JPH11132826A - ガスメータ - Google Patents

ガスメータ

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JPH11132826A
JPH11132826A JP30217797A JP30217797A JPH11132826A JP H11132826 A JPH11132826 A JP H11132826A JP 30217797 A JP30217797 A JP 30217797A JP 30217797 A JP30217797 A JP 30217797A JP H11132826 A JPH11132826 A JP H11132826A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力変動等の外乱の影響による誤計測を従来
よりも効果的に防止することができるガスメータを提供
する。 【解決手段】 フィルタ部22は第1の平均化処理部2
2aと判定部22bと第2の平均化処理部22cとを備
える。第1の平均化処理部22aは流量演算部21で得
られた流量測定値を平均化する。判定部22bは、得ら
れた平均値が所定のしきい値athを超えるときはそれを
出力し、しきい値ath以下のときは0を出力する。第2
の平均化処理部22cは判定部22bからの出力値をさ
らに平均化する。バッファ部23はフィルタ部22の出
力値を積算した値が所定値を越えたときに、その出力値
を出力する。積算部24はバッファ部23からの出力値
を積算して表示器13に表示させる。2段階の平均化処
理によって流量変動の振幅が十分に縮小化されるので、
その積算値はバッファ機能の範囲を超えず、誤計測を防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力変動等の外乱
の影響による誤計測を防止する手段を有するガスメータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスメータに利用される流量計として、
フルイディック流量計が知られている。このフルイディ
ック流量計は、噴流を発生させるノズルの下流側に、一
対の側壁によって流路拡大部を形成すると共に、側壁の
外側に設けられたリターンガイドによって、ノズルを通
過した流体を各側壁の外側に沿ってノズルの噴出口側へ
導く一対のフィードバック流路を形成し、ノズルを通過
した流体が一対のフィードバック流路を交互に流れる現
象(以下、フルイディック発振という。)を利用し、フ
ルイディック発振の周波数に基づいて流体の流量を計量
するものである。
【0003】このフルイディック流量計は測定領域があ
まり広くないため、例えば特開平4−315916号公
報に示されるように、フルイディック流量計と、微小流
量の測定に適したフローセンサとを併用したガスメータ
も提案されている。フローセンサは、発熱部と、この発
熱部の前後に配置された2つの温度センサとを有し、2
つの温度センサで検出される温度の差が気体の流速と関
係することを利用した流速センサである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このフロー
センサでは、実際の流量が零のときでも、気体の圧力変
動等の外乱があった場合に流量が検出されるという特性
がある。そこで、フローセンサを有する従来のガスメー
タでは、実際の流量が零のときに外乱の影響によって検
出された測定流量を積算しないように、例えばマイナス
側に4リットル、プラス側に1リットルのバッファ機能
を備えていた。ここで、プラス側とは、ガス供給側(上
流側)からガス機器側(下流側)に向かう順方向の流れ
を意味し、マイナス側とは、ガス機器側からガス供給側
に向かう逆方向の流れを意味する。このバッファ機能に
よれば、測定流量を積算した値がマイナス側4リット
ル、プラス側1リットルの範囲内で変動する場合には、
マイナス側で積算される測定流量とプラス側で積算され
る測定流量とが相殺され、ガスメータの流量積算値は変
化しない。
【0005】しかしながら、従来のバッファ機能を備え
たガスメータでは、実際の流量が零のときでも、外乱の
影響によって検出された測定流量が大きく、測定流量を
積算した値がプラス側のバッファ機能の範囲を越える場
合には、ガスメータの流量積算値としての積算が行われ
てしまうという問題点があった。このことを、図4を用
いて具体的に説明する。
【0006】図4(a)は流量が零のときに外乱の影響
によってフローセンサの部分を通過するガスの流れの時
間的変化を表すものである。同図(b)はフローセンサ
の出力を一定周期Tごとにサンプリングして得られた測
定流量の時間的変化を表し、同図(c)はガスメータの
流量積算値の変化を表す。ここで、フローセンサからの
出力は、実際には、例えば流量に応じた数のパルス信号
として出力されるようになっている。また、サンプリン
グ周期Tは、例えば6秒程度に設定される。
【0007】フローセンサの部分を通過するガスの流れ
は、そのガスメータの設けられているガス消費機器側が
非使用状態であって流量が零であるはずのときであって
も、ガス供給側の配管に接続された近隣の複数のガス消
費機器の使用状況によっては、例えば図4(a)に示し
たように、まったくランダムに変化する。ガス消費機器
の使用開始や停止等に伴って生ずる圧力変動が多数重畳
されるからである。これに対し、測定のためのサンプリ
ング周期は一定である。このため、サンプリングにより
得られる測定流量は、同図(b)に示したように、プラ
ス側およびマイナス側に比較的長いスパンで不定周期で
変化することになる場合がある。
【0008】図4(b)において、斜線の部分はバッフ
ァ機能によって相殺されなければならない部分である。
しかし、外乱の影響によって検出された測定流量が大き
い場合には、測定流量を積算した値がプラス側のバッフ
ァ機能の範囲(例えば1リットル)を越えてしまう場合
がある。この場合には、プラス側のバッファ機能の範囲
を越えた時点で流量積算値がカウントアップされ、その
後にマイナス側に同量の測定流量が生じても相殺されな
い。例えば、同図(b)のサンプリングタイミングt1
においては、測定流量が小さく、これを積算した値がプ
ラス側のバッファ機能の範囲内なので、同図(c)に示
したように、ガスメータの流量積算値のカウントアップ
は行われないが、サンプリングタイミングt2において
は、測定流量を積算した値がプラス側のバッファ機能の
範囲を越えるので、ガスメータの流量積算値のカウント
アップが行われる。同様に、サンプリングタイミングt
4,t5,t6,t7においても、それぞれガスメータ
の流量積算値のカウントアップが行われる。すなわち、
実際のガス使用が行われていないにもかかわらず、ガス
メータの流量積算値としての誤積算が行なわれてしま
う。
【0009】一方、外乱の影響によって検出される測定
流量を完全に相殺できるようにバッファ機能の範囲を広
くすることは、ガスメータの精度の低下を招くために好
ましくない。
【0010】この問題を解決するため、本出願人は、例
えば特開平8−14961号公報にあるように、測定流
量値に対してフィルタによって平滑化処理を施し、この
フィルタの出力を積算した値がプラス側のバッファ機能
の範囲を越えたときに、そのフィルタ出力値を積算して
ガスメータの流量積算値を求めることを提案している。
【0011】図5は、上記公報で提案しているガスメー
タの作用を表すものである。この図の(a)および
(b)は上記の図4(a),(b)と同じものとして描
いている。図5(c)はフィルタを通過して平滑化され
た流量値を表し、同図(d)はガスメータの流量積算値
を表すものである。図5(c)に示したように、上記提
案に係るガスメータでは、測定流量の時間的変化に対し
て、平滑化処理後の流量の時間的変化は振幅の小さいも
のとなる。このため、平滑化処理後の流量の積算値がプ
ラス側のバッファ機能の範囲を越えるおそれは少なくな
る。例えば、サンプリングタイミングt2,t4におい
ては、平滑化処理後の流量の積算値はプラス側のバッフ
ァ機能の範囲を越えず、誤ってカウントアップされるこ
とがない。したがって、外乱の影響による誤計測の防止
に一定の効果が認められる。
【0012】ところが、図5(b)に示したように、測
定流量がプラス側に長期間続いたときには、同図(c)
に示したように測定流量値を平滑化して振幅を小さくし
たとしても、その平滑化処理の値を長期間積算すること
になることから、その積算値がプラス側のバッファ機能
の範囲を越える場合がある。このため、図5(d)に示
したように、例えばサンプリングタイミングt5,t7
においてガスメータの流量積算値が誤ってカウントアッ
プされることになる。すなわち、実際のガス使用が行わ
れていないにもかかわらず、依然としてガスメータの流
量積算値としての誤積算が行なわれてしまうという問題
があった。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、圧力変動等の外乱の影響による誤計
測を効果的に防止することができるようにしたガスメー
タを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のガスメー
タは、ガスの流量を測定するための流量測定手段と、こ
の流量測定手段による測定値に対して平滑化処理を施す
第1の平滑化手段と、この第1の平滑化手段による平滑
化処理後の値に応じて、その値をそのまま出力するか、
あるいは他の値に置き換えて出力するかを判定し、その
値を出力する判定手段と、この判定手段からの出力値に
対して平滑化処理を施す第2の平滑化手段と、この第2
の平滑化手段による平滑化処理後の値を積算し、その積
算値が所定の範囲を超えたときに、第2の平滑化手段に
よる平滑化処理後の値を出力する緩衝手段と、この緩衝
手段からの出力値を積算する積算手段とを備えている。
【0015】このガスメータでは、流量測定手段による
測定値に対して第1の平滑化手段による平滑化処理が行
われ、その平滑化処理後の値に応じて、その値をそのま
ま出力するか、あるいは他の値に置き換えて出力するか
の判定が判定手段によって行われる。さらに、判定手段
からの出力値に対して第2の平滑化手段による平滑化処
理が行われる。この平滑化処理後の値は緩衝手段によっ
て相殺的に積算され、その積算値が所定の範囲を超えた
ときに、第2の平滑化手段による平滑化処理後の値が出
力され、積算手段によって積算される。
【0016】請求項2記載のガスメータは、請求項1記
載のガスメータにおいて、判定手段が、第1の平滑化手
段による平滑化処理後の値が所定のしきい値を超えてい
るときはその値をそのまま出力する一方、第1の平滑化
手段による平滑化処理後の値が第1のしきい値以下のと
きは平滑化処理後の値を零に置き換えて出力するように
構成したものである。
【0017】請求項3記載のガスメータは、請求項1記
載のガスメータにおいて、第1の平滑化手段が、流量測
定手段による測定値を所定の周期で取得し、前回の演算
結果と今回取得した測定値とを所定の重み付けをもって
平均化する演算を行うことにより、流量測定手段による
測定値に対して平滑化処理を施すように構成したもので
ある。
【0018】請求項4記載のガスメータは、請求項1記
載のガスメータにおいて、第2の平滑化手段が、前回の
演算結果と今回の判定手段からの出力値とを所定の重み
付けをもって平均化する演算を行うことにより、判定手
段からの出力値に対して平滑化処理を施すように構成し
たものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の一実施の形態に係るガスメ
ータの構成を表すブロック図である。この図に示すよう
に、本実施の形態のガスメータは、フルイディック流量
計とフローセンサとを併用したガスメータであり、フル
イディック素子11と、フローセンサ12と、流量積算
値を表示するための表示器13と、これらを制御する計
測制御部20とを備えている。
【0021】フルイディック素子11は、いずれも図示
しないが、噴流を発生させるノズルと、このノズルの下
流側に設けられ、流路拡大部を形成する一対の側壁と、
この側壁の外側に設けられ、ノズルを通過した流体を各
側壁の外側に沿ってノズルの噴出口側へ導く一対のフィ
ードバック流路を形成するリターンガイドと、ノズルの
噴出口近傍に設けられた2つの導圧孔と、この2つ導圧
孔に接続され、2つ導圧孔間の差圧を検出する圧電膜セ
ンサとを備えている。そして、圧電膜センサの出力がフ
ルイディック素子11の出力として計測制御部20に入
力されるようになっている。
【0022】フローサンサ12は、例えばフルイディッ
ク素子11のノズルの通路内に配設され、発熱部と、こ
の発熱部の前後に配置された2つの温度センサとを備え
ている。
【0023】計測制御部20は、フルイディック素子1
1とフローセンサ12の各出力を入力として、これを基
に流量を演算する流量演算部21と、この流量演算部2
1に接続され、そこで演算された測定流量に対して所定
の平滑化処理を施すフィルタ部22と、このフィルタ部
22に接続され、そこでの平滑化処理後の値を積算した
値が所定値を越えたときに、平滑化処理後の値を出力す
るバッファ部23と、このバッファ部23に接続され、
そこから出力される値を積算する積算部24とを備えて
いる。流量演算部21の出力端はまた、フィルタ部22
およびバッファ部23を介さずに、直接、積算部24の
入力端に接続されている。そして、流量演算部21は、
流量の大きさに応じてフィルタ部22または積算部24
に対し、演算した流量値を出力するようになっている。
この計測制御部20は、例えばマイクロコンピュータを
用いて構成される。そして、流量演算部21、フィルタ
部22、バッファ部23および積算部24はそれぞれ、
図示しないROM(Read Only Memory)に格納されたプ
ログラムを実行することによって動作するようになって
いる。ここで、フルイディック素子11、フローセンサ
12および流量演算部21が本発明における「流量測定
手段」に対応し、バッファ部23が本発明における「緩
衝手段」に対応し、積算部24が本発明における「積算
手段」に対応する。
【0024】フィルタ部22は、第1の平均化処理部2
2aと、判定部22bと、第2の平均化処理部22cと
を含んで構成されている。第1の平均化処理部22a
は、流量演算部21により得られた測定流量に対して所
定の平滑化処理を施すためのものである。判定部22b
は、第1の平均化処理部22aによる平滑化処理後の値
に応じて、その値をそのまま出力するか、あるいは他の
値に置き換えて出力するかを判定し、その値を出力する
ようになっている。また、第2の平均化処理部22c
は、判定部22bからの出力値に対して所定の平滑化処
理を施すためのものである。第1の平均化処理部22a
および第2の平均化処理部22cの平滑化処理は、所定
の平均化式に基づいた演算処理であり、その詳細は後述
する。ここで、第1の平均化処理部22aが本発明にお
ける「第1の平滑化手段」に対応し、判定部22bが本
発明における判定手段に対応し、第2の平均化処理部2
2cが本発明における「第2の平滑化手段」に対応す
る。
【0025】次に、図2を参照して、本実施の形態のガ
スメータの動作について説明する。
【0026】本実施の形態のガスメータでは、フルイデ
ィック素子11は大流量域での測定に用いられ、フロー
センサ12は小流量域での測定に用いられるようになっ
ている。但し、両者の測定領域は一部重複している。な
お、図2は、フローセンサ12を用いて測定を行う処理
部分についてのみ図示したもので、フルイディック素子
11を用いて測定する処理部分については省略してい
る。
【0027】流量演算部21は、流量がフルイディック
素子11のみの測定領域にあるときはフルイディック素
子11の出力から流量を演算して積算部24に直接入力
する一方、流量がフローセンサ12のみの測定領域にあ
るときはフローセンサ12の出力から流量を演算してフ
ィルタ部22に入力する。具体的には、流量演算部21
は、フルイディック素子11の出力から流量を演算する
場合は、フルイディック素子11の出力を2値化してパ
ルスを生成し、単位時間当たりのパルスの数をカウント
して、フルイディック発振の周波数を求め、この周波数
を流量に換算して積算部24に入力する。また、流量演
算部21は、フローセンサ12の出力から流量を演算す
る場合は、一定電流または一定電力で発熱部を発熱させ
たときの2つの温度センサの温度差に応じて出力される
単位時間当たりのパルスの数をカウントして、流量を求
め(ステップS101)、フィルタ部22に入力する。
但し、フローセンサ12の2つの温度センサの温度差を
一定に保つための発熱部の供給電力から流量を求めるよ
うにしてもよい。なお、流量がフルイディック素子11
とフローセンサ12で重複する測定領域にあるときは、
流量演算部21は、いずれか一方の出力から流量を求め
るようにしてもよいし、両者の出力を用いた演算(例え
ば平均値をとる等)によって流量を求めるようにしても
良い。あるいは特開平3−96817号公報に示される
ように、フルイディック素子11による測定値に基づい
てフローセンサ12による測定値を較正するようにして
もよい。
【0028】流量演算部21からの出力(測定流量)を
受けた積算部24は、この出力値を積算して、ガスメー
タの流量積算値とし、表示器13によってその値を表示
する。
【0029】一方、流量演算部21からの出力(測定流
量)を受けたフィルタ部22の第1の平均化処理部22
aは、次の式(1)による平均化演算を行うことによ
り、流量演算部21から得た測定流量に対して第1の平
滑化処理を施す(ステップS102)。
【0030】 ai =〔(2m −1)Yi-1 +Xi 〕/2m …(1)
【0031】ここで、Xi は今回、流量演算部21より
取得した測定流量を示し、Yi-1 は前回のフィルタ部2
2における演算結果を示し、ai は第1の平均化処理部
22aにおける演算結果を表す。また、2m は、平均化
の重み付けを表し、mは任意の自然数である。
【0032】この(1)式から分かるように、フィルタ
部22の第1の平均化処理部22aによる平均化演算
は、前回の演算結果Yn-1 に平均化の重み付け2m から
1を差し引いたものを乗じた値と、今回取得した測定流
量Xn とを加算して、この加算値を平均化の重み付け2
m で除するという演算を行うものであり、これにより、
測定流量に対して平滑化処理を施すようになっている。
【0033】判定部22bは、第1の平均化処理部22
aによって得られた平均値ai が所定のしきい値ath
下のときは(ステップS103;Y)、平均値ai
“0”に置き換えて出力値ai ′とする一方(ステップ
S104)、平均値ai がしきい値athを超えていると
きは(ステップS103;N)、その平均値ai をその
まま出力値ai ′とする。ここで、判定の基準となるし
きい値athは、例えば1リットル/hに設定する。
【0034】第2の平均化処理部22cは、次の(2)
式による平均化演算を行うことにより、判定部22bか
ら出力された値ai ′に対して第2の平滑化処理を施す
(ステップS105)。
【0035】 Yi =〔(2n −1)Yi-1 +ai ′〕/2n …(2)
【0036】ここで、Yi-1 は(1)式と同じく前回の
フィルタ部22における演算結果を示し、Yi は第2の
平均化処理部22cにおける演算結果を示す。また、2
n は、平均化の重み付けを表し、n は任意の自然数であ
る。
【0037】バッファ部23は、例えば、マイナス側4
リットル、プラス側1リットルの範囲でフィルタ部22
の出力を積算した値を相殺し(ステップS106)、フ
ィルタ部22の出力を積算した値がプラス側1リットル
の範囲を越えたときにのみ(ステップS107;Y)、
フィルタ部22の第2の平均化処理部22cの出力を後
段の積算部24に出力する。積算部24は、このフィル
タ部22の出力値を積算して、ガスメータの流量積算値
とする(ステップS108)。そして、表示器13は積
算部24で求められたガスメータの流量積算値を表示す
る(ステップS109)。
【0038】次に、図3を用いて、本実施の形態のガス
メータにおいて、圧力変動等の外乱の影響による誤計測
が防止されることを説明する。図3(a)は、流量が零
のときに外乱の影響によってフローセンサの部分を通過
するガスの流れの時間的変化を表すものである。同図
(b)はフローセンサの出力を一定周期Tごとにサンプ
リングして得られた測定流量の時間的変化を示してい
る。同図(c)はフィルタ部22を通過した後の流量値
を示し、同図(d)は、ガスメータの流量積算値の変化
を表すものである。ここで、図3(a),(b)は、従
来技術の項で示した図5(a),(b)と同じものとし
て描いている。
【0039】従来のガスメータでは、図5において説明
したように、圧力変動等の外乱が長期間継続すると、平
滑化処理により振幅を小さくしたにもかかわらず、バッ
ファの範囲を越えて、ガスメータの流量積算値としての
積算が行われてしまう。これに対し、本実施の形態のガ
スメータでは、流量演算部21で求められた測定流量は
フィルタ部22で2段階の平滑化処理が施されるため、
図3(b)に示した測定流量の時間的変化に対して、フ
ィルタ部22を通過した後の流量の時間的変化は図3
(c)に示したように振幅が十分に小さいものとなる。
そして、このフィルタ部22を通過した後の流量がバッ
ファ部23に入力されるが、フィルタ部22を通過した
後の流量は時間的変化の振幅が小さいので、流れがプラ
ス側に長時間継続した場合であっても、流量値の積算し
た値がバッファ部23におけるバッファの範囲を越える
ことがない。そのため、図3(d)に示したように、積
算部24では、ガスメータの流量積算値としての積算は
行われず、外乱の影響による誤計測が防止される。
【0040】ここで、上記した(1)式および(2)式
の意義についてさらに詳細に説明する。上記のように、
(1)式は、前回の演算結果Yn-1 に平均化の重み付け
mから1を差し引いたものを乗じた値と、今回取得し
た測定流量Xn とを加算して、この加算値を平均化の重
み付け2m で除するという演算を行うものであるが、こ
の平均化の重み付け2m 、すなわちmの値を大きくする
程、今回取得した測定流量Xn が第1の平均化処理部2
2aの演算結果に及ぼす影響を小さくすることができ、
結果として、圧力変動等の外乱による誤計測を効果的に
防止することができる。但し、このmの値をあまりに大
きくすると、流量が実際に大きく変化しているにもかか
わらず、それが検知されるまでに長時間を要することと
なり、測定の応答性が低下するおそれがある。逆に、m
の値を小さくすると、今回取得した測定流量Xn が第1
の平均化処理部22aの演算結果に及ぼす影響が大きく
なって測定の応答性は向上するが、mの値を小さくし過
ぎると、外乱による誤計測が生じ易くなり、測定精度が
低下する。したがって、実際には、測定の応答性をあま
り悪化させない範囲内においてできる限り大きなmの値
を設定することが好ましい。
【0041】このことは、(2)式においても全く同様
であり、nの値を大きくすると、外乱による誤計測の防
止を担保できる反面、測定の応答性が低下し、nの値を
小さくすると、測定の応答性が向上する反面、外乱によ
る誤計測が生じ易い。したがって、nの値についても、
両者のバランスを図って適切に設定することが好まし
い。
【0042】例えば、第1の平均化処理部22aの処理
については応答性よりも誤計測の発生防止に重点を置く
一方、第2の平均化処理部22cによる処理について
は、誤計測の発生防止よりも応答性に重点を置く、とい
う方法が考えられる。この場合には、例えば、m=3と
し、n=1とするのが好適である。これとは逆に、第1
の平均化処理部22aの処理については誤計測の発生防
止よりも応答性に重点を置く一方、第2の平均化処理部
22cによる処理については、応答性よりも誤計測の発
生防止に重点を置く、という方法も考えられる。さら
に、第1の平均化処理部22aおよび第2の平均化処理
部22cの双方において、応答性よりも誤計測の発生防
止に重点を置くようにしたり、あるいは誤計測の発生防
止よりも応答性に重点を置くようにしてもよい。
【0043】また、供給圧力の変動量の大きさを考慮し
て、平均化の重み付け2m ,2n を決定するm,nの値
を設定するようにしてもよい。例えば、供給圧力の変動
量が比較的大きい場合にはm,nの値をより大きく設定
し、供給圧力の変動量が比較的小さい場合にはm,nの
値をより小さく設定するのが望ましい。
【0044】以上のように、本実施の形態に係るガスメ
ータによれば、流量演算部21により得られた流量測定
値に対して平均化処理を行い、これにより得られた平均
値が所定のしきい値athを超えるときはその平均値を用
いてさらに平均化処理を行う一方、得られた平均値がし
きい値ath以下のときは流量値を0とみなした上でさら
に平均化処理を行うようにしたので、これらの2段階の
平均化処理によって流量変動の振幅が十分に縮小化され
る。このため、バッファ部23において流量変動がプラ
ス側とマイナス側とでほぼ完全に相殺され、その積算値
がプラス側のバッファ機能の範囲を超えることが殆どな
くなる。したがって、圧力変動等の外乱に伴う誤計測を
従来よりも効果的に防止することができる。
【0045】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々の変
形が可能である。例えば、上記の各実施の形態では、バ
ッファ部23におけるバッファの範囲を、マイナス側4
リットル、プラス側1リットルとして説明したが、これ
に限らず、適宜設定するようにしてもよい。
【0046】また、上記の実施の形態では、平均化の重
み付けを2m という巾乗の形にしたが、これに限らず、
任意の自然数kを平均化の重み付けとしてもよい。但
し、マイクロコンピュータによる演算を容易化するため
には、2m という巾乗の形が望ましい。
【0047】また、上記の実施の形態では、判定の基準
となるしきい値athを、例えば1リットル/hに設定す
るとしたが、その他の値に設定してもよい。例えば、供
給圧力の変動量が比較的大きい場合にはしきい値ath
より大きく設定し、供給圧力の変動量が比較的小さい場
合にはしきい値athをより小さく設定するのが望まし
い。
【0048】また、上記の実施の形態では、流量が零の
ときに気体の圧力変動等の外乱があった場合について説
明したが、本実施の形態のガスメータでは、流量が零で
はないときに気体の圧力変動等の外乱があった場合にお
いても、フィルタ部22による平滑化処理によって、外
乱によるノイズ分が低減されるため、測定精度が向上す
る。
【0049】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、例えば、流量測定手段としてフルイディック素子1
1およびフローセンサ12の双方を用いたものに限ら
ず、フローセンサ12のみを用いたものや、フルイディ
ック素子11のみを用いたものであってもよい。さら
に、他の流量センサを用いたものでもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明のガスメータ
によれば、流量測定値に対して第1の平滑化手段による
平滑化処理を行って、その平滑化処理後の値に応じ、そ
の値をそのまま出力するか、あるいは他の値に置き換え
て出力するかの判定を行い、さらに、判定手段からの出
力値に対して第2の平滑化手段による平滑化処理を行う
ようにしたので、これらの2段階の平滑化処理によって
流量変動の振幅が十分に縮小化された上で緩衝手段に入
力される。このため、緩衝手段においては、平滑化処理
後の値がほぼ完全に相殺され、その積算値が所定の範囲
を超えることが殆どなくなる。したがって、圧力変動等
の外乱に伴う誤計測を従来よりも効果的に防止すること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るガスメータの要部
の構成を表すブロック図である。
【図2】図1のガスメータの計測制御部の動作を説明す
るための流れ図である。
【図3】図1のガスメータの作用を説明するための特性
図である。
【図4】従来のバッファ機能を備えたガスメータの作用
を説明するための特性図である。
【図5】従来のバッファ機能を備えた他のガスメータの
作用を説明するための特性図である。
【符号の説明】
11…フルイディック素子、 12…フローセンサ、 13…表示器、 20…計測制御部、 21…流量演算部、 22…フィルタ部、 22a…第1の平均化処理部、 22b…判定部、 22c…第2の平均化処理部、 23…バッファ部、 24…積算部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスの流量を測定するための流量測定手
    段と、 この流量測定手段による測定値に対して平滑化処理を施
    す第1の平滑化手段と、 この第1の平滑化手段による平滑化処理後の値に応じ
    て、その値をそのまま出力するか、あるいは他の値に置
    き換えて出力するかを判定し、その値を出力する判定手
    段と、 この判定手段からの出力値に対して平滑化処理を施す第
    2の平滑化手段と、 この第2の平滑化手段による平滑化処理後の値を積算
    し、その積算値が所定の範囲を超えたときに、前記第2
    の平滑化手段による平滑化処理後の値を出力する緩衝手
    段と、 この緩衝手段からの出力値を積算する積算手段とを備え
    たことを特徴とするガスメータ。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、前記第1の平滑化手段
    による平滑化処理後の値が所定のしきい値を超えている
    ときはその値をそのまま出力する一方、前記第1の平滑
    化手段による平滑化処理後の値が前記所定のしきい値以
    下のときは前記平滑化処理後の値を零に置き換えて出力
    することを特徴とする請求項1記載のガスメータ。
  3. 【請求項3】 前記第1の平滑化手段は、前記流量測定
    手段による測定値を所定の周期で取得し、前回の演算結
    果と今回取得した測定値とを所定の重み付けをもって平
    均化する演算を行うことにより、前記流量測定手段によ
    る測定値に対して平滑化処理を施すことを特徴とする請
    求項1記載のガスメータ。
  4. 【請求項4】 前記第2の平滑化手段は、前回の演算結
    果と今回の判定手段からの出力値とを所定の重み付けを
    もって平均化する演算を行うことにより、前記判定手段
    からの出力値に対して平滑化処理を施すことを特徴とす
    る請求項1記載のガスメータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013160715A (ja) * 2012-02-08 2013-08-19 Azbil Corp 流量制御装置

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