JPH11133639A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH11133639A
JPH11133639A JP29853797A JP29853797A JPH11133639A JP H11133639 A JPH11133639 A JP H11133639A JP 29853797 A JP29853797 A JP 29853797A JP 29853797 A JP29853797 A JP 29853797A JP H11133639 A JPH11133639 A JP H11133639A
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photoconductor
image forming
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JP29853797A
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Masamitsu Sasahara
正光 笹原
Motoi Ogura
基 小倉
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高湿環境下で耐刷を行なっても安定的に画像流
れが生じなく、さらに30万回以上の耐刷ができる長寿
命かつ長期信頼性の画像形成装置を提供する。 【解決手段】ドラム状導電性基板1上に光導電層2と水
素化アモルファスシリコンカーバイドから成る表面層3
とが順次積層された感光体8と、コロナ帯電器9と、露
光器10と、現像機12と、転写器14と、クリーニン
グ手段15と、弾性ローラ6を配設するとともに、表面
層3の表面酸化度〔Si2p(O2 )/(Si2p(O2
+Si2p)〕が0.27以下であり、その元素比率を組
成式a−Si1-x x :Hと表したときにx値が0.9
5≦x<1.00であり、その自由表面の動的押し込み
硬さが45〜220kgf/mm2 である画像形成装置
7。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性ドラム状基板
上に光導電層と水素化アモルファスシリコンカーバイド
から成る表面層とを積層した電子写真用感光体を搭載し
た画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機やプリンタなどの
画像形成装置に搭載される感光体には、電子写真特性、
すなわち帯電能・光感度・残留電位などの電位特性およ
び画像濃度・解像度・コントラスト・階調性などの画像
特性が良好であるとともに、それらの安定性ならびに耐
磨耗性・耐刷性・耐環境性・耐薬品性などの耐久性に優
れていることが求められる。そのような優れた特性を実
現するためには、光導電層上に被覆形成される表面層が
大きな役割を果している。
【0003】この表面層にはアモルファスシリコンカー
バイド(以下、アモルファスシリコンカーバイドをa−
SiCと略記する)から成る層が、優れた電気的特性・
光学的特性・画像特性・高硬度に基づく耐久性などを有
している点で注目されている。さらにa−SiC表面層
とアモルファスシリコン系光導電層(以下、アモルファ
スシリコンをa−Siと略記する)とを組み合わせた感
光体が、すでに実用化されている。
【0004】しかしながら、この層構成の感光体を画像
形成装置に搭載して、とくに高湿環境下で耐刷を行なっ
た場合には、画像流れと呼ばれる画像不良が生じるとい
う問題点があった。この画像流れは、コロナ放電により
生成される硝酸イオンやアンモニウムイオン等の放電生
成物がa−SiC表面層に吸着され、それらが高湿環境
下で大気中の水分を吸収したり、あるいはa−SiC表
面層の表面にあるSi原子がコロナ放電により酸化され
ることで、その表面の親水性が高くなり、吸湿性が高く
なって、表面層の電気抵抗が低下し、これによって表面
層上に形成された静電潜像の電荷が表面方向に移動して
静電潜像のパターンが維持されなくなって引き起こされ
る。
【0005】かかる画像流れの発生を防止するために、
ヒーターを用いて感光体を加熱して、表面層に吸着され
た水分を飛散させる技術が提案され、すでに実用化され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感光体
の帯電能が低下したり、感光体表面にトナーが固着した
り、画像形成装置の消費電力が増加したり、さらには装
置自体の設計が複雑になるなどの問題点があり、そこ
で、感光体加熱を行なわなくとも画像流れが発生しない
感光体が求められていた。
【0007】本発明者は上記事情に鑑みて鋭意研究を重
ねた結果、a−SiC表面層の元素比率を組成式a−S
1-x x :Hと表したときにx値を0.95≦x<
1.00に、その自由表面の動的押し込み硬さを45〜
220kgf/mm2 にするとともに、さらに表面層の
表面酸化度〔Si2p(O2 )/(Si2p(O2 )+Si
2p)〕を0.27以下にすると、感光体加熱を不要とし
ながらも、高湿環境下で耐刷を行なっても画像流れが安
定して生じなくなることを知見した。
【0008】したがって、本発明は上記知見により完成
されたものであり、その目的は高湿環境下で耐刷を行な
っても安定的に画像流れが生じない画像形成装置を提供
することにある。本発明の他の目的は、感光体加熱を不
要として、低コストを達成した画像形成装置を提供する
ことにある。
【0009】また、本発明の目的は酸素と結合しやすい
a−SiC表面層に対し、高い品質を維持するための指
標を出すことで、製品検査が容易になり、これによって
高品質の製品を安定して市場に出されるようにした画像
形成装置を提供することにある。本発明のさらに他の目
的は、30万回以上の耐刷ができる長寿命かつ長期信頼
性の画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、ドラム状基板上に光導電層と水素化アモルファスシ
リコンカーバイド(a−SiC:H)から成る表面層と
が順次積層された感光体と、感光体の表面に電荷を付与
する帯電手段と、感光体の帯電領域に対して光照射する
露光手段と、これら帯電手段と露光手段とにより感光体
表面に形成された静電潜像に対してトナー像を感光体の
表面に形成する現像手段と、このトナー像を被転写材に
転写する転写手段と、転写後に感光体表面の残留トナー
を除去するクリーニング手段と、転写後に残余静電潜像
を除去する除電手段と配設し、さらに前記表面層の表面
酸化度〔Si2p(O2 )/(Si2p(O2 )+S
2p)〕が0.27以下であり、元素比率を組成式a−
Si1-x x :Hと表したときにx値が0.95≦x<
1.00であり、その自由表面の動的押し込み硬さが4
5〜220kgf/mm2 であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】感光体について 本発明の画像形成装置に搭載する感光体Aの典型的な層
構成を図1に示す。同図において1は導電性基板、2は
光導電層、3は表面層である。そして、表面層3をa−
SiC:Hにより構成し、その元素比率を組成式a−S
1-x x :Hと表したときにx値を0.95≦x<
1.00、好適には0.96≦x<0.98にして、さ
らに自由表面の動的押し込み硬さを45〜220kgf
/mm2 にしている。
【0012】また、表面層3の表面酸化度はESCA装
置でもって組成分析した結果の算出値であって、結合エ
ネルギをはかって、どの原子がどのように結合している
かを判定している。Si原子に対する酸素(O)原子の
結合状態では、Si原子核の外殻を飛び回っている2P
軌道の電子が酸素と結合しているので、この結合をSi
2pで表し、そして、酸素原子と結合したSi原子数をS
2p(O2 )とし、それとの結合がないSi原子数をS
2pとして、表面層3の表面酸化度を〔Si2p(O2
/(Si2p(O2 )+Si2p)〕として表す。そして、
この表面酸化度を0.27以下、好適には0.20以下
にしている。このように小さい表面酸化度にするために
は、少なくとも表面層3の上記x値を0.95以上に
し、さらには画像形成に際して研磨を継続することで達
成できる。
【0013】組成式a−Si1-x x :Hのx値につい
ては、x値を0.95以上にすることで、硬度が小さく
なって表面が削れやすくなり、常にフレッシュな面があ
らわれ、x値を1未満にすることで動的押し込み硬さが
45kgf/mm2 以上にすることが容易となり、さら
に電気特性の低下が防止できる。
【0014】また、自由表面の動的押し込み硬さを45
〜220kgf/mm2 、好適には50〜200kgf
/mm2 、最適には60〜150kgf/mm2 にして
いる。そして、従来のa−SiC:H表面層と比べ、そ
の硬度を動的押し込み硬さで220kgf/mm2 以下
にしているので、複写プロセス毎にクリーニング手段な
どにより表面を適度に研磨して、表面層に吸着した放電
生成物などの除去がおこなわれ、他方、その硬度を動的
押し込み硬さで45kgf/mm2 以上としたことで、
複写プロセス毎の研磨による削れ量が大きくなり過ぎる
ことがない。
【0015】上記動的押し込み硬さは、膜厚が10μm
以下の薄膜の硬度を評価するために有効な硬度評価法で
あり、薄膜の表面に三角錐形状の圧子でもって試験荷重
を加え、その際の圧子の押し込み深さを測定し、そし
て、算出して求められる硬さである。本発明では島津製
作所製の超微小硬度計DUH−201を用いた。
【0016】このようなa−SiC:H表面層3を成膜
形成するには、前記a−Si系光導電層にて採用された
方法で同様におこなうことができるが、とくに表面層3
の硬度については、その組成によって一義的に決まるも
のではないため、その作製条件を適切に設定することが
重要である。
【0017】たとえば原料ガスとしてシランガス(Si
4 )などのSi含有ガスと、メタンガス(CH4 )な
どのC含有ガスとを用いてグロー放電分解法により作製
する場合であれば、Si含有ガスに対するC含有ガスの
比率を大きくするか、あるいは成膜形成時のガス圧力を
高くすると、硬度が小さくなる傾向にある。また、原料
ガスの水素ガスによる希釈率を大きくする、放電電力を
大きくする、あるいは基板温度を高くすると、硬度が大
きくなる傾向にある。
【0018】SiH4 ガスとCH4 ガスとを用いてグロ
ー放電分解法により成膜した場合、CH4 /SiH4
ス比を95%以上に、H2 ガスによる希釈率を0〜50
%に、成膜形成時のガス圧力を0.25〜0.50 Tor
r 程度に、13.56MHz または13.56MHz を1 k
Hzでパルス変調した高周波電力を感光体1本当たり10
0〜250W程度に印加し、さらに基板温度を220〜
300℃程度にすると、上記表面層3に好適なa−Si
C:H層が得られた。
【0019】また、上記表面層3の厚みは、0.4〜
1.2μm、好適には0.5〜0.8μmにするのがよ
い。この厚みが0.4μm未満の場合には、耐久性が不
十分となり、耐刷枚数の増加に伴い画像にスジ等の画像
不良が発生する傾向があり、1.2μmを超える場合は
残留電位が高くなり、画像のカブリ等が発生する傾向が
ある。
【0020】前記導電性基板1には、アルミニウム(A
l)あるいはSUS・Zn・Cu・Fe・Ti・Ni・
Cr・Ta・Sn・Au・Agなどの金属材料や、それ
らの合金材料などの導電部材、もしくは樹脂やガラス・
セラミックスなどの表面に上記金属やITO・SnO2
などの透明導電性材料による導電性膜を蒸着などにより
形成して導電処理したものを用いる。就中、Al合金材
料を用いると、低コストとなり、しかも、軽量化でき、
その上、光導電層2や後述するキャリア注入阻止層にa
−Si系材料を用いた場合にそれらの層との密着性が高
くなって信頼性が向上するという点で好適である。
【0021】前記光導電層2には、a−Si系もしくは
a−SeやSe−Te・As2 Se3 などのa−Se
系、あるいはZnO・CdS・CdSeなどのII−VI族
化合物、さらに、これらを粒子化し、それを樹脂に分散
させたもの、そして、OPC系などの感光体材料も用い
ることができる。就中、a−Siもしくはa−SiにC
・N・Oなどを加えた合金のa−Si系材料を用いる
と、高い光感度特性・高速応答性・繰り返し安定性・耐
熱性・耐久性などの優れた電子写真特性が安定して得ら
れ、さらにa−SiC:H表面層3との整合性に優れる
という点で好ましい。
【0022】かくして上記構成の感光体Aによれば、そ
の表面層3をa−SiC:Hにより構成し、その表面酸
化度〔Si2p(O2 )/(Si2p(O2 )+Si2p)〕
を0.27以下に、さらに元素比率を組成式a−Si
1-x x :Hでx値で0.95≦x<1.00に、自由
表面の動的押し込み硬さを45〜220kgf/mm2
にしたことで、それ自体の耐久性を維持しつつ、表面層
3に吸着した種々の付着物あるいは表面の酸化変質した
部分が除去され、常にフレッシュな表面を確保でき、そ
の結果、感光体Aに対する加熱を必要とせずに、高湿環
境下における画像流れを防止することができる。
【0023】つぎに本発明の他の感光体Bを図2で示
す。なお、図1の感光体Aと同一の層には同一符号を付
す。この感光体Bによれば、感光体Aに対し、さらに導
電性基板1と光導電層2との間にキャリア注入阻止層4
を設けている。
【0024】このキャリア注入阻止層4は光導電層2の
材料に応じて種々のものを用いることができるが、光導
電層2にa−Si系材料を用いた場合であれば、キャリ
ア注入阻止層4にもa−Si系の材料を使用すると、導
電性基板1と光導電層2との密着性に優れるとともに良
好な電子写真特性が得られる。また、a−Si系光導電
層2と比べて、より多くのIIIa族元素やVa 族元素を含
有させて導電型を調整したり、多くのC・N・Oを含有
させて高抵抗化するとよい。
【0025】さらに各感光体A、Bに対し、その表面層
3に代えて、その硬度を光導電層2との界面側から自由
表面側に向かって漸次小さくしたa−SiC:H表面層
にしてもよい。すなわち、a−SiC:H表面層3の硬
度を光導電層2との界面側から自由表面側に向かって漸
次小となるように変化させた場合には、そのような感光
体を使用し始めた初期の段階において、表面層3の表面
に存在する微細な凹凸状の凹部に入り込んだ放電生成物
を、その凹凸を平坦化することで除去することができ、
そして、耐刷をおこなうにしたがって、その凸部が徐々
に削れて凹凸自体が小さくなり、これによって表面に吸
着した放電生成物が除去されやすくなり、これに伴って
表面層の硬度が大きくなり、そのために研磨による削れ
量が小さくなり、表面への傷付きが防止され、その結
果、優れた電子写真特性が長期にわたって保持できる。
【0026】このように硬度を変化させるには、たとえ
ばグロー放電分解法によって成膜形成する場合、表面層
3の光導電層2との界面側から自由表面側に向かって、
原料ガスにおけるSi含有ガスに対するC含有ガスの比
率を漸次大きくしてC含有量を増加させる、あるいは成
膜形成時のガス圧力を漸次高くする、原料ガスの水素ガ
スによる希釈率を漸次小さくする、放電電力を漸次小さ
くする、基板温度を漸次低くする、あるいはこれらの条
件を組み合わせるといった種々の手段を採用すればよ
い。
【0027】画像形成装置について 図3は本発明のプリンター構成の画像形成装置7であ
り、8は感光体であり、この感光体8の周面に帯電手段
であるコロナ帯電器9と、その帯電後に光照射する露光
手段である露光器10(LEDヘッド)と、トナー像を
感光体8の表面に形成するためのトナー11を備えた現
像手段である現像機12と、そのトナー像を被転写材1
3に転写する転写手段である転写器14と、その転写後
に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段
15と、その転写後に残余静電潜像を除去する除電手段
16とを配設し、さらに感光体表面を研磨する弾性ロー
ラ6を設けた構成である。また、17は被転写材13に
転写されたトナー像を熱もしくは圧力により固着するた
めの定着器である。なお、画像形成装置7はプリンター
の構成であるが、露光器10に代えて原稿からの反射光
を通すレンズやミラーなどの光学系を用いれば、複写機
の構成の画像形成装置となる。
【0028】このカールソン法は次の〜の各プロセ
スを繰り返し経る。 感光体8の周面をコロナ帯電器9により帯電する。 露光器10により画像を露光することにより、感光
体8の表面上に電位コントラストとしての静電潜像を形
成する。 この静電潜像を現像機12により現像する。この現
像により黒色のトナーが静電潜像との静電引力により感
光体表面に付着し、可視化する。 感光体表面のトナー像を紙などの被転写材13の裏
面よりトナーと逆極性の電界を加えて、静電転写し、こ
れにより、画像を被転写材13の上に得る。 感光体表面の残留トナーをクリーニング手段15に
より機械的に除去する。 感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段16に
より残余の静電潜像を除去する。
【0029】上記弾性ローラ6は、SUSなどのパイプ
にシリコン、ウレタン、EPDMなどの樹脂からなる弾
性部材を被覆したものであって、感光体8を回転させて
いるギアと、弾性ローラ6を回転させているギアとを連
動させることで、所要とおりに回転させ、そして、感光
体表面を研磨する。
【0030】なお、本発明の画像形成装置7において
は、感光体の表面を研磨するのに弾性ローラ6を設けた
が、その他に各種研磨手段を用いてもよい。たとえば、
ファーブラシ等を設けてもよく、あるいはトナーに研磨
材を入れてもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明の画像形成装置の実施例を述べ
る。導電性基板1として、アルミニウム合金から成る外
径30mm、長さ254mmの引き抜き管の外周面を鏡
面加工して洗浄したものを用意し、これをグロー放電分
解成膜装置にセットして、表1に示す成膜条件によりキ
ャリア注入阻止層4および光導電層2を順次積層した。
【0032】
【表1】
【0033】ついで表2に示すように各種表面層3を成
膜形成し、感光体1〜7を作製した。
【0034】
【表2】
【0035】そして、これら各仕様の感光体の表面層に
ついて、光導電層2との界面および自由表面のそれぞれ
一部を5mm角に切り出して、各組成をXPS分析(X
線光電子分光分析)により求め、さらに感光体Bの表面
層について、自由表面と光導電層2との界面における動
的押し込み硬さを、超微小硬度計(島津製作所製DUH
−201)を用いて測定したところ、表3に示す結果が
得られた。ただし、いずれの感光体とも光導電層2との
界面におけるx値は0.50であり、硬さは420kg
f/mm2 である。
【0036】
【表3】
【0037】かくして得られた各感光体を、それぞれ電
子写真プリンタ(京セラ製FS−3550)に搭載し、
そして、弾性ローラ6で研磨して、耐刷実験をおこな
い、ついで耐刷途中の各段階で画像評価をおこなって、
画像流れと画像劣化の発生状況を、さらに表面酸化度も
併せて評価/測定したところ、表4に示すような結果が
得られた。なお、この感光体のような小型のものでは、
30万枚の寿命を有していることで、実用上十分な耐久
性が得られる。
【0038】画像流れの評価については、まず、電子写
真プリンタから感光体を加熱するためのヒーターを取り
除き、そして、この電子写真プリンタを、感光体に対す
る耐刷途中の各段階において高温高湿環境下(32℃、85
%RH)に8時間放置し、その後に画像形成を行なっ
て、画像流れの発生状況について評価した。さらに、画
像キズの発生などの画像劣化についても評価した。
【0039】これら画像流れや画像劣化が認められない
場合を〇印で、わずかに発生が認められた場合を△
印で、実用上支障がある程度に発生が認められた場合を
×印で表した。
【0040】
【表4】
【0041】この表から明らかなとおり、本発明の画像
形成装置であれば、酸化度と画像流れや画像劣化との間
には関連性があり、酸化度が0.3以下、とくに0.2
7以下であれば、画像流れが発生しないことがわかる。
【0042】つぎに上記各感光体において、さらに電子
写真プリンタ(京セラ製FS−3550)を改良して弾
性ローラ6の使用状態を変え、これにより、耐刷枚数が
30万枚で表面酸化度が0.3以下になるように表面研
磨量を調節した耐刷評価機となし、そして、酸化度、画
像流れ、画像劣化を測定したところ、表5に示すような
結果が得られた。
【0043】
【表5】
【0044】この表から明らかなとおり、画像流れはい
ずれの感光体とも良好であり、さらに本発明の感光体6
および感光体7については、画像劣化もなかった。しか
るに、感光体1〜5については、硬度が大きく、そのた
めに画像劣化(キズ等)が著しいものとなった。また、
硬度の大きな表面を無理に研磨するので、ジッターやブ
レードに欠陥が大きくなった。
【0045】さらに感光体5に対し、コロナ暴露試験を
おこなったところ、表6に示すような結果が得られた。
このコロナ暴露試験は感光体に対してコロナ放電だけを
おこなって、その影響度をはかるというものであって、
感光体を回転させてコロナ放電数に対する画像流れ、画
像劣化ならびに酸化度を測定したところ、表6に示すよ
うな結果が得られた。
【0046】
【表6】
【0047】この表から明らかなとおり、研磨をおこな
わなかったことで、酸化の進行もはやく、さらに画像劣
化が生じていなかったが、画像流れが顕著に発生してい
た。
【0048】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、ドラム
状基板上に光導電層とa−SiC:Hから成る表面層と
が順次積層された感光体を備えた画像形成装置に対し、
その表面層の元素比率を組成式a−Si1-x x :Hと
表したときにx値を0.95≦x<1.00に、その自
由表面の動的押し込み硬さを45〜220kgf/mm
2 にして、さらに表面酸化度〔Si2p(O2 )/(Si
2p(O2 )+Si2p)〕を0.27以下にしたことで、
高湿環境下で耐刷を行なっても安定的に画像流れが生じ
なく、30万回以上の耐刷ができる長寿命かつ長期信頼
性の高性能な画像形成装置が提供できた。
【0049】また、本発明の画像形成装置においては、
感光体に対する加熱を不要として、これによって低コス
トを達成した。
【0050】さらにまた、本発明においては、酸素と結
合しやすいa−SiC表面層に対し、高い品質を維持す
るための指標を表面酸化度でおこなうことができ、これ
により、製品検査が容易になり、その結果、高品質の製
品を安定して市場に出すことができる高信頼性の画像形
成装置が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置に搭載する感光体の典型
的な層構成を示す断面図である。
【図2】発明の実施形態に係る感光体の層構成を示す断
面図である。
【図3】本発明の画像形成装置の概略図である。
【符号の説明】
A、B 感光体 1 導電性基板 2 光導電層 3 表面層 4 キャリア注入阻止層 6 弾性ローラ 7 画像形成装置 8 感光体 9 コロナ帯電器 11 トナー 12 現像機 13 被転写材 14 転写器 15 クリーニング手段 16 除電手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドラム状基板上に光導電層と水素化アモル
    ファスシリコンカーバイドから成る表面層とが順次積層
    された感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電
    手段と、感光体の帯電領域に対して光照射する露光手段
    と、これら帯電手段と露光手段とにより感光体表面に形
    成された静電潜像に対してトナー像を感光体の表面に形
    成する現像手段と、上記トナー像を被転写材に転写する
    転写手段と、該転写後に感光体表面の残留トナーを除去
    するクリーニング手段と、転写後に残余静電潜像を除去
    する除電手段とを配設するとともに、前記表面層の表面
    酸化度〔Si2p(O2 )/(Si2p(O2 )+S
    2p)〕が0.27以下であり、元素比率を組成式a−
    Si1-x x :Hと表したときにx値が0.95≦x<
    1.00であり、その自由表面の動的押し込み硬さが4
    5〜220kgf/mm2であることを特徴とする画像
    形成装置。
JP29853797A 1997-10-30 1997-10-30 画像形成装置 Pending JPH11133639A (ja)

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EP3451065A1 (en) 2017-09-01 2019-03-06 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member and method for producing electrophotographic photosensitive member

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