JPH08106291A - 楽音信号のレベル制御装置 - Google Patents

楽音信号のレベル制御装置

Info

Publication number
JPH08106291A
JPH08106291A JP6242878A JP24287894A JPH08106291A JP H08106291 A JPH08106291 A JP H08106291A JP 6242878 A JP6242878 A JP 6242878A JP 24287894 A JP24287894 A JP 24287894A JP H08106291 A JPH08106291 A JP H08106291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
level
tone
key
musical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6242878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3419563B2 (ja
Inventor
Gen Izumisawa
玄 和泉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd filed Critical Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority to JP24287894A priority Critical patent/JP3419563B2/ja
Publication of JPH08106291A publication Critical patent/JPH08106291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3419563B2 publication Critical patent/JP3419563B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】同時発音数の増減に対応してD−A変換器に入
力される合成楽音信号のレベルを適正レベルに制御す
る。 【構成】ノートオンされているチャンネル数ONnを計
数し(ステップ450)、ノートオン又はノートオフさ
れているキーの音域に応じた係数ELを求め(ステップ
500)、ノートオンカウント値ONnに応じて求めた
レベル制御係数ALを係数EL及びダンパペダルのオン
/オフに応じて求めた補正定数DKで修正する(ステッ
プ550)。この修正後のレベル制御係数ALによって
トーンジェネレータ11によって生成された複数チャン
ネルの楽音信号が累算合成された合成楽音信号データS
Dのレベルを修正する(ステップ592)。これによ
り、押鍵数と音域とダンパのオン/オフによって決まる
同時発音数の変化に応じてD−A変換器20へ入力され
る合成楽音信号データSDのレベルが適正レベルに修正
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、同時に発音する楽音
の数等に応じて、出力される楽音信号のレベルを制御す
る楽音信号のレベル制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】近年のデジタル音源を用いた電子楽器は、
同時に複数の楽音を発音するものがある。これは、デジ
タルデータを用いて発音する楽音信号を1音づつ多チャ
ンネル時分割方式で生成し、これらのデジタルの楽音信
号を累算合成してD−A変換器でアナログ信号に変換し
た後、サウンドシステム等から発音する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、D−A
変換器の最大振幅(ビット数)が決まっているため、最
大同時発音数の楽音を発生する場合には、累算合成され
た楽音信号レベルをD−A変換器の最大振幅以下に抑え
なければならない。なぜなら、D/A変換器の入力レベ
ルが最大振幅を越えると、大きなノイズ音を発生するか
らである。
【0004】ところが、最大同時発音数が多くなると、
D−A変換器に入力される1楽音毎の楽音信号の最大レ
ベルをD−A変換器の最大振幅に比して大幅に小さくし
なければならない。すなわち、1楽音当りの分解能が低
くなり、D−A変換後の波形の歪みが大きくなる。この
ため、同時発音数が多い場合には、一楽音毎の波形の歪
みは聴者には気にならないが、同時発音数が少ない場合
には、この波形の歪みによってノイズ成分が感じられる
ため、発生楽音が不明瞭になる場合がある。
【0005】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、本発明の目的は、同時発音数が多
い場合には、出力される合成楽音信号のレベルが大きく
なり過ぎないようにし、同時発音数が少ない場合には、
各楽音毎の分解能を高めて発生楽音を明瞭にすることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は図1に示すように、楽音信号生成手段M1
と、合成手段M2と、D−A変換器M3と、音量因子検
出手段M4と、楽音信号のレベル修正手段M5と、楽音
発生指示手段M6とを備えている。
【0007】楽音信号生成手段M1によって生成される
複数チャンネルCH1〜CHnの楽音信号は、合成手段
M2によって合成される。音量因子検出手段M4によっ
て、同時発音数又は同時発音数の増減に関連する情報等
の音量レベル決定因子が検出される。レベル修正手段M
5は、この因子に基づいて、同時発音数が増加したとき
には、D−A変換器M3の最大振幅を越えないように合
成後の合成楽音信号のレベルを抑制し、同時発音数が減
少したときには、合成後の合成楽音信号のレベルの抑制
を排除又は緩和する。
【0008】
【作用】これにより、同時発音数の増減に応じてD−A
変換器の入力信号のレベルが適正に制御される。従って
同時発音数が多い場合には、ノイズが発生することを防
止でき、同時発音数が少ない場合には、一楽音当りの分
解能を高めて明瞭な楽音を発音させることができる。な
お、本発明の制御レベルはD−A変換器のキャパシティ
に限られるものではなく、適正な振幅(音量)レベルを
実現するものである。
【0009】
【実施例】以下に説明する実施例は、デジタル音源によ
ってアコースティックピアノ、その他の楽器の発生音を
模擬して生成する電子楽器に本発明を適用した例であ
る。
【0010】1.全体回路 図2は電子楽器の全体回路を示す。キーボード1の各キ
ーは、楽音の発音/消音の操作を行う。キースキャン回
路には、キーボード1をスキャンして、キーオン、キー
オフを表すデータをCPU5へ送る。このキーオン、キ
ーオフのスキャンデータは、CPU5によってRAM6
に書き込まれる。そして、CPU5によって、それまで
RAM6に記憶されていた各キーのオン、オフ状態を示
すデータと比較され、各キーのオンイベント、オフイベ
ントの判定が行われる。なお、キースキャン回路2は、
キーオン時又はオーオフ時のタッチを検出して、このタ
ッチデータをCPU5へ送っている。上記キーボード1
は、弦楽器(バイオリン等)、吹奏楽器(フルート
等)、打楽器(シンバル等)、コンピュータのキーボー
ドに置き換え可能である。
【0011】パネルスイッチ群3には、電源スイッチ、
モード指定スイッチ、メロディ選択スイッチ、リズム選
択スイッチ、音色選択スイッチ等(図示略)の各種スイ
ッチが設けられている。これらのスイッチのセット/リ
セット状態はパネルスキャン回路4によって検知され、
このスキャンデータはCPU5に送られ、RAM6に書
き込まれる。そして、CPU5によって、それまでRA
M6に記憶されていた各スイッチのセット/リセット状
態を示すデータと比較され、各スイッチのオンイベント
/オフイベントが判別される。
【0012】RAM6には、CPU5が処理する各種デ
ータ及び処理に必要な各種データが記憶される。ROM
7には、後述するフローチャートに従ってCPU5が実
行するプログラム、その他の処理に対応するプログラム
が記憶されている。なお図5、6の処理はCPU5が実
行し、図7、15の処理はトーンジェネレータ11内の
CPU(図示せず)が実行してもよい。
【0013】デジタル音源としてのトーンジェネレータ
(DCOともよばれる)11は、複数チャンネル分のデ
ジタルの楽音信号を時分割処理によって生成する。周波
数ナンバ累算器12は、楽音波形メモリ13へ発音の指
示があった楽音波形データMWの読み出しを指示する。
この周波数ナンバ累算器12には、CPU5によってキ
ーナンバデータKN及びトーンナンバデータTNが送ら
れ、キーナンバデータKNに応じた周波数ナンバデータ
FNが時分割に累算され、この累算された累算周波数ナ
ンバデータFNAは楽音波形メモリ13へ読み出しアド
レスデータとして時分割に供給される。トーンナンバデ
ータTNは、CPU5によって上記周波数ナンバ累算器
12へ送られ、バンクデータBKに変換され、上記楽音
波形メモリ13へ上位読み出しアドレスデータとして供
給される。下位読み出しアドレスデータは、上記累算周
波数ナンバデータFNAである。
【0014】楽音波形メモリ13には、複数の楽音波形
データMWが記憶されている。各楽音波形データMW
は、上記累算周波数ナンバデータFNAに基づいて時分
割に読み出される。各楽音波形データMWの選択は、上
記トーンナンバデータTNに基づいて行われる。上記楽
音波形データMWは、ピアノ、バイオリン、フルート、
マリンバ等の複数種類の楽器音の波形のサンプリングデ
ータである。
【0015】エンベロープジェネレータ14はCPUや
DSPを備えており、発音される楽音のエンベロープを
決める。このエンベロープジェネレータ14には、CP
U5によって上記トーンナンバデータTNが送られ、こ
のトーンナンバデータTNに応じたエンベロープレベル
ENが時分割に生成される。
【0016】上記楽音波形メモリ13から楽音波形デー
タMWと、エンベロープレベルデータENが乗算器16
で乗算され、累算器17で全チャンネルの楽音データが
累算される。この累算された合成楽音信号データSD
は、乗算器18へ送られて、CPU5からラッチ22を
介して送られるレベル制御係数データALが乗算される
この乗算器17の出力は、デジタルフィルタ19を経
て、D−A変換器20でアナログ信号に変換される。D
−A変換器20のアナログ出力は、サウンドシステム2
1によって可聴音響に変換される。
【0017】ペダル10は、ダンパペダル、ソフトペダ
ル、ソステヌートペダル等(いずれも図示せず)があ
る。ペダルセンサ9によってペダル10の操作情報が検
知され、この操作データはCPU5へ送られRAM6に
書き込まれる。
【0018】アサインメントメモリ8には図3に示すよ
うに、複数チャンネルCH1〜CHn分(例えば16チ
ャンネルとする)のメモリエリアが形成されている。こ
れらのメモリエリアには、キーナンバーデータKN、キ
ーオン、キーオフデータ、トーンナンバーデータTN
(音色データ)、タッチデータ、エンベロープレベルE
N/フェーズデータFZ等のチャンネル毎の楽音に関す
るデータが記憶される。
【0019】キーオン/キーオフデータは、チャンネル
が割当てられた楽音が、キーオン中又は発音中である
が、キーオフ中又は消音中であるかを表わす。エンベロ
ープフェーズデータFZは、発音される楽音のエンベロ
ープのアタック、デイケイ、リリースを示す。このアサ
インメントメモリ8は、トーンジェネレータ11内に設
けてもよい。
【0020】2.レジスタ群 図4はRAM6のレジスタ群及びエンベロープメモリ1
5のデータテーブルを示す。レジスタ30には、ダンパ
ペダルの操作状態を示すためのダンパペダルオンフラグ
DFが記憶される。レジスタ31には、ダンパペダルの
操作に応じて発音される楽音のエンベロープレベルを補
正するための補正定数DKが記憶される。この補正定数
DKは予め決められた値であって、ダンパペダルの操作
に応じた音量レベル決定因子に応じ決定され、後述する
ステップ100でセットされる。レジスタ32には、押
鍵(ノートオン)の数を示すノートオンカウント値ON
nが記憶される。レジスタ33は、各チャンネルCH1
〜CHnで発音される楽音の音域に応じて決められる音
域分布係数ELが一時記憶される。レジスタ34には、
音域分布係数ELを累算した累算分布係数TELが記憶
される。レジスタ35には合成楽音信号データSDのレ
ベルを修正するためのレベル制御係数ALが記憶され
る。レジスタ36には、後述するノートオンカウント処
理等で使用するチャンネルナンバデータnが記憶され
る。
【0021】データテーブル40には、アタック、ディ
ケイ、リリースの各フェーズ毎、及び音楽的ファクタ毎
に目標レベルデータTLとスピードデータSPが記憶さ
れている。目標レベルデータTLは、各フェーズ毎に設
定されたエンベロープレベルの到着レベルであり、スピ
ードデータはエンベロープレベルが目標レベルに到達す
る速度を決めるデータである。
【0022】上記音楽的ファクタとは、音高、音域、音
色の種類、タッチ量、エフェクト(リバーブ、エコー、
グライド、ポルタメント等)の種類又は/及び大きさ、
音像位置、リズムの種類、演奏パート(メロディ、コー
ド、ベース、バックグラウンド、リズム)の種類、変調
量、エンベロープレベル、エンベロープスピード、発音
経過時間、音量、発音数、クオンタイズ量、テンポの大
きさ、フィルタ特性データ等である。
【0023】3.全体処理 図5はCPU5によって実行される全体処理のフローチ
ャートである。この処理は、電源投入によってスタート
し、CPU5、RAM6、アサインメントメモリ8、ト
ーンジェネレータ11等の初期化が行われる(ステップ
100)。そして、パネルイベント処理(ステップ20
0)、ペダルイベント処理(ステップ300)、楽音生
成処理(ステップ400)、レベル制御処理(ステップ
600)が繰り返し実行される。
【0024】その他の処理SJは、キーオンイベント処
理及びキーオフイベント処理、チャンネル割り当て処
理、ペダル10の操作に応じた残響音生成処理及び共鳴
音生成処理等の効果処理や、自動演奏処理、MIDIデ
ータ送受処理等の付加機能の処理等である。なお、残響
音生成処理の例として、特願平6−38608号に開示
されるものがあり、共鳴音生成処理の例として、特願平
5−137863号に開示されるものがある。
【0025】キーオンイベントがあったキーの楽音が発
音されると、そのエンベロープはアタック、ディケイ、
リリースの順に変化して消音されるが、残響音生成処理
及び共鳴音生成処理によってキーオンイベントがあった
キーの楽音の残響音及び共鳴音が生成される。従って、
キーオンイベントがあったキーの楽音の生成処理とその
残響音及び共鳴音の生成処理が行われることによって同
時発音数が増加する。また、残響音はキーオフイベント
後も発音されることが多いため、キーオフによって押鍵
数が減っても同時発音数が押鍵数より多い場合がある。
上記キーオンイベント、キーオフイベントは、キーボー
ド1の操作によるものの他、再生された自動演奏デー
タ、MIDIシステムより送られてくる他の装置からの
データに基づく。
【0026】パネルイベント処理(ステップ200)で
は、CPU5によって、パネルスイッチ群3の各スイッ
チのセット/リセット状態がパネルスキャン回路4から
送られるスキャンデータに基づいて判断され、この判断
に基づいて該当するLEDの点灯や表示が変更される。
【0027】4.ペダルイベント処理 図6はペダルイベント処理(ステップ300)のフロー
チャートである。ステップ302〜310は、ダンパペ
ダルのオン/オフ状態を記憶するためのダンパペダル処
理である。CPU5は、ペダルセンサ9から送られたペ
ダル10の操作データに基づいてダンパペダルのオンイ
ベント/オフイベントを判別する(ステップ302、3
06)。オンイベント時にはダンパペダルオンフラグD
Fをセットし(ステップ304)、オフイベント時には
ダンパペダルオンフラグDFをリセットする(ステップ
308)。ダンパペダルオンフラグDFは、ダンパペダ
ルのオン/オフ状態を記憶するフラグであり、RAM6
内に記憶される。オフイベント時には、ダンパペダルが
踏まれている間延ばされていた楽音の消音処理が行われ
る(ステップ310)。この消音処理では、アサインメ
ントメモリ8内のキーオフ中であって発音中のチャンネ
ルがクリアされることによって、発音が停止される。
【0028】その他のペダル処理(ステップ312)で
は、例えば、ソフトペダルやソステヌートペダルのオン
イベント/オフイベントに応じてフラグがセット/リセ
ットされたり、ペダルの踏み込み量に応じて発音する楽
音の音量を変化させるパラメータの値が決定される。
【0029】5.楽音生成処理 図7は発音生成処理(ステップ400)のフローチャー
トである。この処理は、複数チャンネルの楽音信号の生
成を時分割に実行する。従って、一定周期でチャンネル
が切換えられ、以下の処理が各チャンネルについて繰返
し実行される。
【0030】サウンドシステム21から発音される楽音
は、ポリフォニックであり、同時に複数の楽音が発音さ
れる場合は、アサインメントメモリ8にキーオン又は発
音中のデータが記憶されたチャンネルが複数ある場合で
ある。CPU5及びトーンジェネレータ11は、一定周
期で各チャンネルCH1〜CHnについて楽音生成処理
(ステップ400)を1チャンネルずつ実行する(ステ
ップ402、432、434)。これによって、キーオ
ン又は発音中のチャンネルが割当てられた楽音につい
て、楽音波形データMWが時分割で形成され、シリアル
に累算器17へ出力される。累算器17でシリアルに入
力された複数チャンネルの楽音波形データMWが累算さ
れて合成楽音信号データSDが形成される。この合成楽
音信号データSDは、乗算器18によりレベルが修正さ
れた後、デジタルフィルタ19、D−A変換器20を経
てアナログ信号に変換されてサウンドシステム21へ送
られる。
【0031】まずCPU5によってレジスタ36のチャ
ンネルナンバデータnが“1"だけインクリメ ントされ
る(ステップ402)。次にアサインメントメモリ8の
記憶内容に基づいて時分割処理で割り当てられた1チャ
ンネルのキーがオンイベントであるかオフイベントであ
るかが判別される(ステップ404、410)。これは
上述のその他の処理SJの中のキーオンイベント処理及
びキーオフイベント処理において検出されたキーオンイ
ベントフラグ又はキーオフイベントフラグに基づく。キ
ーオンイベントであれば、このキーオンイベントから発
音が開始されるのであるから、アタックフェーズである
ことを示すために、このnチャンネルのエンベロープフ
ェーズデータFZに“01”がセットされる(ステップ
406)。このエンベロープフェーズデータFZには、
アタックフェーズでは“01”、ディケイフェーズでは
“10”、リリースフェーズでは“00”がセットされ
る。
【0032】次に、エンベロープジェネレータ14によ
って、このエンベロープフェーズFZに応じた目標レベ
ルデータTL及びスピードデータSPがデータテーブル
40から読み出される(ステップ408)。このとき、
音楽的ファクタデータもデータテーブル40の検索の要
素に用いられる。また、エンベロープジェネレータ14
によってアサインメントメモリ8内の1チャンネルCH
1からエンベロープレベルデータENが読み出され、エ
ンベロープジェネレータ14へ送られる。このエンベロ
ープレベルデータENは、キーオフイベント又は消音中
のデータが記憶されたときにはクリアされるため、キー
オンイベント直後には“0”レベルを示すデータであ
る。そして、エンベロープジェネレータ14によって、
これらのデータから1チャンネルの楽音のアタックフェ
ーズのエンベロープレベルENが演算される(ステップ
420)。この演算は、例えば次式のように行われる。
【0033】 (TL−EN)×SP+EN→EN ・・・(1) この演算によって求められたエンベロープレベルEN
は、アサインメントメモリ8の1チャンネルに更新記憶
される。
【0034】次に楽音波形メモリ13から楽音波形デー
タMWが読み出され(ステップ422)、乗算器16に
よって、アサインメントメモリ8から再び読み出された
エンベロープレベルデータENが乗算される(ステップ
424)。こうしてエンベロープが与えられた楽音波形
データMWは、乗算器16から累算器17へ送られる
(ステップ426)。
【0035】その後、チャンネル割当てが繰り返し到来
して、同一チャンネルについて楽音生成処理(ステップ
400)が繰り返し行われると、エンベロープレベルE
Nはアタックフェーズの目標レベルTLに向かって増加
し、そして目標レベルTLに到達する。エンベロープジ
ェネレータ14はこれを判別して(ステップ428)、
エンベロープフェーズデータFZにディケイフェーズを
示す“10”をセットする(ステップ430)。以後、
1チャンネルCH1については、ディケイフェーズの目
標レベルデータTLとスピードデータSPが読出され
(ステップ408)(1)式の演算が行われる(ステッ
プ420)。これによって、以後、エンベロープレベル
ENは、ディケイフェーズの目標レベルTLへ向かって
減少して行く。
【0036】1チャンネルCH1の楽音についてキーオ
フイベントがあると、エンベロープジェネレータ14は
これを判別して(ステップ410)、エンベロープフェ
ーズデータFZにリリースフェーズを示す“00”をセ
ットする(ステップ412)。以後1チャンネルCH1
については、リリースフェーズの目標レベルデータTL
とスピードデータSPが読み出され(ステップ41
4)、(1)式の演算が行われる(ステップ420)。
これによって、エンベロープレベルENは、楽音生成処
理(ステップ400)が繰返し行われる毎に、リリース
フェーズの目標レベルTLへ向かって減衰して行き、そ
して消音される。これらのエンベロープレベルEN及び
エンベロープフェーズFZは、上記アサインメントメモ
リ8の対応するチャンネルメモリエリアに書き込まれ
る。
【0037】上記の処理が他のチャンネルCH2〜CH
16についても、同様に,順次に又は時分割に高速で繰
返し行われる(ステップ402、432)。これによっ
て、キーオン又は発音中のデータが記憶されているチャ
ンネルの楽音のエンベロープが形成される。そして16
チャンネル分の処理が終了するとチャンネルナンバデー
タnがリセットされる(ステップ434)。
【0038】この楽音生成処理(ステップ400)によ
って形成されるエンベロープレベルデータENは、楽音
波形データMWに乗算されたときに、乗算後の楽音波形
データMWのレベルがD−A変換器20によって適正な
分解能が得られるように、最大レベルと最小レベルが決
められている。例えば、アタックフェーズの目標レベル
TLが一定値より低くならないようにデータテーブル4
0のデータが予め決められている。
【0039】6.レベル制御処置 図8はレベル制御処置(ステップ600)のフローチャ
ートである。この処理では、ノートオンからカウント処
理(ステップ450)と音域分布判別処理(ステップ5
00)とレベル制御係数演算処理(ステップ550)が
順次実行されて、押鍵数、キーオン/オフされたキーの
音域、ダンパのオン/オフに応じて合成楽音信号データ
SDのレベルを制御するためのレベル制御係数ALが決
められる。そして、このレベル制御係数ALが累算器1
7から出力される合成楽音信号データSDに乗算される
ことによって(ステップ590、592)、合成楽音信
号データSDのレベルが修正される。
【0040】7.ノーオンカウント処理 図9は図8中のノートオンカウント処理(ステップ45
0)フローチャートである。まずCPU5によってレジ
スタ32のノートオンカウント値データONnがクリア
される(ステップ452)。そして、チャンネルナンバ
データnが“1”にリセットされる(ステップ45
4)。次に、アサインメントメモリ8の1チャンネルC
H1にキーオンデータが記憶されているか否かが判別さ
れて(ステップ456)、キーオンデータが記憶されて
いる場合には、ノートオンカウント値データONnに
“1”が加算される(ステップ458)。
【0041】そして、チャンネルナンバデータnを
“1”だけインクリメントして(ステップ462)、次
に2チャンネルCH2について同じ処理を行う(ステッ
プ456、458)。以後、3〜16チャンネルCH3
〜CH16について同じ処理を行った後、次の処理へ移
る(ステップ460)。このようにして、1〜16チャ
ンネルの中でキーオンデータが記憶されているチャンネ
ルの数を計数することによって、押鍵数が求められる。
この押鍵数を示すノートオンカウント値データONnは
レジスタ32に記憶される。
【0042】なお図9の処理の代わりに、キーイベント
によって開始されるインタラプト処理を設け、キーオン
イベント時にノートオンカウント値データONnを
“1”だけインクリメントし、キーオフイベント時にノ
ートオンカウント値データONnを“1”だけデクリメ
ントする処理を行っても良い。また、上記ノートオンカ
ウント値データONnは、上記残響音生成処理、共鳴音
生成処理が行われているときは、残響音数、共鳴音数に
応じて加算乗算等の修正が行われても良い。
【0043】8.音域分布判別処理 図10は図8中の音域分布判別処理(ステップ500)
のフローチャートである。まず、CPU5によってレジ
スタ34の累算分布係数データTELがクリアされ(ス
テップ502)、レジスタ36のチャンネルナンバデー
タnが“1”だけインクリメントされる(ステップ50
4)。そして、1チャンネルメモリエリアCH1につい
てキーオンデータが記憶されているか(ステップ50
6)、キーオフデータが記憶されているか(ステップ5
14)が判別される。キーオンであれば1チャンネルの
楽音のキーナンバーデータKNがアサインメントメモリ
8から読み出される(ステップ508)。
【0044】そして、このキーナンバデータKNに対応
する音域分布係数データELがデータテーブル50から
求められる(ステップ510)。このデータテーブル5
0は、RAM6内に記憶されており、例えば図11図に
示される特性を示すデータが記憶されている。すなわ
ち、キーナンバKNが小さい低音域とキーナンバKNが
大きい高音域とでは音域分布係数ELが大きく、中音域
では音域分布係数ELが小さくなるような特性である。
【0045】アコースティックピアノは、押鍵されたキ
ーの音が発生するときこの押鍵されたキーの弦の振動に
よって、他の弦が共鳴音を発することがある。共鳴音を
発する弦の音程や数は、押鍵された音域によって異な
り、また押鍵された音域によって他の弦が共鳴音を発す
る程度が異なる。アコースティックピアノの低音域の弦
は太くて長いが、高音域の弦は細くて短く、複数本の弦
で1音を発生する。また、最高音域の弦にはダンパが取
り付けられておらず、常に解放されている。
【0046】従って、低音域のキーが押鍵された場合、
その倍音列に相当する他の弦が振動し、その共鳴音の程
度も大きい。また最高音域のキーが押鍵された場合も、
他の弦が共鳴する程度が大きい。さらに、低音域の弦は
振動が大きく、エンベロープジェネレータ14によって
形成される楽音信号のエンベロープレベルも他の音域に
比べて大きい。また最高音域の弦は、常に解放されてい
るため中音域に比べて振動が大きく、複数の弦で1音を
発生することから音量も中音域に比べて大きい。したが
って、最高音域の楽音信号のエンベロープレベルも中音
域に比べて大きい。図11のデータテーブル50は上述
のようにピアノの押鍵された音域によって、共鳴音の数
すなわち同時発音数の増加数や押鍵されたキーの楽音の
振幅が異なることを考慮して決められている。
【0047】なお、この図11の音域分布係数ELは、
図11に示されるものに限らず、段差形、V字形、U字
形、M字形、W字形、N字形、S字形、二山形等、どの
ような形でも良い。またこの分布係数ELは、高音(キ
ーナンバKN)に応じたものの他、オクターブコード、
トーンナンバTN、タッチデータ、エフェクトデータ、
発音経過時間、演奏パート等に応じて決定されても良
い。さらに、この音域分布係数ELは、キーナンバKN
等を加減乗除、演算式に基づく演算で求めてもよい。
【0048】上述のように、1チャンネルCH1のキー
ナンバデータKNに対応する音域分布係数データELが
データテーブル50から求められると、この求められた
領域分布係数データELはレジスタ33に記憶される。
そして、再び音域分布係数データELが読み出され、さ
らにレジスタ34から累算分布係数データTELが読み
出される。これらは加算されて、加算結果が新たな累算
分布係数データTELとしてレジスタ34に記憶される
(ステップ512)。一方、1チャンネルの楽音がキー
オフであれば、累算分布係数TELは変化しない。
【0049】上記のステップ506〜520の処理が、
他のチャンネルCH2〜CH16についても同様にして
行われる(ステップ504、514)。そして、16チ
ャンネル分の処理が終了すると、累算分布係数TEL
は、キーオンがあったチャンネルの音域分布係数ELの
総和になる。そして、チャンネルナンバnをリセットし
て(ステップ516)次の処理へ移る。
【0050】9.レベル制御係数演算処置 図12は図8中のレベル制御係数演算処置(ステップ5
50)のフローチャートである。まず、CPU5によっ
て上述のノートオンカウント処理(ステップ450)で
求められたノートオンカウント値データONnがレジス
タ32から読み出される(ステップ552)。そして、
このノートオンカウント値データONnに対応するレベ
ル制御係数データALがデータテーブル60から求めら
れて、レジスタ35に記憶される(ステップ556)。
このデータテーブル60は、RAM6内に記憶されてお
り、例えば図13に示される特性を示すデータが記憶さ
れている。すなわち、ノートオンカウント値ONnが一
定値Kを越えるとレベル制御係数ALが“1”以下に減
少するような特性である。
【0051】ノートオンカウント値ONnは押鍵数を示
すデータであり、ノートオンされているキーの楽音は同
時に発音されるから、このノートオンカウント値ONn
は、残響音や共鳴音等の効果音の数を除いた同時発音数
に相当する。むろん残響音等の数も含めてもよい。
【0052】同時発音数が一定数を超えると、D−A変
換器20の入力信号のレベルが最大振幅を越える場合が
ある。そこで、この入力信号レベルが最大振動幅を越え
る場合のノートオンカウント値ONnをKとする。そし
て、ノートオンカウント値ONnが一定数Kを越えたと
きには、D−A変換器20の入力信号レベルが最大振幅
以下になるように、レベル制御係数ALが決められてい
る。また、レベル制御係数ALは、発生楽音が不明瞭に
ならないように、D−A変換器20の入力信号レベルが
最大振幅以下であっても、あまり低いレベルに抑えられ
ることがないように決められている。すなわち、レベル
制御係数ALは、ノートオンカウント値ONnの増加に
伴って漸減するように決められている。なお、レベル制
御係数ALは、ノートオンカウント値ONnを加減乗除
や一方のデータによる他方のデータのデータシフト、ま
たは演算式に基づく演算で求めてもよい。
【0053】レベル制御係数ALが求められると、次に
累算分布係数TELがレジスタ34から読み出され(ス
テップ556)、レベル制御係数ALから減算される
(ステップ558)。これは、レベル制御係数ALがノ
ートオンカウント値ONnすなわちノートオンされてい
るキーの数に応じて決められた係数であり、さらにこの
係数をキーオンイベントがあったキーの音域に応じて修
正するためである。これによって、押鍵数の増加と、共
鳴音の増加による発音数の増加又は楽音信号の振幅の増
大に対応して、レベル制御係数ALが減少される。この
修正後のレベル制御係数ALは、再びレジスタ35に記
憶される。
【0054】このように、押鍵数に応じて求められ、音
域分布に応じて修正されたレベル制御係数ALは、さら
にダンパペダルのオン/オフに応じて増減される。ステ
ップ558の次に、CPU5はレジスタ30からダンパ
ペダルオンフラグDFを読出して、このダンパペダルオ
ンフラグDFのセット/リセットを判別する(ステップ
560、566)。そして、レジスタ31から補正定数
DKが読出される(ステップ562、568)。次にダ
ンパペダルオンフラグDFがセットされているときは、
ステップ558で修正されたレベル制御係数ALから補
正定数DKが減算される(ステップ564)。また、ダ
ンパペダルオンフラグDFがリセットされているとき
は、ステップ558で修正されたレベル制御係数ALに
補正定数DKが加算される(ステップ570)。
【0055】アコースティックピアノでは、ダンパペダ
ルが踏まれたとき(ダンパペダルオン)には、ダンパが
全弦から離れて大きな共鳴音が発生する。このことか
ら、トーンジェネレータ11ではダンパペダルオンフラ
グDFがセットされているときには、共鳴音が増大し、
また押鍵されたキーの楽音信号レベルも大きくなるよう
に処理が行われる。このため、D−A変換器20の入力
レベルが大きくなることから、レベル制御係数ALから
補正係数DKを減算してレベル制御係数ALを減少させ
る(ステップ564)。そして、ダンパペダルオンフラ
グDFがリセットされたときには、トーンジェネレータ
11では共鳴音が減少するように処理が行われるため、
D−A変換器20の入力レベルが減少する。従って、レ
ベル制御係数ALに補正係数DKを加算してレベル制御
係数ALを増加させる(ステップ570)。そして、補
正が行われたレベル制御係数ALは、再びレジスタ35
に記憶される。
【0056】なお、上記ステップ558、564、57
0の加減算処理は、加減乗除や演算式に基づく演算、又
はデータテーブルの読み出し等でも代用できる。また、
上記ステップ572、578でオン/オフが判別される
ペダル10は、ダンパペダルの他、ソフトペダル、ソス
テヌートペダル、ミュートペダル、シフティングペダ
ル、ラウドペダル、フットスイッチ等であってもよい。
【0057】10.合成楽音信号データのレベル修正処
図8に戻って、上記レベル制御係数演算処理(ステップ
550)が終了すると、次にCPU5によって、図12
のステップ564、570で求められたレベル制御係数
データALがレジスタ35から読み出されて図2のラッ
チ22へ送られる(ステップ590)。また、CPU5
から累算器17へタイミング信号が送られることによっ
て、累算器17から合成楽音信号データSDが乗算器1
8へ送られる(ステップ590)。そして、乗算器18
によって合成楽音信号SDデータにレベル制御係数デー
タALが乗算される(ステップ592)。この演算によ
ってレベル修正が行われた合成楽音信号SDはデジタル
フィルタ19でフィルタリングが行われた後、D−A変
換器20へ入力される。
【0058】なお、上記乗算器18は、CPU5内又は
トーンジェネレータ11内において、加減乗除や一方の
データによる他方のデータのデータシフト、演算式に基
づく演算やデータテーブルの読み出し等に代替してもよ
い。さらに、上記及び後述のレベル制御係数ALは、上
述したように音域分布係数データEL、図13のレベル
制御係数AL、補正定数DKにより決定されるが、この
中の一つ又は2以上のみによって決定されてもよい。ま
た、各楽音信号の合成は、累算器17での累算合成であ
ったが、加算器による加算合成等であってもよい。この
場合、トーンジェネレータ11は、時分割処理されず、
チャンネル数に応じた数がパラレルに設けられる。
【0059】このように、本実施例では、押鍵数と押鍵
されたキーの音域、及びダンパペダルのオン/オフに基
づいて、合成楽音信号SDのレベルが修正される。すな
わち、押鍵数が増加すると同時発音数も増加すること、
押鍵されたキーの音域によって共鳴音が変化し、またキ
ーの音域によって発音される楽音信号の振幅が異なるこ
とと、ダンパペダルが踏まれると共鳴音が増大すること
を考慮して合成楽音信号SDのレベルが修正される。
【0060】11.エンベロープジェネレータ14 図14は、エンベロープジェネレータ14の他の構成例
を示す。上記CPU5によって送られてきたトーンナン
バーデータTNは、ラッチ15aを介して、エンベロー
プメモリ15で各フェーズのスピードデータSP0、S
P1、SP2、各フェーズの目標レベルデータTL0、
TL1、TL2に変換される。各アタックフェーズスピ
ードデータSP0、ディケイフェーズスピードデータS
P1、リリースフェーズスピードデータSP2は、セレ
クタ14bでいずれか一つが選択され、イクスクルシブ
オアゲート群14fを介し、アダー14gでそれまでの
エンベロープレベルデータENに加算され、セレクタ1
4hを介し、エンベロープレジスタ14jにセットされ
る。このエンベロープレジスタ14jには16チャンネ
ル分のエンベロープレベルデータEN1〜EN16が記
憶され、チャンネルクロック信号CHφによって順次時
分割にシフトされ出力され、上記アダー14gに入力さ
れる。
【0061】また、上記各アタックフェーズ目標レベル
データTL0、ディケイフェーズ目標レベルデータTL
1、リリースフェーズ目標レベルデータTL2は、セレ
クタ14aでいずれか一つが選択され、乗算器14cへ
送られる。乗算器14cには、ラッチ14dにラッチさ
れていたレベル制御係数ALが送られて乗算される。こ
れによって目標レベルデータTL0、TL1、TL2が
修正される。すなわち、エンベロープレベルENがレベ
ル制御係数ALによって修正される。このレベル制御係
数ALは、図12のレベル制御係数演算処理(ステップ
550)で演算されたデータである。そして修正後の目
標レベルデータはコンパレータ14eに与えられる。こ
のコンパレータ14eには上記アダー14gからのエン
ベロープレベルデータENも与えられており、エンベロ
ープレベルデータENがフェーズ目標レベルデータTL
に一致すると一致信号agが出力される。この一致信号
agは、上記セレクタ14hに与えられ、エンベロープ
レベルデータENとして上記フェーズ目標レベルデータ
TLが選択される。
【0062】この一致信号agは、フェーズインクリメ
ンタ14iにも与えられて、フェーズデータFZが+1
される。フェーズデータFZは、エンベロープ波形のア
タックフェーズ(“01”)、ディケイフェーズ(サス
ティンフェーズ)(“10”)、リリースフェーズ
(“00”)を示すデータである。このフェーズデータ
PHは、コンパレータ14eからの一致信号ag又はオ
ン/オフ信号ON/OFFによってインクリメントされ
る。このオン/オフ信号ON/OFFは、上記アサイン
メントメモリ8からCPU5によって読み出されてく
る。フェーズデータFZは、上記セレクタ14a、14
bに与えられて、各フェーズに応じたフェーズ目標デー
タLVL、フェーズスピードデータSPが選択される。
【0063】また、フェーズデータFZは2ビットデー
タであるが、各ビットデータはオアゲート14kを介し
て、上記イクスクルシブオアゲート群14fの各ゲート
に与えられるとともに、上記アダー14gのCin端子
に入力される。これにより、エンベロープフェーズFZ
がディケイフェーズ(“10”)、リリースフェーズ
(“00”)のとき、フェーズスピードデータSPがエ
ンベロープレベルデータENに対して減算され、エンベ
ロープ波形のレベル値が小さくなるように演算させる。
フェーズスピードデータSPDがエンベロープ波形デー
タENに対して加算され、エンベロープ波形のレベル値
が大きくなるように演算される。
【0064】上記フェーズ目標レベルデータTLのう
ち、アタックフェーズ目標レベルデータTL0は、「1
1…1」であり、リリースフェーズ目標レベルデータT
L2は「00…0」であり、ディケイフェーズ目標レベ
ルデータTL1は「11…1」と「00…0」の間の任
意の値に設定される。このディケイフェース目標レベル
データTL1は、エンベロープ波形のサスティンレベル
と同じである。むろん、各フェーズ目標データTLはこ
れらの値に限られない。
【0065】なお、上記乗算器14cとラッチ14d
は、エンベロープメモリ15からセレクタ14aへかけ
ての経路またはエンベロープレジスタ14jの出力端に
設けてもよい。
【0066】14.キーイベント処理 また、上記楽音生成処理(ステップ400)、ノートオ
ンカウント処理(ステップ450)、音域分布判別処理
(ステップ500)、及びレベル制御係数演算処理(ス
テップ550)の代わりに、図17に示すキーイベント
処理(ステップ800)を実行してもよい。この処理で
は、CPU5によって、キーオンイベント又はキーオフ
イベントがあったが否かが判別される(ステップ80
2、810)キーオンイベント時には、次にキーオンイ
ベント処理(ステップ804)が実行される。このキー
オンイベント処理は図18に示されるような処理であ
る。まず、ノートオンカウント値ONnがインクリメン
トされる(ステップ820)。そして、図10の音域分
布判別処理(ステップ500)が行われて、キーオンイ
ベントのあったキーの音域に応じた音域分布係数ELが
求められる(ステップ822)。
【0067】そして、ノートオンカウント値ONnと音
域分布係数ELとによって、レベル制御係数ALが決定
される(ステップ824)。このレベル制御係数AL
は、例えば標準パラメータ定数TALを予め決めてお
き、この標準パラメータ定数TALを、ノートオンカウ
ント値ONnと音域分布係数ELとによって修正する演
算を実行したり、あるいはONnとELとをパラメータ
とするデータテーブルから読み出す処理によって決定さ
れる。音域分布係数ELは、キーオンイベント時には、
標準パラメータ定数TALを減少させて、出力される楽
音信号SDのレベルを低下させる方向に作用する。決定
されたレベル制御係数ALは、レジスタ35に記憶され
る。
【0068】図17へ戻って上記のキーオンイベント処
理(ステップ804)が終了すると、次に、楽音諸パラ
メータがトーンジェネレータ11(音源LSI)にロー
ドされる(ステップ806)。楽音諸パラメータは、エ
ンベロープレベルデータENや、エンベロープメモリ1
5に記憶されている目標レベルデータTL、スピードデ
ータSPや、楽音波形メモリ13に記憶されている楽音
波形データMW等である。これらのパラメータが読み出
されると、次に発音処理(ステップ808)が行われ
る。この発音処理では、目標レベルデータTL、スピー
ドデータSP、エンベロープレベルデータEN、楽音波
形データMWに基づいて楽音信号SDが形成され累算器
17へ送られる。音源LSIは、トーンジェネレータ1
1内のLSIである。
【0069】一方、キーオフイベントがあったときに
は、ステップ810の次にダンパペダルオンフラグDF
がセットされているか否かが判別される(ステップ81
2)。そして、ダンパペダルオンフラグDFがセットさ
れている場合には、その他の処理(ステップSJ)へ移
る。また、ダンパペダルオンフラグDFがリセットされ
ている場合には、ダンパペダルが踏まれていないので、
キーオフイベントのあったキーの楽音をリリースフェー
ズに移行させる。これは、エンベロープメモリ15から
リリースフェーズの目標レベルデータTLとスピードデ
ータSPを読み出してトーンジェネレータ11(音源L
SI)にロードする処理によって行われる(ステップ8
14)。そして、キーオフイベント処理が実行される
(ステップ816)。
【0070】図19はキーオフイベント処理のフローチ
ャートである。まず、ノートオンカウント値ONnがデ
クリメントされる(ステップ830)。そして、図10
の音域分布判別処理(ステップ500)が行われて、キ
ーオフイベントのあったキーの音域に応じた音域分布係
数ELが求められる(ステップ832)。そして、ノー
トオンカウント値ONnと音域分布係数ELとによって
レベル制御係数ALが決定される(ステップ834)。
このキーオフイベント時には、音域分布係数ELは、標
準パラメータ定数TALを増加させて、出力される楽音
信号SDのレベルを増大させる方向に作用する。この決
定されたレベル制御係数ALはレジスタ35に記憶され
る。
【0071】本発明は上記実施例に限定されず、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例え
ば、上記実施例では、押鍵数とキーオン/オフのあった
キーの音域と、ダンパペダルのオン/オフに基づいて合
成楽音信号SDのレベルを修正しているが、押鍵数の
み、キーの音域または音高のみ、ダンパペダルのオン/
オフのみに基づいて修正を行っても良いし、押鍵数と音
域または音高、押鍵数とダンパペダルのオン/オフ、音
域または音高とダンパペダルのオン/オフに基づいて修
正を行っても良い。これらは全て、D−A変換器20の
入力レベルの増減に関与するからである。
【0072】また、図9のノートオンカウント処理(ス
テップ450)において、キーオンデータが記憶されて
いるチャンネルの数をカウントしているが(ステップ4
56)、これを図15に示すように発音中のデータが記
憶されているチャンネルの数をカウントするようにして
も良い(ステップ470)。これによって、押鍵が行わ
れなくても発音される楽音がある場合の同時発音数を考
慮した制御が行える。機種によっては1つのキーで複数
のチャンネルを使用する場合もあり、また音色の設定
(例えばピアノ、オルガン、ハープシコード等)によっ
ても使用するチャンネル数が変わる場合もあるからであ
る。
【0073】また、レベル制御係数ALは、図13に示
すデータテーブル60のような関係で決められるものに
限定されない。例えば、図16のD1、D2に示すよう
にノートオンカウント値ONnが一定値K以上の時に曲
線的に減少する関係であっても良いし、図16のD3、
D4、D5に示すようにノートオンカウント値ONnの
増加に応じて一定値Pから曲線的又は直線的に減少する
関係であっても良い。
【0074】さらに、上記実施例では、累算器17から
出力される合成楽音信号データSDのレベルを修正する
ための乗算器18をデジタルフィルタ19の前段に設け
てあるが、乗算器18をデジタルフィルタ19の後段に
設けても良い。
【0075】また、上記実施例では、アコースティック
ピアノの発生音を模擬して生成する電子楽器を説明した
が、ピアノ以外の楽器の発生音を生成する電子楽器にも
本発明を適用できる。この場合、キーボード1は、電子
弦楽器、電子管(リード)楽器、電子打(パッド)楽
器、コンピュータのキーボード等で代用しても良い。ダ
ンパペダルのオン/オフに基づくD−A変換器20の入
力レベルの修正は、ピアノ以外にマリンバ等のダンパ機
能を有する楽器の発生音を生成する場合に適用できる。
【0076】さらに、上記実施例では、残響音生成処理
や共鳴音生成処理等の効果音を生成する処理を行う電子
楽器を示したが、これらの処理を行わない電子楽器であ
っても良い。この場合には、少なくともキーオン数を検
出してD−A変換器20の入力信号レベルを修正する処
理を行う。
【0077】また、ダンパペダルのオンによってキーボ
ード1のキーのオフがあっても、キーオフイベント処理
がなされず、同時発音数すなわちノートオンカウント値
データONnが減少しないようにし、ダンパペダルのオ
フによって、上記ダンパペダルのオン中にオフのあった
キーのキーオフイベント処理がなされるようにして、こ
こで初めてノートオンカウント値データONnがオンキ
ー数に一致するようにしても良い。この場合、特願平3
−85225号の図1の消音処理、図6の全体処理、図
7のパネル処理のフローチャートに示される処理がCP
U5によって行われる。さらに、上記の各実施例におい
ては、音域(キーナンバデータKN)を、そっくり、音
高、音色(トーンナンバデータTN)またはタッチデー
タに置換えて同様の処理を行うことができる。この場
合、図11の音域分布係数ELは、音高分布係数、音色
分布係数またはタッチ分布係数となる。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、キーオ
ン数やキーオン/キーオフのあった音域の、或はダンパ
のオン/オフ等の同時発音数又は同時発音数の増減に関
連する情報を検出し、この情報に基づいてD−A変換器
に入力される合成楽音信号のレベルを適正レベルに修正
する。これによって、同時発音数が多い場合には、合成
楽音信号レベルを制御してD−A変換器の入力信号レベ
ルが最大振幅を越えることを防止でき、ノイズの発生を
回避できる。また、同時発音数が少ない場合には、合成
楽音信号、レベルの制御を排除又は緩和して、1楽音当
たりの分解能を高め、発音される楽音を明瞭にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】電子楽器の全体回路図である。
【図3】アサインメントメモリ8を示す図である。
【図4】レジスタ群及びデータメモリを示す図である。
【図5】全体処理のフローチャートを示す図である。
【図6】ペダルイベント処理フローチャートを示す図で
ある。
【図7】楽音生成処理のフローチャートを示す図であ
る。
【図8】レベル制御処理のフローチャートを示す図であ
る。
【図9】ノートオンカウント処理のフローチャートを示
す図である。
【図10】音域分布判別処理のフローチャートを示す図
である。
【図11】音域分布係数テーブルを示す図である。
【図12】レベル制御係数演算処理のフローチャートを
示す図である。
【図13】レベル制御係数テーブルを示す図である。
【図14】エンベロープジェネレータ14の構成を示す
回路図である。
【図15】第2実施例のノートオンカウント処理のフロ
ーチャートを示す図である。
【図16】レベル制御係数テーブルの他の例を示す図で
ある。
【図17】キーイベント処理のフローチャートを示す図
である。
【図18】キーオンイベント処理のフローチャートを示
す図である。
【図19】キーオフンイベント処理のフローチャートを
示す図である。
【符号の説明】
M1…楽音信号生成手段、M2…合成手段、M3…D−
A変換器、M4…音量因子検出手段、M5…楽音信号の
レベル修正手段、M6…楽音発生指示手段、1…キーボ
ード、5…CPU、8…アサインメントメモリ、10…
ペダル、11…トーンジェネレータ、14…エンベロー
プジェネレータ、15…エンベロープメモリ、16…乗
算器、17…累算器、18…乗算器、19…デジタルフ
ィルタ、20…D−A変換器、21…サウンドシステ
ム、30〜36…レジスタ、40…データテーブル。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音の発生を指示する複数の楽音発生指示
    手段と、 この複数の楽音発生指示手段のそれぞれの指示に応じて
    楽音信号を生成する楽音信号生成手段と、 この楽音信号生成手段によって生成される複数チャンネ
    ルの楽音信号を合成する合成手段と、 この合成手段によって合成された合成楽音信号の音量レ
    ベル決定因子を検出する音量因子検出手段と、 この音量因子検出手段によって検出された音量レベル決
    定因子に基づいて上記合成楽音信号の音量レベルを修正
    制御するレベル修正手段とを備えたことを特徴とする楽
    音信号のレベル制御装置。
  2. 【請求項2】上記音量因子検出手段は、上記指示されて
    いる楽音発生指示手段の数を検出することを特徴とする
    請求項1記載の楽音信号のレベル制御装置。
  3. 【請求項3】上記音量因子検出手段は、上記指示されて
    いる楽音発生指示手段の音域または音高を検出をするこ
    とを特徴とする請求項1記載の楽音信号のレベル制御装
    置。
  4. 【請求項4】上記音量因子検出手段はダンパペダルのオ
    ン及びオフを検出をすることを特徴とする請求項1記載
    の楽音信号のレベル制御装置。
  5. 【請求項5】上記楽音信号のレベル修正手段は、上記合
    成楽音信号が変換されるD−A変換器の最大振幅を超え
    ないようにしたり、D−A変換器の最大振幅から小さく
    なり過ぎないようにすることを特徴とする請求項1記載
    の楽音信号のレベル制御装置。
JP24287894A 1994-10-06 1994-10-06 楽音信号のレベル制御装置 Expired - Fee Related JP3419563B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24287894A JP3419563B2 (ja) 1994-10-06 1994-10-06 楽音信号のレベル制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24287894A JP3419563B2 (ja) 1994-10-06 1994-10-06 楽音信号のレベル制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08106291A true JPH08106291A (ja) 1996-04-23
JP3419563B2 JP3419563B2 (ja) 2003-06-23

Family

ID=17095580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24287894A Expired - Fee Related JP3419563B2 (ja) 1994-10-06 1994-10-06 楽音信号のレベル制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3419563B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6031173A (en) * 1997-09-30 2000-02-29 Kawai Musical Inst. Mfg. Co., Ltd. Apparatus for generating musical tones using impulse response signals
US6762357B2 (en) 2001-04-17 2004-07-13 Kawai Musical Instruments Mfg. Co., Ltd. Resonance apparatus, resonance method and computer program for resonance processing
US7790977B2 (en) 2007-08-22 2010-09-07 Kawai Musical Instruments Mfg. Co., Ltd. Component tone synthetic apparatus and method a computer program for synthesizing component tone

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009230610A (ja) 2008-03-25 2009-10-08 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 命令処理装置及び命令処理方法。

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6031173A (en) * 1997-09-30 2000-02-29 Kawai Musical Inst. Mfg. Co., Ltd. Apparatus for generating musical tones using impulse response signals
US6762357B2 (en) 2001-04-17 2004-07-13 Kawai Musical Instruments Mfg. Co., Ltd. Resonance apparatus, resonance method and computer program for resonance processing
US7790977B2 (en) 2007-08-22 2010-09-07 Kawai Musical Instruments Mfg. Co., Ltd. Component tone synthetic apparatus and method a computer program for synthesizing component tone

Also Published As

Publication number Publication date
JP3419563B2 (ja) 2003-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2021148864A (ja) 電子鍵盤楽器、楽音発生方法及びプログラム
US6762357B2 (en) Resonance apparatus, resonance method and computer program for resonance processing
JP7230870B2 (ja) 電子楽器、電子鍵盤楽器、楽音発生方法およびプログラム
JP4335570B2 (ja) 共鳴音生成装置、共鳴音生成方法及び共鳴音生成のためのコンピュータプログラム
JP3694172B2 (ja) 残響共鳴装置及び残響共鳴方法
JP3419563B2 (ja) 楽音信号のレベル制御装置
JP3530601B2 (ja) 楽音信号の周波数特性制御装置及び周波数特性制御方法
JP3530600B2 (ja) 楽音信号の周波数特性制御装置及び周波数特性制御方法
JP3436806B2 (ja) 楽音信号のエンベロープ制御装置
JP2698942B2 (ja) 楽音発生装置
JP3419562B2 (ja) 楽音信号のレベル制御装置
JP4785052B2 (ja) 楽音発生装置
JP3706371B2 (ja) 楽音信号の周波数特性制御装置及び周波数特性制御方法
JPH11161273A (ja) 楽音生成装置及び楽音生成方法
JP3706372B2 (ja) 楽音信号の周波数特性制御装置及び周波数特性制御方法
JP3567482B2 (ja) 電子楽器
JP4059581B2 (ja) 電子音響装置のゆらぎ付加装置及びゆらぎ付加方法
JP3595676B2 (ja) 楽音生成装置及び楽音生成方法
JPH0266597A (ja) 楽音合成装置及び楽音合成方法
JP2000194361A (ja) 電子音響装置のゆらぎ付加装置及びゆらぎ付加方法
JP2953217B2 (ja) 電子楽器
US6160214A (en) Non-consonance generating device and non-consonance generating method
JPH07104753A (ja) 電子楽器の自動調律装置
JP3637190B2 (ja) 楽音生成装置及び楽音生成方法
JP2940763B2 (ja) 電子楽器

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees