JPH11127817A - 繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ及びその製造方法 - Google Patents

繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ及びその製造方法

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JPH11127817A
JPH11127817A JP9294399A JP29439997A JPH11127817A JP H11127817 A JPH11127817 A JP H11127817A JP 9294399 A JP9294399 A JP 9294399A JP 29439997 A JP29439997 A JP 29439997A JP H11127817 A JPH11127817 A JP H11127817A
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meat
fibrous
mixture
pressurized
oxygen gas
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JP9294399A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Hirose
和彦 広瀬
Yoshiaki Osaka
芳明 大坂
Matsuo Yasuda
松夫 安田
Mikio Tanaka
幹雄 田中
Masayuki Nakaya
将之 仲矢
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧加熱殺菌処理の際及びその後の保存中に
おけるテクスチャの低下並びに変色の発生を充分に防止
することが可能な繊維状肉含有加圧加熱ソーセージを提
供すること。 【解決手段】 繊維状肉と練肉含有ペーストとの混合物
を、30℃かつ80%RHにおける酸素ガス透過度が0
〜200ml/m2・24hr・atmである酸素ガス
バリヤー性材料からなる容器中に密封し、前記容器中の
前記混合物を加圧条件下で加熱殺菌処理してなることを
特徴とする、繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維状の肉を含有
しかつ加圧条件下で加熱殺菌処理されてなるソーセー
ジ、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維状の肉を含有するソーセージとして
は、例えば特開昭62−163671号公報に記載され
たような、香辛料等を加えて練り上げた練肉に繊維状味
付肉を混入した後に成形してボイルしたものが知られて
いる。
【0003】しかしながら、このような従来の繊維状肉
含有ソーセージはいずれも、いわゆるボイルタイプ(湯
煮又は蒸煮により加熱したクックドソーセージ)のもの
であり、常温下での保存に耐えられるものではなく、低
温下(例えば10℃以下)で保存しても保存可能期間
(賞味期間)は1ケ月程度が限界であった。
【0004】そのため、従来の繊維状肉含有ソーセージ
にあっては、輸送及び販売時に低温保持する必要がある
ため流通コストの低減に限界があり、また消費者にとっ
ても保存及び持ち運びの際に手間がかかるものであっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する課題に鑑みてなされたものであり、常温下で
あっても長期間(例えば6ケ月程度)にわたって、テク
スチャ(食感)を損なうことなくかつ変色が充分に防止
された状態で保存することが可能な繊維状肉含有ソーセ
ージ、並びにその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、先ず、繊維
状肉含有ソーセージを単純に加圧条件下で加熱殺菌処理
(いわゆるレトルト殺菌)することを試みたところ、そ
の処理の際及びその後の保存中に繊維状肉含有ソーセー
ジに褪色が起こり、しかも処理後の保存中にテクスチャ
が大きく損なわれて商品価値を充分に維持することがで
きなかった。
【0007】そこで、本発明者らは、かかるテクスチャ
の低下並びに変色(褪色)の発生を充分に防止すべく鋭
意研究を進めた結果、酸素ガス透過度が極めて低い酸素
ガスバリヤー性材料からなる容器を用いることによっ
て、加圧加熱殺菌処理の際及びその後の保存中における
テクスチャの低下並びに変色の発生が充分に防止される
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、繊維状肉と練肉含有
ペーストとの混合物を、30℃かつ80%RHにおける
酸素ガス透過度が0〜200ml/m2・24hr・a
tmである酸素ガスバリヤー性材料からなる容器中に密
封し、前記容器中の前記混合物を加圧条件下で加熱殺菌
処理してなることを特徴とする、繊維状肉含有加圧加熱
ソーセージを提供する。
【0009】また、本発明は、肉片を塩漬及び蒸煮した
後に繊維状にほぐして繊維状肉を得る工程と、肉すり身
及び/又は挽き肉を塩漬した後に混練して練肉含有ペー
ストを得る工程と、前記繊維状肉と練肉含有ペーストと
を混合して混合物を得る工程と、30℃かつ80%RH
における酸素ガス透過度が0〜200ml/m2・24
hr・atmである酸素ガスバリヤー性材料からなる容
器中に前記混合物を密封する工程と、前記容器中の前記
混合物を加圧条件下で加熱殺菌処理する工程とを含むこ
とを特徴とする、繊維状肉含有加圧加熱ソーセージの製
造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の繊維状肉含有加圧
加熱ソーセージ並びにその製造方法の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0011】先ず、本発明の繊維状肉含有加圧加熱ソー
セージについて図面を参照しつつ説明する。図1は、本
発明の好適な一実施形態にかかる繊維状肉含有加圧加熱
ソーセージを切断した状態を示す斜視図である。図1に
示すように、本発明の繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ
1においては、繊維状肉2と練肉含有ペースト3との混
合物4が後述する酸素ガスバリヤー性材料からなる容器
5中に密封されている。
【0012】繊維状肉2は、本発明のソーセージ1のテ
クスチャ(食感)を向上させると共に独特の風味を持た
せ、更に外観的にも高級感を与えるものであり、繊維状
の牛肉及び/又は馬肉であることが好ましく、特に繊維
状の牛肉が好ましい。牛肉及び/又は馬肉は風味が良
く、色も適度に赤みを帯びていて高級感をもたらす傾向
にあるからである。このような繊維状肉2としては、後
述するように肉片を塩漬及び蒸煮した後に繊維状にほぐ
したものが好ましく使用され、例えば牛肉を塩漬及び蒸
煮した後に繊維状にほぐしたいわゆるコンビーフや、牛
肉及び馬肉を同様に処理したいわゆるニューコンビーフ
が好適なものとして挙げられる。また、繊維状肉2に
は、塩漬の際等に調味料(食塩、砂糖、トレハロース、
合成調味料等)、発色剤(亜硝酸ナトリウム、硝酸ナト
リウム、硝酸カリウム等)、結着剤(ポリリン酸塩、ピ
ロリン酸塩、メタリン酸塩等)等が予め添加されていて
もよい。
【0013】繊維状肉2の大きさは、本発明のソーセー
ジ1の用途、使用原料等に応じて所望のテクスチャ等が
得られるように適宜選択されるが、長さが2〜30mm
で直径が1〜10mmであることが好ましく、長さが2
〜20mmで直径が1〜8mmであることが更に好まし
く、長さが2〜15mmで直径が1〜5mmであること
が特に好ましい。繊維状肉2の長さが上記上限を超える
と繊維状肉2と練肉含有ペースト3との混合物を酸素ガ
スバリヤー性材料からなる容器5に充填・密封する際に
結紮部分に噛み込みが生じ、密封性が損なわれる傾向に
あり、他方、上記下限未満ではテクスチャが低下する傾
向にあるからである。また、繊維状肉2の直径が上記上
限を超えるとこのような繊維状肉を含んだソーセージを
食した時に違和感を持ったテクスチャとなる傾向にあ
り、他方、上記下限未満ではテクスチャが低下する傾向
にある。
【0014】練肉含有ペースト3は、前記繊維状肉2と
相補的に本発明のソーセージ1のテクスチャ(食感)を
調節すると共に、繊維状肉2のつなぎとしての役割を果
たすものであり、牛肉、豚肉、馬肉、羊肉、家兎肉、家
禽(鶏、七面鳥、ホロホロ鳥、うずら、アヒル、ダチョ
ウ、合鴨等)肉(これらの臓器及び可食部分を含む)及
び魚肉からなる群から選択される少なくとも一つの肉の
すり身及び/又は挽き肉を含有するペーストであること
が好ましい。このような練肉含有ペースト3としては、
後述するようにすり身及び/又は挽き肉を塩漬した後に
混練したものが好ましく使用され、塩漬の際等に調味料
(食塩、砂糖、トレハロース、合成調味料等)、発色剤
(亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム
等)、結着剤(ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン
酸塩等)等が予め添加されていてもよい。
【0015】練肉含有ペースト3に含有され得る魚肉と
しては、マグロ、タラ、イワシ、アジ、サケ、連魚、草
魚等の肉や鯨肉のすり身及び/又は挽き肉が好ましい。
また、練肉含有ペースト3は、香辛料(コショウ、ジン
ジャー、シナモン、ナツメッグ、メース、クローブ、セ
ージ等)、合成着色料、合成保存料(ソルビン酸、ソル
ビン酸カリウム等)、酸化防止剤(エリソルビン酸、エ
リソルビン酸ナトリウム等)等の添加物や、澱粉、小麦
粉、コーンミール、植物性蛋白、乳蛋白等の結着材料を
更に含有してもよい。更に、練肉含有ペースト3には、
野菜、穀粒、チーズ等の副資材(いわゆる種もの)が加
えられていてもよい。
【0016】本発明のソーセージ1においては、上記の
繊維状肉2と練肉含有ペースト3とを混合した混合物4
が使用されるが、かかる混合物4中における繊維状肉2
の含量が5〜70重量%であることが好ましく、10〜
60重量%であることが更に好ましく、20〜50重量
%であることが特に好ましい。繊維状肉2の含量が上記
上限を超えると、ソーセージにした時の保型性が悪くな
る傾向にあり、また、水と油が分離し易くなる傾向にあ
る。他方、繊維状肉2の含量が上記下限未満ではテクス
チャが低下する傾向にある。
【0017】本発明のソーセージ1において上記混合物
4を封入するための容器5は、30℃かつ80%RHに
おける酸素ガス透過度が0〜200ml/m2・24h
r・atm、好ましくは0〜100ml/m2・24h
r・atm、更に好ましくは0〜70ml/m2・24
hr・atm、最も好ましくは0〜50ml/m2・2
4hr・atm、である酸素ガスバリヤー性材料からな
る容器である。酸素ガス透過度が200ml/m2・2
4hr・atmを超えているとテクスチャの維持及び変
色の防止が充分に達成されないからである。また、酸素
ガス透過度が100ml/m2・24hr・atm以下
だとテクスチャの維持及び変色の防止がより確実に達成
される傾向にあり、70ml/m2・24hr・atm
以下だとその傾向がより顕著になり、50ml/m2
24hr・atm以下では最も好ましい状態となる。
【0018】なお、酸素ガス透過度の単位である(ml
/m2・24h・atm)はJIS−K7216による
ものであり、(cm3/m2/24h/atm)と同義で
ある。このような酸素ガスバリヤー性の材料としては従
来より公知のものを使用でき、中でもポリ塩化ビニリデ
ン(単に、PVDCということもある)、エチレンビニ
ルアルコール共重合体(単に、EVOHということもあ
る)、ポリアミド(脂肪族ポリアミド、キシリレン系ポ
リアミド、芳香族ポリアミド等)(単に、PAというこ
ともある)、及びポリアルコール(ポリビニルアルコー
ル、多糖類等)とポリカルボン酸(ポリアクリル酸、ポ
リアクリル酸部分中和物等)とを主成分とする変性樹脂
からなる群から選択される少なくとも一つの酸素ガスバ
リヤー性樹脂を含むことが好ましい。なお、前記のポリ
アルコールとポリカルボン酸とを主成分とする変性樹脂
の具体例としては、ポリアルコールとポリカルボン酸か
らなる混合物(好適には、混合水溶液)を基材に塗工、
乾燥した後に熱処理することにより得られるもので、エ
ステル結合を介して両成分が結合された構造のものや、
あるいは、金属化合物の添加によりエステル結合だけで
なくイオン結合(イオン架橋)との共存下で両成分が結
合された構造を持った樹脂を例示することができる。
【0019】なお、上記の酸素ガスバリヤー性樹脂を含
む材料とは、上記の酸素ガスバリヤー性樹脂を50重量
%以上含む樹脂組成物(適宜加工助剤のような添加剤や
着色のための顔料などを含んでも良い)のこと、又は、
積層体を構成する少なくとも1層に上記の酸素ガスバリ
ヤー性樹脂又はその樹脂を50重量%以上含む樹脂組成
物を層として配した積層体のことをいう。このような酸
素ガスバリヤー性材料としては、上記酸素ガスバリヤー
性樹脂のいずれか一つの単体フィルム、上記酸素ガスバ
リヤー性樹脂のうちの複数の組み合わせからなる樹脂組
成物単体フィルム又は積層フィルム、上記酸素ガスバリ
ヤー性樹脂と他の樹脂(ポリオレフィン(ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン等)、
スチレンエチレンブタジエンブロック共重合体、熱可塑
性ポリウレタン、エチレンメチルアクリレート共重合体
等)との組み合わせからなる樹脂組成物単体フィルム又
は積層フィルムが例示される。
【0020】本発明にかかる酸素ガスバリヤー性材料の
厚み等は特に制限されないが、1〜500μm程度の厚
みのものが好ましく、1〜300μm程度の厚みのもの
が特に好ましい。また、上記酸素ガスバリヤー性材料
は、赤色、黄色、緑色、金色、銀色等に着色されていて
もよく、このように着色されている場合はソーセージの
光による褪色がより低減される傾向にある。
【0021】このような酸素ガスバリヤー性材料からな
る容器5の形状、大きさ等は特に制限されず、得られる
ソーセージ1の用途等に応じて適宜選択される。このよ
うな容器5の形状としては、いわゆるロケット包装、深
絞り包装、ピロー包装用の容器形状が例示される。ま
た、本発明にかかる容器5中に上記混合物4を密封する
方法も特に制限されず、図1に示すように封止リング6
を用いて封止する方法や、熱融着により封止する方法が
採用され得る。更に、本発明にかかる容器5は、後述す
る加圧加熱殺菌処理に耐えるいわゆるレトルト耐性を有
していることが好ましい。このようなレトルト耐性と
は、容器に水を満たし密封し、同一の条件下で加圧加熱
処理を行なった時に、破損、変形、着色、変色等を生じ
ないことをいう。
【0022】本発明のソーセージ1は、上記容器5中に
充填して密封した前記混合物4を、容器5と共に加圧条
件下で加熱殺菌処理(いわゆるレトルト殺菌)してなる
ものである。このようなレトルト殺菌の条件は、混合物
4の水分活性、pH等に応じて適宜選択されるが、混合
物の中心温度が120℃以上となる状態に4分間以上維
持される条件又はそれと同等の殺菌効力を有する条件で
あることが好ましく、その際の圧力は1.5〜3.5k
g/cm2程度が好ましい。このように、本発明のソー
セージ1は、いわゆるレトルト殺菌されているものであ
るため、一般細菌数は1グラム当たり10個未満であ
る。
【0023】このような本発明の繊維状肉含有加圧加熱
ソーセージ1にあっては、加圧加熱殺菌処理の際及びそ
の後の保存中においてテクスチャ(口内で感知できる物
理学的性質、食感)の低下が充分に防止され、しかもソ
ーセージ1中の特に繊維状肉の酸化が充分に抑制されて
変色(褪色)の発生が防止される。
【0024】次に、本発明の繊維状肉含有加圧加熱ソー
セージの製造方法の好適な一実施形態について説明す
る。
【0025】本発明の製造方法においては、先ず、肉片
を塩漬及び蒸煮した後に繊維状にほぐして繊維状肉を得
る。使用する肉片は、上述の繊維状肉の原料となる肉片
であり、例えば肉の繊維方向の長さが20〜70mmと
なるように裁断された肉片が好適に使用される。そし
て、かかる肉片は先ず塩漬用ミキサー(混和機)等を用
いて塩漬剤と混和される。かかる塩漬剤は、肉片100
重量部に対して1.0〜2.5重量部程度の食塩を含有
していることが好ましく、更に他の調味料、発色剤、結
着剤、酸化剤(アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリ
ウム、ニコチン酸アミド等)等が添加されていてもよ
い。塩漬する際の条件は特に制限されないが、0〜10
℃程度の温度で1〜10日間程度行なうことが好まし
い。次いで、塩漬された肉片は蒸煮かま等を用いて蒸煮
される。蒸煮する際の条件は特に制限されないが、90
〜120℃程度の温度で15〜120分程度行なうこと
が好ましい。そして、蒸煮されてほぐれやすくなった肉
片を逆歯カッター等を用いて繊維状にほぐすことによっ
て、前述の繊維状肉が得られる。
【0026】また、本発明の製造方法においては、肉す
り身及び/又は挽き肉を塩漬した後に混練して練肉含有
ペーストを得る。使用する肉すり身及び/又は挽き肉
は、上述の練肉含有ペーストの原料となる肉を予めチョ
ッパー(肉挽き機)等を用いてすり身及び/又は挽き肉
としたものであり、魚肉や鯨肉のすり身及び/又は挽き
肉を更に含有していてもよい。そして、かかる肉すり身
及び/又は挽き肉は先ず塩漬用ミキサー(混和機)等を
用いて塩漬剤と混和される。かかる塩漬剤は、肉すり身
及び/又は挽き肉100重量部に対して2〜4重量部程
度の食塩を含有していることが好ましく、更に他の調味
料、発色剤、結着剤、酸化剤(アスコルビン酸、アスコ
ルビン酸ナトリウム、ニコチン酸アミド等)等が添加さ
れていてもよい。塩漬する際の条件は特に制限されない
が、0〜10℃程度の温度で1〜10日間程度行なうこ
とが好ましい。次いで、塩漬された肉すり身及び/又は
挽き肉は、必要に応じて添加される香辛料、合成着色
料、合成保存料、酸化防止剤、結着材料等と共に、サイ
レントカッター(肉練り機)等を用いて練り上げられ、
前述の練肉含有ペーストが得られる。
【0027】次に、前記繊維状肉と練肉含有ペーストと
を混合機等を用いて混合して前述の混合物を得た後、そ
の混合物をスタッファー(充填機)、自動充填結さつ機
等を用いて前述の酸素ガスバリヤー性材料からなる容器
中に充填・密封する。そして、前記容器中に充填された
混合物を、その容器と共に、レトルト釜等を用いて前述
の加圧加熱条件下で殺菌処理することによって、前述の
本発明の繊維状肉含有加圧加熱ソーセージが得られる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
より具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
【0029】実施例1 牛モモ肉を約5cm角に裁断した肉片を、肉片100重
量部に対して1.7重量部程度の食塩、並びに砂糖、亜
硝酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム及びアスコ
ルビン酸ナトリウムをそれぞれ微量ずつ含有する塩漬剤
と、塩漬用ミキサーを用いて5℃で3日間にわたって混
和し、塩漬せしめた。その後、塩漬された肉片を蒸気釜
に入れ、95℃で1時間蒸煮せしめて肉繊維が簡単にほ
ぐれる状態にし、逆歯カッターを用いて繊維状にほぐし
て繊維状肉を得た。
【0030】別に、牛肉と豚肉の合挽き肉(牛肉:豚肉
=1重量部:2重量部)を、合挽き肉100重量部に対
して3重量部程度の食塩、並びに砂糖、亜硝酸ナトリウ
ム、トリポリリン酸ナトリウム及びアスコルビン酸ナト
リウムをそれぞれ微量ずつ含有する塩漬剤と、塩漬用ミ
キサーを用いて5℃で1日間にわたって混和し、塩漬せ
しめた。その後、塩漬された合挽き肉に、豚脂肪、澱粉
及び香辛料(白胡椒、ナツメグ等)及び調味料(グルタ
ミン酸ナトリウム、ビーフエキス等)をそれぞれ適量加
え、サイレントカッター(MEISSNER社製、RSM-35-VAC)
を用いて練り上げ、練肉含有ペーストを得た。
【0031】次に、前記練肉含有ペーストを混合機(HO
BART社製、A-200T)に入れ、前記繊維状肉を少しずつ加
えながら混合して混合物(繊維状肉:練肉含有ペースト
=35重量部:65重量部)を得た。その後、その混合
物を呉羽型自動充填結さつ機(クレハ・オートパッカ
ー、KAP)を用いて、ポリ塩化ビニリデン(クレハロ
ンGG98)の酸素ガスバリヤー性フィルム(酸素ガス
透過度:30ml/m2・24hr・atm at30
℃,80%RH、厚さ:40μm)からなるケーシング
(ロケット包装用ケーシング)中に充填・密封し、直径
22mm、長さ150mmのソーセージを得た。
【0032】続いて、上記のソーセージを、レトルト殺
菌装置(日阪製作所製、RCS-60/10TG)を用いて、圧力
2.5kg/cm2、中心温度120℃の条件下で10
分間保持し、本発明の繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ
を得た。得られた繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ中の
繊維状肉の長さ及び直径を求めたところ、長さが2〜1
5mmで直径が1〜5mmであった。
【0033】得られた繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ
を室温で保存し、表1に示す各時期(レトルト直後、3
ケ月後、6ケ月後)における官能試験(各時期について
同一のパネラー(10人)により評価、評価基準は表1
に示す)、破断強度の測定(テクスチュロメーター、株
式会社レオテック社製、フードレオメーターNRM-2010J-
CW型(プランジャー:歯形押棒B)を使用)、及び褪色
度の測定(日本電色工業株式会社製、スペクトロカラー
メーターSE2000型を使用)を行なった。得られた結果を
表1及び表2に示す。
【0034】なお、褪色度の測定において測定したa値
とは、色差表示方法(JIS Z8730)の「ハンタ
ーの色差式による色差」の項に示されているように、J
IS Z 8722に規定される色の三刺激値から計算
された値であり、この数値が大きいほど赤みが強く、変
色度合いが小さいことを意味する。
【0035】比較例1 ポリ塩化ビニリデンフィルムの代わりに無延伸ポリプロ
ピレンフィルム(酸素ガス透過度:3300ml/m2
・24hr・atm at30℃,80%RH、厚さ:
50μm)からなるケーシングを用いた以外は実施例1
と同様にして繊維状肉含有加圧加熱ソーセージを得た。
得られた繊維状肉含有加圧加熱ソーセージについて、実
施例1と同様にして、官能試験、破断強度の測定、及び
褪色度の測定を行なった。得られた結果を表1及び表2
に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表1及び表2に示した結果から明らかなよ
うに、本発明の繊維状肉含有加圧加熱ソーセージによれ
ば加圧加熱殺菌処理の際及びその後の保存中におけるテ
クスチャの低下並びに変色の発生が充分に防止されるこ
とが確認された。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維状肉
含有加圧加熱ソーセージによれば、加圧加熱殺菌処理の
際及びその後の保存中におけるテクスチャの低下並びに
変色の発生を充分に防止することが可能となる。また、
本発明の製造方法によれば、上記本発明の繊維状肉含有
加圧加熱ソーセージを効率良くかつ確実に製造すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施形態にかかる繊維状肉含
有加圧加熱ソーセージを切断した状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ、2…繊維状肉、
3…練肉含有ペースト、4…混合物、5…容器、6…封
止リング。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状肉と練肉含有ペーストとの混合物
    を、30℃かつ80%RHにおける酸素ガス透過度が0
    〜200ml/m2・24hr・atmである酸素ガス
    バリヤー性材料からなる容器中に密封し、前記容器中の
    前記混合物を加圧条件下で加熱殺菌処理してなることを
    特徴とする、繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ。
  2. 【請求項2】 前記繊維状肉が2〜30mmの長さ及び
    1〜10mmの直径を有する繊維状の牛肉及び/又は馬
    肉であり、前記練肉含有ペーストが牛肉、豚肉、馬肉、
    羊肉、家兎肉、家禽肉及び魚肉からなる群から選択され
    る少なくとも一つの肉のすり身及び/又は挽き肉を含有
    するペーストであることを特徴とする、請求項1に記載
    の繊維状肉含有加圧加熱ソーセージ。
  3. 【請求項3】 前記繊維状肉が、肉片を塩漬及び蒸煮し
    た後に繊維状にほぐしたものであることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の繊維状肉含有加圧加熱ソーセー
    ジ。
  4. 【請求項4】 前記混合物中における前記繊維状肉の含
    量が5〜70重量%であることを特徴とする、請求項1
    〜3のうちのいずれか一項に記載の繊維状肉含有加圧加
    熱ソーセージ。
  5. 【請求項5】 前記酸素ガスバリヤー性材料が、ポリ塩
    化ビニリデン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポ
    リアミド、及びポリアルコールとポリカルボン酸とを主
    成分とする変性樹脂からなる群から選択される少なくと
    も一つの樹脂を含むことを特徴とする、請求項1〜4の
    うちのいずれか一項に記載の繊維状肉含有加圧加熱ソー
    セージ。
  6. 【請求項6】 肉片を塩漬及び蒸煮した後に繊維状にほ
    ぐして繊維状肉を得る工程と、肉すり身及び/又は挽き
    肉を塩漬した後に混練して練肉含有ペーストを得る工程
    と、前記繊維状肉と練肉含有ペーストとを混合して混合
    物を得る工程と、30℃かつ80%RHにおける酸素ガ
    ス透過度が0〜200ml/m2・24hr・atmで
    ある酸素ガスバリヤー性材料からなる容器中に前記混合
    物を密封する工程と、前記容器中の前記混合物を加圧条
    件下で加熱殺菌処理する工程とを含むことを特徴とす
    る、繊維状肉含有加圧加熱ソーセージの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記肉片が牛肉及び/又は馬肉の肉片で
    あり、前記繊維状肉が2〜30mmの長さ及び1〜10
    mmの直径を有する繊維状肉であり、前記肉すり身及び
    /又は挽き肉が牛肉、豚肉、馬肉、羊肉、家兎肉、家禽
    肉及び魚肉からなる群から選択される少なくとも一つの
    肉のすり身及び/又は挽き肉であることを特徴とする、
    請求項6に記載の繊維状肉含有加圧加熱ソーセージの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記混合物中における前記繊維状肉の含
    量が5〜70重量%となるように前記繊維状肉と前記練
    肉含有ペーストとを混合することを特徴とする、請求項
    6又は7に記載の繊維状肉含有加圧加熱ソーセージの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記酸素ガスバリヤー性材料が、ポリ塩
    化ビニリデン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポ
    リアミド、及びポリアルコールとポリカルボン酸とを主
    成分とする変性樹脂からなる群から選択される少なくと
    も一つの樹脂を含むことを特徴とする、請求項6〜8の
    うちのいずれか一項に記載の繊維状肉含有加圧加熱ソー
    セージの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記容器中の前記混合物を、該混合物
    の中心温度が120℃以上となる状態に4分間以上維持
    される条件又はそれと同等の殺菌効力を有する条件下で
    加熱殺菌処理することを特徴とする、請求項6〜9のう
    ちのいずれか一項に記載の繊維状肉含有加圧加熱ソーセ
    ージの製造方法。
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