JPH11126369A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JPH11126369A
JPH11126369A JP9288935A JP28893597A JPH11126369A JP H11126369 A JPH11126369 A JP H11126369A JP 9288935 A JP9288935 A JP 9288935A JP 28893597 A JP28893597 A JP 28893597A JP H11126369 A JPH11126369 A JP H11126369A
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JP9288935A
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Inventor
Ryoichi Sugawara
菅原  良一
Shoichi Kawai
川井  正一
Naoki Sano
直樹 佐野
Taiji Kawachi
泰司 河内
Hironari Kuno
裕也 久野
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録レーザ光の照射により記録層に情報を記
録する光情報記録媒体において、反射特性の低下を防止
する。 【解決手段】 光情報記録媒体10は、基板1上に記録
層2、該記録層2上に反射層3が形成され、記録レーザ
光の照射により記録層2に情報を記録する。保護層4は
3層構造であり、最内に位置して反射層3と接し反射層
3との密着性を確保する硬い第1の保護層41、中間に
位置して外力に対する緩衝作用を行う軟らかい第2の保
護層42、最外に位置して耐擦傷性を確保する硬い第3
の保護層43からなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録レーザ光の照
射により記録層に情報を記録する光情報記録媒体に関す
るものであり、特に光ディスクの保護層に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、光情報記録媒体としてCD(コン
パクトディスク)と再生時互換性がある追記型CDが商
品化されている。これは、例えば透明なプラスチックか
らなる基板上に、例えば有機色素等からなる記録層、例
えばAuからなる反射層、例えばUV(紫外線)硬化型
樹脂等からなる透明な保護層を順次形成したものであ
る。そして、記録レーザ光の照射時に、記録層において
有機色素の熱分解による基板の変形によって記録部の反
射率を低下させ、信号を記録するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の追記型CDは、保護層側からの過度の衝撃により
記録層が破損し反射特性の低下を招く危険を有してお
り、使用者にとって取り扱い上の注意が必要であった。
従って、例えばボールペン等の硬筆によるディスク表面
すなわち保護層表面への記入が不可能である等、使用上
の制約が生ずる。
【0004】この保護層側からの過度の衝撃を緩和する
ものとして、特開平6−150379号公報および特開
平7−73511号公報に記載のものが提案されてい
る。これらは、反射層上の保護層を2層以上の層構造と
し、最内層の保護層つまり反射層と接する保護層(以
下、最内保護層という)の硬度を他の保護層より低いも
のとして、この最内保護層を衝撃に対する緩衝層として
作用させるようにしたものである。
【0005】しかし、本発明者等の検討によれば、上記
のように、反射層と接する最内保護層の硬度を他の保護
層より低いものにした場合でも、保護層側からの過度の
衝撃に対する反射特性の低下防止は不十分であることが
わかった。すなわち、例えば硬筆により保護層表面へ記
入した際において、硬筆により押される力以外にも、光
情報記録媒体全体に生じる反り、および最内保護層と反
射層との間に生じる横滑り等によって両層が剥離してし
まうのである。
【0006】つまり、反射層上の保護層が1層のものに
対して、さらにこの1層の保護層より軟らかい保護層
(最内保護層)を反射層との間に介在させているので、
最内保護層と金等の金属からなる反射層との硬軟の差が
大きくなるため、横滑り等に対する最内保護層と反射層
との密着性が弱いものとなる。従って、上記の反りおよ
び横滑り等によって、両層で剥離が生じ又剥離部分から
空気が入る等して、反射特性が低下してしまうのであ
る。なお、このような反りおよび横滑り等は、硬筆等に
よる保護層側からの衝撃のみでなく、使用者の取り扱い
中等にかかる外力一般によって発生する恐れがある。
【0007】また、保護層としては、一般に上記のよう
に透明な材料(一般的にUV硬化型樹脂)が用いられ、
コストアップ等の問題から反射層は一般的に照射レーザ
光を完全に反射する厚さまで厚くしていないため、照射
レーザ光は保護層にまで達してしまう。この透過光は、
保護層上へのシール、ペン等によるラベリングにより反
射あるいは吸収され、光情報記録媒体において面内の反
射率が不均一となる、という反射特性低下の問題を引き
起こす。
【0008】そこで、上記問題点に鑑みて、本発明の第
1の目的は、記録レーザ光の照射により記録層に情報を
記録する光情報記録媒体において、反射特性の低下を防
止することにある。また、本発明の第2の目的は、光情
報記録媒体にかかる外力による反射特性の低下を防止す
ることにある。さらに、本発明の第3の目的は、シー
ル、ペン等のラベリングによる反射特性の低下を防止す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、以下の技術的手段を採用する。すなわち、
請求項1記載の発明によれば、基板(1)上に記録層
(2)、該記録層(2)上に反射層(3)が形成され、
記録レーザ光の照射により記録層(2)に情報を記録す
る光情報記録媒体において、反射層(3)上に第1の保
護層(41)、該第1の保護層(41)上に第2の保護
層(42)、該第2の保護層(42)上に第3の保護層
(43)が形成されており、第2の保護層(42)は、
第1および第3の保護層(41、43)よりも軟らかい
ものであることを特徴とする。
【0010】それによって、第2の保護層(42)は第
1および第3の保護層(41、43)よりも軟らかいも
のであるため、第2の保護層(42)は外力を吸収する
緩衝層として機能する。また、第1および第3の保護層
(41、43)を硬いものとしているため、第1の保護
層(41)と反射層(3)との密着性が確保できるとと
もに、第3の保護層(43)による耐擦傷性が確保でき
る。
【0011】従って、本発明によれば、光情報記録媒体
にかかる外力による反射特性の低下を防止することがで
きる。ところで、通常、反射層は耐久性等を考慮して、
金や銀等の酸化しにくい金属が用いられる。これら反射
層に用いられる金属は、高価であるため用いる金属の量
を少なくする、すなわち反射層の厚さを薄くすることが
望まれる。
【0012】しかし、保護層が1層のものに比べて、上
記従来公報の構成では、反射層と接する保護層(最内保
護層)の硬度が他の保護層より低い、つまり軟らかいも
のとしているため、外力による反りや横滑り等によって
最内保護層が動きやすくなる。そのため、反射層を薄く
すればするほど強度が弱くなって反射層の変形が起こり
やすくなる。
【0013】これに対して、本発明によれば、軟らかい
第2の保護層(42)と反射層(3)との間に、さら
に、硬い第1の保護層(41)を設けている。すなわ
ち、反射層(3)と接する最内保護層である第1の保護
層(41)を硬いものとしているため、そのようなこと
は起こらず、従って、反射層(3)を薄くでき、安価な
光情報記録媒体を提供できる。
【0014】よって、反射層(3)は、請求項2記載の
発明のように、第1の保護層(41)よりも薄いものに
でき、その厚さは、請求項3記載の発明のように、10
0nm以下にできる。また、請求項4記載の発明のよう
に、反射層(3)は金からなるものにすれば、高価では
あるが化学的に安定で耐久性に優れ且つ反射率の良い金
を、反射層(3)として薄く形成でき、コスト低減が図
れる。
【0015】また、第2の保護層(42)は、請求項5
記載の発明のように、JIS−K5400鉛筆硬度2H
以下の硬度特性を有する材料から選択されるものにでき
る。さらに、第1および第3の保護層(41、43)
は、請求項6記載の発明のようにJIS−K5400鉛
筆硬度3H以上の硬度特性を有する材料から選択される
ものにできる。
【0016】また、本発明者等は、保護層(41〜4
3)のうち少なくとも1層に波長選択性を持たせて、保
護層(41〜43)上へシール、ペン等でラベリングし
た時の反射率への影響を小さくすることに着目し検討し
た。その結果、保護層の複素屈折率の虚部が所定の光波
長範囲において所定値以上であればよいことを見出し
た。
【0017】すなわち、請求項7記載の発明によれば、
各保護層(41〜43)のうち、少なくとも一層が光吸
収性を有しており、この光吸収性を有する保護層の複素
屈折率の虚部が波長600〜850nmの範囲において
1.0以上であることを特徴とする。それによって、シ
ール、ペン等のラベリングによる反射特性の低下を防止
することができる。
【0018】また、請求項8記載の発明によれば、基板
(1)にはレーザ光によりトラッキング制御を行うため
の案内溝(1a)が形成されており、反射層(3)と第
1の保護層(41)との界面が案内溝(1a)形状を承
継しているから、案内溝(1a)の凹凸によって、反射
層(3)と第1の保護層(41)の横滑りに対する密着
性を、より向上できる。
【0019】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。本実施形態は追記型CDとしたもの
について述べるが、これに限定されるものではない。図
1に、本実施形態に係る光情報記録媒体10とその一部
の断面構造を説明するための模式図を示す。図に示すよ
うに、プラスチック、ガラス等の透明な基板1の面11
上に、記録層2、反射層3、保護層4が順次積層形成さ
れ、光情報記録媒体10が構成されている。基板1の面
11には、ウォブル(図示せず)を持った案内溝(グル
ープ)1aが形成されており、この案内溝1aは、例え
ば、深さが100nm程度で、幅が0.7〜0.5μm
程度のものである。
【0021】記録層2は、基板1の面11上に形成さ
れ、その膜厚は例えば200nm程度であり、例えば、
有機色素、無機化合物等からなり記録レーザの照射によ
り反射率が低下するような材料から選択される。記録層
2は、スピンコータ法、スパッタ法、蒸着法、イオンプ
レーティング法などの方法で成膜される。反射層3は、
記録層2の上に例えば100nm以下の薄い膜厚で形成
されている。反射層3は、スパッタ法、蒸着法等により
形成された金属反射層であり、例えばAu、Ag、Al
膜またはこれらの合金を用いることができる。また、金
属反射層の代わりに多層誘電体層による光干渉層を用い
てもよい。
【0022】保護層4は、熱硬化型樹脂、UV(紫外
線)等の光硬化樹脂を用いることができる。保護層4は
3層構造としており、反射層3と接する最内保護層であ
る第1の保護層41と、第1の保護層41の上に積層さ
れた中間保護層である第2の保護層42と、第2の保護
層42の上に積層された最外保護層である第3の保護層
43とから構成されている。
【0023】ここで、第1の保護層41は、例えば、膜
厚5μm程度であり、反射層3よりも厚くなっている。
また、第1から第3の保護層41〜43の順に、硬度特
性は、硬い、軟らかい、硬いとなっており、第2の保護
層42は第1および第3の保護層41、43よりも軟ら
かい材料としている。
【0024】ここで、第2の保護層42は、JIS−K
5400鉛筆硬度(以下、鉛筆硬度という)2H以下の
硬度特性を持つ材料から選択することが好ましく、その
ようなものとして、スリーボンド社製3014B(鉛筆
硬度2H)、大日本インキ社製ダイキュアクリアSD−
211(鉛筆硬度HB)、同SD−715(鉛筆硬度2
H)、同SD−1700(鉛筆硬度2H)等の光硬化型
樹脂を用いることができる。
【0025】また、第1および第3の保護層41、43
は鉛筆硬度3H以上の硬度特性を持つ材料から選択する
ことが好ましく、そのようなものとして、スリーボンド
社製3070(鉛筆硬度7H)、大日本インキ社製ユニ
ディック17−824(鉛筆硬度7H)等の光硬化型樹
脂を用いることができる。また、上記各保護層41〜4
3のうち、少なくとも一層が光吸収性を有しており、こ
の光吸収性を有する保護層は、その複素屈折率(複素屈
折率n* =n−ik、n:実部、k:虚部)の虚部が波
長600〜850nmの範囲において1.0以上として
いる。
【0026】なお、基板1の案内溝1aの凹凸形状は、
記録層2、反射層3と承継され、反射層3と第1の保護
層41との界面においても承継されている。次に、本実
施形態の作動について述べる。本実施形態では、記録あ
るいは再生のためのレーザ光(例えば波長780nm)
を、基板1の一側の面12側(図1の矢印A方向)から
入射し、記録層2に化学的又は物理的変化を起こして記
録部(ピット)を形成することで記録を行い、また、記
録部と未記録部との反射率差から再生を行うようになっ
ている。
【0027】この際、記録または再生は、基板1の案内
溝1aに対して行われる。つまり、案内溝1aを形成し
た理由は、凹凸端部での反射率の差を検出することで、
トラッキング制御をおこなうためである。ここで、記録
層2はレーザ照射されると光学定数、特に複素屈折率が
変化する特性を有する材料が用いられる。すなわち、記
録レーザ光が集光照射された記録層の一部は、その複素
屈折率がレーザ照射される前の状態からわずかに変化す
る。具体的には、複素屈折率n* =n−ikの実部n若
しくは虚部kまたは実部nと虚部kの両方が変化する。
また、このレーザ照射による複素屈折率変化は不可逆的
に生ずるものであり、レーザ照射された状態はレーザ照
射停止後も保持される。
【0028】記録層2の一部の複素屈折率が変化する
と、反射層3との間の光の干渉または記録層2内部での
吸収が変化することに起因して、照射レーザ光に対する
反射光強度が変化するので、この性質を利用して記録が
成されることになる。複素屈折率が不可逆的に変化する
原因は、照射レーザ光の強度が記録層2で吸収され熱に
変換され、この吸収熱によって記録層2をなす材料の結
晶性、組成、結合状態等の物理的若しくは化学的な内部
構造が変化するためである。
【0029】記録された信号の再生を行うには、保持さ
れた記録状態を変化させないように、記録時より低い強
度のレーザ光を照射することで、記録部および未記録部
の反射率の違いを検出する。このような記録方法は、記
録状態すなわち記録/未記録に対する“1”/“0”と
いったデジタル信号記録再生方法に分類される。ところ
で、本実施形態によれば、第2の保護層42は第1およ
び第3の保護層41、43よりも軟らかいものであるた
め、第2の保護層42は外力を吸収する緩衝層として機
能する。また、第1および第3の保護層41、43を硬
いものとしているため、第1の保護層41と反射層3と
の密着性が確保できるとともに、第3の保護層43によ
る耐擦傷性が確保できる。
【0030】よって、例えば硬筆により保護層4表面
(つまり第3の保護層43の表面43a)へ記入した際
において、硬筆により押される力を第2の保護層42に
よって緩衝できる。また、緩衝の際、第2の保護層42
は変形するが、第1の保護層41が硬いため、反射層3
および記録層2にまで変形が及ぶことを防止できる。さ
らに、第3の保護層43による耐擦傷性の確保のため、
保護層4表面は傷つくことが無い。
【0031】また、上記の硬筆により押される力、ある
いは取扱いの際における外力等によって光情報記録媒体
10に反り等が発生しても、最内保護層である第1の保
護層41が硬いため変形が無いので、横滑り等による両
層41および3の剥離が生じず、第1の保護層41と反
射層3との密着性が確保される。従って、本実施形態に
よれば、光情報記録媒体にかかる外力による反射特性の
低下を防止することができる。
【0032】また、本実施形態によれば、第1の保護層
41は硬く、第1の保護層41と反射層3との密着性が
確保されているため、従来の光情報記録媒体における反
射層の厚さ(例えば150nm〜200nm)に比べ
て、反射層3の厚さを薄く(本実施形態では100nm
以下)でき、安価な光情報記録媒体を提供できる。さら
に、本実施形態では反射層3として、高価ではあるが化
学的に安定で耐久性に優れ且つ反射率の良い金を用いて
いるが、上記のように反射層3の厚さを薄くできるた
め、金を用いても安価な光情報記録媒体とできる。
【0033】また、本実施形態によれば、各保護層41
〜43のうち少なくとも1層の複素屈折率の虚部を1.
0以上としている。ちなみに、例えば、複素屈折率の虚
部が1.0よりも小さい材料のみで保護層を形成し、シ
ール、ペン等でラベリングした場合、ラベリングされた
保護層の複素屈折率の虚部は1.0以上にまで変化して
しまう。そのため、光情報記録媒体10において面内の
反射率が不均一化する。
【0034】しかし、本実施形態では、予め各保護層4
1〜43のうち少なくとも1層の複素屈折率の虚部を
1.0以上としているため、光情報記録媒体10のラベ
リングを行う面であるレーベル面(つまり本実施形態で
は最外保護層である第3の保護層43の表面43a)へ
の印字等のラベリングを行っても、保護層4全体の複素
屈折率はラベリング前後でほとんど変化しない。
【0035】従って、ラベリング前後における光情報記
録媒体10の反射率変化は小さくなり、面内の反射率の
不均一化を低減できるため、シール、ペン等のラベリン
グによる反射特性の低下を防止することができる。な
お、本実施形態においては、保護層4を3層構造とした
が、3層以上であってもよい。その場合には、最内保護
層と最外保護層との間の中間保護層が複数層となるが、
この中間保護層のうち少なくとも一層を、上記第2の保
護層42のように最内および最外保護層よりも軟らかい
ものとすれば、本実施形態と同様の効果を有する光情報
記録媒体が得られる。
【0036】また、本実施形態によれば、反射層3と第
1の保護層41との界面が案内溝1a形状を承継してい
るから、案内溝1aの凹凸によって、反射層3と第1の
保護層41の横滑りに対する密着性を、より向上でき
る。以下、本実施形態について以下の実施例に基づき更
に述べるが、本実施形態は以下の実施例に限定されるも
のではない。
【0037】
【実施例】案内溝1aを持った透明なポリカーボネイト
製の基板1上に、反応性高周波スパッタ法により、Cu
とSnの原子%が40:60の合金ターゲットを用いて
スパッタし、記録層2を形成した。このとき、Ar(ア
ルゴン)とN2 (窒素)とCH4 (メタン)の混合ガス
を導入する。スパッタパワーは500Wであり、ガス圧
は12Paであり、ArとN2 とCH4 との比率は、A
r:N2 :CH4 =6:3:3である。
【0038】さらに、反射層3としてAuをスパッタ法
により100nm形成する。続いて、第1の保護層41
としてスリーボンド社製光硬化製樹脂3070(鉛筆硬
度7H)を、UV硬化型樹脂をスピンコータにより塗布
し、UV光にて硬化させ、膜厚約5μmとした。そし
て、第2の保護層42として、スリーボンド社製光硬化
性樹脂3014B(鉛筆硬度2H)、第3の保護層43
としてスリーボンド社製光硬化製樹脂3070(鉛筆硬
度7H)を選択し、上記実施形態の効果を明らかにする
ために、以下の3つの条件で保護層4を形成した。
【0039】第2および第3の保護層42、43が無
く、第1の保護層41のみを形成したもの(サンプル
)。 第1の保護層41上に、第2の保護層(3014B)
42を2μm、および第3の保護層(3070)43を
2μmの膜厚で塗布し、UV光により硬化したもの(サ
ンプル)。
【0040】第1の保護層41上に順に、第2の保護
層(3014B)42を2μm、および第3の保護層
(3070)43を2μmの膜厚で塗布し、UV光によ
り硬化させ、さらに第2の保護層(3014B)42の
複素屈折率の虚部が波長600〜850nmの範囲にお
いて1.0以上となるよう、色素を混入したもの(サン
プル)。
【0041】ここで、上記サンプル〜のうち、サン
プルは比較例であり、サンプルは第2の保護層42
を第1および第3の保護層41、43よりも軟らかくし
たものであり、サンプルはサンプルに加えて第2の
保護層42に色素を加えたものである。上記3タイプの
光情報記録媒体に記録装置により、同一の情報を記録し
た。その後、レーベル面(サンプルでは第1の保護層
41表面、サンプル及びでは第3の保護層43の表
面43a)に市販ボールペン(ペン先1mm)による引
っかきテスト(荷重400g)を実施した。
【0042】その結果、サンプルでは、90%が再生
不可能になったのに対し、サンプルでは、再生不可能
品は0であった。また、未記録状態品のレーベル面の半
分にシールを添付し、反射率の面内ばらつきを測定した
ところ、サンプルでは約3%であったのに対し、サン
プルでは1%以下であり、レーベル面上のラベリング
による反射率への影響が低減されていることが確認でき
た。
【0043】以上、上記実施形態および実施例について
述べたが、例えば、上記構成において、記録層を相転移
型のものとして記録、消去、再生可能な書換え可能型の
光情報記録媒体としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光情報記録媒体とその
一部の断面構造を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1…基板、1a…案内溝、2…記録層、3…反射層、4
1…第1の保護層、42…第2の保護層、43…第3の
保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 7/24 538 G11B 7/24 538J (72)発明者 河内 泰司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 久野 裕也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(1)上に記録層(2)、該記録層
    (2)上に反射層(3)が形成され、記録レーザ光の照
    射により前記記録層(2)に情報を記録する光情報記録
    媒体において、 前記反射層(3)上に第1の保護層(41)、該第1の
    保護層(41)上に第2の保護層(42)、該第2の保
    護層(42)上に第3の保護層(43)が形成されてお
    り、 前記第2の保護層(42)は、前記第1および第3の保
    護層(41、43)よりも軟らかいものであることを特
    徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記反射層(3)は前記第1の保護層
    (41)よりも薄いものであることを特徴とする請求項
    1に記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記反射層(3)の厚さが100nm以
    下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光
    情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記反射層(3)は金からなることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光情
    報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記第2の保護層(42)は、JIS−
    K5400鉛筆硬度2H以下の硬度特性を有する材料か
    ら選択されることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れか1つに記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記第1および第3の保護層(41、4
    3)は、JIS−K5400鉛筆硬度3H以上の硬度特
    性を有する材料から選択されることを特徴とする請求項
    5に記載の光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記各保護層(41〜43)のうち、少
    なくとも一層が光吸収性を有しており、この光吸収性を
    有する保護層の複素屈折率の虚部が波長600〜850
    nmの範囲において1.0以上であることを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光情報記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 前記基板(1)にはレーザ光によりトラ
    ッキング制御を行うための案内溝(1a)が形成されて
    おり、前記反射層(3)と第1の保護層(41)との界
    面が前記案内溝(1a)形状を承継していることを特徴
    とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の光情報
    記録媒体。
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