JPH11129429A - ラミネート用シート及びそれを積層した成形品 - Google Patents

ラミネート用シート及びそれを積層した成形品

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JPH11129429A
JPH11129429A JP29746897A JP29746897A JPH11129429A JP H11129429 A JPH11129429 A JP H11129429A JP 29746897 A JP29746897 A JP 29746897A JP 29746897 A JP29746897 A JP 29746897A JP H11129429 A JPH11129429 A JP H11129429A
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sheet
resin
layer
laminated
laminating
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JP29746897A
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Hiroyuki Atake
浩之 阿竹
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材にラミネート用シートを積層した積層品
において、ラミネート用シートのトリミング加工後に余
剰シートが残存するかどうかを視覚的に容易に判断でき
るようにする。 【解決手段】 射出成形品等の基材表面にラミネートす
るラミネート用シートSであって、透明もしくは半透明
の基材シート1裏面に1層又は多数層からなる絵柄層2
及び必要に応じて易接着層3が形成され、少なくとも基
材シート1面から一番離れた層には蛍光剤4を含有され
る。該ラミネート用シートのトリミング加工後、製品の
裏面に紫外線Lを照射すると、余剰シートが残存する場
合にはその部分が発光Laする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形品、その
他各種物品において、基材に貼り合わせる等して基材と
一体化して積層品とされるラミネート用シート、及び該
ラミネート用シートを積層した射出成形品に関し、特
に、前記シートのうちの基材周囲にはみ出したり、その
窓部や切欠開口部等を覆うようにして残っている余剰部
分、つまり、基材に積層されない不要部分を前記積層品
から切り離すとき、すなわち、トリミング加工したとき
の加工精度を容易に検査できるようにしたラミネート用
シート及び該ラミネート用シートを積層して射出成形品
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種基材の表面に、装飾等が
施されたシート積層する方法が各種提案されている。例
えば、特公昭50−19132号公報、特公昭43−2
7488号公報等に所載のように、シートを射出成形用
の雌型と雄型の両成形型間に配置した後、熔融樹脂を型
内に射出して充填し、樹脂成形品(基材)の成形と同時
にその表面にシートを接着積層する、いわゆる射出成形
同時絵付方法、等がある。
【0003】ところで、上記のように、シートを積層す
る基材の被積層面が平面でない場合には、基材の被積層
面より大きなシートを用意しておき、基材の被積層面に
シートを積層一体化して積層品(半製品)を得た後、基
材からはみ出した余剰部分を積層品から切り離すトリミ
ングを行っている。特に、シートが延伸成形される場合
は、延伸成形のためにシートの外周縁部を固定保持して
おく必要等があることから、シートには必ず余剰部分が
生じ、積層品を製品(商品)として完成させるには、そ
の余剰部分をトリミングすることが要求される。
【0004】そして、これら余剰シートのトリミング
は、従来、(A)カッター等を使用して手作業で行う方
法、(B)NC(数値制御)ルータを利用して機械的か
つ自動的に行う方法、あるいは(C)打ち抜きプレスの
ように押し切る治具による方法で行われ、トリミング加
工した後、きれいにトリミングできたかどうか全品検査
工程に回される。この検査工程は、単に見た目の綺麗さ
を求めるばかりでなく、例えば冷蔵庫の取っ手等のよう
に人の手がさわる積層品の場合に、余剰シートが残って
いると、シートが手に傷を付ける可能性があることか
ら、シートの残り部分が有るかどうかの検査はきわめて
重要な工程となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の検査は、通常、
検査員が目でみて確認するか、触感によっ確認すること
により行われる。しかし、トリミング後の余剰シート部
分はあるとしてもごく僅かであり、熟練した検査員でな
いと容易にはそれを発見することができず、積層品の全
製造工程における一つのネックとなっている。本発明の
目的は、トリミング加工後に余剰シートが残存するかど
うかを視覚的に容易に判断することができ、それによ
り、検査工程を容易かつ高精度化することを可能とした
ラミネート用シートを提供することにある。また、本発
明の他の目的は、前記ラミネート用シートを貼り付け積
層した射出成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明によるラミネート用シートは、透明もしくは
半透明の基材シート裏面に1層又は多数層からなる絵柄
層及び必要に応じて易接着層が形成されているラミネー
ト用シートであって、少なくとも基材シート面から一番
離れた層には蛍光剤が含有されていることを特徴とす
る。
【0007】このラミネート用シートは、少なくとも基
材シート面から一番離れた層に蛍光剤を含有しているた
めに、その面に紫外線が照射されると発光する。そのた
めに、このシートを基材の被積層面に積層一体化し、基
材からはみ出した余剰部分をトリミングした積層品(半
製品)に対して、その裏面から紫外線を照射すると、も
し、トリミングが完全でなく余剰シートが残存する場合
には、その箇所が発光する。発光の検知は、余剰シート
そのものを目認するよりも格段に容易であり、不完全な
トリミングであることを容易にかつ確実に検知すること
ができる。発光の検知は目視であってもよく、光電管、
フォトトランジスター、フォトダイオード、CdS等の
光センサーによってもよい。
【0008】検査のために紫外線を照射する手段も特に
制限はなく、例えば、製品の裏面側から紫外線ランプで
照らすような手段でよい。紫外線ランプとしては、ブラ
ックライト型蛍光灯、水銀燈等公知のものであってよ
い。検査に際して、可視光を遮断し紫外線のみを透過す
るフィルターを通して照射し、暗室(あるいは半暗室)
中で励起する発光を観察するようにすれば、微小な発光
であっても容易に認識することができ、一層精度が向上
する。
【0009】本発明のラミネート用シートにおいて、基
材シートとしては、熱可塑性樹脂シートあるいはゴムが
用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、酢酸ビニル−塩化ビニル
共重合体、等の塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン、AB
S樹脂等のスチレン系樹脂、PMMA(ポリメタクリル
酸メチル)、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリロニ
トリル等のアクリル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66
等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチルベンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー等のポリオレフィン系樹脂、酢酸セルロース、ニトロ
セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレ
フタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート
等のポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
フッ化ビニル等のフッ素樹脂、ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー、ポリカーボネート等である。ゴムとしては、
天然ゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコ
ーンゴム等のゴム系樹脂、等である。基材シートはこれ
らの樹脂の単層体又は複層からなる積層体であってよ
い。
【0010】上記基材シートは透明であってもよく半透
明であってもよい。また、顔料又は染料の練込による基
材シート自身の着色による装飾処理が施されてもよく、
装飾は、着色透明又は着色半透明であってもよい。顔料
としては、チタン白、カーボンブラック、群青、弁柄、
黄鉛等の無機顔料、キナクリドン、イソインドリノン、
フタロシアニンブルー、アニリンブラック等の有機顔料
ないし染料等が用いられる。これら顔料又は染料は、基
材シート裏面の絵柄槽の目視を遮ることのないよう、添
加量を加減する。この他、必要に応じ、添加剤として、
炭酸カルシウム、シリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ
(酸化アルミニウム)、硫酸バリウムのような体質顔料
(充填剤)、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、等の紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤等が適
宜添加される。
【0011】上記基材シートの裏面に少なくとも一層か
らなる絵柄層(装飾層)が形成される。インキ層からな
る絵柄層の場合には、グラビア印刷、オフセット印刷、
凸版印刷、シルクスクリーン印刷等のような通常の印刷
手段でなされる。描絵による形成法でもよい。絵柄の模
様は、例えば木目模様、石目模様、文字や図形等の幾何
学模様、全面ベタ等と任意である。成形品の表面から、
蛍光剤の色調や日光等による蛍光を目立たなくさせるた
めには、絵柄層の面にチンタ白等の高隠蔽性顔料を含ん
だインキで全面ベタを施し、その裏面に蛍光剤入りの全
面ベタインキ層、あるいは蛍光剤入りの接着剤層を形成
することが好ましい。
【0012】必要に応じて、前記絵柄層の裏面には、積
層させる成形品等の基材との接着性向上のため、シート
面にコロナ放電処理が施され、また、公知の各種プライ
マー塗工等や感熱型の接着剤層等の易接着層が形成され
る。接着剤層は一層でもよく多層であってもよい。接着
剤には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、アイオノマー等
の樹脂が用いられる。樹脂の具体例としては、エチルセ
ルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、エチルヒ
ドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロ
ピオネート等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ
α−メチルスチレン等のスチレン樹脂又はスチレン共重
合体、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラ
ール等のビニル共重合体、ロジン、ロジン変成マレイン
酸樹脂、ロジン変成フェノール樹脂、重合ロジン等のロ
ジンエステル樹脂、ポリイソブレンゴム、ポリイソブチ
ルゴム、スチレンブタジエンゴム等のゴム系樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等の天然又は合成樹
脂、各種アイオノマー等の1種又は2種以上の混合物が
用いられる。
【0013】前記基材シート裏面に1層又は多数層から
なる絵柄層のみが形成される場合には、該絵柄層の少な
くとも基材シート面から一番離れた層の中に、また、絵
柄層の上に易接着層を形成する場合には、その易接着層
の少なくとも基材シート面から一番離れた層の中に、蛍
光剤を含有させる。基材シートから一番離れた層、すな
わち、最裏面の層に蛍光剤を添加することにより、成形
品表面から日光等の紫外線が入射して蛍光を発したり、
あるいは蛍光剤によって絵柄層の色彩が隠蔽されたりす
ることがない。また、基材シート裏面からの紫外線照射
による蛍光が遮蔽されることもない。
【0014】蛍光剤は任意であるが、無機系蛍光剤とし
て、カルシウム、バリウム、マグネシウム、亜鉛、カド
ミウム等の金属元素の酸化物、硫化物、珪酸塩、リン酸
塩、タングステン塩等を主成分とし、これらに、0.0
1〜1重量%程度のマンガン、銀、銅、アンチモン、鉛
等の賦活剤をドープしたもの等が上げられる。有機系蛍
光剤としては、ジアミノスチルベンゼンスルホン酸誘導
体、チオフラビン、ローダミンB、クマリン、イミダゾ
ール誘導体、トリアゾール誘導体等が上げられる。これ
らの蛍光剤の含有量は、紫外線の照射により発光を呈す
る量であればよく、目視による場合と光センサーとによ
る場合とで多少の差があるとしても、通常、0.1〜1
0重量%程度で十分である。
【0015】他に、装飾処理として凹凸模様を施すこと
もできる。凹凸模様を施すには、ヘアライン加工、サン
ドブラスト加工、エンボス加工等により、樹脂シート等
の上記基材シートの表面に凹凸形状からなる凹凸模様を
形成する。例えば、エンボス加工は、熱プレス方式の枚
葉、又は輪転方式エンボス機を用いて加熱軟化された樹
脂シート表面にエンボス版を押圧し、該エンボス版表面
の凹凸形状を賦形することによりエンボス模様を形成す
る。
【0016】上記ラミネート用シートの基材への積層方
法は限定されない。例えば、前記した射出成形同時絵付
方法、さらには、特公昭56−4568号公報、特公昭
60−58014号公報等に記載の真空プレス積層方
法、あるいは、特公昭61−5895号公報等に記載の
ラッピング加工方法等であってよい。
【0017】したがって、基材の材料も特に制限はな
い。射出成形同時絵付方法等で使用する材料であれば、
アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS(アクリロ
ニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性
樹脂や、2液硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の
硬化性樹脂等である。また、真空プレス積層方法やラッ
ピング加工方法等であれば、基材の材料としては、上記
各種樹脂類の他に、アルミニウム、鉄、ステンレス、真
鍮等の金属あるいは金属合金類、木質合板、木質単板、
中密度繊維板(MDF)等の木材類、ガラス、陶磁器、
タイル等のセラミック類、ALC(軽量気泡コンクリー
ト)、GRC(繊維強化コンクリート)等のセメント等
である。また、基材の形状も、押出成形等で得られる柱
状体、平板、曲面板、棒状体、各種立体形状等である。
【0018】本発明はさらに、上記のラミネート用シー
トを該蛍光剤含有層がゲート側を向くようにして金型内
に挿入した後、液状樹脂を射出し、固化することによっ
て樹脂とラミネートシートを貼り合わせてなる射出成形
品を開示する。射出成形品を製造するための射出成形装
置に制限はなく、従来知られている任意のものを用いる
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係るラミネ
ート用シート(図1a)及びそれを積層した積層品(図
b)の一実施の形態を示す概略図である。この例におい
て、ラミネート用シートSは、透明もしくは半透明の基
材シート1と、その裏面に形成された絵柄層2と、その
裏面に形成された接着剤層3とからなり、接着剤層3に
は適量の蛍光剤4が含有されている。前記のように、基
材シート1は熱可塑性樹脂シート等であってよく、絵柄
層2はグラビア印刷等による一色または多色刷り印刷で
あってよい。また、接着剤層3は一層構成であってもよ
く、多数層構成であってもよい。図示の例では、接着剤
層3のすべてに蛍光剤4を含有させているが、接着剤層
3が多数層により構成される場合には、最も外側の層、
すなわち、基材シート1面から一番離れた接着剤層にの
み蛍光剤4を含有させれば初期の目的は達成される。
【0020】この構成を持つラミネート用シートSを従
来知られた任意の方法により基材5に貼り合わせて積層
し、周囲の余剰となるラミネート用シートSをトリミン
グすることにより、積層品100を形成する。前記のよ
うに貼り合わせる方法は任意であり、射出成形同時絵付
方法、真空プレス積層方法、あるいはラッピング加工方
法等であってよい。
【0021】図2はトリミング前の状態(図2a)とト
リミング後の状態(図2b)を示す概略図である。図2
aに示す積層物からラミネート用シートSの余剰部分S
aが、カッター等を使用して手作業により、あるいは、
NC(数値制御)ルータを利用して機械的かつ自動的な
方法により、あるいは、打ち抜きプレスのように押し切
る治具による方法により、トリミングされる。シリミン
グが完全に行われれば特に問題はないが、トリミングが
不完全に行われ、図2bのようにラミネート用シートの
残存部分Sbが残される場合が往々にして起こりうる。
この残存したラミネート用シート部分Sbは美観を損な
うと共に、手などに傷を付ける恐れがある。そのため
に、このような不良品は検査により摘出する必要があ
る。
【0022】図3はその検査状態の一例を示している。
ここでは、トリミング後の積層品100を裏返し、裏面
から紫外線Lを照射している。この例において、ラミネ
ート用シートSの基材シート面から一番離れた層(最裏
面層)である接着剤層3には蛍光剤4が含有されてお
り、紫外線Lの照射により前記ラミネート用シートの残
存部分Sbは発光Laを呈する。トリミングが完全に行
われている場合には、蛍光剤4を含有した層はすべて基
材5の被積層面に密着しており、紫外線照射によっても
蛍光Laを発することはない。そのために、トリミング
の良否を視覚的に容易にかつ高い確率で検出することが
可能となる。
【0023】次に、上記のラミネート用シートSを用い
て図2aに示すような射出成形品を製造する好適な例と
して、ラミネート用シートSを射出成形用の雌型と雄型
の両成形型間に配置した後、熔融樹脂を型内に射出して
充填し、樹脂成形品(基材)の成形と同時にその表面に
シートを接着積層する、いわゆる射出成形同時絵付方法
と装置の一例について、図4〜図6により説明する。
【0024】図示例の装置は、得るべき成形品に対応し
た凸凹形状の雄型40と雌型12とを備え、雄型40は
射出成形機のノズルが装着される装着部43が設けられ
た固定盤44に固定され、雌型12はその底部側に設け
られた作動室16が可動盤11に固定されていて、流体
圧シリンダのラム15により前記雄型40に対して接近
−離隔する方向(水平方向又は垂直方向)に進退動する
ようされている。
【0025】前記雌型12の底部に設けられた作動室1
6には、雌型12のパーティング面12aとの間で前記
ラミネート用シートである絵付シートSを挟んで固定保
持するための矩形ないし井字形の枠状のクランパー25
を駆動するための流体圧シリンダ等の駆動機構21及び
駆動支持板22が配設されている。
【0026】前記クランパー25は、雌型12の四隅近
くに設けられた貫通穴29、29、29、29に摺動自
在に嵌挿された管からなる4本の連結ロッド24、2
4、24によって前記駆動支持板22に連結されてお
り、前記駆動機構21により雌型パーティング面12a
に対して垂直方向に進退動できるようになっている。
【0027】そして、このクランパー25に絵付シート
Sのトリミングを行うための切断手段を構成する成形品
の周縁部よりも一回り広い輪郭形状をした切断刃30を
備えた切断機構20が設けられている(図2aに示す製
品は、この切断機構20により予備のトリミングが行わ
れたものである)。切断刃30は、概略井字状の基体部
31とこの内周端に垂直に設けられた刃部32とからな
っており、前記基体部31の四隅下側には摺動ロッド2
6、26、26、26が垂直に固着されている。この摺
動ロッド26の下端大径部は前記クランパー25に連結
された管状の連結ロッド24内に摺動自在に嵌挿されて
おり、該四隅に配されている摺動ロッド26をそれぞれ
取り巻くように前記クランパー25と前記切断刃30の
基体部31との間にコイルばね27、27、27、27
が介装されており、これによって、前記切断刃30は前
記クランパー25及び雌型12のパーティング面12a
に対して垂直方向に進退動可能にフローティング支持さ
れている。
【0028】また、雌型12には、得るべき成形品形状
に応じた凹状のキャビティ(キャビティ面)13が形成
されるとともに、前記キャビティ13に開口するように
多数本(図では簡略化されている)の真空吸引孔17が
形成され、さらに、前記キャビティ面13の外周縁を周
回するように、トリミング時に前記切断刃30の切断刃
32が挿入される環状の挿入溝34が穿設されている。
【0029】一方、前記雄型40には、その中央部にゲ
ート42が形成されるとともに、その四隅近くに前記切
断刃30を前記コイルばね27の付勢力に抗して前記雌
型12のパーティング面12a側の挿入溝34内に押動
させるための流体圧シリンダ47が配設され、さらに、
この流体圧シリンダ47の前面側には、型締め時に前記
切断機構20及びクランパー25部分が収納される環状
の凹部45が設けられている。なお、前記流体圧シリン
ダ47における前記切断刃30を押圧するピストンロッ
ド47aの先端にはゴム等からなる緩衝パッドが貼着さ
れている。
【0030】また、型12、40の上方及び下方には、
それぞれロール/ロール方式で絵付シートSを搬送する
ための巻き出し機、巻き取り機(共に不図示)が設けら
れるとともに、絵付シートSを前記雌型12とクランパ
ー25との間に送り込んで巻き取り機に搬送するための
送りローラ、案内ローラ等が配され、さらに、型12、
40の上方には絵付シートSを加熱軟化させるための熱
盤60が待機せしめられている。熱盤60は、第1の流
体圧シリンダ(不図示)のピストンロッド62a先端に
垂直に取り付けられた第2の流体圧シリンダ64のピス
トンロッド64a先端に取り付けられていて直交二方向
に移動できるようにされている。
【0031】このような構成とされた本実施形態の射出
成形同時絵付装置10においては、まず、帯状シート
からなる絵付シートSの次ショット部分が送りローラに
より引き出されて、前記雌型12のキャビティ面13に
対向する位置まで送り出されるシート供給工程が行われ
る。
【0032】次に、前記クランパー25が前記駆動機
構21により雌型12側に引っ張られて雌型パーティン
グ面12aとの間で前記絵付シートSを挟んで固定保持
するクランプ工程が行われる(図4参照)。続いて、
図4に示される如くに、熱盤60が雌型キャビティ面1
3上の絵付シートSまで近づけられ、絵付シートSを加
熱軟化させる軟化工程が行われる。
【0033】次いで、加熱軟化された絵付シートSを
真空吸引孔17及び吸気管19を通じて真空吸引し、雌
型12のキャビティ面13に沿わせるように延伸させる
延伸工程(予備成形工程)が行われる(図5参照)。続
いて、図5に示される如くに、ラム15により雌型1
2を雄型40側へ移動させて型締めを行う。次に、射
出成形機のノズル50から雌型40のゲート42を通じ
て雌型12のキャビティ13内に熔融樹脂Pを注入充填
して射出成形を行う。
【0034】そして、この射出成形が完了する直前に、
図6に示される如くに、雄型40に配設された流体圧
シリンダ47、47、47、47を一斉に作動させて、
それらのピストンロッド47aにより前記切断刃30の
四隅を前記コイルばね27の付勢力に抗して前記雌型1
2のパーティング面12a側(前記挿入溝34内)に押
動して、絵付シートSのうちの射出成形品に接着付随さ
せるべき部分を他の部分から切り離すトリミング工程
(シート切断工程)を行う。なお、前記切断刃30が前
記挿入溝34に挿入されて絵付シートSを切断した直後
に、前記4本の流体圧シリンダ47がOFF状態にさ
れ、それによって、前記切断刃30はコイルばね27の
付勢力により元に戻される。
【0035】その後、雌型12と雄型40とを離間さ
せる型開き工程が行われるとともに、絵付シートSが接
着一体化された成形品が雌型キャビティ13から取り出
される取出工程が行われ、前記切断刃30によりトリミ
ングされた穴を有する絵付シートSの残り部分が次ショ
ット分供給時に巻き取り機側に搬送されて巻き取られ
る。
【0036】雌型キャビティ13から取り出された絵付
シートSが接着一体化された成形品は、図2aに示すよ
うに、成形樹脂である基材5の回りに余剰の絵付シート
(ラミネート用シートS)Saがどうしても付随してお
り、この部分を完全に除去するために、再度、前記した
ような何らかの手段によりトリミング加工が行われる。
もちろん、成形装置側のトリミング機構を改良すること
により、再度のトリミング加工を必要としない場合もあ
るが、前記したように、トリミングが完全に行われたか
どうかを検査することはいずれにしろ必要であり、その
ような場合にも、本発明によるラミネート用シートはき
わめて有効である。
【0037】なお、上記の説明では、蛍光剤4がラミネ
ート用シートSに形成される接着剤層3に含有させるも
のとしたが、接着剤層3を形成しないラミネート用シー
トの場合には、絵柄層を形成するインキ層のうちの少な
くとも基材シート面から一番離れたインキ層中に蛍光剤
が含有される。
【0038】
【実施例】基材シートとしての透明なアクリルフィルム
(厚み125μm)の上に柄版を3色組み合わせた木目
の意匠を持つ絵柄をグラビア印刷によって積層した絵柄
層(バインダーはアクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体の1:1重量比混合物)と、その上に、スクリ
ーン線数40線/cmのグラビアベタ印刷版(版深60
μm)を用いて2色刷りして形成した厚みが4μmであ
る接着剤層(塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系の混合物
をバインダーとする)を形成してラミネート用シートS
を得た。接着剤の最終層には蛍光顔料(トリアゾール誘
導体系)を樹脂に対して2重量%混入させた。
【0039】前記図4〜図6に基づき説明した射出成形
装置を用い、成形樹脂としてABS樹脂を用意し、樹脂
温度220℃、金型温度45℃で、射出成形同時絵付方
法による成形を行った。金型は図2、図3に示すような
冷蔵庫の取っ手の金型を用いた。
【0040】成形加工時に、前記ラミネート用シートS
の接着剤層をゲート側となるようにして配置し、シート
を軟化加熱(熱盤表面温度330℃の条件で輻射される
赤外線で5秒間加熱)後、金型から真空吸引(約5秒
間)行い、前記熱盤を金型上から退避させた。その後金
型を閉じ、樹脂と一体化した。それにより、深絞りに意
匠化した成形品を得ることができた。
【0041】上記成形品をカッターを使用して周囲の残
存するラミネート用シート部分Saを全周に渡った切り
取った後、トリミングが完全かどうか検査した。検査
は、図3の如く、裏面よりブラックライト蛍光燈型の紫
外線ランプで光を当てた。外周の一部に残っていたシー
トが発光し、トリミング不良箇所を容易に検出すること
ができた。この部分を再度仕上げ加工をし、製品とし
た。
【0042】
【発明の効果】本発明のラミネート用シートを用いるこ
とにより、基材にラミネート用シートを積層した積層品
において、ラミネート用シートのトリミング加工後に余
剰シートが残存するかどうかを視覚的に容易に判断する
ことができる。それにより、トリミング加工の検査工程
を容易かつ高精度化することができる。また、蛍光剤を
ラミネート用シートの最裏面の層に添加したため、蛍光
剤添加により絵柄層が隠蔽されることがなく、また、日
光中の紫外線による蛍光も目立ちにくく、外観に影響し
がたいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラミネート用シート(図1a)及
びそれを積層した成形品(図b)の一実施の形態を示す
概略図。
【図2】積層品のトリミング前の状態(図2a)とトリ
ミング後の状態(図2b)を示す概略図。
【図3】積層品のトリミング状態を検査する態様を説明
する概略図。
【図4】本発明に係るラミネート用シートを積層した成
形品を製造するのに用いられる射出成形装置の一例を説
明する図。
【図5】本発明に係るラミネート用シートを積層した成
形品を製造するのに用いられる射出成形装置の一例を説
明する図。
【図6】本発明に係るラミネート用シートを積層した成
形品を製造するのに用いられる射出成形装置の一例を説
明する図。
【符号の説明】
S…ラミネート用シート(絵付シート)、Sa…余剰部
分、Sa…トリミング後の残った部分、1…基材シー
ト、2…絵柄層、3…接着剤層、4…基材シート面から
一番離れた層に含有される蛍光剤、5…基材、L…紫外
線、La…蛍光剤による発光

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明もしくは半透明の基材シート裏面に
    1層又は多数層からなる絵柄層及び必要に応じて易接着
    層が形成されているラミネート用シートであって、少な
    くとも基材シート面から一番離れた層には蛍光剤を含有
    していることを特徴とするラミネート用シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のラミネート用シートを該
    蛍光剤含有層がゲート側を向くようにして成形金型内に
    挿入した後、液状樹脂を射出し、固化することによって
    樹脂とラミネートシートを貼り合わせてなる射出成形
    品。
JP29746897A 1997-10-29 1997-10-29 ラミネート用シート及びそれを積層した成形品 Pending JPH11129429A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016520304A (ja) * 2013-04-23 2016-07-14 フィスコティーパク ベルギー エンフェー 人工食品ケーシング、その除去方法、及びその製造方法

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