JPH11133978A - 残響制御装置及び残響制御設備 - Google Patents

残響制御装置及び残響制御設備

Info

Publication number
JPH11133978A
JPH11133978A JP9295727A JP29572797A JPH11133978A JP H11133978 A JPH11133978 A JP H11133978A JP 9295727 A JP9295727 A JP 9295727A JP 29572797 A JP29572797 A JP 29572797A JP H11133978 A JPH11133978 A JP H11133978A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
throat
sound
reverberation control
reverberation
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9295727A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3899618B2 (ja
Inventor
Mitsutoshi Watanabe
充敏 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP29572797A priority Critical patent/JP3899618B2/ja
Publication of JPH11133978A publication Critical patent/JPH11133978A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3899618B2 publication Critical patent/JP3899618B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化を容易に図ることができ、施工性や設
置コスト、設置スペース等における問題の解消を図れる
ような残響調節装置等を提供すること。 【解決手段】 残響制御装置2は、スロート4を有する
共鳴室6と、共鳴室6内に配設された吸音材8と、共鳴
室6を区画形成する可動仕切壁12とを備えている。こ
の装置2は、スロート4の開口部に到来した所定の周波
数の音波と共鳴しつつこれを吸音材8により減衰吸収し
て残響を抑制制御する。この装置2では、可動仕切壁1
2をスライド移動させることにより、共鳴室6を拡縮で
きるようになっていて、共鳴する音波の周波数を設定変
更することができて、残響をより細やかに制御すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば演劇やコン
サート等を目的とした各種ホール内に設置されてホール
内を伝搬する音波を減衰させて吸収し、残響を制御する
残響制御装置及び残響制御設備に関する。
【0002】
【従来の技術】劇場や音楽ホール等といった各種ホール
では、従来から、演目や用途に応じて適切な残響を得る
ために、各種残響制御装置や残響制御設備が設置されて
いる。ここで、従来から設置されている残響制御装置や
残響制御設備は、音波吸収体と音波反射体とを備え、音
波吸収体の表側に音波反射体を重ねて配し、音波吸収体
または音波反射体のいずれか一方を他方に対し相対移動
させるなどして、音波吸収体と音波反射体との重なり量
を調節して、残響時間等を制御するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の残響制御装置または残響制御設備は、ど
れも装置構成が複雑で、機械的なトラブルが発生し易い
上、装置規模が極めて大きく、施工性や設置コスト、設
置スペース確保等において種々問題が生じていた。この
ようなことから、従来から、小型化を容易に達成でき、
かつ前述したような問題を容易に解消することができる
ような新しい構成の残響制御装置または残響制御設備が
望まれていた。
【0004】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、小型化を容易に図ることがで
き、施工性や設置コスト、設置スペース等における問題
の解消を図れるような残響制御装置及び残響制御設備を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明に係る残響制御装置にあっては、ホール内に設
置されて該ホール内を伝搬する音波を減衰させて吸収し
残響を制御する装置であって、該音波の到来方向に向か
って開口されたスロートを有し、該スロートの開口部に
到来した所定の周波数の音波と共鳴する共鳴室と、該共
鳴室内に配設され、該所定の周波数の音波を減衰させて
吸収する吸音材と、該共鳴室を区画形成するとともに、
該共鳴室内にスライド移動可能に設けられ該共鳴室の内
容積を拡縮して該所定の周波数を変更可能な可動仕切壁
とを備えたことを特徴とする。
【0006】このような構成を有する残響制御装置は、
ホール内に設置され、共鳴の原理により、ホール内を伝
搬する所定の周波数の音波と共鳴してこれを減衰吸収し
て残響を制御するもので、スロートを有する共鳴室が前
記所定の周波数の音波と共鳴して、共鳴室内に配設され
た吸音材により、当該所定の周波数の音波を減衰吸収し
て吸音する。共鳴室が共鳴する音波の周波数は、共鳴室
の内容積に応じて変化されることから、当該共鳴室を区
画形成する可動仕切壁をスライド移動させて共鳴室の内
容積を拡縮することによって、当該共鳴室が共鳴する音
波の周波数を変更することができる。このことから、こ
の装置では、可動仕切壁により、減衰吸収する音波の周
波数を高低設定することができ、所望の周波数の音波を
減衰吸収して残響をきめ細やかに所望に制御することが
できる。その上、共鳴の原理を利用して残響を制御する
ようになっているので、従来のように音波吸収体及び音
波反射体からなる装置に比べて、小型化を容易に達成す
ることができ、施工性や設置コスト、設置スペース等に
おける問題の解消を図ることができる。
【0007】また、前記装置が、前記スロートを遮断及
び開放可能なスロート開閉手段を備えれば、スロート開
閉手段によりスロートを遮断または開放して共鳴室を外
部から隔離したり解放したりすることができ、当該装置
の吸音動作をON/OFF制御することができる。
【0008】また、前記装置においては、前記共鳴室及
び前記スロートが、前記音波の到来方向に面して幅広く
形成され、さらに、該スロートはその奥行き寸法が幅方
向に沿って増減されて形成されれば、共鳴室が共鳴する
音波の周波数の帯域が、スロートの奥行き寸法の増減に
応じて高低拡げることができ、これにより、前記装置で
は、幅広い帯域の周波数の音波を吸音することができ
る。従って、当該装置を複数用いなくても、単体で幅広
い帯域の周波数の音波の吸音を図ることができる。さら
に、これに併せて、前記可動仕切壁による周波数変更機
構を用いれば、吸音する周波数帯域を設定変更すること
ができ、より充実した残響制御を可能にすることができ
る。
【0009】他方、本発明に係る第1の残響制御設備に
あっては、音波の到来方向に向かって開口されたスロー
トを有し、該スロートの開口部に到来した所定の周波数
の音波と共鳴しつつ該所定の周波数の音波を吸音材によ
り減衰して吸収する吸音室と、該スロートを遮断または
開放可能なスロート開閉手段とを備え、該吸音室が拡縮
可能に画成され該所定の周波数が設定変更可能な残響制
御装置をホール内に多数設置するとともに、該多数の残
響制御装置をグループ分けして、各グループ毎に該スロ
ート開閉手段を開閉制御可能な制御手段を備えたことを
特徴とする。
【0010】このような構成の残響制御設備において、
ホール内に設置された多数の残響制御装置は、各々、吸
音室の拡縮により設定された周波数の音波と共鳴しつつ
これを吸音材により減衰吸収して所望の残響制御を行う
ことができる。一方、これら多数の残響制御装置に各々
備えられたスロート開閉手段は、各装置毎にスロートを
遮断または開放して各装置の吸音動作をON/OFF制
御する。ここで、グループ分けされた多数の残響制御装
置は、制御手段により、スロート開閉手段がグループ毎
に開閉制御されることで、グループ毎に吸音動作がON
/OFF制御される。これによって、任意のグループの
残響制御装置を作動させることができ、高度な残響制御
を行うことができる。
【0011】また、本発明に係る第2の残響制御設備に
あっては、外部から到来してきた所定の周波数の音波と
スロートを通じて共鳴しながら該所定の周波数の音波を
吸音材により吸音する吸音室を有し、該吸音室が拡縮可
能に画成され該所定の周波数が設定変更可能な残響制御
装置を、ホール床面に階段状に設けられた段部の蹴上げ
部に設置したことを特徴とする。
【0012】このような構成の残響制御設備において、
残響制御装置は、吸音室の拡縮により設定された周波数
の音波と共鳴しつつこれを吸音材により減衰吸収して所
望の残響制御を行う。このような装置が、ホール床面に
階段状に設けられた段部の蹴上げ部に設置することで、
ホール天井部やホール壁部等に設置する場合に比べ、施
工が簡単に済むとともに、ホール室内面上にあまり目立
たせることなく配置することができる。また、前記蹴上
げ部にあっては、今までほとんど利用されていない部分
であり、残響制御装置の設置用として相当大きな専有部
を確保することができることから、かなり有効な残響制
御効果を期待することができる。
【0013】また、本発明に係る第3の残響制御設備に
あっては、外部から到来してきた音波とスロートを通じ
て所定の周波数で共鳴しながら該音波を吸音材により吸
音する吸音室を有し、該吸音室が拡縮可能に画成され該
所定の周波数が設定変更可能な残響制御装置を、ホール
壁部に設置したことを特徴とする。この残響制御設備で
は、前記第2の残響制御設備の残響制御装置が、ホール
壁部に設置されたことで、有効な残響抑制効果を奏する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る残響制御装置
及び残響制御設備の実施の形態について添付図面に基づ
き説明する。なお、図1〜図4は、本発明に係る残響制
御装置の実施の形態を示したものであり、図5〜図9
は、本発明に係る残響制御設備の実施の形態を示したも
のである。
【0015】まず、本発明に係る残響制御装置の実施の
形態について説明する。図1及び図2は、本発明に係る
残響制御装置2の一実施形態を示したものである。ここ
で、本発明に係る残響制御装置2は、劇場や音楽ホール
といったホール内に設置されて、ホール内を伝搬する音
波を減衰させて吸収し、残響を抑制して制御するもので
ある。この残響制御装置2は、図1に示すように、主
に、スロート4を有する共鳴室6と、共鳴室6内に配設
された吸音材8と、同じく共鳴室6内に配設された可動
仕切壁10と、スロート4に設けられた本発明のスロー
ト開閉手段としてのスロート開閉機構12とを備えてい
る。
【0016】ここで、共鳴室6は、閉じられた空間から
なり、箱体14内部に区画形成されている。共鳴室6の
内壁には、これを貫通して外部に連通させる前記スロー
ト4が設けられている。スロート4は、管状の空気通路
で、外部に向かって開口された開口部4aを有し、例え
ばパイプ材等の内部に管状の空気通路を有する部材、ま
たは管状の空気通路を区画形成可能な構成部材などによ
り形成される。本実施の形態では、スロート4が内部中
空筒体状の部材5により形成されている。スロート4
は、1箇所設けても2箇所以上設けてもよい。この他、
スロート4は、他の形態の部材により形成されてもよ
い。このような構成を有する共鳴室6は、共鳴器の原理
によって、スロート4の開口部4aに到来した所定の周
波数の音波と共鳴するようになっている。共鳴室6が共
鳴する音波の周波数は、共鳴室6の内容積並びにスロー
ト4の内寸法及び奥行き寸法に基づいて決定される。
【0017】また、吸音材8は、これを透過しようとす
る音波を捕らえて減衰させて吸収するもので、例えば多
孔質材等の音波を捕らえ減衰吸収可能な吸音材料から形
成される。この吸音材8は、共鳴室6内に配設されて、
共鳴室6が共鳴する所定の周波数の音波を減衰させて吸
収するようになっている。この本実施の形態では、吸音
材8は、スロート4の近傍に配置されて音波を効率的に
減衰吸収するようになっている。
【0018】一方、可動仕切壁10は、共鳴室6内に配
設されて共鳴室6を区画形成するものである。可動仕切
壁10は、スライド移動可能に設けられ、そのスライド
移動によって、共鳴室6はその内容積が拡大されたり縮
小されたりするようになっている。この実施の形態で
は、可動仕切壁10は、スロート4に相対向した位置に
設けられている。また、可動仕切壁10は、その壁裏面
に回転可能に軸支されて裏方へ延出されて設けられた長
尺な雄ネジ部材16が、これに対応して箱体14壁部に
貫通して設けられた雌ネジ部材18に螺合されていて、
雄ネジ部材16を雌ネジ部材18に対して相対的に正逆
回転させることにより、雄ネジ部材16の長さ方向に沿
って箱体14に対し相対的に進退されて矢印AまたはB
方向に沿ってスライド移動されるようになっている。こ
れにより、共鳴室6は、可動仕切壁12のスライド移動
により、長さLが増減変動されてその内容積が拡縮さ
れ、共鳴する音波の周波数が高低変更される。
【0019】他方、スロート開閉機構12は、スロート
4を遮断及び開放するものである。この実施の形態で
は、このスロート開閉機構12は、スロート4の外側近
傍に設けられた圧力室20と、この圧力室20とスロー
ト4との相互間に双方を間仕切りして設けられた伸縮可
能な膜材22とを備えている。ここで、圧力室20は、
閉じられた空間からなり、その内部には、外部から例え
ば圧縮空気等の加圧流体が導入されるようになってい
る。一方、膜材22は、例えばゴム材等の弾性的に伸縮
可能な膜材料から形成されている。膜材22は、圧力室
20に加圧流体が導入されてその内圧が十分に上昇され
ると、図2に示すように、スロート4内へと膨出してス
ロート内壁面に密着してスロート4を遮断するようにな
っている。そして、圧力室20から外部に加圧流体を排
出して圧力室20の内圧が十分に低下されると、圧力室
20側へと復元収縮して元の位置に戻り、スロート4を
再び開放するようになっている。スロート開閉機構12
は、このようにスロート4を遮断または開放することに
よって、共鳴室6を外部から隔離したり解放したりし
て、残響制御装置2の吸音動作をON/OFF制御する
ようになっている。なお、スロート開閉機構12として
は、この他、スロート4の遮断及び開放が可能であれ
ば、他の形態の機構であってもかまわない。また、本発
明に係るスロート開閉手段にあっては、開閉機構以外の
他の手段により構成されていてもよい。
【0020】以上から、このような構成を有する残響制
御装置2にあっては、共鳴室6が、スロート4の開口部
4aに到来した所定の周波数の音波と共鳴して、これを
共鳴室6内に配設された吸音材8により減衰吸収する。
共鳴室6は、これを区画形成している可動仕切壁10が
スライド移動されることによって、その内容積が拡縮さ
れ、共鳴する音波の周波数が高低変更される。これによ
り、この装置2では、減衰吸収する音波の周波数を設定
変更することができる。また、スロート4は、スロート
開閉機構12により遮断または開放されることから、共
鳴室6を外部から隔離したり解放したりして、残響制御
装置2の吸音動作をON/OFF制御することができ
る。
【0021】このような残響制御装置2にあっては、例
えば劇場や音楽ホール等のホール内、例えば床部や天井
部、壁部等に設置されれば、ホール内を伝搬する音波を
減衰吸収してホール内の残響を抑制制御することができ
る。特に、この装置2では、可動仕切壁10により吸音
する音波の周波数を設定変更することができるととも
に、スロート開閉機構12により装置2の吸音動作をO
N/OFF制御することができるため、残響を所望に制
御することができる。また、このような残響制御装置
を、相互に吸音周波数を異ならしめて複数個設置すれ
ば、複数の周波数の音波を減衰吸収することができる。
【0022】図3及び図4は、本発明に係る残響制御装
置の他の実施の形態を示したものである。この残響制御
装置2は、音波を吸音するための基本的な構成は前記実
施の形態と同じようなものになっている。ただし、この
実施の形態では、共鳴室6及びスロート4が、音波の到
来方向に面して幅広に形成されている。ここで、スロー
ト4は、断面細長に成形された中空部を内部に有する筒
状の部材7により形成されている。また、スロート4の
奥行き寸法Wは、スロート幅方向に沿って連続的に漸次
増減されている。さらに、本実施の形態では、これに対
応して、共鳴室6を区画形成する箱体14、共鳴室6内
に配設される吸音材8、並びに可動仕切壁10も、共鳴
室6またはスロート4の幅方向に沿って幅広に形成され
ている。
【0023】このような構成を有する残響制御装置で
は、スロート4の奥行き寸法Wが幅方向に沿って増減さ
れて形成されていることで、共鳴室6が共鳴する音波の
周波数の帯域がスロート4の奥行き寸法Wの増減に対応
して高低広がり、これにより、幅広い帯域の周波数の音
波を吸音することができる。このことから、幅広い帯域
の周波数の音波を吸音する場合でも、複数の残響制御装
置を用いなくても、単体で十分に対応することができ
る。特に、これに併せて、可動仕切壁10による周波数
変更機能を用いれば、吸音する周波数帯域を設定変更す
ることができ、より充実した残響制御を行うことができ
る。なお、この実施の形態では、箱体14、吸音材8並
びに可動仕切壁10が、共鳴室6及びスロート4に対応
して、幅広に形成されているが、これら箱体14、吸音
材8並びに可動仕切壁10は、必ずしも幅広に形成する
必要はない。また、前記スロート4の奥行き寸法Wにつ
いては、幅方向に沿って必ずしも連続的に漸次増減され
ている必要はなく、これ以外に他の形態で増減されてい
てもよい。
【0024】次に、本発明に係る残響制御設備の実施の
形態について説明する。本実施の形態に係る残響制御設
備は、前述した残響制御装置と同様に、スロートの開口
部に到来した音波と共鳴しつつこれを吸音材により吸音
する共鳴室である吸音室を備え、残響を抑制制御すると
ともに、吸音室が拡縮可能に形成されて共鳴する音波の
周波数を設定変更することができる残響制御装置を備え
たものである。以下の第1〜第3の実施の形態において
は、残響制御装置として、前述したものと同様な構成か
らなる残響制御装置を備えた場合について説明する。
【0025】図5は、本発明に係る残響制御設備の第1
の実施の形態を示したものである。この残響制御設備
は、ホール内に設置された多数の残響制御装置2からな
るものである。各残響制御装置2は、それぞれホール内
を伝搬する音波を減衰吸収して残響を抑制制御するよう
になっている。各残響制御装置2には、それぞれ、スロ
ート開閉手段として、前述したスロート開閉機構12が
備えられていて、各装置2は、各スロート開閉機構12
により、それぞれその吸音動作がON/OFF制御され
るようになっている。そして、本実施の形態では、これ
ら多数の残響制御装置をグループ分けして、1または複
数の残響制御装置2からなるグループ30a,30bを
形成して、制御手段により、グループ30a,30b毎
にスロート開閉機構12を開閉制御することができるよ
うになっている。
【0026】ここで、制御手段は、複数の残響制御装置
2からなるグループ30bにおいて各装置2の各スロー
ト開閉機構12の各圧力室20を相互に連通可能に連結
する連結チューブ32と、圧力室20に対しグループ3
0a,30b毎に個別に加圧流体を供給可能なコンプレ
ッサ34とを備えている。さらに、コンプレッサ34
は、前記加圧流体として例えば圧縮空気等を生成し供給
するコンプレッサ本体36と、各グループ30a,30
b毎にその中の1つの残響制御装置2の圧力室20に接
続された接続チューブ38と、コンプレッサ本体36か
ら供給される加圧流体を複数の接続チューブ38毎に選
択供給可能な制御弁40とを備えている。
【0027】これにより、コンプレッサ本体36から制
御弁40を介し接続チューブ38を通じて各圧力室20
に対し各グループ30a,30b毎に加圧流体を供給す
れば、各スロート開閉機構12により、スロート4を各
グループ毎に遮断することができる。また、接続チュー
ブ38を通じてグループ毎に各圧力室20内の圧力を抜
けば、スロート4をグループ毎に開放することができ
る。このようなことから、この残響制御設備では、グル
ープ30a,30b毎に残響制御装置2の吸音動作をO
N/OFF制御することができ、より細やかな残響制御
を行うことができる。尚、この実施の形態では、前記接
続チューブ38は、同一グループ内であれば他の残響制
御装置2の圧力室20に接続されてもよく、また圧力室
20に直接接続されずに連結チューブ32に接続され
て、この連結チューブ32を通じて圧力室20に加圧流
体を送給するようにしてもよい。また、前記制御手段
は、加圧流体により作動するスロート開閉機構12に対
応してコンプレッサ34から構成されていたが、本発明
に係る制御手段はこれに限らず、スロート開閉手段の構
成が異なれば、これに応じて他の形態に構成される。
【0028】図6〜図8は、本発明に係る残響制御設備
の第2の実施の形態を示したものである。この残響制御
設備は、前記説明した残響制御装置を、図6に示すよう
に、ホール床部42に階段状に設けられた段部44の蹴
上げ部46にそれぞれ設置したものである。ここで、ホ
ール床部42に階段状に設けられた段部44は、例えば
客席側に舞台を見易くすること等を目的に設けられたも
ので、例えば舞台側から離れるに従って段々に床レベル
を高くするなどして設けられる。このような段部44が
設けられるホール客席側とは、単なる客席部は勿論、通
路部や2階部以上に設けられるバルコニー型客席部を含
む。また、段部44の蹴上げ部46は、段部44に垂直
に切り立って設けられた蹴上げ面46aを有する。図6
は、残響制御装置2がホール客席側に設けられた段部4
4に設置された場合を示したものである。ここで、残響
制御装置2は、蹴上げ面46a裏側に表側から見えない
ように配設されている。また、残響制御装置2の吸音材
8を有する吸音室50は、図7に拡大して示すように、
ホール床部42を構成する床スラブコンクリート部材4
8により取り囲まれ区画形成されていている。また、残
響制御装置2のスロート4は、前記床スラブコンクリー
ト部材48により区画形成され、前記蹴上げ面46aに
開口されて形成されている。
【0029】さらに、図8は、コンクリート部材48に
より区画形成されたスロート4の開口部4aにスロート
開閉手段を設けた場合の一実施形態を示したものであ
る。ここで、スロート開閉手段は、スロート4の開口部
4a縁部に形成した切欠部52に配設した膨縮可能に形
成されたチューブ54からなる。チューブ54の内部に
は、例えば圧縮空気等の加圧流体が導入されるようにな
っている。そして、チューブ54は、加圧流体が導入さ
れると、膨張してスロート4を閉塞する。また、チュー
ブ54内部から加圧流体を排出すれば、チューブ54は
収縮させることができ、再びスロート4を開放すること
ができる。
【0030】図9は、本発明に係る残響制御設備の第3
の実施の形態を示したものである。この残響制御設備
は、前記説明した残響制御装置2を、ホール壁部56に
階段状に設けた段部58に設置したものである。このよ
うに残響制御装置2をホール壁部56に設けることによ
り、より充実した残響制御を可能にすることができる。
この他、残響制御装置2は、ホール壁部であれば、階段
状に設けられた段部58以外に、他の箇所に設置されて
もよい。
【0031】ところで、前記実施の形態では、残響制御
装置がスロート開閉手段を備えていたが、本発明に係る
残響制御装置にあっては、必ずしもスロート開閉手段を
備えている必要はない。
【0032】
【発明の効果】前記発明の実施の形態で説明したように
本発明に係る残響制御装置によれば、スロートの開口部
に到来した所定の周波数の音波と共鳴しつつこれを吸音
材により減衰吸収する共鳴室が、当該共鳴室内にスライ
ド移動可能に設けられた可動仕切壁により区画形成さ
れ、この可動仕切壁によりその内容積が拡縮されて共鳴
する音波の周波数が高低変更されるので、所望の周波数
の音波を減衰吸収してきめ細やかな残響制御を行うこと
ができる。その上、共鳴の原理を利用して残響を制御す
るようになっているので、従来のように音波吸収体及び
音波反射体からなる装置に比べて、小型化の達成を容易
に図ることができ、施工性や設置コスト、設置スペース
等における問題の解消を図ることができる。また、意匠
的にも自由度が増す。
【0033】さらに、前記装置が、スロートを遮断及び
開放可能なスロート開閉手段を備えれば、スロートを遮
断または開放して共鳴室の共鳴動作を停止させたり作動
させたりして、当該装置の吸音動作のON/OFF操作
することができる。
【0034】さらに、前記共鳴室が、音波の到来方向に
面して幅広く形成され、そのスロートはその奥行き寸法
が共鳴室の幅方向に沿って増減されて形成されれば、単
体で幅広い帯域の周波数の音波を減衰吸収することがで
き、さらに併せて可動仕切壁による周波数調節機能を用
いれば、より充実した残響制御を行うことができる。
【0035】また、本発明に係る第1の残響制御設備に
よれば、スロートの開口部に到来した所定の周波数の音
波と共鳴して吸音材により減衰吸収する吸音装置であっ
て、吸音する音波の周波数が高低変更可能で、グループ
分けされた多数の残響制御装置のスロート開閉手段が、
制御手段により、グループ毎に開閉制御されるようにな
っているため、前記装置の吸音動作をグループ毎に制御
することができ、任意のグループの残響制御装置を作動
させて、高度な残響制御を行うことができる。
【0036】また、本発明に係る第2の残響制御設備に
よれば、残響制御装置が、ホール床面に階段状に設けら
れた段部の蹴上げ部に設置することで、ホール天井部や
ホール壁部等に設置する場合に比べて、施工を容易に済
ませることができる。特に、今まで利用されていなかっ
た蹴上げ部を使用することによって、相当大きな設置部
を確保することができ、かなり有効な残響制御効果を期
待することができる。
【0037】また、本発明に係る第3の残響制御設備に
よれば、残響制御装置がホール壁部に設置されたこと
で、ホール壁部に到来した音波を減衰吸収することがで
き、ホール壁部においても有効な残響制御効果を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る残響制御装置の一実施形態を示し
た断面図である。
【図2】図1の残響調節装置においてスロートが遮断さ
れたときの状態の一実施形態を示した断面図である。
【図3】本発明に係る残響制御装置の他の実施の形態を
示した断面斜視図である。
【図4】本発明に係る残響制御装置の他の実施の形態を
示した横断面図である。
【図5】本発明に係る残響制御設備の第1の実施の形態
を概略的に示したブロック構成図である。
【図6】本発明に係る残響制御設備の第2の実施の形態
を示すホール床部に階段状に設けられた段部の縦断面図
である。
【図7】図6の要部を拡大して示した部分縦断面図であ
る。
【図8】本発明に係る残響制御設備の第2の実施の形態
のスロート開閉機構の他の実施の形態を拡大して示した
部分縦断面図である。
【図9】本発明に係る残響制御設備の第3の実施の形態
を示した壁部の平断面図である。
【符号の説明】
2 残響制御装置 36 コンプレッサ
本体 4 スロート 38 接続チューブ 6 共鳴室 40 制御弁 8 吸音材 42 ホール床部 10 可動仕切壁 44 段部 12 スロート開閉機構 46 蹴上げ部 14 箱体 48 床スラブコン
クリート部材 16 雄ネジ部材 50 吸音室 18 雌ネジ部材 52 切欠部 20 圧力室 54 チューブ 22 膜材 56 ホール壁部 32 連結チューブ 58 段部 34 コンプレッサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホール内に設置されて該ホール内を伝搬
    する音波を減衰させて吸収し残響を制御する装置であっ
    て、 該音波の到来方向に向かって開口されたスロートを有
    し、該スロートの開口部に到来した所定の周波数の音波
    と共鳴する共鳴室と、 該共鳴室内に配設され、該所定の周波数の音波を減衰さ
    せて吸収する吸音材と、 該共鳴室を区画形成するとともに、該共鳴室内にスライ
    ド移動可能に設けられ、該共鳴室の内容積を拡縮して該
    所定の周波数を変更可能な可動仕切壁とを備えたことを
    特徴とする残響制御装置。
  2. 【請求項2】 前記スロートを遮断及び開放可能なスロ
    ート開閉手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載
    の残響制御装置。
  3. 【請求項3】 前記共鳴室及び前記スロートは、前記音
    波の到来方向に面して幅広く形成され、さらに、該スロ
    ートはその奥行き寸法が幅方向に沿って増減されて形成
    されていることを特徴とする請求項1または2に記載の
    残響制御装置。
  4. 【請求項4】 音波の到来方向に開口されたスロートを
    有し、該スロートの開口部に到来した所定の周波数の音
    波と共鳴しつつ該所定の周波数の音波を吸音材により減
    衰して吸収する吸音室と、該スロートを遮断または開放
    可能なスロート開閉手段とを備え、該吸音室が拡縮可能
    に画成され該所定の周波数が設定変更可能な残響制御装
    置をホール内に多数設置するとともに、該多数の残響制
    御装置をグループ分けして、各グループ毎に該スロート
    開閉手段を開閉制御可能な制御手段を備えたことを特徴
    とする残響制御設備。
  5. 【請求項5】 外部から到来してきた所定の周波数の音
    波とスロートを通じて共鳴しながら該所定の周波数の音
    波を吸音材により吸音する吸音室を有し、該吸音室が拡
    縮可能に画成され該所定の周波数が設定変更可能な残響
    制御装置を、ホール床面に階段状に設けられた段部の蹴
    上げ部に設置したことを特徴とする残響制御設備。
  6. 【請求項6】 外部から到来してきた所定の周波数の音
    波とスロートを通じて共鳴しながら該所定の周波数の音
    波を吸音材により吸音する吸音室を有し、該吸音室が拡
    縮可能に画成され該所定の周波数が設定変更可能な残響
    制御装置を、ホール壁部に設置したことを特徴とする残
    響制御設備。
JP29572797A 1997-10-28 1997-10-28 残響制御装置及び残響制御設備 Expired - Fee Related JP3899618B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29572797A JP3899618B2 (ja) 1997-10-28 1997-10-28 残響制御装置及び残響制御設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29572797A JP3899618B2 (ja) 1997-10-28 1997-10-28 残響制御装置及び残響制御設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11133978A true JPH11133978A (ja) 1999-05-21
JP3899618B2 JP3899618B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=17824396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29572797A Expired - Fee Related JP3899618B2 (ja) 1997-10-28 1997-10-28 残響制御装置及び残響制御設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3899618B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2565033A (en) * 2017-05-23 2019-02-06 Kp Acoustics Ltd Acoustic resonators
CN110284639A (zh) * 2019-06-24 2019-09-27 四川泰兴装饰工程有限责任公司 一种组合可调式隔音幕墙

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2565033A (en) * 2017-05-23 2019-02-06 Kp Acoustics Ltd Acoustic resonators
GB2565033B (en) * 2017-05-23 2021-12-01 Kp Enview Ltd Acoustic resonators
CN110284639A (zh) * 2019-06-24 2019-09-27 四川泰兴装饰工程有限责任公司 一种组合可调式隔音幕墙

Also Published As

Publication number Publication date
JP3899618B2 (ja) 2007-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3162084B9 (en) A compact wideband bass and midrange horn-loaded speaker system
JP5943560B2 (ja) ヘルムホルツ減衰器およびヘルムホルツ減衰器の共鳴周波数の調整方法
JP4782193B2 (ja) 空間の残響時間を変更する方法、装置、及びシステム
JPH11133978A (ja) 残響制御装置及び残響制御設備
US6530451B2 (en) System of elements for the diffusion of sound in rooms deligated to the reproduction of music and speech
KR101829586B1 (ko) 잔향 시간 가변 장치
JP2008291978A (ja) サイレンサ
Drotleff et al. Attractive room acoustic design for multi-purpose halls
KR20190050925A (ko) 이동 설치형 방음실의 구조
KR100652785B1 (ko) 가변식 흡음패널
JP2003148123A (ja) 車両のための空気供給ユニット
JPH11223043A (ja) 制振装置
JPH03239296A (ja) 残響時間制御装置
US11674306B2 (en) Smart dynamic acoustic ceiling panel
CN110139190B (zh) 一种用于提高高声强混响室高频声压级的方法
KR20230094515A (ko) 각도 조절이 가능한 잔향 시간 가변 시스템
KR100663171B1 (ko) 흡음률 조정이 가능한 흡음패널시스템
JP5663845B2 (ja) 音響構造体
Leishman et al. A fundamental investigation of the active control of sound transmission through segmented partition elements
JP2008009420A (ja) 超低周波音低減装置及びこの超低周波音低減装置が装着された防音ハウス
Li et al. Noise control of mock-scale chambercore payload fairing using integrated acoustic resonators
JP3652665B2 (ja) 吸音体および吸音壁
JP2009231463A (ja) 電子機器の消音機構及び消音器
Adelman-Larsen Acoustics for amplified music and a new, variable acoustics technology
KR102194483B1 (ko) 잔향 시간 가변 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041007

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20041007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051107

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20051107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees