JPH11127361A - 画像処理装置、画像処理方法および記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および記録媒体

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JPH11127361A
JPH11127361A JP9289983A JP28998397A JPH11127361A JP H11127361 A JPH11127361 A JP H11127361A JP 9289983 A JP9289983 A JP 9289983A JP 28998397 A JP28998397 A JP 28998397A JP H11127361 A JPH11127361 A JP H11127361A
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JP
Japan
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frequency band
color
image
processing
band component
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JP9289983A
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English (en)
Inventor
Setsuji Tatsumi
節次 辰巳
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11127361A publication Critical patent/JPH11127361A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N9/00Details of colour television systems
    • H04N9/11Scanning of colour motion picture films, e.g. for telecine

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  • Color Television Image Signal Generators (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Facsimiles In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒状に基づくざらつきや鮮鋭度における画質
の劣化を抑制し、色相関によるエッジ、テクスチャ、平
坦部の切り分け精度の低下を抑制した画像処理装置、画
像処理方法および記録媒体を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 読取手段101によりカラーフィルム上
の原稿画像を読み取った入力画像データ(SF’)につ
いて、分解処理部112により低周波数帯域成分および
高周波数帯域成分に分解し、色補正処理部113によっ
て低周波数帯域成分の画像データについて色補正処理を
行うと共に、強調処理部114によって高周波数帯域成
分の画像データについて強調処理を行い、結合部115
により、色補正処理結果と強調処理結果とを合成して処
理済み画像データR’,G’,B’を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力記録メディア
上の原稿画像を読み取り、または、被写体を撮像して得
た入力画像データに対して画像処理を施す画像処理装
置、画像処理方法およびその画像処理方法をコンピュー
タに実行させるためのプログラムとして記録したコンピ
ュータにより読み取り可能な記録媒体に係り、特に、カ
ラーフィルム原稿の各色感層のうち粒状度または鮮鋭度
に優れた色感層がある場合には、該色感層の色信号成分
を他の色感層の色信号成分にも適用してシャープネス強
調処理を行うことにより、粒状に基づくざらつきや鮮鋭
度における画質の劣化を抑制し、色相関に基づいて粒状
抑制処理および鮮鋭度強調処理を制御する場合に、色相
関によるエッジ、テクスチャ、平坦部の切り分け精度の
低下を抑制した画像処理装置、画像処理方法および記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真フィルム等のカラー原稿
画像をスキャナ等の画像入力手段で光電的に読み取って
色の三原色である赤(R),緑(G)および青(B)の
画像信号を得て、該画像信号に対して種々の画像処理を
施し、画像処理後の画像信号を記録材料に可視像として
再生することが行われている。この方法において、RG
Bの3色の画像信号を得る前に、まずカラー原稿画像を
粗めの走査間隔で光学的に読み取ってカラー原稿画像の
概略を読み取るプレスキャンを行い、該プレスキャンに
より得られたデータに基づいて画像処理を行う際の様々
なパラメータを設定し、その後、細かい走査間隔でカラ
ー原稿画像を読み取るファインスキャンを行って画像信
号を得るように構成された画像処理システムが知られて
いる。
【0003】このような画像処理システムとして、例え
ば、特開平9−163144号の「画像処理方法および
装置」により提案されたものがある。図10に、本従来
例の画像処理装置の構成図を示す。
【0004】同図において、本従来例の画像処理装置
は、おおまかに、カラー写真から画像を読み取る読取手
段101と、読取手段101により得られたカラー写真
の画像を表す画像信号に対して画像処理を施す画像処理
手段1002と、画像処理手段1002によって画像処
理が施された画像信号を可視像として記録材料に記録す
る再生手段103とを備えた構成である。
【0005】読取手段101は、ネガフィルムあるいは
リバーサルフィルム等のカラー画像104からカラー画
像信号R,G,Bを光電的に読み取るためのCCDアレ
イ105を有し、該CCDアレイ105にカラー画像1
04からの光を結像させるための結像レンズ106を有
するものである。本従来例において、CCDアレイ10
5は2760×1840画素からなり、赤(R)、緑
(G)および青(B)の3色の色分解フィルタが装置さ
れたフィルタタレット130を回転させながら、画像デ
ータのスキャンを行うことにより、フルカラー画像が面
順次で得られるものとなっている。
【0006】さらに読取手段101は、CCDアレイ1
05により検出されたカラー画像を表す画像信号をデジ
タル変換するA/D変換器107と、CCDアレイ10
5を補正するべく該デジタル変換された画像信号を補正
するCCD補正部108と、CCD補正部108により
補正されたカラー画像信号を対数変換する対数変換用ル
ックアップテーブル(LUT)109とを有している。
【0007】この読取手段101は、R,G,Bの3色
の画像信号を得る前に、まずカラー画像104を粗めの
走査間隔で光電的に読み取ってカラー画像104の概略
を読み取るプレスキャンを行ってプレスキャンデータS
Pを得て、その後、細かい走査間隔で読み取るファイン
スキャンを行ってファインスキャンデータSFを得るよ
うに構成されている。
【0008】画像処理手段1002は、プレスキャンデ
ータSPに基づいてファインスキャンの際の階調処理等
のパラメータを設定するオートセットアップ演算部10
10と、該オートセットアップ演算部1010により設
定されたパラメータに基づいて、ファインスキャンデー
タSFの色処理および階調処理を行う色・階調処理部1
014と、プレスキャンデータSPを可視像として再生
するCRT1011およびオートセットアップ演算部1
010を接続するためのモニタ表示およびユーザインタ
フェース1012と、カラー画像信号に対して粒状抑制
処理および鮮鋭度強調処理を行う粒状抑制・シャープネ
ス強調処理部1013とを備えて構成されている。
【0009】さらに、再生手段103は、カラー画像信
号を記録材料132に記録するプリンタ131を備えて
いる。
【0010】本従来例の特徴は、粒状抑制・シャープネ
ス強調処理部1013の処理にあり、粒状抑制・シャー
プネス強調処理部1013においては、画像信号を低周
波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解
し、フィルム粒状に起因するざらつきを含む中間周波数
成分を抑制し、エッジ、テクスチャ等を含む高周波数成
分を強調するようにしている。したがって、この処理後
の各周波数成分と低周波数成分とを合成して処理済み画
像信号を得るようにすれば、該処理済み画像信号を再生
することにより得られる再生画像は、鮮鋭度が強調さ
れ、かつフィルム粒状に基づくざらつきが抑制されたも
のとなるため、画質の良好な再生画像を得ることが可能
となる。
【0011】また、粒状抑制・シャープネス強調処理部
1013においては、画像信号から分解された高周波数
成分および中間周波数成分の輝度成分であるY成分にの
みに基づいて粒状抑制処理および鮮鋭度強調処理、並び
に、合成を行うようにしている。これは、カラー画像信
号の中間周波数成分および高周波数成分のR,G,Bの
3色をYIQ基底に変換した場合、色成分であるI成分
およびQ成分は、通常の被写体では殆ど成分を持たない
ものであることから、I成分およびQ成分はフィルム粒
状に起因する色のざらつきと見做し得るという性質を利
用したものである。これにより、フィルム粒状に基づく
輝度成分のざらつきを抑制することができ、画質の良好
な再生画像を得ることが可能となる。
【0012】さらに、本従来例の画像処理方法および装
置にあっては、粒状抑制・シャープネス強調処理部10
13において、画像信号をR,G,Bの3色に分け、該
3色のうちの2色からなる少なくとも1組の色間の相関
を求め、該相関が小さい場合には、該相関値が得られた
画素は平坦部にあるとみなして、その画素についてのみ
他の画素と比較して中間周波数成分を大きく抑制するよ
うにし、ざらつきが目立つ領域についてさらに粒状を抑
制している。また、上記相関が小さい場合には、該相関
値が得られた画素について他の画素と比較して高周波成
分の強調度を小さくすることとし、高周波数成分の強調
度を大きく設定した場合に、画像の平坦部について輝度
成分に起因する粒状が強調されてしまうのを防止してい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の画像処理方法および装置にあっては、人間の眼の周
波数の敏感さといった視覚特性を考慮し、また再生画像
として観察されるプリントサイズ等を考慮するべく行わ
れる拡張処理、階調処理、色補正処理等の各画像処理の
後に、粒状抑制処理および鮮鋭度強調処理が行われるた
め、例えば、入力として読み取ったカラー画像信号につ
いて、R,G,Bの各色成分における粒状や鮮鋭度が各
色成分の信号間で差がある場合には、フィルム内の粒状
や鮮鋭度の優れた色感層の色成分信号が、色補正処理等
を行うことにより他の色感層の色成分信号と混合され
て、結果として、粒状に基づくざらつきや鮮鋭度におい
て画質が低下するという事情があった。
【0014】また、上記従来の画像処理方法および装置
にあっては、粒状抑制・シャープネス強調処理部101
3において、R,G,Bの3色のうちの2色からなる少
なくとも1組の色間の相関に基づいて粒状抑制処理およ
び鮮鋭度強調処理を制御するようにしているが、該粒状
抑制処理および鮮鋭度強調処理の前に拡張処理、階調処
理、色補正処理等の各画像処理が行われるため、色間の
相関が高まり、色相関によるエッジ、テクスチャ、平坦
部の切り分け精度が落ちてしまう場合があるという事情
もあった。
【0015】本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされ
たものであって、カラーフィルム原稿の各色感層のうち
粒状度または鮮鋭度に優れた色感層がある場合には、該
色感層の色信号成分を他の色感層の色信号成分にも適用
してシャープネス強調処理を行うことにより、粒状に基
づくざらつきや鮮鋭度における画質の劣化を抑制した画
像処理装置、画像処理方法および記録媒体を提供するこ
とを目的としている。
【0016】また、本発明の他の目的は、色相関に基づ
いて粒状抑制処理および鮮鋭度強調処理を制御する場合
に、色相関によるエッジ、テクスチャ、平坦部の切り分
け精度の低下を抑制した画像処理装置、画像処理方法お
よび記録媒体を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る画像処理装置は、入力記録
メディア上の原稿画像を読み取るか、または、被写体を
撮像して画像データを入力する画像入力手段と、前記入
力画像データについて、第1周波数帯域成分および第2
周波数帯域成分に分解する分解手段と、前記第1周波数
帯域成分の画像データについて色補正処理を行う色補正
手段と、前記第2周波数帯域成分の画像データについて
シャープネス強調処理を行う強調処理手段と、前記色補
正手段による色補正処理結果と前記強調処理手段による
強調処理結果とを合成して処理済み画像データを得る合
成手段とを具備するものである。
【0018】また、請求項2に係る画像処理装置は、請
求項1に記載の画像処理装置において、前記入力記録メ
ディアはカラーフィルムであり、前記強調処理手段は、
前記カラーフィルム原稿の各色感層のうち粒状度または
鮮鋭度に優れた色感層の色信号の第2周波数帯域成分
を、他の色感層の色信号の第2周波数帯域成分に適用し
て前記シャープネス強調処理を行うものである。
【0019】また、請求項3に係る画像処理装置は、請
求項1または2に記載の画像処理装置において、前記入
力記録メディアはカラーフィルムであり、前記第2周波
数帯域成分の赤(R),緑(G)および青(B)の3色
のうちの2色を含む少なくとも1組の色信号間におい
て、相対応する画素についての相関値を求める相関値算
出手段を具備し、前記強調処理手段は、該相関値が小さ
い画素に対する第2周波数帯域成分を、該相関値が大き
い画素に対する第2周波数帯域成分よりも小さく強調し
て前記シャープネス強調処理を行うものである。
【0020】また、請求項4に係る画像処理装置は、請
求項1、2または3に記載の画像処理装置において、前
記第1周波数帯域を相対的に低周波数の帯域とし、前記
第2周波数帯域を相対的に高周波数の帯域としたもので
ある。
【0021】また、請求項5に係る画像処理方法は、入
力記録メディア上の原稿画像を読み取るか、または、被
写体を撮像して画像データを入力する画像入力ステップ
と、前記入力画像データについて、第1周波数帯域成分
および第2周波数帯域成分に分解する分解ステップと、
前記第1周波数帯域成分の画像データについて色補正処
理を行う色補正ステップと、前記第2周波数帯域成分の
画像データについてシャープネス強調処理を行う強調処
理ステップと、前記色補正ステップによる色補正処理結
果と前記強調処理ステップによる強調処理結果とを合成
して処理済み画像データを得る合成ステップとを具備す
るものである。
【0022】また、請求項6に係る画像処理方法は、請
求項5に記載の画像処理方法において、前記入力記録メ
ディアはカラーフィルムであり、前記強調処理ステップ
は、前記カラーフィルム原稿の各色感層のうち粒状度ま
たは鮮鋭度に優れた色感層の色信号の第2周波数帯域成
分を、他の色感層の色信号の第2周波数帯域成分に適用
して前記シャープネス強調処理を行うものである。
【0023】また、請求項7に係る画像処理方法は、請
求項5または6に記載の画像処理方法において、前記入
力記録メディアはカラーフィルムであり、前記第2周波
数帯域成分の赤(R),緑(G)および青(B)の3色
のうちの2色を含む少なくとも1組の色信号間におい
て、相対応する画素についての相関値を求める相関値算
出ステップを具備し、前記強調処理ステップは、該相関
値が小さい画素に対する第2周波数帯域成分を、該相関
値が大きい画素に対する第2周波数帯域成分よりも小さ
く強調して前記シャープネス強調処理を行うものであ
る。
【0024】また、請求項8に係る画像処理方法は、請
求項5、6または7に記載の画像処理方法において、前
記第1周波数帯域を相対的に低周波数の帯域とし、前記
第2周波数帯域を相対的に高周波数の帯域としたもので
ある。
【0025】さらに、請求項9に係るコンピュータによ
り読み取り可能な記録媒体は、請求項5、6、7または
8に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるた
めのプログラムとして記録したものである。
【0026】本発明の請求項1および4に係る画像処理
装置、請求項5および8に係る画像処理方法、並びに、
請求項9に係る記録媒体では、画像入力手段(画像入力
ステップ)により、入力記録メディア上の原稿画像を読
み取るか、または、被写体を撮像して画像データを入力
し、該入力画像データについて、分解手段(分解ステッ
プ)により、第1周波数帯域成分および第2周波数帯域
成分に分解し、色補正手段(色補正ステップ)により、
第1周波数帯域成分の画像データについて色補正処理を
行うと共に、強調処理手段(強調処理ステップ)によ
り、第2周波数帯域成分の画像データについてシャープ
ネス強調処理を行い、さらに合成手段(合成ステップ)
により、色補正手段(色補正ステップ)による色補正処
理結果と強調処理手段(強調処理ステップ)による強調
処理結果とを合成して処理済み画像データを得る。
【0027】このように、エッジ、テクスチャ等を含む
第2(高)周波数帯域成分についてシャープネス強調処
理を行うための周波数帯域による分離を色補正処理の前
に行い、また特に、本発明の請求項2に係る画像処理装
置、請求項6に係る画像処理方法および請求項9に係る
記録媒体では、入力記録メディアをカラーフィルムと
し、強調処理手段(強調処理ステップ)において、カラ
ーフィルム原稿の各色感層のうち粒状度または鮮鋭度に
優れた色感層の色信号の第2(高)周波数帯域成分を、
他の色感層の色信号の第2(高)周波数帯域成分に適用
してシャープネス強調処理を行うので、R,G,Bの各
色成分における粒状や鮮鋭度が各色成分の信号間で差が
ある場合でも、フィルム内の粒状や鮮鋭度の優れた色感
層の色信号が他の色感層の色信号と混合されることがな
く、結果として、粒状に基づくざらつきや鮮鋭度におけ
る画質の劣化を抑制することができる。
【0028】また、エッジ、テクスチャ等を含む第2
(高)周波数帯域成分についてシャープネス強調処理を
行うための周波数帯域による分離を色補正処理の前に行
うと共に、特に、本発明の請求項3に係る画像処理装
置、請求項7に係る画像処理方法および請求項9に係る
記録媒体では、入力記録メディアをカラーフィルムと
し、相関値算出手段(相関値算出ステップ)により、第
2(高)周波数帯域成分の赤(R),緑(G)および青
(B)の3色のうちの2色を含む少なくとも1組の色信
号間において、相対応する画素についての相関値を求
め、強調処理手段(強調処理ステップ)においては、該
相関値が小さい画素に対する第2(高)周波数帯域成分
を、該相関値が大きい画素に対する第2(高)周波数帯
域成分よりも小さく強調してシャープネス強調処理を行
うので、色相関によるエッジ、テクスチャ、平坦部の切
り分け精度の低下を抑制することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像処理装置、画
像処理方法および記録媒体の実施の形態について、〔第
1の実施形態〕、〔第2の実施形態〕の順に図面を参照
して詳細に説明する。
【0030】〔第1の実施形態〕図1は本発明の第1の
実施形態に係る画像処理装置の構成図である。同図にお
いて、図10(従来例)と重複する部分には同一の符号
を附して説明を簡略にする。
【0031】同図において、本実施形態の画像処理装置
は、おおまかに、カラー写真から画像を読み取る読取手
段101と、読取手段101により得られたカラー写真
の画像を表す画像信号に対して画像処理を施す画像処理
手段102と、画像処理手段102によって画像処理が
施された画像信号を可視像として記録材料に記録する再
生手段103とを備えた構成である。ここで、読取手段
101については、図10に示した従来例と同等の構成
および機能を備えるものであり、説明を省略する。
【0032】画像処理手段102は、読取手段101に
より得られたプレスキャンデータSPに基づいてファイ
ンスキャンの際の階調処理、色補正処理、強調処理等の
パラメータを設定するオートセットアップ演算部121
と、読取手段101により得られたファインスキャンデ
ータSFについて、拡縮処理を施す拡縮処理部111
と、拡縮処理後の画像データについて低周波数帯域成分
および高周波数帯域成分に分解する帯域分解部112
と、低周波数帯域成分の画像データについてオートセッ
トアップ演算部121により設定されたパラメータに基
づき色補正処理を行う色補正処理部113と、高周波数
帯域成分の画像データについてオートセットアップ演算
部121により設定されたパラメータに基づきシャープ
ネス強調処理を行う強調処理部114と、色補正処理部
113による色補正処理結果と強調処理部114による
強調処理結果とを合成して処理済み画像データを得る合
成部115と、プレスキャンデータSP を可視像として
再生するCRT123およびオートセットアップ演算部
121を接続するためのモニタ表示およびユーザインタ
フェース122とを備えて構成されている。
【0033】さらに、再生手段103は、カラー画像信
号を記録材料132に記録するプリンタ131を備えて
いる。
【0034】以下、読取手段101、画像処理手段10
2および再生手段103の各手段の作用について説明す
る。
【0035】まず、読取手段101により、ネガフィル
ム或いはリバーサルフィルム等のカラー画像104から
粗めの走査間隔によりカラー画像104の概略を読み取
るプレスキャンを行う。このプレスキャンにより得られ
た3色のプレスキャンデータSPは、A/D変換部10
7によりデジタルデータに変換され、CCD補正部10
8により補正が施され、対数変換用LUT109により
対数増幅されて、画像処理手段102のオートセットア
ップ演算部121並びにモニタ表示およびユーザインタ
フェース122に供給される。
【0036】モニタ表示およびユーザインタフェース1
22に入力されたプレスキャンデータSPは、CRT1
23上に可視像として表示され、CRT123上の該可
視像とは別に表示された強調処理メニュー124等をユ
ーザが選択することにより、該選択結果を表す信号S1
がモニタ表示およびユーザインタフェース122に入力
され、さらにこの信号S1は、オートセットアップ演算
部121にも供給される。オートセットアップ演算部1
21においては、プレスキャンデータSPおよび信号S1
に基づいて、後に色補正処理部113および強調処理部
114により行われる色補正処理および強調処理等のた
めの各種パラメータが設定される。
【0037】ここで、パラメータの設定について詳しく
説明すると、オートセットアップ演算部121において
は、入力されたプレスキャンデータSPに基づいてカラ
ー画像104の濃度域およびプリントサイズが求めら
れ、さらにCRT123からモニタ表示およびユーザイ
ンタフェース122を介して入力された信号S1に基づ
いて、後述する色補正処理部113におけるルックアッ
プテーブルや色補正処理のためのパラメータが選定さ
れ、強調処理部114において高周波数成分に乗じられ
るゲイン(強調係数)αHが求められ、これら各種パラ
メータが色補正処理部113および強調処理部114に
供給される。
【0038】次に、読取手段101においては、カラー
画像104を細かい走査間隔で読み取るファインスキャ
ンが行われ、3色のファインスキャンデータSFがカラ
ー画像信号として得られる。ファインスキャンデータS
Fは、A/D変換部107bによりデジタルデータに変
換され、CCD補正部108により補正が施され、対数
変換用LUT109により対数増幅されて、画像処理手
段102に供給される。
【0039】次に、画像処理手段102がファインスキ
ャンデータSFに対して行う画像処理の詳細について、
図2に示す画像処理手段102の部分的な詳細構成図を
用いて説明する。
【0040】図2において、画像処理手段102は、フ
ァインスキャンデータSFについて、拡縮処理を施す拡
縮処理部111と、拡縮処理後の画像データについて低
周波数帯域成分および高周波数帯域成分に分解するロウ
パスフィルタ201および結合器202と、低周波数帯
域成分の画像データについてオートセットアップ演算部
121により設定されたパラメータに基づきセットアッ
プを行うルックアップテーブル(LUT)203と、色
補正処理を行う色補正処理部204と、高周波数帯域成
分の画像データについてオートセットアップ演算部12
1により設定されたパラメータに基づきシャープネス強
調処理を行う強調処理部114と、色補正処理部113
による色補正処理結果と強調処理部114による強調処
理結果とを合成して処理済み画像データを得る合成部1
15とを備えた構成である。
【0041】まず、ロウパスフィルタ201は、例えば
以下に示す5×5のフィルタで実現され、拡縮処理後の
画像データSF’(R,G,B)に対してフィルタリン
グ処理を施して、低周波数帯域成分RL,GL,BLを抽
出する。
【0042】
【数1】
【0043】次に、結合器202では、拡縮処理後の画
像データSF’(R,G,B)から低周波数帯域成分R
L,GL,BLを減算して、高周波数帯域成分RH,GH,
BHを抽出する。このように抽出された後の低周波数帯
域成分RL,GL,BLは、カラー画像中のエッジや細か
いテクスチャやフィルムの粒状によるざらつきを含まな
いものであり、高周波数帯域成分RH,GH,BHは、フ
ィルムの粒状によるざらつきを含むと共に、カラー画像
中のエッジや細かいテクスチャを含むものである。
【0044】次に、抽出された低周波数帯域成分RL,
GL,BLについてルックアップテーブル(LUT)20
3によりセットアップを行った後、色補正処理部204
による色補正処理を行って色補正処理後の低周波数帯域
成分RL’,GL’,BL’を得る。
【0045】一方、抽出された高周波数帯域成分RH,
GH,BHについては、強調処理部114による強調処理
が施される。具体的には、次式に基づく演算によって強
調処理後の高周波数帯域成分RH’,GH’,BH’を得
る。
【0046】
【数2】
【0047】尚、(2)式は、カラーフィルム原稿の各
色感層の内、粒状度および鮮鋭度(シャープネス)の優
れた色感層の色信号を緑(G)とした場合の強調処理の
演算式であり、これは、緑(G)が赤(R)よりも人間
の目に比較的に敏感であり、また赤(R)が青(B)よ
りも人間の目に比較的敏感であるという一般的なカラー
フィルムの特性に基づくものである。したがって、カラ
ーフィルムの種類によって(2)式における色信号に対
する重みは可変設定されるものである。また、αHは、
オートセットアップ演算部121によって設定されるゲ
イン(強調係数)である。
【0048】次に、以上のようにして得られた色補正処
理後の低周波数帯域成分RL’,GL’,BL’、並び
に、強調処理後の高周波数帯域成分RH’,GH’,B
H’を結合部115により合成して処理済み信号R’,
G’,B’を得る。その後、該処理済み信号R’,
G’,B’は再生手段103に供給され、プリンタ13
1により記録材料132に可視像として再生される。
【0049】以上のように、本実施形態の画像処理装置
では、読取手段101によりカラーフィルム上の原稿画
像を読み取った入力画像データ(SF’)について、分
解処理部112により低周波数帯域成分および高周波数
帯域成分に分解し、色補正処理部113によって低周波
数帯域成分の画像データについて色補正処理を行うと共
に、強調処理部114によって高周波数帯域成分の画像
データについてシャープネス強調処理を行い、結合部1
15により、色補正処理結果と強調処理結果とを合成し
て処理済み画像データR’,G’,B’を得るようにし
ている。
【0050】このように、エッジ、テクスチャ等を含む
高周波数帯域成分についてシャープネス強調処理を行う
ための周波数帯域による分離を色補正処理の前に行い、
しかも強調処理部114において、カラーフィルム原稿
の各色感層のうち粒状度または鮮鋭度に優れた色感層の
色信号の高周波数帯域成分を、他の色感層の色信号の高
周波数帯域成分に適用してシャープネス強調処理を行う
ので、R,G,Bの各色成分における粒状や鮮鋭度が各
色成分の信号間で差がある場合でも、フィルム内の粒状
や鮮鋭度の優れた色感層の色信号が他の色感層の色信号
と混合されることがなく、結果として、粒状に基づくざ
らつきや鮮鋭度における画質の劣化を抑制することがで
きる。
【0051】以上のような請求項5、6、7または8に
記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるための
プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒
体上に記録しておくことにより、この記録媒体が可搬で
きるため、任意のパソコンにこの記録媒体の内容をロー
ドすることでかかる処理を簡単に行わせることができる
ようになり、いっそう便利となる。
【0052】〔第2の実施形態〕次に、本発明の第2の
実施形態に係る画像処理装置、画像処理方法および記録
媒体について説明する。本実施形態の画像処理装置の全
体構成は、図1に示した第1の実施形態とほぼ同等であ
る。本実施形態の画像処理装置においては、第1の実施
形態が低周波数帯域成分および高周波数帯域成分に分離
して色補正処理およびシャープネス強調処理を行ったの
に対して、低周波数帯域成分、中間周波数帯域成分およ
び高周波数帯域成分の3つの周波数帯域成分に分離して
色補正処理およびシャープネス強調処理を行う点と、強
調処理におけるゲイン(強調係数)の設定を高周波数帯
域成分の赤(R),緑(G)および青(B)の3色のう
ちの2色を含む少なくとも1組の色信号間における相対
応する画素についての相関値を加味して行う点とが異な
る。したがって、これらの相違点に基づき画像処理手段
102の詳細な構成も、第1の実施形態(図2)に対し
て図3に示すような構成を持つこととなる。
【0053】図3は第2の実施形態の画像処理装置にお
ける画像処理手段102の部分的な詳細構成図である。
同図を参照して、以下では、第2の実施形態における画
像処理手段102のファインスキャンデータSFに対し
て行う画像処理の詳細について説明する。尚、図3で
は、ファインスキャンデータSFについて拡縮処理を施
す拡縮処理部111を省略している。
【0054】図3において、画像処理手段102は、拡
縮処理後の画像データSF’(R,G,B)について低
周波数帯域成分、中間周波数帯域成分および高周波数帯
域成分に分解するロウパスフィルタ301,303およ
び結合器302,304と、中間周波数帯域成分の画像
データについてオートセットアップ演算部121により
設定されたパラメータに基づきセットアップを行うルッ
クアップテーブル(LUT)305と、色補正処理を行
う色補正処理部306と、高周波数帯域成分の画像デー
タについてオートセットアップ演算部121により設定
されたパラメータに基づきシャープネス強調処理を行う
強調処理部307と、低周波数帯域成分と、色補正処理
部306による色補正処理結果と、強調処理部307に
よる強調処理結果とを合成して処理済み画像データを得
る結合器308,309と、第2周波数帯域成分の赤
(R),緑(G)および青(B)の3色のうちの2色を
含む少なくとも1組の色信号間において、相対応する画
素についての相関値を求める相関値算出部311と、相
関値に基づいて該相関値が所定しきい値より小さい画素
に対する高周波数帯域成分を、該しきい値より大きい画
素に対する高周波数帯域成分よりも小さく強調されるよ
うにゲイン(強調係数)を設定するルックアップテーブ
ル(LUT)312とを備えた構成である。
【0055】まず、ロウパスフィルタ301は、例えば
以下に示す9×9のフィルタで実現され、拡縮処理後の
画像データSF’(R,G,B)に対してフィルタリン
グ処理を施して、低周波数帯域成分RL,GL,BLを抽
出する。
【0056】
【数3】
【0057】次に、結合器302では、拡縮処理後の画
像データSF’(R,G,B)から低周波数帯域成分R
L,GL,BLを減算して、中間・高周波数帯域成分RM
H,GMH,BMHを抽出する。
【0058】次いで、ロウパスフィルタ303は、第1
の実施形態におけるロウパスフィルタ201と同様に、
(1)式に示した5×5のフィルタで実現され、中間・
高周波数帯域成分RMH,GMH,BMHに対してフィルタリ
ング処理を施して、中間周波数帯域成分RM,GM,BM
を抽出する。また、結合器304では、中間・高周波数
帯域成分RMH,GMH,BMHから中間周波数帯域成分R
M,GM,BMを減算して、高周波数帯域成分RH,GH,
BHを抽出する。
【0059】このようにして抽出された後の低周波数帯
域成分RL,GL,BLは、カラー画像中のエッジや細か
いテクスチャやフィルムの粒状によるざらつきを含まな
いものであり、一方、中間周波数帯域成分RM,GM,B
Mにはフィルムの粒状によるざらつきを含み、高周波数
帯域成分RH,GH,BHはカラー画像中のエッジや細か
いテクスチャを含むものである。
【0060】ここで、ファインスキャンデータの低周波
数帯域成分、中間周波数帯域成分および高周波数帯域成
分とは、図4に示すように分布する周波数帯域成分をい
うものである。尚、図4の分布は、高周波数帯域成分に
ついて行われる強調処理のゲイン(強調係数)を1.0
とした場合を示す。すなわち、「中間周波数帯域成分R
M,GM,BM」は、処理後のデータを可視像として再生
する際の出力のナイキスト周波数fS/2の1/3付近
にピークを持って分布HMとなる周波数帯域成分をい
い、「低周波数帯域成分RL,GL,BL」は、0周波数
にピークを持って分布HLとなる周波数帯域成分をい
い、「高周波数帯域成分RH,GH,BH」は、出力のナ
イキスト周波数fS/2付近にピークを持って分布HHと
なる周波数帯域成分をいうものである。尚、ここで「ナ
イキスト周波数」は、記録媒体132への記録画300
[dpi ]で行われる場合のナイキスト周波数をいうもの
である。
【0061】次に、抽出された中間周波数帯域成分R
M,GM,BMについてルックアップテーブル(LUT)
305によりセットアップを行った後、色補正処理部3
06による色補正処理を行って色補正処理後の中間周波
数帯域成分RM’,GM’,BM’を得る。
【0062】一方、抽出された高周波数帯域成分RH,
GH,BHについては、強調処理部307による強調処理
が施される。具体的には、第1の実施形態における強調
処理部114と同様に、(2)式に基づく演算によって
強調処理後の高周波数帯域成分RH’,GH’,BH’を
得る。尚、(2)式におけるαHは、本実施形態では、
相関値算出部311で算出された相関値に基づきルック
アップテーブル(LUT)312を参照して設定される
ゲイン(強調係数)である。
【0063】次に、以上のようにして得られた色補正処
理後の中間周波数帯域成分RM’,GM’,BM’および
強調処理後の高周波数帯域成分RH’,GH’,BH’を
結合部308により合成して処理済みの中間・高周波数
帯域成分RMH’,GMH’,BMH’を得た後、該処理済み
の中間・高周波数帯域成分RMH’,GMH’,BMH’およ
び低周波数帯域成分RL’,GL’,BL’を結合部30
9により合成して処理済み信号R’,G’,B’を得
る。その後、該処理済み信号R’,G’,B’は再生手
段103に供給され、プリンタ131により記録材料1
32に可視像として再生される。
【0064】次に、本実施形態の第2の特徴である相関
値算出部311およびルックアップテーブル(LUT)
312によるゲイン(強調係数)αHの設定について説
明する。まず、相関値εの算出について詳細に説明す
る。
【0065】一般に、確率変数X,Yの相互相関は、 E{(X−Xm)・(Y−Ym)} ここで、Xm,Ymは平均値 で表され、図5に示すように3通りに分類することがで
きる。すなわち、図5(a)に示すように、 E{(X−Xm)・(Y−Ym)}=0 の場合はXとYとには相関関係がなく、また図5(b)
に示すように、 E{(X−Xm)・(Y−Ym)}>0 であり、絶対値が大きい場合は、XとYとの相関は大き
く、さらに図5(c)に示すように、 E{(X−Xm)・(Y−Ym)}<0 であり、絶対値が大きい場合は、XとYとの相関は大き
なものとなる。
【0066】相関値にはこのような関係があることを前
提として、中間・高周波数帯域成分RMH,GMH,BMHの
各色間の相関値εRG(RG間の相関値),εGB(GB間
の相関値),εBR(BR間の相関値)を次の(4)式に
より求める。尚、次式においてmは相関値を求めるため
のマスクの大きさであり、通常、m=1,2,3,4程
度の大きさを持つ。
【0067】
【数4】
【0068】尚、ここでは、中間・高周波数帯域成分R
MH,GMH,BMHの平均値を求めると略0となるため、各
信号値から平均値を減算することを省略することができ
る。
【0069】ここで、各色間の相関値を求めると以下の
ようになる。すなわち、図6に示すように、成分RMHと
成分GMHとの相関値を求めてみると、フィルム粒状に起
因するノイズが多い平坦部633a,633bは、各成
分とも信号がランダムに現れるため、相関値は略0とな
る。また、エッジ部634a,634bは各成分とも同
様に信号が現れるため、相関値は大きな値となる。ま
た、前述の図5(c)に示したように相関値が負となる
場合は、図7に示すような信号の相関であり、画像信号
のエッジでは有り得ないため、本実施形態においてはこ
の場合は0とみなす。したがって、各相関値εRG,εG
B,εBRが小さい値であった場合は、その相関値が得ら
れた部分は粒状に起因するノイズが多い平坦部であり、
相関値が大きい場合は、その相関値が得られた部分はエ
ッジ部であるとみなすことができる。
【0070】次いで、前述した(4)式において、m=
1とした場合の各相関値εRG,εGB,εBRの算出および
ゲインαHの算出の詳細について説明する。図8に示す
ように、まず、成分RMH,GMH,BMHの相関値が求めら
れる。尚、図8においては、テーブル836a,836
b,836cを参照して、相関値εRG,εGB,εBRが負
となった場合に相関値を0としている。中間・高周波数
帯域成分RMH,GMH,BMHにおける成分RMH,成分GMH
および成分BMHの式(4)においてm=1とした場合の
それぞれの信号間の相関値は、次の(5)式によって求
められる。
【0071】
【数5】
【0072】そして、(5)式によって求められた相関
値εRG,εGB,εBRを次の(6)式により加算する。
【0073】
【数6】
【0074】そして、このようにしても求められたεか
ら、図9(a)または(b)に示すようなルックアップ
テーブルを参照して各画素の相関値に応じたゲインαH
の値を求める。すなわち、相関値εが所定のしきい値T
hより小さいときはゲインαHの値を小さくし、相関値ε
がしきい値Thより大きいときはゲインαHの値を大きく
するものである。
【0075】以上のように、本実施形態の画像処理装置
では、エッジ、テクスチャ等を含む高周波数帯域成分に
ついてシャープネス強調処理を行うための周波数帯域に
よる分離を色補正処理の前に行い、しかも相関値算出部
311により、高周波数帯域成分の赤(R),緑(G)
および青(B)の3色のうちの2色を含む少なくとも1
組の色信号間において、相対応する画素についての相関
値εを求め、強調処理部307におけるゲインαHの値
を、相関値εが所定のしきい値Thより小さいときは小
さく設定し、相関値εがしきい値Thより大きいときは
大きく設定して、強調処理部307によるシャープネス
強調処理を行うので、色相関によるエッジ、テクスチ
ャ、平坦部の切り分け精度の低下を抑制し得る画像処理
装置、画像処理方法および記録媒体を提供することがで
きる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像処理
装置、画像処理方法および記録媒体によれば、画像入力
手段(画像入力ステップ)により、入力記録メディア上
の原稿画像を読み取るか、または、被写体を撮像して画
像データを入力し、該入力画像データについて、分解手
段(分解ステップ)により、第1周波数帯域成分および
第2周波数帯域成分に分解し、色補正手段(色補正ステ
ップ)により、第1周波数帯域成分の画像データについ
て色補正処理を行うと共に、強調処理手段(強調処理ス
テップ)により、第2周波数帯域成分の画像データにつ
いてシャープネス強調処理を行い、さらに合成手段(合
成ステップ)により、色補正手段(色補正ステップ)に
よる色補正処理結果と強調処理手段(強調処理ステッ
プ)による強調処理結果とを合成して処理済み画像デー
タを得ることとし、エッジ、テクスチャ等を含む第2
(高)周波数帯域成分についてシャープネス強調処理を
行うための周波数帯域による分離を色補正処理の前に行
うと共に、入力記録メディアをカラーフィルムとした場
合に、強調処理手段(強調処理ステップ)において、カ
ラーフィルム原稿の各色感層のうち粒状度または鮮鋭度
に優れた色感層の色信号の第2(高)周波数帯域成分
を、他の色感層の色信号の第2(高)周波数帯域成分に
適用してシャープネス強調処理を行うので、R,G,B
の各色成分における粒状や鮮鋭度が各色成分の信号間で
差がある場合でも、フィルム内の粒状や鮮鋭度の優れた
色感層の色信号が他の色感層の色信号と混合されること
がなく、結果として、粒状に基づくざらつきや鮮鋭度に
おける画質の劣化を抑制し得る画像処理装置、画像処理
方法および記録媒体を提供することができる。
【0077】また、本発明の画像処理装置、画像処理方
法および記録媒体によれば、エッジ、テクスチャ等を含
む第2(高)周波数帯域成分についてシャープネス強調
処理を行うための周波数帯域による分離を色補正処理の
前に行うと共に、入力記録メディアをカラーフィルムと
した場合に、相関値算出手段(相関値算出ステップ)に
より、第2(高)周波数帯域成分の赤(R),緑(G)
および青(B)の3色のうちの2色を含む少なくとも1
組の色信号間において、相対応する画素についての相関
値を求め、強調処理手段(強調処理ステップ)において
は、該相関値が小さい画素に対する第2(高)周波数帯
域成分を、該相関値が大きい画素に対する第2(高)周
波数帯域成分よりも小さく強調してシャープネス強調処
理を行うので、色相関によるエッジ、テクスチャ、平坦
部の切り分け精度の低下を抑制し得る画像処理装置、画
像処理方法および記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の
構成図である。
【図2】第1の実施形態の画像処理装置における画像処
理手段の部分的な詳細構成図である。
【図3】第2の実施形態の画像処理装置における画像処
理手段の部分的な詳細構成図である。
【図4】低周波数帯域成分、中間周波数帯域成分および
高周波数帯域成分の分布を説明する説明図である。
【図5】確率変数X,Yの相互相関を説明する説明図で
ある。
【図6】平坦部およびエッジ部を例示する説明図であ
る。
【図7】相関値が負となる場合を説明する説明図であ
る。
【図8】第2の実施形態の画像処理装置における相関値
算出部の詳細な構成図である。
【図9】第2の実施形態の画像処理装置におけるルック
アップテーブル(LUT)の内容(相関値およびゲイン
の対応)を例示する説明図である。
【図10】従来の画像処理装置の構成図である。
【符号の説明】
101 読取手段(画像入力手段) 102,1002 画像処理手段 103 再生手段 104 カラー画像(ネガフィルム,リバーサルフィ
ルム等) 105 CCDアレイ 106 結像レンズ 107 A/D変換器 108 CCD補正部 109 対数変換用ルックアップテーブル(LUT) 111 拡張処理部 112 帯域分割部(分割手段) 113 色補正処理部(色補正手段) 114,307 強調処理部(強調処理手段) 115 結合部(合成手段) 121,1010 オートセットアップ演算部 122,1012 モニタ表示およびユーザインタフ
ェース 123,1011 CRT 124,1011A 処理メニュー 130 フィルタタレット 131 プリンタ 132 記録材料 SP プレスキャンデータ SF ファインスキャンデータ 201,301,303 ロウパスフィルタ(LP
F) 202,302,304,308,309 結合器 203,305,312 ルックアップテーブル(L
UT) 204,306 色補正処理部 311 相関値算出部(相関値算出手段) 633a,633b 平坦部 634a,634b エッジ部 835RG,835GB,835BR ロウパスフィ
ルタ(LPF) 836RG,836GB,836BR テーブル 1014 色・階調処理部 1013 粒状抑制・シャープネス強調処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // H04N 9/11 H04N 1/46 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力記録メディア上の原稿画像を読み取
    るか、または、被写体を撮像して画像データを入力する
    画像入力手段と、 前記入力画像データについて、第1周波数帯域成分およ
    び第2周波数帯域成分に分解する分解手段と、 前記第1周波数帯域成分の画像データについて色補正処
    理を行う色補正手段と、 前記第2周波数帯域成分の画像データについてシャープ
    ネス強調処理を行う強調処理手段と、 前記色補正手段による色補正処理結果と前記強調処理手
    段による強調処理結果とを合成して処理済み画像データ
    を得る合成手段と、を有することを特徴とする画像処理
    装置。
  2. 【請求項2】 前記入力記録メディアはカラーフィルム
    であり、 前記強調処理手段は、前記カラーフィルム原稿の各色感
    層のうち粒状度または鮮鋭度に優れた色感層の色信号の
    第2周波数帯域成分を、他の色感層の色信号の第2周波
    数帯域成分に適用して前記シャープネス強調処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記入力記録メディアはカラーフィルム
    であり、 前記第2周波数帯域成分の赤(R),緑(G)および青
    (B)の3色のうちの2色を含む少なくとも1組の色信
    号間において、相対応する画素についての相関値を求め
    る相関値算出手段を有し、 前記強調処理手段は、該相関値が小さい画素に対する第
    2周波数帯域成分を、該相関値が大きい画素に対する第
    2周波数帯域成分よりも小さく強調して前記シャープネ
    ス強調処理を行うことを特徴とする請求項1または2に
    記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第1周波数帯域は相対的に低周波数
    の帯域であり、前記第2周波数帯域は相対的に高周波数
    の帯域であることを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 入力記録メディア上の原稿画像を読み取
    るか、または、被写体を撮像して画像データを入力する
    画像入力ステップと、 前記入力画像データについて、第1周波数帯域成分およ
    び第2周波数帯域成分に分解する分解ステップと、 前記第1周波数帯域成分の画像データについて色補正処
    理を行う色補正ステップと、 前記第2周波数帯域成分の画像データについてシャープ
    ネス強調処理を行う強調処理ステップと、 前記色補正ステップによる色補正処理結果と前記強調処
    理ステップによる強調処理結果とを合成して処理済み画
    像データを得る合成ステップと、を有することを特徴と
    する画像処理方法。
  6. 【請求項6】 前記入力記録メディアはカラーフィルム
    であり、 前記強調処理ステップは、前記カラーフィルム原稿の各
    色感層のうち粒状度または鮮鋭度に優れた色感層の色信
    号の第2周波数帯域成分を、他の色感層の色信号の第2
    周波数帯域成分に適用して前記シャープネス強調処理を
    行うことを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】 前記入力記録メディアはカラーフィルム
    であり、 前記第2周波数帯域成分の赤(R),緑(G)および青
    (B)の3色のうちの2色を含む少なくとも1組の色信
    号間において、相対応する画素についての相関値を求め
    る相関値算出ステップを有し、 前記強調処理ステップは、該相関値が小さい画素に対す
    る第2周波数帯域成分を、該相関値が大きい画素に対す
    る第2周波数帯域成分よりも小さく強調して前記シャー
    プネス強調処理を行うことを特徴とする請求項5または
    6に記載の画像処理方法。
  8. 【請求項8】 前記第1周波数帯域は相対的に低周波数
    の帯域であり、前記第2周波数帯域は相対的に高周波数
    の帯域であることを特徴とする請求項5、6または7に
    記載の画像処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項5、6、7または8に記載の画像
    処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム
    として記録したコンピュータにより読み取り可能な記録
    媒体。
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