JPH11126843A - パッケージ気密封止用金属製リッドとその製造方法 - Google Patents
パッケージ気密封止用金属製リッドとその製造方法Info
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- JPH11126843A JPH11126843A JP29122797A JP29122797A JPH11126843A JP H11126843 A JPH11126843 A JP H11126843A JP 29122797 A JP29122797 A JP 29122797A JP 29122797 A JP29122797 A JP 29122797A JP H11126843 A JPH11126843 A JP H11126843A
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 Au蒸着パターンをもつ素子を含む半導体装置
のパッージの気密封止の際の特性劣化を防止する金属製
リッドとその製造方法を提供する。 【解決手段】InまたはSnを含む合金から成るはんだを金
属板にクラッドさせた金属製リッドの製造工程での洗浄
工程で非塩素系洗浄液を用いて洗浄し、表面に塩素また
は塩素化合物を実質上含まないようにする。
のパッージの気密封止の際の特性劣化を防止する金属製
リッドとその製造方法を提供する。 【解決手段】InまたはSnを含む合金から成るはんだを金
属板にクラッドさせた金属製リッドの製造工程での洗浄
工程で非塩素系洗浄液を用いて洗浄し、表面に塩素また
は塩素化合物を実質上含まないようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッケージ気密封
止用金属製リッドとその製造方法、特にInまたはSn含有
はんだ合金をクラッドした金属製リッドとその製造方法
に関する。
止用金属製リッドとその製造方法、特にInまたはSn含有
はんだ合金をクラッドした金属製リッドとその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子や水晶振動子等は、金属製あ
るいはセラミック製あるいは有機樹脂製のパッケージ内
に組立て、収容され、最終的にそれにリッドと呼ばれる
蓋をすることで周囲雰囲気から封止して使用される。リ
ッドの封止材としては、リッドの素材如何によって接着
材あるいははんだが用いられるが、はんだを用いる場合
には、予めはんだをリッドに設けておくことが大量生産
を行う上で必要となる。
るいはセラミック製あるいは有機樹脂製のパッケージ内
に組立て、収容され、最終的にそれにリッドと呼ばれる
蓋をすることで周囲雰囲気から封止して使用される。リ
ッドの封止材としては、リッドの素材如何によって接着
材あるいははんだが用いられるが、はんだを用いる場合
には、予めはんだをリッドに設けておくことが大量生産
を行う上で必要となる。
【0003】そのためには、封止材であるはんだを予め
クラッドした金属板にプレス打ち抜きを行って得られる
金属製リッドが用いられているが、そのような金属製リ
ッドは今日的要求としての低コスト化、パッケージの小
型化に対応できるパッケージ気密封止用リッドとして有
望である。
クラッドした金属板にプレス打ち抜きを行って得られる
金属製リッドが用いられているが、そのような金属製リ
ッドは今日的要求としての低コスト化、パッケージの小
型化に対応できるパッケージ気密封止用リッドとして有
望である。
【0004】しかしながら、上述のようなはんだを封止
材とする金属製リッドを使用すると、例えば水晶振動子
などのAu蒸着パターンをもつ素子を半導体装置とともに
封止する場合、Au蒸着パターンの特性が変化することが
経験されている。つまり、Au蒸着パターンをもつ水晶振
動子の場合、周波数特性が変化し素子の設計上の特性値
からずれたものになる。
材とする金属製リッドを使用すると、例えば水晶振動子
などのAu蒸着パターンをもつ素子を半導体装置とともに
封止する場合、Au蒸着パターンの特性が変化することが
経験されている。つまり、Au蒸着パターンをもつ水晶振
動子の場合、周波数特性が変化し素子の設計上の特性値
からずれたものになる。
【0005】現状ではそのような問題点の解消には、特
性値の許容範囲を大きくすることによって対処している
が、そのような対策は言わば対処療法であって、根本的
な解決には至っていない。
性値の許容範囲を大きくすることによって対処している
が、そのような対策は言わば対処療法であって、根本的
な解決には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここに、本発明の目的
は、上述のようにはんだ合金を封止材とするリッドを使
用した場合に見られる素子の特性劣化を防止する技術を
開発することである。本発明のより具体的な目的は、Au
蒸着パターンをもつ素子を含む半導体装置等のパッケー
ジの気密封止用金属製リッドとその製造方法を提供する
ことである。
は、上述のようにはんだ合金を封止材とするリッドを使
用した場合に見られる素子の特性劣化を防止する技術を
開発することである。本発明のより具体的な目的は、Au
蒸着パターンをもつ素子を含む半導体装置等のパッケー
ジの気密封止用金属製リッドとその製造方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のよ
うな課題を解決するために種々検討を重ね、次のような
知見を得た。
うな課題を解決するために種々検討を重ね、次のような
知見を得た。
【0008】はんだを封止材とするリッドで水晶振動
子などのAu蒸着パターンをもつ素子を封止する場合、素
子のAu蒸着パターンにIn、Snが付着し、Au蒸着パターン
の特性を変化させる。
子などのAu蒸着パターンをもつ素子を封止する場合、素
子のAu蒸着パターンにIn、Snが付着し、Au蒸着パターン
の特性を変化させる。
【0009】水晶振動子の場合、そのIn、Snの付着に
よって、周波数特性が変化し素子の設計上の特性値から
ずれたものになる。
よって、周波数特性が変化し素子の設計上の特性値から
ずれたものになる。
【0010】はんだ表面をオージュ分析した結果、塩
素が検出されており、この原因が製造工程の洗浄工程で
用いられていた塩素系洗浄液による残留塩素であること
が判明した。すなわち、はんだを封止材とする金属製リ
ッドでは、その製造工程中にはんだ表面に塩素が付着
し、はんだ成分であるIn、Snの塩化物が生成する。
素が検出されており、この原因が製造工程の洗浄工程で
用いられていた塩素系洗浄液による残留塩素であること
が判明した。すなわち、はんだを封止材とする金属製リ
ッドでは、その製造工程中にはんだ表面に塩素が付着
し、はんだ成分であるIn、Snの塩化物が生成する。
【0011】In、Snの塩化物は蒸気圧が大きく、250
〜330 ℃の封止温度で揮発する。In、SnはAuとの反応性
が良いため、水晶振動子等のAu蒸着パターンをもった素
子の場合、素子のAu蒸着パターン面にIn、Snが付着す
る。In、Snが付着するとAu蒸着パターンの特性が変化
し、水晶振動子では周波数特性等の変動を生じさせるの
である。
〜330 ℃の封止温度で揮発する。In、SnはAuとの反応性
が良いため、水晶振動子等のAu蒸着パターンをもった素
子の場合、素子のAu蒸着パターン面にIn、Snが付着す
る。In、Snが付着するとAu蒸着パターンの特性が変化
し、水晶振動子では周波数特性等の変動を生じさせるの
である。
【0012】よって、本発明は、InまたはSnを含む合金
から成るはんだを金属板にクラッドさせた金属製リッド
であって、その表面に塩素または塩素化合物を実質上付
着させていないパッケージ気密封止用金属製リッドであ
る。
から成るはんだを金属板にクラッドさせた金属製リッド
であって、その表面に塩素または塩素化合物を実質上付
着させていないパッケージ気密封止用金属製リッドであ
る。
【0013】また、別の面からは、本発明は、Inまたは
Snを含む合金から成るはんだを金属板にクラッドさせた
金属製リッドの少なくとも最終製造工程での洗浄工程で
非塩素系洗浄液を用いて洗浄することを特徴としたパッ
ケージ気密封止用金属製リッドの製造方法である。
Snを含む合金から成るはんだを金属板にクラッドさせた
金属製リッドの少なくとも最終製造工程での洗浄工程で
非塩素系洗浄液を用いて洗浄することを特徴としたパッ
ケージ気密封止用金属製リッドの製造方法である。
【0014】かくして、本発明によれば、例えばAu蒸着
面を持つ水晶振動子を組み込んだ水晶発振器装置のパッ
ケージを金属製リッドを使って封止する際に、合金はん
だの合金成分としてInまたはSnが用いられていても、In
およびSnのAu蒸着面への付着を防止でき、水晶振動子の
特性劣化を効果的に防止できる。
面を持つ水晶振動子を組み込んだ水晶発振器装置のパッ
ケージを金属製リッドを使って封止する際に、合金はん
だの合金成分としてInまたはSnが用いられていても、In
およびSnのAu蒸着面への付着を防止でき、水晶振動子の
特性劣化を効果的に防止できる。
【0015】したがって、本発明は、さらに別の面から
は、Au蒸着面を持つ素子を組み込んだパッケージを、は
んだをクラッド化した金属製リッドを使って封止する際
に、表面に塩素または塩素化合物を実質上含まない金属
製リッドを用いることで、合金はんだの合金成分として
含まれるInまたはSnのAu蒸着面への付着を防止して、上
記素子の特性劣化を防止する方法である。
は、Au蒸着面を持つ素子を組み込んだパッケージを、は
んだをクラッド化した金属製リッドを使って封止する際
に、表面に塩素または塩素化合物を実質上含まない金属
製リッドを用いることで、合金はんだの合金成分として
含まれるInまたはSnのAu蒸着面への付着を防止して、上
記素子の特性劣化を防止する方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明にかかるInまたはSnを含む
はんだをクラッドさせた金属リッドの製造方法は、その
工程図を図1に示すが、それによれば次の通りである。
はんだをクラッドさせた金属リッドの製造方法は、その
工程図を図1に示すが、それによれば次の通りである。
【0017】例えばコバーあるいは42アロイ等の金属板
を用意するとともに、InまたはSnを含むはんだ合金のリ
ボンを、従来は例えば塩化メチレン洗浄液を使って洗浄
していたのに対して、本発明ではパラフィン系炭化水素
洗浄液 (例:東ソー製HC-250やHC-FX50 等) を使って洗
浄し、次いで清浄面であるそれぞれの接合面を圧着・組
立ててから、金属板とはんだ合金リボンの圧着組立体に
圧延を行い、金属板とはんだ合金とのクラッド化を図
る。かかるクラッド化自体はすでに公知であって、その
操作を行えばよい。
を用意するとともに、InまたはSnを含むはんだ合金のリ
ボンを、従来は例えば塩化メチレン洗浄液を使って洗浄
していたのに対して、本発明ではパラフィン系炭化水素
洗浄液 (例:東ソー製HC-250やHC-FX50 等) を使って洗
浄し、次いで清浄面であるそれぞれの接合面を圧着・組
立ててから、金属板とはんだ合金リボンの圧着組立体に
圧延を行い、金属板とはんだ合金とのクラッド化を図
る。かかるクラッド化自体はすでに公知であって、その
操作を行えばよい。
【0018】圧延後は、従来は塩化メチレン等で洗浄し
ていたが、本発明ではベンゼンで洗浄してから、得られ
たクラッド化金属板をプレス打ち抜きによって所要形
状、寸法のリッドに成形する。
ていたが、本発明ではベンゼンで洗浄してから、得られ
たクラッド化金属板をプレス打ち抜きによって所要形
状、寸法のリッドに成形する。
【0019】このようにしてプレス打ち抜きされたクラ
ッド化リッドは、最終的に、例えば従来は塩化メチレン
等で洗浄していたのに対して本発明によれば、好ましく
はすべての洗浄工程で非塩素系洗浄液であるアセトンを
洗浄液としてを使って洗浄して金属製リッド製品とする
のである。したがって、本発明によれば、得られるクラ
ッド化金属製リッドは実質上塩素または塩素化合物をそ
の表面には含まないのである。
ッド化リッドは、最終的に、例えば従来は塩化メチレン
等で洗浄していたのに対して本発明によれば、好ましく
はすべての洗浄工程で非塩素系洗浄液であるアセトンを
洗浄液としてを使って洗浄して金属製リッド製品とする
のである。したがって、本発明によれば、得られるクラ
ッド化金属製リッドは実質上塩素または塩素化合物をそ
の表面には含まないのである。
【0020】かかる効果を実現するための洗浄は非塩素
系洗浄液を使用する。具体的には、アルコール、アセト
ン、ベンゼン、パラフィン系炭化水素等を用いればよ
い。そして、少なくとも最終工程における洗浄工程にお
いてそのような非塩素系洗浄液を使用すればよいが、好
ましくは、上述の例のように、はんだリボン作製後、圧
延後、さらにプレス加工後のそれぞれにおいて非塩素系
洗浄液で洗浄する。
系洗浄液を使用する。具体的には、アルコール、アセト
ン、ベンゼン、パラフィン系炭化水素等を用いればよ
い。そして、少なくとも最終工程における洗浄工程にお
いてそのような非塩素系洗浄液を使用すればよいが、好
ましくは、上述の例のように、はんだリボン作製後、圧
延後、さらにプレス加工後のそれぞれにおいて非塩素系
洗浄液で洗浄する。
【0021】塩素イオンの混入源としては塩素系洗浄液
が主であるが、その他、圧延機やプレスマシーンの潤滑
油等も考えられるため、本発明の好適態様にあっては、
上述のような各製造工程の終了時点で非塩素系洗浄液で
洗浄を行う。
が主であるが、その他、圧延機やプレスマシーンの潤滑
油等も考えられるため、本発明の好適態様にあっては、
上述のような各製造工程の終了時点で非塩素系洗浄液で
洗浄を行う。
【0022】通常、半導体装置や水晶発振器装置等の組
立ラインにおいては塩素イオンの混入は考えられないか
ら、上述のようにクラッド化リッドの製造時に塩素イオ
ンの制限を行うだけでInおよび/またはSnの蒸発を防止
できるのである。
立ラインにおいては塩素イオンの混入は考えられないか
ら、上述のようにクラッド化リッドの製造時に塩素イオ
ンの制限を行うだけでInおよび/またはSnの蒸発を防止
できるのである。
【0023】本発明において使用できるInまたはSnを含
む合金はんだとしては、Pb−Sn、Pb−Sn−Ag、Pb−Sn−
In−Ag、Pb−Bi−Sn−In−Ag、Pb−In、Pb−In−Ag、Pb
−Sn−In、Sn−Ag等があり、具体的にはBi:2〜15%、
Sn:2〜6%、および/またはIn:0.5 〜2%、Ag:0.
5 〜2%、残部Pbが例示され、いずれであっても特に制
限はない。
む合金はんだとしては、Pb−Sn、Pb−Sn−Ag、Pb−Sn−
In−Ag、Pb−Bi−Sn−In−Ag、Pb−In、Pb−In−Ag、Pb
−Sn−In、Sn−Ag等があり、具体的にはBi:2〜15%、
Sn:2〜6%、および/またはIn:0.5 〜2%、Ag:0.
5 〜2%、残部Pbが例示され、いずれであっても特に制
限はない。
【0024】本発明が適用されるパッケージとして、多
くのものが考えられるが、例えば水晶振動子を有するも
のとしては、水晶振動子をパッケージ内に単体で実装
し、パッケージ外に組み込まれた半導体素子でもって、
発振器機能をもたせるものと、パッケージ内に水晶振動
子とICを同時に実装して発振器機能をもたせているも
ののいずれであっても制限されない。さらに、TCXO
(TemperatureCompensated Crystal Oscillator) のよう
な温度補償回路付き水晶発振器等も包含される。また、
水晶振動子の他にAu蒸着面をもった素子であれば、本発
明の適用が可能である。
くのものが考えられるが、例えば水晶振動子を有するも
のとしては、水晶振動子をパッケージ内に単体で実装
し、パッケージ外に組み込まれた半導体素子でもって、
発振器機能をもたせるものと、パッケージ内に水晶振動
子とICを同時に実装して発振器機能をもたせているも
ののいずれであっても制限されない。さらに、TCXO
(TemperatureCompensated Crystal Oscillator) のよう
な温度補償回路付き水晶発振器等も包含される。また、
水晶振動子の他にAu蒸着面をもった素子であれば、本発
明の適用が可能である。
【0025】
【実施例】まず、予備実験として通常半導体パッケージ
の封止用に用いられる各種はんだについて、その合金成
分が、Au、Al、およびSiの各蒸着面に付着するのか否か
を調べた。使用はんだ合金の組成は次の通りであった。
の封止用に用いられる各種はんだについて、その合金成
分が、Au、Al、およびSiの各蒸着面に付着するのか否か
を調べた。使用はんだ合金の組成は次の通りであった。
【0026】Bi:7.9 %、Sn:4.3 %、In:0.9 %、
Ag:1.2 %、残部Pb、 Sn:7.8 %、Ag:2.1 %、残部Pb、 Sn:11.9%、Sb:7.9 %、Ag:0.9 %、残部Pb。
Ag:1.2 %、残部Pb、 Sn:7.8 %、Ag:2.1 %、残部Pb、 Sn:11.9%、Sb:7.9 %、Ag:0.9 %、残部Pb。
【0027】操作としては、各組成のはんだ合金を塩素
含有雰囲気下でそれぞれの封止温度に加熱し、それらの
合金成分である各金属が近傍において上述の各金属の蒸
着面に付着するか否かを調べた。結果は、表1にまとめ
て示すが、表中、「ND」とあるのは、付着が見られなか
ったことを意味する。
含有雰囲気下でそれぞれの封止温度に加熱し、それらの
合金成分である各金属が近傍において上述の各金属の蒸
着面に付着するか否かを調べた。結果は、表1にまとめ
て示すが、表中、「ND」とあるのは、付着が見られなか
ったことを意味する。
【0028】表1の結果からも、はんだの各合金成分の
うち、InおよびSnだけがが通常の封止条件下で容易にAu
蒸着面に付着することが分かる。Si、Al等、その他の金
属の面には上記InおよびSnを含めて何等の付着も見られ
ない。
うち、InおよびSnだけがが通常の封止条件下で容易にAu
蒸着面に付着することが分かる。Si、Al等、その他の金
属の面には上記InおよびSnを含めて何等の付着も見られ
ない。
【0029】
【表1】
【0030】よって、本来SiであるLSI 等の半導体素子
や、Alの蒸着面を備えたSAW フィルタの封止には問題な
いが、Au蒸着パターンを備えた水晶振動子のような素子
には、InまたはSn含有はんだ合金の封止材としての使用
は問題となることが分かる。
や、Alの蒸着面を備えたSAW フィルタの封止には問題な
いが、Au蒸着パターンを備えた水晶振動子のような素子
には、InまたはSn含有はんだ合金の封止材としての使用
は問題となることが分かる。
【0031】また、Sn、InがAu面に付着するのは、Sn、
InがAuとの反応性が良いためである。さらに、Inを含む
はんだ合金の場合にはInが付着し、Inを含まずSnを含む
はんだ合金でSnが付着する。このようなAu蒸着面だけへ
のSn、Inの付着のメカニズムは次のように考えられる。
InがAuとの反応性が良いためである。さらに、Inを含む
はんだ合金の場合にはInが付着し、Inを含まずSnを含む
はんだ合金でSnが付着する。このようなAu蒸着面だけへ
のSn、Inの付着のメカニズムは次のように考えられる。
【0032】すなわち、Au蒸着面へのSn、Inの付着はは
んだの飛散ではなく、Sn、In成分のみがはんだより揮発
したものである。そのためSnまたはInのみAu蒸着面全体
に付着している。
んだの飛散ではなく、Sn、In成分のみがはんだより揮発
したものである。そのためSnまたはInのみAu蒸着面全体
に付着している。
【0033】ここで、はんだ成分の内、Inおよび/また
はSnだけが付着するかについて検討するが、各はんだ成
分の蒸気圧を比較すると、表2に示す通りである。
はSnだけが付着するかについて検討するが、各はんだ成
分の蒸気圧を比較すると、表2に示す通りである。
【0034】
【表2】
【0035】すなわち、Sn、Inの塩化物の蒸気圧が単体
に比べ大きいことから、はんだに塩素が付着し、Sn、In
塩化物が生成している場合、塩化物として容易に揮発す
る。
に比べ大きいことから、はんだに塩素が付着し、Sn、In
塩化物が生成している場合、塩化物として容易に揮発す
る。
【0036】したがって、リッドの製造に際しても、使
用に際しても、常にはんだに付着している塩素イオンを
低減させることで前述のようなAu蒸着面への付着を防止
できるのである。
用に際しても、常にはんだに付着している塩素イオンを
低減させることで前述のようなAu蒸着面への付着を防止
できるのである。
【0037】次に、図1に示す工程図に従って前述のよ
うにして表面の残留塩素イオン量を制限したPb−Bi−Sn
−In−Ag合金 (Bi:7.9 %、Sn:4.3 %、In:0.9 %、
Ag:1.2 %) から成るはんだクラッドコバー製リッドを
製作した。得られたはんだクラッドコバー製リッドを使
って、Au蒸着面を備えた水晶振動子を収容するパッケー
ジの気密封止を行った。
うにして表面の残留塩素イオン量を制限したPb−Bi−Sn
−In−Ag合金 (Bi:7.9 %、Sn:4.3 %、In:0.9 %、
Ag:1.2 %) から成るはんだクラッドコバー製リッドを
製作した。得られたはんだクラッドコバー製リッドを使
って、Au蒸着面を備えた水晶振動子を収容するパッケー
ジの気密封止を行った。
【0038】製造時の使用洗浄液の種類も含めて結果を
表3にまとめて示す。なお、従来例は、製造時の洗浄液
としてそれぞれ示す洗浄液を使用した点を除いて他は本
発明のそれと同一であった。これからも分かるように、
本発明によれば、Au面へのIn、Snの付着が発生せず、水
晶振動子用パッケージを封止する場合でも周波数特性は
劣化しない。
表3にまとめて示す。なお、従来例は、製造時の洗浄液
としてそれぞれ示す洗浄液を使用した点を除いて他は本
発明のそれと同一であった。これからも分かるように、
本発明によれば、Au面へのIn、Snの付着が発生せず、水
晶振動子用パッケージを封止する場合でも周波数特性は
劣化しない。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、従来問題であった合金はんだをクラッド化した金属
製リッドを用いたときに見られる素子の誤動作について
その原因が究明され、その防止策も確立された。
ば、従来問題であった合金はんだをクラッド化した金属
製リッドを用いたときに見られる素子の誤動作について
その原因が究明され、その防止策も確立された。
【図1】本発明にかかるはんだクラッド化金属製リッド
の製造工程のフローチャートである。
の製造工程のフローチャートである。
Claims (4)
- 【請求項1】 InまたはSnを含む合金から成るはんだを
金属板にクラッドさせた金属製リッドであって、その表
面に塩素または塩素化合物を実質上付着させていないパ
ッケージ気密封止用金属製リッド。 - 【請求項2】 Au蒸着面を有する素子を含むパッケージ
の気密封止用である請求項1記載の金属製リッド。 - 【請求項3】 InまたはSnを含む合金から成るはんだを
金属板にクラッドさせた金属製リッドの少なくとも最終
製造工程での洗浄工程で非塩素系洗浄液を用いて洗浄す
ることを特徴としたパッケージ気密封止用金属製リッド
の製造方法。 - 【請求項4】 InまたはSnを含む合金から成るはんだを
金属板にクラッドさせた金属製リッドの製造工程での洗
浄工程で非塩素系洗浄液を用いて洗浄することを特徴と
したAu蒸着面を含むパッケージ気密封止用金属製リッド
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29122797A JPH11126843A (ja) | 1997-10-23 | 1997-10-23 | パッケージ気密封止用金属製リッドとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29122797A JPH11126843A (ja) | 1997-10-23 | 1997-10-23 | パッケージ気密封止用金属製リッドとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11126843A true JPH11126843A (ja) | 1999-05-11 |
Family
ID=17766128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29122797A Withdrawn JPH11126843A (ja) | 1997-10-23 | 1997-10-23 | パッケージ気密封止用金属製リッドとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11126843A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003078058A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-14 | Kinseki Ltd | 電子部品の封止方法 |
-
1997
- 1997-10-23 JP JP29122797A patent/JPH11126843A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003078058A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-14 | Kinseki Ltd | 電子部品の封止方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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