JP3069334U - 透過性の文字または絵柄を有する鏡面の構造 - Google Patents

透過性の文字または絵柄を有する鏡面の構造

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JP3069334U JP1999008910U JP891099U JP3069334U JP 3069334 U JP3069334 U JP 3069334U JP 1999008910 U JP1999008910 U JP 1999008910U JP 891099 U JP891099 U JP 891099U JP 3069334 U JP3069334 U JP 3069334U
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朱重安
林晉丞
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朱 重安
林 晉丞
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストにて、複雑な文字あるいは図柄で
も、くっきりとした透明部分にでき、高い視覚効果を奏
する、透過性の文字または絵柄を有する鏡面の構造を提
供すること。 【解決手段】 電気メッキ層の一部を、文字あるいは絵
柄の軌跡に沿って腐食させて、電気メッキ層の裏側にあ
る透明ガラス自体を無傷で露出させた透明部分2を付与
した鏡面と、鏡面の裏側に設けた発光体とを備えるよう
にしている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、鏡製品の鏡面に、透過性の文字または絵柄を設け、その裏側から発 光させて、鏡面全体に独特の視覚効果を持たせる、透過性の文字または絵柄を有 する鏡面の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般のガラス製鏡は、ガラスの背面に水銀又はアルミニウムでメッキを施すか 、あるいは鏡の上面にクロムメッキを施し、鏡として対称物を映し出す作用を持 たせている。鏡表面に文字や絵柄を描きたい場合、従来の方法においては、電気 メッキを行う以前に、予め残したい部分をテープなどで貼る。そして、電気メッ キの終了後、そのテープを剥がして、テープで隠されていた部分の文字や絵柄が 透明に浮き出るようにしている。
【0003】 一方、鏡の表面に文字や絵柄を描く加工法として、鏡の外層に直接サンドブラ ストを行ない、文字や絵柄を一定の深さにエッチングする方法、あるいは気体レ ーザーエッチングマシンで、鏡の表面をエッチングする方法が知られている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、絵柄や文字を隠してから全体に電気メッキを施すという従来のプロセ スは、非常に煩雑であり、かつ、精緻な図形を表現することは困難である。さら に、製造コストがかかり、産業的利用価値が低いという問題がある。また、電気 メッキを、サンドブラストにより取り除く方法では、裏側のガラスに傷を付けて しまい、透明度の劣化した表面となってしまう。このため、透明部分から光を透 過させる際に、視覚的効果が低いという問題がある。
【0005】 さらに、気体レーザーエッチングマシンも、サンドブラストと同様の結果とな る問題を有している。すなわち、レーザー光の性質によりガラスを侵食するため 、裏側のガラスまでエッチングしてしまい、エッチングした部分の透過性が低下 し、やはり、透明部分から光を透過させる際に、視覚的効果が低いという問題が ある。
【0006】 上記課題を解消するため、本考案は、低コストにて、複雑な文字あるいは図柄 でも、くっきりとした透明部分にでき、高い視覚効果を奏する、透過性の文字ま たは絵柄を有する鏡面の構造を提供することを、目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、請求項1記載の透過性の文字または絵柄を有する鏡面 の構造は、電気メッキ層の一部を、文字あるいは絵柄の軌跡に沿って腐食させて 、電気メッキ層の裏側にある透明ガラス自体を無傷で露出させた透明部分を付与 した鏡面と、鏡面の裏側に設けた発光体とを備えるようにしている。
【0008】 このように、文字や絵柄の透明部分の背面に発光体を備えることにより、鏡面 に各種の色の光線をもった文字や絵柄が浮き出し、さらに、回路の設計を変えれ ば、ある一定の状況下において点滅させることもできる。この方法の応用範囲は 広く、各種の鏡面の材質に対応して、鏡面の視覚的効果を高めることができる。
【0009】 たとえば、ブランドマークや商標、あるいはその他の文字や図形なども表現で きる。さらに、自動車のサイドミラーに応用する場合、鏡面の後側の発光体と曇 り除去装置、ヘッドライト及びウインカーを回路で連接することにより、夜間に ヘッドライトを点灯すると、サイドミラー上の文字または図形が光る。ウインカ ーをかけると、サイドミラー上の文字または図形が、同時に点滅するようにでき る。このため、後方の運転者の注意を促すことができる。
【0010】 また、請求項2記載の考案は、請求項1記載の透過性の文字または絵柄を有す る鏡面の構造において、発光体からの光を透明部分からのみ放出するためのカバ ーを、鏡面の後側に備えるようにしている。このため、発光体の光を透明部分の みから放出させることにより、点灯がより明るくなり、見やすくなる。
【0011】 また、請求項3記載の透過性の文字または絵柄を有する鏡面の構造は、コンピ ューターのオペレーションにより、YAG固体レーザーエッチングマシンで文字 や絵柄を描き、エッチングを施すものの材質に応じて腐食の頻度及びパラメータ を適度に調整し、レーザーエッチングマシンの焦点を鏡面上の予定位置に合わせ 、レーザーエッチングマシンを起動させて、電気メッキ層上に予め描いてあった 文字や絵柄の部分を腐食させて、透明のガラス自体を無傷にて露出させた透明部 分を有する鏡面と、文字や絵柄の部分の背面に貼着した発光体と、発光体の光の 四散を防ぎ、鏡面の文字や絵柄の部分に集中させて発光させる発光体枠とを備え るようにしている。YAG(YTTRIUM ALUMINIUM GARNE T)固体レーザーは、一般の気体又は液体のレーザーと異なり、そのレーザー光 はガラスの分子構造を破壊せずに、直接ガラスを穿通する。このため、ガラスを 腐食させることはない。よって、YAG固体レーザーエッチングマシンで鏡面に エッチングを行っても、ガラス面は損傷を受けない。固体レーザー光は、電気メ ッキ層の金属分子構造のみを破壊する特性を有する。この特性を生かして、鏡面 の特定箇所の電気メッキ層だけを腐食し、裏側のガラス面を無傷にて露出させる ことができる。
【0012】 また、請求項4記載の考案は、請求項1から3のいずれか1項記載の透過性の 文字または絵柄を有する鏡面の構造において、発光体を発光ダイオードとするよ うにしている。このため、より明るく点灯でき、さらに、異なる色を設計に応じ て対応させることができる。
【0013】 また、請求項5記載の考案は、請求項4記載の透過性の文字または絵柄を有す る鏡面の構造において、鏡面の前記文字や絵柄の部分の背面に嵌合スロットを設 け、嵌合スロットに、発光ダイオードを挿入した挿入スロットを備えた発光ダイ オードソケットを挿嵌し、挿入スロットの内側に、外部電源あるいは回路と通電 するための電線を配した構成とするようにしている。このため、簡易な構造にて 、鏡面の視覚効果を高めることができる。
【0014】 また、請求項6記載の考案は、請求項1から3のいずれか1項記載の透過性の 文字または絵柄を有する鏡面の構造において、発光体を冷光体とし、冷光体の表 面に分子色層の透明膜を塗着して、透明膜上に2つの電源線を連接し、通電後に 多種の色彩を持った光線を放つようにしている。このため、通電後に多種多彩の 光を放出でき、全体の視覚効果が高まる。
【0015】
【考案の実施の形態】
以下、本考案に係る透過性の文字または絵柄を有する鏡面の構造の実施の形態 について、図面に基づいて説明する。
【0016】 図1が示すように、透過性の文字または絵柄を有する鏡面の構造は、次の手順 でつくられる。まず、コンピューター機器のオペレーションにより、文字や絵柄 を描く。次に、YAG(YTTRIUM ALUMINIUM GARNET) 固体レーザーエッチングマシンに、文字や絵柄のデータを入力する。次に、エッ チングを施す素材に応じて、エッチングの頻度及び適当なパラメータを調整する 。次に、YAG固体レーザーエッチングマシンの焦点を鏡面に合わせる。そして 、レーザーエッチングマシンを起動して、文字や絵柄の型どおりにエッチングが 行われる。
【0017】 この時、ガラスの透明部分を傷つけることはない。また、鏡面全体は、電気メ ッキが部分的に施されたことによって侵食し、その部分が透明となる。また、こ の鏡面の透過性を有する部分の背面に発光体を貼着することで、発光体の光線は その前方にある鏡面の透過部分を穿通して光線を外部に放射する。さらに、発光 体の枠を鏡面の後側に封鎖し、発光体の光線が四散し減失しないようにすると、 光線を鏡面の透過部分に集中して放射させることができる。この結果、エッチン グした絵柄や文字の部分の明度が増加するため、鏡面全体の視覚的効果が高まる 。
【0018】 透過部分の背後に貼着する発光体は、電球、発光ダイオードあるいは冷光片な どを用いることができる。中でも、各種異なる色の光を変化させることのできる 発光ダイオードの使用が最も適しており、各種の設計に対応可能である。
【0019】 本考案は、特に、自動車のサイドミラー上に使用すると、効果的である。見た 目の美しさを高めるほかに、実用的効果を持たせることができるからである。図 2から図4に示す図は、本考案を自動車のサイドミラーに応用した場合の実施の 形態である。
【0020】 図2に示すように、サイドミラーの鏡面に電気メッキでクロムメッキ層1を作 り、このクロムメッキ層1を、YAG固体レーザーエッチングマシンでエッチン グ処理する。すると、図4に示すような曇り除去表示2(鏡面の透明部分)が現 れる。また、図4では、曇り除去表示2のほかに、鏡面のもう一方の側に“TA IWAN”の文字をエッチングした様子を示している。図3に示すように、曇り 除去表示2と文字(TAIWAN)の位置の裏側には、それぞれ嵌合スロット3 が設けられている。嵌合スロット3は、発光ダイオードソケット5を嵌設するた めのものである。
【0021】 各発光ダイオードソケット5の前端であって、ちょうど鏡面のエッチングした 透過部分の位置には、挿入スロット51が開設されている。挿入スロット51に は、発光ダイオードの電球6が挿設されている。電球6の線プラグ61を挿入ス ロット51内側に挿入して回路と通電し、挿入スロット51の電線を自動車のウ インカー、ヘッドライトあるいは曇り除去装置の回路と接続している。具体的に は、曇り除去表示2の裏に設けた挿入スロット51は、曇り除去装置の回路に連 接している。また、“TAIWAN”の文字の裏側に設けた挿入スロット51は 、ウインカーとヘッドライトの回路と連接している。
【0022】 このため、夜間に運転する際、ヘッドライトを点灯すると“TAIWAN”の 文字が浮き出す。ウインカーを点滅させると、“TAIWAN”の文字も同時に 点滅する。また、曇り除去装置を起動させると、鏡面の曇り除去表示2が光る。 また、発光ダイオードの電球の明度は、それぞれ異なる周囲環境に応じて適応さ せることができる。したがって、明りが強すぎて目を刺激しないようにすること もできる。
【0023】 また、発光体として、発光ダイオードを用いずに、冷光片を用いることもでき る。図5は、冷光片を発光体に用いた別の実施の形態を示す図である。
【0024】 YAG固体レーザーエッチングマシンで、鏡面に透明部分をつくった後、透明 部分の背面に冷光片7を貼設する。すると、冷光片7の前方にある鏡面の透明部 分を通って外部に光線が放射される。冷光片7の表面には、分子色層の透明膜が 塗着されている。そして、その上に、二つの冷光片電源線71が連接されている 。すると、通電後に多種の色彩の光を放つようになる。その光線の色は、多種多 様に設計し変化をつけることができる。これにより、冷光片7の光源は、鏡面の 透明部分から放射され、エッチングした図形や文字がそれぞれ異なる色の明度で 浮き出し、全体の視覚的効果を高めることができる。
【0025】 なお、本考案は、各種の鏡に応用することができる。自動車のサイドミラー以 外に、たとえば、図6に示すように、オルゴールに設けた鏡の構造にも応用でき る。この場合、発光ダイオードの電球の電源は、電池から供給したり、コンセン トから供給することができる。
【0026】
【考案の効果】
本考案によれば、低コストにて、複雑な文字あるいは図柄でも、くっきりとし た透明部分にでき、高い視覚効果を奏する、透過性の文字または絵柄を有する鏡 面の構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る透過性の文字または絵柄を有する
鏡面の構造の実施の形態における、エッチングプロセス
を示すフローチャートである。
【図2】本考案を自動車のサイドミラーに応用した場合
の鏡面の局部断面図である。
【図3】本考案に係る透過性の文字または絵柄を有する
鏡面の構造の実施の形態における、鏡面後部の分解斜視
図である。
【図4】図3の透過性の文字または絵柄を有する鏡面の
構造を持つ自動車のサイドミラーの外観斜視図である。
【図5】本考案に係る透過性の文字または絵柄を有する
鏡面の構造であって、発光体として冷光片を用いた別の
実施の形態を示す分解斜視図である。
【図6】本考案に係る透過性の文字または絵柄を有する
鏡面の構造を、オルゴールの鏡に応用した実施の形態を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 クロムメッキ層 2 曇り除去表示(透明部分) 3 嵌合スロット 5 発光ダイオードソケット 51 挿入スロット 6 電球 61 線プラグ 7 冷光片 71 冷光片電源線

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気メッキ層の一部を、文字あるいは絵柄
    の軌跡に沿って腐食させて、上記電気メッキ層の裏側に
    ある透明ガラス自体を無傷で露出させた透明部分を付与
    した鏡面と、 上記鏡面の裏側に設けた発光体と、 を備えたことを特徴とする透過性の文字または絵柄を有
    する鏡面の構造。
  2. 【請求項2】前記発光体からの光を、前記透明部分から
    のみ放出するためのカバーを、前記鏡面の後側に備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の透過性の文字または絵
    柄を有する鏡面の構造。
  3. 【請求項3】コンピューターのオペレーションにより、
    YAG固体レーザーエッチングマシンで文字や絵柄を描
    き、エッチングを施すものの材質に応じて腐食の頻度及
    びパラメータを適度に調整し、レーザーエッチングマシ
    ンの焦点を鏡面上の予定位置に合わせ、上記レーザーエ
    ッチングマシンを起動させて、電気メッキ層上に予め描
    いてあった上記文字や絵柄の部分を腐食させて、透明ガ
    ラス自体を無傷で露出させた透明部分を有する鏡面と、 上記文字や絵柄の部分の背面に貼着した発光体と、 上記発光体の光の四散を防ぎ、上記鏡面の上記文字や絵
    柄の部分に集中させて発光させる発光体枠と、 を備えることを特徴とする透過性の文字または絵柄を有
    する鏡面の構造。
  4. 【請求項4】前記発光体を発光ダイオードとしたことを
    特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の透過性
    の文字または絵柄を有する鏡面の構造。
  5. 【請求項5】前記鏡面の前記文字や絵柄の部分の背面に
    嵌合スロットを設け、上記嵌合スロットに、前記発光ダ
    イオードを挿入した挿入スロットを備えた発光ダイオー
    ドソケットを挿嵌し、上記挿入スロットの内側に、外部
    電源あるいは回路と通電するための電線を配した構成と
    したことを特徴とする、請求項4記載の透過性の文字ま
    たは絵柄を有する鏡面の構造。
  6. 【請求項6】前記発光体を冷光体とし、上記冷光体の表
    面に分子色層の透明膜を塗着して、上記透明膜上に2つ
    の電源線を連接し、通電後に多種の色彩を持った光線を
    放つようにしたことを特徴とする、請求項1から3のい
    ずれか1項記載の透過性の文字または絵柄を有する鏡面
    の構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07158686A (ja) * 1993-09-24 1995-06-20 Boge Ag 液圧により減衰するゴム支承部
JP2015185542A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 現代自動車株式会社Hyundaimotor Company 面発光が可能な鏡及びこれを用いた自動車用サイドミラーシステム

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