JPH11127866A - 新規なα−1,2−フコシルトランスフェラーゼ及びその製造法 - Google Patents

新規なα−1,2−フコシルトランスフェラーゼ及びその製造法

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JPH11127866A
JPH11127866A JP9316622A JP31662297A JPH11127866A JP H11127866 A JPH11127866 A JP H11127866A JP 9316622 A JP9316622 A JP 9316622A JP 31662297 A JP31662297 A JP 31662297A JP H11127866 A JPH11127866 A JP H11127866A
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Japan
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enzyme
fucosyltransferase
gene
galactopyranosyl
acetamido
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JP9316622A
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Yukihiko Noro
行彦 野呂
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Noda Institute for Scientific Research
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Noda Institute for Scientific Research
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (1)下記の理化学的性質:作用:GDP-
β-L-フコースのフコースを、フェニル-β-D-ガラクト
シドのガラクトースの2位の水酸基に転移し、フェニル-
2-O-(α-L-フコピラノシル)-β-D-ガラクトピラノシド
を生成する。;基質特異性:フェニル-β-D-ガラクトシ
ド、Galβ1-3GlcNAc、Galβ1-4GlcNAc、Galβ1-3GalNAc
に対して特異的に作用し、特にGalβ1-3GalNAcに対して
高い活性を有する;至適pH範囲:6付近である;至適温
度範囲:18℃前後である;を有するα-1,2-フコシルト
ランスフェラーゼ、(2)上記酵素をコードする遺伝
子、(3)該遺伝子がベクターDNAに組み込まれた組み
換え体DNA、(4)該組み換え体DNAを含有する動物細胞
を培地に培養し、得られる培養物から上記酵素を採取す
ることを特徴とするα-1,2-フコシルトランスフェラー
ゼの製造法。 【効果】本発明により、基質特異性が高く、低温での反
応性に優れた新規α-1,2-フコシルトランスフェラー
ゼ、及びその遺伝子が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なα-1,2-フ
コシルトランスフェラーゼ、α-1,2-フコシルトランス
フェラーゼ遺伝子、該遺伝子を含む組換え体DNA及び
α-1,2-フコシルトランスフェラーゼの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、糖タンパク質、糖脂質等の糖鎖部
分の機能が徐々に明らかにされ、それらの糖鎖構造を人
工的に合成、修飾する技術の必要性が高まってきてい
る。この様な流れを受けて、基質特異性の明確な糖転移
酵素の開発が望まれている。α-1,2-フコシルトランス
フェラーゼ(フコース転移酵素)は、糖タンパク質や糖
脂質の糖鎖非還元末端のガラクトースにフコースを付加
する反応を触媒する酵素である。該酵素は、非還元末端
の糖鎖骨格である1型糖鎖(Galβ1-3GlcNAc)、2型糖鎖
(Galβ1-4GlcNAc)、3型糖鎖(Galβ1-3GalNAc)のガ
ラクトースに対し、α-1,2結合でフコースを付加するこ
とができる。
【0003】なお、「Galβ1-3GlcNAc」とは2-アセトア
ミド-2-デオキシ-3-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-D-
グルコピラノースであり、「Galβ1-4GlcNAc」とは2-ア
セトアミド-2-デオキシ-4-O-(β-D-ガラクトピラノシ
ル)-D-グルコピラノースであり、「Galβ1-3GalNAc」
とは2-アセトアミド-2-デオキシ-3-O-(β-D-ガラクト
ピラノシル)-D-ガラクトピラノースを意味する。
【0004】これまでに報告されているα-1,2-フコシ
ルトランスフェラーゼは、これらの糖鎖骨格に対する基
質特異性が厳密ではない。また、いづれか一つの型の糖
鎖にのみ特異的な糖転移活性を示すものは報告されてい
ない。
【0005】遺伝子としてもヒト(アメリカ国立科学ア
カデミー紀要、87巻、6674頁、1990年)、ブタ(イミュ
ノジェネティックス、44巻、76頁、1996年)、ウサギ
(ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー、270
巻、8844頁、1995年)からの単離が報告されてはいるも
のの、これらはすべてほ乳類からの単離であり、種が進
化的に近いため、酵素の理化学的性質も互いに似通って
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、基質特異性が厳密でかつ酵素としての理化学的性質
が従来のものと異なる、新規なα-1,2-フコシルトラン
スフェラーゼ、α-1,2-フコシルトランスフェラーゼ遺
伝子、該遺伝子を含む組換え体DNA及びα-1,2-フコ
シルトランスフェラーゼの製造法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、既知のも
のとは性質の異なるα-1,2-フコシルトランスフェラー
ゼをコードする遺伝子を、これまで単離されたことのあ
る生物種とは進化的に離れた種であるアフリカツメガエ
ル(ゼノパスラエビス)より単離することに成功し、本
発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、下記の理化学的性質
を有するα-1,2-フコシルトランスフェラーゼである。
【0009】(1) 作用:GDP-β-L-フコースのフコース
を、フェニル-β-D-ガラクトシドのガラクトースの2位
の水酸基に転移し、フェニル-2-O-(α-L-フコピラノシ
ル)-β-D-ガラクトピラノシドを生成する。
【0010】(2) 基質特異性:フェニル-β-D-ガラクト
シド、Galβ1-3GlcNAc、Galβ1-4GlcNAc、Galβ1-3GalN
Acに対して特異的に作用し、特にGalβ1-3GalNAcに対し
て高い活性を有する。
【0011】(3) 至適pH範囲:至適pHは6付近であ
る。
【0012】(4) 至適温度範囲:ナトリウム−リン酸緩
衝液(pH6.1)中、至適温度は、18℃である。
【0013】さらに、本発明は、配列番号1で表される
アミノ酸配列、又は該アミノ酸配列のうちの1若しくは
複数のアミノ酸が付加、欠失若しくは置換されたアミノ
酸配列を含み、かつ上記の理化学的性質を満たすポリペ
プチドをコードするα-1,2-フコシルトランスフェラー
ゼ遺伝子である。
【0014】ここで、「1若しくは複数のアミノ酸が付
加、欠失若しくは置換されたアミノ酸配列」とあるの
は、本発明のα-1,2-フコシルトランスフェラーゼの理
化学的性質が得られる限り、配列番号1で表されるアミ
ノ酸配列が、該アミノ酸配列とは異なる配列に付加、欠
失又は置換されてもよいことを意味する。例えば、配列
番号1で表されるアミノ酸配列の第1番目のメチオニン
が欠失しても、本発明の目的とするα-1,2-フコシルト
ランスフェラーゼの理化学的性質が得られる限り、かか
る欠失した配列も本発明に含まれることを意味する。
【0015】さらに、本発明は、前記α-1,2-フコシル
トランスフェラーゼ遺伝子がベクターDNAに組み込ま
れた組み換え体DNAである。
【0016】さらに、本発明は、前記組み換え体DNA
を含有する細胞を培地に培養し、得られる培養物からα
-1,2-フコシルトランスフェラーゼを採取することを特
徴とするα-1,2-フコシルトランスフェラーゼの製造法
である。
【0017】以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】本発明のα-1,2-フコシルトランスフェラ
ーゼ(以下「本酵素」という)の理化学的性質について
以下に示す。
【0019】(1) 作用:GDP-β-L-フコースのフコース
を、フェニル-β-D-ガラクトシドのガラクトースの2位
の水酸基に転移し、フェニル-2-O-(α-L-フコピラノシ
ル)-β-D-ガラクトピラノシドを生成する。本酵素の作
用の模式図を以下に示す。なお、図中Galはガラクト
ースを、Fucはフコースを意味する。
【0020】
【化1】
【0021】(2) 基質特異性:フェニル-β-D-ガラクト
シド、Galβ1-3GlcNAc、Galβ1-4GlcNAc、Galβ1-3GalN
Acに対して特異的に作用し、特にGalβ1-3GalNAcに対し
て高い活性を有する。本酵素の各種基質に対するKm値、
Vmax値及びKm/Vmax値を、図1に示す。Km値およびVmax
値については、後記の測定法1に従い、ラインウエーバ
ー・バークのプロットより求めた。
【0022】(3) 至適pH範囲:本酵素の至適pHは、
後記の測定法1に従い、各pHにおける活性を測定して
求めた。その結果は図2に示す通りであり、本酵素の至
適pHはpH6.0付近である。
【0023】(4) 至適温度範囲:本酵素の至適温度は、
後記の測定法1に従い、各温度における活性を測定して
求めた。その結果は図3に示す通りであり、25mMナトリ
ウム−リン酸緩衝液(pH6.1)中、至適温度は、18℃
である。以上、本酵素と従来公知のα-1,2-フコシルト
ランスフェラーゼとの理化学的性質の相違点を、図4に
示す。尚、酵素Aは、ヒト由来(ジャーナルオブバイオ
ロジカルケミストリー、267巻、2737頁、1992年)、酵
素Bは、ヒト由来(ジャーナルオブバイオロジカルケミ
ストリー、270巻、4640頁、1995年)、酵素C、Dは、ウ
サギ由来(ジャーナルオブバイオロジカルケミストリ
ー、270巻、8844頁、1995年)、酵素Eは、ウサギ由来
(ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー、271
巻、16975頁、1996年)、及び酵素Fは、細胞性粘菌由来
(FEBSレターズ、395巻、68頁、1996年)のα-1,2-フコ
シルトランスフェラーゼを意味する。
【0024】次に、本酵素の活性測定法について説明す
る。
【0025】本酵素の活性測定は、下記の測定法1に従
って行った。 〔測定法1〕ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(270巻、8844〜8850頁、1995年)記載の方法を一部改
変して本酵素の活性を測定する。すなわち、フェニル-
β-D-ガラクトシドを基質とし、放射性同位元素14Cでラ
ベルされたフコースが転移した酵素反応生成物をC-18 S
ep-Pakカートリッジ(ミリポアウオータズ社製)にて精
製し、液体シンチレーションカウンター(ベックマン社
製)で放射活性を測定した。また、基質としてオリゴ糖
(Galβ1-3GlcNAc、Galβ1-4GlcNAc、及びGalβ1-3GalN
Ac)を用いた場合は、放射性同位元素14Cでラベルされ
たフコースが転移した反応生成物を、シリカゲル60HP
TLCプレート(メルク社製)上にて展開後、BAS1000ラジ
オイメージングアナライザー(富士フィルム社製)にて
放射活性を測定した。具体的には、20μlの反応混液(2
5mM ナトリウム−リン酸緩衝液(pH6.1)、10mM L-フ
コース、5mM ATP、3μM GDP-(14C)フコース、0-25mM
上記基質〕に、実施例2で調製された粗酵素液2μlを加
え、18℃で2時間反応させた。エタノール20μlを加えて
反応を停止させた。基質としてフェニル-β-D-ガラクト
シドを用いた場合は、1mlの純水を更に加え、あらかじ
めメタノール、純水各5mlづつで洗浄して純水に平衡化
されたC-18Sep-Pakプラスカートリッジにアプライし
た。純水6mlで洗浄後、メタノール2mlで溶出し、シンチ
ラントと混合後、液体シンチレーションカウンターにて
放射活性を測定した。
【0026】一方、基質としてオリゴ糖を用いた場合
は、反応停止後の反応液を5μl程度になるまで適宜蒸発
させ、全量をシリカゲル60HPTLCプレートにスポット
した。プレートは、エタノール:ピリジン:1-ブタノー
ル:水:酢酸(100:10:10:30:3)にて展開後、BAS1000ラ
ジオイメージングアナライザーを用いて放射活性を測定
した。 〔1〕遺伝子工学的手法による本酵素遺伝子のクローニ
ング及び本酵素の生産 以下に、本酵素をコードする遺伝子(以下「x19-1遺伝
子」という)を含むDNAが挿入された組み換え体DN
Aにより宿主動物細胞を形質転換又は形質導入し、得ら
れた組み換え動物細胞を用いて本酵素を生産する方法に
ついて詳細に説明する。x19-1遺伝子を含むDNAは、
染色体DNA、又はcDNA由来の野生型遺伝子をクロ
ーニングすることにより得られる。又、本酵素のアミノ
酸配列に基づいてプライマーを合成し、染色体DNA又
はcDNAを鋳型としてポリメラーゼ連鎖反応(以下
「PCR」という)を行うことにより該遺伝子を増幅す
ることもできる。さらには化学合成法を用いて該遺伝子
を構築することも可能である。 以下、本酵素の生産能
を有するゼノパスラエビスの初期胚のcDNAのライブ
ラリー(以下「cDNAライブラリー」という)からx1
9-1遺伝子をクローニングする方法を例にとり、x19-1遺
伝子を含むDNAの単離法について説明する。 1.cDNAライブラリーの作成 本酵素の生産能を有するゼノパスラエビス初期胚からm
RNAを抽出する方法としては、公知のいずれの方法も
が使用できる。その例としては、実施例1(1)記載の
方法が挙げられる。
【0027】ゼノパスラエビス初期胚は、交接による自
然受精によっても、あるいは、未受精卵へ雄の精巣より
調製した精子懸濁液を添加する人工受精によっても得る
ことができる。
【0028】得られたmRNAをリバーストランスクリ
プターゼとDNAポリメラーゼIで処理することによ
り、2本鎖cDNAを得る。この際、XhoIリンカー・ポ
リTプライマーを用いることで、次に述べる平滑化の
後、2本鎖cDNAの下流末端にはXhoIで切断可能な部
位が形成される。また、基質ヌクレオチドとしてメチル
化dCTPを用いることで、2本鎖cDNAの一次片鎖
をメチル化し、後のXhoI消化でcDNAの内部が切断さ
れないようにすることができる。
【0029】次いで、得られた2本鎖cDNAをクレノ
ウフラグメント処理して末端の平滑化を行い、EcoRIア
ダプターとライゲーションさせる。これを、T4キナー
ゼで処理して両5’末端をリン酸化した後、XhoIで消化
すると、上流にEcoRI、下流にXhoIの切断末端をもち、
方向性をもってベクターDNAに組み込み可能なcDN
A断片(以下「EcoRI-XhoI断片」ともいう)が得られ
る。なお、cDNAの合成は、市販の試薬キット、例え
ば、ZAP-cDNA合成キット(ストラタジーン社製)を用い
て行ってもよい。
【0030】このcDNA断片を、適当なベクターDN
AのEcoRI/XhoI部位に挿入して組み換え体DNAを作成
し、該組み換え体DNAを用いて、宿主細胞を形質転換
又は形質導入すれば、cDNAライブラリーを作成する
ことができる。具体的には、実施例1(2)記載の方法
により行うことができる。
【0031】cDNA断片を挿入するためのベクターD
NAは、大腸菌で複製可能でかつ動物細胞で複製かつ発
現可能なものであれば如何なるものでもよく、例えば、
下記宿主細胞においては、pcDNAI/Amp(インビトロジェ
ン社製)が使用できる。
【0032】宿主細胞としては、具体的には、例えば大
腸菌TOP10F'(インビトロジェン社製)JM109(宝酒造社
製)、HB101(ATCC33694)等が好適に使用され得る。動物
細胞としては、例えば、COS-7細胞(RCB0539/理化学
研究所ジーンバンク細胞開発銀行)が使用可能である。
ベクターDNAとしてプラスミドDNAを用いる場合、
EcoRI-XhoI断片を挿入するために、プラスミドDNAを
制限酵素EcoRIおよびXhoI(宝酒造社)を用いて消化し、
切断されたベクターDNAを得る。次いで、EcoRI-XhoI
断片と、切断されたベクターDNAとを混合し、これ
に、例えばT4 DNAリガーゼ(ベーリンガーマンハ
イム社製)を作用させて組み換え体DNAを得る。この
ようにして得られた組み換え体DNAを用いて、宿主細
胞、例えば大腸菌TOP10F'等を形質転換することによ
り、種々の遺伝子を含むEcoRI-XhoI断片を保有する形質
転換体のコロニー、すなわちcDNAライブラリーを得
ることができる。次いで、上記組み換え体DNAを用い
て、動物細胞COS-7等を形質転換することにより、こ
れらEcoRI-XhoI断片の含まれる種々の遺伝子を発現させ
ることができる。 本発明においては、大腸菌の形質転
換は、例えばエレクトロポレーション法(実験マニュア
ル・バイオラッド社製)により行うことができる。またC
OS-7細胞の形質転換は、例えばDEAE-デキストラン法(C
urrent Protocols in Molecular Biology, Unit.9.2, S
pring1997, John Wiley & Sons, Inc.)、スフェロプラ
スト融合法(Current Protocols in Molecular Biolog
y, Unit.6.11, Spring1997, John Wiley & Sons, In
c.)により行うことができる。 2.x19-1遺伝子を保有するクローンの選別 上記で作成したcDNAライブラリーより、x19-1遺伝
子を保有する形質転換株をスクリーニングするには、ゼ
ノパスラエビス初期胚の細胞表面糖鎖を認識するモノク
ローナル抗体を用いて、上記cDNAライブラリーで形
質転換されたCOS-7細胞をパニング法(Current Protoco
ls in Molecular Biology, Unit.6.11,Spring1997, Joh
n Wiley & Sons, Inc.)により濃縮すればよい。形質転
換株のスクリーニングは、具体的には、実施例1(3)
および(4)記載の方法により行うことができる。
【0033】このようにしてx19-1遺伝子を保有する形
質転換株を得ることができる。
【0034】該形質転換株より純化された組み換え体D
NAを得るには、例えばQIAGEN Plasmid Mini Kit(QIA
GEN社製)、超遠心塩化セシウム濃度勾配分離法等の方
法を用いればよい。 3.遺伝子の解析 上記組み換え体DNAに挿入されているEcoRI-XhoI断片
の鎖長は、約1.4kbpである。該組み換え体DNAに挿入
されているx19-1遺伝子の塩基配列の決定は、ジデオキ
シ法(Methods in Enzymology,101,20-78,1983)、具体
的には実施例1(5)記載の方法により行うことができ
る。
【0035】決定したx19-1遺伝子の塩基配列に基づい
て、本酵素のアミノ酸配列を確定する。このアミノ酸配
列は、配列番号1に示される通りである。
【0036】4.組み換え動物細胞による本酵素の生産 上記x19-1遺伝子を含む組み換え体DNAを保有する組
み換え動物細胞を培養すれば、本酵素を生産することが
できる。培養方法は、通常の液体培養法を採用すること
ができる。
【0037】組み換え動物細胞を培養する培地として
は、例えば市販のダルベッコモディファイドイーグルス
メディウム(DMEM)に胎ウシ血清、グルタミン、2
ーメルカプトエタノール、抗生物質等を添加し、炭酸水
素ナトリウムとHEPES緩衝液でpHを7に調製したもの
が用いられる。培養は、37℃、5%CO2培養器の中
で2〜3日静置培養等により行うことが好ましい。
【0038】培養終了後、培養物より本酵素を採取する
には、通常の酵素採取手段を用いることができる。すな
わち、EDTA処理等により細胞を培養容器からはがした
後、可溶化剤(例えば、TritonX-100)存在下で、超音
波破砕処理を行い、細胞を破壊し、本酵素を細胞外に排
出、可溶化させる。このようにして、本酵素を含有する
粗酵素液を得ることができる。本発明では、該粗酵素液
をそのままα-1,2-フコシルトランスフェラーゼ酵素標
品としてもよく、以下の精製手法によりさらに純度を高
めてもよい。
【0039】上記の粗酵素液から、本酵素をさらに精製
するには、通常のタンパク質精製法を使用することがで
きる。具体的には、硫安塩析法、有機溶媒沈澱法、イオ
ン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、
ゲルろ過クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動法等
が、単独又は適宜組み合わせて用いられる。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明を更に
具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例になん
ら限定されるものではない。
【0041】〔実施例1〕遺伝子工学的手法による本酵
素遺伝子のクローニング (1) mRNAの調製 mRNAは、以下の方法により調製した。すなわち、ゼ
ノパスラエビス雌一匹に対して、胎盤性性腺刺激ホルモ
ン(デンカ製薬製)800ユニットを皮下に注射し、約6〜
8時間後に得られる未受精卵に、ゼノパスラエビス雄よ
り摘出した精巣をリンガー液(113mM NaCl, 2mM KCl,
1.2mM CaCl2, 0.6mM NaHCO3, pH7.4)に懸濁した液を数
滴たらし、人工受精を行った。
【0042】得られた受精卵を、23℃通常水にて20
時間培養後、得られた初期胚約200個を、4.5mlの破
砕溶液(4M グアニジンチオシアン酸塩, 25mM クエン酸
ナトリウム,0.5% N-ラウリルサルコシン, 0.1M 2-メル
カプトエタノール)に懸濁し、ポリトロンホモジナイザ
ーにてホモジネートした。これを、4℃、10000×gにて
10分間遠心し、得られた上清に対し、2M 酢酸ナトリウ
ム溶液を0.5ml加えて撹拌した。次に、そこへ5mlの水飽
和フェノールを加え、撹拌した。最後に、クロロホル
ム:イソアミルアルコール(49:1)を1ml加え、撹拌後、
氷中に15分放置した。これを、4℃、10000×gにて20分
間遠心し、得られた上層に対して常法に従い、イソプロ
パノール沈殿を行った。
【0043】得られた沈殿を再び上記破砕溶液に懸濁
し、再度イソプロパノール沈殿を行った後、75%エタノ
ールに再懸濁し、室温にて15分間放置した。これを、4
℃、10000×gにて5分間遠心し、得られた沈殿の水分を
除いた後、0.5mlの純水に懸濁し、全RNA標品とし
た。これを、常法に従い、オリゴdTセルロースカラムに
通し、約 14μgのmRNAを得た。
【0044】(2)cDNAライブラリーの作成 cDNAの合成は、ZAP-cDNA合成キット(ストラタジー
ン社製)を用いて行った。5μgのmRNAをリバース
トランスクリプターゼとDNAポリメラーゼIで処理す
ることにより、2本鎖cDNAを得た。次いで、得られ
た2本鎖cDNAをクレノウフラグメント処理にて末端
の平滑化を行い、EcoRIアダプターとライゲーションさ
せる。これを、T4キナーゼで処理し、両5’末端をリ
ン酸化後、XhoIで消化した。以上により、上流にEcoR
I、下流にXhoIの切断末端をもち、方向性をもってベク
ターDNAに組み込み可能なcDNA断片(EcoRI-XhoI
断片)が2μg得られた。一方、プラスミドpcDNAI/Amp
(インビトロジェン社製)2μgを、EcoRIとXhoIを用
いて切断した。 上記で得られたEcoRI-XhoI断片100ng
と、切断されたプラスミドpcDNAI/Amp 500ngとを混合
し、T4 DNAリガーゼ(ベーリンガーマンハイム
社)1ユニットで連結し、組み換え体プラスミドを得
た。次いで、エレクトロポレーション法により大腸菌TO
P10F'(インビトロジェン社製)を形質転換し、約90000
個の大腸菌のコロニーを得た。これらのコロニーをcD
NAライブラリーとした。
【0045】(3)ゼノパスラエビス初期胚の細胞表面
糖鎖に特異的なモノクローナル抗体の作製 ゼノパスラエビス初期胚の細胞表面糖鎖に特異的なモノ
クローナル抗体は、一般的なモノクローナル抗体作製法
に基づき作製した(単クローン抗体実験操作入門、講談
社サイエンティフィック)。
【0046】まず、上述の方法で得られた約100個の初
期胚より外胚葉領域を切り出し、細胞破砕液(20mM ト
リス塩酸、1mM EDTA, pH7.4)中で破砕した。その破砕
液を4℃、1000×gにて10分間遠心後、上清を4℃、400
00×gにて30分間遠心した。以上により、タンパク量に
して約300μgの細胞膜画分を得たのでこれを抗原とし
た。2匹のマウス(Balb/c、雌、7週齢)の皮下に、上
記抗原を100μgづつ免疫した。上記実験書の記載に従
い、抗体価の上昇を、上述の抗原に対するELISA(酵素
標識抗体測定法)および初期胚外胚葉細胞に対するCTA
(細胞障害試験)で確認した。次いで、これらのマウス
の脾臓細胞とミエローマSp2細胞との細胞融合を行い、
約1000クローンのハイブリドーマを得た。得られたハイ
ブリドーマについて、抗原に対するELISAおよび初期胚
外胚葉細胞に対するCTAによりスクリーニングを行い、
約30クローンの陽性ハイブリドーマを得た。これらのハ
イブリドーマが産生する抗体の中で、GlycopeptidaseF
(宝酒造社製)で処理した抗原を認識できない抗体を選
び、これを抗体9G6と命名した。抗体9G6は、糖鎖を認識
する抗体である。抗体9G6を産生するハイブリドーマ
は、「ハイブリドーマ HB−9G6」と命名され、工
業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−16
455として寄託されている。
【0047】(4) パニング法によるx19-1遺伝子の単離 x19-1遺伝子は、(2)で作成したcDNAライブラリー
をCOS-7細胞で一過的に発現させ、(3) の抗体9G6で認
識できるようになったCOS-7細胞をスクリーニングする
ことによって得た。x19-1遺伝子が発現しているCOS-7細
胞は、その細胞表面に糖鎖が生合成されていると考えら
れる。従って、抗体9G6で認識されるCOS-7細胞は、x19-
1遺伝子を含んでいる可能性が高い。
【0048】まず、上記のcDNAライブラリーの約半
分から、常法により40μgのプラスミドDNAを回収
し、DEAE-デキストラン法(Current Protocols in Mole
cularBiology, Unit.9.2, Spring1997, John Wiley & S
ons, Inc.)により、10cm-dish8枚分のCOS-7細胞を形質
転換した。
【0049】x19-1遺伝子を含む形質転換株のスクリー
ニングは、パニング法(Current Protocols in Molecul
ar Biology, Unit.6.11, Spring1997, John Wiley & So
ns, Inc.)を用いて行い、3回のパニングの後、全コロ
ニーの約40%まで濃縮された陽性コロニーを得た。陽性
コロニーの一つに含まれる組み換え体プラスミド(以下
「pcDNAI/Amp/x19-1」という)を、QIAGEN Plasmid Min
i Kit(QIAGEN社製)を用いて精製した。pcDNAI/Amp/x1
9-1を用いてCOS-7細胞を形質転換し、形質転換株が抗体
9G6で認識されることを確認した。
【0050】以下、pcDNAI/Amp/x19-1に挿入されている
遺伝子に関し、解析を行った。
【0051】(5) x19-1遺伝子の解析 pcDNAI/Amp/x19-1をEcoRIとXhoIで消化した後、0.7 %
アガロースゲル電気泳動法に供し、pcDNAI/Amp/x19-1
に、約1.4kbpのEcoRI-XhoI断片が挿入されていることを
確認した。
【0052】この約1.4kbpのEcoRI-XhoI断片の塩基配列
を決定した。その結果、EcoRI-XhoI断片には、x19-1遺
伝子の全長が含まれていることが確認された。塩基配列
は、プリズムダイプライマーサイクルシークエンスキッ
トとDNAシークエンサーモデル373A(共にパーキンエ
ルマー社製)を用いて行った。x19-1遺伝子は、1071bp
のコーディング領域をもち(配列番号2)、357個のア
ミノ酸をコードしていた(配列番号1)。日本DNAデ
ータバンク(DDBJ)の解析プログラムFASTA及
びBLASTによるホモロジー検索の結果、x19-1遺伝
子は、既知のα-1,2-フコシルトランスフェラーゼに対
して相同性を有することがわかった。pcDNAI/Amp/x19-1
を用いて大腸菌TOP10‘(インビトロジェン社製)
を形質転換し、x19-1遺伝子を含む形質転換株「E.c
oli(x19−1)」を得た。該形質転換株は、工業
技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−164
56として寄託されている。
【0053】〔実施例2〕組み換え動物細胞による本酵
素の生産 完全DMEM培地(DMEM粉末、10%胎ウシ血清、2mM L-グル
タミン、50μM 2-メルカプトエタノール、100μg/ml ペ
ニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、3.7g/l 炭
酸水素ナトリウム、25mM HEPES、pH7)に、COS-7細
胞を接種し、37℃、5%CO2培養器の中で培養し、DEA
E-デキストラン法(Current Protocols inMolecular Bi
ology, Unit.9.2, Spring1997, John Wiley & Sons, In
c.)に従い、上記組み換え体プラスミドpcDNAI/Amp/x19
-1によって形質転換した。これを2〜3日静置培養後、
培養皿内の培地を除き、1mM EDTA含有PBS(137mM NaCl,
2.7mM KCl, 6.5mM Na2HPO4, 1.5mM KH2PO4, pH7.2)で
細胞を洗浄し、はがれた細胞を同液にて回収した。遠心
分離にて上清を捨てた後、集めた細胞をその2倍量の細
胞破砕液(1% TritonX-100, 1mM EDTA, 1mM Phenylmeth
anesulphonyl fluoride, を含有したPBS)に懸濁し、超
音波により破砕し、粗酵素液とした。 〔実施例3〕本酵素の理化学的性質 上記粗酵素液を用いて、本酵素の理化学的性質を決定し
た。
【0054】本酵素の基質特異性は図1に、至適pHは図
2に、至適温度は図3に示すとおりである。これらの理
化学的性質について、本酵素と公知α-1,2-フコシルト
ランスフェラーゼとの比較結果は、図4に示すとおりで
ある。図1から明らかなように、本酵素は、3型糖鎖(G
alβ1-3GalNAc)に対する基質特異性が他の基質と比べ
て高いことがわかる。Km値が、これらの基質中で最も低
いことはもちろん、3型糖鎖(Galβ1-3GalNAc)に対す
る反応性(Vmax/Km)は、1型糖鎖(Galβ1-3GlcNAc)と比
べて約12倍、2型糖鎖(Galβ1-4GlcNAc)と比べても約8
倍大きい。また、図3から明らかなように、本酵素は、
約 18℃という至適反応温度をもち、低温度での反応性
に優れていることがわかる。
【0055】これに対し、図4から明らかなように、本
酵素の基質特異性をウサギ由来の3種類の酵素(酵素
C、酵素D、酵素E)と比較した場合、3型糖鎖(Galβ1-3
GalNAc)に対するKm値こそ本酵素よりも低い酵素(酵素
E)が存在するが、各基質に対する相対反応性(Vmax/Km)
を比較すると、これら3種の酵素(酵素C、酵素D、酵素
E)の基質特異性は、いずれも3型糖鎖(Galβ1-3GalNA
c)に特異的とは言い難い。また、ヒト由来の酵素(酵
素A)は、Km値のデータしか明らかにされてはいない
が、このKm値を比較しても同様に3型糖鎖(Galβ1-3Gal
NAc)に特異的とは言い難い。
【0056】一方、本酵素の至適反応温度を公知酵素の
それと比較すると、表2に示されているように、細胞性
粘菌由来の酵素(酵素F)において、至適温度23℃とい
う報告がある以外には、低温における反応性の優れてい
るものは、本酵素以外には知られていない。
【0057】以上より、本酵素は、天然の糖鎖基質であ
る3型糖鎖(Galβ1-3GalNAc)に特異的であり、かつ低
温における反応性が優れているという、公知のα-1,2-
フコシルトランスフェラーゼにはない優れた性質を持
つ、まったく新規なα-1,2-フコシルトランスフェラー
ゼといえる。
【0058】
【発明の効果】本発明により、基質特異性が高く、低温
における反応性に優れた新規α-1,2-フコシルトランス
フェラーゼ、及びα-1,2-フコシルトランスフェラーゼ
遺伝子が提供された。
【0059】本酵素は、糖鎖工学における基質特異性の
高い糖転移酵素として有用であるばかりではなく、その
ユニークな反応温度特性は、他の基質特異性の異なった
糖転移酵素と混合して用いた場合でも、反応温度の差に
よって転移させる糖や、転移される糖鎖の区別を可能に
することができる。
【0060】糖鎖の合成は、鎖長が長くなるほど、構成
糖の種類が多くなるほど複雑な多段階反応となるので、
各段階ごとに毎回異なった転移酵素を作用させるより
は、その制御を反応温度を変えて行う方がより効率的で
ある。本酵素は、多段階反応による糖鎖の合成に好適に
用いることができる。
【0061】
【配列表】
配列番号1 配列の数:357 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 生物名:ゼノパスラエビス(Xenopus laevis) 配列 Met Glu Met Ala Asn Lys Lys Arg Met Met Leu Leu Met Thr Val 1 5 10 15 Thr Met Leu Ser Val Val Val Phe Leu Ala Leu Tyr Lys Leu Gln 20 25 30 Phe Gln Val Gln Phe Leu Leu Phe Ser Ser Glu Leu Pro Phe Pro 35 40 45 Phe Met Cys Leu Asp Lys Ser Asn Arg Glu Lys Gln Glu Asp Pro 50 55 60 Ser Glu Ser Ser Asp Ala Glu Glu Asp Ser Lys Cys Val Glu Gly 65 70 75 Gly Ile Trp Thr Val Lys Pro Asp Gly Arg Leu Gly Asn Gln Met 80 85 90 Gly Glu Tyr Ala Thr Leu Tyr Ala Leu Ser Lys Ala Asn Gly Tyr 95 100 105 Gln Pro Tyr Ile Leu Thr Glu Met His Asn Tyr Leu Ala Pro Ile 110 115 120 Phe Asn Ile Thr Leu Pro Val Leu His Ser Asn Val Val Ser Tyr 125 130 135 Val Pro Phe Lys Glu Tyr Trp Ile His Asp Trp Met Ser Glu His 140 145 150 Tyr Asn His Ile Asn Glu Lys Phe Leu Lys Phe Thr Gly Tyr Pro 155 160 165 Cys Ser Trp Thr Phe Tyr His His Leu Arg Asp Glu Ile Arg Arg 170 175 180 Glu Phe Thr Ile His Asp His Leu Lys Thr Glu Ala Asn Gln Ile 185 190 195 Leu Gln Ala Ile Lys Gly Gln Arg Lys Asn Val Thr Phe Ile Ala 200 205 210 Ile His Val Arg Arg Gly Asp Tyr Ile Asp Val Met Pro Thr Val 215 220 225 Trp Lys Gly Val Ile Ala Asp Lys Ala Tyr Leu Asp Gln Ala Met 230 235 240 Gly Tyr Phe Arg Gln Lys Tyr Thr Glu Pro Val Phe Val Val Ala 245 250 255 Ser Asn Gly Met Arg Trp Cys Lys Glu Asn Ile Asp Asp Ser Lys 260 265 270 Gly Asp Val Tyr Phe Ser Gly Asp Gly Asn Glu Ser Thr Pro Gly 275 280 285 Lys Asp Phe Ala Leu Leu Ala Ser Cys Asn His Thr Ile Met Thr 290 295 300 Val Gly Thr Phe Gly Phe Trp Val Ser Tyr Leu Val Gly Gly Glu 305 310 315 Thr Ile Tyr Leu Thr Asn Phe Thr Leu Pro Glu Ser Glu Phe Leu 320 325 330 Lys Leu Phe His Tyr Asp Ala Ala Phe Leu Pro Glu Trp Lys Gly 335 340 345 Ile Pro Ala Glu Leu Ser Pro Leu Arg His Leu Leu 350 355 配列番号2 配列の数:1071 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:ゼノパスラエビス(Xenopus laevis) 配列 ATG GAA ATG GCA AAT AAA AAA AGG ATG ATG CTT TTG ATG ACT GTA 45 ACC ATG TTA TCA GTG GTT GTC TTC TTG GCA CTT TAT AAA CTG CAG 90 TTT CAA GTC CAG TTT TTG TTG TTC TCT TCT GAG CTT CCT TTT CCG 135 TTC ATG TGC CTT GAT AAG TCC AAT CGA GAA AAG CAA GAG GAT CCA 180 AGT GAA TCC AGC GAT GCA GAA GAG GAT AGT AAA TGT GTT GAG GGT 225 GGG ATA TGG ACT GTT AAA CCT GAC GGG AGA TTG GGC AAC CAG ATG 270 GGA GAA TAT GCC ACC TTG TAT GCT CTG TCC AAA GCC AAT GGT TAC 315 CAA CCC TAC ATT CTC ACT GAA ATG CAT AAT TAC TTG GCG CCT ATA 360 TTT AAT ATC ACA CTC CCC GTT TTA CAC AGT AAT GTG GTC AGC TAT 405 GTG CCT TTT AAA GAG TAC TGG ATC CAC GAC TGG ATG TCT GAA CAC 450 TAT AAT CAT ATT AAT GAG AAG TTC TTG AAG TTT ACT GGG TAC CCC 495 TGC TCG TGG ACC TTT TAT CAT CAC TTG CGC GAT GAG ATC CGC CGA 540 GAG TTC ACT ATT CAC GAC CAC CTG AAA ACG GAG GCC AAC CAA ATA 585 TTA CAG GCA ATT AAA GGT CAA CGG AAA AAC GTG ACC TTT ATA GCC 630 ATC CAC GTT CGG AGA GGA GAT TAT ATC GAT GTC ATG CCC ACC GTT 675 TGG AAA GGA GTC ATT GCA GAT AAA GCT TAC TTG GAC CAG GCC ATG 720 GGC TAT TTC CGT CAG AAG TAC ACA GAG CCC GTC TTT GTG GTG GCC 765 AGC AAT GGG ATG AGG TGG TGC AAA GAA AAC ATA GAC GAT TCC AAG 810 GGG GAT GTC TAT TTC TCA GGG GAT GGA AAT GAG TCA ACT CCA GGT 855 AAA GAC TTT GCT CTC TTG GCC AGC TGT AAC CAC ACA ATA ATG ACC 900 GTT GGC ACA TTT GGC TTC TGG GTG AGT TAC CTA GTT GGG GGA GAA 945 ACC ATA TAC CTC ACC AAT TTC ACC TTG CCC GAA TCA GAA TTC CTC 990 AAA CTG TTT CAC TAT GAT GCG GCT TTC CTG CCG GAG TGG AAA GGG 1035 ATT CCT GCA GAA CTT TCG CCT CTC AGA CAT TTA TTA 1071
【図面の簡単な説明】
【図1】本酵素の各種基質に対するKm値、Vmax値、及び
Km/Vmax値を示した図。
【図2】本酵素の至適pHを示した図。
【図3】本酵素の至適温度を示した図。
【図4】本酵素と従来公知のα-1,2-フコシルトランス
フェラーゼとの理化学的性質の相違点を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 9/10 C12R 1:91)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の理化学的性質を有するα-1,2-フコ
    シルトランスフェラーゼ。 (1) 作用:GDP-β-L-フコースのフコースを、フェニル-
    β-D-ガラクトシドのガラクトースの2位の水酸基に転移
    し、フェニル-2-O-(α-L-フコピラノシル)-β-D-ガラク
    トピラノシドを生成する。 (2) 基質特異性:フェニル-β-D-ガラクトシド、2-アセ
    トアミド-2-デオキシ-3-O-(β-D-ガラクトピラノシ
    ル)-D-グルコピラノース、2-アセトアミド-2-デオキシ
    -4-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-D-グルコピラノー
    ス、2-アセトアミド-2-デオキシ-3-O-(β-D-ガラクト
    ピラノシル)-D-ガラクトピラノースに対して特異的に
    作用し、特に2-アセトアミド-2-デオキシ-3-O-(β-D-
    ガラクトピラノシル)-D-ガラクトピラノースに対して
    高い活性を有する。 (3) 至適pH範囲:至適pHは6付近である。 (4) 至適温度範囲:ナトリウム−リン酸緩衝液(pH6.
    1)中、至適温度は、18℃である。
  2. 【請求項2】配列番号1で表されるアミノ酸配列、又は
    該アミノ酸配列のうちの1若しくは複数のアミノ酸が付
    加、欠失若しくは置換されたアミノ酸配列を含み、かつ
    請求項1の理化学的性質を満たすポリペプチドをコード
    するα-1,2-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子。
  3. 【請求項3】請求項2記載のα-1,2-フコシルトランスフ
    ェラーゼ遺伝子がベクターDNAに組み込まれた組み換
    え体DNA。
  4. 【請求項4】請求項3記載の組み換え体DNAを含有す
    る細胞を培地に培養し、得られる培養物からα-1,2-フ
    コシルトランスフェラーゼを採取することを特徴とする
    α-1,2-フコシルトランスフェラーゼの製造法。
  5. 【請求項5】細胞が動物細胞であることを特徴とする、
    請求項4記載のα-1,2-フコシルトランスフェラーゼの
    製造法。
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