JPH1112954A - 白化性皮革様シート - Google Patents

白化性皮革様シート

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JPH1112954A
JPH1112954A JP20516497A JP20516497A JPH1112954A JP H1112954 A JPH1112954 A JP H1112954A JP 20516497 A JP20516497 A JP 20516497A JP 20516497 A JP20516497 A JP 20516497A JP H1112954 A JPH1112954 A JP H1112954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
whitening
leather
sheet
layer
polyurethane
Prior art date
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Pending
Application number
JP20516497A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Ono
英二 大野
Hiroteru Tsuji
浩照 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiroshima Kasei Ltd
Original Assignee
Hiroshima Kasei Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Hiroshima Kasei Ltd filed Critical Hiroshima Kasei Ltd
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Publication of JPH1112954A publication Critical patent/JPH1112954A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮革様シートを折曲げたり、揉んで複雑な立
体形状にしたときに折り山の稜線に沿って白化する性能
を付与する。 【構成】繊維質基材、 ポリウレタンから
成る接着剤層、ポリエステル系ポリウレタンから成る白
化層および ポリウレタンから成る表面被
覆層が順次積層されていて一体化されている白化性皮革
様シートの前記白化層を構成するポリエステル系ポリウ
レタンに、折り曲げ等の外力を加えると外力に沿って伸
張したり、折れ曲がったり、或いは細かいひびが入り、
外力を解除すると復元する充填剤を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は白化性皮革様シート及び
それを製造する方法に関する。より詳細に述べると、本
発明は、多層構造から成る皮革様シートであって、折り
曲げることによって折り曲げ線の周辺が表層とは異なっ
た色に変化することを特徴とする白化性皮革様シート及
びそれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術の説明】我が国では、本発明が属する技術分
野においてレザー、合成皮革、人工皮革等微妙に使い分
けをしているが、これらの用語の使い分けは確立された
ものではなく、一部混同される場合がある。従って、本
発明では、これらの用語を包含する用語として、「皮革
様シート」を使用することとする。
【0003】皮革様シートは、車両用シート、家具、建
材、かばん・袋物、履物、衣料、文具、書籍表紙、カメ
ラボデー、ケース等の表装等多方面で使用されている。
特に、ポリウレタン系の皮革様シートは、いわゆる塩ビ
レザーに比べ風合、感触、外観が優れているため、鞄、
靴、袋物、衣料、手袋、ベルト、家具等の材料として重
用されてきた。
【0004】ポリウレタン系や塩ビレザー等は、曲げ、
引張りなどの外力によって白化することがある。従来、
この白化現象は本質的には忌避すべき欠点とされてい
た。
【0005】然しながら、近年この白化現象を積極的に
ディザインに応用し、鞄、袋物等を製造しようとする試
みがなされている。本発明で云うところの「白化」と
は、例えば塩化ビニル製波板等を水に浸漬したり、屋外
に放置したり、曲げた際にほぼ永続的に残存する白化失
透現象とは異なり、揉んだり、皺を付けた際に折山の周
辺が表層の着色とは異なる色に変化する現象を云う。本
発明の白化性皮革様シートを袋物等希望する複雑な立体
形状に造形すると、折山周辺が表層の着色とは異色に変
化し、大部面積を占める地色と独特のコントラストを発
現し、全体としての意匠性を向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、従来の白化性皮革様シートは、折曲げたり、
揉んだりして外力を加えても、その折山周辺が地色と明
確なコントラストをなして変化しないことである。
【0007】発明が解決しようとする別の課題は、従来
の白化性皮革様シートが、袋物等希望する複雑な立体形
状に造形した場合、折山周辺が表層の着色とはコントラ
ストが明確に異なる色に変化せず、従って、全体として
の意匠性を向上させることができない点である。発明が
解決しようとするさらに別の課題及び利点は以下逐次明
らかにされる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、柔軟性、
風合、耐久性、染色堅牢性等、いわゆる皮革様シートに
要求される性能を満足した上に前述した白化現象を発現
させることを検討した結果、特定のポリウレタン樹脂組
成物を使用し、これらのポリウレタン樹脂組成物から成
る層を特定の順序で積層することにより目的とする白化
性皮革様シートを完成した。
【0009】従って、上記課題を解決するための手段で
ある本発明は、繊維質基材(I)、ポリウレタンから成
る接着剤層(II)、ポリエステル系ポリウレタンから
成る白化層(III)および ポリウレタ
ン表面被覆層(IV)が順次積層されていて一体化され
ている白化性皮革様シートであって、前記白化層を構成
するポリエステル系ポリウレタンに、折り曲げ等の外力
を加えると外力に沿って折れ曲がったり或いは細かいひ
びが入り、外力を解除すると復元する充填剤が配合され
ていることを特徴とする白化性皮革様シートである。
【0010】本発明の白化性皮革様シートの構成要素で
ある繊維質基材層、接着剤層、白化層、及び表面被覆層
に使用されるポリウレタンは、ジイソシアネートとして
脂肪族系または脂環族有機ジイソシアネートと、水酸基
を持つ化合物として例えば、アジピン酸とエチレングリ
コールを縮合させたエステルとを重付加反応して製造さ
れるポリエステル系ポリウレタンである。ジイソシアネ
ートが芳香族有機ジイソシアネートの場合、得られるポ
リウレタンは耐光性に劣り、紫外線により劣化して光黄
変し、表面物性の低下、染色堅牢性等の低下の原因とな
るので本発明では好ましくない。また、本発明で使用す
るポリウレタンの溶媒としては、N.N−ジメチルホル
ムアミド(DME)、メチル−エチル−ケトン(ME
K)或いはこれらの混合物であり、特に、好ましいの
は、DME/MEK=3:7の混合溶媒である。
【0011】本発明の白化性皮革様シートの構成要素の
一つである繊維質基材層は、絡合不織布、積層不織布、
織布、編布等の繊維集合体に、ポリウレタンエラストマ
ー、ポリアミド等の重合体の溶液または分散液を含浸さ
せ、多孔質または非多孔質に成形したものである。繊維
集合体を構成する繊維としては普通の繊維及び断面が異
形の繊維或いは特殊繊維もしくはこれらの混合繊維が使
用される。
【0012】本発明の白化性皮革様シートの構成要素の
一つである接着剤層、或いは結合層は、前述した
ポリウレタンを、例えば固形分が約16%、1
00%モジュラスが約25kg/cmになるように調
整し、厚さ約10−40μに形成される。
【0013】本発明の白化性皮革様シートにおいて接着
剤層と表面被覆層の間に介挿接着される白化層は本発明
の最も重要な要素で、前述したポリエステル系ポリウレ
タンに、折り曲げ等の外力を加えると外力に沿って折れ
曲がったり或いは細かいひびが入り、外力を解除すると
復元する充填剤を配合して、厚さ約10−40μに成形
される。この場合、 ポリウレタン中の固
形分は約10−40%に調整することが好ましい。
【0014】本発明の白化性皮革様シートの白化現象
は、白化層の上面に積層される表面被覆層及び白化層の
下面に積層される接着剤層の硬度、着色等諸要因とは無
関係に発生する。従って、白化層自体に起因するものと
推断される。即ち白化層に折り曲げ等外力を加えたと
き、白化層を構成する特定のポリエステル系ポリウレタ
ンに配合した充填剤に細かいひびが入り光学的効果を発
生し、それが薄い表面被覆層の着色とコントラストを増
幅し視覚的効果を与えるものと推断される。さらに、本
発明の白化性皮革様シートの白化現象は、折り曲げ等外
力を解除すると消失して復元するが、そのことも特徴の
一つである。
【0015】本発明の白化性皮革様シートは白化層の上
に表面被覆層が積層されている。この表面被覆層によ
り、白化層内の染料の層外への移行が防止されると共に
皮革様シートとしての表面物性が向上し、染料褪色が無
くなる。この表面被覆層の形成には前述した
ポリウレタンが使用されるが、好ましくは固形分を
14%に、100%モジュラスを110kg/cm
度に調整し、約10μの厚さに形成する。
【0016】以下実施例により本発明の白化性皮革様シ
ートを製造する方法を具体的に説明する。 [使用した基剤層]ポリウレタンをテトロン−レーヨン
起毛布に含浸させ水槽の中でDMFを流し凝固させ多孔
質層を形成させたものを基材層とした。
【0017】[表面被覆層の形成]ポリウレタンを顔料
1%と共に固形分が14%となるようにDME/MEK
比率が3:7の混合溶媒に溶解させ撹拌し、離型紙上に
厚さ15μの厚さで塗布し、熱風乾燥炉110℃で1分
30秒乾燥させて表面被覆層を形成した。
【0018】[白化層の形成]セイコー化成から“ラッ
クスキンU−2205−3”という商品名(品番)で入
手可能なポリエステル系ポリウレタン(固形分30%)
をDME/MEK比率が3:7の混合溶媒に溶解させ粘
度を7000(CPS/30℃)に調整した。この白化
層形成用ポリエステルポリウレタン組成物を、前記表面
被覆層に25μの厚さで塗布し、熱風乾燥炉を使用し1
10℃で1分30秒間乾燥させ白化層を形成した。
【0019】[接着剤層の形成、白化性皮革様シートの
製造]ポリウレタンを黒顔料10%共に、固形分が16
%となるようにDME/MEK比率が3:7の混合溶媒
に溶解させ撹拌したものを前記白化層上に30μの厚さ
で塗布し70℃で1分30秒間乾燥後、基材層と貼り合
わせた後60〜70℃に維持した乾燥炉で36時間以上
熟成後離型紙を剥離して本発明の白化層皮革様シートを
製造した。
【0020】実施例で製造した本発明の白化性皮革様シ
ートを、手で揉んで複雑な立体形状にしたところ、折り
山の稜線から下方に向け3mm程度まで白化し、それが
表面被覆層の暗色の地色と強いコントラストをなし、微
妙な意匠効果が発現された。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の白化性皮
革様シートは、皮革様シートに本来的に要求される性能
を満足させた上、70乃至90度の角度で折り曲げた
り、揉んで複雑な立体形状にした場合、折り山の稜線か
ら下方に向け白化し、それが表面被覆層の暗色の地色と
強いコントラストを形成し、全体として微妙な意匠効果
が発現される

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質基材、 ポリウレタ
    ンから成る接着剤層、ポリエステル系ポリウレタンから
    成る白化層および ポリウレタン表面被覆
    層が順次積層されていて一体化されている白化性皮革様
    シートであって、前記白化層を構成するポリエステル系
    ポリウレタンに、折り曲げ等の外力を加えると外力に沿
    って伸張したり、折れ曲がったり、或いは細かいひびが
    入り、外力を解除すると復元する充填剤が配合されてい
    ることを特徴とする白化性皮革様シート。
JP20516497A 1997-06-24 1997-06-24 白化性皮革様シート Pending JPH1112954A (ja)

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JP20516497A Pending JPH1112954A (ja) 1997-06-24 1997-06-24 白化性皮革様シート

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1366920A1 (en) 2002-05-31 2003-12-03 Seiko Epson Corporation Optical head and image forming apparatus employing the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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