JPH11126593A - 棒状体支持箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持板に筒状リブを一体成形する場合でも、
成形用金型装置の構造が簡単になり、全支持板及び連結
板を容易に一体成形することができる棒状体支持箱を提
供する。 【解決手段】 棒状体支持箱１は、各枚に蓄電池モジュ
ールＭが挿通される９個の支持穴２が形成されるととも
に各枚の支持穴２が一直線上に揃うよう左右方向に間隔
をおいて配設された４枚の支持板３ａ〜３ｄと、各支持
板の前側辺間及び後側辺間を各々連結する前後一対の連
結板４ａ，４ｂとが、樹脂で一体成形されてなる。左右
方向の中央より左側に配設された支持板３ａ，３ｂに
は、各支持穴２周囲から左方へ突出する筒状リブ５が一
体成形されている。左右方向中央より右側に配設された
支持板３ｃ，３ｄには、各支持穴２周囲から右方へ突出
する筒状リブ５が一体成形されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、蓄電池、コンデン
サ、液体入り筒容器等の棒状体を支持するための支持箱
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電気自動車に使用する蓄電池の一つとし
て、複数個の小型蓄電池を直列接続して棒状体にモジュ
ール化したものが考えられている。このような棒状体
（蓄電池モジュール）を自身の発熱や自動車の振動から
守れるように支持するために、各枚に棒状体が挿通され
る支持穴が形成されるとともに各枚の支持穴が一直線上
に揃うよう左右方向に間隔をおいて配設された複数枚の
支持板と、各支持板の前側辺間及び後側辺間を各々連結
する前後一対の連結板とが、樹脂で成形されてなる棒状
体支持箱が検討されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の棒状体支持箱に
おいて、各支持板の両面が平滑な場合には、成形用金型
装置の構造が簡単になり、全支持板及び連結板を比較的
容易に一体成形することができる。しかし、棒状体を挿
通支持する支持穴には一定以上の長さが要求されるた
め、支持板の支持穴周囲から筒状リブを突出させて、支
持穴の長さを実質的に延長させる必要がある。このよう
に支持板に筒状リブを一体成形する場合には、成形用金
型装置の構造が複雑になり、全支持板及び連結板を一体
成形することができなくなるという問題があった。

【０００４】本発明の目的は、上記課題を解決し、支持
板に筒状リブを一体成形する場合でも、成形用金型装置
の構造が簡単になり、全支持板及び連結板を容易に一体
成形することができる棒状体支持箱を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の棒状体支持箱は、各枚に棒状体が挿通され
る支持穴が形成されるとともに各枚の支持穴が一直線上
に揃うよう左右方向に間隔をおいて配設された少なくと
も４枚の支持板と、各支持板の前側辺間及び後側辺間を
各々連結する前後一対の連結板とが、樹脂で一体成形さ
れてなる棒状体支持箱であって、前記左右方向の中央よ
り左側に配設された支持板には支持穴周囲から左方へ突
出する筒状リブが一体成形され、前記左右方向中央より
右側に配設された支持板には支持穴周囲から右方へ突出
する筒状リブが一体成形されたことを特徴とする。

【０００６】ここで、支持板の枚数は、４枚、６枚、８
枚、１０枚、１２枚、…、等の偶数枚が好ましい。５
枚、７枚、９枚、１１枚、１３枚、…、等の奇数枚の場
合には、左右方向の中央に配設された一枚の支持板につ
いては筒状リブを形成しないことによって本発明を実現
することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、前記蓄電池の棒
状体（蓄電池モジュール）の支持箱に具体化した実施形
態例について、図面を参照して説明する。図１及び図２
に示すように、本実施形態の棒状体支持箱１は、各枚に
蓄電池モジュールＭが挿通される９個の支持穴２が形成
されるとともに各枚の支持穴２が一直線上に揃うよう左
右方向に間隔をおいて配設された４枚の支持板３ａ，３
ｂ，３ｃ，３ｄと、各支持板３ａ〜３ｄの前側辺間及び
後側辺間を各々連結する前後一対の連結板４ａ，４ｂと
が、剛性に富む樹脂（例えば、繊維強化樹脂（本例では
ガラス繊維強化６ナイロン））で一体成形されてなるも
のである。

【０００８】前記左右方向の中央より左側に配設された
支持板３ａ，３ｂには、その左面の各支持穴２周囲から
左方へ突出する９個の筒状リブ５が一体成形されてい
る。また、前記左右方向中央より右側に配設された支持
板３ｃ，３ｄには、その右面の各支持穴２周囲から右方
へ突出する９個の筒状リブ５が一体成形されている。筒
状リブ５の内周面は支持穴２の内周面と連続しており、
該筒状リブ５によって支持穴２の長さが実質的に延長さ
れている。なお、支持板３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄの厚さ
は３〜７ｍｍであり、支持板表面からの筒状リブ５の突
出長さは３〜７ｍｍであり、支持穴２及び筒状リブ５の
内径は３０〜５０ｍｍである。

【０００９】前記左右方向の中央を挟む位置にある２枚
の支持板３ｂ，３ｃには、緩衝部材１０が装着される。
緩衝部材１０は、板状のシート部１１と、支持穴２に対
応する９個の貫通穴１２と、貫通穴１２周囲から突出す
る９個の筒状部１３とが、ゴム、軟質樹脂、熱可塑性エ
ラストマー等の弾性に富む材料（本例ではＮＢＲゴムと
ＰＶＣ樹脂とのポリブレンド）により一体成形されてな
るものである。シート部１１は支持板３ｂ，３ｃの表面
にあてがわれ、各筒状部１３は支持板３ｂ，３ｃの各支
持穴２の内周に挿入される。

【００１０】図２に示すように、蓄電池モジュールＭ
（全部で９本あるが、便宜上１本のみ図示する）は、一
直線上に揃った各支持板３ａ〜３ｄの支持穴２に挿通支
持され、特に上記２枚の支持板３ｂ，３ｃにおいては、
支持穴２に挿入された筒状部１３を介して支持穴２に挿
通支持される。なお、支持板３ａ，３ｄにも緩衝部材１
０を装着し、蓄電池モジュールＭを筒状部１３を介して
挿通支持するようにしてもよい。９本の蓄電池モジュー
ルＭの両端部は、端板（図示略）により閉鎖されるとと
もに各々支持され、該端板に設けられた配線部材（図示
略）に蓄電池モジュールＭの電極Ｍａが当接することに
より、９本の蓄電池モジュールＭは直列（又は並列）接
続される。

【００１１】本実施形態の棒状体支持箱１は、図３及び
図４に示すような成形用金型装置２０により成形され
る。この成形用金型装置２０は、ベース型２１と、左側
の外部スライドコア２２と、右側の外部スライドコア２
３と、左側の内部スライドコア２４と、右側の内部スラ
イドコア２５と、上部スライドコア２６と、前部スライ
ドコア（図示略）と、後部スライドコア（図示略）とで
構成されている。ベース型２１は、基盤２７と、該基盤
２７から立設した中央のコア２８、左側のコア２９及び
右側のコア３０とが一体化されている。

【００１２】ベース型２１の基盤２７は支持板３ａ〜３
ｄ及び連結板４ａ，４ｂの下面を形成する部分であり、
中央のコア２８は支持板３ｂ，３ｃの筒状リブ５が無い
側の表面を形成する部分であり、左側のコア２９は支持
板３ａの筒状リブ５が無い側の表面を形成する部分であ
り、右側のコア３０は支持板３ｄの筒状リブ５が無い側
の表面を形成する部分である。

【００１３】左側の外部スライドコア２２は支持板３ａ
の筒状リブ５が有る側の表面を形成する部分であり、右
側の外部スライドコア２３は支持板３ｄの筒状リブ５が
有る側の表面を形成する部分であり、左側の内部スライ
ドコア２４は支持板３ｂの筒状リブ５が有る側の表面を
形成する部分であり、右側の内部スライドコア２５は支
持板３ｃの筒状リブ５が有る側の表面を形成する部分で
あり、いずれのスライドコア２２〜２５にも前記支持穴
２及び筒状リブ５を形成するための凹凸部３１が設けら
れている。

【００１４】上部スライドコア２６は支持板３ａ〜３ｄ
及び連結板４ａ，４ｂの上面を形成する部分であり、前
部スライドコア（図示略）は図３の紙面前側にあって連
結板４ａを形成する部分であり、後部スライドコア（図
示略）は図３の紙面奥側にあって連結板４ｂを形成する
部分である。

【００１５】左側の外部スライドコア２２は左方に移動
して開き、右側の外部スライドコア２３は右方に移動し
て開き、前部スライドコア（図示略）は図３の紙面前方
に移動して開き、後部スライドコア（図示略）は図３の
紙面奥方に移動して開き、上部スライドコア２６は上方
に移動して開くようになっている。

【００１６】ベース型２１は基本的には移動しない（何
等かの機能付与のために移動するようにしてもよい）。
左側の内部スライドコア２４は斜め左上方向に延びると
ともに同方向にスライドする左側のスライドピン３２に
支持され、右側の内部スライドコア２５は斜め右上方向
に延びるとともに同方向にスライドする右側のスライド
ピン３３に支持されている。そして、左側の内部スライ
ドコア２４の背面と左側のコア２９の背面とは、スライ
ドピン３２と同一方向に傾斜して当接する傾斜面となっ
ている。同様に、右側の内部スライドコア２５の背面と
右側のコア３０の背面とは、スライドピン３３と同一方
向に傾斜して当接する傾斜面となっている。また、基盤
２７には、支持板３ａ等の下面を上方へ押上げて脱型す
るイジェクトピン３４が上下スライド可能に挿通されて
いる。

【００１７】上記のように、ベース型２１をベースにし
て各コア２２〜２６をスライド構造とした成形用金型装
置２０（特に支持穴２及び筒状リブ５を形成するための
凹凸部３１を備えた部分）は、構造が簡素化される。ま
た、ベース型２１をベースにするため、各コアの表面の
相対位置が確保されて、寸法精度が高くなる。

【００１８】そして、図３に示す射出成形時において
は、各コア２２〜３０を閉じ、コア間に形成されるキャ
ビティに樹脂を射出して棒状体支持箱１を成形する。

【００１９】次に、図４に示す脱型時においては、左側
の外部スライドコア２２、右側の外部スライドコア２
３、前部スライドコア（図示略）、後部スライドコア
（図示略）及び上部スライドコア２６を、それぞれ左
方、右方、前方、後方及び上方に移動させて開く。この
とき、左側の外部スライドコア２２及び右側の外部スラ
イドコア２３の凹凸部３１は、支持板３ａ，３ｄの支持
穴２及び筒状リブ５から同時にかつ左右対称方向に外れ
るので、その外れる時に作用する力が打ち消し合い、棒
状体支持箱１のがたつき等を防止でき、スムーズに脱型
できる。

【００２０】続いて、イジェクトピン３４を上方へスラ
イドさせて支持板３ａ等の下面を上方へ押上げるととも
に、該スライドと同期させて、左側のスライドピン３２
及び右側のスライドピン３３をそれぞれ斜め左上方向及
び斜め右上方向にスライドさせる。すると、左側の内部
スライドコア２４及び右側の内部スライドコア２５は、
それぞれ背面を左側のコア２９及び右側のコア３０の背
面に摺動させながら、斜め左上方向及び斜め右上方向に
移動する。このため、左側の内部スライドコア２４及び
右側の内部スライドコア２５の凹凸部３１は、支持板３
ｂ，３ｃの支持穴２及び筒状リブ５から同時にかつ左右
対称方向に外れるので、その外れる時に作用する力が打
ち消し合い、棒状体支持箱１のがたつき等を防止でき、
スムーズに脱型できる。

【００２１】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸
脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。 （１）各支持板における支持穴２の数や配置の仕方を適
宜変更すること。 （２）支持板の枚数を適宜変更すること。前記の通り偶
数枚が好ましいが、奇数枚の場合でも、左右方向の中央
に配設された一枚の支持板については筒状リブを形成し
ないことによって本発明を実現することができる。 （３）蓄電池モジュールＭのほかにも、コンデンサ、液
体入り筒容器等の各種棒状体を支持するための支持箱と
して具体化すること。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の棒状体支
持箱によれば、支持板に筒状リブを一体成形する場合で
も、成形用金型装置の構造が簡単になり、全支持板及び
連結板を容易に一体成形することができる、という優れ
た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る棒状体支持箱の斜視図
である。

【図２】同棒状体支持箱の断面視図である。

【図３】同棒状体支持箱の成形用金型装置の成形時にお
ける断面図である。

【図４】同棒状体支持箱の成形用金型装置の脱型時にお
ける断面図である。

【符号の説明】

１ 棒状体支持箱 ２ 支持穴 ３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ 支持板 ４ａ，４ｂ 連結板 ５ 筒状リブ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各枚に棒状体が挿通される支持穴が形成
   されるとともに各枚の支持穴が一直線上に揃うよう左右
   方向に間隔をおいて配設された少なくとも４枚の支持板
   と、各支持板の前側辺間及び後側辺間を各々連結する前
   後一対の連結板とが、樹脂で一体成形されてなる棒状体
   支持箱であって、前記左右方向の中央より左側に配設さ
   れた支持板には支持穴周囲から左方へ突出する筒状リブ
   が一体成形され、前記左右方向中央より右側に配設され
   た支持板には支持穴周囲から右方へ突出する筒状リブが
   一体成形されたことを特徴とする棒状体支持箱。