JPH11132649A - 冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、冷蔵庫出荷時の作業工程数や
購入者側の手間が増えることもなく、また、冷蔵庫使用
時にも食品棚を常に所定位置に装着した状態に維持で
き、冷却性能のバラツキが生じない冷蔵庫を提供する。 【解決手段】 冷凍室や冷蔵室の両側壁に、食品棚２ａ
〜２ｃを出し入れ自在に装着するレール溝を形成すると
ともに、食品棚２ａ〜２ｃを樹脂で成形する一方、食品
棚２ａ〜２ｃとレール溝のそれぞれの両側壁には、当該
食品棚２ａ〜２ｃを冷凍室や冷蔵室の所定の前後位置に
位置決め固定するための凸部２１と当該凸部２１が嵌合
する凹部を形成した。さらに、上記凸部２１を丸みを帯
びた形状に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は冷蔵庫に係わり、特
に小型冷蔵庫などの冷凍室や冷蔵室に出し入れ自在に装
着される食品棚の装着構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年の冷蔵庫、特に独身者などに用いら
れる図５に示すような，いわゆる２ドアタイプの小型冷
蔵庫１の食品棚２ａ，２ｂ，２ｃは、それまでの網棚か
ら、清掃がしやすく、かつ食品を置いたとき倒れにく
く、整理もしやすいトレー型の樹脂製食品棚が用いられ
るようになってきている。

【０００３】いずれの棚においても、冷蔵庫１への装着
構造としては、冷凍室１ａや冷蔵室１ｂを形成する内箱
３の左右の側壁に前後方向のリブを一体に成形したもの
や、内箱３の左右の側壁に別体の樹脂製レールを取り付
けたものがある。

【０００４】なお、トレー型の樹脂製食品棚２ａ〜２ｃ
の場合は、冷凍室１ａや冷蔵室１ｂ内を冷気が図５の矢
印で示す如く循環するように、樹脂製食品棚２ａ〜２ｃ
を最奥まできちんと装着したときに、冷凍室１ａや冷蔵
室１ｂの奥壁及び冷凍室扉４ａや冷蔵室扉４ｂの内面と
の間に所定間隔の冷気通路が形成されるようになってい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述した樹脂製レール
は、内箱３とは別に成形して、後で取り付けなければな
らないので、コスト高となる。

【０００６】一方、内箱３の左右の側壁に前後方向にリ
ブを設ける場合は、樹脂製食品棚２ａ〜２ｃを装着した
とき、食品棚２ａ〜２ｃが動かず所定位置で止まるよう
内箱３のリブをアンダーカット形状にしたり、樹脂の止
め具が必要となる。アンダーカット形状は、ウレタン発
泡前に発泡治具で受けられないところを、中子と呼ばれ
る部材を装着し、ウレタン発泡後に中子を外すという手
間のかかる作業が必要であった。このため、上記のリブ
を簡単なストレート形状に形成しているものが多い。

【０００７】ところで、冷蔵庫出荷時には、食品棚２ａ
〜２ｃを所定位置に装着し出荷するが、内箱３と食品棚
２ａ〜２ｃの幅方向には僅かな隙間があり、輸送時の前
後移動でこすれて、傷がついたり、樹脂の粉が庫内に落
ちたりするため、それらの間に緩衝用の当て紙や発泡ス
チロール等を介挿したり、テープを貼り付けて止めたり
している。このため、出荷時の作業工程数が増えてコス
トアップとなり、また購入者側ではテープを剥すのがな
かなか手間のかかるものであった。

【０００８】また、冷蔵庫使用時には、食品棚２ａ〜２
ｃを所定位置に装着しなければならないが、食品の出し
入れに伴って食品棚２ａ〜２ｃが手前側に移動すること
があり、そのままの状態で冷凍室扉４ａや冷蔵室扉４ｂ
が閉じられてしまうことがある。このように食品棚２ａ
〜２ｃが手前側にずれた状態にあると、図５に矢印で示
したように冷気が流れなくなり、食品棚２ａ〜２ｃの上
下で冷却性能にバラツキが生じてしまう。

【０００９】そこで、本発明はこのような問題点を解決
するためになされたものであり、簡単な構成で、冷蔵庫
出荷時の作業工程数や購入者側の手間が増えることもな
く、また、冷蔵庫使用時にも食品棚を常に所定位置に装
着した状態に維持でき、冷却性能のバラツキが生じない
冷蔵庫を提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明は、冷凍室や冷蔵室の両側壁に、食品棚を
出し入れ自在に装着するレール溝を形成するとともに、
前記食品棚を樹脂で成形する一方、前記食品棚とレール
溝のそれぞれの両側壁には、当該食品棚を冷凍室や冷蔵
室の所定の前後位置に位置決め固定するための凸部と当
該凸部が嵌合する凹部を形成したことを特徴とするもの
である。

【００１１】さらに、前記凸部を、その先端部分が丸み
を帯びた形状に形成したことを特徴とするものである。

【００１２】また、前記凸部と凹部を食品棚の前後対称
位置に形成したことを特徴とするものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施形態を図面
を参照して詳細に説明する。

【００１４】図１は、本願発明の実施形態に係る冷蔵庫
の庫内構成を示す正面図、図２はその樹脂製食品棚を示
す斜視図、図３は内箱の要部構成を示す斜視図である。
各図において、前記図５と同一符号は同一又は相当部分
を示している。

【００１５】この冷蔵庫１は、図１（各扉は省略してあ
る）に示すように、上に冷凍室１ａ、その下に冷蔵室１
ｂを有するいわゆる２ドアタイプの小型冷蔵庫で、冷凍
室１ａには、当該冷凍室１ａを上下２段に区画するため
１枚の食品棚２ａが装着され、冷蔵室１ｂには、当該冷
蔵室１ｂを上中下の３段に区画するため２枚の食品棚２
ｂ，２ｃが装着される。

【００１６】上記冷凍室１ａは、庫内が氷点以下に冷却
されるので断熱効果を高めるため外箱５と内箱３間の肉
厚が冷蔵室１ｂより厚く形成されている。そのため、冷
凍室１ａの食品収納容積を少しでも大きくすべく、内箱
３の左右の両側壁に前後方向に延びる凹溝を形成するこ
とにより、食品棚２ａを出し入れするためのレール溝６
ａが形成されている。このレール溝６ａは、食品棚２ａ
の上下位置を調整可能にするため複数段（本実施形態で
は３段）形成されている。

【００１７】一方、冷凍室１ｂ側の内箱３には、その左
右の両側壁に前後方向に延びるリブ７が上下に複数本形
成されており、これらのリブ７間に食品棚２ｂ，２ｃを
出し入れするためのレール溝６ｂが形成されている。こ
のレール溝６ｂも上記と同様に食品棚２ｂ，２ｃの上下
位置を調整可能にするため複数段形成されている。

【００１８】上記各食品棚２ａ〜２ｃは、透明樹脂によ
り図２に示すような長方形形状のトレー型に成形され
る。この食品棚２ａ〜２ｃの大きさは、左右方向の幅が
前記レール溝６ａ，６ａや６ｂ，６ｂの側壁間の幅より
も僅かに（１〜２ｍｍ程度）短く形成され、前後方向の
幅は冷凍室１ａや冷蔵室１ｂに装着したとき前後に所定
間隔の冷気通路ができる程度に形成される。このトレー
型の樹脂製食品棚２ａ〜２ｃは、前述したように清掃が
しやすく、かつ食品を置いたとき倒れにくく、整理もし
やすい利点がある。

【００１９】そして、上記樹脂製食品棚２ａ〜２ｃの左
右の両側壁２０，２０には、それぞれ所定の間隔を隔て
た２つの凸部２１，２１が後部寄りに形成されている。
これらの凸部２１は、側壁２０面から５ｍｍ〜１０ｍｍ
程度突出する大きさで、前記レール溝６ａ，６ｂの側壁
面をスムーズに摺動したり、レール溝６ａ，６ｂの側壁
に形成される後述の凹部に対してスムーズに嵌抜するよ
う、図２（ｂ）に拡大図示した如く丸みを帯びた半円柱
状に形成されている。

【００２０】一方、冷凍室１ａや冷蔵室１ｂに形成され
た各レール溝６ａ，６ｂには、図３（冷蔵室１ｂの方を
例示）に示すように、その奥まった側壁６０に、上記樹
脂製食品棚２ａ〜２ｃの側壁２０に形成された凸部２
１，２１に対応して、当該凸部２１が嵌合する大きさの
凹部６１，６１が形成されている。

【００２１】なお、上記各レール溝６ａ，６ｂは内箱３
の奥壁までは形成されず、食品棚２ａ〜２ｃを装着した
ときに、冷凍室１ａや冷蔵室１ｂの奥壁との間に所定間
隔の冷気通路が確保される位置まで形成され、このとき
図５に示した冷凍室扉４ａや冷蔵室扉４ｂとの間にも所
定間隔の冷気通路が確保されるようになっている。

【００２２】以上のように構成された冷蔵庫１の出荷
時、各樹脂製食品棚２ａ〜２ｃは、図１に示すように装
着される。この装着作業は、各食品棚２ａ〜２ｃをそれ
ぞれ図２に示す方向に持って側壁２０の凸部２１が片寄
って形成された後部側から、冷凍室１ａや冷蔵室１ｂの
適当なレール溝６ａ，６ｂに挿入することにより行われ
る。

【００２３】この時、食品棚２ａ〜２ｃの側壁２０面か
ら５ｍｍ〜１０ｍｍ程度突出して形成された凸部２１
が、挿入したレール溝６ａ，６ｂの側壁６０に当たる
が、この側壁６０は内箱３の側壁の一部であるので、内
箱３の弾性変形によりスムーズに挿入することができ
る。また、上記凸部２１は図２（ｂ）の拡大図で示すよ
うに丸みを帯びて形成されているので、装着時にレール
溝６ａ，６ｂ側の側壁６０が傷付くこともなく、スムー
ズに装着される。

【００２４】レール溝６ａ，６ｂの最奥まで食品棚２ａ
〜２ｃを挿入すると、食品棚２ａ〜２ｃの両側壁２０の
前後に形成された凸部２１，２１がレール溝６ａ，６ｂ
の対応する凹部６１，６１に嵌合し、内箱３の上記弾性
変形が元に戻って、ここで位置決め固定される。この状
態は、食品棚２ａ〜２ｃの手前側を手で持って引っ張る
ぐらいの力が加わらなければ外れないので、運搬時の傾
きや振動等で前後に移動したりガタついたりしないた
め、こすれて傷がついたり、樹脂の粉が庫内に落ちたり
することもなくなる。

【００２５】従って、上記のような凸部２１と凹部６１
を形成するいう簡単な構成で、製品出荷時に従来のよう
な緩衝用の当て紙や発泡スチロール等を介挿したり、テ
ープで貼り付け固定する等の作業が不要となり、作業工
程数が減少して、コスト低減が図れるようになる。ま
た、購入者側でも、貼り付けられているテープを剥がす
等の面倒な手間が掛からなくなる。

【００２６】一方、冷蔵庫使用時には、上記のようにし
て装着されてきた各樹脂製食品棚２ａ〜２ｃが購入者側
の使用形態に応じて装着し直されることがあるが、上述
したようにテープを剥がす等の面倒な手間が掛からない
ので、上記の装着作業と同様に、簡単に装着し直すこと
ができる。このときも、食品棚２ａ〜２ｃの凸部２１が
図２（ｂ）に示したように丸みを帯びて形成されている
ので、レール溝６ａ，６ｂの側壁６０との摺動や凹部６
１への嵌抜を傷付きや粉落ちを伴うことなくスムーズに
行うことができる。

【００２７】各樹脂製食品棚２ａ〜２ｃが所定位置に装
着されれば、上記凸部２１と凹部６１の嵌合により、食
品の出し入れ等を行っても、食品棚２ａ〜２ｃが手前側
に移動することはなく、食品棚２ａ〜２ｃの前後に図５
に示したような所定間隔の冷気通路が確保されるため、
食品棚２ａ〜２ｃの上下間で冷却性能のバラツキが生じ
ることもなくなる。

【００２８】なお、上記実施形態では、樹脂製食品棚２
ａ〜２ｃに装着時の方向性を持たせるように凸部２１及
び凹部６１を片寄らせて形成したが、樹脂製食品棚２ａ
〜２ｃ自体に方向性がなければ、図４に示すように、両
側壁２０それぞれの２つの凸部２１，２１を前後対称位
置に形成し、それに対応してレール溝６ａ，６ｂの凹部
６１，６１を形成すれば、食品棚２ａ〜２ｃをいずれの
方向でもセットでき、前後方向の確認作業が不要となる
ので、作業性が向上する。

【００２９】また、上記実施形態では、樹脂製食品棚２
ａ〜２ｃの両側壁２０に２つずつ凸部２１，２１を形成
し、これに対応してレール溝６ａ，６ｂの両側壁６０に
も２つずつ凹部６１，６１を形成したが、それぞれ１つ
ずつ形成しても良い。また、１つの場合は、上記前後対
称位置の特異ケースとして真ん中に形成すれば、方向性
もなくすことができ、上記と同様な効果が得られる。

【００３０】さらに、上記実施形態では、各樹脂性食品
棚２ａ〜２ｃ側に凸部２１を形成し、レール溝６ａ，６
ｂ側に凹部６１を形成したが、逆に、レール溝６ａ，６
ｂ側に凸部を形成して、樹脂性食品棚２ａ〜２ｃ側に凹
部を形成するようにしても良い。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本願発明によれば、冷凍室
や冷蔵室の両側壁に、食品棚を出し入れ自在に装着する
レール溝を形成するとともに、食品棚を樹脂で成形する
一方、食品棚とレール溝のそれぞれの両側壁には、当該
食品棚を冷凍室や冷蔵室の所定の前後位置に位置決め固
定するための凸部と当該凸部が嵌合する凹部を形成した
ので、凸部と凹部を形成するという簡単な構成で、冷蔵
庫出荷時の緩衝用当て紙や発泡スチロール等の介挿やテ
ープ貼り付け等が不要となるため、作業工程数が減少し
て、コスト低減が図れるようになる。また、購入者側で
も、貼り付けられているテープを剥がす等の面倒な手間
が掛からなくなる。さらに、冷蔵庫使用時にも食品棚を
常に所定位置に装着した状態に維持でき、食品棚の前後
に所定間隔の冷気通路が確保されるので、食品棚の上下
間で冷却性能のバラツキが生じることもなくなる。

【００３２】さらに、上記凸部を、その先端部分が丸み
を帯びた形状に形成したので、食品棚の装着時や取り外
し時における凸部の摺動や凹部への嵌抜を傷付きや粉落
ちを伴うことなくスムーズに行うことができる。

【００３３】また、上記凸部と凹部を食品棚の前後対称
位置に形成すれば、食品棚をいずれの方向でも装着で
き、前後方向の確認作業が不要となるので、作業性が向
上するようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施形態に係る冷蔵庫の庫内構成を
示す正面図。

【図２】本実施形態の樹脂製食品棚を示す斜視図で、
（ａ）は全体構成図、（ｂ）は要部拡大図。

【図３】本実施形態の内箱の要部構成を示す斜視図で、
（ａ）は冷蔵室の構成図、（ｂ）は要部拡大図。

【図４】樹脂製食品棚の他の実施形態を示す斜視図。

【図５】小型冷蔵庫の側断面図。

【符号の説明】

１ 冷蔵庫 １ａ 冷凍室 １ｂ 冷蔵室 ２ａ〜２ｃ 食品棚 ２０ 食品棚の側壁 ２１ 凸部 ３ 内箱 ４ａ 冷凍室扉 ４ｂ 冷蔵室扉 ５ 外箱 ６ａ，６ｂ レール溝 ６０ レール溝の側壁 ６１ 凹部 ７ リブ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷凍室や冷蔵室の両側壁に、食品棚を出
   し入れ自在に装着するレール溝を形成するとともに、前
   記食品棚を樹脂で成形する一方、前記食品棚とレール溝
   のそれぞれの両側壁には、当該食品棚を冷凍室や冷蔵室
   の所定の前後位置に位置決め固定するための凸部と当該
   凸部が嵌合する凹部を形成したことを特徴とする冷蔵
   庫。
2. 【請求項２】 前記凸部を、その先端部分が丸みを帯び
   た形状に形成したことを特徴とする請求項１記載の冷蔵
   庫。
3. 【請求項３】 前記凸部と凹部を食品棚の前後対称位置
   に形成したことを特徴とする請求項１又は請求項２記載
   の冷蔵庫。