥没の位置がマークの中央から±何%のと
ころにあるかを示す値である。また、陥没の半値幅wは
図中の陥没の深さが半分になるところの幅で、陥没部の
両サイドの山の、陥没部の一番深い点を基準とした高さ
が、高い方を基準として25%以下異なっている場合に
は、高い方の山の高さの半分の高さにおける陥没部の幅
を半値幅wとし、25%を超えて異なる場合には低い方
の山の形状を高さ方向に(高い方の山の高さ/低い方の
山の高さ)倍に拡大し、この状態で陥没の深さが半分と
なる陥没部の幅を半値幅wとして用いる。又、w/Lも
基準として用いられる。
【0012】また、記録層を構成する有機色素の主減量
開始温度は250〜320℃であることが好ましい。2
50℃未満では、基板の熱変形と色素の分解との間のし
きい値性が保たれないので良好な記録部、特に急峻な記
録部のエッジが形成されにくいので好ましくない。ま
た、320℃を越える場合には、基板の変形が過度にな
りやすく、長マークの波形歪みが起こりやすいので好ま
しくない。また、基板の変形開始部と色素の分解部との
間に温度差が生じるため、ジッター特性が悪くなりがち
であり、好ましくない。尚、本件における高線速とは、
4.9m/s〜8.0m/sまでのことをいう。8.0
msを越える高線速の記録は、十分なC/N等の特性を
得るために要する記録レーザーパワーが15mWを越え
るため、半導体レーザーの寿命を考慮すると適切ではな
い。色素の例としては、上記基本物性の条件を満たす色
素ならば、シアニン系、フタロシアニン系、含金アゾ系
等、どんな骨格の色素でも良いが、特に、耐光性、膜の
吸収の形の良さから、例えば、次に示すものが挙げられ
る。
開始温度は250〜320℃であることが好ましい。2
50℃未満では、基板の熱変形と色素の分解との間のし
きい値性が保たれないので良好な記録部、特に急峻な記
録部のエッジが形成されにくいので好ましくない。ま
た、320℃を越える場合には、基板の変形が過度にな
りやすく、長マークの波形歪みが起こりやすいので好ま
しくない。また、基板の変形開始部と色素の分解部との
間に温度差が生じるため、ジッター特性が悪くなりがち
であり、好ましくない。尚、本件における高線速とは、
4.9m/s〜8.0m/sまでのことをいう。8.0
msを越える高線速の記録は、十分なC/N等の特性を
得るために要する記録レーザーパワーが15mWを越え
るため、半導体レーザーの寿命を考慮すると適切ではな
い。色素の例としては、上記基本物性の条件を満たす色
素ならば、シアニン系、フタロシアニン系、含金アゾ系
等、どんな骨格の色素でも良いが、特に、耐光性、膜の
吸収の形の良さから、例えば、次に示すものが挙げられ
る。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】本発明においては、減量の傾きは、以下の
如くして求める。(図3を参照。)質量M0 の有機色素
を窒素中で10℃/分で昇温する。昇温に従って、質量
は当初微量ずつ減少し、ほぼ直線a−bの減量線を描
き、ついで急激に減量し始め、15%以上の減量をほぼ
直線d1 −d2 に沿って減量する。これが主減量過程で
あり、主減量開始温度は、T1 のことである。その後、
ほぼ直線c−cで示される減量過程におちつく。直線d
1 −d2 と直線c−cとの交点における温度をT2 、重
量をm2 とし、初期重量をm1 とすれば、ここでいう減
量の傾きとは
如くして求める。(図3を参照。)質量M0 の有機色素
を窒素中で10℃/分で昇温する。昇温に従って、質量
は当初微量ずつ減少し、ほぼ直線a−bの減量線を描
き、ついで急激に減量し始め、15%以上の減量をほぼ
直線d1 −d2 に沿って減量する。これが主減量過程で
あり、主減量開始温度は、T1 のことである。その後、
ほぼ直線c−cで示される減量過程におちつく。直線d
1 −d2 と直線c−cとの交点における温度をT2 、重
量をm2 とし、初期重量をm1 とすれば、ここでいう減
量の傾きとは
【0017】
【数1】(m1 −m2 )(%)/(T2 −T1 )(℃)
【0018】で示される値で、総重量に対する減量%
(総減量%)は、
(総減量%)は、
【0019】
【数2】(m1 −m2 )(%)
【0020】で示される値である。なお、図4に示され
るような場合には、主減量過程の減量の傾きは
るような場合には、主減量過程の減量の傾きは
【0021】
【数3】(m1 −m2 )(%)/(T2 −T1 )(℃)
【0022】で示される値とする。さらに、大気中での
10℃/分の昇温の場合の熱分解挙動(TGーDTA特
性)が、窒素中での10℃/分の昇温の場合とあまり差
がないような色素が好ましい。どの色素でも窒素中の測
定での主減量過程は大気中でもほとんど変わらず存在す
るが、ある種に色素の場合には、大気中測定でのみさら
に高温部に発熱を伴う第2の減量過程が存在し、その過
程でほぼ総減量が100%に達する。この反応は、保護
層(コート)を積層したディスクや貼りあわせしたディ
スクの形態においては、極端に大きな記録パワーを用い
た場合に記録特性に影響することがある。また、金属反
射層の上の保護層が薄い場合、もしくは、金属反射層の
上に何も積層しない層構成の場合、通常の記録パワーで
も色素と基板の界面で非常に高温になりやすく、金属反
射層を通して供給される酸素、基板中、あるいは、色素
の主減量過程により発生する微量の酸素と反応して、第
2の減量過程がおこり、ビットの形状が非常にきたなく
なり信号特性が不良となる恐れがある。
10℃/分の昇温の場合の熱分解挙動(TGーDTA特
性)が、窒素中での10℃/分の昇温の場合とあまり差
がないような色素が好ましい。どの色素でも窒素中の測
定での主減量過程は大気中でもほとんど変わらず存在す
るが、ある種に色素の場合には、大気中測定でのみさら
に高温部に発熱を伴う第2の減量過程が存在し、その過
程でほぼ総減量が100%に達する。この反応は、保護
層(コート)を積層したディスクや貼りあわせしたディ
スクの形態においては、極端に大きな記録パワーを用い
た場合に記録特性に影響することがある。また、金属反
射層の上の保護層が薄い場合、もしくは、金属反射層の
上に何も積層しない層構成の場合、通常の記録パワーで
も色素と基板の界面で非常に高温になりやすく、金属反
射層を通して供給される酸素、基板中、あるいは、色素
の主減量過程により発生する微量の酸素と反応して、第
2の減量過程がおこり、ビットの形状が非常にきたなく
なり信号特性が不良となる恐れがある。
【0023】金属反射層は、記録層を透過したレーザー
光を効率良く反射する金属膜であり、500nm〜70
0nmで反射率が低下しないために、記録再生波長±5
nmの波長領域の光の屈折率が0.1〜1.5、消衰係
数kが3〜8であるものが好ましい。特に屈折率が0.
1〜0.2、消衰係数が3〜5である場合は高反射率が
得られる。しかし、さらに高線速記録を目的とする場合
には、金属反射層の反射率、熱伝導度がかかわってくる
場合がある。すなわち、金属反射層の反射率が大きくて
色素を透過して反射層に到達する光がより多く反射され
るため、色素内部の温度が上がりやすくなり、必要以上
に色素が分解する恐れがある。特に、銀程度に高反射率
であるとそのような状況が起こりやすい。それ故、金属
反射層の反射率を金以下のものにすることが好ましい。
従って、基板に金属反射層を80nm以上スパッタし、
基板側から光を入射した時の反射率が、記録再生光近傍
の波長で、95%〜75%程度になることが好ましい。
反射層として使われる金属膜においては、反射率が高い
ものほど熱伝導度も高いという傾向があり、上記反射率
の範囲を満たす熱伝導度としては、銀、金ではそれぞ
れ、44、32W/mKであるので、35〜15W/m
Kの範囲が好ましい。35W/mKを越える場合、記録
層をよく選ばないと高線速記録による波形歪みが大きく
て良好な特性が得られない恐れがある。金、アルミ、ア
ルミや銀にTi、Cu、Ta、Mg等の添加元素を3原
子%以下の範囲で加え、熱伝導度、反射率を調整するこ
とが好ましい。金属反射層の膜厚は、好ましくは80n
m以上で、記録層の変形を抑制しすぎたり、記録感度を
悪化させすぎない程度の膜厚が好ましい。尚、本件で用
いた金属反射層の熱伝導度は真空理工製薄膜熱定数測定
装置(PIT−1)で、厚さ41μmのPETフィルム
に約2μmの金属反射層をスパッタした試料を用いて周
波数1.1Hzの光照射条件で測定した値を用いた。金
は32W/mK、銀は44W/mK、AlTa(Ta=
0.5at%)が30W/mK、AlTa(Ta=1.
0at%)が20W/mKであった。
光を効率良く反射する金属膜であり、500nm〜70
0nmで反射率が低下しないために、記録再生波長±5
nmの波長領域の光の屈折率が0.1〜1.5、消衰係
数kが3〜8であるものが好ましい。特に屈折率が0.
1〜0.2、消衰係数が3〜5である場合は高反射率が
得られる。しかし、さらに高線速記録を目的とする場合
には、金属反射層の反射率、熱伝導度がかかわってくる
場合がある。すなわち、金属反射層の反射率が大きくて
色素を透過して反射層に到達する光がより多く反射され
るため、色素内部の温度が上がりやすくなり、必要以上
に色素が分解する恐れがある。特に、銀程度に高反射率
であるとそのような状況が起こりやすい。それ故、金属
反射層の反射率を金以下のものにすることが好ましい。
従って、基板に金属反射層を80nm以上スパッタし、
基板側から光を入射した時の反射率が、記録再生光近傍
の波長で、95%〜75%程度になることが好ましい。
反射層として使われる金属膜においては、反射率が高い
ものほど熱伝導度も高いという傾向があり、上記反射率
の範囲を満たす熱伝導度としては、銀、金ではそれぞ
れ、44、32W/mKであるので、35〜15W/m
Kの範囲が好ましい。35W/mKを越える場合、記録
層をよく選ばないと高線速記録による波形歪みが大きく
て良好な特性が得られない恐れがある。金、アルミ、ア
ルミや銀にTi、Cu、Ta、Mg等の添加元素を3原
子%以下の範囲で加え、熱伝導度、反射率を調整するこ
とが好ましい。金属反射層の膜厚は、好ましくは80n
m以上で、記録層の変形を抑制しすぎたり、記録感度を
悪化させすぎない程度の膜厚が好ましい。尚、本件で用
いた金属反射層の熱伝導度は真空理工製薄膜熱定数測定
装置(PIT−1)で、厚さ41μmのPETフィルム
に約2μmの金属反射層をスパッタした試料を用いて周
波数1.1Hzの光照射条件で測定した値を用いた。金
は32W/mK、銀は44W/mK、AlTa(Ta=
0.5at%)が30W/mK、AlTa(Ta=1.
0at%)が20W/mKであった。
【0024】本発明の光学記録媒体においては、記録部
の金属反射層の穴の発生を防止したり、変形の非対称性
を抑制する効果を有するために、反射層の上に保護層を
積層した方が良い。保護層としては紫外線硬化接続が好
ましい。また、通常は、1μm以上、好ましくは3μm
以上の膜厚にして、酸素による硬化抑制等がおこらない
ようにする。さらにその上にホットメルトや紫外線硬化
の接着剤を10〜20μm設けて2枚の貼り合わせをし
てもよい
の金属反射層の穴の発生を防止したり、変形の非対称性
を抑制する効果を有するために、反射層の上に保護層を
積層した方が良い。保護層としては紫外線硬化接続が好
ましい。また、通常は、1μm以上、好ましくは3μm
以上の膜厚にして、酸素による硬化抑制等がおこらない
ようにする。さらにその上にホットメルトや紫外線硬化
の接着剤を10〜20μm設けて2枚の貼り合わせをし
てもよい
【0025】
(実施例1)溝深さ150nm、溝幅(溝の半値幅)
0.25μm(0.80μmトラックピッチ)(以上、
AFMでの測定結果)のU字案内溝を有する厚さ0.6
mmのポリカーボネート基板上に下記構造式
0.25μm(0.80μmトラックピッチ)(以上、
AFMでの測定結果)のU字案内溝を有する厚さ0.6
mmのポリカーボネート基板上に下記構造式
【0026】
【化4】
【0027】で示される含金属アゾ色素0.044gを
オクタフルオロペンタノール(OFP)4gに溶解し、
1200rpmでスピンコートし、80℃のオーブンで
3時間アニール処理し、記録層とした。この色素の窒素
中の主減量過程での減量が41.0%で、温度差が3.
6℃で、減量の傾きは11.4%/℃(主減量開始温度
は347℃)であった。熱重量分析はセイコー電子工業
製の示差熱天秤(「SSC5200H」シリーズ「TG
−DTA−320」)を用いて測定した。この色素単層
の640nmでの屈折率nと消衰係数kはそれぞれ2.
4と0.06であり、吸収ピークは595nmであっ
た。
オクタフルオロペンタノール(OFP)4gに溶解し、
1200rpmでスピンコートし、80℃のオーブンで
3時間アニール処理し、記録層とした。この色素の窒素
中の主減量過程での減量が41.0%で、温度差が3.
6℃で、減量の傾きは11.4%/℃(主減量開始温度
は347℃)であった。熱重量分析はセイコー電子工業
製の示差熱天秤(「SSC5200H」シリーズ「TG
−DTA−320」)を用いて測定した。この色素単層
の640nmでの屈折率nと消衰係数kはそれぞれ2.
4と0.06であり、吸収ピークは595nmであっ
た。
【0028】この記録層の上に金を100nmの厚さだ
けスパッタし、その状態で塗布膜の溝深さdfilmをAF
Mで測定したところ、基板の溝深さの54%であった。
なお、記録層の溝間部膜厚は30nmであった(従っ
て、溝部膜厚は99nm)。この金属層の上にUV硬化
樹脂(大日本インキ製「SD−318」)を約3μmス
ピンコートして紫外線ランプで硬化してディスクを作製
した。同じ様にして作製したディスクどうしをホットメ
ルト方式で接着した。この貼り合わせディスクを(パル
ステック製DDUー1000)640nmの半導体レー
ザー評価機(開口数NA=0.6)で、パルス分割なし
のEFM信号(nー1)T(以下でいうEFM記録)を
線速度3.7m/sで記録したところ、6.2mWでア
イの中心が11T波形の中心に位置する(以下でいう記
録パワー)良好なアイパターンが得られた。この記録条
件でItop =50%、I11/Itop =65%で、最短マ
ーク長約0.43μmのジッター(data to ckock jitt
er)は9%と良好な特性であった。このディスクに、1
1T相当(440ns)の長マークのみ(duty50%)
を同じ記録パワーで記録したところ、再生信号波形の歪
み角θは3度と十分小さかった。記録線速をあげて4.
9m/sにし、βが0近傍となる記録パワー7.2mW
で、同じく11T相当(320ns)の長マークのみ
(duty50%)の記録を行ったところ、θは14度と良
好な波形を示した。このディスクの貼り合わせ面をはが
し、両面テープで反射膜を剥離し、エタノールで色素を
洗い流して記録部下の基板の変形をAFMで観察したと
ころ、20nm程度の凸部が形成され、3.7m/sの
記録部では、陥没のピーク位置は中心より5.4%後端
よりで、陥没の半値幅は0.31で、4.7m/s記録
の場合は、陥没のピーク位置が中心より5.5%後端よ
りで、陥没の半値幅は0.32であった。
けスパッタし、その状態で塗布膜の溝深さdfilmをAF
Mで測定したところ、基板の溝深さの54%であった。
なお、記録層の溝間部膜厚は30nmであった(従っ
て、溝部膜厚は99nm)。この金属層の上にUV硬化
樹脂(大日本インキ製「SD−318」)を約3μmス
ピンコートして紫外線ランプで硬化してディスクを作製
した。同じ様にして作製したディスクどうしをホットメ
ルト方式で接着した。この貼り合わせディスクを(パル
ステック製DDUー1000)640nmの半導体レー
ザー評価機(開口数NA=0.6)で、パルス分割なし
のEFM信号(nー1)T(以下でいうEFM記録)を
線速度3.7m/sで記録したところ、6.2mWでア
イの中心が11T波形の中心に位置する(以下でいう記
録パワー)良好なアイパターンが得られた。この記録条
件でItop =50%、I11/Itop =65%で、最短マ
ーク長約0.43μmのジッター(data to ckock jitt
er)は9%と良好な特性であった。このディスクに、1
1T相当(440ns)の長マークのみ(duty50%)
を同じ記録パワーで記録したところ、再生信号波形の歪
み角θは3度と十分小さかった。記録線速をあげて4.
9m/sにし、βが0近傍となる記録パワー7.2mW
で、同じく11T相当(320ns)の長マークのみ
(duty50%)の記録を行ったところ、θは14度と良
好な波形を示した。このディスクの貼り合わせ面をはが
し、両面テープで反射膜を剥離し、エタノールで色素を
洗い流して記録部下の基板の変形をAFMで観察したと
ころ、20nm程度の凸部が形成され、3.7m/sの
記録部では、陥没のピーク位置は中心より5.4%後端
よりで、陥没の半値幅は0.31で、4.7m/s記録
の場合は、陥没のピーク位置が中心より5.5%後端よ
りで、陥没の半値幅は0.32であった。
【0029】(実施例2)実施例1の色素を下記構造式
の色素に変えた以外は全く同様にして貼り合わせディス
クを作成した。
の色素に変えた以外は全く同様にして貼り合わせディス
クを作成した。
【0030】
【化5】
【0031】尚、この色素単層の640nmでの吸収極
大は595.5nmで、屈折率nと、消衰係数kはそれ
ぞれ2.36と0.06であった。溝間部の記録層の膜
厚は35nmであり、塗布膜の溝深さが基板の深さの5
7%、従って、溝部の色素膜厚は110nmであった。
このディスクについて、実施例1と同じ条件でEFM記
録したところ、Itop =50%で、記録パワー6.2m
Wで、I11/Itop =58%で、最短マーク長約0.4
3μm相当のジッターが9.5%であった。さらに、実
施例1と同様に4.9m/sで72mWの記録パワー
で、11Tの記録をしたところ、θは11度と良好であ
った。この記録部の基板変形部をみたところ、やはり2
0nm弱の凸が形成され、その一部は陥没しており、陥
没のピーク位置は中心より15.4%後端側にあったも
のの、半値幅が0.39とかなり広い領域が凹になって
いた。尚、この色素の窒素中の主減量開始温度は312
℃で、その過程での減量は5.18%、温度差2.85
℃で、減量の傾きは18.2%/℃であった。
大は595.5nmで、屈折率nと、消衰係数kはそれ
ぞれ2.36と0.06であった。溝間部の記録層の膜
厚は35nmであり、塗布膜の溝深さが基板の深さの5
7%、従って、溝部の色素膜厚は110nmであった。
このディスクについて、実施例1と同じ条件でEFM記
録したところ、Itop =50%で、記録パワー6.2m
Wで、I11/Itop =58%で、最短マーク長約0.4
3μm相当のジッターが9.5%であった。さらに、実
施例1と同様に4.9m/sで72mWの記録パワー
で、11Tの記録をしたところ、θは11度と良好であ
った。この記録部の基板変形部をみたところ、やはり2
0nm弱の凸が形成され、その一部は陥没しており、陥
没のピーク位置は中心より15.4%後端側にあったも
のの、半値幅が0.39とかなり広い領域が凹になって
いた。尚、この色素の窒素中の主減量開始温度は312
℃で、その過程での減量は5.18%、温度差2.85
℃で、減量の傾きは18.2%/℃であった。
【0032】(実施例3)実施例1の色素を下記構造式
の色素に変え、色素量を0.040gにした以外は全く
同様にして貼り合わせディスクを作製した。
の色素に変え、色素量を0.040gにした以外は全く
同様にして貼り合わせディスクを作製した。
【0033】
【化6】
【0034】この色素の窒素中の主減量開始温度は30
5℃で、その過程の減量が47.7%、温度差16.0
℃で、減量の傾きは2.98%/℃であった。この色素
単層の640nmでの屈折率n、消衰係数kはそれぞ
れ、2.5と0.08であり、吸収極大は599.5n
mであった。このディスクについて、実施例1と同じ条
件でEFM記録したところ、Itop =37%、記録パワ
ー5.6mWでI11/Itop =60%で、最短マーク長
約0.43μmのジッターが9.5%と良好な記録特性
が得られた。膜厚は実施例1とほぼ同じである。このデ
ィスクに4.9m/s、記録パワー7.2mWで11T
の記録をしたところ、θが3度と、主減量開始温度が3
40℃以上である実施例1、2の色素に比べると極めて
良好な特性が得られた。この記録部の基板変形は、やは
り20nm程度の凸の中に極めて緩やかな陥没があり、
そのピーク位置はマークの中心よりわずかに3.5%後
端に寄り、半値幅は0.36となっていた。
5℃で、その過程の減量が47.7%、温度差16.0
℃で、減量の傾きは2.98%/℃であった。この色素
単層の640nmでの屈折率n、消衰係数kはそれぞ
れ、2.5と0.08であり、吸収極大は599.5n
mであった。このディスクについて、実施例1と同じ条
件でEFM記録したところ、Itop =37%、記録パワ
ー5.6mWでI11/Itop =60%で、最短マーク長
約0.43μmのジッターが9.5%と良好な記録特性
が得られた。膜厚は実施例1とほぼ同じである。このデ
ィスクに4.9m/s、記録パワー7.2mWで11T
の記録をしたところ、θが3度と、主減量開始温度が3
40℃以上である実施例1、2の色素に比べると極めて
良好な特性が得られた。この記録部の基板変形は、やは
り20nm程度の凸の中に極めて緩やかな陥没があり、
そのピーク位置はマークの中心よりわずかに3.5%後
端に寄り、半値幅は0.36となっていた。
【0035】(実施例4)実施例3のディスクの金反射
膜を銀に変えた構成のディスクについても同様に4.9
m/sで11T相当の記録をしたところ、θは3度で、
記録の変形も実施例3とほとんど同じであった。尚、こ
の銀反射層ディスクのItopは42%であった。
膜を銀に変えた構成のディスクについても同様に4.9
m/sで11T相当の記録をしたところ、θは3度で、
記録の変形も実施例3とほとんど同じであった。尚、こ
の銀反射層ディスクのItopは42%であった。
【0036】(実施例5)実施例2のディスクの金反射
層を銀反射層に変えて作製したディスクについて、実施
例4と同じように記録したところ、θは14度と、実施
例2よりはやや良くない結果が得られた。記録部の陥没
のピーク位置は実施例2とほぼ同じであったが、陥没の
半値幅は0.36とやや良くなかった。
層を銀反射層に変えて作製したディスクについて、実施
例4と同じように記録したところ、θは14度と、実施
例2よりはやや良くない結果が得られた。記録部の陥没
のピーク位置は実施例2とほぼ同じであったが、陥没の
半値幅は0.36とやや良くなかった。
【0037】(実施例6)実施例1の基板に、下記構造
の有機色素の対溶媒1.1wt%のOFP溶液を実施例
1と同様にして貼り合わせディスクを作製した。
の有機色素の対溶媒1.1wt%のOFP溶液を実施例
1と同様にして貼り合わせディスクを作製した。
【0038】
【化7】
【0039】溝部膜厚は90nmで塗布膜の溝深さは基
板の59%であった。尚、この色素単層の吸収極大は5
95.5nmであり、640nmでのn、kはそれぞれ
2.4と0.06であった。また、色素の窒素中での主
減量開始温度は307℃で、その過程での減量は52.
3%、温度差は10.7℃で、減量の傾きは4.89%
/℃であった。実施例1と同様に、3.7m/s、記録
パワー6.3mWでEFM記録を行ったところ、Itop=
50%、I11/Itop=65%で、最短マーク長0.43μ
mでジッターが10%であった。さらに4.9m/sで
11Tの記録を7.2mW記録パワーで行ったところ、
θは8度と良好であった。この記録部の基板変形をみた
ところ、約20nmの凸部が形成されており、陥没部は
その中心から5%後端寄りで、半値幅は0.34であっ
た。
板の59%であった。尚、この色素単層の吸収極大は5
95.5nmであり、640nmでのn、kはそれぞれ
2.4と0.06であった。また、色素の窒素中での主
減量開始温度は307℃で、その過程での減量は52.
3%、温度差は10.7℃で、減量の傾きは4.89%
/℃であった。実施例1と同様に、3.7m/s、記録
パワー6.3mWでEFM記録を行ったところ、Itop=
50%、I11/Itop=65%で、最短マーク長0.43μ
mでジッターが10%であった。さらに4.9m/sで
11Tの記録を7.2mW記録パワーで行ったところ、
θは8度と良好であった。この記録部の基板変形をみた
ところ、約20nmの凸部が形成されており、陥没部は
その中心から5%後端寄りで、半値幅は0.34であっ
た。
【0040】(実施例7)実施例1において、色素を下
記構造式の有機色素に変えた以外は全く同様にして貼り
合わせディスクを作製した。
記構造式の有機色素に変えた以外は全く同様にして貼り
合わせディスクを作製した。
【0041】
【化8】
【0042】この色素の膜厚は実施例1とほぼ同じであ
った。今回、この色素の合成方法を従来と変え、メタノ
ールによる懸洗により精製した結果、減量特性の良い色
素が得られた。すなわち、窒素中での主減量開始温度が
286℃で、その過程の減量が43%、温度差4.8℃
で、減量の傾きは8.9%/℃で、この過程より低温領
域での減量は全くなかった。この色素単層の吸収極大は
584nmで、640nmでのn、kはそれぞれ、2.
3と0.06であった。このディスクに実施例1と同様
に4.9m/sで11Tの記録を8.6mW記録パワー
で行ったところ、θは5度と良好であった。記録部の基
板の変形は実施例1と同様で、ただし、陥没のピーク位
置は5%後端寄りで、半値幅が0.34であり、10T
と11Tとで、この陥没に関する値に差はほとんど見ら
れなかった。
った。今回、この色素の合成方法を従来と変え、メタノ
ールによる懸洗により精製した結果、減量特性の良い色
素が得られた。すなわち、窒素中での主減量開始温度が
286℃で、その過程の減量が43%、温度差4.8℃
で、減量の傾きは8.9%/℃で、この過程より低温領
域での減量は全くなかった。この色素単層の吸収極大は
584nmで、640nmでのn、kはそれぞれ、2.
3と0.06であった。このディスクに実施例1と同様
に4.9m/sで11Tの記録を8.6mW記録パワー
で行ったところ、θは5度と良好であった。記録部の基
板の変形は実施例1と同様で、ただし、陥没のピーク位
置は5%後端寄りで、半値幅が0.34であり、10T
と11Tとで、この陥没に関する値に差はほとんど見ら
れなかった。
【0043】(実施例8)実施例1のディスクの金属反
射層をAlTa(Ta=0.5at%)に変えた以外は
全く同様にして貼り合わせディスクを作製し記録したと
ころ、Itop=43%で、記録パワー5.8mWで、I11/
Itop=60%、最短マーク長0.43μmでのジッター
が9.5%と良好であった。このディスクに4.9m/
sで11T相当の記録を6.9mWで行ったところ、θ
が11度と良好な特性を示した。この部分の基板変形は
実施例1と同様であったが、陥没のピーク位置は5.2
%後端寄りで、その半値幅は0.33であった。
射層をAlTa(Ta=0.5at%)に変えた以外は
全く同様にして貼り合わせディスクを作製し記録したと
ころ、Itop=43%で、記録パワー5.8mWで、I11/
Itop=60%、最短マーク長0.43μmでのジッター
が9.5%と良好であった。このディスクに4.9m/
sで11T相当の記録を6.9mWで行ったところ、θ
が11度と良好な特性を示した。この部分の基板変形は
実施例1と同様であったが、陥没のピーク位置は5.2
%後端寄りで、その半値幅は0.33であった。
【0044】(実施例9)実施例3の色素を下記の構造
式で表される色素に変えた以外は全く同様にして貼り合
わせディスクを作製した。
式で表される色素に変えた以外は全く同様にして貼り合
わせディスクを作製した。
【0045】
【化9】
【0046】このディスクに、パルステック工業製63
5nm(NA=0.6)の高出力レーザー評価機で7m
/sでDVDーR対応のパルステック製8ー16符号マ
ルチパルス信号発生器を使用し、外部クロック周波数5
7MHzのクロックでEFM記録を行ったところ、1
4.5mWの記録パワーでI11/Itop=60%の良好な記
録が行えた。この線速で11Tの長マーク記録を行った
ところ、θは10度と極めて良好な波形であった。この
記録部の基板変形の陥没部のピーク位置は中心より8%
後端側にあり、半値幅が0.35であった。4.9m/
s記録では、θは3度と極めて良好であった。尚、この
色素単層の吸収極大は593.5nmで、640nmで
のn、kは2.4と0.1であった。また、窒素中の主
減量開始温度は284℃で、その過程の減量は56.9
%、温度差3.6℃で、減量の傾きは15.8%/℃と
良好であった。
5nm(NA=0.6)の高出力レーザー評価機で7m
/sでDVDーR対応のパルステック製8ー16符号マ
ルチパルス信号発生器を使用し、外部クロック周波数5
7MHzのクロックでEFM記録を行ったところ、1
4.5mWの記録パワーでI11/Itop=60%の良好な記
録が行えた。この線速で11Tの長マーク記録を行った
ところ、θは10度と極めて良好な波形であった。この
記録部の基板変形の陥没部のピーク位置は中心より8%
後端側にあり、半値幅が0.35であった。4.9m/
s記録では、θは3度と極めて良好であった。尚、この
色素単層の吸収極大は593.5nmで、640nmで
のn、kは2.4と0.1であった。また、窒素中の主
減量開始温度は284℃で、その過程の減量は56.9
%、温度差3.6℃で、減量の傾きは15.8%/℃と
良好であった。
【0047】(実施例10)実施例2において、金属反
射層をAlTa(Ta=0.5at%)に変えた以外は
全く同様にして貼り合わせディスクを作製した。4.9
m/sで記録パワー5.7mWで11Tの記録をしたと
ころ、Itop=40%で、θは9度と、銀反射層の場合よ
りも良好な波形を示した。この記録部の基板変形をみた
ところ、凸変形の中心近傍に陥没があり、そのピーク位
置は9%後端寄りで、陥没の半値幅は0.36であっ
た。
射層をAlTa(Ta=0.5at%)に変えた以外は
全く同様にして貼り合わせディスクを作製した。4.9
m/sで記録パワー5.7mWで11Tの記録をしたと
ころ、Itop=40%で、θは9度と、銀反射層の場合よ
りも良好な波形を示した。この記録部の基板変形をみた
ところ、凸変形の中心近傍に陥没があり、そのピーク位
置は9%後端寄りで、陥没の半値幅は0.36であっ
た。
【0048】(実施例11)実施例3のディスクで、保
護コートを付さずに金反射層を露出したままの状態で
3.7m/sでEFM信号記録をしたところ、貼り合わ
せ品と変わらない良好なアイパターンが観測された。
尚、この色素の窒素中と大気中のTGーDTA曲線はほ
ぼ小穴時で、大気中でも主減量開始温度よりも高温での
減量過程はなかった。
護コートを付さずに金反射層を露出したままの状態で
3.7m/sでEFM信号記録をしたところ、貼り合わ
せ品と変わらない良好なアイパターンが観測された。
尚、この色素の窒素中と大気中のTGーDTA曲線はほ
ぼ小穴時で、大気中でも主減量開始温度よりも高温での
減量過程はなかった。
【0049】尚、今回のすべての実施例での3.7m/
sでの11T記録の再生信号波形の歪み角θは3度で、
いぞれも極めて良好な特性であり、その結果、パルス分
割していないにもかかわらず、ジッターが10%未満と
いう良好な値が得られた。また、この実施例すべての色
素の窒素中の減量は、主減量過程一つであり、その温度
よりも低い領域には減量がみられない良好なものであっ
た。
sでの11T記録の再生信号波形の歪み角θは3度で、
いぞれも極めて良好な特性であり、その結果、パルス分
割していないにもかかわらず、ジッターが10%未満と
いう良好な値が得られた。また、この実施例すべての色
素の窒素中の減量は、主減量過程一つであり、その温度
よりも低い領域には減量がみられない良好なものであっ
た。
【0050】(実施例12)実施例3において、基板の
溝幅を0.35μmに変えた以外は全く同様にして貼り
合わせディスクを作製した。4.9m/sでの11Tの
記録のθは9度であった。記録部の基板変形の様子は、
0.25μmの溝幅の場合とやや異なり、凸部の高さに
非対称性はあるものの、陥没のピークの位置は5.2%
後端よりで、半値幅は0.34であった。
溝幅を0.35μmに変えた以外は全く同様にして貼り
合わせディスクを作製した。4.9m/sでの11Tの
記録のθは9度であった。記録部の基板変形の様子は、
0.25μmの溝幅の場合とやや異なり、凸部の高さに
非対称性はあるものの、陥没のピークの位置は5.2%
後端よりで、半値幅は0.34であった。
【0051】(比較例1)実施例1において、色素を下
記の構造式の色素に変えた以外は全く同様にして貼り合
わせディスクを作製した。
記の構造式の色素に変えた以外は全く同様にして貼り合
わせディスクを作製した。
【0052】
【化10】
【0053】尚、この色素単層の吸収極大は595.5
nmで、640nmでのn、kはそれぞれ、2.4と
0.68であった。この色素の窒素中の主減量開始温度
は346℃、減量は42.5%、温度差5.3℃で、従
って、減量の傾きは7.94%/℃であった。このディ
スクに、3.7m/sで実施例1と同様にEFM記録を
行ったところ、ジッターは9.8%であった。4.9m
/sで11Tの記録を行ったところ、記録パワーは7.
2mWで、θは21と良くない結果となり、その記録部
の基板変形を調べたところ、20nm程度の凸の位置部
が陥没しており、陥没のピーク位置はその凸の中心から
わずか7.7%後端側にあるものの、陥没が極めて非対
称で先端側がとくにおちこんでおり、半値幅は0.2で
あった。このディスクの反射層を銀に変えて全く同様に
したところ、4.9m/sでの11Tの再生波形のθは
27度と悪かった。尚、この色素の膜厚を、溶媒に溶か
す色素量を、0.040g、0.048gにした場合で
も、4.9m/sでの11T記録部の基板の変形の陥没
部は0.044gの場合とほとんど変わらなかった。
nmで、640nmでのn、kはそれぞれ、2.4と
0.68であった。この色素の窒素中の主減量開始温度
は346℃、減量は42.5%、温度差5.3℃で、従
って、減量の傾きは7.94%/℃であった。このディ
スクに、3.7m/sで実施例1と同様にEFM記録を
行ったところ、ジッターは9.8%であった。4.9m
/sで11Tの記録を行ったところ、記録パワーは7.
2mWで、θは21と良くない結果となり、その記録部
の基板変形を調べたところ、20nm程度の凸の位置部
が陥没しており、陥没のピーク位置はその凸の中心から
わずか7.7%後端側にあるものの、陥没が極めて非対
称で先端側がとくにおちこんでおり、半値幅は0.2で
あった。このディスクの反射層を銀に変えて全く同様に
したところ、4.9m/sでの11Tの再生波形のθは
27度と悪かった。尚、この色素の膜厚を、溶媒に溶か
す色素量を、0.040g、0.048gにした場合で
も、4.9m/sでの11T記録部の基板の変形の陥没
部は0.044gの場合とほとんど変わらなかった。
【0054】(比較例2)比較例1の色素に下記の構造
の添加剤を0.0066g加えた他は全く同様にして貼
り合わせディスクを作製した。
の添加剤を0.0066g加えた他は全く同様にして貼
り合わせディスクを作製した。
【0055】
【化11】
【0056】4.9m/sで11Tの記録をしたとこ
ろ、θは8度と、比較例1に比べて極めて良好となっ
た。この記録部の基板の変形を見たところ、20nm程
度の凸部に陥没は見られず、なだらかに後端から先端に
むけて傾斜しているだけだった。尚、この添加物を加え
た状態での窒素中のTGーDTA曲線は添加前とほとん
ど変わらず、添加後の主減量開始温度は349℃であっ
た。(尚、いままでどうり、主減量過程とは、減量が1
8%以上の過程のことをいっている。)
ろ、θは8度と、比較例1に比べて極めて良好となっ
た。この記録部の基板の変形を見たところ、20nm程
度の凸部に陥没は見られず、なだらかに後端から先端に
むけて傾斜しているだけだった。尚、この添加物を加え
た状態での窒素中のTGーDTA曲線は添加前とほとん
ど変わらず、添加後の主減量開始温度は349℃であっ
た。(尚、いままでどうり、主減量過程とは、減量が1
8%以上の過程のことをいっている。)
【0057】(比較例3)比較例1の色素の窒素中と大
気中の熱分解挙動(TGーDTAで測定)は大きく異な
り、大気中では従来(窒素中)の主減量過程の他に46
7℃に、非常に大きな発熱を伴う第2の減量過程があ
る。比較例1において、保護コートを付さない金反射層
が露出した形態で3.7m/sでEFM記録を行ったと
ころ、比較例1とは大きく異なり、アイパターンが不鮮
明で、悪い記録特性であった。
気中の熱分解挙動(TGーDTAで測定)は大きく異な
り、大気中では従来(窒素中)の主減量過程の他に46
7℃に、非常に大きな発熱を伴う第2の減量過程があ
る。比較例1において、保護コートを付さない金反射層
が露出した形態で3.7m/sでEFM記録を行ったと
ころ、比較例1とは大きく異なり、アイパターンが不鮮
明で、悪い記録特性であった。
【0058】(比較例4)比較例1の基板を0.35μ
mに変えた以外は全く同様にして貼り合わせディスクを
作製した。同様にして4.9m/sで11Tの記録をし
たところ、θが25度であった。基板の変形部は、比較
例1よりもさらに極端に陥没しており、半値幅を測定で
きない状態であった。このディスクについて、実施例9
と同様に、外部クロック33MHzで、パルス分割をし
たEFM記録(記録パワー10.5mW)を行ったとこ
ろ、アイパターンに歪みが残り、10.5mWでジッタ
ーが12%と良くなかった。
mに変えた以外は全く同様にして貼り合わせディスクを
作製した。同様にして4.9m/sで11Tの記録をし
たところ、θが25度であった。基板の変形部は、比較
例1よりもさらに極端に陥没しており、半値幅を測定で
きない状態であった。このディスクについて、実施例9
と同様に、外部クロック33MHzで、パルス分割をし
たEFM記録(記録パワー10.5mW)を行ったとこ
ろ、アイパターンに歪みが残り、10.5mWでジッタ
ーが12%と良くなかった。
【0059】
【発明の効果】光学特性が本件の条件を満たせば、良好
な短ビットを形成し、高線速記録においても良好な、6
00nm〜700nmでの短波長記録に好適な、光記録
媒体を得ることができる。
な短ビットを形成し、高線速記録においても良好な、6
00nm〜700nmでの短波長記録に好適な、光記録
媒体を得ることができる。
【図1】11Tの記録部の温度分布を、記録線速度3.
7m/sと4.9m/sの記録の場合について計算した
図。(記録パワーは、それぞれの線速度について、β=
0近傍となるパワーを用い、実施例1のディスクについ
て計算したもの)
7m/sと4.9m/sの記録の場合について計算した
図。(記録パワーは、それぞれの線速度について、β=
0近傍となるパワーを用い、実施例1のディスクについ
て計算したもの)
【図2】再生信号波形の歪みと、陥没のピーク位置、半
値幅を説明する図。
値幅を説明する図。
【図3】有機色素の主減量過程、主減量過程の総減量、
減量の傾きを求める方法を説明するための示差熱天秤の
チャート図。
減量の傾きを求める方法を説明するための示差熱天秤の
チャート図。
【図4】図3と異なる、有機色素の主減量過程、主減量
過程の総減量、減量の傾きを求める方法を説明するため
の示唆熱天秤のチャート図。
過程の総減量、減量の傾きを求める方法を説明するため
の示唆熱天秤のチャート図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本件では、従来の一倍速の記録再生ではな
く、4.9m/s以上の高線速での記録の際に生じる課
題に対処する方法を示している。すなわち、DVD−R
OMの再生速度は現在3.7〜3.8m/s(ここでは
この速度を一倍速と示す)であるが、DVD−Rにおけ
る記録速度を4.9m/s以上の高線速にした場合、図
1に示すように記録マーク内の長さ方向の温度分布が一
倍速の場合と大きく異なる。一倍速と同じマーク長の記
録部を高線速記録の場合にはより短い時間で形成しなけ
ればならないために、記録パワーを高くして、最高到達
温度を高くしなければならない。これ故、マーク長方向
の温度勾配が、線速度が大きくなるほど急峻になってく
る。その結果、色素及び基板の過度の変形が生じ、再生
信号に図2に示す様な長さ方向に非対称な歪みが現れ、
その歪みはマーク長記録の場合、10T以上の長マーク
でより顕著となる。そのような波形歪みは、最適パワー
の決定を困難にし、ジッターの悪化の原因となり、波形
の歪み角θは15度未満、好ましくは10度以下であ
る。かかる長マークの歪みを、記録時に用いる信号のパ
ルスを分割することによりある程度低減させることは可
能ではあるが、記録パワーのマージンを狭くする原因に
なり、また、その媒体の範用性を狭くしてしまうため、
極めて良くないし、パルス分割による矯正にも限度があ
る。本発明者らは、再生信号波形のマークの長さ方向の
歪みと記録部形状の対応を調べた結果、4.9m/s以
上の高線速でパルス分割なしの10T以上の長マーク記
録部の基板変形において、陥没部がなくてなだらかに傾
斜しているか、陥没部がある場合には、陥没部の中心が
マークの読取方向の中央±10%の位置にあるもの、あ
るいは、陥没部の半値幅がマーク長の1/4以上を占め
なければ、良好な記録特性が得られないということがわ
かった。10T以上の長マーク部での基板変形がこの範
囲をはずれる場合には、再生信号波形の長さ方向の歪み
が大きくて記録パワーマージンが狭い等、良い特性が得
られない。かかる長マークの波形歪みは、溝幅を適正に
とっていれば、CD規格の一倍速などの低速度記録では
生じず、高線速記録で初めて現れる。従って、例えば特
開平7−65378号公報や特開平7−98887号公
報等でCD−Rにおいて問題とされてきたマークの歪み
とは異なる現象であり、メカニズムも異なり、短波長仕
様の有機系ライトワンス媒体、例えば、DVD−R固有
の問題と考えられる。尚、本件では、記録部の基板の変
形はAFMにて、以下のようにして測定した。すなわ
ち、貼り合わせ面を剥離し、セロハンテープ(スコッチ
社製)で反射層より上層を剥がしたあと、エタノールで
洗浄して露出させた基板面をAFMでスキャンし、記録
ビットの長さ方向の高低差を測定した。図2中のポイン
ト“A”が陥没のピーク位置で、100×(a/L)−
50(%)が陥没の位置がマークの中央から±何%のと
ころにあるかを示す値である。また、陥没の半値幅wは
図中の陥没の深さが半分になるところの幅で、陥没部の
両サイドの山の、陥没部の一番深い点を基準とした高さ
が、高い方を基準として25%以下異なっている場合に
は、高い方の山の高さの半分の高さにおける陥没部の幅
を半値幅wとし、25%を超えて異なる場合には低い方
の山の形状を高さ方向に(高い方の山の高さ/低い方の
山の高さ)倍に拡大し、この状態で陥没の深さが半分と
なる陥没部の幅を半値幅wとして用いる。又、w/Lも
基準として用いられる。
く、4.9m/s以上の高線速での記録の際に生じる課
題に対処する方法を示している。すなわち、DVD−R
OMの再生速度は現在3.7〜3.8m/s(ここでは
この速度を一倍速と示す)であるが、DVD−Rにおけ
る記録速度を4.9m/s以上の高線速にした場合、図
1に示すように記録マーク内の長さ方向の温度分布が一
倍速の場合と大きく異なる。一倍速と同じマーク長の記
録部を高線速記録の場合にはより短い時間で形成しなけ
ればならないために、記録パワーを高くして、最高到達
温度を高くしなければならない。これ故、マーク長方向
の温度勾配が、線速度が大きくなるほど急峻になってく
る。その結果、色素及び基板の過度の変形が生じ、再生
信号に図2に示す様な長さ方向に非対称な歪みが現れ、
その歪みはマーク長記録の場合、10T以上の長マーク
でより顕著となる。そのような波形歪みは、最適パワー
の決定を困難にし、ジッターの悪化の原因となり、波形
の歪み角θは15度未満、好ましくは10度以下であ
る。かかる長マークの歪みを、記録時に用いる信号のパ
ルスを分割することによりある程度低減させることは可
能ではあるが、記録パワーのマージンを狭くする原因に
なり、また、その媒体の範用性を狭くしてしまうため、
極めて良くないし、パルス分割による矯正にも限度があ
る。本発明者らは、再生信号波形のマークの長さ方向の
歪みと記録部形状の対応を調べた結果、4.9m/s以
上の高線速でパルス分割なしの10T以上の長マーク記
録部の基板変形において、陥没部がなくてなだらかに傾
斜しているか、陥没部がある場合には、陥没部の中心が
マークの読取方向の中央±10%の位置にあるもの、あ
るいは、陥没部の半値幅がマーク長の1/4以上を占め
なければ、良好な記録特性が得られないということがわ
かった。10T以上の長マーク部での基板変形がこの範
囲をはずれる場合には、再生信号波形の長さ方向の歪み
が大きくて記録パワーマージンが狭い等、良い特性が得
られない。かかる長マークの波形歪みは、溝幅を適正に
とっていれば、CD規格の一倍速などの低速度記録では
生じず、高線速記録で初めて現れる。従って、例えば特
開平7−65378号公報や特開平7−98887号公
報等でCD−Rにおいて問題とされてきたマークの歪み
とは異なる現象であり、メカニズムも異なり、短波長仕
様の有機系ライトワンス媒体、例えば、DVD−R固有
の問題と考えられる。尚、本件では、記録部の基板の変
形はAFMにて、以下のようにして測定した。すなわ
ち、貼り合わせ面を剥離し、セロハンテープ(スコッチ
社製)で反射層より上層を剥がしたあと、エタノールで
洗浄して露出させた基板面をAFMでスキャンし、記録
ビットの長さ方向の高低差を測定した。図2中のポイン
ト“A”が陥没のピーク位置で、100×(a/L)−
50(%)が陥没の位置がマークの中央から±何%のと
ころにあるかを示す値である。また、陥没の半値幅wは
図中の陥没の深さが半分になるところの幅で、陥没部の
両サイドの山の、陥没部の一番深い点を基準とした高さ
が、高い方を基準として25%以下異なっている場合に
は、高い方の山の高さの半分の高さにおける陥没部の幅
を半値幅wとし、25%を超えて異なる場合には低い方
の山の形状を高さ方向に(高い方の山の高さ/低い方の
山の高さ)倍に拡大し、この状態で陥没の深さが半分と
なる陥没部の幅を半値幅wとして用いる。又、w/Lも
基準として用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 修一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 堀江 道和 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】 溝深さが100nm〜180nmで、ト
ラックピッチが0.7μm〜1.0μm、溝幅が0.2
〜0.4μmである記録再生光案内用の溝が形成された
透明基板上に、少なくとも、主減量過程での減量の傾き
が2%/℃以上でありその過程での総減量が30%以上
である有機色素を主成分とする記録層、金属反射層の順
に積層し、下記の(1)の条件を満たすことを特徴とす
る、波長600〜700nmで記録再生し、線速度4.
9m/s以上の高速で記録し再生する光記録媒体。 (1)10T以上の長マークにおける波形の歪み角θが
15°以下であること。 - 【請求項2】 マーク長記録における10T以上の長マ
ークの基板の凸変形において、陥没部がないか、陥没部
がある場合には、陥没部がマークの読み取り方向の先端
からはじまっているか、陥没部の中心がマークの読み取
り方向の中央±10%の位置にあるか、あるいは、陥没
部の半値幅がマーク長の1/4以上を占める請求項1記
載の光記録媒体。 - 【請求項3】 記録層を構成する有機色素の主減量開始
温度が250℃〜320℃であることを特徴とする請求
項1又は2に記載の光記録媒体。 - 【請求項4】 記録層を構成する有機色素が、窒素中と
大気中とで熱分解挙動における差が小さいことを特徴と
する請求項1乃至3のいずれかに記載の光記録媒体。 - 【請求項5】 記録層単層の、記録再生光波長±5nm
での屈折率n、消衰係数kがそれぞれ2.0〜3.0と
0.03〜0.10であることを特徴とする請求項1乃
至4のいずれか1項に記載の光記録媒体。 - 【請求項6】 金属反射層の上に、紫外線硬化樹脂を積
層することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項
に記載の光記録媒体。 - 【請求項7】 金属反射層の熱伝導度が35〜15W/
mKであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか
1項に記載の光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9300049A JPH11134708A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9300049A JPH11134708A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 光記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11134708A true JPH11134708A (ja) | 1999-05-21 |
Family
ID=17880092
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9300049A Pending JPH11134708A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11134708A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7964260B2 (en) | 2004-11-10 | 2011-06-21 | Ricoh Company, Ltd. | Optical recording medium, recording and reproducing method thereof, and optical recording and reproducing apparatus |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP9300049A patent/JPH11134708A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7964260B2 (en) | 2004-11-10 | 2011-06-21 | Ricoh Company, Ltd. | Optical recording medium, recording and reproducing method thereof, and optical recording and reproducing apparatus |
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