JPH11133899A

JPH11133899A - ケミカルエッチング方法及び表示板

Info

Publication number: JPH11133899A
Application number: JP31643797A
Authority: JP
Inventors: Hidekazu Chishiki; 英和知識
Original assignee: KYOWA KOGEI KK
Current assignee: KYOWA KOGEI KK
Priority date: 1997-10-30
Filing date: 1997-10-30
Publication date: 1999-05-21

Abstract

(57)【要約】【課題】夜間の視認性に優れ装飾性を高め得るケミカ
ルエッチング方法及び表示板を提供する。【解決手段】ケミカルエッチングされた装飾材１のエ
ッチング部分４に、ブラックライト１５の照射光で発光
する、硫化物又は酸化物を主成分とする蛍燐光体顔料入
り透明性塗料を塗装し、サイン８を表示してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、銘板や看板等の表
示板に係り、近紫外線を照射して発光させるケミカルエ
ッチング方法及び表示板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】会社の銘板や広告表示板、装飾壁材等
は、通常、金属板に各種の塗料を塗布してこれと異なる
色で文字、記号、図柄等を描き、任意のサインを表示す
るようにしている。このサインは、昼間には太陽光で
視認できるものの、夜間では殆ど見えないことから、銘
板や表示板の近傍に照明装置を設けるのが一般である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の照明装置は、電球、蛍光灯、水銀灯等であり、夜間に
銘板や表示板等を照らしても、反射光でサインが表示さ
れるだけなので、文字、記号、図柄等が格別に強調され
るものではなかった。このため、遠方からの視認性が低
く、装飾性にも劣ることから表示したいサインのアピー
ル性、広告効果等の点で期待し難いものであった。本発
明は、上記課題に鑑みてなされたもので、夜間の視認性
に優れ装飾性を高め得るケミカルエッチング方法及び表
示板を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうち請求項１に記載の発明は、装飾材をケ
ミカルエッチングした後、このエッチング部分にブラッ
クライトの照射光で発光する、硫化物又は酸化物を主成
分とする蛍燐光体顔料入り透明性塗料（以下、特殊無機
蛍光体入り塗料という）を塗装することを特徴としてい
る。また、請求項２に記載の発明は、ケミカルエッチン
グされた装飾材のエッチング部分に、ブラックライトの
照射光で発光する特殊無機蛍光体入り塗料を塗装しし、
サインを表示してなることを特徴としている。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図示例を参照しながら説明する。図１〜図５は、ケ
ミカルエッチング方法による銘板の製作工程を示す説明
図、図６は、ケミカルエッチング方法により製作された
銘板を示す正面図である。

【０００６】この実施の形態においては、ケミカルエッ
チング法により、表示板として会社の銘板を製作する例
を説明するものとする。この銘板は、装飾材の表面をエ
ッチングしてから特殊塗料を塗装し、全体を保護皮膜で
覆うことにより、夜間にブラックライトの照射光で会社
名または表面を発光させて、会社名の文字を表示する構
成になっている。装飾材としては、主にステンレス、カ
ラーステンレス、銅、真鍮、アルミニウム等の金属板を
用い、表示する文字等の数、サイズに合わせて適当な大
きさに切断する。例えば、「ＨＯ株式会社」のように英
字と漢字とからなる会社名を横配列で表示する場合は、
図１に示すように、予め横長の金属板１を形成してお
く。そして、この金属板１の表面１ａに前記会社名の文
字形が残るように、耐蝕加工を施す。この耐蝕加工に写
真製版技術を採用する場合、金属板１の表面１ａに図２
に示す如く会社名の表示部分３を除いて感光剤を塗布
し、耐蝕性皮膜２を設ける。

【０００７】なお、この耐蝕加工は、写真製版技術の他
に、耐蝕性インクを用いて会社名の部分を除く印刷を行
うようにしてもよい。つぎに、金属板１の表面１ａをエ
ッチング（食刻）する。このエッチングは、金属板１の
種類に応じた金属溶融薬剤を用いて行い、図３に示すよ
うに、耐蝕性皮膜２の部分を除く凹状部４（エッチング
部）を生じさせる。この凹状部４は、金属板１の表面１
ａから０．１ｍｍ〜０．２ｍｍ程度の深さにしておくの
が好ましい。続いて、この凹状部４に特殊無機蛍光体入
り塗料５を塗装する。この特殊無機蛍光体入り塗料５
は、後述のブラックライト１５の照射光により発光する
ものである。この塗料５は、ユーザーの好みあるいは装
飾性に優れた色が選択され、塗装器具や刷毛塗りにより
塗装する。これにより、図４に示す如く金属板１の凹状
部４に塗料５が充填される。

【０００８】そして、塗装済の表面１ａを自然に乾燥さ
せるか、あるいは乾燥機を用いて強制的に乾燥させる。
この乾燥が終わると、表面１ａの耐蝕性皮膜２を剥離す
るとともに、表面１ａから突出する塗料５をヘラあるい
は布等で除去し、異物が残らないように清掃しておく。
なお、耐蝕性皮膜２の剥離作業は、前記塗料５の塗装前
に行ってもよい。この後、金属板１の表面１ａに透明の
皮膜６を設ける。この透明皮膜６は、透明の合成樹脂塗
料を表面１ａ全体に塗布するか、透明フィルムを全体に
貼着して形成する。これにより、金属板１は、図５に示
すように、裏面１ｂを除く表面１ａ全体が保護されると
ともに、塗料５による会社名の部分のみがブラックライ
ト１５の照射光で発光可能となる。なお、金属板１は、
透明皮膜６を設けずに表面１ａを清掃した状態で仕上げ
てもよい。何れの場合も、壁面等へ固定するために金属
板１のコーナーにネジ挿通孔１ｃを形成したり、金属板
１の裏にボルトを突設しておくと、図６に示す如く「Ｈ
Ｏ株式会社」の文字部分８のみが発光する銘板７が製作
される。

【０００９】次に、上記表示形態とは逆に「ＨＯ株式会
社」の文字部分を除く表面１ａ全体を発光させる銘板１
２の製作について説明する。この場合も、図７に示すよ
うな横長の金属板１を用意し、その表面１ａに予め耐蝕
加工を施す。ここでは、図８に示す如く会社名の文字部
分のみが残るように、感光剤を塗布するか、耐蝕性シー
トを貼着する等の方法によって耐蝕性皮膜１０を設け
る。つぎに、この耐蝕性皮膜１０を除いて金属溶融薬剤
により金属板１の表面１ａをエッチングする。このエッ
チングにおいては、図９に示すように、耐蝕性皮膜１０
部分が凸状で、その他の部分は梨地とするために凹状部
１１となるようにエッチングしておく。続いて、この凹
状部１１に前述の特殊無機蛍光体入り塗料５を塗装する
と、図１０に示す如く凹状部１１全体に塗料５が充填さ
れる。

【００１０】そして、この塗料５を乾燥させてから、耐
蝕性皮膜１０を剥離したり、余分な塗料５を除去して、
異物が残らないように清掃する。この後、図１１に示す
ように、表面全体に透明の合成樹脂塗料を塗布して透明
皮膜６を形成しておくと、会社名の文字部分１３のみを
除く塗料５部分がブラックライト１５の照射光で発光可
能となる。このように、英字と漢字とを凸状にすると、
図１２に示す如く「ＨＯ株式会社」を示す文字部分１３
が発光せず、梨地の表面１ａ全体が照射光で発光する銘
板１２が製作される。

【００１１】ところで、前記銘板７は、図１３、図１４
に示すように、会社建物等の壁面１８に取付ネジ１４で
固定したり、図１５に示す如く壁面１８に取付ネジ１９
で固定する。そして、上部側にブラックライト１５を取
り付ける。このブラックライト１５は、３５０ｎｍ（ナ
ノメータ）付近の近紫外線（ＵＶ−Ａ）を放射する照明
器具であって、管球の種類により蛍光灯タイプと電球タ
イプとがあり、前述のような横長の銘板７，１２には蛍
光灯タイプ１５が用いられる。このブラックライト１５
は、図示しない細長の本体を銘板７の上部側に沿って取
り付けると、管球１６からの照射光が銘板７側に放射さ
れるとともに、反射傘１７で反射した光も銘板７側に向
けられる。なお、このブラックライト１５は、タイマー
を介して電源部に接続されるのが一般で、夜間にのみ点
灯するようにタイマーのオン・オフ時間をセットしてお
くと、毎夜一定の時間だけ銘板７を発光させることがで
きる。なお、製品の面積が大きいときには電球タイプ
のブラックライトを下方から照射するのが望ましい。

【００１２】即ち、これら銘板は、昼間において太陽光
を受けたとき、前者の銘板７が金属板１と異なる特殊無
機蛍光体入り塗料５の色で「ＨＯ株式会社」を表示す
る。また、後者の銘板１２は、「ＨＯ株式会社」のみが
金属板１の色になるが、これを除く全体は特殊無機蛍光
体入り塗料５の色となる。一方、夜間になってブラック
ライト１５の管球１６が点灯すると、前者の銘板７は塗
料５で記された文字部分８の「ＨＯ株式会社」のみがス
カシ字のようになり発光する。よって、この会社名が明
るく輝き、遠方からも容易に視認できる。

【００１３】次に、他の実施の形態について説明する。
この実施の形態は、金属板や各種装飾材により立体的な
文字を形成して、前述のケミカルエッチングを施し、銘
板、広告表示板、看板、表札等を製作するものである。
例えば、前記「ＨＯ株式会社」を立体文字にする場合、
英文字の“ＨＯ”について説明すると、前記金属板１の
うち何れかを用いて略“Ｈ”および“Ｏ”の形に切り取
る。このときは、レーザー、ウオータージェット、帯鋸
盤等の切断手段を採用する。そして、この切断文字の周
囲に沿って、帯にした金属をはりつけてゆくことによ
り、図１６（ａ），（ｂ）に示すような立体文字２０の
“Ｈ”と２１の“Ｏ”とを作成する。この立体文字２
０，２１は、背面側が開口しているので、この開口を覆
う形状に切り取った金属片を半田付けすると、内部に空
間を有した立体文字となる（図１７の断面図参照）。な
お、各文字２０，２１の裏面２０ｂ，２１ｂには、取付
ネジのヘッドを掛止するための掛止孔２０ｃ，２１ｃを
それぞれ形成しておく。

【００１４】つぎに、図１８（ａ），（ｂ）に示すよう
に、各立体文字２０，２１の表面２０ａ，２１ａに前述
の特殊無機蛍光体入り塗料５を塗装する。この際は、裏
面２０ｂ，２１ｂに養生用シートを貼着する等により塗
料５の付着を回避しておくのが好ましい。続いて、特殊
無機蛍光体入り塗料５を乾燥させてから養生用シートを
除去した後、透明の合成樹脂塗料を塗布して透明皮膜を
形成すると、ブラックライト１５の照射光で表面２０
ａ，２１ａの発光する立体文字２０，２１が製作され
る。ところで、この立体文字“Ｈ”，“Ｏ”は、表面全
体に直接特殊無機蛍光体入り塗料５を塗装するのでな
く、予め金属溶融薬剤により表面側をエッチングし、梨
地にしておいてから同じ特殊無機蛍光体入り塗料５を塗
り、さらに透明皮膜を設けるようにしてもよい。また、
図１８（ｃ）のように文字の立ち上がり部の側面２１ｄ
に塗料５を塗布してもよく、さらには切断文字の縁部を
除いて塗料５を塗布してもよい。

【００１５】このように、立体文字“Ｈ”，“Ｏ”に続
き「株式会社」の文字を製作すると、図１９（ａ），
（ｂ）に示す如く取付ネジ２２を用いて壁面１８等へ固
定する。そして、各文字２０，２１の上部側に電球タイ
プのブラックライトをそれぞれ設置すれば、昼間に特殊
無機蛍光体入り塗料５の色で会社名が表示され、夜間に
なるとブラックライトの照射光で各文字を発光させるこ
とができる。これらは、立体文字なので、壁面１８から
浮き上がる発光状態となり、視認し易い表示となるもの
である。なお、この立体文字２０，２１は、壁面１８に
直付けするのでなく、図２０（ａ），（ｂ）に示すよう
に、ロッド状の長い取付ネジ２３を用いてそれぞれを固
定してもよい。これにより、各立体文字２０，２１が壁
面１８から離間するので、一層の立体感を現出すること
ができる。

【００１６】図２１〜図２３は、立体文字の変形例を示
すものである。図２１の立体文字２４は、図１６（ａ）
と同一形状であるが、表面２４ａ側に立体文字２４の形
と同じまたは異なる形の文字や記号といったサイン２５
を入れるものである。この立体文字２４は、金属板によ
り形成された表面２４ａの一部をエッチングし、このエ
ッチング部分に特殊無機蛍光体入り塗料５を塗装した
後、表面２４ａ全体に透明皮膜を設ける。そして、表面
２４ａ側から裏面２４ｂ側に貫通するネジ挿通孔に取付
ネジ２６を挿通して壁面１８に螺入することにより直付
けする。この立体文字２４は、夜間になるとブラックラ
イトの照射光で文字の形と同じまたは異なるサイン２５
が発光するので、興趣のある文字表現がなされる。

【００１７】図２２は、図１６（ａ）と同一形の立体文
字２７をベース２８に重ねる例であり、図２３は、ベー
ス２８と離間させるものである。このベース２８は、立
体文字２７より大きいサイズに金属板で形成するが、表
示すべき立体文字の全てを載置可能な大きさの細長い板
状にしてもよい。また、立体文字２７と同じ金属板の色
のままでもよいが、表面全体をエッチングしてから特殊
無機蛍光体入り塗料５を塗装し、透明皮膜を設けるよう
にしてもよい。このように形成されたベース２８は、ネ
ジ挿通孔を穿設しておくことにより、図２２に示す如く
立体文字２７をベース２８に重ね取付ネジ２９で壁面１
８に固定する。この立体文字２７とベース２８とは、共
に壁面１８から突出するので、ボリューム感ある表示が
なされる。また、図２３に示すように、ベース２８から
立体文字２７を離間させた状態で長い取付ネジ３０によ
り壁面１８に固定すると、立体文字２７が浮き上がって
見えるので、より一層ボリューム感のある表示となる。

【００１８】次に、さらに他の実施の形態について説明
する。この実施の形態は、金属板により切り文字を形成
して、前述のケミカルエッチングを施し、銘板、広告表
示板、看板等を製作するものである。例えば、前記と同
様に「ＨＯ株式会社」を切り文字の銘板にする場合、英
文字の“Ｈ”について説明すると、まず、前述と同様に
金属板を図２４に示すように、“Ｈ”字状に切り取って
２枚１対の文字３２，３３を形成する。この銘板３１
は、図２５に示す如く２枚の切取り文字３２，３３を間
隔をあけて一体化するもので、下部切取り文字３２の表
面３２ａをエッチングしてから前述の特殊無機蛍光体入
り塗料５を塗装する。一方、上部切取り文字３３は、金
属板の色のままでもよいが、特殊無機蛍光体入り塗料５
と異なる色で塗装しておいてもよい。

【００１９】この後、下部切取り文字３２にネジ挿通孔
を形成しておき、この挿通孔に長い取付ネジ３４を挿通
して壁面１８に固定する。そして、突出する取付ネジ３
４のヘッドに上部切取り文字３３の裏面を溶接等で固着
する。このように、他の文字も壁面１８に順次固定して
から、銘板３１の上部側にブラックライト１５を取り付
ける。このブラックライト１５は、下部切取り文字３２
と上部切取り文字３３とのほぼ中間にランプ１６が位置
するようにしておく。すると、昼間においては下部切取
り文字３２側が上部切取り文字３３に隠れて見えない
が、夜間になるとランプ１６からの照射光および反射傘
１７からの光により下部切取り文字３２が発光し、上部
切取り文字３３の輪郭から漏れる光で美しい文字表示を
行うことができる。

【００２０】なお、切取り文字３９を、図２６に示すよ
うに、平板状のベース４０上に配列して銘板３８を製作
してもよい。この場合は、横長の金属板からなるベース
４０を用意し、これをそのまま使用するか表面４０ａに
適当な色の塗装を施しておく。そして、このベース４０
上に特殊無機蛍光体入り塗料５を塗装した前記切取り文
字３２と同じ切取り文字３９を固着する。ここでは、図
２７に示す如くベース４０を取付ネジ１９により壁面１
８へ固定してから切取り文字３８を固着してもよいし、
予め切取り文字３８をベース４０に固着した状態で壁面
１８に固定してしてもよい。この後、蛍光灯タイプのブ
ラックライト１５を銘板３８の上部側に取り付ける。す
ると、昼間においてはベース４０と異なる色の切取り文
字３８が表示され、夜間になるとブラックライト１５の
照射光により上部側の切取り文字３８のみが発光し、会
社名を強くアピールし得る表示を行うことができる。

【００２１】図２８〜図３０は、前記切取り文字を厚板
で形成した銘板の例を示すものである。図２８（ａ），
（ｂ）の切取り文字４１は、厚さ１．２ｍｍ〜２０ｍｍ
程度の金属板４２を前述と同様に切断手段で文字の形に
切り取る。そして、この切取り文字４１の表面４２ａを
エッチングしてから前述の特殊無機蛍光体入り塗料５を
塗装し、これを乾燥させた後に透明皮膜を設けるのがよ
いが、透明皮膜は設けなくてもよい。このように形成し
た切取り文字４１は、図２８（ａ）に示すように、取付
ネジ１９で壁面１８に直付けしたり、図２８（ｂ）の如
く長い取付ネジ３４で壁面１８から離間させて固定す
る。これにより、図１９および図２０に示した銘板７に
ほぼ等しい作用・効果を奏する。図２９（ａ），（ｂ）
の切取り文字４３も、厚板を切断して形成するが、金属
板４２の表面４２ａの一部をエッチングしてから特殊無
機蛍光体入り塗料５を塗装し、サイン４４を表示する。
そして、これを乾燥させた後、表面４２ａ全体に透明皮
膜を設けておく。この切取り文字４３も、前記と同じく
取付ネジ１９で壁面１８に直付けしたり、長い取付ネジ
３４で壁面１８から離間させて固定する。これにより、
図２９（ａ）の切取り文字４３が図２１の例にほぼ等し
い作用・効果を奏し、図２９（ｂ）の切取り文字４３が
図２０の如くブラックライト１５で浮き上がるような文
字表示を行うことができる。

【００２２】図３０（ａ），（ｂ）は、薄めの金属板を
切断して２枚１対を形成するもので、下部側となる切取
り文字４５の表面４５ａをエッチングしてから特殊無機
蛍光体入り塗料５を塗装する。一方、上部側となる切取
り文字４６は、金属板の色のままでもよいが、特殊無機
蛍光体入り塗料５と異なる色で塗装しておく。これら切
取り文字４５．４６は、図３０（ａ）に示すように、下
部側の切取り文字４５に形成した挿通孔に長い取付ネジ
３４を挿通して壁面１８に固定する。そして、壁面１８
より突出する取付ネジ３４のヘッドに上部側の切取り文
字４６の裏面を溶接等で固着すると、図２５に示した銘
板３１の例にほぼ等しい作用・効果を奏する。一方、図
３０（ｂ）の場合は、切取り文字の下部側４５を上部側
４６より若干大きめに形成してベースとする。そして、
下部側４５に上部側４６を重ねた状態で取付ネジ１９を
用い壁面１８に固定すると、図２７に示した銘板３８と
は逆の表示がなされる。

【００２３】図３１〜図３６は、前記各実施の形態およ
び各種変形例に基づいて製作した銘板等に額縁を設ける
例を示すものである。図３１の銘板４７は、切取り文字
４９を離間してベース４８に取り付け、このベース４８
の外周縁に額縁５０を一体形成した構成となっている。
ベース４８は、前記各実施の形態と同じく細長の金属板
を用い、外周縁を裏面側に折り曲げて折曲片４８ｂを形
成し、この折曲片４８ｂにネジ挿通孔を穿設している。
このベース４８は、表面４８ａをエッチングしてから特
殊無機蛍光体入り塗料５を塗装する。そして、細長い枠
を用意し、図３１、図３２（ａ）に示すように、ベース
４８の外周縁４８ｃに固着して一体化することにより額
縁５０を設ける。切取り文字４９は、前記金属板を切断
して会社名を示す文字を形成したもので、それぞれは支
軸５１によりベース４８の表面４８ａ側に固着される。
このように製作された銘板４７は、折曲片４８ｂを壁面
１８に当接し、取付ネジ５３を介して固定する。これに
より、前述の銘板７や１２よりも装飾性が増すうえ、額
縁５０によって豪華さも加わるものである。図３２
（ｂ）に示す銘板は、図３２（ａ）に示した銘板４７の
変形例であり、金属板の表面５２ａをエッチングして特
殊無機蛍光体入り塗料５を塗装した切取り文字５２を支
軸５１でベース４８に固着している。

【００２４】また、図３３（ａ）に示す銘板も、図３２
（ａ）に示した銘板４７とほぼ同一の構成であり、切取
り文字４９をベース４８の表面４８ａ側に支軸５１で直
付けしている。また、図３３（ｂ）に示す銘板も、図３
２（ｂ）に示した銘板４７とほぼ同一の構成であり、切
取り文字５２をベース４８の表面４８ａ側に支軸５１で
直付けしている。また、図３４（ａ）に示す銘板５５
は、図３３（ａ）に示した銘板４７とほぼ同一の構成で
あるが、ベース４８の外周縁４８ｄに額縁５６を設ける
点のみが異なっている。この額縁５６は、断面略コ字状
の金属枠にして、その表面５６ａをエッチングし特殊無
機蛍光体入り塗料５を塗装したものである。この銘板５
５は、額縁５６の基端５６ｂを壁面１８に直付けして固
定する。また、図３４（ｂ）に示す銘板も、図３４
（ａ）に示した銘板５５とほぼ同一の構成であり、切取
り文字５２を支軸５１によりベース４８の表面４８ａ側
に固着して、離間させる点のみが異なるものである。

【００２５】また、図３５、図３６は、図３４（ａ），
（ｂ）に示した銘板５５に前記ブラックライト１５をそ
れぞれ設置した例であり、図３６側のブラックライト１
５は図３５側よりも壁面１８から長く突出する構成とな
っている。このように、他の銘板にも光の反射に最適な
ブラックライトを設置するようになっている。以上説明
したように、各銘板は特殊無機蛍光体入り塗料５を塗装
したベースおよび／または切取り文字がブラックライト
で発光するので、立体感やボリューム感のある視認性に
優れた表示を行うことができるものである。なお、上記
各実施の形態および各種変形例は、主に銘板に適用する
場合について説明したが、広告表示板や看板や壁材等の
他に表札の製作にも採用し得る。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項１に記載の発明は、装飾材をケミカルエッチングした
後、このエッチング部分に特殊無機蛍光体入り塗料を塗
装することから、任意に多様なサインを表示することが
可能であり、銘板や各種広告表示板等の製作に採用した
場合、昼間は塗料の色で文字、記号、柄等を表示できる
一方、夜間にはブラックライトの照射光で塗料部分が発
光するため、視認性および装飾性に優れた表示を行うこ
とができる効果がある。また、請求項２に記載の発明
は、表示板がケミカルエッチングされた装飾材のエッチ
ング部分に、ブラックライトの照射光で発光する特殊無
機蛍光体入り塗料を塗装してなることから、任意に多様
なサインを表示することが可能であり、表示板を銘板や
各種広告表示板等とした場合、昼間は塗料の色で文字、
記号、柄等を表示できる一方、夜間にはブラックライト
の照射光で塗料部分が発光するため、視認性および装飾
性に優れた会社名や広告等の表示を行うことができる利
点がある。さらに、小さい文字であっても明瞭に発光さ
せることができるので、広告効果、視認効果を高めるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る銘板の製作に用いる
装飾材を示す斜視図である。

【図２】銘板７の製作工程において耐蝕性皮膜を設けた
装飾材を示す斜視図である。

【図３】ケミカルエッチングを施した装飾材の図２Ａ−
Ａ線に沿った断面図である。

【図４】同装飾材１に特殊無機蛍光体入り塗料を塗装す
る工程を示す説明図である。

【図５】同装飾材１に透明皮膜を設ける工程を示す説明
図である。

【図６】文字部分が発光する銘板を示す正面図である。

【図７】変形例に係る銘板の製作に用いる装飾材を示す
斜視図である。

【図８】同銘板７の製作工程において耐蝕性皮膜を設け
た装飾材を示す斜視図である。

【図９】ケミカルエッチングを施した装飾材の図７Ａ−
Ａ線に沿った断面図である。

【図１０】同装飾材１に特殊無機蛍光体入り塗料を塗装
する工程を示す説明図である。

【図１１】同装飾材１に透明皮膜を設ける工程を示す説
明図である。

【図１２】文字部分を除く表面全体が発光する銘板を示
す正面図である。

【図１３】銘板７およびブラックライトの設置状態を示
す斜視図である。

【図１４】同銘板７およびブラックライトの設置状態を
示す縦断面図である。

【図１５】変形例の銘板７およびブラックライトの設置
状態を示す縦断面図である。

【図１６】本発明の他の実施の形態に係る立体文字を示
す斜視図である。

【図１７】ケミカルエッチングを施した各立体文字の図
１６Ａ−Ａ線に沿った各断面図である。

【図１８】同各立体文字に透明皮膜を設ける工程を示す
説明図である。

【図１９】同各立体文字の設置状態を示す縦断面図であ
る。

【図２０】同各立体文字の他の設置状態を示す縦断面図
である。

【図２１】立体文字の変形例を示す縦断面図である。

【図２２】立体文字の他の設置例を示す縦断面図であ
る。

【図２３】立体文字のさらに他の設置例を示す縦断面図
である。

【図２４】本発明のさらに他の実施の形態に係る切取り
文字を示す斜視図である。

【図２５】同切取り文字およびブラックライトの設置状
態を示す縦断面図である。

【図２６】切取り文字の変形例を示す斜視図である。

【図２７】同切取り文字およびブラックライトの設置状
態を示す縦断面図である。

【図２８】切取り文字の他の変形例を示す縦断面図であ
る。

【図２９】切取り文字のさらに他の変形例を示す縦断面
図である。

【図３０】切取り文字の他の設置状態を示す縦断面図で
ある。

【図３１】額縁を設けた銘板を示す正面図である。

【図３２】図３１Ａ−Ａ線に沿った各銘板を示す縦断面
図である。

【図３３】額縁を設けた銘板の変形例１を示す縦断面図
である。

【図３４】額縁を設けた銘板の変形例２を示す縦断面図
である。

【図３５】額縁を設けた銘板およびブラックライトの設
置状態を示す縦断面図である。

【図３６】他の銘板およびブラックライトの設置状態を
示す縦断面図である。

【符号の説明】

１装飾材４エッチング部分５特殊無機蛍光体入り塗料８サイン１５ブラックライト

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】装飾材をケミカルエッチングした後、こ
のエッチング部分にブラックライトの照射光で発光す
る、硫化物又は酸化物を主成分とする蛍燐光体顔料入り
透明性塗料を塗装するケミカルエッチング方法。
【請求項２】ケミカルエッチングされた装飾材のエッ
チング部分に、ブラックライトの照射光で発光する、硫
化物又は酸化物を主成分とする蛍燐光体顔料入り透明性
塗料を塗装し、サインを表示してなる表示板。