JPH11129309A - 射出成形機の過昇温防止方法およびその装置 - Google Patents

射出成形機の過昇温防止方法およびその装置

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JPH11129309A
JPH11129309A JP31662497A JP31662497A JPH11129309A JP H11129309 A JPH11129309 A JP H11129309A JP 31662497 A JP31662497 A JP 31662497A JP 31662497 A JP31662497 A JP 31662497A JP H11129309 A JPH11129309 A JP H11129309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒータのON/OFF制御に用いられるSS
Rに異常が発生した場合、更には、加熱部材から熱電対
が外れてしまった場合でも加熱部材の過昇温を防止する
ことのできる過昇温防止方法およびその装置を提供する
こと。 【解決手段】 ヒータ1に連続通電する間、加熱部材の
温度を所定周期毎にサンプリングし(S1,S2)、そ
の温度の上昇率が第1の許容設定値aを下回った場合に
は熱電対THの脱落や断線と見なしてアラームを出力す
る(S3)。また、ヒータ1のON/OFFによる温度
の適応制御を開始してからは、ヒータ1にOFF指令が
出力されている間(S4)、加熱部材の温度を所定周期
毎にサンプリングし(S5,S6)、温度の上昇率が第
2の許容設定値bを上回った場合にSSR2のショート
または溶着と見なしてアラームを出力する(S6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機の過昇
温防止装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機の加熱部材、例えば、射出シ
リンダのバレルやノズルまたは金型等にヒータと熱電対
とを設け、この熱電対によって検出される温度に基いて
ヒータのON/OFF制御を行って加熱部材の温度を設
定値に保持するようにした射出成形機の過昇温防止装置
が公知である。
【0003】ヒータのON/OFF制御にはSSR(S
olid State Relay)または電磁接触器
等が用いられるが、SSRがショートして破損したり電
磁接触器の接点が溶着してしまったりすると、制御装置
からのON/OFF指令に関わりなくヒータに電力が供
給され続けることになり、バレルやノズルまたは金型等
の加熱部材の温度が必要以上に上昇してしまうといった
問題が発生する。
【0004】また、温度検出手段である熱電対がバレル
やノズルまたは金型等の加熱部材から外れてしまったり
断線が生じたりした場合には、熱電対による加熱部材の
温度検出が行われなくなるため、制御装置の側には常に
低い温度検出情報が与えられる結果となってヒータの常
ON制御が実施され、前記と同様、バレルやノズルまた
は金型等の加熱部材の過昇温やヒータの断線といった障
害が発生してしまう。
【0005】これらの問題を解消するための手段とし
て、温度を制御するための制御装置とは別に専用のアラ
ーム検出装置を設け、温度制御用の熱電対とは独立した
別の熱電対をこのアラーム検出装置に接続して加熱部材
の異常昇温を検出し、ヒータへの電力の供給を停止する
ようにした射出成形機が提案されている。
【0006】しかし、このような構造を適用しても、ア
ラーム検出装置の熱電対がバレルやノズルまたは金型等
の加熱部材から外れてしまったり断線したりすると、ア
ラーム検出装置の過昇温検出機能は機能しなくなり、前
記と同様、加熱部材の過昇温といった問題が発生する場
合がある。また、加熱部材の昇温目標温度の設定を変更
する度にそれに合わせてアラーム検出装置の設定温度も
変更しなければならず、設定作業が煩わしくなる。
【0007】更に、温度制御用の熱電対に加えてアラー
ム検出装置の熱電対をバレルやノズルまたは金型等の加
熱部材に配備するため、加熱部材に複雑な加工を施した
り、あるいは、2対式の熱電対等を利用したりする必要
が生じ、製造コストが増大するといった欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
従来技術の欠点を解消し、ヒータのON/OFF制御に
用いられるSSRや電磁接触器にショートや溶着が発生
した場合、更には、加熱部材から熱電対が外れてしまっ
たような場合でも加熱部材の過昇温を防止することがで
き、しかも、加熱部材に対する複雑な加工も必要のない
射出成形機の過昇温防止方法およびその装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、射出成形機の
加熱部材にヒータと温度センサとを設け、前記温度セン
サによって検出される温度に基いて、前記ヒータをON
/OFF制御し、前記加熱部材の温度をフィードバック
制御する射出成形機において、本発明の過昇温防止装置
は、ON/OFF周期の全周期にわたってON指令であ
るときに検出される温度上昇率が第1の許容設定値を下
回るとアラームを出力する。これにより温度センサの故
障や加熱部材からの離脱を検出する。
【0010】また、ON/OFF周期の全周期にわたっ
てON指令ではないときに、検出される温度上昇率が第
2許容設定値を上回るとアラームを出力するようにす
る。これによってヒータに電源を接続するスイッチング
手段がショートしたり溶着した時等の異常を検出する。
【0011】さらに、具体的には、第1及び第2の許容
設定値を設定記憶する記憶手段と、所定異常検出周期毎
に前記温度センサで検出される温度とON/OFFの全
周期にわたってON指令であるか否かを検出する検出手
段と、前記検出手段でON/OFFの全周期にわたって
ON指令であることが検出され、かつ異常検出周期の今
周期で検出された温度と前周期で検出された温度との差
が前記第1の許容設定値を下回るとき、及び前記検出手
段でON/OFFの全周期にわたってON指令でないこ
とが検出され、かつ異常検出周期の今周期で検出された
温度と前周期で検出された温度との差が前記第2の許容
設定値を上回るとき、アラームを出力するアラーム出力
手段とを設けて、スイッチング手段や温度センサの異常
を検出する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は本発明を適用した一実施形態
の射出成形機における過昇温防止装置の構成の要部を示
すブロック図である。
【0013】図1において、符号1は射出成形機の加熱
部材、例えば、シリンダのバレルやノズルまたは金型等
の加熱部材に取り付けられたヒータである。ヒータ1
は、そのON/OFF制御を行うSSR(Solid
State Relay)のスイッチング部2と、電磁
リレーMCCのスイッチSW1とを介して三相交流電源
の2相の端子に接続されている。
【0014】なお、QF1およびFUSEは回路保護の
ためのブレーカもしくはヒューズである。
【0015】符号THはヒータ1で昇温される加熱部材
のフィードバック制御および異常昇温等の検出処理に用
いられる温度センサとしての熱電対であり、前述した加
熱部材、つまり、シリンダのバレルやノズルまたは金型
等に内嵌して取り付けられ、過昇温防止装置の主要部を
構成する温度調整計3の温度アンプ4とA/D変換器と
を介して該温度調整計3のプロセッサ5に接続されてい
る。
【0016】温度調整計3のメモリ6は、ヒータ1によ
って加熱される加熱部材の昇温目標温度、および、後述
する第1,第2の設定許容値を記憶するためのもので、
不揮発性メモリによって構成されている。
【0017】プロセッサ5は、熱電対THによって検出
される加熱部材の現在温度とメモリ6に設定された加熱
部材の昇温目標温度との偏差に基いて、I/Oボード
7、および、その出力端子DO2を介してSSRをON
/OFF制御する。
【0018】つまり、熱電対THによって検出される加
熱部材の現在温度がメモリ6に設定された加熱部材の昇
温目標温度よりも低ければ、SSRのスイッチング部2
をONの状態としてヒータ1に通電し、また、熱電対T
Hによって検出される加熱部材の現在温度がメモリ6に
設定された加熱部材の昇温目標温度よりも高ければ、S
SRのスイッチング部2をOFFの状態としてヒータ1
への通電を停止するといった処理を行う。
【0019】なお、温度調整計3の出力バッファ8にS
SRへのON指令やOFF指令を所定周期毎に書き込
み、射出成形機を駆動制御するCNC装置9側のプロセ
ッサによって出力バッファ8の状態を検出して、CNC
装置9側のプロセッサによりI/Oボード7を介してS
SRをON/OFF制御するようにしてもよい。
【0020】また、温度調整計3のプロセッサ5が熱電
対THを介して加熱部材の異常昇温や熱電対THの異常
等を検出した場合には、I/Oボード7、および、その
出力端子DO1を介して電磁リレーMCCが駆動され、
ヒータ1への電源投入直後から常ON状態となっている
スイッチSW1が開かれて、SSRのスイッチング部2
よりも電源側の位置でヒータ1への電力供給が遮断され
る。前記と同様、CNC装置9側のプロセッサによって
この処理を行うことも可能である。
【0021】メモリ6に対する昇温目標温度および後述
の第1,第2の設定許容値の設定作業は、CNC装置9
側のキーボード操作等により、I/Oボード7,入力バ
ッファ10,プロセッサ5を介して行われる。
【0022】ヒータ1による昇温作業が正常に行われた
場合の加熱部材の温度変化の例を図3に実線で示す。
【0023】例えば、図3に示すように、昇温目標温度
が200度、また、室温が20度であるとする。
【0024】まず、ヒータ1への電源投入直後の段階で
は加熱部材の温度は概ね室温と等しく20度程度である
から、熱電対THによって検出される加熱部材の現在温
度はメモリ6に設定された加熱部材の昇温目標温度20
0度よりも低い。従って、SSRのスイッチング部2は
ONの状態に保持され、ヒータ1が通電されて加熱部材
の温度、つまり、熱電対THによって検出される温度が
図3に示すように線形的に上昇することになる。
【0025】このような状態は、図3におけるAの区間
のように、熱電対THによって検出される温度がメモリ
6に設定された加熱部材の昇温目標温度200度に達す
るまで続く。このままSSRのスイッチング部2がON
の状態に保持されると加熱部材の温度がそのまま上昇を
続けるので、結果的に、熱電対THによって検出される
加熱部材の現在温度がメモリ6に設定された加熱部材の
昇温目標温度200度よりも高くなり、これを検出した
温度調整計3のプロセッサ5からの指令によりSSR2
がOFFの状態に切り替えられてヒータ1への通電が断
たれ、加熱部材の温度が徐々に下降を開始する。
【0026】そして、熱電対THによって検出される加
熱部材の現在温度がメモリ6に設定された昇温目標温度
200度を下回ると、これを検出した温度調整計3のプ
ロセッサ5からの指令によりSSRのスイッチング部2
が再びONの状態に切り替えられ、ヒータ1が通電され
て加熱部材の温度が再び上昇を開始する。
【0027】以下、前記と同様の処理操作が繰り返し実
行される結果、加熱部材の現在温度は、図3のBの区間
に示すように、ON/OFF制御による温度フィードバ
ック制御が行われ、メモリ6に設定された昇温目標温度
200度の近傍に、ある程度の許容幅を有して安定的に
保持されることになる。
【0028】しかし、SSRのスイッチング部2がショ
ートしたり溶着等の故障が生じると、熱電対THが加熱
部材の過昇温を検知していたとしてもプロセッサ5から
の指令によってSSRのスイッチング部2を開路するこ
とはできなくなる。従って、過昇温状態であってもヒー
タ1への通電状態がそのまま保持されることになり、加
熱部材の温度が、図3に示す通り、メモリ6に設定され
た昇温目標温度200度を超えて限界点まで線形的に上
昇してしまうといった問題が生じることがあり、成形不
良等が発生する他、ヒータ1自体の断線の危険もある。
【0029】また、熱電対THが加熱部材から外れてし
まった場合や熱電対THに断線が生じた場合には、この
熱電対THが常に室温を検出し続けるか、または、断線
によってプロセッサ5への信号入力が断たれるため、プ
ロセッサ5は、常に加熱部材の現在温度がメモリ6の昇
温目標温度よりも低いと認識し続けることになる。この
結果、プロセッサ5がSSRのスイッチング部2を常に
ONの状態に保持し続けることになり、SSRのスイッ
チング部2がショートしたり溶着した場合と同様、ヒー
タ1への通電状態がそのまま維持され、回路に異常が生
じるとか加熱部材の温度が図3に示すように限界点まで
線形的に上昇してしまうといった問題が起きる場合があ
る。
【0030】そこで、本実施形態においては、前述した
ような通常のON/OFF制御によるフィードバック温
度制御に加え、図2に示すような異常検出処理をプロセ
ッサ5に所定周期毎に繰り返し実行させ、SSRのスイ
ッチング部2のショートや溶着および熱電対THの外れ
や断線に関連する事故を未然に防止するようにしてい
る。
【0031】以下、SSRによるヒータ1のON/OF
F制御は従来と同様にして実施されるものとして、本実
施形態における異常検出処理の詳細について説明する。
【0032】所定異常検出周期毎の異常検出処理を開始
したプロセッサ5は、まず、ヒータ1が連続ON指令の
状態になっているか否か、つまり、温度制御のON/O
FF周期の全周期にわたってON指令が出力されている
か否かを判断する(ステップS1)。加熱部材の昇温過
程である図3のAに相当する区間内では全周期ON指令
である。連続ONの状態になっている場合、プロセッサ
5は、熱電対THを介して加熱部材の現在温度tを読み
込み、その値から、前周期の異常検出処理において検出
された加熱部材の温度t0(なおt0は初期設定で最初は
0にセットされている)を減じて異常検出処理の1処理
周期分に対する加熱部材の温度の上昇量(上昇率)を求
め、その値が第1の許容設定値aよりも小さいか否かを
判別する(ステップS2)。
【0033】第1の許容設定値aは、図3に示されるよ
うな区間Aにおける加熱部材の温度の上昇特性に基いて
決められる正の値であり、例えば、異常検出処理の1処
理周期の時間がΔTであるとすれば、図3における温度
の上昇量(上昇率)a′が許容設定値aに相当する値と
なる。
【0034】しかし、実際には、室温の高低等によって
も加熱部材の温度の上昇特性には変化が生じるので、実
際の許容設定値aの値は、室温が低いために加熱部材の
温度上昇が鈍くなったような場合であっても、これを熱
電対THの外れや断線等の異常として検出することがな
いように、a′よりも低めの値を設定する必要がある。
許容設定値aの大きさは、実際には、熱電対脱落時にお
ける室温の上昇等によって熱電対THに生じる温度上昇
等と、ヒータ1の加熱による加熱部材の強制的な温度上
昇とを区別できる程度の大きさであれば十分である。従
って、昇温目標温度の設定変更等に伴って許容設定値a
の大きさを再検討するといった必要性もない。
【0035】そして、ステップS2の判別結果が真とな
った場合、つまり、異常検出処理1処理周期分に対する
加熱部材の温度の上昇量(上昇率)が許容設定値aに満
たない場合は、連続ON指令であるから温度の上昇率は
許容設定値a以上になるはずなのに許容設定値aに満た
ないから、プロセッサ5は、熱電対THが加熱部材から
外れているか、もしくは、熱電対THに断線が生じてい
るものと判断し、出力バッファ8およびI/Oボード7
を介してCNC装置9に異常検出信号を出力し、CNC
装置9側のブザーもしくはモニタ表示等によって作業者
に異常を知らせると共に、電磁リレーMMCを作動させ
てスイッチSW1を開き、SSRのスイッチング部2よ
りも電源側の位置でヒータ1への電力供給を遮断する
(ステップS3)。
【0036】従って、熱電対THが加熱部材から外れた
り断線したりした場合は、ヒータ1に対する通電開始直
後の段階で電源が遮断されることになる。また、図3の
Bの区間のように設定値まで温度が上昇し、温度制御に
よりSSRのスイッチング部2がON/OFFしている
状態において、熱電対THが加熱部材から外れたり断線
したりした場合においても、熱電対THで検出される温
度が低下するから、温度制御によりON/OFF周期の
全周期にわたってON指令が出力されることになる。こ
のときもステップS2で温度上昇がないことが検出され
るから、ステップS3でアラームが出力されることにな
る。
【0037】熱電対THが加熱部材の真の温度を検出し
ないことを原因として従来生じていた加熱部材の過昇温
やヒータ1の断線といった問題は完全に解消される。
【0038】また、ステップS2の判別結果が偽となっ
て熱電対THの温度上昇がヒータ1による強制加熱に起
因するものであることが明らかになった場合、つまり、
熱電対THの取り付け状態やリード線の接続が適切であ
ることが判明した場合には、ステップS3の処理はスキ
ップされ、スイッチSW1はそのままONの状態に保持
され、ステップS6に移行し、ステップS2の処理で読
み込んだ加熱部材の現在温度tを前周期の加熱部材の温
度t0として更新記憶し、当該処理周期の異常検出処理
を終了する。
【0039】熱電対THによって検出される加熱部材の
温度が昇温目標値に達するまでの間、前記と同様の処理
が繰り返し実行され、熱電対THに異常がなければ、ヒ
ータ1に対する電力供給はそのまま許容され、熱電対T
Hによって検出される加熱部材の温度が昇温目標温度に
到達する。そして、加熱部材の温度が昇温目標温度に達
すると、SSRには温度フィードバック制御によって決
まるON/OFF周期のデューティー比によるON/O
FF指令が出力されることになる。その結果、ステップ
S1でON/OFF周期の全周期にわたってON指令が
出力されていないことが検出されることになる。すなわ
ち図3のBの区間に入りON/OFF周期内でON区間
の指令とOFF区間の指令があり、SSRにON/OF
Fが出されているとき、ステップS1からステップS4
に移行し、プロセッサ5は、加熱部材の現在温度tを読
み込み、その値から、前周期の異常検出処理において検
出された加熱部材の温度t0を減じて異常検出処理1処
理周期分に対する加熱部材の温度の上昇量(上昇率)を
求め、その値が第2の許容設定値bよりも大きいか否か
を判別する(ステップS4)。
【0040】第2の許容設定値bは、図3に示されるよ
うな区間Bにおいて昇温目標温度保持のためにヒータ1
が正常にON/OFFされているとき生じる最大の変化
量に基いて決められる値である(最大の変化量よりも少
し大きな値)。
【0041】そして、ステップS4の判別結果が真とな
った場合、つまり、異常検出処理1処理周期分に対する
加熱部材の温度の上昇量(上昇率)が許容設定値bを超
えている場合、プロセッサ5は、SSRのスイッチング
部2にショートや溶着が生じている状態にあるものと判
断し、出力バッファ8およびI/Oボード7を介してC
NC装置9に異常検出信号を出力し、CNC装置9側の
ブザーもしくはモニタ表示等によって作業者に異常を知
らせると共に、電磁リレーMMCを作動させてスイッチ
SW1を開き、SSRのスイッチング部2よりも電源側
の位置でヒータ1への電力供給を遮断する(ステップS
5)。
【0042】従って、SSRのスイッチング部2にショ
ートや溶着が生じた場合、ヒータ1に対する電力の供給
は直ちに遮断されることになり、SSRスイッチング部
2のショートや溶着に起因して従来生じていた加熱部材
の過昇温やヒータ1の断線といった問題が完全に解消さ
れる。
【0043】また、ステップS4の判別結果が偽とな
り、SSRのスイッチング部2へのOFF指令によって
SSRが正常に作動し、加熱部材の温度を昇温目標温度
に保持するためのON/OFF制御が正常に行われてい
ると判明した場合には、ステップS5の処理はスキップ
され、スイッチSW1はそのままONの状態に保持され
る。
【0044】次いで、プロセッサ5は、ステップS4の
処理で読み込んだ加熱部材の現在温度tを前周期の加熱
部材の温度t0として更新記憶し(ステップS6)、当
該処理周期の異常検出処理を終了する。
【0045】以下、昇温目標温度保持のためのSSRの
スイッチング部2のON/OFF制御が正常に行われる
間、前記と同様の処理が繰り返し実行され、また、SS
Rのスイッチング部2にショートや溶着が生じた場合に
はステップS4の処理によってその異常が検出され、ス
イッチSW1が開路されてヒータ1に対する電力供給が
遮断されることになる。
【0046】以上、一実施形態として、温度調整計3の
プロセッサ5によってSSRのスイッチング部2のショ
ートや溶着等の異常検出、および、熱電対THの外れや
断線といった異常検出を行って加熱部材の異常昇温を防
止する場合の例について述べたが、温度調整計3からI
/Oボード7を介してCNC装置9側のプロセッサに熱
電対THの温度検出データやメモリ6の各種設定値を転
送するようにすれば、CNC装置9側のプロセッサによ
って前記と同様の処理を行うことができ、また、CNC
装置9側のメモリに昇温目標温度や許容設定値a,bを
記憶させてCNC装置9側のプロセッサのみによって前
記と同様の処理を行わせることも可能である。
【0047】更に、温度調整計3のプロセッサ5とCN
C装置9側のプロセッサとにより前記の処理を重複して
実行させてダブルチェックを行うことも可能である。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、格別の熱電対を設けな
くても、加熱部材の温度制御に用いられる熱電対をその
まま利用してヒータ制御用のSSR(Solid St
ateRelay)や電磁接触器のショートおよび溶着
を検出し、加熱部材の過昇温を防止することができる。
従って、射出成形機の加熱部材に複雑な加工を施す必要
もなく、安価で信頼性の高い過昇温防止装置を提供する
ことができる。
【0049】また、熱電対が外れたり断線したりして正
常な温度検出が行われなくなった場合には、ヒータへの
電力供給が自動的に停止されるので、熱電対自体の脱落
や損傷による加熱部材の過昇温も防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の射出成形機にお
ける過昇温防止装置の要部を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における過昇温防止方法を実施する
ための処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】加熱部材の正常な温度上昇と異常発生時の温度
上昇の状態を概略で示す線図である。
【符号の説明】
1 ヒータ 2 SSR(Solid State Relay)の
スイツチング部 3 温度調整計 4 温度アンプ 5 プロセッサ 6 メモリ 7 I/Oボード 8 出力バッファ 9 CNC装置 10 入力バッファ MCC 電磁リレー SW1 スイッチ TH 熱電対 QF1 ブレーカまたはヒューズ FUSE ブレーカまたはヒューズ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機の加熱部材にヒータと温度セ
    ンサとを設け、前記温度センサによって検出される温度
    に基いて、前記ヒータをON/OFF制御し、前記加熱
    部材の温度をフィードバック制御する射出成形機の過昇
    温防止装置であって、ON/OFF周期の全周期にわた
    ってON指令であるときに検出される温度上昇率が許容
    設定値を下回るとアラームを出力することを特徴とする
    射出成形機の過昇温防止装置。
  2. 【請求項2】 射出成形機の加熱部材にヒータと温度セ
    ンサとを設け、前記温度センサによって検出される温度
    に基いて、前記ヒータをON/OFF制御し、前記加熱
    部材の温度をフィードバック制御する射出成形機の過昇
    温防止装置であって、ON/OFF周期の全周期にわた
    ってON指令ではないときに、検出される温度上昇率が
    許容設定値を上回るとアラームを出力することを特徴と
    する射出成形機の過昇温防止装置。
  3. 【請求項3】 射出成形機の加熱部材にヒータと温度セ
    ンサとを設け、前記温度センサによって検出される温度
    に基いて、前記ヒータをON/OFF制御し、前記加熱
    部材の温度をフィードバック制御する射出成形機の過昇
    温防止装置であって、ON/OFFの全周期にわたって
    ON指令であるときに検出される温度上昇率が第1の許
    容設定値を下回るとアラームを出力すると共に、ON/
    OFFの全周期にわたってON指令ではないときに検出
    される温度上昇率が第2の許容設定値を上回るとアラー
    ムを出力することを特徴とする射出成形機の過昇温防止
    装置。
  4. 【請求項4】 射出成形機の加熱部材にヒータと温度セ
    ンサとを設け、前記温度センサによって検出される温度
    に基いて、前記ヒータをON/OFF制御し、前記加熱
    部材の温度をフィードバック制御する射出成形機の過昇
    温防止装置であって、 第1及び第2の許容設定値を設定記憶する記憶手段と、 所定異常検出周期毎に前記温度センサで検出される温度
    とON/OFFの全周期にわたってON指令であるか否
    かを検出する検出手段と、 前記検出手段でON/OFFの全周期にわたってON指
    令であることが検出され、かつ異常検出周期の今周期で
    検出された温度と前周期で検出された温度との差が前記
    第1の許容設定値を下回るとき、及び前記検出手段でO
    N/OFFの全周期にわたってON指令でないことが検
    出され、かつ異常検出周期の今周期で検出された温度と
    前周期で検出された温度との差が前記第2の許容設定値
    を上回るとき、アラームを出力するアラーム出力手段と
    を備えたことを特徴とする射出成形機の過昇温防止装
    置。
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