JPH11130991A - プレコート用放光性塗料組成物、塗膜形成方法及び放光性塗装物 - Google Patents

プレコート用放光性塗料組成物、塗膜形成方法及び放光性塗装物

Info

Publication number
JPH11130991A
JPH11130991A JP29443397A JP29443397A JPH11130991A JP H11130991 A JPH11130991 A JP H11130991A JP 29443397 A JP29443397 A JP 29443397A JP 29443397 A JP29443397 A JP 29443397A JP H11130991 A JPH11130991 A JP H11130991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
emitting
coating
coating film
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29443397A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Sakuma
弘充 佐久間
Naotaka Yamamoto
尚孝 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP29443397A priority Critical patent/JPH11130991A/ja
Publication of JPH11130991A publication Critical patent/JPH11130991A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 夜間、被塗物の視認を容易にするプレコート
塗膜を提供する。 【解決手段】 プレコート塗料中に、MAl24(式
中、Mは、少なくともCa,Sr,Baのいずれかであ
る)で表される化合物を主成分とする放光剤と、必要に
応じて光輝性顔料及び/又は着色顔料と、を含有し、形
成される塗膜明度が4以上であることを特徴とするプレ
コート用放光性塗料組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプレコート用放光性
塗料組成物、塗膜形成方法及び放光性塗装物、特に、夜
間、被塗物の視認を容易にするプレコート用放光性塗料
組成物、塗膜形成方法及び放光性塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、蓄光顔料(長残光性燐光体)
としては、ZnS:Cu、(Ca,Sr)S:Biなど
が知られており、夜光塗料には、ZnS:Cu燐光体が
広く使用されている。このような蓄光顔料は、太陽光や
蛍光灯などの光を吸収して励起(蓄光)し、暗所で発光
する性質を持っている。そして、蓄光顔料は、光吸収−
蓄光−発光を何度でも繰り返し行うことができるので、
防災、安全などの標識や標示、自動車室内や建物内の各
所案内標示、タイピン、ペンダント等のアクセサリー
類、時計用文字盤、浮き、ルアー等の釣り具など、広範
な用途に広く利用されている。
【0003】なお、ZnS:Cu又はZnS/Cuとい
う表記は、母体結晶がZnS(硫化亜鉛)で、付活剤が
Cu(銅)であることを示す。以下、同様である。ま
た、付活剤は、母体結晶中に発光中心を形成する。ここ
で、発光中心とは、結晶中で励起エネルギーが最終的に
光に変換される局所的な場所を意味する。
【0004】例えば、特開昭61−40382号公報の
「発光性スプレー塗料」には、蓄光性顔料、合成樹脂、
光可透性粉末、および有機溶剤を配合した発光性スプレ
ー塗料が提案されている。ここで、蓄光性顔料として、
亜鉛、カドミウム、アルカリ土類稀金属等の硫化物が例
示され、光可透性粉末としては、ガラス、マイカ、シリ
カ等の無機質粉末、プラスチック、セルローズ、澱粉等
の有機質粉末が例示されている。また、光可透性粉末
は、蓄光性顔料100重量に対して1〜50重量部添加
することが開示されいている。
【0005】また、特開平1−301767号公報の
「蛍光塗料」には、昼光蛍光顔料を含む蛍光塗料におい
て、中空状ガラス粉末を含有させた蛍光塗料が提案され
ている。
【0006】ここで、蛍光顔料として、Rhodamine B 、
Rhodamine 6G、Rhodamine S 、Eosine、Basic yellow H
G 、Brilliantsulfoflavine FF、Thioflavine 、Fluore
scein等の蛍光染料が例示され、中空状ガラス粉末とし
て、平均粒径20〜50μm程度、肉厚数μm程度のも
のが例示されている。また、中空状ガラス粉末は、蛍光
塗料中に5〜20重量%程度添加されていることが、上
記公報に記載されいている。
【0007】また、特開平3−180605号公報の
「複合材」には、透光性を備えた樹脂中に、セラミック
の粒子と無機系発光体の粒子とが混入されてなる複合材
が開示されている。ここで、セラミックの粒子として、
ガラス系、アルミナ系のものが例示され、無機系発光体
の粒子としては、トリチウムやプロメチウム、その他硫
化物に微量の放射性物質を混入されたものが例示されて
いる。
【0008】また、特開平3−126772号公報の
「蛍光塗料の塗装方法」には、下塗り塗膜あるいは中塗
り塗膜上に蛍光顔料を含有する第1ベース塗膜を形成
し、この第1ベース塗膜上に少なくとも雲母片からなる
乱反射材を含有する第2ベース塗膜を形成し、この第2
ベース塗膜上にクリヤ塗膜を形成する塗装方法が開示さ
れいている。ここで、蛍光顔料として、硫化カルシウム
/ビスマス(CaS/Bi)、硫化亜鉛カドミウム/銅
((Zn,Cd)S/Cu)などが例示されており、乱
反射材として、雲母片、アルミニウム片が挙げられてい
る。
【0009】また、特開平5−1247号公報の「夜光
塗料」には、夜光塗料中にガラス粉を混合したものが提
案されている。
【0010】しかしながら、上述のZnS:Cu等の蓄
光顔料や蛍光顔料、蛍光塗料、無機系発光体の発光は、
残光輝度が極めて低く、その残光の減衰も急激であり、
更に一晩中視認できるほどの輝度がなかった。また、特
開平3−180605号公報に提案されているように、
放射性物質を加え、その放射線によって蓄光顔料等を励
起させて、長時間発光させる方法もあるが、放射性物質
は、厳しい安全管理基準のもので取り扱わなければなら
ず、人体に触れる蓄光体においては、処理面積等に制限
があり、しかも廃棄物の処理にも多額の費用がかかると
いう問題があった。
【0011】近年、SrAl24燐光体(蓄光顔料)が
開発され(特開平7−11250号公報)、ストロンチ
ウムアルミネート(SrAl24)を母体結晶とし、稀
土類元素ユーロピウム(Eu)とデスプロシウム(D
y)等を付活剤とする蛍光体(SrAl24:Eu2+
Dy3+)「N夜光ルミノーバ」(根元特殊化学(株)社
製)が注目されている。
【0012】上記SrAl24蓄光顔料は、原材料粉末
として、SrCO3(純度99.2%)、Al23(純
度99.9%)及びフラックスの所定量に、Eu等の付
活剤を添加、混合し、1200℃以上の高温下、還元雰
囲気中で3時間焼成することにより合成される。
【0013】上記蓄光顔料SrAl24は、人間の視感
度のスペクトルに近似した発光スペクトルを示し(発光
ピーク波長520nm)、また短波長領域の紫外線に対
しても励起効率の高いブロードな励起スペクトル(発光
ピーク波長約365nm)を示し、蓄光顔料として優れ
た基本性能を有すると共に、残光輝度は、従来広く使用
されているZnS:Cu(約0.4cd/m2)に比べ
て約5〜10倍以上(2.0cd/m2)と極めて高
く、またその残光の減衰も緩やかである(従来のZn
S:Cuの約200分に比べて約5〜10倍以上(約2
000分以上)である)という優れた性能を有する。
【0014】ここで、残光時間とは、常用光源D65を用
い、1000 L×の照度で5分間照射した後、残光輝
度が0.3mcd/m2まで減衰する時間をいい、残光
輝度とは、常用光源D65を用い、1000 L×の照度
で5分間照射した後、1分経過後の残光輝度をいう。
【0015】上述の蓄光顔料SrAl24を使用した製
品がいくつか提案されている。
【0016】例えば、特開平7−48532号公報の
「夜光塗料付き装飾部材」には、外表面に酸化アルミニ
ウムストロンチウムを発光基体とした蓄光性夜光塗料を
形成した、例えば時計文字盤等の装飾部材が提案されて
いる。
【0017】また、特開平7−313036号公報の
「誘虫方法及び装置」には、少なくともSrAl24
含んで形成した蛍光物質を用いて誘虫する方法が提案さ
れている。
【0018】また、特開平8−207194号公報の
「蓄光体」には、表面は反射性を有する基材層上に第1
透明樹脂層、蓄光層及び第2透明層が順次積層されてな
り、上記蓄光層の蓄光顔料がSrAl24であり、該蓄
光層が第1及び第2透明樹脂層により密封状態に被覆さ
れてなる蓄光体が提案されている。
【0019】また、特開平8−127937号公報の
「蓄光性蛍光を有する繊維製品」には、蓄光性蛍光体を
熱可塑性樹脂に配合して形成した蓄光性蛍光を有する繊
維製品であって、蓄光性蛍光体として、M1-XAl2
4-Xで表される組成の化合物で、Mは、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウムからなる群から選ばれる少なく
とも1つ以上の金属元素からなる化合物を母結晶にした
ものを用い、更にXが−0.33≦X≦0.60の範囲
にあるものを用いた繊維製品が提案されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの公報にもプレコート塗装用の蓄光性の塗料組成物
は開示されておらず、近年、プレコート塗装用の蓄光性
(又は放光性)の塗料組成物の要請が高まってきてい
る。
【0021】本発明は上記従来の課題に鑑みたものであ
り、その目的は、夜間、被塗物の視認を容易にするプレ
コート塗膜を提供するプレコート用放光性塗料組成物、
塗膜形成方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のプレコート用放光性塗料組成物は、プ
レコート塗料中に、MAl24(式中、Mは、少なくと
もCa,Sr,Baのいずれかである)で表される化合
物を主成分とする放光剤を含有することを特徴とする。
【0023】従って、本発明のプレコート用放光性塗料
組成物によれば、暗くなれば自然に塗膜が光を放つの
で、視認性が向上する。また、一旦光を吸収すると、し
ばらく放光するので、電気代を節約することができ省エ
ネルギー化が図れる。更に、上記MAl24は、従来の
硫化亜鉛等に比べて安全性が高い。また、残光輝度が従
来の硫化亜鉛等に比べ極めて高く、またその残光の減衰
も緩やかで長時間残光のある放光性塗膜を得ることがで
きる。これにより、夜間視認性の高い塗装物を得ること
ができる。
【0024】また、本発明のプレコート用放光性塗料組
成物は、プレコート塗料中に、MAl24(式中、M
は、少なくともCa,Sr,Baのいずれかである)で
表される化合物を主成分とする放光剤と、光輝性顔料及
び/又は着色顔料と、を含有し、形成される塗膜明度が
4以上であることを特徴とする。
【0025】放光剤に加え、光輝性顔料及び/又は着色
顔料を含有することにより、残光輝度が高く、残光時間
の長い放光性光輝性・着色塗膜を得ることができる。特
に、塗膜明度を4以上にしたことにより、放光剤の放光
性能は損なわれることがない。
【0026】また、本発明のプレコート用放光性塗料組
成物中に、放光剤が塗料固形分100重量部に対して2
〜80重量部含有されている。
【0027】また、本発明のプレコート用放光性塗膜形
成方法は、被塗物に(i)明度4以上の光輝性又は着色
塗膜形成後、(ii)放光剤を含有するプレコート用放光
性塗料組成物により放光性クリヤー塗膜を形成すること
を特徴とする。
【0028】従って、光輝性又は着色塗膜上に形成され
た放光性クリヤー塗膜により、光輝性又は着色塗膜が蛍
光され、夜間でも塗装された塗装物が容易に視認可能と
なる。
【0029】また、本発明のプレコート用放光性塗膜形
成方法は、被塗物に放光剤及び光輝性顔料及び/又は着
色顔料を含有するプレコート用放光性塗料組成物により
光輝性又は着色放光性塗膜を形成することを特徴とす
る。
【0030】従って、単層塗膜でも放光性光輝性又は着
色塗膜が形成可能となる。
【0031】また、本発明のプレコート用放光性塗膜形
成方法は、上記光輝性又は着色塗膜に、MAl24(式
中、Mは、少なくともCa,Sr,Baのいずれか1種
である)で表される化合物を主成分とする放光剤が含有
されていることを特徴とする。
【0032】従って、上記光輝性又は着色塗膜に上記放
光剤が含有され、更に放光剤を含有した放光性クリヤー
塗膜を形成すれば、更に残光輝度が高く、かつ残光時間
の長い、夜間視認容易な塗膜を得ることができる。
【0033】また、本発明の放光性塗装物は、上記いず
れかに記載のプレコート用放光性塗膜形成方法により塗
膜が形成された塗装物である。
【0034】
【発明の実施の形態】
<プレコート用放光性塗料組成物>本発明のプレコート
用放光性塗料組成物は、上述したように、プレコート塗
料中に、MAl24(式中、Mは、少なくともCa,S
r,Baのいずれかである)で表される化合物を主成分
とする放光剤を含有する。
【0035】(A)放光剤:放光剤は、MAl24で表
される化合物(式中、Mは少なくともCa、Sr、Ba
のいずれかである)を主成分(母体結晶)とし、具体的
には、CaAl24、SrAl24、BaAl24の少
なくとも1種である。付活剤としては、ユーロピウム
(Eu)、デスプロニウム(Dy)等が挙げられ、例え
ばEu、Dyは母体結晶に対してそれぞれ0.5mol
含有されている。
【0036】また、放光剤は、粒子状であり、原料時の
平均粒子径は、50〜60μmである。この粒子をサン
ドグラインドミル等により粉砕・分散し、平均粒子径5
〜25μmとすることが好ましい。放光剤として、例え
ば「N夜光ルミノーバ」(根元特殊化学(株)社製)を
原料として用いることができる。また、MAl24の製
造方法は、上述したSrAl24の製造方法に準じる。
【0037】放光剤の平均粒子径が5μm未満の場合に
は、自然発光性、放光反射性が低下するという不都合が
生じ、一方平均粒子径が25μmを超えても上記不都合
が生じる。
【0038】また、放光剤は、プレコート用放光性塗料
組成物の塗料固形分100重量部に対して2〜80重量
部含有されている。放光剤の含有量が2重量部未満の場
合には、自然発光性、放光反射性が低下するという不都
合が生じ、一方80重量部を超えると、上記不都合及び
プレコート塗膜として密着性が低下するという不都合が
生じる。
【0039】(B)塗膜形成樹脂:本発明において、放
光剤を含有させる塗料成分は、塗膜形成樹脂と必要によ
り硬化剤に顔料その他の添加成分を配合した通常の溶剤
系、非水分散液型、水溶液型、水分散液型などのものが
使用でき、焼付型の塗料組成であれば種類に制限はな
い。従って、塗膜形成樹脂には、アクリル樹脂、シリコ
ン変性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン変性
ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、
塩化ビニル樹脂等がいずれも使用可能である。
【0040】アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル
酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブ
チル等のヒドロキシル基を有するエチレン性モノマー、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性モノマ
ー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのエチ
レン性モノマー、スチレン等のモノマーから通常の方法
で重合した樹脂を挙げることができる。シリコン変性ア
クリル樹脂は、前記アクリル樹脂100重量部に対し、
例えば官能基として−SiOCH3あるいは−SiOH
を有する数平均分子量300〜1000の有機シリコン
5〜50重量部を反応させて得られることができる。
【0041】ポリエステル樹脂としては、エチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、水
添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール等の多価アルコールの少なくとも1種類
と、(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル
酸、(無水)マレイン酸、(無水)コハク酸、シクロヘ
キサン−1,4−ジカルボン酸、(無水)トリメット酸
等の多塩基酸の少なくとも1種類とを原料とした樹脂が
挙げられる。シリコン変性ポリエステル樹脂は、上述し
たシリコン変性アクリル樹脂と同様にポリエステル樹脂
100重量部に対して有機シリコン5〜50重量部を反
応させて調製される。なお、これらのポリエステル樹脂
には、必要に応じて油脂又は脂肪酸を30重量部程度ま
で添加して柔軟性を付与することができる。
【0042】また、フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂等の熱可塑型フッ
素樹脂ほか、フルオロオレフィンビニルエーテルコポリ
マー、フルオロオレフィンビニルエステルコポリマー等
のヒドロキシ基含有熱硬化型フッ素樹脂を用いることが
できる。
【0043】(C)硬化剤:上記の塗膜形成樹脂には、
必要により硬化剤を添加する。アミノ樹脂及び/又はブ
ロックポリイソシアネート化合物等を硬化剤として用い
ることができる。
【0044】本発明では、ブロックポリイソシアネート
化合物として、非黄変型のヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HMDI)等の脂肪族多官能イソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族多官
能イソシアネート、及びジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート(MDI)や水添MDI等のポリイソ
シアネート化合物の官能基を、部分ブロック又は完全ブ
ロックしたものを用いる。
【0045】ブロック剤としては、アセトンオキシム、
シクロヘイサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、
ベンゾフェノンオキシム等のオキシム系のブロック剤、
更にアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、メタノール
等のブロック剤が挙げられる。
【0046】また、芳香族モノアルコール、ヒドロキシ
第3級アミン、フェノール、クレゾールや、ラクタム系
のブロック剤を用いることができる。オキシム系のブロ
ック剤、又は上記したオキシム系以外のブロック剤を用
いれば、塗膜の黄変が防止できる。
【0047】ブロックポリイソシアネート化合物として
は、特にメチルエチルケトンオキシムでブロックしたI
PDIが好ましい。
【0048】上記アミノ樹脂としては、メラミン樹脂、
グアナミン樹脂、尿素樹脂等を用いることができる。好
ましくはメラミン樹脂を用いるが、メラミン樹脂として
は、アルコキシメチルメラミン樹脂を用いることができ
る。具体的には、アルコキシ基としてメトキシ基、エト
キシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基等を用いたメ
チル化メラミン樹脂、エチル化メラミン樹脂、n−ブチ
ルメラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂等が挙げら
れる。
【0049】メラミン樹脂の平均重合度は1.1〜3で
あることが好ましい。平均重合度が1.1未満であると
耐汚染性が低下する。一方、3を超えると加工性が低下
する。より好ましい平均重合度は1.1〜2.6であ
る。なお、本発明のメラミン樹脂は、公知の方法により
合成することができる。
【0050】本発明において、メラミン樹脂の平均重合
度とは、メラミン樹脂中におけるトリアジン核のつなが
りの程度を指す。
【0051】本発明のプレコート用放光性塗料組成物に
おいて、熱硬化性樹脂のガラス転移温度(Tg)が0〜
50℃が好ましい。
【0052】本発明において、上記熱硬化性樹脂
((B)成分)と硬化剤((C)成分)の比は、(B)
/(C)=100/5〜100/60が好ましく、より
好ましくは100/20〜100/40である。(B)
/(C)=100/5を超える場合には、塗膜硬化が不
十分となり、良好な塗膜硬度が得られない。一方、10
0/60未満の場合には、加工性が不良となる。
【0053】また、上記ブロックポリイソシアネート化
合物とアミノ樹脂とを併用する場合には、ブロックポリ
イソシアネート化合物/アミノ樹脂の比は、95/5〜
5/95が好ましい。ブロックポリイソシアネート化合
物/アミノ樹脂の比が95/5を超える場合には、耐汚
染性に問題が生じることがある。一方、5/95未満の
場合には、加工性に問題が生じる。
【0054】その他の添加剤:本発明において、上記成
分に、更に光輝性顔料、着色顔料、体質顔料、防錆顔料
等の各種顔料を添加することができる。
【0055】顔料として、(1)光輝性顔料としては、
例えば粒径が10〜45μmのアルミニウム箔、マイカ
箔、ブロンズ箔、錫箔、金箔、銅箔、金属チタン箔、ス
テンレススチール箔、ニッケル箔、クロム箔、及び上述
した金属の合金箔、プラスチックで被覆された金属箔、
箔状フタロシアニンブルー等や硫化コバルト、硫化マン
ガン、硫化チタニウム等が挙げられる。
【0056】また、(2)着色顔料としては、例えば有
機系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ
系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリ
ノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キ
ナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体
顔料など、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カー
ボンブラック、二酸化チタンなどが挙げられる。
【0057】(3)体質顔料として、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、クレー、タルクなどを用いることができ
る。
【0058】(4)塗料用に使われる各種防錆顔料を目
的に応じて用いることができる。
【0059】顔料の添加量は、熱硬化性樹脂及び硬化剤
の固形成分の合計を100重量部として100重量部以
下とするのが好ましい。
【0060】また、塗膜の潤滑性を向上させるために、
必要に応じてワックス、ポリエチレンやフッ化ポリエチ
レンなどのパウダー、二硫化モリブデン等の潤滑剤を添
加することができる。潤滑剤は、熱硬化性樹脂及び硬化
剤の固形成分の合計を100重量部として、10重量部
以下の量で配合することができる。
【0061】更に、ドデシルベンゼンスルホン酸、ブチ
ル錫ラウレート等の硬化触媒、ベンゾフェノール系の紫
外線吸収剤、フェノール系やスルフィド系等の酸化防止
剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め
剤、増粘剤、ヒュームドシリカ等の防錆剤等の添加剤を
使用することができる。これらの添加剤は、熱硬化性樹
脂及び硬化剤の固形成分の合計を100重量部として、
5重量部以下の量で配合することができる。
【0062】また、塗料の粘度を調整するために、ベン
ゼン、トルエン、エチルベンゼン、クロロベンゼン等の
芳香族炭化水素、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサ
ン、ペルクロロエチレン等の脂肪族炭化水素、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトアルコール等
のケトン類、酢酸カービトール、ブチルカービトール等
のエーテル類や、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
メチルホルムアミド、ニトロプロパン、スチレン、ミネ
ラルスピリット、水等の塗料分野で通常用いる溶剤を、
適宜選択して単独で又は混合して用いることができる。
塗装時の固形分は30〜8%とすることが好ましい。
【0063】上記各成分の分散は、通常、塗料製造に用
いられているペイントシェーカー、ディゾルバー、ボー
ルミル、サンドグラインドミル、ニーダ等の装置を用い
ることができる。
【0064】本塗料は、プレコートに用いるが、形成さ
れる塗膜のガラス転移点(Tg)が0〜50℃と、伸び
率20%以上、抗張力0.5kgf/mm2以上が好ま
しい。
【0065】<プレコート用放光性塗膜形成方法>本発
明のプレコート用放光性塗料組成物を用いて塗装を実施
することができる基材としては、主として、冷延鋼板、
亜鉛めっき鋼板(亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウム、亜鉛
−マンガン、亜鉛−コバルト、亜鉛−ニッケル−クロ
ム、亜鉛−ニッケル−コバルト、亜鉛−ニッケル等の合
金を含む)が挙げられる。また、ステンレス鋼板、アル
ミニウム板、アルミニウムを主成分とする各種合金めっ
き鋼板、銅板、真鍮板等の導電性部材を、本発明のプレ
コート用放光性塗料組成物を用いて塗装することができ
る。
【0066】基材の形状はシート状であってもコイル状
であってもよい。
【0067】下層塗膜を形成する場合には、基材面に予
め化成処理層及び下塗塗膜層を形成し、必要に応じて中
塗層を設けてもよい。この際、プレコート方式の場合に
は、下塗塗膜層の乾燥膜厚は2〜20μmの範囲が、ま
た中塗塗膜を設ける場合の乾燥膜厚は3〜15μmの範
囲が、またプレコート用放光性上塗塗膜層の乾燥膜厚は
10〜30μmが、好ましい。なお、多層塗膜の形式
は、2コート1ベーク方式、2コート2ベーク方式、3
コート1ベーク方式、3コート2ベーク方式、3コート
3ベーク方式等で行うことができ、各工程は連続的でも
不連続(旧塗膜)でもよい。
【0068】上述した放光剤を含む本発明のプレコート
用放光性塗料組成物は、塗料として被塗物となる各種の
基材面に単層もしくは多層の塗膜に形成される。塗装方
法は、特に限定されず、エアスプレー塗装、エアレスス
プレー塗装、静電塗装、ロールコート塗装、カーテンコ
ート塗装、押し出し塗装など常用の塗装手段を用いるこ
とができる。
【0069】a法:また、本発明のプレコート用放光性
塗膜形成方法(以下「a法」という)は、図1に示すよ
うに、被塗物11に、必要に応じて下塗塗膜12を塗布
後、明度4以上(例えば、白〜淡彩色)の光輝性又は着
色塗膜13を形成し、その後上記放光剤を含有するプレ
コート用放光性塗料組成物により放光性クリヤー塗膜1
4を形成する方法である。本発明において、「明度4以
上」とは、JIS Z8721の明度スケール(V)で
4以上をいう。
【0070】明度4未満の光輝性又は着色塗膜の場合に
は、塗膜の光透過性が十分でなく、放光剤が蓄光しない
ために、放光性が低下する。
【0071】従って、光輝性又は着色塗膜上に形成され
た放光性クリヤー塗膜により、光輝性又は着色塗膜が蛍
光され、夜間でも塗装された塗装物が容易に視認可能と
なる。
【0072】b法:また、本発明のプレコート用放光性
塗膜形成方法(以下「b法」という)は、図2に示すよ
うに、被塗物11に、必要に応じて下塗塗膜12を塗布
後、放光剤及び光輝性顔料及び/又は着色顔料を含有す
るプレコート用放光性塗料組成物により光輝性又は着色
放光性塗膜23を形成する方法である。
【0073】従って、単層塗膜でも放光性光輝性又は着
色塗膜が形成可能となる。
【0074】c法:また、本発明のプレコート用放光性
塗膜形成方法(以下「c法」という)は、図3に示すよ
うに、被塗物11に、必要に応じて下塗塗膜12を塗布
後、明度4以上の光輝性又は着色塗膜に、MAl2
4(式中、Mは、少なくともCa,Sr,Baのいずれ
か1種である)で表される化合物を主成分とする放光剤
を含有するプレコート用放光性塗料組成物により放光性
光輝性又は着色塗膜23を形成し、更に放光性光輝性又
は着色塗膜23に、上記放光剤を含有するプレコート用
放光性塗料組成物により放光性クリヤー塗膜14を形成
する方法である。
【0075】従って、より一層放光性に優れた塗膜を得
ることができる。
【0076】<放光性塗装物>本発明に係る放光性に優
れた塗装物は、上述のプレコート用放光性塗料組成物か
らなる塗料を最上層塗膜として基材面に下層塗膜を形成
した後、もしくは基材面に対して塗装されたものであ
る。最上層塗膜とは、多層塗膜の場合には、最も外層の
塗膜を指し、塗膜が単層の場合にはそれ自体が最上層塗
膜となる。
【0077】塗膜の焼付条件は、最高到達板温度が13
0〜280℃で、30〜90秒程度とすることが好まし
い。
【0078】焼付温度が上記範囲より低い場合には、塗
膜が十分硬化しないため、造膜が不十分となり、塗膜と
しての性能が出ず、塗膜としての耐食性も低下する。一
方、焼付温度が上記範囲より高い場合には、塗膜がいわ
ゆるオーバーベークの状態となり、塗膜の黄変、密着性
の低下をきたす。
【0079】本発明の放光性塗装物は、出入り口用パネ
ル、階段の縁、配電盤、誘導表示板、非常用器具、避難
用器具等に利用することができる。
【0080】次に、本発明の好ましい他の実施態様を以
下に示す。
【0081】1.(B)熱硬化性樹脂としては、アクリ
ル樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、シリコン変性ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、塩化
ビニル樹脂のいずれも1種である。
【0082】2.上記「1.」において、上記アクリル
樹脂としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等のヒドロキシル
基を有するエチレン性モノマー、(メタ)アクリル酸、
クロトン酸等のエチレン性モノマー、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピル等の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルのエチレン性モノマー、スチ
レン等のモノマーから通常の方法で重合した樹脂の少な
くとも1種である。
【0083】3.上記「1.」において、上記シリコン
変性アクリル樹脂は、前記アクリル樹脂100重量部に
対し、例えば官能基として−SiOCH3あるいは−S
iOHを有する数平均分子量300〜1000の有機シ
リコン5〜50重量部を反応させて得られるものであ
る。
【0084】4.上記「1.」において、上記ポリエス
テル樹脂としては、エチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ブタンジオール、水添ビスフェノールA、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多
価アルコールの少なくとも1種類と、(無水)フタル
酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、(無水)マレイン
酸、(無水)コハク酸、シクロヘキサン−1,4−ジカ
ルボン酸、(無水)トリメット酸等の多塩基酸の少なく
とも1種類とを原料とした樹脂である。
【0085】5.上記「1.」において、上記シリコン
変性ポリエステル樹脂は、前記ポリエステル樹脂100
重量部に対して有機シリコン5〜50重量部を反応させ
て調製される。
【0086】6.上記「1.」において、上記フッ素樹
脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビ
ニル樹脂等の熱可塑型フッ素樹脂ほか、フルオロオレフ
ィンビニルエーテルコポリマー、フルオロオレフィンビ
ニルエステルコポリマー等のヒドロキシ基含有熱硬化型
フッ素樹脂を用いることができる。
【0087】7.(C)硬化剤は、アミノ樹脂及び/又
はブロックポリイソシアネート化合物等を硬化剤であ
り、ブロックポリイソシアネート化合物として、非黄変
型のヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等の
脂肪族多官能イソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート(IPDI)等の脂肪族多官能イソシアネート、及
びジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(M
DI)や水添MDI等のポリイソシアネート化合物の官
能基を、部分ブロック又は完全ブロックしたものを用い
る。
【0088】8.上記「7.」において、ブロック剤と
しては、アセトンオキシム、シクロヘイサノンオキシ
ム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム
等のオキシム系のブロック剤、更にアセト酢酸メチル、
アセト酢酸エチル、メタノール等のブロック剤のいずれ
か1種を用いる。
【0089】9.上記「7.」において、ブロック剤と
して、芳香族モノアルコール、ヒドロキシ第3級アミ
ン、フェノール、クレゾールや、ラクタム系のブロック
剤を用いる。
【0090】10.上記「7.」において、ブロックポ
リイソシアネート化合物としては、メチルエチルケトン
オキシムでブロックしたIPDIが好ましい。
【0091】11.上記「7.」において、上記アミノ
樹脂としては、メラミン樹脂、ブアナシン樹脂、尿素樹
脂のいずれか1種を用いる。
【0092】12.上記「11.」において、メラミン
樹脂としては、アルコキシメチルメラミン樹脂である、
アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、n−ブト
キシ基、イソブトキシ基等を用いたメチル化メラミン樹
脂、エチル化メラミン樹脂、n−ブチルメラミン樹脂、
イソブチル化メラミン樹脂のいずれか1種を用いる。
【0093】13.本発明のプレコート用放光性塗料組
成物において、熱硬化性樹脂のガラス転移温度(Tg)
が0〜50℃が好ましい。
【0094】14.上記「11.」において、上記ブロ
ックポリイソシアネート化合物とアミノ樹脂とを併用す
る場合には、ブロックポリイソシアネート化合物/アミ
ノ樹脂の比は、95/5〜5/95が好ましい。
【0095】15.放光剤は、CaAl24、SrAl
24、BaAl24の少なくとも1種を(母体結晶)と
し、付活剤として、ユーロピウム(Eu)、デスプロニ
ウム(Dy)を含有する。
【0096】16.放光剤の平均粒子径は5〜25μm
とすることが好ましい。
【0097】17.本発明のプレコート用放光性塗料組
成物は、更に光輝性顔料、着色顔料、体質顔料防錆顔料
のいずれか1種の顔料が添加される。
【0098】18.本発明のプレコート用放光性塗料組
成物は、更にワックス、ポリエチレンやフッ化ポリエチ
レンなどのパウダー、二硫化モリブデンのいずれか1種
の潤滑剤が添加される。
【0099】19.上記「18.」において、上記潤滑
剤は、熱硬化性樹脂及び硬化剤の固形成分の合計を10
0重量部として、10重量部以下の量で配合される。
【0100】20.本発明のプレコート用放光性塗料組
成物は、更に、ドデシルベンゼンスルホン酸、ブチル錫
ラウレート等の硬化触媒、ベンゾフェノール系の紫外線
吸収剤、フェノール系やスルフィド系等の酸化防止剤、
シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、
増粘剤、ヒュームドシリカ等の防錆剤等の添加剤が添加
される。
【0101】21.上記「20.」において、上記添加
剤は、熱硬化性樹脂及び硬化剤の固形成分の合計を10
0重量部として、5重量部以下の量で配合される。
【0102】22.本発明のプレコート用放光性塗料組
成物は、更に、塗料の粘度を調整するために、ベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、クロロベンゼン等の芳
香族炭化水素、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサ
ン、ペルクロロエチレン等の脂肪族炭化水素、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトアルコール等
のケトン類、酢酸カービトール、ブチルカービトール等
のエーテル類や、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
メチルホルムアミド、ニトロプロパン、スチレン、ミネ
ラルスピリット、水等の塗料分野で通常用いる溶剤を、
適宜選択して単独で又は混合して用いる。
【0103】23.本発明のプレコート用放光性塗料組
成物は、更に、消泡剤が添加される。
【0104】24.本発明のプレコート用放光性塗料組
成物は、上記各成分をペイントシェーカー、ディゾルバ
ー、ボールミル、サンドグラインドミル、ニーダのいず
れかの装置で分散させて得られる。
【0105】25.本発明のプレコート用放光性塗料組
成物は、形成される塗膜のガラス転移温度(Tg)が0
〜50℃、伸び率20%以上、抗張力0.5kgf/m
2以上が好ましい。
【0106】26.本発明のプレコート用放光性塗料組
成物を用いて塗装を実施することができる基材は、冷延
鋼板、亜鉛めっき鋼板(亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウ
ム、亜鉛−マンガン、亜鉛−コバルト、亜鉛−ニッケル
−クロム、亜鉛−ニッケル−コバルト、亜鉛−ニッケル
等の合金を含む)、ステンレス鋼板、アルミニウム板、
アルミニウムを主成分とする各種合金めっき鋼板、銅
板、真鍮板等の導電性部材のいずれかである。
【0107】27.上記「25.」において、上記基材
の形状はシート状であってもコイル状であってもよい。
【0108】28.本発明のプレコート用放光性塗膜形
成方法において、下層塗膜を形成する場合、プレコート
方式の場合には、下塗塗膜層の乾燥膜厚は2〜20μm
の範囲が、また中塗塗膜を設ける場合の乾燥膜厚は3〜
15μmの範囲が、また防藻性上塗塗膜層の乾燥膜厚は
10〜30μmが、好ましい。
【0109】29.本発明のプレコート用放光性塗膜形
成方法において、多層塗膜の形式として、2コート1ベ
ーク方式、2コート2ベーク方式、3コート1ベーク方
式、3コート2ベーク方式、3コート3ベーク方式のい
ずれかの方式を採用する。
【0110】30.本発明のプレコート用放光性塗膜形
成方法において、上述したプレコート用放光性塗料組成
物は、塗料として被塗物となる各種の基材面に単層もし
くは多層の塗膜に形成される。
【0111】31.本発明のプレコート用放光性塗膜形
成方法において、塗装方法は、エアスプレー塗装、エア
レススプレー塗装、静電塗装、ロールコート塗装、カー
テンコート塗装、押し出し塗装のいずれかである。
【0112】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。
【0113】実施例1〜23及び比較例1〜3 (1)塗料の配合例;表1及び表2に、実施例及び比較
例に供した塗料組成物を示す。
【0114】
【表1】
【表2】 註)表1、表2において T:光輝性又は着色塗料 P:下塗塗料 C:クリヤー塗料 (2)試験板の作成;Z−25亜鉛めっき鋼板(0.5
mm厚)を脱脂し、サーフコートNRC−300(塗布
型クロメート処理剤、日本ペイント(株)社製)をクロ
ム(Cr)量で30mg/m2になるようにロールコー
ターで塗布した。表1の塗料組成物を表1に示す膜厚な
るようにバーコートを用いて塗装し、表1に示す焼き付
け条件で、試験板を得た。
【0115】(3)評価方法;以下の項目により評価し
た結果を表3、表4及び表5に示す。
【0116】(i)自然発光性: ・光源 : D65常用光源(照度:400 L×(ルッ
クス)) ・照射時間 : 20分間 上記条件により照射し、消灯後の発光性を目視で観察し
た。
【0117】<評価基準>塗膜が光っていることを目視
で確認し、評価した。
【0118】 ◎ : 十分に光を放っている感あり ○ : 光を放っている感あり △ : 弱いが光を放っており、認識は可能である × : 光を放っていない (ii)放光反射性: ・光源 : 自動車用60Wハロゲンヘッドランプ 上記光源を用いて光の反射性を目視で観察した。
【0119】<評価基準>塗膜が光っていることを目視
で確認し、評価した。
【0120】 ◎ : 十分に光を放っている感あり ○ : 光を放っている感あり △ : 弱いが光を放っており、認識は可能である × : 光を放っていない
【表3】
【表4】
【表5】 註)表3、表4及び表5において、 [塗膜形成方法] a法:図1に示す塗膜形成方法、クリヤー塗膜に放光剤
含有。
【0121】b法:図2に示す塗膜形成方法、光輝性又
は着色塗膜に放光剤含有。
【0122】c法:図3に示す塗膜形成方法、クリヤー
及び光輝性又は着色塗膜に放光剤含有。
【0123】[放光剤] ア:SrAl24 イ:CaAl24 ウ:BaAl24 エ:SrAl24と付活剤としてEu−Dy(Eu:0.5mo
l、Dy:0.5mol)蛍光体 オ:SrAl24と、付活剤としてEu(Eu:0.5mol)
蛍光体 これらの結果から、本発明のプレコート用放光性塗料組
成物及びプレコート用放光性塗膜形成方法によれば、従
来に比べ、自然発光性、放光反射性に優れた塗膜を提供
できることが判明した。
【0124】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る本発明のプ
レコート用放光性塗料組成物及び放光性塗膜形成方法に
よれば、暗くなれば自動的に塗膜が光を放つので、視認
性が向上する。また、一旦光を吸収すると、しばらく放
光するので、電気代を節約することができ省エネルギー
化が図れる。更に、上記MAl24は、従来の硫化亜鉛
等に比べて安全性が高い。特に、残光輝度が従来の硫化
亜鉛等に比べ極めて高く、またその残光の減衰も緩やか
で長時間残光のある放光性塗膜を得ることができる。こ
れにより、夜間視認性の高い塗装物を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る請求項4に記載のプレコート用
放光性塗膜形成方法により形成された塗膜構造の一例を
示す図である。
【図2】 本発明に係る請求項5に記載のプレコート用
放光性塗膜形成方法により形成された塗膜構造の一例を
示す図である。
【図3】 本発明に係る請求項6に記載のプレコート用
放光性塗膜形成方法により形成された塗膜構造の一例を
示す図である。
【符号の説明】
11 被塗物、12 下塗塗膜、13 光輝性又は着色
塗膜、14 放光性クリヤー塗膜、23 放光性光輝性
又は着色塗膜。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレコート塗料中に、MAl24(式
    中、Mは、少なくともCa,Sr,Baのいずれかであ
    る)で表される化合物を主成分とする放光剤を含有する
    ことを特徴とするプレコート用放光性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 プレコート塗料中に、MAl24(式
    中、Mは、少なくともCa,Sr,Baのいずれかであ
    る)で表される化合物を主成分とする放光剤と、光輝性
    顔料及び/又は着色顔料と、を含有し、形成される塗膜
    明度が4以上であることを特徴とするプレコート用放光
    性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の放光剤を
    塗料固形分100重量部に対して2〜80重量部含有す
    ることを特徴とするプレコート用放光性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 被塗物に(i)明度4以上の光輝性又は
    着色塗膜形成後、(ii)請求項1又は請求項3に記載の
    プレコート用放光性塗料組成物により放光性クリヤー塗
    膜を形成することを特徴とするプレコート用放光性塗膜
    形成方法。
  5. 【請求項5】 被塗物に請求項2又は請求項3に記載の
    プレコート用放光性塗料組成物により光輝性又は着色放
    光性塗膜を形成することを特徴とするプレコート用放光
    性塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の光輝性又は着色塗膜
    に、MAl24(式中、Mは、少なくともCa,Sr,
    Baのいずれか1種である)で表される化合物を主成分
    とする放光剤を含有することを特徴とするプレコート用
    放光性塗膜形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載のプレコ
    ート用放光性塗膜形成方法により塗膜が形成された放光
    性塗装物。
JP29443397A 1997-10-27 1997-10-27 プレコート用放光性塗料組成物、塗膜形成方法及び放光性塗装物 Pending JPH11130991A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29443397A JPH11130991A (ja) 1997-10-27 1997-10-27 プレコート用放光性塗料組成物、塗膜形成方法及び放光性塗装物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29443397A JPH11130991A (ja) 1997-10-27 1997-10-27 プレコート用放光性塗料組成物、塗膜形成方法及び放光性塗装物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11130991A true JPH11130991A (ja) 1999-05-18

Family

ID=17807714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29443397A Pending JPH11130991A (ja) 1997-10-27 1997-10-27 プレコート用放光性塗料組成物、塗膜形成方法及び放光性塗装物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11130991A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002275424A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Nippon Paint Co Ltd 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および複層塗膜
JP2003523426A (ja) * 2000-02-15 2003-08-05 バイエル アクチェンゲゼルシャフト コイル被覆用アルコール−ブロックトポリイソシアネート
JP2014037483A (ja) * 2012-08-16 2014-02-27 Amakentecc:Kk ナノオーダー分散型水性多色塗料、ナノオーダー分散型水性多色塗料の製造方法及びナノオーダー分散型水性多色塗料の製造に用いる減圧撹拌分散装置
CN103740196A (zh) * 2013-11-18 2014-04-23 安徽淮化股份有限公司 一种荧光涂料
KR20180110920A (ko) * 2017-03-30 2018-10-11 (주) 화승엑스윌 방청성과 축광성이 우수한 금속 구조물용 도막층 및 그 제조방법
CN113845804A (zh) * 2021-11-18 2021-12-28 广东电网有限责任公司 一种蓄能型发光涂料及其制备方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003523426A (ja) * 2000-02-15 2003-08-05 バイエル アクチェンゲゼルシャフト コイル被覆用アルコール−ブロックトポリイソシアネート
JP4866524B2 (ja) * 2000-02-15 2012-02-01 バイエル アクチェンゲゼルシャフト コイル被覆用ラッカーバインダー
JP2002275424A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Nippon Paint Co Ltd 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および複層塗膜
JP2014037483A (ja) * 2012-08-16 2014-02-27 Amakentecc:Kk ナノオーダー分散型水性多色塗料、ナノオーダー分散型水性多色塗料の製造方法及びナノオーダー分散型水性多色塗料の製造に用いる減圧撹拌分散装置
CN103740196A (zh) * 2013-11-18 2014-04-23 安徽淮化股份有限公司 一种荧光涂料
KR20180110920A (ko) * 2017-03-30 2018-10-11 (주) 화승엑스윌 방청성과 축광성이 우수한 금속 구조물용 도막층 및 그 제조방법
CN113845804A (zh) * 2021-11-18 2021-12-28 广东电网有限责任公司 一种蓄能型发光涂料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1754737B1 (en) Polyester resin and thermosetting aqueous coating composition
US20100283007A1 (en) Flexible luminescent paints
JPH11130992A (ja) 放光性塗料組成物、放光性塗膜形成方法及び放光性塗装物
US4501829A (en) Coating composition
US9243151B2 (en) Afterglow coating for cabins
CN115449280B (zh) 一种储能型发光粉末涂料涂层及其制备方法
JPH11130991A (ja) プレコート用放光性塗料組成物、塗膜形成方法及び放光性塗装物
KR101409743B1 (ko) 우수한 시인성을 갖는 폴리우레탄 조성물
US20050019600A1 (en) Method for manufacturing a highly weather resistant colored steel plate
CN107033757A (zh) 电致发光涂料及其制备方法
JP2003176440A (ja) 含フッ素樹脂粉体塗料組成物および塗膜を有する物品
WO1998032808A1 (fr) Composition de revetement pour tole d'acier prealablement revetue, tole d'acier prealablement revetue, et leur procede de preparation
CN104403552A (zh) 一种户外用高性能蓄光-自发光膜的制备方法
KR102484293B1 (ko) 향상된 내구성을 갖는 축광석재용 친환경 조성물 및 이를 이용한 노면바닥 시공방법
JP3760575B2 (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JP2002226786A (ja) 蓄光性塗料組成物、塗膜形成方法および蓄光性塗装物
KR102609940B1 (ko) 난연 축형광 도료 조성물 및 이의 제조 방법
KR102609951B1 (ko) 축형광 도료 조성물 및 이의 제조 방법
JP4685685B2 (ja) 被覆基材及びその製造方法
JPH103276A (ja) 蓄光性蛍光シ−ト
KR100560617B1 (ko) 축광도료조성물로 도장된 코일코팅용 착색도장강판
KR102559212B1 (ko) 시인성이 개선된 폴리우레탄 조성물
JP2001329223A (ja) 上塗り塗料組成物
JP3064319U (ja) 夜間表示用標識
JP2000271534A (ja) 蓄光性を有する自動車用樹脂部品塗装物、塗装方法およびこれに用いる塗料