JPH11125039A - シリンダー錠におけるキーチェンジシステム - Google Patents

シリンダー錠におけるキーチェンジシステム

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JPH11125039A
JPH11125039A JP30802497A JP30802497A JPH11125039A JP H11125039 A JPH11125039 A JP H11125039A JP 30802497 A JP30802497 A JP 30802497A JP 30802497 A JP30802497 A JP 30802497A JP H11125039 A JPH11125039 A JP H11125039A
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JP
Japan
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key
tumbler
cylinder
auxiliary
plug
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JP30802497A
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English (en)
Inventor
Mitsunori Miyake
三徳 三宅
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Goal Co Ltd
Original Assignee
Goal Co Ltd
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05BLOCKS; ACCESSORIES THEREFOR; HANDCUFFS
    • E05B27/00Cylinder locks or other locks with tumbler pins or balls that are set by pushing the key in
    • E05B27/005Cylinder locks or other locks with tumbler pins or balls that are set by pushing the key in with changeable combinations

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  • Lock And Its Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダー錠内の補助タンブラーを異なる
ーによって選択的に除去できるようにしてマスターキー
機能を奏するための条件である全てのシリンダー錠に
共通する解錠パターンを保ちながらキーチェンジを可能
とするシリンダー錠におけるキーチェンジシステムを提
供すること。 【解決手段】 シリンダー内タンブラー3とプラグ内タ
ンブラー4との間に補助タンブラー5を介在させ、補助
タンブラー5を除去することによってキーの変更を可能
としたシリンダー錠におけるキーチェンジシステムであ
り、前記キーは、キーの背部に前記補助タンブラー5
除去するための凹部81を形成したチェンジキー8と、
キーの背部に補助タンブラー5を除去するための凹部が
ないキーとの組合わせから成り、新たなチェンジキーの
使用により先に使用したチェンジキーの使用を禁止する
ようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダー内タン
ブラーとプラグ内タンブラーとの間に補助タンブラーを
介在させ、補助タンブラーを除去することによってキー
の変更を可能とし、且つ、マスターキー機能も奏しえる
シリンダー錠におけるキーチェンジシステムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、シリンダー錠におけるキーチェ
ンジシステムとは、賃貸マンション、ホテル等の集合住
宅或いは集合住居において、建物の施工時に複数の住宅
等の内装工事を担当する施工業者が全ての住宅等の戸締
りをするシリンダー錠を、施工業者が所有する一種類の
キーつまりコンストラクションマスターキーで共通して
施、解錠できるようにし、住宅等の居住者が決まって、
その居住者が居住者専用のキーつまりオーナーキーを一
度でも使用して施、解錠すると、前記コンストラクショ
ンマスターキーが二度と使用できないようにしたコンス
トラクションキーシステムや、住居者がオーナーキーを
紛失したり、居住者が代わった場合に、次に使用される
第二、第三…の新たなオーナーキー(通常これをチェン
ジキーと呼称する)で一度でも解錠すると、先に使用し
ていたオーナーキーが使用できないようにするキーシス
テムのことをいう。
【0003】この従来のキーチェンジシステムの原理
を、図14から図20に示すシリンダー錠について説明
すれば次の通りであり、キーの幅の広い部分を側部、幅
の狭い部分を背部と定義しておくものとする。
【0004】このシリンダー錠xは、シリンダーa内の
タンブラー群b…bとプラグc内のタンブラー群d…d
との間に補助タンブラーe…eを介在させ、プラグcに
はそれぞれの補助タンブラーeを除去するための凹部f
を形成したものである。
【0005】このシリンダー錠xにおいて、例えば、タ
ンブラーb、dを収納するコラム数が6で、全てのコラ
ムに補助タンブラーeが入っている場合、全ての補助タ
ンブラーe…eをプラグc内のタンブラーを収納するコ
ラムに落とし込み、図14、図15のように補助タンブ
ラーeの上端をシリンダーaとプラグcのシェヤーライ
ンに揃えるディンプル状のキー山kdを側部と背部に有
するキーをコンストラクションキーkcとし、施工中は
このコンストラクションキーkcを使用して施、解錠す
るようにしておく。
【0006】施工が完了してその住宅等の居住者が決ま
り、居住者がオーナーキーとして渡された一番目のキー
k1をこのシリンダー錠のプラグに差し入れると、図1
6、17のようにこの一番目のキーk1は6個ある補助
タンブラーの内1個、例えば鍵孔に最も近い一番目の補
助タンブラーeをシリンダーa内のタンブラーbを収納
するコラム内に押し上げ、つまり、補助タンブラーeを
プラグc外に押し出し、補助タンブラーeの下端をシェ
ヤーラインに揃える平坦部kd1を側部に有しており、
キーk1を回し、プラグcを回転させると、その回転途
中において補助タンブラーeがシリンダーa内のタンブ
ラーbを付勢するスプリングによって凹部fに落ち込
み、その該当するコラムから補助タンブラーeが除去さ
れた状態となる。(図18、図19)
【0007】この補助タンブラーeが除去された状態に
なると、全ての補助タンブラーeをプラグc内のタンブ
ラーdを収納するコラムに落とし込むディンプル状のキ
ー山を有するコンストラクションキーkcをプラグに差
し入れても、図20のようにその箇所に相当するシリン
ダーa内のタンブラーbは補助タンブラーeが除去され
たプラグc内のコラムに落ち込み、シリンダーa内のタ
ンブラーbがシェヤーラインを横切るため、プラグcを
回転させようとしても回転できず、このシリンダー錠に
ついてはコンストラクションキーkcでは解錠できなく
なる。
【0008】つまり、施工完了後その住宅等の居住者が
決まり、居住者がオーナーキーとして渡された順番通り
の一番目のキーk1を使用してシリンダー錠を一度でも
解錠すればその段階でコンストラクションキーkcの使
用が禁止され、不法解錠が防止される。
【0009】一番目のキーk1を所有している居住者が
そのキーを紛失したり、或いはその住宅等の住居者が代
わってもそのキーを返還しなかった場合には、先の一番
目のキーk1を紛失した居住者或いは新たな居住者に二
番目のオーナーキー(この場合通常はチェンジキーと称
する)k2が管理人から渡される。
【0010】二番目のキーk2は、図18のように一番
目のキーk1が補助タンブラーeを除去する箇所以外に
2番目の補助タンブラーeを除去できる平坦部kd2を
有しており、このキーk2を使用して1番目のキーk1
を紛失した居住者或いは新たな住居者がシリンダー錠を
解錠すれば、前述のコンストラクションキーkcから一
番目のキーk1へのキーチェンジの場合と同様にその段
階で二番目のキーk2のみの使用が可能となり、一番目
のキーk1の使用が禁止され、不法解錠が防止される。
【0011】このようにして最終のキー迄キーチェンジ
できるもので、補助タンブラーeが6個ある場合には六
番目のキー迄6回キーチェンジできるものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来のシ
リンダー錠を使用したキーチェンジシステムにあって
は、一旦新たなキーでシリンダー錠を解錠すると、シリ
ンダー錠内のタンブラーの解錠パターンが変更されされ
てしまい、一旦、解錠パターンが変更されると元に戻す
ことができないようになっているため、後述するマスタ
ーキーシステムには適用することができないという問題
点があった。
【0013】マスターキーシステムとは、複数の住宅等
にそれぞれ取り付けられた複数のシリンダー錠を一種類
の共通するキーで施、解錠することができるようにした
システムであって、賃貸マンション、ホテル等の集合住
宅等においては防犯管理、安全管理の面からも必須不可
欠のシステムである。
【0014】マスターキーシステムのように複数のシリ
ンダー錠を一種類の共通するキーで施、解錠することが
できるようにするには、複数のシリンダー錠の状態がそ
れぞれどのような状態にあっても、全てのシリンダー錠
に共通する解錠パターンが存在しなければならないた
め、解錠パターンが変更されされてしまい、一旦、解錠
パターンが変更されると元に戻すことができない従来の
シリンダー錠を使用したキーチェンジシステムを採用す
る集合住宅等ではマスターキーシステムを適用できず、
また、逆にマスターキーシステムを採用する集合住宅等
ではキーチェンジシステムを適用できなかった。
【0015】また、従来のマスターキーシステムでは、
マスターキーを紛失したり盗難されると、そのキーによ
って全ての住宅等において不法解錠される危険性がある
ため、マスターキーだけでなく全ての住宅等のシリンダ
ー錠及びキーを取替えなければならないという問題点も
あった。
【0016】
【発明の目的】本発明は、シリンダー錠内の補助タンブ
ラーをキーの種類によって選択的に除去できるようにし
てマスターキー機能を奏するための条件である全てのシ
リンダー錠に共通する解錠パターンを保ちながらキーチ
ェンジを可能とするだけでなく、マスターキーの紛失、
盗難によっても各住宅等のシリンダー錠を取替えなくて
もよいシリンダー錠におけるキーチェンジシステムを提
供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシリンダー
錠におけるキーチェンジシステムは、プラグに形成され
たキー挿入溝に適合するキーを挿入することにより、シ
リンダー内タンブラーとプラグ内タンブラーがシリンダ
ーとプラグのシェヤーラインに揃い、前記プラグがシリ
ンダー内で回転可能となって解錠するシリンダー錠であ
って、シリンダー内タンブラーとプラグ内タンブラーと
の間に補助タンブラーを介在させ、補助タンブラーを除
去することによってキーの変更を可能としたキーチェン
ジャブルシリンダー錠と、キーの背部に前記補助タンブ
ラーを除去するための凹部を形成したチェンジキー及び
キーの背部に補助タンブラーを除去するための凹部がな
いキーとの組み合わせから成り、新たなチェンジキーの
使用により先に使用したチェンジキーの使用を禁止する
ようにしたことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の作用】背部に補助タンブラーを除去するための
凹部を形成したチェンジキーを使用したときのみ補助タ
ンブラーが除去され、背部に補助タンブラーを除去する
ための凹部がないキーの使用では補助タンブラーは除去
されない。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明によるキーチェンジシステ
ムの実施の形態を図面について具体的に説明する。図1
は、オーナーキー8とマスターキー7の関係を表す系統
図、図2は、本発明システムを実施するためのキーチェ
ンジャブルシリンダー錠にコンストラクションキー6を
挿入した状態の縦断側面図、図3は、図2のA−A線に
おける縦断面図、図4は、同シリンダー錠にマスターキ
ー7を挿入した状態の縦断側面図、図5は、図4のB−
B線における縦断面図、図6は、同シリンダー錠に最初
のオーナーキー8a1を挿入した状態の縦断側面図、図
7は、図6のC−C線における縦断面図、図8は、図7
の状態でオーナーキー8a1を90度回転させた状態を
表す縦断面図、図9は、図8のD−D線における縦断側
面図、図10は、同シリンダー錠に二番目のオーナーキ
ー8a2を挿入した状態の縦断側面図である。
【0020】
【実施例1】1は、本発明よるキーチェンジシステムを
実施するためのシリンダー錠を構成するシリンダー、2
は、同シリンダーに回転自在に嵌挿されるプラグ、3…
3は、シリンダー1に形成された複数のコラムにそれぞ
れバネ31を介して嵌挿されるシリンダー内ピンタンブ
ラー、4…4は、プラグ2に形成された複数のコラムに
それぞれ嵌挿されるプラグ内ピンタンブラーであって、
プラグ2に形成されたキー挿入溝21にキーをプラグ前
方から差し入れることにより各々のピンタンブラーに対
応する後述するようなディンプル状のキー山によってプ
ラグ内ピンタンブラー4…4の上端がシリンダー1とプ
ラグ2のシェヤーラインに揃えられ、キーを回転させる
ことによりプラグ2がシリンダー1内で回転し、解錠す
るものであり、通常のピンタンブラー式のシリンダー錠
の構成と同じであり、マスターキーやグランドマスター
キー機能を奏しえるように、従来公知のシリンダー錠で
使用されるキーと同じくキーの一側部だけでなく他の側
部及びキーの背部でも上述と同じ作用をするシリンダー
内ピンタンブラー及びプラグ内ピンタンブラーの入った
別のコラム列及びブランクピンが入ったブランクコラム
が形成されているが、このコラム列については従来公知
のマスターキー機能付きのシリンダー錠の場合と同じで
あるので、その詳細な説明は省略する。
【0021】5(51…56)は、シリンダー内ピンタ
ンブラー3…3とプラグ内ピンタンブラー4…4の間に
介在させたボール型の補助タンブラーで、ボール型でな
くてもピン型や円盤型であってもよい。
【0022】尚、補助タンブラーは、通常は5で総称
し、説明のため順番を付して一番目の補助タンブラーを
51、二番目の補助タンブラーを52と呼称するものと
する。
【0023】6は、コンストラクションキーで、全ての
補助タンブラー5…5を、プラグ内ピンタンブラー4…
4を収納するコラム内に落とし、補助タンブラー5…5
の上端をシェヤーラインに揃えるディンプル状のキー山
6d…6dを側部に有している。
【0024】7は、図1の系統図に示すように、後述す
るオーナーキーを統括するマスターキーで、図4のよう
に全ての補助タンブラー5…5をプラグ外に押し出し、
プラグ内ピンタンブラー4…4の上端をシェヤーライン
に揃えるように側部が全て平坦となっている。
【0025】8(8a1、8a2…8a6)は、住宅の
居住者が管理者から順番に渡されるオーナーキーで、A
住宅の居住者が一番目に使用するオーナーキー8a1
は、補助タンブラー5…5が6個の場合、その内1個例
えば鍵孔から一番近いコラムにある一番目の補助タンブ
ラー51をプラグ内ピンタンブラー4を収納するコラム
外に押し出す平坦部を側部に有し、背部にはシリンダー
内ピンタンブラー3側に押し出された補助タンブラー5
1を収納し、キーのプラグ2からの脱却の際に除去でき
る凹部81が形成されている。図示のようなリバーシブ
ルキーの場合はキーをどの方向から挿入してもよいよう
に背部に対称的に2個の凹部81、81が形成されてい
るが、以後対称的な凹部についての記載は省略するもの
とし、81とは、一番目の凹部、82とは、二番目の凹
部を意味するものであり、六番目の凹部86迄あるもの
とする。
【0026】尚、オーナーキーは、通常は8で総称し、
説明のため順番を付してA住宅の居住者が一番目に使用
するオーナーキーを8a1、二番目に使用するオーナー
キーを8a2と呼称するものとする。
【0027】二番目に渡されるオーナーキー8a2に
は、前記一番目のオーナーキー8a1によって除去され
る補助タンブラー51を収納するコラム以外のコラムか
ら1個例えば鍵孔から二番目に近い補助タンブラー52
をシリンダー内ピンタンブラー2のコラム側に押し出す
平坦部を側部に有し、背部にはその補助タンブラー52
を除去する凹部82が形成されている。
【0028】三番目以降に順次渡されるオーナーキー8
a3…8a6の背部には、図示はしないが、順番通り補
助タンブラー53…56を除去する凹部83…86が形
成されており、オーナーキー8a1…8a6は順番通り
使用しなければキーチェンジしても解錠できないもので
あり、B、C…住宅のシリンダー錠においても同じであ
る。
【0029】次に、上記構成に従い、図示する実施例に
ついて本発明システムを集合住宅の建築中から各住宅の
居住者へ所有権が渡される順に具体的に説明する。
【0030】集合住宅全体の建築が完了して各住宅の内
装工事がなされていない段階では、内装工事を担当する
施工業者が所有するコンストラクションキー6を、内装
工事すべき住宅の戸締りをしているシリンダー錠に図2
のように挿入すると、このコンストラクションキー6
は、全ての住宅のシリンダー錠に共通して全部の補助タ
ンブラー5…5を、プラグ内ピンタンブラー4…4を収
納するコラム内に落とし、補助タンブラー5…5の上端
をシェヤーラインに揃えるディンプル状のキー山を側部
に有しているため、これを共通の要素としてコンストラ
クションキー6についてのマスターキーの製作は可能で
あり、内装工事中は全ての住宅或いは限定された範囲内
の複数の住宅のシリンダー錠を施、解錠できる。
【0031】この内装工事中に、マスターキー7をシリ
ンダー錠に挿入すると、図4、図5のように全ての住宅
のシリンダー錠に共通して全部の補助タンブラー5…5
を、プラグ内ピンタンブラー4…4を収納するコラム外
に押し出すつまり補助タンブラー5…5の有無にかかわ
らずプラグ内ピンタンブラー4…4の上端をシェヤーラ
インに揃えるように側部が全て平坦となっているので、
全ての住宅或いは限定された範囲内の複数の住宅のシリ
ンダー錠を施、解錠できる。
【0032】従来の、補助タンブラーを除去する凹部を
プラグに形成したキーチェンジャブルシリンダー錠で
は、マスターキーを挿入して解錠した段階で全部の補助
タンブラーが除去され、以後はマスターキーか最終のオ
ーナーキーでしか施、解錠できなかったが、本発明キー
チェンジシステムにおけるキーチェンジャブルシリンダ
ー錠ではプラグ及びマスターキーには補助タンブラーを
除去する凹部がないため、マスターキーを挿入して解錠
しても、補助タンブラーはシリンダー錠外に取り出され
ることがないので、マスターキーを抜き取れば、全ピン
タンブラー及び補助タンブラーの関係は全く変わらな
い。
【0033】内装工事が完了し、管理者から使用する順
番の決まった一番目のオーナーキー8a1を渡されたA
住宅の居住者がその住宅のシリンダー錠にオーナーキー
8a1を挿入して解錠すると、このオーナーキー8a1
は、図6、図7のように補助タンブラー51…56の内
一番目の補助タンブラー51をプラグ外に押し出す平坦
部を側部に有し、背部にはシリンダー内ピンタンブラー
側に押し出された補助タンブラー51を収納し、キーの
プラグ2からの抜取りの際に除去する凹部81が形成さ
れているので、解錠途中で図8、図9のように補助タン
ブラー51がシリンダー内タンブラー3を付勢するスプ
リング31によって凹部81に落ち込み、プラグ2から
オーナーキー8a1を抜くと、凹部81から補助タンブ
ラー51が脱落して除去される。
【0034】この補助タンブラー51が除去された状態
になると、全部の補助タンブラー5…5をプラグ内タン
ブラーを収納するコラムに落とし込むディンプルを有す
るコンストラクションキー6をプラグに差し入れても、
その箇所に相当するシリンダー内タンブラー3は補助タ
ンブラー51が除去されたプラグ内のコラムに落ち込
み、シリンダー内タンブラー3がシェヤーラインを横切
るため、プラグ2を回転させようとしても回転できず、
このシリンダー錠についてはコンストラクションキー6
では解錠できなくなり、所謂コンストラクションキー解
除状態となる。
【0035】この補助タンブラー51が除去された状態
になっても、補助タンブラー5…5の有無にかかわらず
プラグ内ピンタンブラー4…4の上端をシェヤーライン
に揃えるように側部が全て平坦となっているマスターキ
ー7では施、解錠可能であり、後述するキーチェンジ操
作で最終段階迄キーチェンジされてもマスターキー機能
は最終段階迄働くことになる。
【0036】一番目のオーナーキー8a1を所有してい
る居住者がそのキーを紛失したり、盗難されたり、或い
はその住宅の居住者が代わってもそのキーを返還しなか
った場合には、先の一番目のキー8a1を紛失した居住
者或いは新たな居住者に二番目のオーナーキー(この場
合通常はチェンジキーと称する)8a2が管理人から渡
される。
【0037】この二番目のキー8a2は、図10のよう
に一番目のキー8a1が補助タンブラー51を除去した
箇所以外の他の一箇所つまり二番目の補助タンブラー5
2を除去できる平坦部と凹部82を有しており、このキ
ー8a2を使用して一番目のキー8a1を紛失した居住
者或いは新たな居住者がシリンダー錠を解錠すれば、前
述のコンストラクションキー7から一番目のキー8a1
へのキーチェンジの場合と同様にその段階で一番目のキ
ー8a1の使用が禁止され、不法解錠が防止される。
【0038】このようにして最終の補助タンブラー56
を除去できる部分を有する最終のオーナーキー8a6迄
キーチェンジできるもので、補助タンブラー5が6個あ
る場合には6回キーチェンジできるものであり、B、C
…住宅のシリンダー錠においても同じである。
【0039】このキーチェンジ機能は、従来のキーチェ
ンジャブルシリンダー錠の場合と同じであるが、最終の
キーチェンジ迄マスターキー機能が保持されるところが
異なる。
【0040】
【実施例2】次に、本発明キーチェンジシステムの応用
例として、最初のマスターキー或いはマスターキーを統
括する最初のグランドマスターキーの紛失或いは盗難対
応システムについて説明する。
【0041】図11は、複数の住宅等のシリンダー錠を
ブロック毎に統括するマスターキーとこれらマスターキ
ーを統括するグランドマスターキーの関係を表す簡略化
した系統図で、マスターキー7、7には最初に使用する
マスターキー7a1、7b1と、この最初のマスターキ
ー7a1、7b1が紛失或いは盗難されたときに使用す
る第二のマスターキー7a2、7b2があり、図12、
図13のようにグランドマスターキー7Gにも同じく最
初に使用するグランドマスターキー7G1と、この最初
のグランドマスターキー7G1が紛失或いは盗難された
ときに使用する第二のグランドマスターキー7G2があ
るものとしておき、グランドマスターキー7G1、7G
2の側部及び背部には全てのシリンダー錠を施、解錠す
ることができるディンプル状のキー山7d…7dが形成
されているものとする。
【0042】また、全てのシリンダー錠において、チェ
ンジされるキーを含めて全てのオーナーキー8a1…8
a6は、一番目と二番目の補助タンブラー51、52を
プラグ外に押し出すようにしてプラグ内ピンタンブラー
4、4の上端をシェヤーラインに揃えるようにしたキー
であるように設定し、一番目と二番目の補助タンブラー
51、52は通常のキーチェンジには使用しないように
しておく。
【0043】最初に使用するグランドマスターキー7G
1は、一番目の補助タンブラー51をプラグ内ピンタン
ブラー4を収納するコラム内に落とし込むディンプル状
のキー山を側部に有するキーとし、第二のグランドマス
ターキー7G2は、一番目の補助タンブラー51をプラ
グ外に押し出し、該当するプラグ内ピンタンブラー4の
上端をシェヤーラインに揃えるようにしたキーで、図1
3のように背部にはシリンダー内ピンタンブラー側に押
し出された補助タンブラー51を収納する凹部7G21
を形成したキーとしておく。
【0044】最初に使用するグランドマスターキー7G
1は、全てのシリンダー錠において一番目の補助タンブ
ラー51をプラグ内ピンタンブラー4を収納するコラム
内に落とし込むディンプル状のキー山を側部に有するキ
ーであるので、これを共通として全てのシリンダー錠を
施、解錠できる。
【0045】グランドマスターキー7G1を紛失したと
き或いは盗難されたとき、図13に示す第二のグランド
マスターキー7G2を全てのシリンダー錠に挿入して解
錠すると、第二のグランドマスターキー7G2は、一番
目の補助タンブラー51をプラグ外に押し出し、プラグ
内ピンタンブラー4、4の上端をシェヤーラインに揃え
るようにしたキーであるから、解錠途中で1番目の補助
タンブラー51は、背部に形成された凹部7G21に落
ち込み、グランドマスターキー7G2を抜くときに補助
タンブラー51は脱落して除去される。
【0046】この一番目の補助タンブラー51が除去さ
れたシリンダー錠にマスターキー7やオーナーキー8を
挿入した場合、このマスターキー7やオーナーキー8
は、補助タンブラー5の有無にかかわらずプラグ内ピン
タンブラー4、4の上端をシェヤーラインに揃えるよう
にしたキーであるから、このキーによって施、解錠可能
であり、マスターキー7やオーナーキー8を変更する必
要がない。
【0047】この一番目の補助タンブラー51が除去さ
れたシリンダー錠に最初のグランドマスターキー7G1
を挿入した場合、そのコラムのシリンダー内タンブラー
3は補助タンブラー51が除去されたプラグ内のコラム
に落ち込み、シリンダー内タンブラー3がシェヤーライ
ンを横切るため、プラグ2を回転させようとしても回転
できず、解錠不能状態となって、最初のグランドマスタ
ーキー7G1による不法解錠が防止される。
【0048】マスターキー7の場合は、二番目の補助タ
ンブラー52を使用して上述のグランドマスターキーの
場合と同様のことを行えばよいものである。
【0049】この実施例の場合、実施例1で述べたキー
チェンジシステムで使用した補助タンブラーの内二個の
補助タンブラー51、52を利用したので、オーナーキ
ーによるキーチェンジの回数は減るが、別のコラムでこ
のマスターキー或いはグランドマスターキーの紛失或い
は盗難対応策を講じれば、キーチェンジの回数の減少は
避けられるものである。
【0050】
【発明の効果】本発明に係るシリンダー錠におけるキー
チェンジシステムによれば、シリンダー錠内の補助タン
ブラーをキーの種類によって選択的に除去できるように
してマスターキー機能を奏するための条件である全ての
シリンダー錠に共通する解錠パターンが保てるようにし
たものであるから、建物の建築中に使用されるコンスト
ラクションキーだけがオーナーキー(チェンジキー)の
使用により禁止されるだけでオーナーキーを統括するマ
スターキー、グランドマスターキーの使用が制限される
ようなことがなく、従来のキーチェンジシステムでは成
し得なかったマスターキー機能を有するキーチェンジシ
ステムを提供することができるものであり、賃貸マンシ
ョン、ホテル等の集合住宅或いは集合住居においては極
めて有用であり、特に、マスターキーシステムが必須不
可欠で、且つ、頻繁に人の出入りがあってキーの紛失事
故が多いホテル等の施設では長期に亘ってシリンダー錠
を取り替える必要のない本発明キーチェンジシステム
は、経済性を含めて画期的なシテムといえるものであ
る。
【0051】また、従来はマスターキー或いはグランド
マスターキーを紛失したとき或いは盗難されたときには
防犯上全てのシリンダー錠を取替える必要があったが、
請求項3のようにチェンジキーを二番目のマスターキー
或いはグランドマスターキーとすれば、二番目のマスタ
ーキー或いはグランドマスターキーを使用して全てのシ
リンダー錠を一旦解錠するだけで一番目のマスターキー
或いはグランドマスターキーによる不法解錠が防止さ
れ、且つ、従来から所有するオーナーキーはその儘で
施、解錠できるので、従来のマスターキーシステムのよ
うにマスターキーを変更した場合、全てのシリンダー錠
を取替えなければならないという不経済な対応策を講じ
ることなくマスターキー或いはグランドマスターキーの
紛失或いは盗難に対応できるという極めて優れた効果も
奏し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】オーナーキー8とマスターキー7の関係を表す
系統図である。
【図2】本発明キーチェンジシステムを実施するための
キーチェンジャブルシリンダー錠にコンストラクション
キー6を挿入した状態の縦断側面図である。
【図3】図2のA−A線における縦断面図である。
【図4】同シリンダー錠にマスターキー7を挿入した状
態の縦断側面図である。
【図5】図4のB−B線における縦断面図である。
【図6】同シリンダー錠に最初のオーナーキー8a1を
挿入した状態の縦断側面図である。
【図7】図6のC−C線における縦断面図である。
【図8】図7の状態でオーナーキー8a1を90度回転
させた状態を表す縦断面図である。
【図9】図8のD−D線における縦断側面図である。
【図10】同シリンダー錠に二番目のオーナーキー8a
2を挿入した状態の縦断側面図である。
【図11】複数の住宅等のシリンダー錠をブロック毎に
統括するマスターキー7とこれらマスターキーを統括す
るグランドマスターキー7Gの関係を表す簡略化した系
統図である。
【図12】第一のグランドマスターキー7G1の一部縦
断側面図である。
【図13】第二のグランドマスターキー7G2の一部縦
断側面図である。
【図14】従来のシステムを実施するためのキーチェン
ジャブルシリンダー錠にコンストラクションキーkcを
挿入した状態の縦断側面図である。
【図15】図13のイ−イ線における縦断面図である。
【図16】同シリンダー錠に最初のオーナーキーk1を
挿入した状態の縦断側面図である。
【図17】図16のロ−ロ線における縦断面図である。
【図18】同シリンダー錠に二番目のオーナーキーk2
を挿入した状態の縦断側面図である。
【図19】図18のハ−ハ線における縦断面図である。
【図20】同シリンダー錠に最初のオーナーキーk1を
挿入し、解錠した後にコンストラクションキーを挿入し
た状態の縦断側面図である。
【符号の説明】
1…シリンダー 2…プラグ 3…シリンダー内ピンタ
ンブラー 4…プラグ内ピンタンブラー 5…補助タンブラー 6…コンストラクションキー 7…マスターキー 8…
オーナーキー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 シリンダー錠におけるキーチェンジ
システム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダー内タン
ブラーとプラグ内タンブラーとの間に補助タンブラーを
介在させ、補助タンブラーを除去することによってキー
の変更を可能とし、且つ、マスターキー機能も奏し
シリンダー錠におけるキーチェンジシステムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、シリンダー錠におけるキーチェ
ンジシステムとは、賃貸マンション、ホテル等の集合住
宅或いは集合住居において、建物の施工時に複数の住宅
等の内装工事を担当する施工業者が全ての住宅等の戸締
りをするシリンダー錠を、施工業者が所有する一種類の
キーつまりコンストラクションマスターキーで共通して
施、解錠できるようにし、住宅等の居住者が決まって、
その居住者が居住者専用のキーつまりオーナーキーを一
度でも使用して操作すると、前記コンストラクションマ
スターキーが二度と使用できないようにしたコンストラ
クションキーシステムや、居住者がオーナーキーを紛失
したり、居住者がわった場合に、次に使用される第
二、第三…の新たなオーナーキー(通常これをチェンジ
キーと呼称する)で一度でも操作すると、先に使用して
いたオーナーキーが使用できないようにするキーシステ
ムのことをいう。
【0003】この従来のキーチェンジシステムの原理
を、従来例である図14から図20に示すシリンダー錠
について説明すれば次の通りであり、キーの幅の広い部
分を側部、幅の狭い部分を背部と定義しておくものとす
る。
【0004】このシリンダー錠xは、シリンダーa内の
タンブラー群b…bとプラグc内のタンブラー群d…d
との間に補助タンブラーe…eを介在させ、プラグcに
はそれぞれの補助タンブラーeを除去するための凹部f
を形成したものである。
【0005】このシリンダー錠xにおいて、例えば、タ
ンブラーb、dを収納するコラム数が6で、全てのコラ
ムに補助タンブラーeが入っている場合、全ての補助タ
ンブラーe…eをプラグc内のタンブラーを収納するコ
ラムに落とし込み、図14、図15のように補助タンブ
ラーeの上端をシリンダーaとプラグcのシェヤーライ
ンLに揃えるディンプル状のキー山kdを側部と背部に
有するキーをコンストラクションキーkcとし、施工中
はこのコンストラクションキーkcを使用して操作する
ようにしておく。
【0006】施工が完了してその住宅等の居住者が決ま
り、居住者がオーナーキーとして渡された一番目のキー
k1をこのシリンダー錠のプラグに差し入れると、図1
6、17のようにこの一番目のキーk1は6個ある補助
タンブラーの内1個、例えば鍵孔の入口に最も近い一番
目の補助タンブラーe(e1)をシリンダーa内のタン
ブラーbを収納するコラム内に押し上げ、つまり、補助
タンブラーe(e1)をプラグc外に押し出し、補助タ
ンブラーe(e1)の下端をシェヤーライン(境界線)
に揃える平坦部kd1を側部に有しており、I番目の
オーナーキーk1を回し、プラグcを回転させると、そ
の回転途中において補助タンブラーe(e1)がシリン
ダーa内のタンブラーbを付勢するスプリングによって
凹部fに落ち込み、その該当するコラムから補助タンブ
ラーe(e1)が除去された状態となる(図19
照)。このようにして、二番目の補助タンブラーe2も
図18の状態から図19の如く凹部fに落し込み除去状
態となり、その他の補助タンブラーe3〜e6も順次同
様に行なえる。
【0007】例えば、この補助タンブラーeの一番目の
補助タンブラーe1が除去された状態となると、図14
の如く全ての補助タンブラーeをプラグc内のタンブラ
ーdに収納するコラムに落とし込むディンプル状のキー
山を有するコンストラクションキーkcをプラグに差し
入れても、図20のように補助タンブラーe1対応
るシリンダーa内のタンブラーb(b1)は補助タンブ
ラーe(e1)が除去されたプラグc内のコラムに落ち
込み、シリンダーa内のタンブラーb(b1)がシェヤ
ーラインLを横切るため、プラグcを回転させようとし
ても回転できず、このシリンダー錠についてはコンスト
ラクションキーkcでは操作できなくなる。
【0008】つまり、施工完了後その住宅等の居住者が
決まり、居住者がオーナーキーとして渡された順番通り
の一番目のキーk1を使用してシリンダー錠を一度でも
操作すれば、その段階でコンストラクションキーkcの
使用が禁止され、不法解錠が防止される。
【0009】一番目のキーk1を所有している居住者が
そのキーを紛失したり、或いはその住宅等の居住者が
ってもそのキーを返還しなかった場合には、先の一番
目のキーk1を紛失した居住者或いは新たな居住者に二
番目のオーナーキー(この場合通常はチェンジキーと称
する)k2が管理人から渡される。
【0010】二番目のキーk2は、図18のように一番
目のキーk1が補助タンブラーe(e1)を除去する箇
所以外に二番目の補助タンブラーe(e2)を除去でき
る平坦部kd2を有しており、このキーk2を使用して
一番目のキーk1を紛失した居住者或いは新たな居住者
がシリンダー錠を操作すれば、前述のコンストラクショ
ンキーkcから一番目のキーk1へのキーチェンジの場
合と同様にその段階で二番目のキーk2のみの使用が可
能となり、コンストラクションキーKCは勿論のこと
番目のキーk1の使用が禁止され、不法解錠が防止され
る。
【0011】このようにして最終のキー迄キーチェンジ
できるもので、補助タンブラーeが6個ある場合には六
番目のキー迄6回キーチェンジできるものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来のシ
リンダー錠を使用したキーチェンジシステムにあって
は、一旦新たなキーでシリンダー錠を操作すると、シリ
ンダー錠内のタンブラーの解錠パターンが変更されてし
まい、一旦、解錠パターンが変更されると元に戻すこと
ができないようになっているため、後述するマスターキ
ーシステムには適用することができないという問題点が
あった。
【0013】マスターキーシステムとは、複数の住宅等
にそれぞれ取り付けられた複数のシリンダー錠を一種類
の共通するキーで施、解錠することができるようにした
システムであって、賃貸マンション、ホテル等の集合住
宅等においては防犯管理、安全管理の面からも必須不可
欠のシステムである。
【0014】マスターキーシステムのように複数のシリ
ンダー錠を各々の個有のキー(子かぎ)とは別の一種類
の共通するマスターキーで操作することができるように
するには、複数のシリンダー錠の状態がそれぞれどのよ
うな状態にあっても、全てのシリンダー錠に共通する解
錠パターンが存在しなければならないため、解錠パター
ンが変更されてしまい、一旦、解錠パターンが変更され
ると元に戻すことができない従来のシリンダー錠を使用
したキーチェンジシステムを採用する集合住宅等ではマ
スターキーシステムを適用できず、また、逆にマスター
キーシステムを採用する集合住宅等ではキーチェンジシ
ステムを適用できなかった。
【0015】また、従来のマスターキーシステムでは、
マスターキーを紛失したり盗難されると、そのマスター
キーによって全ての住宅等において不法解錠される危険
性があるため、マスターキーだけでなく全ての住宅等の
シリンダー錠及びキーを取替えなければならないという
問題点もあった。
【0016】
【発明の目的】本発明は、シリンダー錠内の補助タンブ
ラーをキーの種類によって選択的に除去できるようにし
てマスターキー機能を奏するための条件である全てのシ
リンダー錠に共通する解錠パターンを保ちながらキーチ
ェンジを可能とするだけでなく、マスターキーの紛失、
盗難によっても各住宅等のシリンダー錠を取替えなくて
もよいシリンダー錠におけるキーチェンジシステムを提
供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシリンダー
錠におけるキーチェンジシステムは、プラグに形成され
たキー挿入孔に適合するキーを挿入することにより、シ
リンダー内タンブラーとプラグ内タンブラーがシリンダ
ーとプラグのシェヤーラインに揃い、前記プラグがシリ
ンダー内で回転可能となって解錠することができて、シ
リンダー内タンブラーとプラグ内タンブラーとの間に補
助タンブラーを介在させ、補助タンブラーを除去するこ
とによってキーの変更を可能としたシリンダー錠におけ
るキーチェンジシステムであって、前記キーは、キーの
背部に前記補助タンブラーを除去するための凹部を形成
したチェンジキーと、キーの背部に補助タンブラーを除
去するための凹部がないキーとの組み合わせから成り、
新たなチェンジキーの使用により先に使用したチェンジ
キーの使用を禁止するようにしたことを特徴とするもの
である。
【0018】
【発明の作用】背部に補助タンブラーを除去するための
凹部を形成したチェンジキーを使用したときのみ補助タ
ンブラーが除去され、背部に補助タンブラーを除去する
ための凹部がないキーの使用では補助タンブラーは除去
されない。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明によるキーチェンジシス
テムの実施の形態の第1例を図1〜図10に基づいて以
下に説明する。図1はオーナーキー8とマスターキー7
の関係を表す系統図、図2は本発明のシステムを実施す
るためのシリンダー錠(又はキーチェンジが可能なシリ
ンダー錠)にコンストラクションキー6を挿入した状態
の縦断側面図、図3は図2のA−A線における縦断面
図、図4は同シリンダー錠にマスターキー7を挿入した
状態の縦断側面図、図5は図4のB−B線における縦断
面図、図6は同シリンダー錠に最初のオーナーキー8a
1を挿入した状態の縦断側面図、図7は図6のC−C線
における縦断面図、図8は図7の状態でオーナーキー8
a1を時計方向に90度回転させた状態を表す縦断面
図、図9は図8のD−D線における縦断側面図、図10
は同シリンダー錠に二番目のオーナーキー8a2を挿入
した状態の縦断側面図である。
【0020】1は本発明によるキーチェンジシステムを
実施するためのシリンダー錠を構成するシリンダー、2
は同シリンダーに回転自在に嵌挿されるプラグ、3…3
はシリンダー1に形成された複数のコラムにそれぞれバ
ネ31を介して嵌挿されるシリンダー内タンブラー、4
…4はプラグ2に形成された複数のコラムにそれぞれ嵌
挿されるプラグ内タンブラーであって、プラグ2に形成
されたキー挿入孔21にキーをプラグ前方から差し入れ
ることにより各々のタンブラーに対応する後述するよう
なディンプル状のキー山によってプラグ内タンブラー4
…4の上端がシリンダー1とプラグ2のシェヤーライン
(境界線)Lに揃えられ、キーを回転させることにより
プラグ2がシリンダー1内で回転し、操作するものであ
り、通常のピンタンブラー式のシリンダー錠の構成と同
じであり、マスターキーやグランドマスターキー機能
を奏しるように、従来公知のシリンダー錠で使用され
るキーと同じくキーの一側部だけでなく他の側部及びキ
ーの背部でも上述と同じ作用をするシリンダー内タンブ
ラー及びプラグ内タンブラーの入った別のコラム列及び
ブランクピンが入ったブランクコラムが形成されている
が、このコラム列については従来公知のマスターキー機
能付きのシリンダー錠の場合と同じであるので、その詳
細な説明は省略する。
【0021】5(51…56)は、シリンダー内タンブ
ラー3…3とプラグ内タンブラー4…4の間に介在させ
たボール型の補助タンブラーで、ボール型でなくてもピ
ン型や円盤型であってもよい。
【0022】尚、補助タンブラーは、通常は5で総称
し、説明のため順番を付して一番目の補助タンブラーを
51、二番目の補助タンブラーを52、順次三番目を5
3、四番目を54、五番目を55、六番目を56と呼称
するものとする。
【0023】6は、コンストラクションキーで、全ての
補助タンブラー5…5を、プラグ内タンブラー4…4を
収納するコラム内に落とし、補助タンブラー5…5の上
端をシェヤーラインLに揃えるディンプル状のキー山6
d…6dを側部に有している。
【0024】7は、図1の系統図に示すように、後述す
るオーナーキーを統括するマスターキーで、図4のよう
に全ての補助タンブラー5…5をプラグ外に押し出し、
プラグ内タンブラー4…4の上端をシェヤーラインL
揃えるように側部が全て平坦となっている。
【0025】8(8a1、8a2…8a6)は、住宅の
居住者が管理者から順番に渡されるオーナーキーで、A
住宅の居住者が一番目に使用するオーナーキー8a1
は、補助タンブラー5…5が6個の場合、その内1個例
えば鍵孔の入口から一番近いコラムにある一番目の補助
タンブラー51を、プラグ内タンブラー4(4a)を収
納するコラム外に押し出す平坦部を側部に有し、背部に
はシリンダー内タンブラー3側に押し出された補助タン
ブラー51を収納し、キーのプラグ2からの脱却の際に
除去できる凹部81が形成されている(図7〜図9参
照)。図示のようなキーを上下どちらの向きに差し込ん
でもよいリバーシブルキーの場合は背部に対称的に2個
の凹部81、81が一番目の凹部81として形成されて
いる。このように一対の対照的な凹部は、便宜上図9に
仮想線で示す如く、一番目の居住者が一番目のキー8a
1を紛失したとき又は居住者が替わって二番目の居住者
が使用するオーナーキー8a2には二番目の凹部82、
82が、一番目の居住者が二番目のキー8a2を紛失し
たとき又は居住者が替わって三番目の居住者が使用する
オーナーキー8a3には三番目の凹部83、83が、同
様にして順次に8a4には84、84が、8a5には8
5、85が、8a6には86、86が形成されている。
【0026】尚、オーナーキーは、通常は8で総称し、
説明のため順番を付してA住宅の一番目の居住者が一番
目に使用するオーナーキーを8a1、上述した如く一番
目の居住者が一番目のキー8a1を紛失したとき又は居
住者が替わって二番目の居住者が使用するオーナーキー
を8a2、同様にして順次に8a3、8a4、8a5、
8a6と呼称するものとする。図9の如く、一番目のオ
ーナーキー8a1でシリンダー錠を操作してキーの凹部
81に補助タンブラー51が収納された後、このオーナ
ーキー8a1をシリンダー錠から抜くことによってシリ
ンダー錠から補助タンブラー51は除去される。(復元
はできない。)
【0027】次に、二番目に渡されるオーナーキー8a
2には、図10の如く前記一番目のオーナーキー8a1
によって除去された補助タンブラー51が収納してあっ
コラム以外の別のコラムから1個例えば鍵孔の入口
ら二番目に近い補助タンブラー52をシリンダー内タン
ブラー3のコラム側に押し出す平坦部を側部に有し、背
部にはその補助タンブラー52を除去する凹部82が形
成されている。
【0028】三番目以降に順次渡されるオーナーキー8
a3…8a6の背部には、図示はしないが、順番通り補
助タンブラー53…56を除去する凹部83…86が形
成されており、B、C…住宅のシリンダー錠においても
同じである。
【0029】次に、上記構成に従い、図示する実施例に
ついて本発明のシステムを集合住宅の建築中から各住宅
の居住者へ所有権が渡される順に具体的に説明する。
【0030】集合住宅の工事中の段階では、例えば内装
工事を担当する施工業者が所有するコンストラクション
キー6を、内装工事すべき住宅の戸締りをしているシリ
ンダー錠に図2のように挿入すると、このコンストラク
ションキー6は、全ての住宅のシリンダー錠に共通して
全部の補助タンブラー5…5を、プラグ内タンブラー4
…4を収納するコラム内に落とし、補助タンブラー5…
5の上端をシェヤーラインLに揃えるディンブル状のキ
ー山を側部に有しているため、これを共通の要素として
コンストラクションキー6についてのマスターキーの製
作は可能であり、このマスターキー(図4で言えば符号
7)で内装工事中は全ての住宅或いは限定された範囲内
の複数のシリンダー錠を施、解錠できる。
【0031】この内装工事中に、マスターキー7をシリ
ンダー錠に挿入すると、図4、図5のように全ての住宅
のシリンダー錠に共通して全部の補助タンブラー5…5
を、プラグ内タンブラー4…4を収納するコラム外に押
し出す、つまり補助タンブラー5…5の有無にかかわら
ずプラグ内タンブラー4…4の上端をシェヤーラインL
に揃えるように側部が全て平坦になっているので、全て
の住宅或いは限定された範囲内の複数のシリンダー錠を
施、解錠できる。
【0032】従来の補助タンブラーを除去する凹部をプ
ラグに形成したキーチェンジが可能なシリンダー錠で
は、マスターキーを挿入して解錠した段階で全部の補助
タンブラーが除去され、以後はマスターキーか最終のオ
ーナーキーでしか施、解錠できなかったが、本発明
ーチェンジシステムにおけるシリンダー錠ではプラグ及
びマスターキーにば補助タンブラーを除去する凹部がな
いため、マスターキーを挿入して解錠しても、補助タン
ブラーはシリンダー錠外に取り出されることがないの
で、マスターキーを抜き取れば、全ピンタンブラー及び
補助タンブラーの関係は全く変わらない。
【0033】内装工事が完了し、管理者から使用する順
番の決まった一番目のオーナーキー8a1を渡されたA
住宅の居住者がその住宅のシリンダー錠にオーナーキー
8a1を挿入して解錠すると、このオーナーキー8a1
は、図6、図7のように補助タンブラー51…56の内
一番目の補助タンブラー51をプラグ外に押し出す平坦
部を側部に有し、背部にはシリンダー内タンブラー側に
押し出された補助タンブラー51を収納し、キーのプラ
グ2からの抜取りの際に除去する凹部81が形成されて
いるので、解錠途中で図8、図9のように補助タンブラ
ー51がシリンダー内タンブラー3を付勢するスプリン
グ31によって凹部81に落ち込み、プラグ2から一番
目のオーナーキー8a1を抜くと、凹部81から補助タ
ンブラー51が脱落して除去される。
【0034】この補助タンブラー51が除去された状態
になると、全部の補助タンブラー5…5をプラグ内タン
ブラーを収納するコラムに落とし込むディンプルを有す
るコンストラクションキー6をプラグに差し入れても、
その箇所に相当するシリンダー内タンブラー3は補助タ
ンブラー51が除去されたプラグ内のコラムに落ち込
み、シリンダー内タンブラー3がシェヤーラインを横切
るため、プラグ2を回転させようとしても回転できず、
このシリンダー錠についてはコンストラクションキー6
では解錠できなくなり、所謂コンストラクションキーが
解除状態となる。
【0035】この補助タンブラー51が除去された状態
になっても、補助タンブラー5…5の有無にかかわらず
プラグ内タンブラー4…4の上端をシェヤーラインに揃
えるように側部が全て平坦となっているマスターキー7
では施、解錠可能であり、後述するキーチェンジ操作で
最終段階迄キーチェンジされてもマスターキー機能は最
終段階迄働くことになる。
【0036】一番目のオーナーキー8a1を所有してい
る居住者がそのキーを紛失したり、盗難されたり、或い
はその住宅の居住者が代わってもそのキーを返還しなか
った場合には、先の一番目のオーナーキー8a1を紛失
した居住者或いは新たな居住者に二番目のオーナーキー
(この場合通常はチェンジキーと称する)8a2が管理
者から渡される。
【0037】この二番目のオーナーキー8a2は、図1
0のように一番目のオーナーキー8a1が補助タンブラ
ー51を除去した箇所以外の他の一箇所つまり二番目の
補助タンブラー52を除去できる平坦部と凹部82を有
しており、このキー8a2を使用して一番目のキー8a
1を紛失した居住者或いは新たな居住者がシリンダー錠
を解錠すれば、前述のコンストラクションキー6から一
番目のオーナーキー8a1へのキーチェンジの場合と同
様にその段階で一番目のオーナーキー8a1の使用が禁
止され、不法解錠が防止される。
【0038】このようにして最終の補助タンブラー56
を除去できる部分を有する最終のオーナーキー8a6迄
キーチェンジできるもので、補助タンブラー5が6個あ
る場合には6回キーチェンジできるものであり、B、C
…住宅のシリンダー錠においても同じである。
【0039】このキーチェンジ機能は、従来のキーチェ
ンジが可能なシリンダー錠の場合と同じであるが、最終
のキーチェンジ迄マスターキー機能が保持されるところ
が異なる。
【0040】
【発明の実施の形態2 】次に、本発明キーチェンジシ
ステムの応用例として、最初のマスターキー或いはマス
ターキーを統括する最初のグランドマスターキーの紛失
或いは盗難対応システムについて、図11〜図13に前
記図1〜図10を参考にして以下に説明する。
【0041】図11は、複数の住宅等のシリンダー錠を
ブロック毎に統括するマスターキーとこれらマスターキ
ーを統括するグランドマスターキーの関係を表す簡略化
した系統図で、マスターキー7、7には最初に使用する
マスターキー7a1、7b1と、この最初のマスターキ
ー7a1、7b1が紛失或いは盗難されたときに使用す
る第二のマスターキー7a2、7b2があり、図12、
図13のようにグランドマスターキー7Gにも同じく最
初に使用するグランドマスターキー7G1と、この最初
のグランドマスターキー7G1が紛失或いは盗難された
ときに使用する第二のグランドマスターキー7G2があ
るものとしておき、グランドマスターキー7G1、7G
2の側部及び背部には全てのシリンダー錠を施、解錠す
ることができるディンプル状のキー山7d…7dが形成
されているものとする。
【0042】また、全てのシリンダー錠において、チェ
ンジされるキーを含めて全てのオーナーキー8a…
は、一番目と二番目の補助タンブラー51、52をプラ
グ外に押し出すようにしてプラグ内タンブラー4、4の
上端をシェヤーラインに揃えるようにしたキーであるよ
うに設定し、一番目と二番目の補助タンブラー51、5
2は通常のキーチェンジには使用しないようにしてお
く。
【0043】最初に使用するグランドマスターキー7G
1は、一番目の補助タンブラー51をプラグ内タンブラ
ー4を収納するコラム内に落とし込むディンプル状のキ
ー山を側部に有するキーとし、第二のグランドマスター
キー7G2は、一番目の補助タンブラー51をプラグ外
に押し出し、該当するプラグ内タンブラー4の上端をシ
ェヤーラインに揃えるようにしたキーで、図13のよう
に背部にはシリンダー内タンブラー側に押し出された補
助タンブラー51を収納する凹部7G21を形成したキ
ーとしておく。
【0044】最初に使用するグランドマスターキー7G
1は、全てのシリンダー錠において一番目の補助タンブ
ラー51をプラグ内タンブラー4を収納するコラム内に
落とし込むディンプル状のキー山を側部に有するキーで
あるので、これを共通として全てのシリンダー錠を操作
できる。
【0045】グランドマスターキー7G1を紛失したと
き或いは盗難されたとき、図13に示す第二のグランド
マスターキー7G2を全てのシリンダー錠に挿入して
すると、第二のグランドマスターキー7G2は、一番
目の補助タンブラー51をプラグ外に押し出し、プラグ
内タンブラー4、4の上端をシェヤーラインに揃えるよ
うにしたキーであるから、解錠途中で一番目の補助タン
ブラー51は、背部に形成された凹部7G21に落ち込
み、グランドマスターキー7G2を抜くときに補助タン
ブラー51は脱落して除去される。
【0046】この一番目の補助タンブラー51が除去さ
れたシリンダー錠にマスターキー7やオーナーキー8を
挿入した場合、このマスターキー7やオーナーキー8
は、補助タンブラー5の有無にかかわらずプラグ内タ
ブラー4、4の上端をシェヤーラインに揃えるようにし
たキーであるから、このキーによって施、解錠可能であ
り、マスターキー7やオーナーキー8を変更する必要が
ない。
【0047】この一番目の補助タンブラー51が除去さ
れたシリンダー錠に最初の紛失又は盗難したグランドマ
スターキー7G1を挿入した場合、そのコラムのシリン
ダー内タンブラー3は、補助タンブラー51が除去され
たプラグ内のコラムに落ち込み、シリンダー内タンブラ
ー3がシェヤーラインを横切るため、プラグ2を回転さ
せようとしても回転できず、解錠不能状態となって、
失又は盗難した最初のグランドマスターキー7G1によ
る不法解錠が防止される。
【0048】マスターキー7の場合は、二番目の補助タ
ンブラー52を使用して上述のグランドマスターキーの
場合と同様のことを行えばよいものである。
【0049】この実施例の場合、実施例1で述べたキー
チェンジシステムで使用した補助タンブラーの内二個の
補助タンブラー51、52を利用したので、オーナーキ
ーによるキーチェンジの回数は減るが、別のコラムでこ
のマスターキー或いはグランドマスターキーの紛失或い
は盗難対応策を講じれぼ、キーチェンジの回数の減少は
避けられるものである。
【0050】
【発明の効果】本発明に係るシリンダー錠におけるキー
チェンジシステムによれば、シリンダー錠内の補助タン
ブラーを異なるキーによって選択的に除去できるように
してマスターキー機能を奏するための条件である全ての
シリンダー錠に共通する解錠パターンが保てるようにし
たものであるから、建物の建築中に使用されるコンスト
ラクションキーだけがオーナーキー(チェンジキー)の
使用により禁止されるだけでオーナーキーを統括するマ
スターキー、グランドマスターキーの使用が制限される
ようなことがなく、従来のキーチェンジシステムでは成
し得なかったマスターキー機能を有するキーチェンジシ
ステムを提供することができるものであり、賃貸マンシ
ョン、ホテル等の集合住宅或いは集合住居においては極
めて有用であり、特に、マスターキーシステムが必須不
可欠で、且つ、頻繁に人の出入りがあってキーの紛失事
故が多いホテル等の施設では長期に亘ってシリンダー錠
を取り替える必要のない本発明キーチェンジシステム
は、経済性を含めて画期的なシステムといえるものであ
る。
【0051】また、従来はマスターキー或いはグランド
マスターキーを紛失したとき或いは盗難されたときには
防犯上全てのシリンダー錠を取替える必要があったが、
請求項3のようにチェンジキーを二番目のマスターキー
或いは二番目のグランドマスターキーとすれば、二番目
のマスターキー或いはグランドマスターキーを使用して
全てのシリンダー錠を一旦解錠するだけで一番目のマス
ターキー或いはグランドマスターキーによる不法解錠が
防止され、且つ、従来から使用しているオーナーキーは
その儘で使用できるので、従来のマスターキーシステム
のようにマスターキーを変更した場合、全てのシリンダ
ー錠を取替えなければならないという不経済な対応策を
講じることなくマスターキー或いはグランドマスターキ
ーの紛失或いは盗難に対応できるという極めて優れた効
果も奏し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のオーナーキーとマスタ
ーキーの関係を表す系統図である。
【図2】本発明キーチェンジシステムを実施するため
シリンダー錠(又はキーチェンジが可能なシリンダー
錠)にコンストラクションキーを挿入した状態の縦断側
面図である。
【図3】図2のA−A線における縦断面図である。
【図4】同ンリンダー錠にマスターキーを挿入した状態
の縦断側面図である。
【図5】図4のB−B線における縦断面図である。
【図6】同シリンダー錠に最初のオーナーキーを挿入し
た状態の縦断側面図である。
【図7】図6のC−C線における縦断面図である。
【図8】図7の状態でオーナーキーを時計方向に90度
回転させた状態を表す縦断面図である。
【図9】図8のD−D線における縦断側面図である。
【図10】同シリンダー錠に二番目のオーナーキーを挿
入した状態の縦断側面図である。
【図11】本発明の第2実施形態のマスターキーとこれ
らマスターキーを統括するグランドマスターキーの関係
を表す簡略化した系統図である。
【図12】第一のグランドマスターキーの一部縦断側面
図である。
【図13】第二のグランドマスターキーの一部縦断側面
図である。
【図14】従来例のキーチェンジが可能なシリンダー錠
にコンストラクションキーを挿入した状態の縦断側面図
である。
【図15】図14α−α線における縦断面図である。
【図16】同シリンダー錠に最初のオーナーキーを挿入
した状態の縦断側面図である。
【図17】図16のβ−β線における縦断面図である。
【図18】同シリンダー錠に二番目のオーナーキーを挿
入した状態の縦断側面図である。
【図19】図18のγ−γ線における縦断面図である。
【図20】同シリンダー錠に最初のオーナーキーを挿入
し、解錠した後にコンストラクションキーを挿入した状
態の縦断側面図である。
【符号の説明】 1 シリンダー 2 プラグ 3 シリンダー内タンブラー 4 プラグ内タンブラー 5(51〜56) 補助タンブラー 6 コンストラクションキー 7 マスターキー 8 オーナーキー 21 キー挿入孔 L シェヤーライン
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図5】
【図12】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図15】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラグに形成されたキー挿入溝に適合す
    るキーを挿入することにより、シリンダー内タンブラー
    とプラグ内タンブラーがシリンダーとプラグのシェヤー
    ラインに揃い、前記プラグがシリンダー内で回転可能と
    なって解錠するシリンダー錠であって、シリンダー内タ
    ンブラーとプラグ内タンブラーとの間に補助タンブラー
    を介在させ、補助タンブラーを除去することによってキ
    ーの変更を可能としたキーチェンジャブルシリンダー錠
    と、キーの背部に前記補助タンブラーを除去するための
    凹部を形成したチェンジキー及びキーの背部に補助タン
    ブラーを除去するための凹部がないキーとの組み合わせ
    から成り、新たなチェンジキーの使用により先に使用し
    たチェンジキーの使用を禁止するようにしたことを特徴
    とするシリンダー錠におけるキーチェンジシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1のチェンジキーを、各住宅等の
    居住者のキーであるオーナーキーとしたことを特徴とす
    る請求項1記載のシリンダー錠におけるキーチェンジシ
    ステム。
  3. 【請求項3】 請求項1のチェンジキーを、全ての住宅
    等のシリンダー錠を統括する管理者のキーであるマスタ
    ーキーの二番目のマスターキーとしたことを特徴とする
    請求項1記載のシリンダー錠におけるキーチェンジシス
    テム。
JP30802497A 1997-10-21 1997-10-21 シリンダー錠におけるキーチェンジシステム Pending JPH11125039A (ja)

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JP30802497A JPH11125039A (ja) 1997-10-21 1997-10-21 シリンダー錠におけるキーチェンジシステム
EP98119879A EP0918124A1 (en) 1997-10-21 1998-10-20 A key-change system for a cylinder lock

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EP0918124A1 (en) 1999-05-26

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