JPH1112721A - ガス導入管及びこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
ガス導入管及びこれを用いた磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH1112721A JPH1112721A JP9169196A JP16919697A JPH1112721A JP H1112721 A JPH1112721 A JP H1112721A JP 9169196 A JP9169196 A JP 9169196A JP 16919697 A JP16919697 A JP 16919697A JP H1112721 A JPH1112721 A JP H1112721A
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- G—PHYSICS
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- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/84—Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
- G11B5/85—Coating a support with a magnetic layer by vapour deposition
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C14/00—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
- C23C14/0021—Reactive sputtering or evaporation
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 変形や破損が発生した場合でも部品交換が少
なくて済むガス導入管及びこのガス供給管を用いた磁気
記録媒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明に係るガス導入管1は、ガスが供
給されるガス供給管20と、ガス供給管20が接続さ
れ、ガスの流路となるガス流路21を有する本体部2
2,23と、ガス供給管20が接続された部分とは反対
側に位置して本体部22,23に組み込まれ、吹出し口
27を介してガスを外部へ射出する吹出し部25とを備
える。そして、このガス導入管1は、吹出し部25が本
体部22,23に挟持されて組み込まれるとともに、本
体部22,23に対して脱着可能とされる。
なくて済むガス導入管及びこのガス供給管を用いた磁気
記録媒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明に係るガス導入管1は、ガスが供
給されるガス供給管20と、ガス供給管20が接続さ
れ、ガスの流路となるガス流路21を有する本体部2
2,23と、ガス供給管20が接続された部分とは反対
側に位置して本体部22,23に組み込まれ、吹出し口
27を介してガスを外部へ射出する吹出し部25とを備
える。そして、このガス導入管1は、吹出し部25が本
体部22,23に挟持されて組み込まれるとともに、本
体部22,23に対して脱着可能とされる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸着装置等に用いら
れて好適なガス導入管に関し、また、このガス導入管を
用いて酸素ガスを射出して磁性層を形成する磁気記録媒
体の製造方法に関する。
れて好適なガス導入管に関し、また、このガス導入管を
用いて酸素ガスを射出して磁性層を形成する磁気記録媒
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビデオテープレコーダ等の分野
においては、近年、高画質化を図るために高密度記録化
が一層強く要求されている。これに対応する磁気記録媒
体として、金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成技術
(真空蒸着法、スパッタリング法イオンプレーティング
法等)により、直接非磁性支持体上に被着せしめて磁性
層を形成する、いわゆる金属磁性薄膜が他の磁気記録媒
体が提案されている。
においては、近年、高画質化を図るために高密度記録化
が一層強く要求されている。これに対応する磁気記録媒
体として、金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成技術
(真空蒸着法、スパッタリング法イオンプレーティング
法等)により、直接非磁性支持体上に被着せしめて磁性
層を形成する、いわゆる金属磁性薄膜が他の磁気記録媒
体が提案されている。
【0003】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保
磁力、角形比及び短波長領域における電磁変換特性に優
れるばかりでなく、磁性層の薄膜かが可能であり、加え
て塗布型の磁気記録媒体のように結合材等の非磁性材料
を磁性層に含ませなくてよいことから磁性材料の充填密
度を高くできること等、数々の利点を有している。
磁力、角形比及び短波長領域における電磁変換特性に優
れるばかりでなく、磁性層の薄膜かが可能であり、加え
て塗布型の磁気記録媒体のように結合材等の非磁性材料
を磁性層に含ませなくてよいことから磁性材料の充填密
度を高くできること等、数々の利点を有している。
【0004】中でも真空蒸着法によって磁性層が形成さ
れる蒸着タイプの磁気テープ(蒸着テープ)は、生産効
率が高く特性も安定していることから、概に実用化され
ている。
れる蒸着タイプの磁気テープ(蒸着テープ)は、生産効
率が高く特性も安定していることから、概に実用化され
ている。
【0005】ところで、上記蒸着テープにおいて、磁性
層を形成するための蒸着は、真空漕内に、非磁性支持体
を案内するキャンロールと、蒸着源となる磁性材料と、
蒸着源を加熱するための加熱手段等を有する蒸着装置に
よって行われる。
層を形成するための蒸着は、真空漕内に、非磁性支持体
を案内するキャンロールと、蒸着源となる磁性材料と、
蒸着源を加熱するための加熱手段等を有する蒸着装置に
よって行われる。
【0006】この蒸着装置では、蒸着源となる磁性材料
を、電子線の照射等によって金属蒸気とし、キャンロー
ルの外周面に沿って走行する非磁性支持体上に入射させ
ることによって蒸着膜を形成する。
を、電子線の照射等によって金属蒸気とし、キャンロー
ルの外周面に沿って走行する非磁性支持体上に入射させ
ることによって蒸着膜を形成する。
【0007】ここで、このようにして形成される金属磁
性薄膜の磁気特性には、金属粒子の非磁性支持体への入
射角が影響する。このため、この金属蒸気の入射角を制
御する目的でキャンロール近傍に、支持体の所定領域を
覆うようにシャッターが設けられるのが一般的である。
性薄膜の磁気特性には、金属粒子の非磁性支持体への入
射角が影響する。このため、この金属蒸気の入射角を制
御する目的でキャンロール近傍に、支持体の所定領域を
覆うようにシャッターが設けられるのが一般的である。
【0008】また、さらに、磁性層の保持力,飽和磁束
密度等の磁気特性を改善するために、非磁性支持体の幅
方向に沿ったスリット状の吹出し口を有する酸素ガス導
入管を用い、これを通じて供給される酸素ガスによって
金属蒸気を酸化することも行われている。この酸素ガス
導入管は、水冷されたシャッターに取り付けられ、蒸気
による熱変形が防止されるようになっている。
密度等の磁気特性を改善するために、非磁性支持体の幅
方向に沿ったスリット状の吹出し口を有する酸素ガス導
入管を用い、これを通じて供給される酸素ガスによって
金属蒸気を酸化することも行われている。この酸素ガス
導入管は、水冷されたシャッターに取り付けられ、蒸気
による熱変形が防止されるようになっている。
【0009】この酸素ガス導入管100は、図15及び
図16に示すように、外部から酸素ガスが供給されるガ
ス供給管101と、このガス供給管101から供給され
た酸素ガスの流路102を有するガス流路部103とか
らなる。このガス流路部103は、上蓋部104と導入
管本体105とを所定の隙間をもって突き合わせてな
る。そして、このガス流路部103において、上蓋部1
04と導入管本体105とは、複数個のボルト106に
より結合されている。
図16に示すように、外部から酸素ガスが供給されるガ
ス供給管101と、このガス供給管101から供給され
た酸素ガスの流路102を有するガス流路部103とか
らなる。このガス流路部103は、上蓋部104と導入
管本体105とを所定の隙間をもって突き合わせてな
る。そして、このガス流路部103において、上蓋部1
04と導入管本体105とは、複数個のボルト106に
より結合されている。
【0010】また、導入管本体105には、冷却水が供
給される冷却回路107が形成されている。そして、こ
の酸素ガス導入管100には、この冷却回路107に冷
却水を供給する冷却水流入管108が取り付けられてい
る。
給される冷却回路107が形成されている。そして、こ
の酸素ガス導入管100には、この冷却回路107に冷
却水を供給する冷却水流入管108が取り付けられてい
る。
【0011】さらに、この酸素ガス導入管100では、
上蓋部104と導入管本体部105との隙間を所定の幅
とするために、上蓋部104と導入管本体部105との
間にスペーサ(図示せず。)が挟み込まれている。
上蓋部104と導入管本体部105との隙間を所定の幅
とするために、上蓋部104と導入管本体部105との
間にスペーサ(図示せず。)が挟み込まれている。
【0012】そして、この酸素ガス導入管100には、
上蓋部104と導入管本体部105とを突き合わせるこ
とによって、酸素ガスを吹き出す吹出し口109が形成
されることとなる。また、上蓋部104と導入管本体部
105とを突き合わせることによって、酸素ガスの吹き
溜まり部110が形成される。
上蓋部104と導入管本体部105とを突き合わせるこ
とによって、酸素ガスを吹き出す吹出し口109が形成
されることとなる。また、上蓋部104と導入管本体部
105とを突き合わせることによって、酸素ガスの吹き
溜まり部110が形成される。
【0013】このように構成された酸素ガス導入管10
0を用いた蒸着装置では、非磁性支持体上に磁性層を形
成する際、金属蒸気に対して酸素ガス導入管100から
酸素ガスが吹き付けられる。これにより、金属蒸気は、
所定量が酸化されることとなり、非磁性支持体上に堆積
することとなる。
0を用いた蒸着装置では、非磁性支持体上に磁性層を形
成する際、金属蒸気に対して酸素ガス導入管100から
酸素ガスが吹き付けられる。これにより、金属蒸気は、
所定量が酸化されることとなり、非磁性支持体上に堆積
することとなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな酸素ガス導入管100は、例えば、蒸着装置に用い
られたような場合、約1000〜1200℃といった高
温雰囲気下で用いられることになる。このため、この酸
素ガス導入管100では、導入管本体部105に冷却回
路107を設けている。したがって、この導入管本体部
105において、熱による変形を発生するようなことは
少ない。
うな酸素ガス導入管100は、例えば、蒸着装置に用い
られたような場合、約1000〜1200℃といった高
温雰囲気下で用いられることになる。このため、この酸
素ガス導入管100では、導入管本体部105に冷却回
路107を設けている。したがって、この導入管本体部
105において、熱による変形を発生するようなことは
少ない。
【0015】しかしながら、この酸素ガス導入管100
では、上蓋部104を冷却する手段を設けておらず、上
蓋部104には、熱による変形が発生してしまうことが
ある。そして、この酸素ガス導入管100では、上蓋部
104と導入管本体部105とが複数個のボルト106
により固着されている。このため、上述したように上蓋
部104に変形が生じてしまうと、その変形は、ボルト
106付近では小さく、ボルト106間では大きくなっ
てしまう。このように、酸素ガス導入管100では、上
蓋部104に不均一に変形が発生してしまう。
では、上蓋部104を冷却する手段を設けておらず、上
蓋部104には、熱による変形が発生してしまうことが
ある。そして、この酸素ガス導入管100では、上蓋部
104と導入管本体部105とが複数個のボルト106
により固着されている。このため、上述したように上蓋
部104に変形が生じてしまうと、その変形は、ボルト
106付近では小さく、ボルト106間では大きくなっ
てしまう。このように、酸素ガス導入管100では、上
蓋部104に不均一に変形が発生してしまう。
【0016】このように、上蓋部104が熱により不均
一に変形してしまった場合、吹出し口109の間隔にば
らつきが生じてしまう。その結果、酸素ガス導入管10
0は、吹出し口109から均一に酸素ガスを吹き出すこ
とができなくなる。
一に変形してしまった場合、吹出し口109の間隔にば
らつきが生じてしまう。その結果、酸素ガス導入管10
0は、吹出し口109から均一に酸素ガスを吹き出すこ
とができなくなる。
【0017】このため、この酸素ガス導入管100を用
いて金属磁性薄膜を形成すると、吹出し口109の幅方
向において酸化が不均一に起こり、幅方向において不均
一な膜厚を有するものとなる。その結果、金属磁性薄膜
としては、磁気特性にばらつきを生じてしまい、電磁変
換特性が不安定なものとなってしまう。
いて金属磁性薄膜を形成すると、吹出し口109の幅方
向において酸化が不均一に起こり、幅方向において不均
一な膜厚を有するものとなる。その結果、金属磁性薄膜
としては、磁気特性にばらつきを生じてしまい、電磁変
換特性が不安定なものとなってしまう。
【0018】一方、この酸素ガス導入管100では、蒸
着装置に用いられたような場合、蒸着する物質が吹出し
口109付近に付着することがある。このような場合、
酸素ガス導入管100では、吹出し口109付近に付着
した付着物を物理的に剥離していた。
着装置に用いられたような場合、蒸着する物質が吹出し
口109付近に付着することがある。このような場合、
酸素ガス導入管100では、吹出し口109付近に付着
した付着物を物理的に剥離していた。
【0019】従来の酸素ガス導入管100では、付着物
を物理的に剥離する際に吹出し口109付近を破損して
しまうことがあった。このため、酸素ガス導入管100
は、吹出し口109の間隔が不均一になってしまい、そ
の結果、均一に酸素ガスを吹き出すことができないこと
があった。この場合、上述した場合と同様に、酸素ガス
導入管100は、電磁変換特性が不安定な金属磁性薄膜
を形成してしまう。
を物理的に剥離する際に吹出し口109付近を破損して
しまうことがあった。このため、酸素ガス導入管100
は、吹出し口109の間隔が不均一になってしまい、そ
の結果、均一に酸素ガスを吹き出すことができないこと
があった。この場合、上述した場合と同様に、酸素ガス
導入管100は、電磁変換特性が不安定な金属磁性薄膜
を形成してしまう。
【0020】上述したように、従来の酸素ガス導入管1
00では、上述したような熱による変形や破損が発生し
てしまった場合、上蓋部104や導入管本体部105等
の全てを交換しなくてはならない。このように、従来の
酸素ガス導入管100は、酸素ガスの吹出し量を常に均
一に保つために、構成部品の大幅な交換が必要であっ
た。
00では、上述したような熱による変形や破損が発生し
てしまった場合、上蓋部104や導入管本体部105等
の全てを交換しなくてはならない。このように、従来の
酸素ガス導入管100は、酸素ガスの吹出し量を常に均
一に保つために、構成部品の大幅な交換が必要であっ
た。
【0021】このため、従来の酸素ガス導入管100に
は、変形や破損が生じた場合に大幅な部品交換を必要と
しコストが高くなるといった問題点があった。
は、変形や破損が生じた場合に大幅な部品交換を必要と
しコストが高くなるといった問題点があった。
【0022】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、変形や破損が発生した場
合でも部品交換が少なくて済むガス導入管及びこのガス
供給管を用いた磁気記録媒体の製造方法を提供すること
を目的とする。
鑑みて提案されたものであり、変形や破損が発生した場
合でも部品交換が少なくて済むガス導入管及びこのガス
供給管を用いた磁気記録媒体の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成した本
発明に係るガス導入管は、ガスが供給されるガス供給管
と、上記ガス供給管が接続され、上記ガス供給管から供
給されたガスの流路となるガス流路を有する本体部と、
上記ガス供給管が接続された部分とは反対側に位置して
上記本体部に組み込まれ、外部に臨むように吹出し口が
形成され、この吹出し口を介してガスを外部へ射出する
吹出し部とを備え、上記吹出し部が上記本体部に対して
脱着可能とされるものである。
発明に係るガス導入管は、ガスが供給されるガス供給管
と、上記ガス供給管が接続され、上記ガス供給管から供
給されたガスの流路となるガス流路を有する本体部と、
上記ガス供給管が接続された部分とは反対側に位置して
上記本体部に組み込まれ、外部に臨むように吹出し口が
形成され、この吹出し口を介してガスを外部へ射出する
吹出し部とを備え、上記吹出し部が上記本体部に対して
脱着可能とされるものである。
【0024】以上のように構成された本発明に係るガス
導入管では、ガスを射出する吹出し口が吹出し部に設け
られており、該吹出し部が本体部に組み込まれている。
そして、このガス導入管においては、吹出し部が本体部
に対して脱着可能であるため、吹出し口に変形や破損が
生じたような場合、このガス導入管では、吹出し部を交
換すればよい。
導入管では、ガスを射出する吹出し口が吹出し部に設け
られており、該吹出し部が本体部に組み込まれている。
そして、このガス導入管においては、吹出し部が本体部
に対して脱着可能であるため、吹出し口に変形や破損が
生じたような場合、このガス導入管では、吹出し部を交
換すればよい。
【0025】一方、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、ガスが供給されるガス供給管と、上記ガス供給管
が接続され、上記ガス供給管から供給されたガスの流路
となるガス流路を有する本体部と、上記ガス供給管が接
続された部分とは反対側に位置して上記本体部に組み込
まれ、外部に臨むように吹出し口が形成され、この吹出
し口を介してガスを外部へ射出する吹出し部とを備え、
上記吹出し部が上記本体部に対して脱着可能とされるガ
ス導入管が用いられ、上記ガス導入管から射出したガス
を、磁性材料が蒸着する非磁性支持体上に吹き付けて磁
性層を形成するものである。
法は、ガスが供給されるガス供給管と、上記ガス供給管
が接続され、上記ガス供給管から供給されたガスの流路
となるガス流路を有する本体部と、上記ガス供給管が接
続された部分とは反対側に位置して上記本体部に組み込
まれ、外部に臨むように吹出し口が形成され、この吹出
し口を介してガスを外部へ射出する吹出し部とを備え、
上記吹出し部が上記本体部に対して脱着可能とされるガ
ス導入管が用いられ、上記ガス導入管から射出したガス
を、磁性材料が蒸着する非磁性支持体上に吹き付けて磁
性層を形成するものである。
【0026】以上のような磁気記録媒体の製造方法で
は、吹出し部が本体部に対して脱着可能なガス導入管を
用いることとなる。このため、このガス導入管では、吹
出し部に変形や破損等が発生した場合に容易に吹出し部
を交換することができる。このため、この手法では、常
に、ガスの吹出し量が一定とされたガス導入管を用いる
こととなる。したがって、この手法では、常に、良好な
磁気特性を有する磁性層を非磁性支持体上に形成するこ
とができる。
は、吹出し部が本体部に対して脱着可能なガス導入管を
用いることとなる。このため、このガス導入管では、吹
出し部に変形や破損等が発生した場合に容易に吹出し部
を交換することができる。このため、この手法では、常
に、ガスの吹出し量が一定とされたガス導入管を用いる
こととなる。したがって、この手法では、常に、良好な
磁気特性を有する磁性層を非磁性支持体上に形成するこ
とができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係るガス導入管の実施の
形態について、図面を参照して詳細に説明する。
形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】本発明に係るガス導入管は、酸素ガスを吹
き出す酸素ガス導入管1に適用され、図1に示すような
蒸着装置に用いられる。この図1に示す蒸着装置は、テ
ープ状の非磁性支持体上に金属磁性薄膜を蒸着により形
成するものである。
き出す酸素ガス導入管1に適用され、図1に示すような
蒸着装置に用いられる。この図1に示す蒸着装置は、テ
ープ状の非磁性支持体上に金属磁性薄膜を蒸着により形
成するものである。
【0029】この蒸着装置は、内部が排気装置2によっ
て高真空状態(約10-3〜10-4Pa)となされた真空
漕3内に、図中の反時計回り方向に定速回転する供給ロ
ール4と、図中の時計回り方向に定速回転する巻取りロ
ール5とが設けられ、この供給ロール4から巻取りロー
ル5にテープ状の非磁性支持体6が順次走行するように
なされている。
て高真空状態(約10-3〜10-4Pa)となされた真空
漕3内に、図中の反時計回り方向に定速回転する供給ロ
ール4と、図中の時計回り方向に定速回転する巻取りロ
ール5とが設けられ、この供給ロール4から巻取りロー
ル5にテープ状の非磁性支持体6が順次走行するように
なされている。
【0030】これら供給ロール4から巻取りロール5側
に上記非磁性支持体6が走行する中途部には、上記各ロ
ール4,5の径よりも大径となされた冷却ロール(キャ
ンロール)7が設けられている。この冷却ロール7は、
上記非磁性支持体6を図中左方に引き出すように設けら
れ、図中の反時計回り方向に定速回転する構成とされ
る。尚、上記供給ロール4,巻取りロール5及び冷却ロ
ール7は、それぞれ非磁性支持体6の幅と略同じ長さか
らなる円筒状をなすものであり、また、上記冷却ロール
7には、内部に図示しない冷却装置が設けられ、上記非
磁性支持体6の温度上昇による変形等を仰制し得るよう
になされている。
に上記非磁性支持体6が走行する中途部には、上記各ロ
ール4,5の径よりも大径となされた冷却ロール(キャ
ンロール)7が設けられている。この冷却ロール7は、
上記非磁性支持体6を図中左方に引き出すように設けら
れ、図中の反時計回り方向に定速回転する構成とされ
る。尚、上記供給ロール4,巻取りロール5及び冷却ロ
ール7は、それぞれ非磁性支持体6の幅と略同じ長さか
らなる円筒状をなすものであり、また、上記冷却ロール
7には、内部に図示しない冷却装置が設けられ、上記非
磁性支持体6の温度上昇による変形等を仰制し得るよう
になされている。
【0031】さらに、上記供給ロール4と上記冷却ロー
ル7の間及び上記冷却ロール7と上記巻取りロール5の
間には、それぞれ回動ロール8,9が設けられ、上記供
給ロール4、冷却ロール7、巻取りロール5に順次亘っ
て走行する非磁性支持体6に所定のテンションがかけら
れ、非磁性支持体6が円滑に走行するようになされてい
る。
ル7の間及び上記冷却ロール7と上記巻取りロール5の
間には、それぞれ回動ロール8,9が設けられ、上記供
給ロール4、冷却ロール7、巻取りロール5に順次亘っ
て走行する非磁性支持体6に所定のテンションがかけら
れ、非磁性支持体6が円滑に走行するようになされてい
る。
【0032】また、上記真空漕3内には、上記冷却ロー
ル7に対して、図中の斜め左側の下方にルツボ10が設
けられ、このルツボ10内に金属磁性材料が蒸着源11
として充填されている。このルツボ10は、上記冷却ロ
ール7の長手方向の幅と略同一の幅を有している。
ル7に対して、図中の斜め左側の下方にルツボ10が設
けられ、このルツボ10内に金属磁性材料が蒸着源11
として充填されている。このルツボ10は、上記冷却ロ
ール7の長手方向の幅と略同一の幅を有している。
【0033】一方、上記真空漕1の側壁部には、上記ル
ツボ10内に充填された蒸着源11を加熱蒸発させるた
めの電子銃12が取り付けられている。この電子銃12
は、当該電子銃12より放出される電子線が上記ルツボ
10内の蒸着源11に照射されるような位置に配設され
る。そして、この電子銃12によって溶融、蒸発された
金属蒸気13が上記冷却ロール7の外周面を定速走行す
る非磁性支持体6上に入射し、磁性層として被着形成さ
れるようになっている。
ツボ10内に充填された蒸着源11を加熱蒸発させるた
めの電子銃12が取り付けられている。この電子銃12
は、当該電子銃12より放出される電子線が上記ルツボ
10内の蒸着源11に照射されるような位置に配設され
る。そして、この電子銃12によって溶融、蒸発された
金属蒸気13が上記冷却ロール7の外周面を定速走行す
る非磁性支持体6上に入射し、磁性層として被着形成さ
れるようになっている。
【0034】また、上記冷却ロール7の近傍には、防着
板14が設けられている。この防着板14は、成膜され
た金属磁性薄膜上に不要な金属蒸気が付着してしまうの
を防止するためのものである。この防着板14は、非磁
性支持体6に対して蒸着をなす領域(蒸着領域,図中A
領域)よりも送り出し側に、非磁性支持体6の所定の領
域を覆う如く設けられている。
板14が設けられている。この防着板14は、成膜され
た金属磁性薄膜上に不要な金属蒸気が付着してしまうの
を防止するためのものである。この防着板14は、非磁
性支持体6に対して蒸着をなす領域(蒸着領域,図中A
領域)よりも送り出し側に、非磁性支持体6の所定の領
域を覆う如く設けられている。
【0035】この防着板14には、上記真空漕3の外部
と接続された酸素ガス導入管1が取り付けられている。
この酸素ガス導入管1は、金属蒸気13に酸素ガスを供
給するためのものであり、この酸素ガス供給量を調整す
ることによって、成膜される金属磁性薄膜の保磁力や飽
和磁束密度等の磁気特性が制御される。
と接続された酸素ガス導入管1が取り付けられている。
この酸素ガス導入管1は、金属蒸気13に酸素ガスを供
給するためのものであり、この酸素ガス供給量を調整す
ることによって、成膜される金属磁性薄膜の保磁力や飽
和磁束密度等の磁気特性が制御される。
【0036】また、この蒸着装置では、防着板14と一
部重なった形で駆動シャッター15が設けられている。
この駆動シャッター15は、酸素ガス導入管1に金属蒸
気5が付着したり、金属蒸気13が酸素ガス導入管1と
防着板14の間を通過して金属磁性薄膜に付着してしま
うのを防ぐためのものである。この駆動シャッター15
は、非磁性支持体6の導入側及び送り出し側に移動自在
となされている。
部重なった形で駆動シャッター15が設けられている。
この駆動シャッター15は、酸素ガス導入管1に金属蒸
気5が付着したり、金属蒸気13が酸素ガス導入管1と
防着板14の間を通過して金属磁性薄膜に付着してしま
うのを防ぐためのものである。この駆動シャッター15
は、非磁性支持体6の導入側及び送り出し側に移動自在
となされている。
【0037】このように構成された蒸着装置において、
酸素ガス導入管1は、図2、図3及び図4に示すよう
に、酸素ガスが供給されるガス供給管20と、このガス
供給管20が接続され、該ガス供給管20から供給され
た酸素ガスの流路となる酸素流路21を有する導入管下
本体部22と、この導入管下本体部22の酸素流路21
が形成された面に取り付けられ、導入管下本体部22と
ともに導入管本体を構成する導入管上本体部23と、こ
れら導入管下本体部22と導入管上本体部23との間に
配される銅パッキン24と、このガス供給管20が接続
された部分とは反対側に位置して導入管本体に組み込ま
れる吹出し部25とを備える。また、この酸素ガス導入
管1には、導入管下本体部22の銅パッキン24とは反
対側に熱遮蔽板26が取り付けられている。
酸素ガス導入管1は、図2、図3及び図4に示すよう
に、酸素ガスが供給されるガス供給管20と、このガス
供給管20が接続され、該ガス供給管20から供給され
た酸素ガスの流路となる酸素流路21を有する導入管下
本体部22と、この導入管下本体部22の酸素流路21
が形成された面に取り付けられ、導入管下本体部22と
ともに導入管本体を構成する導入管上本体部23と、こ
れら導入管下本体部22と導入管上本体部23との間に
配される銅パッキン24と、このガス供給管20が接続
された部分とは反対側に位置して導入管本体に組み込ま
れる吹出し部25とを備える。また、この酸素ガス導入
管1には、導入管下本体部22の銅パッキン24とは反
対側に熱遮蔽板26が取り付けられている。
【0038】また、この酸素ガス導入管1は、全体形状
が略直方体として形成され、その長手方向に吹出し口2
7を備える。そして、この吹出し口27は、蒸着する非
磁性支持体6の幅と略同寸法とされ、酸素ガスが非磁性
支持体6の幅に均一に吹き付けられるような構成となっ
ている。
が略直方体として形成され、その長手方向に吹出し口2
7を備える。そして、この吹出し口27は、蒸着する非
磁性支持体6の幅と略同寸法とされ、酸素ガスが非磁性
支持体6の幅に均一に吹き付けられるような構成となっ
ている。
【0039】この酸素ガス導入管1において、導入管本
体は、上述したように、導入管下本体部22と導入管上
本体部23とが銅パッキン24を介して複数個のボルト
28により固着されることによりなる。このように構成
された導入管本体には、その内部に酸素流路21が形成
されることとなる。すなわち、酸素流路21は、銅パッ
キン24が導入管下本体部22に取り付けられることに
より、気密性のよい流路として形成される。
体は、上述したように、導入管下本体部22と導入管上
本体部23とが銅パッキン24を介して複数個のボルト
28により固着されることによりなる。このように構成
された導入管本体には、その内部に酸素流路21が形成
されることとなる。すなわち、酸素流路21は、銅パッ
キン24が導入管下本体部22に取り付けられることに
より、気密性のよい流路として形成される。
【0040】この酸素流路21は、複数の分岐箇所を経
て吹出し口27に至る細溝として形成されている。すな
わち、この酸素流路21となる細溝は、外部から酸素ガ
スを供給するためのガス供給管20側の端部に連なり、
導入管本体の長手方向に沿って二方向に延在され、二方
向に延在された細溝は、それぞれ途中で吹出し部25方
向に曲折し、この曲折部から導入管本体の長手方向に沿
って再び二方向に分岐する。二方向に分岐した細溝は、
さらに延在、分岐を繰り返し、最終的には、16本の細
管に枝分かれすることになる。
て吹出し口27に至る細溝として形成されている。すな
わち、この酸素流路21となる細溝は、外部から酸素ガ
スを供給するためのガス供給管20側の端部に連なり、
導入管本体の長手方向に沿って二方向に延在され、二方
向に延在された細溝は、それぞれ途中で吹出し部25方
向に曲折し、この曲折部から導入管本体の長手方向に沿
って再び二方向に分岐する。二方向に分岐した細溝は、
さらに延在、分岐を繰り返し、最終的には、16本の細
管に枝分かれすることになる。
【0041】そして、酸素流路21は、導入管本体内に
形成された酸素溜まり29に導通している。この酸素溜
まり29は、導入管下本体部22と導入管上本体部23
とが固着されて吹出し部25が組み付けられることによ
り形成され、導入管本体の長手方向に延在した空間部と
して形成される。すなわち、この酸素溜まり29には、
16本に枝分かれした酸素流路21が、均等な間隔をも
って導通されている。
形成された酸素溜まり29に導通している。この酸素溜
まり29は、導入管下本体部22と導入管上本体部23
とが固着されて吹出し部25が組み付けられることによ
り形成され、導入管本体の長手方向に延在した空間部と
して形成される。すなわち、この酸素溜まり29には、
16本に枝分かれした酸素流路21が、均等な間隔をも
って導通されている。
【0042】そして、この酸素溜まり29には、酸素流
路21から酸素ガスが供給される。このとき、酸素流路
21は、各分岐点で二方向に延在された流路に同じ圧力
で酸素ガスが流れる。このため、この酸素流路21で
は、最終的に枝分かれした16本の流路に対して同じ圧
力で酸素ガスが流れ、酸素溜まり29に供給される。
路21から酸素ガスが供給される。このとき、酸素流路
21は、各分岐点で二方向に延在された流路に同じ圧力
で酸素ガスが流れる。このため、この酸素流路21で
は、最終的に枝分かれした16本の流路に対して同じ圧
力で酸素ガスが流れ、酸素溜まり29に供給される。
【0043】また、この酸素溜まり29は、吹出し口2
7に導通されている。すなわち、この酸素溜まり29内
に供給された酸素ガスは、吹出し口27の方向に押さ
れ、吹出し口27より吹き出される。このとき、酸素溜
まり29には、上述したように、16本に分岐した酸素
流路21から均一な圧力で酸素ガスが供給される。これ
により、この吹出し口27からは、その長手方向に均一
な圧力で酸素ガスが吹き出すこととなる。
7に導通されている。すなわち、この酸素溜まり29内
に供給された酸素ガスは、吹出し口27の方向に押さ
れ、吹出し口27より吹き出される。このとき、酸素溜
まり29には、上述したように、16本に分岐した酸素
流路21から均一な圧力で酸素ガスが供給される。これ
により、この吹出し口27からは、その長手方向に均一
な圧力で酸素ガスが吹き出すこととなる。
【0044】さらに、この酸素ガス導入管1には、導入
管下本体部22に冷却回路30が形成されている。この
冷却回路30は、導入管下本体部22の酸素流路21が
形成された面とは反対の面に幅広な溝として形成され、
導入管下本体部22と熱遮蔽板26とが組み合わされる
ことにより形成される。また、この冷却回路30は、図
示しない外部の冷媒供給装置に対して冷媒供給管31及
び冷媒排出管32を介して連結されている。そして、こ
の冷却回路30は、内部に冷媒が循環することにより、
導入管下本体部22を所望の温度に冷却することができ
る。
管下本体部22に冷却回路30が形成されている。この
冷却回路30は、導入管下本体部22の酸素流路21が
形成された面とは反対の面に幅広な溝として形成され、
導入管下本体部22と熱遮蔽板26とが組み合わされる
ことにより形成される。また、この冷却回路30は、図
示しない外部の冷媒供給装置に対して冷媒供給管31及
び冷媒排出管32を介して連結されている。そして、こ
の冷却回路30は、内部に冷媒が循環することにより、
導入管下本体部22を所望の温度に冷却することができ
る。
【0045】さらにまた、この酸素ガス導入管1におい
て、吹出し部25は、図5及び図6に示すように、第1
の吹出し口形成部33と、第2の吹出し口形成部34
と、これら第1の吹出し口形成部33及び第2の吹出し
口形成部34を接続する複数個の接続ピン35と、第1
の吹出し口形成部33及び第2の吹出し口形成部34が
組み合わされた状態でその両端部に配されたスペーサ3
6とから構成される。そして、この吹出し部25は、第
1の吹出し口形成部33と第2の吹出し口形成部34と
が所定の間隔をもって突き合わされてなる吹出し27を
有する。
て、吹出し部25は、図5及び図6に示すように、第1
の吹出し口形成部33と、第2の吹出し口形成部34
と、これら第1の吹出し口形成部33及び第2の吹出し
口形成部34を接続する複数個の接続ピン35と、第1
の吹出し口形成部33及び第2の吹出し口形成部34が
組み合わされた状態でその両端部に配されたスペーサ3
6とから構成される。そして、この吹出し部25は、第
1の吹出し口形成部33と第2の吹出し口形成部34と
が所定の間隔をもって突き合わされてなる吹出し27を
有する。
【0046】この吹出し部25は、上述した導入管下本
体部22と導入管上本体部23とが組み合わされること
により形成される前面部と略同寸法の幅及び長さを有し
ている。このため、この吹出し部25は、導入管下本体
部22と導入管上本体部23とに隙間なく取り付けられ
ることとなる。
体部22と導入管上本体部23とが組み合わされること
により形成される前面部と略同寸法の幅及び長さを有し
ている。このため、この吹出し部25は、導入管下本体
部22と導入管上本体部23とに隙間なく取り付けられ
ることとなる。
【0047】この第1の吹出し口形成部33と第2の吹
出し口形成部34とは、図7に示すように、それぞれ所
定の角度に形成された傾斜面を有して形成されている。
このため、吹出し口27は、酸素ガス導入管1の前面に
対して所定の角度をもって形成されることになる。具体
的に、これら第1の吹出し口形成部33及び第2の吹出
し口形成部34は、例えば、ステンレス鋼からなり、略
直方体のステンレス鋼を切削加工をすることにより形成
される。この切削加工は、ステンレス鋼の長手方向と平
行に、所定の角度となるように行われる。これにより、
第1の吹出し口形成部33及び第2の吹出し口形成部3
4には、それぞれ傾斜面が形成されることとなる。
出し口形成部34とは、図7に示すように、それぞれ所
定の角度に形成された傾斜面を有して形成されている。
このため、吹出し口27は、酸素ガス導入管1の前面に
対して所定の角度をもって形成されることになる。具体
的に、これら第1の吹出し口形成部33及び第2の吹出
し口形成部34は、例えば、ステンレス鋼からなり、略
直方体のステンレス鋼を切削加工をすることにより形成
される。この切削加工は、ステンレス鋼の長手方向と平
行に、所定の角度となるように行われる。これにより、
第1の吹出し口形成部33及び第2の吹出し口形成部3
4には、それぞれ傾斜面が形成されることとなる。
【0048】この場合には、切削加工により切削された
切り口が傾斜面となる。このため、第1の吹出し口形成
部33と第2の吹出し口形成部34とにそれぞれ形成さ
れた傾斜面は、第1の吹出し口形成部33と第2の吹出
し口形成部34とを正確に突き合わせた状態で平行な面
となる。これにより、傾斜面を突き合わせてなる吹出し
口27の間隔を、吹出し口27の幅方向で均一にするこ
とができる。
切り口が傾斜面となる。このため、第1の吹出し口形成
部33と第2の吹出し口形成部34とにそれぞれ形成さ
れた傾斜面は、第1の吹出し口形成部33と第2の吹出
し口形成部34とを正確に突き合わせた状態で平行な面
となる。これにより、傾斜面を突き合わせてなる吹出し
口27の間隔を、吹出し口27の幅方向で均一にするこ
とができる。
【0049】また、この吹出し部25では、図7中
(c)で示すように、吹出し口27の間隔を所定の値と
するため、第1の吹出し口形成部33と第2の吹出し口
形成部34との間にスペーサ36が配設されている。こ
のスペーサ36は、吹出し口27の長手方向の両端部に
配設され、所定の厚みを有する。ここで、スペーサ36
の厚みは、酸素ガスの導入量及び導入領域を規定するも
のであるため、所望の酸素導入量及び所望の酸素導入領
域に従って決定される。
(c)で示すように、吹出し口27の間隔を所定の値と
するため、第1の吹出し口形成部33と第2の吹出し口
形成部34との間にスペーサ36が配設されている。こ
のスペーサ36は、吹出し口27の長手方向の両端部に
配設され、所定の厚みを有する。ここで、スペーサ36
の厚みは、酸素ガスの導入量及び導入領域を規定するも
のであるため、所望の酸素導入量及び所望の酸素導入領
域に従って決定される。
【0050】具体的には、この傾斜面は、吹出し部25
の前面から約50゜の角度で形成されることが好まし
い。また、吹出し口27の幅は、1.0mm〜1.3m
mであることが好ましい。この場合、酸素ガス供給管1
は、酸素ガスを良好に吹き出すことができる。
の前面から約50゜の角度で形成されることが好まし
い。また、吹出し口27の幅は、1.0mm〜1.3m
mであることが好ましい。この場合、酸素ガス供給管1
は、酸素ガスを良好に吹き出すことができる。
【0051】さらに、この吹出し口25は、第1の吹出
し口形成部33と第2の吹出し口形成部34とを固着す
るために複数個の接続ピン35を有する。この接続ピン
35は、第1の吹出し口形成部33及び第2の吹出し口
形成部34に形成された孔に圧入されることによって、
第1の吹出し口形成部33と第2の吹出し口形成部34
とを固着する。
し口形成部33と第2の吹出し口形成部34とを固着す
るために複数個の接続ピン35を有する。この接続ピン
35は、第1の吹出し口形成部33及び第2の吹出し口
形成部34に形成された孔に圧入されることによって、
第1の吹出し口形成部33と第2の吹出し口形成部34
とを固着する。
【0052】この接続ピン35が圧入される孔は、第1
の吹出し口形成部33と第2の吹出し口形成部34とが
正確に組み合わされた状態で同時に穿設される。このと
き、接続ピン35が圧入される孔は、接続ピン35の径
よりやや小径として穿設される。このため、接続ピン3
5は、この孔に対して圧入されることとなり、第1の吹
出し口形成部33と第2の吹出し口形成部34とを確実
に固着する。
の吹出し口形成部33と第2の吹出し口形成部34とが
正確に組み合わされた状態で同時に穿設される。このと
き、接続ピン35が圧入される孔は、接続ピン35の径
よりやや小径として穿設される。このため、接続ピン3
5は、この孔に対して圧入されることとなり、第1の吹
出し口形成部33と第2の吹出し口形成部34とを確実
に固着する。
【0053】この吹出し部27において、接続ピン35
は、図7中(b)及び図8に示すように、略円筒状に形
成され、第1の吹出し口形成部33と第2の吹出し口形
成部34とに挟み込まれるように取り付けられている。
この接続ピン35には、その周面に沿って補助スペーサ
37が形成されている。この補助スペーサ37は、上述
したスペーサ36と略々同寸法の厚みを有し、接続ピン
35の周面に上述した傾斜面と略々同角度をもって形成
されている。すなわち、この吹出し部25では、導入管
下本体部22と導入管上本体部23とが、スペーサ36
と補助スペーサ37とを介して突き合わせることとな
る。このため、吹出し口27は、その幅方向に均一な間
隔を有するものとなる。
は、図7中(b)及び図8に示すように、略円筒状に形
成され、第1の吹出し口形成部33と第2の吹出し口形
成部34とに挟み込まれるように取り付けられている。
この接続ピン35には、その周面に沿って補助スペーサ
37が形成されている。この補助スペーサ37は、上述
したスペーサ36と略々同寸法の厚みを有し、接続ピン
35の周面に上述した傾斜面と略々同角度をもって形成
されている。すなわち、この吹出し部25では、導入管
下本体部22と導入管上本体部23とが、スペーサ36
と補助スペーサ37とを介して突き合わせることとな
る。このため、吹出し口27は、その幅方向に均一な間
隔を有するものとなる。
【0054】なお、この酸素ガス導入管1では、上述し
た接続ピン35の数によって、吹出し口27から射出さ
れる酸素ガスの量を調節することができる。すなわち、
この酸素ガス導入管1において、酸素ガスの射出量を多
くしたい場合には、接続ピン35の数を減らせばよい。
このときも、接続ピン35は、幅方向に均一な間隔で配
されることが好ましい。
た接続ピン35の数によって、吹出し口27から射出さ
れる酸素ガスの量を調節することができる。すなわち、
この酸素ガス導入管1において、酸素ガスの射出量を多
くしたい場合には、接続ピン35の数を減らせばよい。
このときも、接続ピン35は、幅方向に均一な間隔で配
されることが好ましい。
【0055】上述したように形成された吹出し部25
は、導入管下本体部22と導入管上本体部23とを組み
合わされてなる前面部に、複数個のボルト38により取
り付けられる。この複数個のボルト38は、導入管上本
体部23側及び導入管下本体部22側から、それぞれ締
められる。
は、導入管下本体部22と導入管上本体部23とを組み
合わされてなる前面部に、複数個のボルト38により取
り付けられる。この複数個のボルト38は、導入管上本
体部23側及び導入管下本体部22側から、それぞれ締
められる。
【0056】このため、導入管下本体部22、導入管上
本体部23及び吹出し部25とには、それぞれ対応した
位置にボルト38を締めるためのねじ切り加工が施され
ている。言い換えると、この酸素ガス導入管1では、吹
出し部25は、これら複数個のボルト38によって、導
入管本体に対して着脱可能とされる。
本体部23及び吹出し部25とには、それぞれ対応した
位置にボルト38を締めるためのねじ切り加工が施され
ている。言い換えると、この酸素ガス導入管1では、吹
出し部25は、これら複数個のボルト38によって、導
入管本体に対して着脱可能とされる。
【0057】上述のように構成された酸素ガス導入管1
は、上述したような蒸着装置において、酸素ガスを金属
蒸気13に対して吹き付けられる。このとき、蒸着装置
では、その内側が約1000〜1200度程度の高温と
なり、蒸着源11に電子線が照射されることにより金属
蒸気13が発生する。
は、上述したような蒸着装置において、酸素ガスを金属
蒸気13に対して吹き付けられる。このとき、蒸着装置
では、その内側が約1000〜1200度程度の高温と
なり、蒸着源11に電子線が照射されることにより金属
蒸気13が発生する。
【0058】特に、このような蒸着装置では、金属蒸気
13の飛散方向の近傍に酸素ガス導入管1が配設されて
いる。したがって、この酸素ガス導入管1は、蒸気のよ
うな高温下に置かれることとなる。
13の飛散方向の近傍に酸素ガス導入管1が配設されて
いる。したがって、この酸素ガス導入管1は、蒸気のよ
うな高温下に置かれることとなる。
【0059】しかしながら、この酸素ガス導入管1で
は、上述したように、吹出し部25は、導入管本体の前
面に組み込まれてなるような構成である。言い換える
と、この蒸着装置において、吹出し部25は、導入管下
本体部22と導入管上本体部23とにより挟持されてい
る。このため、吹出し部25は、導入管下本体部22及
び導入管上本体部23により熱による変形が抑えられ
る。
は、上述したように、吹出し部25は、導入管本体の前
面に組み込まれてなるような構成である。言い換える
と、この蒸着装置において、吹出し部25は、導入管下
本体部22と導入管上本体部23とにより挟持されてい
る。このため、吹出し部25は、導入管下本体部22及
び導入管上本体部23により熱による変形が抑えられ
る。
【0060】したがって、この酸素ガス導入管1は、高
温下で使用されるとしても、吹出し口27の幅が変化す
るようなことがなく、常に所定の幅であるような吹出し
口27を有する。すなわち、この酸素ガス導入管1は、
常に、所定量の酸素ガスを金属蒸気13に吹き付けるこ
とができる。
温下で使用されるとしても、吹出し口27の幅が変化す
るようなことがなく、常に所定の幅であるような吹出し
口27を有する。すなわち、この酸素ガス導入管1は、
常に、所定量の酸素ガスを金属蒸気13に吹き付けるこ
とができる。
【0061】ところで、この蒸着装置では、酸素ガス導
入管1に金属蒸気13が付着しないように駆動シャッタ
ー15が配設されていた。しかし、この駆動シャッター
15は、酸素ガス導入管1方向への金属蒸気13の飛散
を完全に遮蔽できるものではない。したがって、この蒸
着装置では、酸素ガス導入管の使用時間が増加するにし
たがって、酸素ガス導入管1に金属が堆積してしまうこ
とがある。
入管1に金属蒸気13が付着しないように駆動シャッタ
ー15が配設されていた。しかし、この駆動シャッター
15は、酸素ガス導入管1方向への金属蒸気13の飛散
を完全に遮蔽できるものではない。したがって、この蒸
着装置では、酸素ガス導入管の使用時間が増加するにし
たがって、酸素ガス導入管1に金属が堆積してしまうこ
とがある。
【0062】特に、吹出し口27付近に堆積した金属
は、吹出し口27の幅を狭めることとなる。このような
場合、酸素ガス導入管1は、酸素ガスの吹出し量にばら
つきが生じてしまい、吹出し口27の長手方向に均一な
酸素ガスを吹き出すことができない。
は、吹出し口27の幅を狭めることとなる。このような
場合、酸素ガス導入管1は、酸素ガスの吹出し量にばら
つきが生じてしまい、吹出し口27の長手方向に均一な
酸素ガスを吹き出すことができない。
【0063】従来の酸素ガス導入管では、このような場
合、付着した金属を物理的に除去していた。このよう
に、金属を除去する場合には、酸素ガス導入管自体に傷
を付けないように作業を進めなくてはならず、作業性が
悪かった。また、従来、酸素ガス導入管に傷がついてし
まったり、除去不可能な金属が付着してしまった場合に
は、酸素ガス導入管を交換しなくてはならなかった。
合、付着した金属を物理的に除去していた。このよう
に、金属を除去する場合には、酸素ガス導入管自体に傷
を付けないように作業を進めなくてはならず、作業性が
悪かった。また、従来、酸素ガス導入管に傷がついてし
まったり、除去不可能な金属が付着してしまった場合に
は、酸素ガス導入管を交換しなくてはならなかった。
【0064】しかしながら、上述した酸素ガス導入管1
では、吹出し口27付近に金属蒸気13が付着して金属
が堆積した場合、作業性の悪い物理的な除去を行うこと
なく、吹出し部25を交換すればよい。この酸素ガス導
入管1においては、吹出し部27が導入管本体に対して
着脱可能であるため、導入管本体自体を交換することな
く吹出し部25のみを交換することができる。
では、吹出し口27付近に金属蒸気13が付着して金属
が堆積した場合、作業性の悪い物理的な除去を行うこと
なく、吹出し部25を交換すればよい。この酸素ガス導
入管1においては、吹出し部27が導入管本体に対して
着脱可能であるため、導入管本体自体を交換することな
く吹出し部25のみを交換することができる。
【0065】このように、酸素ガス導入管1では、吹出
し部25を交換することにより、吹出し口27付近に堆
積した金属を取り除くことができる。この場合、吹出し
部25の交換作業は、吹出し部25がボルト38によっ
てのみ導入管本体に取り付けられているため、非常に容
易に行うことができる。
し部25を交換することにより、吹出し口27付近に堆
積した金属を取り除くことができる。この場合、吹出し
部25の交換作業は、吹出し部25がボルト38によっ
てのみ導入管本体に取り付けられているため、非常に容
易に行うことができる。
【0066】また、この酸素ガス導入管1において、吹
出し部25は、比較的簡単な構造を有するため、少ない
コストで容易に製造することができる。このように、酸
素ガス導入管1では、堆積した金属を除去する際に吹出
し部25のみを交換すればよく、低コストで堆積した金
属を除去することができる。
出し部25は、比較的簡単な構造を有するため、少ない
コストで容易に製造することができる。このように、酸
素ガス導入管1では、堆積した金属を除去する際に吹出
し部25のみを交換すればよく、低コストで堆積した金
属を除去することができる。
【0067】ところで、本発明が適用された酸素ガス導
入管1は、その用途が図1に示す蒸着装置に限定され
ず、円盤状の非磁性支持体上に金属薄膜を蒸着するよう
な蒸着装置に用いられてもよい。また、酸素ガス導入管
1は、蒸着装置に対して複数個配されてもよく、例え
ば、図1中Aで示した蒸着領域の上流側と下流側とに配
されてもよい。
入管1は、その用途が図1に示す蒸着装置に限定され
ず、円盤状の非磁性支持体上に金属薄膜を蒸着するよう
な蒸着装置に用いられてもよい。また、酸素ガス導入管
1は、蒸着装置に対して複数個配されてもよく、例え
ば、図1中Aで示した蒸着領域の上流側と下流側とに配
されてもよい。
【0068】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、上述したような酸素ガス導入管1を用い、この酸
素ガス導入管1から射出した酸素ガスを、磁性材料から
蒸発せしめられた上記が蒸着する非磁性支持体上に吹き
付けて磁性層を形成するものである。
法は、上述したような酸素ガス導入管1を用い、この酸
素ガス導入管1から射出した酸素ガスを、磁性材料から
蒸発せしめられた上記が蒸着する非磁性支持体上に吹き
付けて磁性層を形成するものである。
【0069】ここで、蒸着源となる強磁性金属材料とし
ては、Fe、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、
Co−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−C
o系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co−Ni系合
金、Fe−Ni−B系合金、Fe−Co−B系合金、F
e−Co−Ni−B系合金やCo−Cr系合金等が挙げ
られる。
ては、Fe、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、
Co−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−C
o系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co−Ni系合
金、Fe−Ni−B系合金、Fe−Co−B系合金、F
e−Co−Ni−B系合金やCo−Cr系合金等が挙げ
られる。
【0070】また、非磁性支持体としては、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン,
ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリ
アセテート,セルロースジアセテート,セルロースアセ
テートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート,ポリイミド,ポリアミド,ポリアミドイミド等
のプラスティック等が用いられる。
ンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン,
ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリ
アセテート,セルロースジアセテート,セルロースアセ
テートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート,ポリイミド,ポリアミド,ポリアミドイミド等
のプラスティック等が用いられる。
【0071】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法で
は、上述したような酸素ガス導入管1が用いられるた
め、非磁性支持体の幅方向において均一な量の酸素ガス
が吹き付けられる。このため、形成された磁性層は、非
磁性支持体の幅方向において、その磁気特性が均一なも
のとなる。
は、上述したような酸素ガス導入管1が用いられるた
め、非磁性支持体の幅方向において均一な量の酸素ガス
が吹き付けられる。このため、形成された磁性層は、非
磁性支持体の幅方向において、その磁気特性が均一なも
のとなる。
【0072】具体的に、本発明に係る手法を適用して、
磁気記録媒体を製造したところ、図9、図10及び図1
1に示すような磁気特性を有する磁性層が形成された。
ここで、製造された磁気記録媒体は、いわゆるテープ原
反上に磁性層が形成されるものであり、磁性層が形成さ
れたテープ原反を所望の幅を有するテープ状に裁断して
なるものである。そして、これら図9、図10及び図1
1には、幅が約600mmのテープ原反上に形成した磁
性層の磁気特性を示している。なお、これら図9、図1
0及び図11において、横軸は、テープ原反の幅方向の
各点を表している。また、図9には、縦軸に飽和磁化量
(Ms)の分布を示し、図10には、縦軸に保磁力(H
c)の分布を示し、図11には、縦軸に角形比(S)の
分布を示す。
磁気記録媒体を製造したところ、図9、図10及び図1
1に示すような磁気特性を有する磁性層が形成された。
ここで、製造された磁気記録媒体は、いわゆるテープ原
反上に磁性層が形成されるものであり、磁性層が形成さ
れたテープ原反を所望の幅を有するテープ状に裁断して
なるものである。そして、これら図9、図10及び図1
1には、幅が約600mmのテープ原反上に形成した磁
性層の磁気特性を示している。なお、これら図9、図1
0及び図11において、横軸は、テープ原反の幅方向の
各点を表している。また、図9には、縦軸に飽和磁化量
(Ms)の分布を示し、図10には、縦軸に保磁力(H
c)の分布を示し、図11には、縦軸に角形比(S)の
分布を示す。
【0073】また、図9、図10及び図11において、
○は酸素ガスの導入量が単位時間当たり400ccの場
合を示し、△は酸素ガスの導入量が単位時間当たり80
0ccの場合を示し、□は酸素ガスの導入量が単位時間
当たり1000ccの場合を示す。
○は酸素ガスの導入量が単位時間当たり400ccの場
合を示し、△は酸素ガスの導入量が単位時間当たり80
0ccの場合を示し、□は酸素ガスの導入量が単位時間
当たり1000ccの場合を示す。
【0074】また、本発明に係る手法と比較するため
に、従来技術において図16で示したような従来の酸素
ガス導入管を用いて磁気記録媒体を製造した。この場合
も、上述した場合と同様に、幅が約600mmのテープ
原反上に磁性層を形成した。このときの磁気記録媒体の
磁気特性を測定したところ、図12、図13及び図14
に示すような結果となった。
に、従来技術において図16で示したような従来の酸素
ガス導入管を用いて磁気記録媒体を製造した。この場合
も、上述した場合と同様に、幅が約600mmのテープ
原反上に磁性層を形成した。このときの磁気記録媒体の
磁気特性を測定したところ、図12、図13及び図14
に示すような結果となった。
【0075】なお、これら図12、図13及び図14に
おいて、横軸は、テープ原反の幅方向における各点を表
している。また、図12には、縦軸に飽和磁化量(M
s)の分布を示し、図13には、縦軸に保磁力(Hc)
の分布を示し、図14には、縦軸に角形比(S)の分布
を示す。
おいて、横軸は、テープ原反の幅方向における各点を表
している。また、図12には、縦軸に飽和磁化量(M
s)の分布を示し、図13には、縦軸に保磁力(Hc)
の分布を示し、図14には、縦軸に角形比(S)の分布
を示す。
【0076】これら図9乃至図11と図12乃至図14
とを比較すると、本発明に係る手法を適用して製造され
た磁気記録媒体は、非磁性支持体の幅方向において均一
な磁気特性を示している。これに対して、従来の酸素ガ
ス導入管を用いて製造した磁気記録媒体は、非磁性支持
体の幅方向において均一な磁気特性を示していない。
とを比較すると、本発明に係る手法を適用して製造され
た磁気記録媒体は、非磁性支持体の幅方向において均一
な磁気特性を示している。これに対して、従来の酸素ガ
ス導入管を用いて製造した磁気記録媒体は、非磁性支持
体の幅方向において均一な磁気特性を示していない。
【0077】このように、従来の手法では、テープ原反
上に各点における磁気特性が大きく異なっているため、
テープ原反を裁断してなるテープ状の磁気記録媒体とし
ては、磁気特性に大きなばらつきを有するものとなる。
これに対して、本発明に係る手法では、テープ原反上の
各点において、略均一な磁気特性を有するように磁性層
を形成することができる。このため、テープ原反を裁断
してなるテープ状の磁気記録媒体としては、それぞれに
略均一な磁気特性を有するものとなる。
上に各点における磁気特性が大きく異なっているため、
テープ原反を裁断してなるテープ状の磁気記録媒体とし
ては、磁気特性に大きなばらつきを有するものとなる。
これに対して、本発明に係る手法では、テープ原反上の
各点において、略均一な磁気特性を有するように磁性層
を形成することができる。このため、テープ原反を裁断
してなるテープ状の磁気記録媒体としては、それぞれに
略均一な磁気特性を有するものとなる。
【0078】以上、本発明に係る手法を、金属磁性薄膜
を成膜する場合を例にして説明したが、この手法によっ
て成膜される蒸着膜は金属磁性薄膜に限らない。特定の
ガスを導入しながら蒸着形成される蒸着膜がいずれも成
膜可能であり、同様の作用によってガス導入量の均一な
蒸着膜を形成することが可能である。
を成膜する場合を例にして説明したが、この手法によっ
て成膜される蒸着膜は金属磁性薄膜に限らない。特定の
ガスを導入しながら蒸着形成される蒸着膜がいずれも成
膜可能であり、同様の作用によってガス導入量の均一な
蒸着膜を形成することが可能である。
【0079】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係るガス導入管では、吹出し口を交換する場合に吹
出し部のみを交換すればよい。このため、このガス導入
管では、低コストで吹出し口の交換を行うことができ
る。
明に係るガス導入管では、吹出し口を交換する場合に吹
出し部のみを交換すればよい。このため、このガス導入
管では、低コストで吹出し口の交換を行うことができ
る。
【0080】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法によれば、上述したようなガス導入管が用いられるた
め、磁気特性が高度に均一化された磁性層を形成するこ
とができる。このため、本発明に係る手法によれば、良
好な電磁変換特性を有する磁気記録媒体を製造すること
ができる。
法によれば、上述したようなガス導入管が用いられるた
め、磁気特性が高度に均一化された磁性層を形成するこ
とができる。このため、本発明に係る手法によれば、良
好な電磁変換特性を有する磁気記録媒体を製造すること
ができる。
【図1】蒸着装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係るガス導入管を一部切り欠いて示す
平面図である。
平面図である。
【図3】本発明に係るガス導入管を一部切り欠いて示す
斜視図である。
斜視図である。
【図4】本発明に係るガス導入管の縦断断面図である。
【図5】本発明に係るガス導入管における吹出し部の斜
視図である。
視図である。
【図6】吹出し部の正面図である。
【図7】吹出し部の断面図であり、(a)は図6中A−
A線における断面図であり、(b)は図6中B−B線に
おける断面図であり、(c)は図6中C−C線における
断面図である。
A線における断面図であり、(b)は図6中B−B線に
おける断面図であり、(c)は図6中C−C線における
断面図である。
【図8】吹出し部を分解して示す断面図である。
【図9】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法を用いて
製造した磁気記録媒体の幅方向における飽和磁化の分布
を示す特性図である。
製造した磁気記録媒体の幅方向における飽和磁化の分布
を示す特性図である。
【図10】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法を用い
て製造した磁気記録媒体の幅方向における保磁力の分布
を示す特性図である。
て製造した磁気記録媒体の幅方向における保磁力の分布
を示す特性図である。
【図11】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法を用い
て製造した磁気記録媒体の幅方向における角形比の分布
を示す特性図である。
て製造した磁気記録媒体の幅方向における角形比の分布
を示す特性図である。
【図12】従来の酸素ガス導入管を用いて製造した磁気
記録媒体の幅方向における飽和磁化の分布を示す特性図
である。
記録媒体の幅方向における飽和磁化の分布を示す特性図
である。
【図13】従来の酸素ガス導入管を用いて製造した磁気
記録媒体の幅方向における保磁力の分布を示す特性図で
ある。
記録媒体の幅方向における保磁力の分布を示す特性図で
ある。
【図14】従来の酸素ガス導入管を用いて製造した磁気
記録媒体の幅方向における角形比の分布を示す特性図で
ある。
記録媒体の幅方向における角形比の分布を示す特性図で
ある。
【図15】従来の酸素ガス導入管の一部を切り欠いて示
す要部平面図である。
す要部平面図である。
【図16】従来の酸素ガス導入管の断面図である。
1 酸素ガス導入管、6 非磁性支持体、7 冷却キャ
ン、11 蒸発源、13金属蒸気、14 防着板、20
ガス供給管、21 酸素流路、22 導入管下本体
部、23 導入管上本体部、24 銅パッキン、25
吹出し部、 26熱遮蔽板、27 吹出し口
ン、11 蒸発源、13金属蒸気、14 防着板、20
ガス供給管、21 酸素流路、22 導入管下本体
部、23 導入管上本体部、24 銅パッキン、25
吹出し部、 26熱遮蔽板、27 吹出し口
Claims (6)
- 【請求項1】 ガスが供給されるガス供給管と、 上記ガス供給管が接続され、上記ガス供給管から供給さ
れたガスの流路となるガス流路を有する本体部と、 上記ガス供給管が接続された部分とは反対側に位置して
上記本体部に組み込まれ、外部に臨むように吹出し口が
形成され、この吹出し口を介してガスを外部へ射出する
吹出し部とを備え、 上記吹出し部は、上記本体部に対して脱着可能とされる
ことを特徴とするガス導入管。 - 【請求項2】 上記本体部及び上記吹出し部は、線膨張
係数が同等の材料からなることを特徴とする請求項1の
ガス導入管。 - 【請求項3】 上記吹出し部は、上部吹出し口形成部と
下部吹出し口形成部と複数個の接続ピンとからなり、こ
れら接続ピンが上部吹出し口形成部及び下部吹出し口形
成部に圧入されることにより、一体に形成されたことを
特徴とする請求項1記載のガス導入管。 - 【請求項4】 上記接続ピンは、上部吹出し口形成部と
下部吹出し口形成部との間に狭持されるスペーサ部材を
有し、吹出し口の幅方向に略々均等に配されたことを特
徴とする請求項3記載のガス導入管。 - 【請求項5】 上記吹出し部は、上記本体部に挟持され
ていることを特徴とする請求項1記載のガス導入管 - 【請求項6】 ガスが供給されるガス供給管と、上記ガ
ス供給管が接続され、上記ガス供給管から供給されたガ
スの流路となるガス流路を有する本体部と、上記ガス供
給管が接続された部分とは反対側に位置して上記本体部
に組み込まれ、外部に臨むように吹出し口が形成され、
この吹出し口を介してガスを外部へ射出する吹出し部と
を備え、上記吹出し部が上記本体部に対して脱着可能と
されるガス導入管が用いられ、 上記ガス導入管から射出したガスを、磁性材料が蒸着す
る非磁性支持体上に吹き付けて磁性層を形成することを
特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9169196A JPH1112721A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | ガス導入管及びこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 |
US09/103,707 US6021964A (en) | 1997-06-25 | 1998-06-24 | Gas introduction pipe and magnetic recording medium production method using the pipe |
US09/345,866 US6238730B1 (en) | 1997-06-25 | 1999-07-01 | Gas introduction pipe and magnetic recording medium production method using the pipe |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9169196A JPH1112721A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | ガス導入管及びこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112721A true JPH1112721A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15882001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9169196A Withdrawn JPH1112721A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | ガス導入管及びこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US6021964A (ja) |
JP (1) | JPH1112721A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100081883A1 (en) * | 2008-09-30 | 2010-04-01 | Ethicon Endo-Surgery, Inc. | Methods and devices for performing gastroplasties using a multiple port access device |
US11028345B2 (en) | 2018-11-27 | 2021-06-08 | Ava Stern | Organic hemp dryer sheet |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3113028C2 (de) * | 1981-04-01 | 1983-10-13 | Gkss - Forschungszentrum Geesthacht Gmbh, 2054 Geesthacht | Vorrichtung zur Oberflächenbehandlung von Unterwasserbauwerken und Schiffen |
JPH05128514A (ja) * | 1991-11-07 | 1993-05-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 蒸着磁気記録媒体の製造方法 |
JP3224113B2 (ja) * | 1993-10-20 | 2001-10-29 | 富士写真フイルム株式会社 | 塗布方法 |
DE4443530A1 (de) * | 1993-12-16 | 1995-06-22 | Basf Magnetics Gmbh | Magnetisches Aufzeichnungsmedium und Verfahren zur Herstellung desselben |
US5569523A (en) * | 1994-02-28 | 1996-10-29 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetic recording medium having a ferromagnetic thin film in which 70% to 90% of the total magnetic particles have residual magnetization vectors within ±10° of the easy axis direction |
-
1997
- 1997-06-25 JP JP9169196A patent/JPH1112721A/ja not_active Withdrawn
-
1998
- 1998-06-24 US US09/103,707 patent/US6021964A/en not_active Expired - Fee Related
-
1999
- 1999-07-01 US US09/345,866 patent/US6238730B1/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6238730B1 (en) | 2001-05-29 |
US6021964A (en) | 2000-02-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040907 |