JPH11131257A - 摺動部の耐摩耗被膜成形物及び被膜成形方法 - Google Patents
摺動部の耐摩耗被膜成形物及び被膜成形方法Info
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- JPH11131257A JPH11131257A JP30084997A JP30084997A JPH11131257A JP H11131257 A JPH11131257 A JP H11131257A JP 30084997 A JP30084997 A JP 30084997A JP 30084997 A JP30084997 A JP 30084997A JP H11131257 A JPH11131257 A JP H11131257A
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Abstract
被膜させ、公害が少なく且つ安価な被膜処理法により摺
動部における摩耗の抑制、寿命の向上を可能にする摺動
部の耐摩耗被膜成形物及びその被膜成形方法を提供す
る。 【解決手段】金属成品又はセラミック又はプラスチック
又はこれらの混合体から成る摺動部の表面に、潤滑剤粉
体を噴射速度80m/sec 以上又は噴射圧力0.3MPa 以
上で噴射すると、潤滑剤粉体の衝突前と衝突後の速度の
変化は、エネルギー不変の法則により、その大部分は熱
エネルギーに変換され、潤滑剤粉体が衝突した変形部分
のみで熱交換され、温度上昇は潤滑剤粉体と摺動部の表
面付近に局部的に生ずる。このとき潤滑剤粉体が摺動部
の表面で加熱されるために潤滑剤粉体内の元素が摺動部
の表面に活性化吸着して拡散浸透し、潤滑剤粉体による
被膜層を形成する。
Description
のための潤滑処理に関し、特に、鉄鋼、鋳鉄等の鉄系金
属もしくはアルミニウム、真鍮等の非鉄系金属、もしく
は超硬合金、セラミック合金、サーメット等の粉末合金
などから成る金属成品又はセラミック又はプラスチック
あるいはこれらの混合体から成る摺動部をブラスト加工
して前記摺動部の表面に潤滑剤粉体を被覆することによ
り摺動部の耐摩耗性を向上させることのできる被膜成形
物及びその成形方法に関する。
力等が求められているが、特に直噴化が進み噴射ポンプ
等の摺動部、エンジンの摺動部、ギヤ部の摺動部等の寿
命が問題となっている。また、工作機械等においても高
回転、高速化が求められている。いずれの場合も潤滑を
行っているが、高出力、高速化等により油が廻りきらな
いことや、高出力化によるオイル粘度の低下が始動時の
摩擦を増加させ、初期段階における故障の原因となって
いる。従来、摺動部においては、該摺動部の表面の摩耗
を防止するために、焼入れ、浸炭、窒化等の熱処理によ
って成品の素材の硬度を向上させたり、旋盤、フライス
盤等の工作機械による切削、研削、研磨等の機械加工を
施して摺動部の表面粗さを向上させていた。さらに、油
浴法、飛沫法、滴下法、循環法、噴霧法等の給油法によ
り、摺動部の表面に油膜を形成し、前記摺動部の摩耗を
防止しているが、これらの給油法において摺動部の表面
に効果的に油膜を形成する方法を開発したり、あるいは
油膜切れを防止するために潤滑油の成分を向上させた
り、種々の開発が行われている。
上させるために、摺動部の表面に、きさげ加工、クロス
研磨等を行い、摺動部表面に油溜りとなる凹部を形成し
てきた。なお、きさげ加工は、ばねきさげ、平きさげ、
ささばきさげなどのきさげで摺動部の表面を少量づつ削
り取る加工方法である。また、前記クロス研磨は、ホー
ニング盤を用いてホーニングの送り速度を速くして摺動
部表面に交叉状にホーニング加工し研磨する方法であ
る。
じさせる潤滑処理法としてボンディ処理、デフリックコ
ート、リューブライト、各種金属メッキ法がある。
の潤滑剤として行い、リン酸亜鉛等の薬液中に順時浸漬
して表面に被膜を生成し、耐摩耗性を向上させる方法で
ある。
に下地処理後、焼付塗装等で2硫化モリブデン等のコー
ティングを行っている。
おいて塩浴炉で表面に浸硫層を形成させている。
止方法においては、以下の問題があった。
高くすると、摺動部に歪みが発生し、この歪みを修正す
るために多くの時間を必要とし、あるいは修正不可能な
不良品が発生するという問題があった。
処理により被処理成品の母材ないしは摺動部の表面の硬
度を高くすると、靱性が低下し脆くなるため、ピッチン
グを発生するという問題があった。例えば、被処理成品
がギヤの場合、摺動部であるギヤの刃先コーナにピッチ
ング現象が生じる。
るとコストアップになるという問題があった。
油溜りを形成する方法においては、摺動部表面の硬度が
高すぎると、きさげ加工をすることが難しくなるので、
成品の表面の硬度を高くするために熱処理などを施すこ
とができず、耐摩耗性向上には限界があった。そのた
め、長時間摺動すると、摺動部は該摺動部の油溜りが摩
耗もしくは変形し油膜切れが生じやすくなるという問題
点があった。さらには、前記摺動部の摩耗状態によって
は、前記摺動部の調整あるいは成品そのものの交換を要
するものであった。
ので、摺動部を長時間摺動すると油膜切れが生じるた
め、定期的な潤滑油の交換ないしは補給をしなければな
らなかった。
る加工面は、表面粗さの大小にかかわらず、凹凸の断面
形状の凹部が鋭角にスジ状に形成されているので、この
加工面に潤滑油を供給し成品を摺動した場合、摺動する
ときの面圧により潤滑油が前記凹部の先端鋭角部に毛細
管現象により流動してしまい、油膜切れが生じてしまう
という問題点があった。この問題点は、クロス研磨にお
いても同様に生じるものであった。
させる潤滑処理法は、有害な化学薬品を使用することが
多く、作業環境の悪さが問題となり、また、被膜処理時
に発生する有害な蒸気による環境汚染やその汚染処理設
備費が高いなどの問題がある。
発されたもので、摺動部の表面に潤滑剤粉体をブラスト
法により被膜させ、公害が少なく且つ安価な被膜処理法
により摺動部における摩耗の抑制、寿命の向上を可能に
する摺動部の耐摩耗被膜成形物及びその被膜成形方法を
提供することを目的とする。
に、本発明の摺動部の耐摩耗被膜成形物は、金属成品又
はセラミック又はプラスチック又はこれらの混合体から
成る摺動部の表面に、潤滑剤粉体の組成物中の元素を拡
散浸透させて成ることを特徴とする。
又はセラミック又はプラスチック又はこれらの混合体か
ら成る摺動部の表面に、潤滑剤粉体を噴射速度80m/se
c 以上又は噴射圧力0.3MPa 以上で噴射し、潤滑剤粉
体の組成物中の元素を拡散浸透させることを特徴とす
る。
属、たとえば、亜鉛、2硫化モリブデン、すずなどの粉
末を指し、この中には平均粒径が80μm 以下の微粉及
び平均粒径が80μmより大きく且つ平均粒径300μm
以下の金属粉末を含むものである。
と、最大粒子から30番目の粒子の平均径との平均で表
示するものである。
粒子の平均径が171μm 以下で、最大粒子から30番
目の粒子の平均径が120μm 以下で、平均径の平均が
87.5〜73.5μm である(JlSR6001)。
速度で噴射すると、潤滑剤粉体の衝突前と衝突後の速度
の変化は、摺動部及び潤滑剤粉体の反発係数により異な
るが、衝突後の速度は低下する。この速度の変化はエネ
ルギー不変の法則により、その大部分は熱エネルギーに
変換され、潤滑剤粉体が衝突した変形部分のみで熱交換
が行われるので、温度上昇は潤滑剤粉体と摺動部の表面
付近に局部的に生ずる。
度に比例するので、潤滑剤粉体の噴射速度を高速にする
と、潤滑剤粉体及び摺動部の表面の温度を上昇させるこ
とができる。このとき潤滑剤粉体が摺動部の表面で加熱
されるために潤滑剤粉体内の元素が摺動部の表面に活性
化吸着して拡散・浸透すると考えられ、摺動部及び潤滑
剤粉体の上昇温度によって格子拡散、或いは摺動部に温
度上昇がみられなくても少なくとも潤滑剤粉体が加熱さ
れることによって表面拡散、粒界拡散のうち一つ或いは
二つの拡散がなされ、潤滑剤被膜層が形成され、摺動部
の摩耗防止が行われると考えられる。
成形物及びその被膜成形方法は、従来の摩耗防止手段と
は異なり、潤滑剤粉体を摺動部に衝突させたときの潤滑
剤粉体又は摺動部の温度上昇による潤滑剤粉体内の元素
の摺動部への拡散浸透により形成される被膜成形物に依
る摺動部の摩耗防止に係るものである。
げ、より詳細に説明すると、例えば金属成品Aを金属粉
末Bに埋めて温度tで拡散させると、浸炭が主としてC
Oガスから行われるように、金属粉末Bから発生する金
属蒸気、又は金属粉末と添加剤との反応によって生ずる
金属ハロゲン化物蒸気から主として行われる。本発明の
工程における拡散・浸透について考慮するために浸炭を
例にして考えると、鉄系の金属成品の表面に、COガス
が単に外力や加熱その他の物理的方法によって簡単に除
去できるような物理的な付着をしただけでは、成品のF
eとCOが反応を起こすことはできないが、さらに熱そ
の他のエネルギーをある一定以上与えるとCOガスはF
e表面に活性化吸着をする。この活性化吸着をしたCO
ガスは二酸化炭素と炭素に熱解離をする。この反応によ
りできた炭素はFeの格子内に拡散して浸炭現象を起こ
すものと考えられている。炭素の拡散に限らず、一般に
一つの元素がある金属の中を拡散していく形態に、表面
拡散(表面に沿って行われる拡散)、粒界拡散(結晶粒
界に沿って進行する拡散)、格子拡散(結晶格子内を縫
いつつ進行する拡散)がある。格子拡散は元素と金属の
両者が固溶体を作る場合だけである。元素と金属の両者
が固溶体を作らない場合は表面拡散又は粒界拡散が行わ
れているだけである。
と、本発明の工程における拡散浸透は、摺動部に以下に
示すような拡散浸透が行われると考えられる。
速度80m/sec 以上又は噴射圧力0.3MPa 以上で噴射
し、摺動部表面に衝突させると跳ね返るが、衝突後は速
度が遅くなる。
係数は摺動部の材質硬度により異なるが、衝突前の速度
をV1 、衝突後の速度をV2 とすると、失われた運動エ
ネルギーつまり減少エネルギーEeは潤滑剤粉体の重量
をWとすると、Ee=〔W/2g〕×(V1 2−V2 2)と
なる。反発係数をeとすると、V2 =V1 ×eとなるの
で、 Ee=〔W/2g〕×V1 2(1−e2 ) 0<e<1 上記減少エネルギーEeは、エネルギー不変の法則か
ら、音以外にその大部分は熱エネルギーに変換される。
熱エネルギーは衝突時に摺動部への衝突部が変形するこ
とによる内部摩擦と考えられるが、潤滑剤粉体が衝突し
た変形部分のみで熱交換が行われるので部分的には高温
になる。このとき潤滑剤粉体が摺動部の表面で加熱され
るために潤滑剤粉体内の元素が摺動部に活性化吸着し、
拡散浸透するものと考えられる。この場合、潤滑剤粉体
及び摺動部の上昇する温度によっては格子拡散が行わ
れ、あるいは潤滑剤粉体が加熱されて摺動部に表面拡散
又は表面拡散及び粒界拡散するものと考えられる。
ー)は重量Wおよび速度V1 2に比例するので、重量Wお
よび速度V1 が大きい方が減少エネルギーEeが大きく
なるが、本発明の場合は摺動部の表面を加熱して熱処理
することではなく、むしろ潤滑剤粉体が加熱されて摺動
部の表面に活性化吸着することを目的とするので、潤滑
剤粉体が前記熱エネルギーで瞬時に加熱されるためには
重量の大きなショットではなく粒径300μm 〜30μ
m の粉末状のショットつまり潤滑剤粉体である必要があ
る。したがって、摺動部の表面を加熱して熱処理するた
めには摺動部の表面硬度より高い硬度を有するショット
を使用する必要があるが、上記の理由から潤滑剤粉体が
加熱されればよいので、潤滑剤粉体は必ずしも摺動部の
表面硬度より高い硬度を有する必要はない。
体を噴射すると亜鉛被膜層が形成され、鍛造、引抜き等
のボンディ処理の代替えとなり、摺動部が金属の場合、
低融点、低硬度潤滑金属粉体を噴射すると容易に金属被
膜が形成される。又、摺動部が樹脂の場合、酸化物、硫
化物等の潤滑剤粉体を噴射すると樹脂表面に熱が発生
し、内部に食い込み付着し、樹脂表面に酸化物或いは硫
化物等の被膜が形成される。
照して説明する。
装置はエア式の直圧式のブラスト装置及び重力式のブラ
スト装置であるが、エア式であれば吸込式のサイホン
式、あるいは他のブラスト装置でも良い。以下に直圧式
のブラスト装置について説明する。
置50のキャビネットで、被処理成品を投入する投入口
53を備え、この投入口53から投入した被処理成品に
ショット等の研磨材を噴射する噴射ノズル52をキャビ
ネット51内に設けている。
ッパ58が設けられ、ホッパ58の最下端は導管55を
介してキャビネット51の近くに設置された研磨材回収
用の回収タンク40の上部に連通する。
粉塵を研磨材から分離する装置であり、図lに示すよう
に、上部に円筒形状を成す円筒部41と、下部に下方に
向けて徐々に狭くなる円錐形状を成す円錐部42とから
成るタンクで、回収タンク40の円筒部41の上部の側
壁に流入口43を設け、この流入口43に連通管45を
介して導管55を連結する。なお、前記連通管45の軸
線方向は円筒部41の横断面円形を成す内壁面の接線方
向に位置しているので、連通管45を経て回収タンク4
0内に流入した気流は円筒部41の内壁に沿って回りな
がら降下してゆくのである。
は、ダンプバルブ46を介して研磨材圧送用のタンク4
7に開閉自在に連通しており、このタンク47の下端に
は噴射ノズル52から噴射する研磨材の噴射量を調整す
る研磨材調整器48を備え、該研磨材調整器48から管
54を介して前記噴射ノズル52に連通している。
47内に圧縮空気を送り込むと、タンク47の下部の研
磨材調整器48より前記圧縮空気によって研磨材が圧縮
空気と共に圧送され、管54内を噴射ノズル52の方向
に向けて送給され、噴射ノズル52から研磨材が圧縮空
気と共にキャビネット51内の被処理成品へ噴射され
る。
トスイッチ又はマイクロスイッチに連動する電磁弁の作
動により上下動し、このダンプバルブ46の上下動によ
り回収タンク40とタンク47間を開閉するよう構成し
ている。前記フットスイッチ又はマイクロスイッチを作
動すると、前記ダンプバルブ46が上がり、回収タンク
40とタンク47間を遮断すると同時にタンク47内に
圧縮空気が充満し、タンク47内の研磨材が圧縮空気に
抑圧されて研磨材調整器48内に流入し、この研磨材調
整器48内で圧縮空気と研磨材とが適当に混合され研磨
材供給口49を経て図示せざる管を介して噴射ノズル5
2から噴射される。
バルブ46が下がり回収タンク40とタンク47間を開
放しタンク47内の圧縮空気が回収タンク40内に逃げ
出しタンク47内の圧力が大気圧になる。タンク47内
が大気圧になる直前に、ダンプバルブ46が下がると直
ちに噴射ノズル52から研磨材の噴射が止まり、同時に
回収タンク40の底部に集積されている研磨材が一気に
タンク47内へ落下する。
には連結管44が設けられ、この連結管44は排出管5
7を介してダストコレクタ56に連通している。
ダストコレクタ56内の空気を外気へ放出している。こ
の排風機59によりブラスト装置50のキャビネット5
1、導管55、回収タンク40内がそれぞれ負圧にな
り、また図示せざる圧縮機から供給された圧縮空気が研
磨材と共に噴射ノズル52から噴射されるので、キヤビ
ネット51から順に導管55、回収タンク40、ダスト
コレクタ56へ気流が流れる。
いて、被処理成品である引抜き材料を投入口53からキ
ャビネット51内のバレル64へ投入し、表lに示す加
工条件で、研磨材を噴射ノズル52より被処理成品の表
面へ噴射してブラスト加工をおこなった。
属成分から成る潤滑剤粉体であり、回収タンク40内へ
投入し、該潤滑剤粉体はタンク47内へ落下している。
バレル64は開口を有するカゴ状の容器で、キャビネッ
ト51内に前記バレル64の開口を斜め上向きにして回
転可能に設けており、減速モータ67により毎分4回転
の速さで回転する。図示せざる圧縮空気供給源から圧縮
空気を前記タンク47内に送り込むと、前述したように
タンク47の下部の研磨材調整器48より前記圧縮空気
によって亜鉛の潤滑剤粉体が圧縮空気と共に圧送され、
管54を介してノズル径5mmの噴射ノズル52へ送給さ
れ、噴射ノズル52から亜鉛の潤滑剤粉体が圧縮空気と
共にバレル64内の引抜き材料ヘ噴射される。
突すると、引抜き材料の表面に潤滑剤粉体の亜鉛が付着
し、亜鉛が引抜き材料の内部へ拡散浸透する。
約5μm の亜鉛被膜層を形成した後、線引ダイスにて引
抜きを行ったところ、焼付きが発生せず、潤滑剤として
の効果を得ることができた。
10μm の亜鉛被膜層を形成した後、冷間鍛造を行った
ところ、焼付きが発生せず、潤滑材としての効果を得る
ことができた。
き及び鍛造における潤滑処理法であるボンディ処理の代
替として可能であり、また、作業環境も良好であった。
硫化モリブデン粉体を噴射し、樹脂表面に食い込み付着
を行ったところ、固体潤滑剤の効果を得ることができ寿
命が大幅に延長し、耐摩耗性が向上した。また、消音効
果も得ることができた。
7−18873号)における、金属成品の摺動部の表面
に金属成品の硬度と同等以上の硬度を有し且つ略球状を
成す20〜200μm のショットを噴射速度50m/sec
以上で噴射し、金属成品の表面付近の温度を、鉄系の金
属成品はA3 変態点以上に、もしくは非鉄系の金属成品
は再結晶温度以上に上昇させると共に、前記金属成品の
摺動部の表面に微小な略断面円弧状を成す無数の凹部か
ら成る油溜りを形成することを特徴とする金属成品の摺
動部の摩耗防止方法にて処理後、実施例4にて表面に約
5μm のすず被膜層を形成したところ、初期の油切れに
よる摩耗を防止することができ、飛躍的な寿命延長を得
ることができた。また、オイルの汚れも少なく、消音効
果も得ることができた。
品の表面の略半分に上記本発明処理後、窒化処理を行っ
た写真を示す。本発明未処理面には窒化層が生じている
が、処理面では窒化は起きておらず、窒化防止策として
の表面被覆を考慮すると、本発明によりすずが被処理成
品の表面に拡散浸透していることが、確認できる。
により、ミッションオイル等の粘度が下げられ、エンジ
ン停止時のオイルのパンへの流動が、初期故障の原因と
なっている。その防止策として摺動部表面の凹部の形成
があるが、凹部の形成だけでは初期の油が廻っていない
状態において効果を得られず、本発明処理によりすず被
膜層が固体潤滑剤となり、初期摩耗を防止する。
防止方法にて処理後、実施例5にてピストン表面に約3
μm のすず被膜層を行ったところ、油切れによる摩耗を
防止することができた。
液体潤滑剤の添加が禁止となりピストンの寿命が低下
し、レース毎の交換を必要としてるが、本発明の潤滑剤
粉体による被膜層が液体潤滑剤の添加に代替し、ピスト
ンの耐摩耗性を向上させることができる。
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
しかも短時間で金属被膜処理を行え、摺動部の耐摩耗性
を向上できた。
による摩耗防止方法では、設備が比較的に高価であるこ
とに加え、有害な化学薬品を使用し、金属被膜処理の時
に発生する有害な蒸気による環境汚染の問題があった。
及びその被膜成形方法は、自動車の高出力化に伴うオイ
ル粘度の低下による初期故障を防止できる。
面図である。
面図である。
ネットの内部を示す詳細図である。
とした分光器による写真。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属成品又はセラミック又はプラスチッ
ク又はこれらの混合体から成る摺動部の表面に、潤滑剤
粉体の組成物中の元素を拡散浸透して成ることを特徴と
する摺動部の耐摩耗被膜成形物。 - 【請求項2】 金属成品又はセラミック又はプラスチッ
ク又はこれらの混合体から成る摺動部の表面に、潤滑剤
粉体を噴射速度80m/sec 以上又は噴射圧力0.3MPa
以上で噴射し、潤滑剤粉体の組成物中の元素を拡散浸透
することを特徴とする耐摩耗被膜成形方法。
Priority Applications (1)
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JP30084997A JP3357586B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 摺動部の耐摩耗被膜成形物及び被膜成形方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11131257A true JPH11131257A (ja) | 1999-05-18 |
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Country | Link |
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