JPH11131968A - 電気破砕方法及び装置 - Google Patents

電気破砕方法及び装置

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JPH11131968A
JPH11131968A JP29864097A JP29864097A JPH11131968A JP H11131968 A JPH11131968 A JP H11131968A JP 29864097 A JP29864097 A JP 29864097A JP 29864097 A JP29864097 A JP 29864097A JP H11131968 A JPH11131968 A JP H11131968A
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JP
Japan
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magnetic field
crushing
crushed
electrodes
generated
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Pending
Application number
JP29864097A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Masutani
栄伸 増谷
Masanaga Shiaku
正祥 塩飽
Norio Takahashi
典夫 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】破砕作業のニーズに応答して破砕態様を変え、
破砕対象物の電気破砕作業を円滑かつ柔軟に行うことが
できる電気破砕方法及び装置を提供すること。 【解決手段】電極13を所定の距離だけ離隔して破砕対
象物17に接触し、オイル15を注入した状態で、電圧
パルス発生部11から所定の電圧パルスを発生するとと
もに、磁界発生部14が所定の磁界を発生すると、この
磁界方向及び電流の流れる方向に応答して力Fd又はF
uが生じ、トリーの形成要因となる電子に力Fd又はF
uが印加されるため、磁界発生部18が、かかる磁界発
生部14が発生する磁界を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高電圧を印加した
電極間の放電により破砕対象物を電気破砕する電気破砕
方法及び装置に関し、特に、破砕作業のニーズに応答し
て破砕態様を変え、破砕対象物の電気破砕作業を円滑か
つ柔軟に行う電気破砕方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネルの掘削、解体、砕石及び
産業廃棄物の処理等を行う際に、岩やコンクリート等の
絶縁性のある固体を破砕する必要が生じる。かかる場合
に、この絶縁性固体を機械的に破砕する機械的工法や、
火薬を用いて破砕する発破工法や、衝撃波を用いて破砕
する衝撃波工法が用いられることが多い。
【0003】ところが、この機械的工法には、破砕工具
又は破砕装置が消耗し易いという問題があり、発破工法
には、安全性、騒音並びに振動という問題があり、衝撃
波工法には、段取りに要する時間を要するという問題が
ある。
【0004】このため、最近、オイルや水等の液体中
で、岩盤やコンクリート等の非導電性の固体を電気エネ
ルギーの放電により破砕する技術(以下、「電気破砕技
術」と言う。)が登場してきた。
【0005】例えば、特開平4−222794号公報に
は、ドリル等によって岩石等の固体絶縁物に穴をあけ、
この穴の中に粘性のある電解液(例えば、硫酸銅電解
液)を入れた状態で高電圧パルスを供給して、プラズマ
放電の電気エネルギーを用いた電気破砕を行う技術が開
示されている。
【0006】また、特開平9−11983号公報には、
固体絶縁体の表面上に電極を配置し、該固体絶縁体より
も絶縁度の高い液体で電極設置部の周囲を覆った後に、
パルス電圧をかけて放電して固体絶縁体を破壊するよう
構成した固体絶縁体の破壊方法が開示されている。
【0007】このように、これらの先行技術に代表され
る電気破砕技術では、オイルや水のような絶縁性媒体に
破砕対象物を配設し、該破砕対象物の絶縁破壊電圧を越
える電圧パルスを電極に供給し、この電極間に発生する
放電を利用して破砕対象物を電気破砕する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の電気破砕技術では、電極と破砕対象物との位置関
係によって破砕領域が一意に定まるため、一度の電圧パ
ルスで破砕する破砕領域及びその破砕量を変えることは
できない。
【0009】すなわち、実際の破砕作業を行う際には、
一度の電圧パルスでできるだけ深部まで破砕を行いたい
場合や、破砕対象物の表面をできるだけ広く破砕したい
場合があるが、従来の電気破砕技術では、これらの要求
に対応できない。
【0010】このため、例えば電極を挿入するための孔
を破砕対象物に設け、この孔の深さを調節することによ
って所望の破砕領域を設定することになるが、かかる破
砕作業を行うためには、放電による電気破砕作業を行う
前にドリル等を用いた穿孔処理等が必要となり、また、
穿孔処理を慎重に行わざるを得ない。
【0011】したがって、破砕作業のニーズに応答して
破砕態様を変え、破砕対象物の電気破砕作業を円滑かつ
柔軟に行える電気破砕装置をいかに実現するかが重要な
課題となっている。
【0012】そこで、本発明では、上記課題を解決し
て、破砕作業のニーズに応答して破砕態様を変え、破砕
対象物の電気破砕作業を円滑かつ柔軟に行うことができ
る電気破砕方法及び装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用効果】上記目的
を達成するため、第1の発明は、高電圧を印加した電極
間の放電により破砕対象物を電気破砕する電気破砕装置
において、前記破砕対象物を電気破砕し得る電圧パルス
を前記電極に供給するパルス電源と、前記パルス電源に
より電圧パルスが供給された電極間に生じる放電方向と
交差する方向に磁界を発生する磁界発生手段とを具備す
るよう構成したので、下記に示す効果が得られる。
【0014】1)破砕作業のニーズに応答する方向の磁
界を印加し、もってニーズに対応する態様の電気破砕を
行うことができる。
【0015】2)破砕対象物の電気破砕作業を効率良く
行うことができるまた、第2の発明は、電極と破砕対象
物との間に絶縁性媒体を供給し、前記電極間の放電によ
り破砕対象物を絶縁破壊する電気破砕装置において、前
記絶縁性媒体及び破砕対象物が同一の絶縁破壊電圧で絶
縁破壊を開始する電圧印加時間よりも早く前記破砕対象
物の絶縁破壊電圧に達する電圧パルスを前記電極に供給
するパルス電源と、前記パルス電源により電圧パルスが
供給された電極間に生じる放電方向と交差する方向に磁
界を発生する磁界発生手段と、記磁界発生手段が発生す
る磁界のベクトル量を変えて、前記破砕対象物の破砕態
様を制御する制御手段とを具備するよう構成したので、
下記に示す効果が得られる。
【0016】1)破砕作業のニーズに応答する方向の磁
界を印加し、もってニーズに対応する態様の電気破砕を
行うことができる。
【0017】2)破砕対象物の電気破砕作業を円滑かつ
柔軟に行うことができる。
【0018】また、第3の発明は、上記第2の発明にお
いて、前記制御手段が、前記磁界発生手段が発生する磁
界の方向を変えることにより、該磁界の方向と前記電極
間の放電方向とに応答して発生し、前記電極間を短絡す
る電子に印加される力を制御するよう構成したので、フ
レミングの左手の法則に対応する力を電子に印加するこ
とができる。
【0019】また、第4の発明は、上記第3の発明にお
いて、前記制御手段が、前記電極間の放電方向と前記磁
界発生手段が発生する磁界の方向とに応答して発生する
下向きの力を前記電極間を短絡する電子に印加して、前
記破砕対象物の深部を電気破砕するよう構成したので、
1度の電圧パルスで破砕対象物のより深部まで効率良く
電気破砕することができる。
【0020】また、第5の発明は、上記第3の発明にお
いて、前記制御手段が、前記電極間の放電方向と前記磁
界発生手段が発生する磁界の方向とに応答して発生する
上向きの力を前記電極間を短絡する電子に印加して、前
記破砕対象物の表面部を広く電気破砕するよう構成した
ので、1度の電圧パルスで破砕対象物の表面部を幅広く
電気破砕することができる。
【0021】また、第6の発明は、電極と破砕対象物と
の間に絶縁性媒体を供給し、前記電極間の放電により破
砕対象物を絶縁破壊する電気破砕装置において、少なく
とも1つのプラス電極と、前記プラス電極とそれぞれ対
をなす複数のマイナス電極と、前記絶縁性媒体及び破砕
対象物が同一の絶縁破壊電圧で絶縁破壊を開始する電圧
印加時間よりも早く前記破砕対象物の絶縁破壊電圧に達
する電圧パルスを前記プラス電極及び複数のマイナス電
極間にそれぞれ供給するパルス電源と、前記パルス電源
により電圧パルスが供給されたプラス電極と各マイナス
電極間に生じる各放電方向とそれぞれ交差する複数の方
向に磁界を発生する磁界発生手段と、前記磁界発生手段
が複数の方向に発生する磁界のベクトル量を変えて、前
記破砕対象物の破砕態様を制御する制御手段とを具備す
るよう構成したので、多電極による効率の良い電気破砕
を行うことができる。
【0022】また、第7の発明は、電極と破砕対象物と
の間に絶縁性媒体を供給し、前記電極間の放電により破
砕対象物を絶縁破壊する電気破砕方法において、前記絶
縁性媒体及び破砕対象物が同一の絶縁破壊電圧で絶縁破
壊を開始する電圧印加時間よりも早く前記破砕対象物の
絶縁破壊電圧に達する電圧パルスを前記電極に供給し、
該電圧パルスが供給された電極間に生じる放電方向と交
差する方向に磁界を発生し、該発生する磁界の方向を変
えることにより、前記破砕対象物の破砕態様を制御する
ことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる実施の形態
について図面を参照して説明する。
【0024】まず最初に、本発明が前提とする電気破砕
技術の概念について図2を用いて説明する。
【0025】図2は、固体及び液体に関する絶縁破壊電
圧と時間との関係を示す図である。
【0026】同図に示すように、固体の絶縁破壊電圧及
び液体の絶縁破壊電圧は、それぞれ時間の経過とともに
低下する点で共通するが、液体の電圧低下率は、固体の
電圧低下率よりも大きい。
【0027】このため、固体の絶縁破壊曲線と液体の絶
縁破壊曲線は、所定の位置(以下「クロス点」と言
う。)pで交差し、該クロス点pが固体を電気破砕し得
るか否かを示す指標となる。
【0028】すなわち、図中の曲線21に示すように、
絶縁性固体に印加する電圧の立ち上りが早く、クロス点
pに対応する時間tp以内に固体の絶縁破壊電圧を上回
る電圧を所定時間印加できれば、この固体は絶縁破壊で
きる。
【0029】一方、図中の曲線22に示すように、絶縁
性固体に印加する電圧の立ち上がりが遅く、クロス点に
対応する時間tpの時点で固体の絶縁破壊電圧を上回る
ことができない場合には、固体を絶縁破壊できない。
【0030】このように、液体の絶縁破壊曲線と固体の
絶縁破壊曲線のクロス点を求めることにより、少なくと
も固体を絶縁破壊するための時間的条件及び電気的条件
が判明する。
【0031】したがって、かかる電気破砕技術では、液
体の絶縁破壊曲線と固体の絶縁破壊曲線のクロス点に基
づいて、該固体を絶縁破壊するための条件を求め、この
条件を満たす高電圧パルスを破砕対象物に供給して、該
破砕対象物の電気破砕を行うことになる。
【0032】なお、かかる絶縁性媒体たる液体としてオ
イルや水を用いることができるが、本実施の形態では、
オイルを絶縁性媒体として利用する場合を示すこととす
る。
【0033】次に、本実施の形態で用いる電気破砕装置
の構成について説明する。
【0034】図1は、本実施の形態で用いる電気破砕装
置の構成を示す図である。
【0035】図1に示す電気破砕装置は、電極13から
放電された破砕対象物17中を流れる電子に対して磁界
発生部14が発生した磁界に応答する力Fd又はFuを
加えることにより、電気破砕量を逐次制御できるよう構
成したものである。
【0036】例えば、この磁界発生部14が図面の裏面
から表面に向かう方向に磁界を発生した場合には、フレ
ミングの左手の法則に基づいて、破砕対象物17中を流
れる電子に下向きの力Fdが加わるため、破砕対象物の
より深部にまで電子が到達し、1パルスあたりの破砕量
が多くなる。
【0037】これに対して、この磁界発生部14が図面
の表面から裏面に向かう方向に磁界を発生した場合に
は、破砕対象物17中を流れる電子に上向きの力Fuが
加わるため、破砕対象物の表面に広く電子が到達する。
【0038】このため、この電気破砕装置では、磁界発
生部14が発生する磁界を制御することにより、破砕対
象物の破砕態様を適宜制御することができる。
【0039】同図に示すように、この電気破砕装置は、
立ち上がりの早いパルスを発生する電圧パルス発生部1
1と、絶縁性媒体たるオイルを蓄えるタンク12と、破
砕対象物17に接触される一対の電極13と、永久磁石
又は電磁石を用いて磁界を発生する磁界発生部14と、
タンク12から注入したオイル15の漏れを防ぐカバー
16と、磁界を発生する磁界発生部14を制御する制御
部18とからなる。
【0040】そして、破砕対象物17を電気破砕する場
合には、まず最初に一対の電極13を所定の距離だけ離
隔して破砕対象物17に接触し、その周辺をカバー16
で覆った後に、タンク12に保持したオイルを注入す
る。
【0041】その後、電圧パルス発生部11から所定の
電圧パルスを発生すると、電極13から放電された電子
が破砕対象物17を流れて順次トリーを伸延し、該トリ
ーの伸延によって破砕対象物表面が電気破砕される。
【0042】なお、このトリーとは、破砕対象物17の
絶縁破壊電圧を越えるパルス電圧を印加した場合に生ず
る樹枝状の放電路である。
【0043】ここで、磁界発生部14が所定の磁界を発
生すると、この磁界方向及び電流の流れる方向に応答し
て力Fd又はFuが生じ、トリーの形成要因となる電子
に力Fd又はFuが印加される。
【0044】このため、制御部18が磁界発生部14が
発生する磁界を制御して、破砕対象物17に生ずるトリ
ーの深さを変え、もって破砕対象物17の破砕対象領域
を自在に制御することが可能となる。
【0045】次に、図1に示す磁界発生部14が発生す
る磁界によって、破砕対象物17内の電子に下向きの力
Fdを加えた場合について具体的に説明する。
【0046】図3は、図1に示す磁界発生部14が発生
する磁界によって、破砕対象物17内の電子に下向きの
力Fdを加えた場合を示す図である。
【0047】同図(a)に示すように、破砕対象物17
の絶縁破壊電圧を越えるパルス電圧をプラス電極31及
びマイナス電極32に印加すると、マイナス電極32か
ら発生し、電極間を短絡しようとする電子34が、プラ
ス電極31に向けて破砕対象物17内を進行する。
【0048】ここで、紙面の裏面から表面への方向に磁
界33を発生させると、フレミングの左手の法則に従
い、破砕対象物17内を進行する電子34に下向きの力
Fdが加わる。
【0049】このため、かかるFdが大きければ大きい
ほど、電子34が破砕対象物17の内部を通り、その結
果として破砕対象物17のより内部にトリーが形成され
ることになる。
【0050】同図(b)は、かかる力Fdを印加する場
合のポテンシャルエネルギーを示す図であり、同図に示
すように、破砕対象物17に磁界33をかけると、電子
34のポテンシャルエネルギーが下がり、破砕対象物1
7の深部に電流が流れやすくなる。
【0051】つまり、電子34のポテンシャルエネルギ
ーは、破砕対象物17の表面部よりも深部のほうが低い
状態となる。
【0052】したがって、破砕電流は、破砕対象物17
の深部を通り、もって1パルスあたりの破砕量が大きく
なる。
【0053】次に、図1に示す磁界発生部14が発生す
る磁界によって、破砕対象物17内の電子に上向きの力
Fuを加える場合について具体的に説明する。
【0054】図4は、図1に示す磁界発生部14が発生
する磁界によって、破砕対象物17内の電子に上向きの
力Fuを加えた場合を示す図である。
【0055】同図(a)に示すように、破砕対象物17
の絶縁破壊電圧を越えるパルス電圧をプラス電極31及
びマイナス電極32に印加すると、図3(a)の場合と
同様に、マイナス電極32から発生した電子34が、プ
ラス電極31に向けて破砕対象物17内を進行する。
【0056】ここで、紙面の表面から裏面への方向に磁
界35を発生させると、フレミングの左手の法則に従
い、破砕対象物17内を進行する電子34に上向きの力
Fuが加わる。
【0057】このため、かかるFuが大きければ大きい
ほど、電子34が破砕対象物17の表面部を通り、その
結果として破砕対象物17のより表面部にトリーが形成
されることになる。
【0058】同図(b)は、かかる力Fuを印加する場
合のポテンシャルエネルギーを示す図であり、同図に示
すように、破砕対象物17に磁界35をかけると、電子
34のポテンシャルエネルギーが上がり、破砕対象物1
7の深部に電流が流れ難くなる。
【0059】つまり、電子34のポテンシャルエネルギ
ーは、破砕対象物17の表面部よりも深部のほうが高い
状態となる。
【0060】ここで、破砕対象物17と絶縁性媒体であ
るオイル15は、もともとポテンシャルエネルギーが非
常に高いものであるため、互いに高いポテンシャルエネ
ルギーで囲まれた領域が破砕対象物17の表面部に形成
される。
【0061】この状態では、電極が配置された軸上が最
もポテンシャルエネルギーが高く、かかる軸から離れる
につれてポテンシャルエネルギーが徐々に低くなる。
【0062】ただし、ここで言うポテンシャルエネルギ
ーの高低は相対的なものであるため、例えば高気圧と低
気圧とが存在する場合に空気が高気圧から低気圧へと流
れるのと同様の現象が生ずる。
【0063】その結果、電子34は、ポテンシャルエネ
ルギーが低くなる電極配置軸の外側へ回り込むように浅
く広く流れ、破砕対象物17表面を広く破砕できること
になる。
【0064】このように、磁界をかける方向を選択的に
変えると、該方向に応答して電子34に下向きの力Fd
又は上向きの力Fuが印加され、破砕対象物17の破砕
態様を変えることができる。
【0065】次に、図1に示す構成を用いて形成した多
電極配置の破砕ヘッドについて説明する。
【0066】図5は、図1に示す構成を用いて形成した
多電極配置の破砕ヘッドの一例を示す図である。ここで
は、破砕ヘッドを上から見た場合を示している。
【0067】同図に示すように、この破砕ヘッド50
は、その中央部及び外周部にプラス電極51及び6つの
マイナス電極52をそれぞれ配設するとともに、各マイ
ナス電極52からプラス電極51への電子の進行経路と
磁界の方向とがそれぞれ交わるように永久磁石53を配
設する。
【0068】したがって、かかる永久磁石のN極からS
極へ至る磁界54の方向と、プラス電極51から各マイ
ナス電極52への電流の流れる方向とにより、電子には
下向きの力Fdが印加されるため、破砕対象物のより深
部へトリーを生じさせることが可能となる。
【0069】また、説明の便宜上図示省略したが、かか
る永久磁石53をそれぞれ反転させ、S極とN極の位置
を変える機構を採用することにより、電子に上向きの力
Fuを印加することもできる。
【0070】このように、破砕効率を上げるために多電
極配置とした場合についても本発明を適用することがで
きる。
【0071】次に、上記構成を有する電気破砕装置を用
いて電気破砕を行った場合の破砕結果について説明す
る。
【0072】図6は、図1に示す電気破砕装置を用いた
破砕結果を示す図である。なお、ここでは電極間距離を
7cmとし、また電極に印加する電圧パルスを480k
Vとし、電界を0.5〜1テスラーとした場合を示して
いる。
【0073】同図に示すように、磁界により上向きの力
Fuを電子に印加した場合には、破砕効率が739J/
cc、破砕能率が2.91cc/PLSとなり、また磁
界により下向きの力Fdを電子に印加した場合には、破
砕効率が657J/cc、破砕能率が3.26cc/P
LSとなった。
【0074】そこで、この結果を磁界を印加しない比較
用データと比較すると、いずれの場合においても、その
破砕効率及び破砕能率が比較データよりも勝っているこ
とから、破砕効率の改善が確認された。
【0075】その理由は、上向きの力Fuを電子に印加
した場合には、電極配置軸の外側へ回り込むように電流
が浅く広く流れたために、破砕対象物17表面を広く破
砕できたからである。また、下向きの力Fdを印加した
場合には、破砕対象物17のより深部まで電流が流れ、
破砕対象物17を深く破砕できたからである。
【0076】なお、本実施の形態では、絶縁性媒体とし
てオイルを用いた場合を示したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、水等の他の絶縁性媒体を用いるこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態で用いる電気破砕装置の構成を示
す図。
【図2】固体及び液体に関する絶縁破壊電圧と時間の関
係を示す図。
【図3】図1に示す磁界発生部が発生する磁界によっ
て、破砕対象物内の電子に下向きの力Fdを加えた場合
を示す図。
【図4】図1に示す磁界発生部が発生する磁界によっ
て、破砕対象物内の電子に上向きの力Fuを加えた場合
を示す図。
【図5】図1に示す構成を用いて形成した多電極配置の
破砕ヘッドの一例を示す図。
【図6】図1に示す電気破砕装置を用いた破砕結果を示
す図。
【符号の説明】
11…電圧パルス発生部、 12…タンク、 13…電
極、14…磁界発生部、 15…オイル、 16…カバ
ー、17…破砕対象物、 18…制御部、31…プラス
電極、 32…マイナス電極、33,35…磁界、 3
4…電子、 50…破砕ヘッド、51…プラス電極、
52…マイナス電極、 53…永久磁石、54…磁界の
方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧を印加した電極間の放電により破
    砕対象物を電気破砕する電気破砕装置において、 前記破砕対象物を電気破砕し得る電圧パルスを前記電極
    に供給するパルス電源(11)と、 前記パルス電源により電圧パルスが供給された電極間に
    生じる放電方向と交差する方向に磁界を発生する磁界発
    生手段(14)とを具備することを特徴とする電気破砕
    装置。
  2. 【請求項2】 電極と破砕対象物との間に絶縁性媒体を
    供給し、前記電極間の放電により破砕対象物を絶縁破壊
    する電気破砕装置において、 前記絶縁性媒体及び破砕対象物が同一の絶縁破壊電圧で
    絶縁破壊を開始する電圧印加時間よりも早く前記破砕対
    象物の絶縁破壊電圧に達する電圧パルスを前記電極に供
    給するパルス電源(11)と、 前記パルス電源により電圧パルスが供給された電極間に
    生じる放電方向と交差する方向に磁界を発生する磁界発
    生手段(14)と、 前記磁界発生手段が発生する磁界のベクトル量を変え
    て、前記破砕対象物の破砕態様を制御する制御手段(1
    8)とを具備することを特徴とする電気破砕装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、 前記磁界発生手段が発生する磁界の方向を変えることに
    より、該磁界の方向と前記電極間の放電方向とに応答し
    て発生し、前記電極間を短絡する電子に印加される力を
    制御することを特徴とする請求項2記載の電気破砕装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、 前記電極間の放電方向と前記磁界発生手段が発生する磁
    界の方向とに応答して発生する下向きの力を前記電極間
    を短絡する電子に印加して、前記破砕対象物の深部を電
    気破砕することを特徴とする請求項3記載の電気破砕装
    置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、 前記電極間の放電方向と前記磁界発生手段が発生する磁
    界の方向とに応答して発生する上向きの力を前記電極間
    を短絡する電子に印加して、前記破砕対象物の表面部を
    広く電気破砕することを特徴とする請求項3記載の電気
    破砕装置。
  6. 【請求項6】 電極と破砕対象物との間に絶縁性媒体を
    供給し、前記電極間の放電により破砕対象物を絶縁破壊
    する電気破砕装置において、 少なくとも1つのプラス電極(51)と、 前記プラス電極とそれぞれ対をなす複数のマイナス電極
    (52)と、 前記絶縁性媒体及び破砕対象物が同一の絶縁破壊電圧で
    絶縁破壊を開始する電圧印加時間よりも早く前記破砕対
    象物の絶縁破壊電圧に達する電圧パルスを前記プラス電
    極及び複数のマイナス電極間にそれぞれ供給するパルス
    電源(11)と、 前記パルス電源により電圧パルスが供給されたプラス電
    極と各マイナス電極間に生じる各放電方向とそれぞれ交
    差する複数の方向に磁界を発生する磁界発生手段(1
    4)と、 前記磁界発生手段が複数の方向に発生する磁界のベクト
    ル量を変えて、前記破砕対象物の破砕態様を制御する制
    御手段(18)とを具備することを特徴とする電気破砕
    装置。
  7. 【請求項7】 電極と破砕対象物との間に絶縁性媒体を
    供給し、前記電極間の放電により破砕対象物を絶縁破壊
    する電気破砕方法において、 前記絶縁性媒体及び破砕対象物が同一の絶縁破壊電圧で
    絶縁破壊を開始する電圧印加時間よりも早く前記破砕対
    象物の絶縁破壊電圧に達する電圧パルスを前記電極に供
    給し、 該電圧パルスが供給された電極間に生じる放電方向と交
    差する方向に磁界を発生し、 該発生する磁界の方向を変えることにより、前記破砕対
    象物の破砕態様を制御することを特徴とする電気破砕方
    法。
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