JPH11131138A - ステンレス鋼極厚鋼板の製造方法 - Google Patents
ステンレス鋼極厚鋼板の製造方法Info
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- JPH11131138A JPH11131138A JP30028397A JP30028397A JPH11131138A JP H11131138 A JPH11131138 A JP H11131138A JP 30028397 A JP30028397 A JP 30028397A JP 30028397 A JP30028397 A JP 30028397A JP H11131138 A JPH11131138 A JP H11131138A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ステンレス鋼極厚鋼板の製造方法において、
鍛造による連続鋳造スラブの表面にワレを発生させずに
ザク欠陥を圧着消滅させる製造方法を提供する。 【解決手段】 ステンレススラブを加熱後にスラブ表層
の組織強化のための歪み付与を行い(軽鍛造工程)、そ
の後、ザク欠陥を圧着消滅させるために鍛造し、さらに
圧延を行うステンレス鋼極厚鋼板の製造方法である。ス
ラブ表層の組織強化のための鍛造条件としては、圧下率
1〜4%の圧下を3回以上鍛造、もしくはスラブ表層の
組織強化層を3mm以上確保する軽鍛造を実施する。ザク
欠陥を圧着消滅させるための鍛造条件としては、圧下率
10%以上で行い、この時の鍛造金型送り比は0.6以
上、好ましくは1.10以上で鍛造を実施する。
鍛造による連続鋳造スラブの表面にワレを発生させずに
ザク欠陥を圧着消滅させる製造方法を提供する。 【解決手段】 ステンレススラブを加熱後にスラブ表層
の組織強化のための歪み付与を行い(軽鍛造工程)、そ
の後、ザク欠陥を圧着消滅させるために鍛造し、さらに
圧延を行うステンレス鋼極厚鋼板の製造方法である。ス
ラブ表層の組織強化のための鍛造条件としては、圧下率
1〜4%の圧下を3回以上鍛造、もしくはスラブ表層の
組織強化層を3mm以上確保する軽鍛造を実施する。ザク
欠陥を圧着消滅させるための鍛造条件としては、圧下率
10%以上で行い、この時の鍛造金型送り比は0.6以
上、好ましくは1.10以上で鍛造を実施する。
Description
【0001】本発明は、連続鋳造スラブからザク欠陥起
因による内部欠陥を少なくするステンレス鋼極厚鋼板を
製造する方法に関するものである。
因による内部欠陥を少なくするステンレス鋼極厚鋼板を
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、板厚100mmを超えるようなステ
ンレス極厚鋼板は、インゴット鋳造で製造した鋼塊から
分塊した鋼片(分塊スラブ)を、分塊圧延もしくは鍛造
して圧延素材として製造している。このため、連続鋳造
スラブと比較して、製造コストおよび工期の点ではかな
り不利である。しかし、連続鋳造スラブを使用してステ
ンレス極厚鋼板を製造すると、スラブ板厚中央部に存在
するザク欠陥が製品鋼板に残存し、超音波探傷試験で不
合格が発生することが多い。このため、圧減比(スラブ
厚/製品厚)規制を設けて、規制を外れる極厚鋼板には
分塊スラブを使用して製造してきた。
ンレス極厚鋼板は、インゴット鋳造で製造した鋼塊から
分塊した鋼片(分塊スラブ)を、分塊圧延もしくは鍛造
して圧延素材として製造している。このため、連続鋳造
スラブと比較して、製造コストおよび工期の点ではかな
り不利である。しかし、連続鋳造スラブを使用してステ
ンレス極厚鋼板を製造すると、スラブ板厚中央部に存在
するザク欠陥が製品鋼板に残存し、超音波探傷試験で不
合格が発生することが多い。このため、圧減比(スラブ
厚/製品厚)規制を設けて、規制を外れる極厚鋼板には
分塊スラブを使用して製造してきた。
【0003】普通鋼の例であるが、極厚鋼板の製造に当
たり、あらかじめ鍛造工程を入れ、ザクの圧着を行うこ
とは古くから公知の事実である。例えば、「鉄と鋼」第
62年第13号 118〜131 頁「大型鋼塊のザクきずの圧
着におよぼす圧延プロセスの影響」の中では、80kg/
mm2 級の特殊鋼にあらかじめ鍛造を行うことが示されて
おり、この中で圧下率は9〜48%で効果があることが
示されている。
たり、あらかじめ鍛造工程を入れ、ザクの圧着を行うこ
とは古くから公知の事実である。例えば、「鉄と鋼」第
62年第13号 118〜131 頁「大型鋼塊のザクきずの圧
着におよぼす圧延プロセスの影響」の中では、80kg/
mm2 級の特殊鋼にあらかじめ鍛造を行うことが示されて
おり、この中で圧下率は9〜48%で効果があることが
示されている。
【0004】また、特公昭62−54561号公報に
は、連続鋳造スラブを圧延素材として適用する場合の厚
板圧延設備が開示されている。これは、厚板圧延機のミ
ルライン入側に圧延素材を、その板厚方向に圧下する鍛
造プレスを配置して成る厚板圧延設備である。
は、連続鋳造スラブを圧延素材として適用する場合の厚
板圧延設備が開示されている。これは、厚板圧延機のミ
ルライン入側に圧延素材を、その板厚方向に圧下する鍛
造プレスを配置して成る厚板圧延設備である。
【0005】さらに特開平7−232201号公報で
は、鍛造と厚板圧延を組み合わせることで、連続鋳造ス
ラブを圧延素材として適用し極厚板を製造する方法を開
示している。これには、普通鋼から50〜60kg/mm2
級の特殊鋼の連続鋳造スラブに1〜2パスで最大30%
の予備鍛造を行った後、厚板圧延を実施することが提案
されている。
は、鍛造と厚板圧延を組み合わせることで、連続鋳造ス
ラブを圧延素材として適用し極厚板を製造する方法を開
示している。これには、普通鋼から50〜60kg/mm2
級の特殊鋼の連続鋳造スラブに1〜2パスで最大30%
の予備鍛造を行った後、厚板圧延を実施することが提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ステンレス連続鋳造ス
ラブに、鍛造によりザクの圧着に有効な圧下率で圧下を
加えると、鋳片の柱状晶に沿って深いワレが発生し、そ
の鋳片は使用不能となることが判った。この深いワレは
鍛造金型の周辺位置に相当し、鋳片表面の高温での展延
性不足に起因している。
ラブに、鍛造によりザクの圧着に有効な圧下率で圧下を
加えると、鋳片の柱状晶に沿って深いワレが発生し、そ
の鋳片は使用不能となることが判った。この深いワレは
鍛造金型の周辺位置に相当し、鋳片表面の高温での展延
性不足に起因している。
【0007】前記特公昭62−54561号公報では、
厚板圧延機のミルライン入側に圧延素材をその板厚方向
に圧下する鍛造プレスを配置して成る厚板圧延設備の発
明を提案しているが、これには大規模の設備改造と設備
投資が必要なため、実用化に適していない。また鍛造条
件として、100〜150mm/パスを1回のみ実施する
記載があるが、このような鍛造条件では、上記のように
鋳片の柱状晶に沿って深いワレが発生し、ステンレス連
続鋳造スラブの鍛造には適用できない。
厚板圧延機のミルライン入側に圧延素材をその板厚方向
に圧下する鍛造プレスを配置して成る厚板圧延設備の発
明を提案しているが、これには大規模の設備改造と設備
投資が必要なため、実用化に適していない。また鍛造条
件として、100〜150mm/パスを1回のみ実施する
記載があるが、このような鍛造条件では、上記のように
鋳片の柱状晶に沿って深いワレが発生し、ステンレス連
続鋳造スラブの鍛造には適用できない。
【0008】また、特開平7−232201号公報で
は、鍛造と厚板圧延を組み合わせることで、連続鋳造ス
ラブを圧延素材として適用し極厚板を製造する方法を提
示し、この中で、鍛造での圧下率と厚板圧延での圧下率
を30≧α1≧30−0.5×α2[但しα1:鍛造で
の圧下率(%)、α2:厚板圧延での圧下率(%)]と
定めている。しかし、この条件下でステンレス連続鋳造
スラブに鍛造を実施すると、鋳片の柱状晶に沿って深い
ワレが発生し、そのスラブは使用不能となってしまうた
め、この方法もステンレス連続鋳造スラブの鍛造には適
用できない。
は、鍛造と厚板圧延を組み合わせることで、連続鋳造ス
ラブを圧延素材として適用し極厚板を製造する方法を提
示し、この中で、鍛造での圧下率と厚板圧延での圧下率
を30≧α1≧30−0.5×α2[但しα1:鍛造で
の圧下率(%)、α2:厚板圧延での圧下率(%)]と
定めている。しかし、この条件下でステンレス連続鋳造
スラブに鍛造を実施すると、鋳片の柱状晶に沿って深い
ワレが発生し、そのスラブは使用不能となってしまうた
め、この方法もステンレス連続鋳造スラブの鍛造には適
用できない。
【0009】このような技術の現状において、本発明
は、ステンレス鋼極厚鋼板を製造するに際して、鍛造に
よる連続鋳造スラブの表面にワレを発生させずにザク欠
陥を圧着消滅させる製造方法を提供する。
は、ステンレス鋼極厚鋼板を製造するに際して、鍛造に
よる連続鋳造スラブの表面にワレを発生させずにザク欠
陥を圧着消滅させる製造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記したような課題を解
決するために、本発明は以下の構成を要旨とする。すな
わち、 (1)連続鋳造スラブからステンレス厚板を製造する方
法において、スラブ加熱後、スラブ表層の組織強化のた
めの歪み付与工程と、ザク欠陥を圧着消滅させるための
鍛造工程と、さらに圧延工程を含んで実施することを特
徴とするステンレス鋼極厚鋼板の製造方法。 (2)スラブ表層の組織強化のための歪み付与工程とし
て、スラブ表層の組織強化層を3mm以上確保する軽鍛造
を実施することを特徴とする前(1)項記載のステンレ
ス鋼極厚鋼板の製造方法。 (3)スラブ表層の組織強化のための歪み付与工程とし
て、圧下率1〜4%の圧下を3回以上鍛造で実施するこ
とを特徴とする前(1)項記載のステンレス鋼極厚鋼板
の製造方法。 (4)ザク欠陥を圧着消滅させるための鍛造工程とし
て、鍛造を圧下率10%以上で行い、この時の鍛造金型
送り比を0.6以上とすることを特徴とする前(1)項
記載のステンレス鋼極厚鋼板の製造方法。 (5)鍛造金型送り比を1.10以上とすることを特徴
とする前(4)項記載のステンレス鋼極厚鋼板の製造方
法、である。
決するために、本発明は以下の構成を要旨とする。すな
わち、 (1)連続鋳造スラブからステンレス厚板を製造する方
法において、スラブ加熱後、スラブ表層の組織強化のた
めの歪み付与工程と、ザク欠陥を圧着消滅させるための
鍛造工程と、さらに圧延工程を含んで実施することを特
徴とするステンレス鋼極厚鋼板の製造方法。 (2)スラブ表層の組織強化のための歪み付与工程とし
て、スラブ表層の組織強化層を3mm以上確保する軽鍛造
を実施することを特徴とする前(1)項記載のステンレ
ス鋼極厚鋼板の製造方法。 (3)スラブ表層の組織強化のための歪み付与工程とし
て、圧下率1〜4%の圧下を3回以上鍛造で実施するこ
とを特徴とする前(1)項記載のステンレス鋼極厚鋼板
の製造方法。 (4)ザク欠陥を圧着消滅させるための鍛造工程とし
て、鍛造を圧下率10%以上で行い、この時の鍛造金型
送り比を0.6以上とすることを特徴とする前(1)項
記載のステンレス鋼極厚鋼板の製造方法。 (5)鍛造金型送り比を1.10以上とすることを特徴
とする前(4)項記載のステンレス鋼極厚鋼板の製造方
法、である。
【0011】このように本発明は、連続鋳造スラブを加
熱後、軽圧下鍛造を行って表層に組織強化層を形成し、
その後にザク欠陥を圧着させて消滅させる鍛造工程を特
定の金型送り比で行うことによって、表面ワレがなくザ
ク欠陥に起因する内部欠陥のないステンレス極厚鋼板を
製造することができる。
熱後、軽圧下鍛造を行って表層に組織強化層を形成し、
その後にザク欠陥を圧着させて消滅させる鍛造工程を特
定の金型送り比で行うことによって、表面ワレがなくザ
ク欠陥に起因する内部欠陥のないステンレス極厚鋼板を
製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。連
続鋳造スラブからステンレス厚板を製造する方法におい
て、ステンレス連続鋳造スラブに、鍛造によりザクの圧
着に有効な圧下率を加えると、鋳片の柱状晶に沿って深
いワレが発生する。本発明の主旨は、このワレを無くす
ため、ステンレススラブを加熱後にスラブ表層の組織強
化のための歪み付与を行い(軽鍛造工程)、その後、ザ
ク欠陥を圧着消滅させるための鍛造および圧延を行うス
テンレス厚板の製造方法である。
続鋳造スラブからステンレス厚板を製造する方法におい
て、ステンレス連続鋳造スラブに、鍛造によりザクの圧
着に有効な圧下率を加えると、鋳片の柱状晶に沿って深
いワレが発生する。本発明の主旨は、このワレを無くす
ため、ステンレススラブを加熱後にスラブ表層の組織強
化のための歪み付与を行い(軽鍛造工程)、その後、ザ
ク欠陥を圧着消滅させるための鍛造および圧延を行うス
テンレス厚板の製造方法である。
【0013】以下に、本発明を構成するに至った経緯と
各条件の限定理由について述べる。 (1)連続鋳造ステンレススラブの鍛造による表層ワレ
発生試験 連続鋳造ステンレススラブの厚み300mm、幅1800
mm、長さ1000〜5000mmを加熱炉で1200℃前
後に十分加熱した後に、圧下率1.7%(鍛造代5m
m)、圧下率3.3%(鍛造代10mm)、圧下率5.0
%(鍛造代15mm)、圧下率6.7%(鍛造代20mm)
の圧下を1パス加えて、連続鋳造ままのスラブがどれ位
の鍛造まで耐えられるのかを、表層のワレ発生状況を観
察することで判定した。表1に表層ワレの評価結果を示
す。その結果、圧下率3.3%(鍛造代10mm)以下な
ら、1回の鍛造につき表層のワレが発生せず、表層強化
されていることが確認できた。
各条件の限定理由について述べる。 (1)連続鋳造ステンレススラブの鍛造による表層ワレ
発生試験 連続鋳造ステンレススラブの厚み300mm、幅1800
mm、長さ1000〜5000mmを加熱炉で1200℃前
後に十分加熱した後に、圧下率1.7%(鍛造代5m
m)、圧下率3.3%(鍛造代10mm)、圧下率5.0
%(鍛造代15mm)、圧下率6.7%(鍛造代20mm)
の圧下を1パス加えて、連続鋳造ままのスラブがどれ位
の鍛造まで耐えられるのかを、表層のワレ発生状況を観
察することで判定した。表1に表層ワレの評価結果を示
す。その結果、圧下率3.3%(鍛造代10mm)以下な
ら、1回の鍛造につき表層のワレが発生せず、表層強化
されていることが確認できた。
【0014】
【表1】
【0015】(2)表層強化後のザク圧着鍛造でのワレ
発生試験 しかしながら、圧下率3.3%の表層強化鍛造を1回の
み施した後にザク圧着鍛造を行うと、深い表層ワレが発
生する。従って、圧下率3.3%以下の鍛造1回ではス
ラブ表層強化には不十分であることが判明した。
発生試験 しかしながら、圧下率3.3%の表層強化鍛造を1回の
み施した後にザク圧着鍛造を行うと、深い表層ワレが発
生する。従って、圧下率3.3%以下の鍛造1回ではス
ラブ表層強化には不十分であることが判明した。
【0016】このため、表層強化鍛造の圧下率と回数を
振らしてザク圧着鍛造に耐え得る条件を検討した。その
結果を図1に示す。図から判るように、圧下率1〜4%
の圧下を3回以上実施すれば、その後のザク圧着鍛造に
耐え得るスラブ表層強化層が確保できることを確認し
た。そして、表層強化鍛造後の鋳片マクロ組織から、表
層に3mm以上の強化層が形成されていれば、ザク圧着鍛
造に耐えられることが判った。
振らしてザク圧着鍛造に耐え得る条件を検討した。その
結果を図1に示す。図から判るように、圧下率1〜4%
の圧下を3回以上実施すれば、その後のザク圧着鍛造に
耐え得るスラブ表層強化層が確保できることを確認し
た。そして、表層強化鍛造後の鋳片マクロ組織から、表
層に3mm以上の強化層が形成されていれば、ザク圧着鍛
造に耐えられることが判った。
【0017】(3)ザク圧着鍛造の条件探索試験 連続鋳造ステンレススラブの厚み300mm、幅1800
mm、長さ1000〜5000mmにスラブ表層強化鍛造
後、ザク欠陥を圧着消滅させるための鍛造条件を行い、
鍛造後にJIS G0801に準じた超音波探傷試験で
ザク欠陥残存評価を行った。その結果を表2に示す。表
中の初期厚は、表層強化鍛造後のスラブ厚である。表か
ら明らかなように、ステンレス連続鋳造鋳片のザク圧着
に必要な最小限の圧下は、1パス当たり10%以上であ
ることが判る。また、1パス当たり20%近傍以上の圧
下を実施すれば、完全にザク欠陥を消滅させることが可
能であることが判る。
mm、長さ1000〜5000mmにスラブ表層強化鍛造
後、ザク欠陥を圧着消滅させるための鍛造条件を行い、
鍛造後にJIS G0801に準じた超音波探傷試験で
ザク欠陥残存評価を行った。その結果を表2に示す。表
中の初期厚は、表層強化鍛造後のスラブ厚である。表か
ら明らかなように、ステンレス連続鋳造鋳片のザク圧着
に必要な最小限の圧下は、1パス当たり10%以上であ
ることが判る。また、1パス当たり20%近傍以上の圧
下を実施すれば、完全にザク欠陥を消滅させることが可
能であることが判る。
【0018】上記ザク圧着試験と同時に、前記スラブに
ついて、金型送り比(プレス金敷の平行部の寸法/圧下
前スラブ厚み)とザク圧着圧下率との関係を調べた。金
敷の幅及びザク圧着圧下率を種々変えて実験を行ったと
ころ、表3に示すように、ザク圧着の圧下率10%以上
で、金型送り比を0.6以上とすることにより、表面ワ
レが発生せず、ザク圧着が十分に行われていることが明
らかとなった。
ついて、金型送り比(プレス金敷の平行部の寸法/圧下
前スラブ厚み)とザク圧着圧下率との関係を調べた。金
敷の幅及びザク圧着圧下率を種々変えて実験を行ったと
ころ、表3に示すように、ザク圧着の圧下率10%以上
で、金型送り比を0.6以上とすることにより、表面ワ
レが発生せず、ザク圧着が十分に行われていることが明
らかとなった。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】以上の試験より、ステンレス連続鋳造鋳片
への鍛造適用条件を見いだした。すなわち、スラブ表層
の組織強化のための鍛造条件としては、圧下率1〜4%
の圧下を3回以上鍛造、もしくはスラブ表層の組織強化
層を3mm以上確保する軽鍛造を実施する。また、ザク欠
陥を圧着消滅させるための鍛造条件としては、圧下率1
0%以上で行い、この時の鍛造金型送り比は0.6以
上、好ましくは1.10以上で鍛造を実施するのが好適
である。
への鍛造適用条件を見いだした。すなわち、スラブ表層
の組織強化のための鍛造条件としては、圧下率1〜4%
の圧下を3回以上鍛造、もしくはスラブ表層の組織強化
層を3mm以上確保する軽鍛造を実施する。また、ザク欠
陥を圧着消滅させるための鍛造条件としては、圧下率1
0%以上で行い、この時の鍛造金型送り比は0.6以
上、好ましくは1.10以上で鍛造を実施するのが好適
である。
【0022】
【実施例】連続鋳造で製造した厚み300mm、幅180
0mm、長さ4000〜5000mmの鋳片を鍛造工場に搬
送し、加熱炉で1200℃前後に十分加熱した。その
後、鍛造機の700mm幅の金敷により、軽圧下鍛造→ザ
ク圧着鍛造を実施した後、厚板工場に搬送し圧延を施し
て極厚ステンレス鋼板を得た。そして、これらの鋼板全
てについて、JIS G0801に準じた超音波探傷試
験を行い、その内質について評価を行った。
0mm、長さ4000〜5000mmの鋳片を鍛造工場に搬
送し、加熱炉で1200℃前後に十分加熱した。その
後、鍛造機の700mm幅の金敷により、軽圧下鍛造→ザ
ク圧着鍛造を実施した後、厚板工場に搬送し圧延を施し
て極厚ステンレス鋼板を得た。そして、これらの鋼板全
てについて、JIS G0801に準じた超音波探傷試
験を行い、その内質について評価を行った。
【0023】表4に化学成分、連続鋳造スラブ厚み、軽
圧下鍛造条件(圧下率、回数)、ザク圧着鍛造条件(圧
下率、送り比)および、製造した極厚ステンレス鋼板の
超音波探傷試験結果を示す。表3から明らかなように、
本発明の条件下で製造することにより、内質の良好な極
厚ステンレス鋼板が得られることが判る。
圧下鍛造条件(圧下率、回数)、ザク圧着鍛造条件(圧
下率、送り比)および、製造した極厚ステンレス鋼板の
超音波探傷試験結果を示す。表3から明らかなように、
本発明の条件下で製造することにより、内質の良好な極
厚ステンレス鋼板が得られることが判る。
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明により、次のよう
な極めて有用な効果を奏することができる。 (1)コスト的に有利な連続鋳造鋳片をより厚い製品に
適用することができる。しかも、内部欠陥・表面品質な
ど従来極厚鋼板につきまとってきた問題を一気に払拭で
きた。 (2)従来から行われてきた圧延機による強圧下圧延法
と比較しても、圧延機能力による幅制約等から開放さ
れ、より広い製品にも連続鋳造鋳片が適用可能となっ
た。 (3)鋼塊法によるスラブに比べ、連続鋳造鋳片は鋳型
サイズの制約がなく、より長い(単重の大きい)製品に
も自由に適用でき、一貫して製造歩留の向上を図ること
もできる。
な極めて有用な効果を奏することができる。 (1)コスト的に有利な連続鋳造鋳片をより厚い製品に
適用することができる。しかも、内部欠陥・表面品質な
ど従来極厚鋼板につきまとってきた問題を一気に払拭で
きた。 (2)従来から行われてきた圧延機による強圧下圧延法
と比較しても、圧延機能力による幅制約等から開放さ
れ、より広い製品にも連続鋳造鋳片が適用可能となっ
た。 (3)鋼塊法によるスラブに比べ、連続鋳造鋳片は鋳型
サイズの制約がなく、より長い(単重の大きい)製品に
も自由に適用でき、一貫して製造歩留の向上を図ること
もできる。
【図1】表層強化後のザク圧着鍛造でのワレ発生試験結
果を示す。
果を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 連続鋳造スラブからステンレス厚板を製
造する方法において、スラブ加熱後、スラブ表層の組織
強化のための歪み付与工程と、ザク欠陥を圧着消滅させ
るための鍛造工程と、さらに圧延工程を含むことを特徴
とするステンレス鋼極厚鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 スラブ表層の組織強化のための歪み付与
工程として、スラブ表層の組織強化層を3mm以上確保す
る軽鍛造を実施することを特徴とする請求項1記載のス
テンレス鋼極厚鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 スラブ表層の組織強化のための歪み付与
工程として、圧下率1〜4%の圧下を3回以上鍛造で実
施することを特徴とする請求項1記載のステンレス鋼極
厚鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 ザク欠陥を圧着消滅させるための鍛造工
程として、鍛造を圧下率10%以上で行い、この時の鍛
造金型送り比を0.6以上とすることを特徴とする請求
項1記載のステンレス鋼極厚鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 鍛造金型送り比を1.10以上とするこ
とを特徴とする請求項4記載のステンレス鋼極厚鋼板の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30028397A JPH11131138A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | ステンレス鋼極厚鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30028397A JPH11131138A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | ステンレス鋼極厚鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11131138A true JPH11131138A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=17882934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30028397A Withdrawn JPH11131138A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | ステンレス鋼極厚鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11131138A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008007572A1 (fr) | 2006-07-13 | 2008-01-17 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation | PLAQUE EN ACIER INOXYDABLE EN AUSTÉNITE ROULÉE AYANT UNE ÉPAISSEUR SUPÉRIEURE OU ÉGALE À 100 mm ET PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE CELLE-CI |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP30028397A patent/JPH11131138A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008007572A1 (fr) | 2006-07-13 | 2008-01-17 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation | PLAQUE EN ACIER INOXYDABLE EN AUSTÉNITE ROULÉE AYANT UNE ÉPAISSEUR SUPÉRIEURE OU ÉGALE À 100 mm ET PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE CELLE-CI |
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