JPH11133974A - 楽音生成装置及び楽音生成方法 - Google Patents

楽音生成装置及び楽音生成方法

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JPH11133974A
JPH11133974A JP9316053A JP31605397A JPH11133974A JP H11133974 A JPH11133974 A JP H11133974A JP 9316053 A JP9316053 A JP 9316053A JP 31605397 A JP31605397 A JP 31605397A JP H11133974 A JPH11133974 A JP H11133974A
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response signal
tone
pitch
signal
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Takashi Suzuki
隆志 鈴木
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インパルス応答信号そのものの発生速度を音高
変化に対して一定または異なる変化特性として、固定フ
ォルマント型と移動フォルマント型との楽音を選択生成
した。 【解決手段】音高に応じて図19の周期係数f(繰り返
し周期T)が選択され、この周期係数fと異なる特性ま
たは変化しない一定特性の包絡係数r(発生速度S)
(図19)が選択されインパルス応答信号が発生され
る。指定音高に応じてインパルス応答信号ISj(t)
の周期係数f(繰り返し周期T)のほか包絡係数r(発
生速度S)も変化するとフォルマントが変化し(図2
2)、包絡係数rが変化しないとフォルマントは変化し
ない(図21)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楽音生成装置に関
し、特にインパルス応答信号を使って楽音信号を生成さ
せる装置などに関する。
【0002】
【従来技術】従来、楽音生成装置の分野では、インパル
ス応答波形信号に関する制御を行うような装置はほとん
どなかった。ただ、インパルス応答波形信号そのものを
サンプリング記憶し、これを繰り返して読み出し、この
繰り返し周期を指定音高に応じたものとするものはあっ
た。この場合、指定された音高が高ければ読み出しの繰
り返し周期は短くなり、指定された音高が低ければ読み
出しの繰り返し周期は長くなる。また、このインパルス
応答波形信号そのものの読み出し速度は一定であり、音
高が高くても低くてもインパルス応答波形信号そのもの
の読み出し速度は変化しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな装置では、単にインパルス応答波形信号を読み出し
て楽音に応用するだけであり、楽音の音色などの内容を
いろいろ変化させることはできなかった。通常楽音の音
色などを変化させるにはフィルタなどを使って楽音の周
波数成分(特性)を変化させる。
【0004】ところが、楽音の周波数特性(スペクトル
エンベロープ)は上記インパルス応答波形信号そのもの
の読み出し速度(発生速度)を変化させるだけで達成で
きる。インパルス応答波形信号の発生速度を変化させれ
ば、周波数特性が周波数軸上で伸びたり縮んだりして周
波数特性が変化し、この結果音色も変化する。この場
合、インパルス応答波形信号そのものの読み出し速度が
上記読み出しの繰り返し周期と連動していては、独自に
音色の決定を行うことはできず、音高に応じた音色の決
定となり、音高に従属した音色となってしまう。
【0005】本発明は上述した課題を解決するためにな
され、本発明の第1の目的は音高に従属しない独立の音
色の決定を行うことにあり、第2の目的はインパルス応
答波形信号を使って斬新な楽音信号を生成することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、発生すべき楽音信号の周波数特性に対
応した所定長のインパルス応答信号を繰り返し発生し、
この繰り返し発生されるインパルス応答信号の繰り返し
の周期を、音高決定因子に応じて変化させ、上記音高決
定因子とは異なる音色決定因子に応じて、上記発生され
るインパルス応答信号そのものの発生速度を、上記繰り
返し周期とは独立に変化させた。
【0007】これにより、インパルス応答信号から生成
される楽音信号の音色が音高とは独立に変化され、音色
は音高に従属せず、自由に音色を変化させることができ
る。また、インパルス応答信号の繰り返し発生によって
所望の楽音信号が発生され斬新な楽音を生成できる。
【0008】また本発明では、インパルス応答信号その
ものの発生速度を音高変化に対して一定として、固定フ
ォルマント型と移動フォルマント型との楽音を選択生成
した。すなわち音高決定因子に基づいて、上記インパル
ス応答信号の繰り返し周期を変化させるとともに、上記
インパルス応答信号そのものの発生速度を変化させるか
否かを選択した。これにより、周波数特性のフォルマン
トが周波数軸上で移動しない固定フォルマント型の楽音
とフォルマントが周波数軸上でシフトする移動フォルマ
ント型の楽音とを1つのインパルス応答信号から生成す
ることができる。
【0009】また本発明では、インパルス応答信号その
ものの発生速度を音高変化に対して異なる変化特性とし
て、フォルマントが音高変化に応じない変化を実現し
た。すなわち、音高決定因子に基づいて、上記インパル
ス応答信号の繰り返し周期を変化させるとともに、上記
インパルス応答信号そのものの発生速度を、当該繰り返
し周期の変化とは異なる特性で変化させた。これによ
り、フォルマントの移動変化を音高の変化に応じて変化
させることができ、しかもこのフォルマント移動変化を
生成楽音の音高の変化とは異なるように変化させること
ができ、音高変化と異なった音色変化を実現できる。
【0010】さらに本発明では、発生された音楽的因子
に応じて、繰り返し発生されるインパルス応答信号の波
形形状を切り換えた。これにより、インパルス応答信号
の波形形状そのものの変化を音高変化に連動させたり、
音色変化に連動させたりすることができる。
【0011】またさらに本発明では、インパルス応答信
号の繰り返し周期または読み出し速度が変化すれば、こ
のインパルス応答信号に基づいて出力される楽音信号の
パワー、エネルギーまたは音量も変化する。本発明で
は、インパルス応答信号の繰り返し周期または読み出し
速度に基づいて、発生されるインパルス応答信号の大き
さが変化する。これにより、出力される楽音信号のパワ
ー、エネルギーまたは音量が一定にされ、インパルス応
答信号の繰り返し周期または読み出し速度に応じて変化
してしまうことがない。
【0012】また本発明では、発生すべき楽音信号の周
波数特性に対応した所定長のインパルス応答信号を繰り
返し発生し、この繰り返し発生されるインパルス応答信
号のうちいくつかを正負反転させた。これにより上記楽
音信号の周波数特性が変化し、例えば、楽音の周波数特
性のうち特定次倍音だけ消去/減衰させて、残りの倍音
成分だけの楽音または残りの倍音成分が相対的に強い楽
音を生成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
1.本願発明の原理 図12及び図13は本願発明の原理を示す。図12では
インパルス応答信号ISj(t)の繰り返し周期がT1
またはT2のとき、このインパルス応答信号ISj
(t)の出力によって合成かつ生成される楽音の周波数
特性(スペクトルエンベロープ(包絡)、周波数スペク
トル成分特性、フォルマント特性)を示す。この繰り返
し周期Tは生成される楽音の音高を決定する。したがっ
て、この繰り返し周期Tは音高情報によって決定され、
周期係数fとして取り込まれる。
【0014】このインパルス応答信号ISj(t)の繰
り返し周期Tが短くなり、音高が高くなると、図12
(B1)(B2)に示すように周波数特性はあまり又は
全く変化せず、各周波数成分の密度が低くなり、フォル
マントの幅は変わらない。したがって、繰り返し周期T
が変化すると、音高は変化するが、音色(周波数成分、
フォルマント特性)そのものは変化しない。
【0015】このインパルス応答信号ISj(t)は図
1のインパルス信号発生部50の中のインパルス信号記
憶部51(図2)の中に各音楽的ファクタ毎に記憶され
ている。この記憶されているインパルス応答信号ISj
(t)は、図13(A1)または(A1)の2つのイン
パルス応答信号ISj(t)のうちの片方であり、同図
は繰り返し読み出しの状態を示す。
【0016】図13ではインパルス応答信号ISj
(t)の繰り返し周期が同じで、インパルス応答信号I
Sj(t)の読み出し速度が異なるとき、このインパル
ス応答信号ISj(t)の出力によって合成かつ生成さ
れる楽音の周波数特性(スペクトルエンベロープ(包
絡)、周波数スペクトル成分特性、フォルマント特性)
を示す。このインパルス応答信号ISj(t)自身の読
み出し速度は生成される楽音の音色(周波数成分、フォ
ルマント特性)を決定する。したがって、この読み出し
速度は音高に関係のない音楽的ファクタ情報、例えば音
色情報によって決定され、包絡係数rとして取り込まれ
る。
【0017】このインパルス応答信号ISj(t)の読
み出し速度が速くなり、インパルス応答信号ISj
(t)の時間長が短くなると、図13(B1)(B2)
に示すように各周波数成分の密度はあまり又は全く変化
せず、周波数特性(周波数スペクトル成分特性、フォル
マント特性)が変化し、フォルマントの幅が広がる。し
たがって、信号の読み出し速度が変化すると、音色(周
波数成分、フォルマント特性)は変化するが、音高その
ものは変化しない。
【0018】このインパルス応答信号ISj(t)は、
生成したい楽音信号の所定長さに対して、線形予測法、
ケプストラム法などの演算手法を施して生成され記憶さ
れる。例えば、ケプストラム法では、この所定長さの楽
音信号がフーリエ変換器で高速フーリエ変換され、周波
数パワースペクトルに変化される。
【0019】この変換されたパワースペクトルは、対数
変換器で対数変換され、さらに逆フーリエ変換器で高速
フーリエ逆変換され、時間域(ケフレンジ)のケプスト
ラムに変換される。このケプストラムは乗算器及び窓関
数発生器からの因果性の窓がかけられ複素ケプストラム
に変換される。この複素ケプストラムは再び上記フーリ
エ変換器で高速フーリエ変換され周波数域に戻され、ス
ペクトルエンベロープが求められる。
【0020】このスペクトルエンベロープの例は図12
(B1)(B2)及び図13(B1)(B2)に示され
る。このスペクトルエンベロープは指数変換器で指数変
換され、上記逆フーリエ変換器で高速フーリエ逆変換さ
れ時間域に戻される。これにより、最小位相のインパル
ス応答信号のサンプリングデータが生成され、これが上
記インパルス応答信号ISj(t)としてインパルス信
号記憶部51に記憶される。
【0021】インパルス応答信号ISj(t)の繰り返
し周期が変化すれば、このインパルス応答信号ISj
(t)に基づいて出力される楽音信号のパワー、エネル
ギーまたは音量も変化する。このインパルス応答信号I
Sj(t)の繰り返し周期に基づいて、発生されるイン
パルス応答信号ISj(t)の大きさが変化する。これ
により、出力される楽音信号のパワー、エネルギーまた
は音量が、一定にされ、インパルス応答信号ISj
(t)の繰り返し周期に応じて変化してしまうことがな
い。
【0022】2.全体回路 図1は楽音生成装置の全体回路を示す。演奏情報発生部
10からは演奏情報(楽音発生情報)が発生される。こ
の演奏情報(楽音発生情報)は、楽音を発生させるため
の情報である。この演奏情報発生部10は、マニュアル
操作によって演奏される発音指示装置、自動演奏装置、
種々のスイッチまたはインターフェイスである。
【0023】上記演奏情報(楽音発生情報)は、音楽的
ファクタ(因子)情報であり、音高(音域)情報(音高
決定因子)、発音時間情報、演奏分野情報、発音数情報
などである。発音時間情報は楽音の発音開始からの経過
時間を示す。演奏分野情報は、演奏パート情報、楽音パ
ート情報、楽器パート情報等を示し、例えばメロディ、
伴奏、コード、ベース、リズム等、または上鍵盤、下鍵
盤、足鍵盤等に対応している。
【0024】上記音高情報はキーナンバデータKNとし
て取り込まれる。このキーナンバデータKNはオクター
ブデータ(音域データ)と音名データとからなる。演奏
分野情報は、パートナンバデータPNとして取り込ま
れ、このパートナンバデータPNは各演奏エリアを識別
するデータであって、発音操作された楽音がどの演奏エ
リアからのものかによって設定される。
【0025】発音時間情報は、トーンタイムデータTM
として取り込まれ、キーオンイベントからのタイムカウ
ントデータに基づいたり、またはエンベロープフェーズ
で代用される。この発音時間情報は特願平6−2193
24号明細書及び図面に発音開始からの経過時間情報と
して詳しく示される。
【0026】発音数情報は同時に発音している楽音の数
を示し、例えばアサインメントメモリ42のオン/オフ
データが「1」の楽音の数に基づき、この数は特願平6
−242878号の図9及び図15、特願平6−247
6855号の図8及び図18、特願平6−276857
号の図9及び図20、特願平6−276858号の図9
及び図21のフローチャートに基づいて求められる。
【0027】発音指示装置は、キーボード楽器、弦楽
器、吹奏楽器、打楽器、コンピュータのキーボード等で
ある。自動演奏装置は、記憶された演奏情報を自動的に
再生するものである。インターフェイスは、MIDI
(ミュージカルインスツルメントデジタルインターフェ
イス)等、接続された装置からの演奏情報を受け取った
り、送り出したりする装置である。
【0028】さらに、この演奏情報発生部10には各種
スイッチが設けられ、この各種スイッチは音色タブレッ
ト、エフェクトスイッチ、リズムスイッチ、ペダル、ホ
イール、レバー、ダイヤル、ハンドル、タッチスイッチ
等であって楽器用のものである。この各種スイッチよ
り、楽音制御情報が発生され、この楽音制御情報は発生
された楽音を制御する情報であって音楽的ファクタ(因
子)情報であり、音色情報(音色決定因子)、タッチ情
報(発音指示操作の速さ/強さ)、発音数情報、エフェ
クト情報、リズム情報、音像(ステレオ)情報、クオン
タイズ情報、変調情報、テンポ情報、音量情報、エンベ
ロープ情報等である。
【0029】これら音楽的ファクタ情報も上記演奏情報
(楽音情報)に合体され、上記各種スイッチより入力さ
れるほか、上記自動演奏情報に合体されたり、上記イン
ターフェイスで送受される演奏情報に合体される。な
お、上記タッチスイッチは上記発音指示装置の1つ1つ
に対応して設けられており、タッチの速さと強さを示す
イニシャルタッチデータとアフタタッチデータとが発生
される。
【0030】上記音色情報は、鍵盤楽器(ピアノ等)、
管楽器(フルート等)、弦楽器(バイオリン等)、打楽
器(ドラム等)の楽器(発音媒体/発音手段)の種類等
に対応しており、トーンナンバデータとして取り込まれ
る。上記エンベロープ情報は、エンベロープレベル、エ
ンベロープスピード、エンベロープフェーズなどであ
る。
【0031】このような音楽的ファクタ情報は、コント
ローラ20へ送られ、後述の各種信号、データ、パラメ
ータの切り換えが行われ、楽音の内容が決定される。上
記演奏情報(楽音発生情報)及び楽音制御情報はコント
ローラ20で処理され、各種データがインパルス信号発
生部50へ送られ、インパルス応答信号ISj(t)が
発生される。コントローラ20はCPU、ROM及びR
AMなどからなっている。
【0032】プログラム/データ記憶部30(内部記憶
媒体/手段)はROMまたは書き込み可能なRAM、フ
ラッシュメモリまたはEEPROM等の記憶装置からな
り、光ディスクまたは磁気ディスク等の情報記憶部41
(外部記憶媒体/手段)に記憶されるコンピュータのプ
ログラムが書き写され記憶される(インストール/転送
される)。またプログラム/データ記憶部30には外部
の電子楽器またはコンピュータから上記MIDI装置ま
たは送受信装置を介して送信されるプログラムも記憶さ
れる(インストール/転送される)。このプログラムの
記憶媒体は通信媒体も含む。
【0033】このインストール(転送/複写)は、情報
記憶部41が本楽音生成装置にセットされたとき、また
は本楽音生成装置の電源が投入されたとき自動的に実行
され、または操作者による操作によってインストールさ
れる。上記プログラムは、コントローラ20が各種処理
を行うための後述するフローチャートに応じたプログラ
ムである。
【0034】なお、本装置に予め別のオペレーティング
システム、システムプログラム(OS)、その他のプロ
グラムが記憶され、上記プログラムはこれらのOS、そ
の他のプログラムとともに実行されてもよい。このプロ
グラムは本装置(コンピュータ本体)にインストールさ
れ実行されたときに、別のプログラムとともにまたは単
独で請求項(クレーム)に記載された処理・機能を実行
させることができればよい。
【0035】また、このプログラムの一部又は全部が本
装置以外の1つ以上の別装置に記憶されて実行され、本
装置と別装置との間には通信手段を介して、これから処
理するデータ/既に処理されたデータ/プログラムが送
受され、本装置及び別装置全体として、本発明が実行さ
れてもよい。
【0036】このプログラム/データ記憶部30には、
上述した音楽的ファクタ情報、上述した各種データ及び
その他の各種データも記憶される。この各種データには
時分割処理に必要なデータや時分割チャンネルへの割当
のためデータ等も含まれる。
【0037】インパルス信号発生部50では、所定長の
インパルス応答信号ISj(t)が繰り返し発生され音
響出力部60から発音出力される。この繰り返し発生さ
れるインパルス応答信号ISj(t)の繰り返しの周期
は、上記音高情報に応じて変化され、またこの音高情報
とは異なる上記音色情報または音高に関係ない音楽的フ
ァクタ情報に応じて、この発生されるインパルス応答信
号ISj(t)そのものの読み出し速度(発生速度)が
変化され、これら繰り返し周期と読み出し速度とは互い
に独立に変化される。
【0038】このインパルス応答信号ISj(t)は発
生すべき楽音信号のスペクトルエンベロープに対応して
いて所定の有限の長さLを持つ。このインパルス信号発
生部50は時分割処理によって複数の楽音信号が同時に
生成されポリフォニックに発音される。
【0039】タイミング発生部30からは、楽音生成装
置の全回路の同期を取るためのタイミングコントロール
信号が各回路に出力される。このタイミングコントロー
ル信号は、各周期のクロック信号のほか、これらのクロ
ック信号を論理積または論理和した信号、時分割処理の
チャンネル分割時間の周期を持つ信号、チャンネルナン
バデータjなどを含む。
【0040】3.アサインメントメモリ42 図2は、プログラム/データ記憶部40のアサインメン
トメモリ42を示す。アサインメントメモリ42には、
複数(16または32等)のチャンネルメモリエリアが
形成されており、上記インパルス信号発生部50に形成
された複数の楽音生成チャンネルに割り当てられた楽音
に関するデータが記憶される。
【0041】これら各チャンネルメモリエリアには、チ
ャンネルが割当られた楽音の周期係数f(またはキーナ
ンバデータKN)、包絡係数r(トーンナンバデータT
N)、波形先頭アドレスSa、波形末尾アドレスEa及
び周期末尾値Fmaxのほか、オン/オフデータ、タッ
チデータTC、トーンタイムデータTM、パートナンバ
データPN、パワーデータPW、エンベロープフェーズ
データEF、エンベロープスピードデータES、エンベ
ロープレベルデータEL等が記憶される。
【0042】オン/オフデータは割り当られ発音する楽
音がキーオン中または発音中(“1”)かキーオフ中ま
たは消音中(“0”)かを示す。周期係数f(キーナン
バデータKN)は割り当られ発音する楽音の音高を示
し、上記音高情報に応じて決定される。周期係数fの上
位データは音域またはオクターブを示す。この周波数ナ
ンバデータFNは上記コントローラ20によって対応す
るチャンネルタイミングに上記インパルス信号発生部5
0へ送られる。
【0043】包絡係数r(トーンナンバデータTN)
は、割り当てられ発音する楽音の音色を示し、上記音色
情報に応じて決定される。この包絡係数rは、上記コン
トローラ20によって対応するチャンネルタイミングに
上記インパルス信号発生部50へ送られる。タッチデー
タTCは、発音操作の速さまたは強さを示し、上記タッ
チ情報に応じて決定される。
【0044】パワーデータPWは、インパルス応答信号
ISj(t)の波形のエネルギーのパワーを示し、イン
パルス信号記憶部51に記憶された各インパルス応答信
号ISj(t)の繰り返し周期T、各インパルス応答信
号ISj(t)そのものの読み出し(発生)速度または
波形形状に基づいて決定される。
【0045】例えば、ある音高のあるインパルス応答信
号ISj(t)のパワーデータPWが「1」に基準とし
て設定されれば、1オクターブ上の音高の同じインパル
ス応答信号ISj(t)では「1/2」、2オクターブ
上の音高の同じインパルス応答信号ISj(t)では
「1/4」、・・・、1オクターブ下の音高の同じイン
パルス応答信号ISj(t)では「2」、2オクターブ
下の音高の同じインパルス応答信号ISj(t)では
「4」、・・・となる。
【0046】また、ある読み出し速度のインパルス応答
信号ISj(t)のパワーデータPWが「1」に基準と
して設定されれば、2倍の読み出し速度の同じインパル
ス応答信号ISj(t)では「2」、3倍の読み出し速
度の同じインパルス応答信号ISj(t)では「3」、
・・・、1/2倍の読み出し速度の同じインパルス応答
信号ISj(t)では「1/2」、1/3倍の読み出し
速度の同じインパルス応答信号ISj(t)では「1/
3」、・・・となる。
【0047】さらに、異なるインパルス応答信号ISj
(t)の間でも、パワーデータPWが設定される。イン
パルス応答信号ISj(t)が激しく変化する波形であ
り、波形のエネルギーパワーが大きければ、パワーデー
タPWは小さくされ、インパルス応答信号ISj(t)
がゆっくりと変化する波形であり、エネルギーパワーが
小さければ、パワーデータPWは大きくされる。
【0048】むろん、インパルス信号記憶部51に記憶
されている各インパルス応答信号ISj(t)の大きさ
(振幅)が同じエネルギーパワーとなるように調整され
ていれば、このような異なるインパルス応答信号ISj
(t)の間のパワーデータPWの設定は不要である。
【0049】このパワーデータPWは、異なるインパル
ス応答信号ISj(t)の間では、インパルス応答信号
ISj(t)の波形の積分値、または波形の各極大値及
び各極小値の絶対値の合計をもとに決定される。
【0050】また、このパワーデータPWは、上述した
ように、同じインパルス応答信号ISj(t)の間で
は、繰り返し周期Tつまり音高周波数に反比例して決定
され、さらに設定音色つまり読み出し速度に反比例して
決定される。しかし、楽音の発生(発音)回路のインパ
ルス特性、スピーカの電気エネルギーから音量エネルギ
ーへの変換特性によっては以下の通りとなる。A、B、
C、Dは定数である。Tは上記繰り返し周期である。音
高周波数であれば逆数にされてこの「T」のなかに代入
される。Sは読み出し速度である。
【0051】PW=A×(T/S)(n−INV)
(n=1、2、3、・・・) PW=B×(log−c)(T/S) PW=D×(n−RAD)(T/S) (n=1、2、
3、・・・) (n−INV)は前にある数値を「n乗」することを示
し、この場合(T/S)が「n乗」される。(log−
c)は底が「c」の対数式を示す。(n−RAD)は後
に続く数値の「n乗根」を求めることを示し、この場合
(T/S)の「n乗根」が算出される。
【0052】このようなパワーデータPWは、プログラ
ム/データ記憶部40内のテーブルによって、上記音高
情報(キーナンバデータKN)及び音色情報(トーンナ
ンバデータTN)から変換される。同じく上記周期係数
fも、プログラム/データ記憶部40内のテーブルによ
って、上記音高情報(キーナンバデータKN)から変換
され、上記包絡係数rも、プログラム/データ記憶部4
0内のテーブルによって、上記音色情報(トーンナンバ
データTN)から変換される。
【0053】エンベロープフェーズデータEFはエンベ
ロープのアタック、ディケィ、サスティンまたはリリー
スを示し、エンベロープスピードデータESはエンベロ
ープのデジタル演算1周期当たりの演算のステップ値を
示し、エンベロープレベルデータELは、各フェーズの
末尾でエンベロープ演算値が到達する目標値を示す。
【0054】これら各チャンネルメモリエリアの各デー
タは、発音開始タイミングに書き込まれ、各チャンネル
タイミングごとに書き換えられたり、読み出されたりし
て、上記インパルス信号発生部50へ送られる。このア
サインメントメモリ42は、プログラム/データ記憶部
40の中ではなくインパルス信号発生部50またはコン
トローラ20の中に設けてもよい。
【0055】上記時分割処理によって形成されるチャン
ネル、すなわち複数の楽音を並行して発生するための複
数の楽音発生システムへの各楽音の割り当て方法または
トランケート方法は、例えば特願平1−42298号、
特願平1−305818号、特願平1−312175
号、特願平2−2089178号、特願平2−4095
77号、特願平2−409578号に示された方法が使
われる。
【0056】4.インパルス信号発生部50 図3は上記インパルス信号発生部50を示す。インパル
ス信号記憶部51には、図4に示すように、種々のイン
パルス応答信号ISj(t)が記憶されている。これら
のインパルス応答信号ISj(t)の波形形状は異なっ
ており、楽音信号に合成出力されたときの音色も異なっ
ている。これらのインパルス応答信号ISj(t)は、
上記各音楽的ファクタ情報に対応しており、上記音色、
タッチ、音高(音域)または発音時間、演奏分野、エン
ベロープフェーズなどごとに多重に記憶されている。
【0057】例えば、インパルス応答信号ISj(t)
は各音色ごとに異なって記憶され、このうち1種類の音
色のインパルス応答信号ISj(t)は各タッチごとに
異なって記憶され、このうち1種類のタッチのインパル
ス応答信号ISj(t)は各発音時間ごとに異なって記
憶され、・・・音高ごとに異なって記憶され、・・・演
奏分野ごとに異なって記憶され、・・・エンベロープフ
ェーズ毎に異なって記憶される。
【0058】上記音楽的ファクタ情報はコントローラ2
0でこのような種々のインパルス応答信号ISj(t)
を指定する上位読み出しアドレスデータに変換され、こ
の上記読み出しアドレスデータはインパルス信号選択部
52にストアされてインパルス信号記憶部51に供給さ
れインパルス応答信号ISj(t)が選択される。ま
た、上記音楽的ファクタ情報が各楽音ごとまたは発音中
に変化すれば、この上位読み出しアドレスデータは切り
換えられ、読み出されるインパルス応答信号ISj
(t)も切り換えられる。
【0059】この音楽的ファクタ情報が音高に関連する
ものであれば、インパルス応答信号の波形形状そのもの
の変化を音高変化に連動させたり、合成出力される楽音
信号の音色も音高変化に連動させることができる。ま
た、この音楽的ファクタ情報が音高以外の情報に関連す
るものであれば、インパルス応答信号の波形形状そのも
のの変化を音色、タッチ、発音時間、演奏分野の変化に
連動させたり、合成出力される楽音信号の音色も音色、
タッチ、発音時間、演奏分野の変化に連動させることが
できる。
【0060】このインパルス信号選択部52は上記時分
割チャンネル数に対応したメモリエリアを有し、各チャ
ンネルに割り当てられた楽音の音楽的ファクタに応じた
上位読み出しアドレスデータがそれぞれのメモリエリア
にストアされ、上記タイミング発生部からのチャンネル
ナンバデータjによって読み出されインパルス信号記憶
部51に供給される。
【0061】上記インパルス信号記憶部51の各インパ
ルス応答信号ISj(t)はインパルス信号読み出し部
53からの下位読み出しアドレスデータR1、R2によ
って読み出される。この下位読み出しアドレスデータR
1、R2は上記音高情報以外の上記音楽的ファクタ情報
に応じた速度でインクリメントされる。したがって、イ
ンパルス応答信号ISj(t)の読み出し速度は音高情
報によっては決定されない。また、このインパルス応答
信号ISj(t)は繰り返した読み出され、この繰り返
しの周期は、上記音高情報に応じて変化され、これら繰
り返し周期と読み出し速度とは互いに独立に決定され
る。
【0062】上記インパルス信号記憶部51から読み出
された各インパルス応答信号ISj(t)はインパルス
累算部54で各チャンネルごとに個別に累算かつ合成さ
れ、乗算器55でエンベロープジェネレータ56からの
エンベロープ信号が各チャンネルごとに乗算かつ合成さ
れ、楽音累算部57で全チャンネルの楽音信号について
累算かつ合成され、上記音響出力部60から発音出力さ
れる。
【0063】エンベロープジェネレータ56には上記音
楽的ファクタ情報(エンベロープ情報)つまりエンベロ
ープスピードデータES、エンベロープレベルデータE
L、エンベロープフェーズデータEFがコントローラ2
0によって送られて各チャンネルごとに記憶され、この
音楽的ファクタ情報(エンベロープ情報)に基づいて、
各チャンネルのエンベロープの各フェーズのスピード及
びレベルが設定され、各エンベロープの形状が決定され
る。このエンベロープ信号は各チャンネルごとに時分割
に発生され上記乗算器55へ送られる。
【0064】上記各チャンネルのパワーデータPWは、
コントローラ20によって、波形パワー制御RAM58
の対応するチャンネルエリアにストアされる。この各パ
ワーデータPWは乗算器55に送られ、インパルス累算
部54からの楽音信号(インパルス応答信号ISj
(t))、またはエンベロープジェネレータ56からの
エンベロープデータに乗算される。この波形パワー制御
RAM58は上記時分割チャンネルに応じたメモリエリ
アを有し、各パワーデータPWが時分割に切り換えられ
て読み出される。この切り換えはタイミング発生部30
からのチャンネルカウントデータに基づく。
【0065】これにより、インパルス応答信号ISj
(t)の繰り返し周期Tが音高に応じて変化し、波形の
パワーつまり音量が音高に応じて変化しても、これを調
整して解消することができる。また、インパルス応答信
号ISj(t)の波形形状が異なっているため、波形の
パワーつまり音量が音高に応じて変化しても、これを調
整して解消することができる。
【0066】図5は、このインパルス応答信号ISj
(t)の音高つまり繰り返し周期Tと波形パワーとの関
係を示す。図5(1)のような短い周期でインパルス応
答信号ISj(t)を読み出すと、単位時間当たりの波
形エネルギーは大きくなり、音量も大きくなる。これに
対して、図5(1)のような長い周期でインパルス応答
信号ISj(t)を読み出すと、単位時間当たりの波形
エネルギーは小さくなり、音量も小さくなる。
【0067】同様に、図示しないが、インパルス応答信
号ISj(t)をゆっくりと読み出すと、単位時間当た
りの波形エネルギーは大きくなり、音量も大きくなる。
これに対して、インパルス応答信号ISj(t)を速く
読み出すと、単位時間当たりの波形エネルギーは小さく
なり、音量も小さくなる。
【0068】これに対して、上記パワーデータPWを乗
算することによって、出力されるインパルス応答信号I
Sj(t)(楽音信号)のレベルを制御し、繰り返し周
期Tつまり音高の変化または読み出し速度つまり音色の
変化による余分な音量(パワー)変化を押さえることが
できる。
【0069】なお、このパワーデータPWは、上述のア
サインメントメモリ42に記憶されているエンベロープ
レベルデータELに乗算されて、上記エンベロープジェ
ネレータ56へ送られてもよい。また、上記アサインメ
ント41に記憶されているタッチデータTCがこのパワ
ーデータPWに乗算されて、上記波形パワー制御RAM
58にストアされてもよい。さらに、このパワーデータ
PWは、上記周期係数fの逆数と上記包絡係数rとを演
算したものであってもよい。
【0070】5.インパルス信号読み出し部53 図6は上記インパルス信号発生部50の中のインパルス
信号読み出し部53を示す。上記コントローラ(CP
U)20からの周期係数f、包絡係数r、波形先頭アド
レスSa及び波形末尾アドレスEaは各時分割チャンネ
ルごとにパラメータRAM501にストアされる。場合
によって周期末尾値Fmaxも各時分割チャンネルごと
にパラメータRAM501にストアされる。このパラメ
ータRAM501には時分割チャンネル数に応じたメモ
リエリアが形成され、各チャンネルに割り当てられた楽
音に応じた上記係数f、r、アドレスSa、Eaが対応
するメモリエリアにストアされる。なお、上記アサイン
メント42から各データf、r、Sa、Eaが常時時分
割に送られてくる場合には、パラメータRAM501の
メモリエリアは1つでもよい。
【0071】上記周期係数f及び周期末尾値Fmax
は、上記インパルス応答信号ISj(t)の繰り返し周
期Tの長さを決定し、生成される楽音の音高を決定し、
周期係数fが順次繰り返し累算され、周期末尾値Fma
xに達するごとに、インパルス応答信号ISj(t)が
繰り返し読み出される。この周期係数fの累算値は周期
カウント値Fとなる。この周期係数f及び周期末尾値F
maxは、上記音高情報(キーナンバデータ)によって
決定され、キーナンバデータから変換される。この繰り
返し周期Tの長さが発生される楽音信号の音高を決定す
る。
【0072】この周期係数f及び周期末尾値Fmaxの
いずれかは固定されてもよい。この図3の実施例では周
期末尾値Fmaxは周期カウント値Fが取り得る最大値
(「1111…11」又は「111…1100…0」)
に設定され、この周期末尾値Fmaxはストアされな
い。
【0073】上記包絡係数rは、上記インパルス応答信
号ISj(t)の読み出し(発生)速度を決定し、この
インパルス応答信号ISj(t)の周波数特性(フォル
マント形状)を決定し、生成される楽音の音色を決定
し、上記波形先頭アドレスSaから波形末尾アドレスE
aまで包絡係数rが繰り返し累算され、上記インパルス
信号記憶部51に下位読み出しアドレスデータR1、R
2として供給される。この下位読み出しアドレスデータ
R1、R2が波形末尾アドレスEaまで達すると、上記
周期カウント値Fが次に上記周期末尾値Fmax達する
まで、インパルス応答信号ISj(t)の読み出しが待
機される。
【0074】この包絡係数rは、上記音高に関係ない音
楽的ファクタ情報によって決定され、例えば上記音色情
報(トーンナンバデータ)、タッチ情報(タッチデー
タ)、発音時間情報(トーンタイムデータ)、演奏分野
情報(パートナンバデータ)などから変換される。
【0075】上記パラメータRAM501からの上記包
絡係数rまたは周期計数fはBレジスタを経て、FLX
503を経てまたは経ないで、セレクタ504を介し
て、加算器505でそれまでの下位読み出しアドレスデ
ータR1、R2または周期カウント値Fに累算され、累
算レジスタ506を経て、セレクタ507を介して演算
RAM508にストアされる。この演算RAM508に
は時分割チャンネル数に応じたメモリエリアが形成さ
れ、各チャンネルに割り当てられた楽音に応じた上記デ
ータR1、R2、Fが対応するメモリエリアにストアさ
れる。上記FLX503は浮動小数点によるデータを固
定小数点によるデータに変換する。
【0076】このデータR1、R2、Fは演算RAM5
08からAレジスタ509を経て、セレクタ510を介
して上記加算器505に送られる。また、このデータR
1、R2はR1レジスタ511、R2レジスタ512を
経てセレクタ518で交互に選択されて上記インパルス
信号記憶部51に送られる。上記累算レジスタ506か
らの周期カウント値Fのうち下位の小数データFr又は
データ「0」は、上記セレクタ510を介して上記加算
器505に供給される。上記セレクタ518はクロック
信号φR1によって切り換えられる。このクロック信号
φR1の1周期は図9に示すように1チャンネル分の分
割時間に等しい。
【0077】この下位読み出しアドレスデータR1の初
期値は「0」、下位読み出しアドレスデータR2の初期
値は波形末尾アドレスEa、周期カウント値Fの初期値
は「0」であり、これらの初期値はコントローラ20に
よって上記セレクタ507を介して上記演算RAM50
8にストアされる。
【0078】上記パラメータRAM501からの上記波
形末尾アドレス値Ea(周期末尾値Fmax)はEaレ
ジスタ及びアンドゲート群514を介してコンパレータ
516に供給される。このコンパレータ516には上記
加算器505からの下位読み出しアドレスデータR1、
R2または周期カウント値Fも供給され、下位読み出し
アドレスデータR1、R2が波形末尾アドレス値Eaに
達したとき、または周期カウント値Fが最大値「111
…11」又は最大近似値「111…1100…0」(周
期末尾値Fmax)に達したとき、検出信号がフリップ
フロップ517にセットされ、コントローラ(CPU)
20へ送られる。
【0079】上記加算器505からのキャリーアウト信
号Coutは上記コンパレータ516の上位ビット群と
して供給され、また上記アンドゲート群514のゲート
信号はインバータ515で反転され、上記コンパレータ
516の上位ビット群として供給され、ビット数が整合
される。
【0080】上記波形先頭アドレスSa及び波形末尾ア
ドレスEaも、上記音楽的ファクタ情報によって決定さ
れ、例えば上記音高情報(キーナンバデータ)、音色情
報(トーンナンバデータ)、タッチ情報(タッチデー
タ)、発音時間情報(トーンタイムデータ)、演奏分野
情報(パートナンバデータ)などから変換され、パラメ
ータRAM501の対応チャンネルメモリエリアにスト
アされる。この波形先頭アドレスSa及び波形末尾アド
レスEaは、上記種々のインパルス応答信号ISj
(t)の1つを選択する。この場合、上記インパルス信
号選択部52は省略可能である。
【0081】6.処理全体 図7はコントローラ(CPU)20によって実行される
処理全体のフローチャートを示す。この処理全体は本楽
音生成装置の電源オンによって開始され、電源オフまで
繰り返し実行される。
【0082】まず、プログラム/データ記憶部40の初
期化など種々のイニシャライズ処理が行われ(ステップ
01)、上記演奏情報発生部10の発音指示装置または
自動演奏装置での手動演奏または自動演奏に基づく発音
処理が行われる(ステップ02)。
【0083】この発音処理では、サーチされた空きチャ
ンネルにキーオンイベントに係る楽音が割り当てられ
る。この楽音の内容は、上記演奏情報発生部10からの
上記演奏情報(楽音発生情報)、楽音制御情報の音楽的
ファクタ情報及びこのときプログラム/データ記憶部4
0に既に記憶されている音楽的ファクタ情報によって決
定される。
【0084】次いで、上記演奏情報発生部10の発音指
示装置または自動演奏装置での手動演奏または自動演奏
に基づく消音(減衰)処理が行われる(ステップ0
3)。この消音(減衰)処理では、キーオフイベントに
係る楽音が割り当てられているチャンネルがサーチされ
当該楽音が減衰され消音される。この場合、キーオフイ
ベントに係る楽音のエンベロープフェーズがリリースと
なり、エンベロープレベルが次第に「0」になる。
【0085】さらに、上記演奏情報発生部10の各種ス
イッチの操作があれば、このスイッチに対応する音楽的
ファクタ情報が取り込まれ、プログラム/データ記憶部
40に記憶され、音楽的ファクタ情報が変更される(ス
テップ04)。この後、その他の処理が実行され(ステ
ップ05)、上記ステップ02からこのステップ05ま
での処理が繰り返される。
【0086】7.インパルス応答信号ISj(t)発生
処理 図8はコントローラ(CPU)20によって実行される
上記ステップ02の発音処理のフローチャートを示し、
この処理ではインパルス応答信号ISj(t)が発生さ
れる。この図5のフローチャートは全時分割チャンネル
について行われる。
【0087】まず、上記演奏情報発生部10の発音指示
装置または自動演奏装置からコントローラ20に手動演
奏または自動演奏に基づくキーオンイベント(発音イベ
ント)が送られれば(ステップ11)、空きチャンネル
がサーチされ、サーチされた空きチャンネルのアサイン
メントメモリ42のエリアに「1」のオン/オフデー
タ、音高に応じた周期係数f、音色に応じた包絡係数
r、タッチデータTC、パートナンバデータPN、
「0」のトーンタイムデータTM、音高に応じたパワー
データPW、エンベロープスピードES、エンベロープ
レベルEL、「1」のエンベロープフェーズEF、その
他の後述するフラグ及びデータSa、Ea、Fmax、
n、ΔLad、WSが書き込まれる。この周期係数fと
包絡係数rとは次述する。
【0088】さらに、「0」の上記下位読み出しアドレ
スデータR1、波形末尾アドレスEaに設定された下位
読み出しアドレスデータR2、「0」の周期カウント値
Fが上記演算RAM508の対応チャンネルメモリエリ
アにストアされ、重ね合わせチャンネルカウンタ(プロ
グラム/データ記憶部40)の対応チャンネルエリアが
「0」にリセットされる(ステップ12)。
【0089】次に、周期係数f及び周期末尾値Fmax
はキーナンバデータ(音高情報)KNから変換され、パ
ラメータRAM501の対応チャンネルメモリエリアに
ストアされ、包絡係数rは、トーンナンバデータ(音色
情報)TN、タッチデータ(タッチ情報)TC、トーン
タイムデータ(発音時間情報)TMまたはパートナンバ
データ(演奏分野情報)PNから変換され、パラメータ
RAM501の対応チャンネルメモリエリアにストアさ
れ(ステップ13)、その他の処理が実行される(ステ
ップ14)。
【0090】また、波形先頭アドレスSa及び波形末尾
アドレスEaは、キーナンバデータ(音高情報)、トー
ンナンバ(音色情報)、タッチデータ(タッチ情報)、
トーンタイムデータ(発音時間情報)またはパートナン
バデータ(演奏分野情報)から変換され、パラメータR
AM501の対応チャンネルメモリエリアにストアされ
る(ステップ13)。この波形先頭アドレスSa及び波
形末尾アドレスEaは、上記種々のインパルス応答信号
ISj(t)の1つを選択する。この場合、上記インパ
ルス信号選択部52は省略可能である。
【0091】さらに、キーオン開始(発音開始)または
キーオン中(発音中)の楽音があれば(ステップ1
5)、上記周期カウント値Fに周期係数fが加算(累
算)され(ステップ16)、この加算値(累算値)が周
期末尾値Fmax(「1111…11」又は「111…
1100…0」)以上であれば(ステップ17)、周期
カウント値Fから周期末尾値Fmaxが減算され、周期
カウント値Fの端数が補正される(ステップ18)。
【0092】重ね合わせチャンネルを切り換えて(ステ
ップ18、21、22)、切り換えられた当該チャンネ
ルの波形先頭アドレスSaに周期カウント値Fのうち下
位の小数データFrが加算され(ステップ23)、下位
読み出しアドレスデータR1またはR2の初期値が補正
される。
【0093】この重ね合わせチャンネルでは、2つのイ
ンパルス応答信号ISj(t)が時分割に交互に読み出
され、1つの楽音として出力され、上述したように複数
の楽音がさらなる時分割チャンネルを通じてポリフォニ
ックに出力される。この重ね合わせチャンネルの値(c
h=0、1)によって、2つのインパルス応答信号IS
j(t)の読み出しが区別される。
【0094】1つのインパルス応答信号ISj(t)の
読み出しの時間的長さLが、このインパルス応答信号I
Sj(t)の繰り返し周期の時間的長さTより長いと、
先のインパルス応答信号ISj(t)と次のインパルス
応答信号ISj(t)とが重なってしまう。したがっ
て、上記の2つのインパルス応答信号ISj(t)がチ
ャンネル分割によって個別に読み出されれば、この2つ
のインパルス応答信号ISj(t)が並行して読み出さ
れ重ね合わされる。むろん、このチャンネル数は2を越
えてもよい。
【0095】次いで、下位読み出しアドレスデータR1
に包絡係数rが波形末尾アドレスEaになるまで加算さ
れ(ステップ24、25、26)、下位読み出しアドレ
スデータR2に包絡係数rが波形末尾アドレスEaにな
るまで加算される(ステップ27、28、29)。この
2つの下位読み出しアドレスデータR1及びR2によ
り、上述したように2つのインパルス応答信号ISj
(t)がインパルス応答信号ISj(t)信号記憶部5
1から並行して読み出されインパルス累算部54で重ね
合わされる。以上のステップ15からステップ29まで
の処理が全時分割チャンネルにわたって繰り返され(ス
テップ30)、その他の処理が実行される(ステップ3
1)。
【0096】8.インパルス信号読み出し部53のタイ
ムチャート 図9は、上記インパルス信号読み出し部53の各部の動
作のタイムチャートを示す。上述したように、パラメー
タRAM501及び演算RAM508への書き込み/読
み出し、各セレクタ504、507、510の切り換
え、各レジスタ502、5096、509、511、5
12、513へのストア、フリップフロップ517への
スト、アンドゲート群514の開成/閉成が切り換え制
御される。これらの切り換え制御信号は、上述したタイ
ミング発生部からの種々のタイミング制御信号が使われ
る。
【0097】上記周期末尾値FmaxがパラメータRA
M501にストアされるときは、当該周期末尾値Fma
xの書き込み/読み出しも行われる。このタイムチャー
トの波形のうちハイレベル/ローレベルが点線で示され
るものは、書き込みデータがあるとき/ないとき、コン
パレータ516が検出/非検出によって、ハイレベルに
なったりローレベルになったりする。
【0098】9.読み出し状態 図10はインパルス応答信号ISj(t)のインパルス
信号記憶部51からの読み出し状態を示す。発音開始
(キーオン)によって、1番目のインパルス応答信号I
Sj(t)は下位読み出しアドレスデータR1によって
読み出し開始される(ステップ24)。この下位読み出
しアドレスデータR1は包絡係数rの速度でインクリメ
ント開始される。
【0099】同時に、周期カウント値Fが周期係数fの
速度でインクリメント開始される(ステップ15、1
6)。周期カウント値Fが周期末尾値Fmaxに達する
と(ステップ17)、上記1番目のインパルス応答信号
ISj(t)がまだ読み出しの途中であっても、2番目
のインパルス応答信号ISj(t)が下位読み出しアド
レスデータR2によって読み出し開始される(ステップ
27)。この下位読み出しアドレスデータR2も包絡係
数rの速度でインクリメント開始される。
【0100】そして、発音開始から2番目の周期Tが経
過すると(ステップ17)、上記2番目のインパルス応
答信号ISj(t)がまだ読み出しの途中であっても、
3番目のインパルス応答信号ISj(t)が下位読み出
しアドレスデータR1によって読み出し開始される(ス
テップ24)。
【0101】さらに、発音開始から3番目の周期Tが経
過すると(ステップ17)、上記3番目のインパルス応
答信号ISj(t)がまだ読み出しの途中であっても、
4番目のインパルス応答信号ISj(t)が下位読み出
しアドレスデータR2によって読み出し開始される(ス
テップ27)。
【0102】このように、2つの下位読み出しアドレス
データR1及びR2によって、2つの同じインパルス応
答信号ISj(t)が交互に読み出される。したがっ
て、インパルス応答信号ISj(t)そのものの長さL
が繰り返し発生の周期Tより長くても、各周期Tの終わ
りで先のインパルス応答信号ISj(t)の発生を継続
させるとともに、次のインパルス応答信号ISj(t)
を重ねて発生させることができる。これらのインパルス
応答信号ISj(t)は1つの楽音信号として合成かつ
出力される。
【0103】なお、1つの楽音信号として時分割に読み
出されるインパルス応答信号ISj(t)の数は「2」
を越えていてもよい。これに応じて、下位読み出しアド
レスデータの数もR1、R2、R3、R4、・・・と増
加し、ステップ24〜26、27〜29の数も増える。
【0104】また、1つの楽音信号として時分割に読み
出されるインパルス応答信号ISj(t)の数は「1」
でもよい。この場合、インパルス応答信号ISj(t)
そのものの長さLが繰り返し周期Tより短くなる。した
がって、インパルス応答信号ISj(t)そのものの長
さLが繰り返し周期Tより短いか否かが判断される。短
ければ、ステップ27〜29の処理は省略され、インパ
ルス応答信号ISj(t)の時分割読み出しシステムは
1つになる。インパルス応答信号ISj(t)そのもの
の長さLは、波形末尾アドレスEaと波形先頭アドレス
Saとの差を包絡係数rで除算して求められる。同じく
繰り返し周期Tは、周期末尾値Fmaxを周期計数fで
除算して求められる。
【0105】10.トーンタイムデータTMの処理 図11はコントローラ20によって一定周期ごとに実行
されるインタラプト処理のフローチャートを示す。この
処理で上記トーンタイムデータTMのインクリメントが
行われる。
【0106】この処理では、上記アサインメントメモリ
42の各チャンネルエリアにつき(ステップ41、4
4、45)、オン/オフデータが「1」で楽音が発音中
のものについて(ステップ42)、そのトーンタイムデ
ータTMが「+1」され(ステップ43)、その他の周
期的な処理が行われる(ステップ46)。こうして、各
チャンネルの楽音の発音経過時間がカウントされ記憶さ
れ、上述したように利用される。
【0107】11.交互反転回路66 図14はインパルス信号発生部50の第2実施例を示
す。この実施例では、上記インパルス信号記憶部51と
上記インパルス累算部54との間に図14に示すような
交互反転回路66が挿入される。本実施例では1つの楽
音につき2つのチャンネルが割り当てられる。一方の第
1チャンネルの周期係数fは、指定された音高に応じて
おり、他方の第2チャンネルの周期係数は指定された音
高に応じたものではなく、指定された音高の周期係数f
のn倍(2倍)の周期係数nf(2f)に設定される。
パワーデータPWは設定値からさらに(n−1)/n、
(1/2)の値とされるかまたはエンベロープレベルデ
ータELが設定値からさらに(n−1)/n、(1/
2)の値とされる。他は上記実施例と同じである。
【0108】第1チャンネルで読み出される第1インパ
ルス応答信号ISj(t)が図16(A1)のようであ
り、この第1周波数特性(周波数スペクトル成分、フォ
ルマント特性)が図16(B1)であれば、第2チャン
ネルで読み出されるn倍(2倍)の周波数の第2インパ
ルス応答信号ISj(t)は図16(A2)のようにな
り、この第2周波数特性(周波数スペクトル成分、フォ
ルマント特性)は、図16(B2)のようになる。ここ
では「n=2」である。この図16(B2)のn=2倍
の周波数の第2周波数特性の各周波数成分の間隔は、図
16(B1)の第1周波数特性の各周波数成分の間隔の
n=2倍となり、ちょうど第2周波数特性(図16(B
2))は第1周波数特性(図16(B1))の偶数次倍
音のみに該当する。
【0109】ここで、第1インパルス応答信号ISj
(t)(A1)の波形から第2インパルス応答信号IS
j(t)(図16A2)の1/n(1/2)を差し引し
て差分合成を行えば、偶数次倍音のみが差し引かれ、合
成インパルス応答信号ISj(t)(図16A3)が生
成され、その合成周波数特性(図16B3)は奇数次倍
音のみとなる。この図16(A3)の波形はインパルス
応答信号ISj(t)がn(2)個のうち(n−1)
(1)個が(1つおきに、交互に)正負反転されて出力
され、指定された音高に応じた楽音となっている。
【0110】また、n=3、4、5、6、7、・・・と
することも可能であり、これにより図16(A4)に示
すように、n個のうち(n−1)個が正負反転されて出
力され、反転されていないインパルス応答信号ISj
(t)のレベルが(n−1)/nとされ、反転されたイ
ンパルス応答信号ISj(t)のレベルが1/nとされ
る。
【0111】この楽音信号の周波数特性はn番目、2n
番目、3n番目、4n番目、5n番目、6n番目、7n
番目、・・・の周波数成分だけが消去/減衰され、特定
の倍音成分だけがない楽音を生成することができる。例
えばn=2であれば、2倍音、4倍音、6倍音、8倍
音、・・・だけを消去/減衰させることができ、この楽
音は閉管楽器の音に適する。さらに例えばn=3であれ
ば、3倍音、6倍音、9倍音、12倍音、・・・だけを
消去/減衰させることができる。また例えばn=7であ
れば、7倍音、14倍音、21倍音、28倍音、・・・
だけを消去/減衰させることができ、この楽音はピアノ
の音に適する。
【0112】上記インパルス信号記憶部51から続けて
読み出された2つのインパルス応答信号ISj(t)
は、一方はセレクタ63、セレクタ59及びオアゲート
群61を介してそのままインパルス累算部54、乗算器
55及び楽音累算部57へ送られ、他方はセレクタ6
3、セレクタ59を介してインバータ群65で正負反転
され乗算器62で1/(n−1)倍、(1/2倍)とさ
れてインパルス累算部54、乗算器55及び楽音累算部
57へ送られ累算(加算)合成(差分合成)される。
【0113】上記セレクタ59は上記チャンネルカウン
トデータCHNoの下位ビットによって切り換えられ、
上記第1チャンネルの第1インパルス応答信号ISj
(t)はそのまま出力され、上記第2チャンネルの第2
インパルス応答信号ISj(t)は正負反転され1/
(n−1)倍、(1/2倍)とされて出力され、図16
(B3)のような楽音信号が発生出力される。この楽音
信号の周波数特性(周波数スペクトル成分、フォルマン
ト特性)はnの整数倍音のみが消去/減衰された倍音か
らなり、n=2であれば奇数次倍音からのみなる。チャ
ンネルカウントデータCHNoは上記タイミング発生部
30から送られる。
【0114】上記1/(n−1)、(1/2)のデータ
はコントローラ20によって演算され、レジスタ82に
ストアされ上記乗算器62に供給される。この1/(n
−1)の値を決定する間引次数データnはアサインメン
トメモリ42に各チャンネルごとに記憶され、周波数特
性の中の間引く倍音次数が選択切り換えされる。この間
引次数データn上記音色情報(トーンナンバデータT
N)の一部を構成し、演奏情報発生部10からの音色情
報によって決定される。
【0115】上記セレクタ63には、間引フラグがセレ
クト信号として送られ、上記奇数次倍音制御を行わない
通常のインパルス応答信号ISj(t)がこのセレクタ
63を介してオアゲート群61へ送られ、図10に示す
ように累算(加算)合成される。この間引フラグはアサ
インメントメモリ42に各チャンネルごとに記憶され、
特定倍音の消去/減衰されたまたは奇数次倍音の楽音を
生成するか、この消去/減衰のないまたは偶数次倍音も
含む楽音が生成されるかが選択切り換えされる。この間
引フラグは上記音色情報(トーンナンバデータTN)の
一部を構成し、演奏情報発生部10からの音色情報によ
って決定される。
【0116】このように、このような奇数次倍音の楽音
を生成するのに使われた上記インパルス応答信号ISj
(t)は、図10のように通常に読み出されれば、特定
倍音の消去/減衰のないまたは偶数次倍音も含む楽音が
生成される。したがって1つのインパルス応答信号IS
j(t)から特定倍音の消去/減衰のないまたは偶数次
倍音を含む楽音と特定倍音の消去/減衰されたまたは含
まない楽音とを選択生成できる。
【0117】12.交互反転回路66 図15はインパルス信号発生部50の第3実施例を示
す。この実施例では、上記インパルス信号記憶部51と
上記インパルス累算部54との間に図15に示すような
交互反転回路66が挿入される。本実施例では上記アサ
インメント42の割り当てチャンネルのメモリエリアに
ストアされる周期係数fは、指定された音高に応じたも
のではなく、指定された音高の周期係数fのn倍(2
倍)の周期係数nf(2f)に設定される。パワーデー
タPWは設定値からさらに(n−1)/n、(1/2)
の値とされるかまたはエンベロープレベルデータELが
設定値からさらに(n−1)/n、(1/2)の値とさ
れる。他は上記実施例と同じである。
【0118】周期係数がn倍(2倍)の「nf(2
f)」に設定されるから、単位時間あたりに読み出され
るインパルス応答信号ISj(t)はn倍(2倍)とな
る。図15(A3)に示されるようにこれがn(2)個
のうち(n−1)(1)個が(1つおきに、交互に)正
負反転されて出力され、指定された音高に応じた楽音と
なる。この場合、インパルス応答信号ISj(t)のレ
ベルは(n−1)/n、(1/2)にされなくてはなら
ないので、上述したようにパワーデータPWは設定値か
らさらに(n−1)/n、(1/2)の値とされるかま
たはエンベロープレベルデータELが設定値からさらに
(n−1)/n、(1/2)の値とされる。
【0119】上記インパルス信号記憶部51から上記2
つの下位読み出しアドレスデータR1及びR2により交
互に読み出されたインパルス応答信号ISj(t)は、
一方はセレクタ63、セレクタ59及びオアゲート群6
1を介してそのままインパルス累算部54へ送られ、他
方はセレクタ63、セレクタ59を介してインバータ群
65で正負反転されインパルス累算部54へ送られ累算
(加算)合成される。
【0120】セレクタ59はn進プログラマブルカウン
タ81からのn進データによって切り換えられ、上記下
位読み出しアドレスデータR1、R2によって読み出さ
れたインパルス応答信号ISj(t)のうちn個のうち
1個はそのまま出力され、他の(n−1)個のインパル
ス応答信号ISj(t)は正負反転されて出力され、図
16(A3)のような楽音信号が発生出力される。この
楽音信号の周波数特性(周波数スペクトル成分、フォル
マント特性)は、図16(B3)に示すようにnの整数
倍音のみが消去/減衰された倍音からなり、n=2であ
れば奇数次倍音からのみなる。上記セレクタ63及び間
引フラグは上述した第2実施例と同じである。
【0121】上記n進プログラマブルカウンタ81には
コントローラ20によって上記データ「n」がセットさ
れ、クロック信号2φR1によってインクリメントされ
る。このクロック信号2φR1は上記クロック信号φR
1の2倍の周波数のクロック信号である。このn進プロ
グラマブルカウンタ81は上記反転されないn個のうち
1個のインパルス応答信号ISj(t)と、反転される
(n−1)個のインパルス応答信号ISj(t)の各発
生を検出している。
【0122】このように生成されるnの整数倍音のみが
消去/減衰された奇数次倍音の楽音は、図17に示す吹
奏(管)楽器の楽音信号として最適である。この管は一
方が閉じられ他方が開いており、奇数次倍音が偶数次倍
音に比べてかなり共振し易くなっており、周波数特性の
各周波数成分はほとんどが基本波に対して奇数倍(1
倍、3倍、5倍、7倍・・・)である。
【0123】13.奇数次倍音構成のバリエーション 図16はnの整数倍音のみが消去/減衰された奇数次倍
音構成のバリエーションを示す。上記第1インパルス応
答信号ISj(t)(図16A1)のレベルが(n−
1)/n、(1/2)レベルの第2インパルス応答信号
ISj(t)(図16A2)のレベルに対して相対的に
大きくなると、図18(A1)に示すような差分合成波
形となり、周波数特性は図18(B1)に示すようにn
の整数倍音である偶数次倍音が若干含まれる特性とな
る。
【0124】また、上記第1インパルス応答信号ISj
(t)(図16A1)のレベルが1/n(1/2)レベ
ルの第2インパルス応答信号ISj(t)(図16A
2)のレベルに対して相対的に小さくなると、図18
(A2)に示すような差分合成波形となり、周波数特性
は図18(B1)に示すようにnの整数倍音である偶数
次倍音がマイナス値となる特性となる。このような自然
界にはあり得ない周波数成分の一部がマイナスとなる楽
音波形を得ることができる。
【0125】この場合、上記セレクタ59の2つの出力
端に乗算器またはシフタが設けられ、一方に対して他方
のレベルが相対的に大きくされたり小さくされたりす
る。これらの乗算器またはシフタによって、上述したイ
ンパルス応答信号ISj(t)のレベルを(n−1)/
n、(1/2)にしたり、また上記エンベロープレベル
データを(n−1)/n、(1/2)にすることを代わ
りにおこなうことができる。
【0126】14.包絡周期テーブル群43 図19はプログラム/データ記憶部40内の包絡周期テ
ーブル群43を示す。この包絡周期テーブル群43は音
高情報(キーナンバデータKN、周波数ナンバデータF
N)に基づいて対応する上記包絡係数r及び上記周期係
数fが読み出される。この包絡係数rは上述したように
インバータ信号記憶部51のインパルス応答信号ISj
(t)そのものの読み出し速度Sを決定し、周期係数f
は同じくインパルス応答信号ISj(t)の繰り返し周
期Tを決定する。
【0127】周期係数fは音高情報に対して正比例して
いる。この音高情報は各音高の周波数値に応じた値を示
す。この正比例は厳密な正比例でもよいし、「S字調
律」などによって正比例関係から微妙にずれていてもよ
い。
【0128】包絡係数rは音高情報に対して正比例した
りまたは正比例しておらず、周期係数fと同じまたは異
なる変化特性を持つ。特性r1は音高情報に対して変化
せず一定である。特性r2は音高情報に対して正比例し
ている。特性r3も音高情報に対して正比例している
が、周期係数fの変化より緩やかである。特性r4は音
高情報に対して反比例など逆変化特性を持つ。特性r5
は音高情報に対して階段状に変化し急激に変化する部分
と緩やかに変化する部分とを有する。特性r6は音高情
報に対して累乗的に変化する。特性r7は音高情報に対
して指数的に変化する。
【0129】これらの音高情報に対する周期係数fの特
性及び包絡係数rの各特性r1〜7はそれぞれ1つずつ
のテーブルを構成し、各テーブルは上記包絡周期テーブ
ル群43を構成する。なお一定値の特性r1のテーブル
は省略され、この場合音高情報が演算されて包絡係数r
が求められてもよい。
【0130】このようにしてこのテーブルから読み出さ
れた周期係数fは上記アサインメントメモリ42の対応
チャンネルメモリエリアに書き込まれる。また、同じく
読み出された包絡係数rは、上述のようにして音色情報
(トーンナンバデータTN)などから求められた別の包
絡係数rと平均値が求められまたは演算合成され、同じ
く上記アサインメントメモリ42の対応チャンネルメモ
リエリアに書き込まれる。
【0131】15.rf選択テーブル44 図20はプログラム/データ記憶部40内のrf選択テ
ーブル44を示す。このrf選択テーブル44によっ
て、上記音楽的ファクタ情報に応じた上記特性r1〜7
のテーブルの1つが選択される。この音楽的ファクタ情
報は、音高情報、音域(オクターブ)情報、音名情報、
音色情報(音色決定因子)、タッチ情報(発音指示操作
の速さ/強さ)、発音時間情報、発音数情報、エフェク
ト情報、リズム情報、音像(ステレオ)情報、クオンタ
イズ情報、変調情報、テンポ情報、音量情報、エンベロ
ープ情報等であり、上記演奏情報発生部10などから発
生され、対応するテーブルが選択される。
【0132】特に、音色情報(トーンナンバデータT
N)は2つのグループに分けられる。音声、音声に近い
楽器音または音声に近い打楽器音の音色情報では、上記
一定値の特性r1のテーブルが選択され、音高変化によ
ってフォルマントが移動しない固定フォルマントの楽音
信号が生成される。また、鍵盤楽器、弦楽器、吹奏
(管)楽器または打楽器音の音色情報では、上記特性r
1以外の変化する特性のテーブルが選択され、音高変化
によってフォルマントが移動する移動フォルマントの楽
音信号が生成される。
【0133】17.固定フォルマントと移動フォルマン
ト 図21は固定フォルマントの例を示し、図22は移動フ
ォルマントの例を示す。図21の固定フォルマントで
は、包絡係数rは一定でインパルス応答信号ISj
(t)そのものの読み出し速度Sは変化せず、周期係数
fは音高に応じて変化し、インパルス応答信号ISj
(t)の繰り返し周期Tが変化する。
【0134】そうすると、生成される楽音信号の周波数
特性(スペクトルエンベロープ)のフォルマント形状は
変化せず固定フォルマントとなり、各周波数成分の間隔
が変化し音高に応じたものとなる。このような制御は上
述の人の音声、動物の鳴き声、音声・鳴き声に近い楽器
音または音声・鳴き声に近い音高変化のない打楽器音な
どで実行される。
【0135】図22の移動フォルマントでは、包絡係数
rも変化してインパルス応答信号ISj(t)そのもの
の読み出し速度Sも変化し、周期係数fは音高に応じて
変化し、インパルス応答信号ISj(t)の繰り返し周
期Tが変化する。
【0136】そうすると、生成される楽音信号の周波数
特性(スペクトルエンベロープ)は周波数軸上をシフト
してそのフォルマント形状も変化し移動フォルマントと
なり、各周波数成分の間隔も変化し音高にも応じたもの
となる。このような制御は上述の鍵盤楽器、弦楽器、吹
奏(管)楽器または音高変化のある打楽器音などで実行
される。
【0137】本発明は上記実施例に限定されず、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例え
ば、周期末尾値Fmaxの設定は省略されて、周期カウ
ント値Fが取りうる最大値に固定され得る。この場合周
期係数fだけによって、楽音信号の音高が決定される。
【0138】上記1つのインパルス応答信号ISj
(t)の前半と後半は同じ形状であったが、互いに異な
る形状でもよい。また、インパルス応答信号ISj
(t)の前半のみが記憶され、この前半が折り返し逆に
読み出されて、後半の信号が生成されてもよい。上記イ
ンパルス応答信号ISj(t)は、外部からの音をサン
プリング記憶して、上記ケプストラム法、線形予測法等
によって変換したものでもよいし、使用者が人工的に作
成したものでもよい。
【0139】また、本発明は電子楽器またはコンピュー
タなどにおいて実施され得る。上記各図の回路の機能は
ソフトウエア(フローチャート)によって実施されても
良いし、上記各図のフローチャートの機能はハードウエ
ア(回路)によって実施されてもよい。
【0140】上記インパルス応答信号ISj(t)は前
半の波形と後半の波形が対称であることが多い。この場
合、インパルス信号記憶部51には、この前半の半波形
または後半の半波形のみ記憶され、この半波形が読み出
された後、同半波形が逆に読み出されて、インパルス応
答信号ISj(t)全体が生成されてもよい。これによ
りインパルス信号記憶部51の記憶量が減少する。
【0141】上記パワーデータPWによる音量パワーの
制御は、インパルス応答信号ISj(t)の読み出し
(発生)速度Sと繰り返し周期Tとが独立に制御される
場合だけでなく、一方が他方に連動または従属する場合
も実行される。この場合、周期係数fと包絡係数rとは
同じ音楽的ファクタ、例えば音高、音色、タッチ、発音
時間に応じて決定されたり、一方のデータが求められ、
この一方のデータにある演算が行われて他方が求められ
たりする。
【0142】(1) 発生すべき楽音信号の周波数特性
に対応した所定長のインパルス応答信号を繰り返し発生
させ、 この繰り返し発生されるインパルス応答信号の
繰り返しの周期を、音高決定因子に応じて変化させ、
上記音高決定因子とは異なる音色決定因子に応じて、上
記発生されるインパルス応答信号そのものの発生速度
を、上記繰り返し周期とは独立に変化させることを少な
くともコンピュータに実行させる楽音生成のためのコン
ピュータプログラムを記憶した媒体/コンピュータプロ
グラムの通信方法/楽音生成装置(方法)。
【0143】(2) 発生すべき楽音信号の周波数特性
に対応した所定長のインパルス応答信号を発生し、 こ
の発生されるインパルス応答信号を所定の周期で繰り返
し発生させるように制御し、 上記インパルス応答信号
そのものの長さが上記繰り返し発生の周期より長くて
も、当該周期の終わりで当該インパルス応答信号の発生
を継続させるとともに、次のインパルス応答信号を重ね
て発生させることをコンピュータに実行させる楽音生成
のためのコンピュータプログラムを記憶した媒体/コン
ピュータプログラムの通信方法/楽音生成装置(方
法)。
【0144】(3) 音高決定因子は上記楽音信号の音
高を決定する因子であり、 音色決定因子は上記楽音信
号の音色を決定する因子であり、 上記インパルス応答
信号は記憶手段に記憶され、上記音色決定因子に応じて
このインパルス応答信号の読み出し速度が決定され、上
記音高決定因子に応じてこのインパルス応答信号の繰り
返し読み出しの繰り返し周期が決定される請求項1また
は2記載の楽音生成のためのコンピュータプログラムを
記憶した媒体/コンピュータプログラムの通信方法/楽
音生成装置(方法)。
【0145】(4) 発生すべき楽音信号の周波数特性
に対応した所定長のインパルス応答信号を繰り返し発生
し、 この繰り返し発生されるインパルス応答信号の繰
り返しの周期を、音高決定因子に応じて変化させ、 上
記音高決定因子とは異なる音色決定因子に応じて、上記
発生されるインパルス応答信号そのものの発生速度を、
上記繰り返し周期とは独立に変化させ、 発生された音
楽的因子に応じて、上記繰り返し発生されるインパルス
応答信号の波形形状を切り換えることをコンピュータに
実行させる楽音生成のためのコンピュータプログラムを
記憶した媒体/コンピュータプログラムの通信方法/楽
音生成装置(方法)。
【0146】(5) 発生すべき楽音信号の周波数特性
に対応した所定長のインパルス応答信号を発生し、 こ
の発生されるインパルス応答信号を所定の周期で繰り返
し発生させるように制御し、 上記インパルス応答信号
そのものの長さが上記繰り返し発生の周期より長くて
も、当該周期の終わりで当該インパルス応答信号の発生
を継続させるとともに、複数の発生手段(読み出し手
段)によって、次のインパルス応答信号を重ねて発生さ
せ、 発生された音楽的因子に応じて、上記繰り返し発
生されるインパルス応答信号の波形形状を切り換えるこ
とをコンピュータに実行させる楽音生成のためのコンピ
ュータプログラムを記憶した媒体/コンピュータプログ
ラムの通信方法/楽音生成装置(方法)。
【0147】(6) 音高決定因子は上記楽音信号の音
高を決定する因子であり、 音色決定因子は上記楽音信
号の音色を決定する因子であり、 上記インパルス応答
信号は記憶手段に記憶され、上記音色決定因子に応じて
このインパルス応答信号の読み出し速度が決定され、上
記音高決定因子に応じてこのインパルス応答信号の繰り
返し読み出しの繰り返し周期が決定され、 上記音楽的
因子は上記楽音信号の音高を決定する因子、または上記
音高決定因子とは異なる音色決定因子である請求項4ま
たは5記載の楽音生成のためのコンピュータプログラム
を記憶した媒体/コンピュータプログラムの通信方法/
楽音生成装置(方法)。
【0148】(7) 発生すべき楽音信号の周波数特性
に対応した所定長のインパルス応答信号を繰り返し発生
し、 この繰り返し発生されるインパルス応答信号の繰
り返しの周期を変化させ、この発生されるインパルス応
答信号そのものの発生速度を変化させ、 上記変化され
るインパルス応答信号の繰り返し周期に基づいて、また
は上記変化されるインパルス応答信号そのものの発生速
度に基づいて、発生されるインパルス応答信号の大きさ
を変化させることをコンピュータに実行させる楽音生成
のためのコンピュータプログラムを記憶した媒体/コン
ピュータプログラムの通信方法/楽音生成装置(方
法)。
【0149】(8) 上記インパルス応答信号の大きさ
は、当該インパルス応答信号の波形のパワーまたは発音
操作の速さまたは強さに応じても変化され、 上記イン
パルス応答信号の繰り返しの周期は、音高決定因子に応
じて変化され、 上記インパルス応答信号そのものの発
生速度は、音色決定因子に応じて変化され、しかも上記
繰り返し周期とは独立に変化され、 この音高決定因子
は上記楽音信号の音高を決定する因子であり、 この音
色決定因子は上記楽音信号の音色を決定する因子であ
り、 上記インパルス応答信号は記憶手段に記憶され、
上記音色決定因子に応じてこのインパルス応答信号の読
み出し速度が決定され、上記音高決定因子に応じてこの
インパルス応答信号の繰り返し読み出しの繰り返し周期
が決定される請求項7記載の楽音生成のためのコンピュ
ータプログラムを記憶した媒体/コンピュータプログラ
ムの通信方法/楽音生成装置(方法)。
【0150】(9) 発生すべき楽音信号の周波数特性
に対応した所定長のインパルス応答信号を繰り返し発生
し、 この繰り返し発生されるインパルス応答信号のう
ちいくつかを正負反転させ、これにより上記楽音信号の
周波数特性を変化させることをコンピュータに実行させ
る楽音生成のためのコンピュータプログラムを記憶した
媒体/コンピュータプログラムの通信方法/楽音生成装
置(方法)。
【0151】(10) 上記インパルス応答信号は同じ
波形でn個繰り返し発生され、一方の繰り返し周期は他
方の繰り返し周期の1/n倍であり、一方のレベルは他
方のレベルより低くまたは一方のレベルは他方のレベル
の1/nであり、これら両インパルス応答信号が差分合
成されて出力され、これによりn個のインパルス応答信
号のうち(n−1)個のインパルス応答信号が正負反転
されて発生され、 または上記インパルス応答信号その
ものの長さが上記繰り返し発生の周期より長くても、当
該周期の終わりで当該インパルス応答信号の発生を継続
させるとともに、複数の発生手段によって、次のインパ
ルス応答信号を重ねて発生させ、この各インパルス応答
信号の発生を検出し、この検出結果に基づいて繰り返し
発生されるインパルス応答信号をn個のうち(n−1)
個を正負反転させ、反転されていないインパルス応答信
号のレベルを(n−1)/nとし、反転されたインパル
ス応答信号のレベルを1/nとし、 上記インパルス応
答信号は記憶手段に記憶され、音色決定因子に応じてこ
のインパルス応答信号の読み出し速度が決定され、音高
決定因子に応じてこのインパルス応答信号の繰り返し読
み出しの繰り返し周期が決定される請求項6記載の楽音
生成のためのコンピュータプログラムを記憶した媒体/
コンピュータプログラムの通信方法/楽音生成装置(方
法)。
【0152】(11) 上記繰り返し発生されるインパ
ルス応答信号の繰り返しの周期は、音高決定因子に応じ
て変化され、しかもこの繰り返し周期は設定音高の1/
nの周期であり、 この発生されるインパルス応答信号
そのものの発生速度は、音色決定因子に応じて変化さ
れ、 この音高決定因子は上記楽音信号の音高を決定す
る因子であり、 この音色決定因子は上記楽音信号の音
色を決定する因子であり、上記インパルス応答信号は、
上記正負反転されないで繰り返し発生もされ、これによ
り生成される楽音信号は、上記n個のうち(n−1)個
の正負反転による上記楽音信号とは異なる楽音信号とし
て出力され、これら両楽音信号の出力が切り換えられ、
1つのインパルス応答信号から少なくとも2種類の楽音
信号が生成される請求項9または10記載の楽音生成の
ためのコンピュータプログラムを記憶した媒体/コンピ
ュータプログラムの通信方法/楽音生成装置(方法)。
【0153】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、イン
パルス応答信号そのものの発生速度を音高変化に対して
一定として、固定フォルマント型と移動フォルマント型
との楽音を選択生成した。すなわち本発明では、音高決
定因子に基づいて、上記インパルス応答信号の繰り返し
周期を変化させるとともに、上記インパルス応答信号そ
のものの発生速度を変化させるか否かを選択した。した
がって、周波数特性のフォルマントが周波数軸上で移動
しない固定フォルマント型の楽音とフォルマントが周波
数軸上でシフトする移動フォルマント型の楽音とを1つ
のインパルス応答信号から生成することができる等の効
果を奏する。
【0154】また本発明では、インパルス応答信号その
ものの発生速度を音高変化に対して異なる変化特性とし
て、フォルマントが音高変化に応じない変化を実現し
た。すなわち本発明では、音高決定因子に基づいて、上
記インパルス応答信号の繰り返し周期を変化させるとと
もに、上記インパルス応答信号そのものの発生速度を、
当該繰り返し周期の変化とは異なる特性で変化させた。
したがって、フォルマントの移動変化を音高の変化に応
じて変化させることができ、しかもこのフォルマント移
動変化を生成楽音の音高の変化とは異なるように変化さ
せることができ、音高変化と異なった音色変化を実現で
きる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】楽音生成装置の全体回路を示す。
【図2】アサインメントメモリ42を示す。
【図3】インパルス信号発生部50を示す。
【図4】インパルス信号記憶部51に記憶されている種
々のインパルス応答信号ISj(t)を示す。
【図5】インパルス応答信号ISj(t)の繰り返し周
期Tの変化による波形パワー(音量)の違いを示す。
【図6】インパルス信号発生部50の中のインパルス信
号読み出し部53を示す。
【図7】処理全体のフローチャートを示す。
【図8】上記ステップ02の発音処理のフローチャート
を示す。
【図9】インパルス信号読み出し部53の各部の動作の
タイムチャートを示す。
【図10】インパルス応答信号ISj(t)のインパル
ス信号記憶部51からの読み出し状態を示す。
【図11】インタラプト処理のフローチャートを示す。
【図12】本願発明の原理を示す。
【図13】本願発明の原理を示す。
【図14】交互反転回路66(50)を示す。
【図15】交互反転回路66(50)の別の実施例を示
す。
【図16】インパルス応答信号を1つおきに正負反転さ
せた波形と周波数特性を示す。
【図17】吹奏(管)楽器の共鳴原理を示す。
【図18】インパルス応答信号を1つおきに正負反転さ
せレベルを変えた波形と周波数特性を示す。
【図19】プログラム/データ記憶部40内の包絡周期
テーブル群43を示す。
【図20】プログラム/データ記憶部40内のrf選択
テーブル44を示す。
【図21】固定フォルマントのインパルス応答信号IS
j(t)の変化と周波数特性の変化を示す。
【図22】移動フォルマントのインパルス応答信号IS
j(t)の変化と周波数特性の変化を示す。
【符号の説明】
10…演奏情報発生部、20…コントローラ(CP
U)、30…タイム発生部、40…迂路/データ記憶
部、41…情報記憶部、42…アサインメントメモリ、
43…包絡周期テーブル、44…rf選択テーブル、5
0…インパルス信号発生部、60…音響出力部、51…
インパルス信号記憶部、52…インパルス信号選択部、
53…インパルス信号読み出し部、54…インパルス累
算部、58…波形パワー制御RAM、59、63…セレ
クタ、61…オアゲート群、62…乗算器、64…ラッ
チ、65…インバータ群、66…交互反転回路、81…
プログラマブルn進カウンタ、501…パラメータRA
M、508…演算RAM、505…加算器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発生すべき楽音信号の周波数特性に対応
    した所定長のインパルス応答信号を繰り返し発生し、 この繰り返し発生されるインパルス応答信号の繰り返し
    の周期を決定し、 この発生されるインパルス応答信号そのものの発生速度
    を決定し、 音高決定因子に基づいて、上記インパルス応答信号の繰
    り返し周期を変化させるとともに、上記インパルス応答
    信号そのものの発生速度を変化させるか否かを選択する
    ことを特徴とする楽音生成装置。
  2. 【請求項2】 発生すべき楽音信号の周波数特性に対応
    した所定長のインパルス応答信号を繰り返し発生させ、 この繰り返し発生されるインパルス応答信号の繰り返し
    の周期を決定させ、 この発生されるインパルス応答信号そのものの発生速度
    を決定させ、 音高決定因子に基づいて、上記インパルス応答信号の繰
    り返し周期を変化させるとともに、上記インパルス応答
    信号そのものの発生速度を変化させるか否かを選択させ
    ることを特徴とする楽音生成方法。
  3. 【請求項3】 発生すべき楽音信号の周波数特性に対応
    した所定長のインパルス応答信号を繰り返し発生し、 この繰り返し発生されるインパルス応答信号の繰り返し
    の周期を決定し、 この発生されるインパルス応答信号そのものの発生速度
    を決定し、 音高決定因子に基づいて、上記インパルス応答信号の繰
    り返し周期を変化させるとともに、上記インパルス応答
    信号そのものの発生速度を、当該繰り返し周期の変化と
    は異なる特性で変化させることを特徴とする楽音生成装
    置。
  4. 【請求項4】 発生すべき楽音信号の周波数特性に対応
    した所定長のインパルス応答信号を繰り返し発生させ、 この繰り返し発生されるインパルス応答信号の繰り返し
    の周期を決定させ、 この発生されるインパルス応答信号そのものの発生速度
    を決定させ、 音高決定因子に基づいて、上記インパルス応答信号の繰
    り返し周期を変化させるとともに、上記インパルス応答
    信号そのものの発生速度を、当該繰り返し周期の変化と
    は異なる特性で変化させることを特徴とする楽音生成方
    法。
  5. 【請求項5】 上記インパルス応答信号そのものの発生
    速度を変化させるか否かの選択は、固定フォルマントの
    楽音信号を選択するときは選択されず、移動フォルマン
    トの楽音信号を選択するときは選択され、 上記発生されるインパルス応答信号そのものの発生速度
    は、音色決定因子に応じて変化され、 上記発生されるインパルス応答信号の繰り返し周期は、
    音高決定因子に応じて変化され、 上記インパルス応答信号は記憶手段に記憶され、音色決
    定因子に応じてこのインパルス応答信号の読み出し速度
    が決定され、音高決定因子に応じてこのインパルス応答
    信号の繰り返し読み出しの繰り返し周期が決定され、 上記音高決定因子は上記楽音信号の音高を決定する因子
    であり、 上記音色決定因子は上記楽音信号の音色を決定する因子
    であること特徴とする請求項1記載の楽音生成装置。
  6. 【請求項6】 上記インパルス応答信号の繰り返し周期
    は音高決定因子にほぼ比例して変化し、上記インパルス
    応答信号そのものの発生速度は音高決定因子に対して比
    例しないで変化し、 上記発生されるインパルス応答信号そのものの発生速度
    は、音色決定因子に応じて変化され、 上記発生されるインパルス応答信号の繰り返し周期は、
    音高決定因子に応じて変化され、 上記インパルス応答信号は記憶手段に記憶され、音色決
    定因子に応じてこのインパルス応答信号の読み出し速度
    が決定され、音高決定因子に応じてこのインパルス応答
    信号の繰り返し読み出しの繰り返し周期が決定され、 上記音高決定因子は上記楽音信号の音高を決定する因子
    であり、 上記音色決定因子は上記楽音信号の音色を決定する因子
    であること特徴とする請求項3記載の楽音生成装置。
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