JPH11124345A - シクロプロピルアセチレン誘導体の製造法 - Google Patents

シクロプロピルアセチレン誘導体の製造法

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JPH11124345A
JPH11124345A JP9285047A JP28504797A JPH11124345A JP H11124345 A JPH11124345 A JP H11124345A JP 9285047 A JP9285047 A JP 9285047A JP 28504797 A JP28504797 A JP 28504797A JP H11124345 A JPH11124345 A JP H11124345A
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JP9285047A
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Tomoya Kuwayama
知也 桑山
Makoto Nakazawa
信 仲澤
Goro Asanuma
五朗 浅沼
Manzo Shiono
万蔵 塩野
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C1/00Preparation of hydrocarbons from one or more compounds, none of them being a hydrocarbon
    • C07C1/32Preparation of hydrocarbons from one or more compounds, none of them being a hydrocarbon starting from compounds containing hetero-atoms other than or in addition to oxygen or halogen
    • C07C1/34Preparation of hydrocarbons from one or more compounds, none of them being a hydrocarbon starting from compounds containing hetero-atoms other than or in addition to oxygen or halogen reacting phosphines with aldehydes or ketones, e.g. Wittig reaction
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/02Systems containing only non-condensed rings with a three-membered ring

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シクロプロピルアセチレン誘導体を、温和な
条件下に収率よく、工業的に有利に製造し得る方法を提
供する。 【解決手段】 一般式I (R〜Rはそれぞれ水素または置換基を有してもよ
いアルキル基を表す。)のシクロプロパンカルバルデヒ
ド誘導体を、塩基の存在下、一般式IIの有機リン化合物
と反応させる一般式IV (R〜Rは置換基を有してもよいアルキル基または
アリール基、Rは水素または置換基を有してもよいア
ルキル基、XとYはハロゲンを表す。) (R〜RおよびRは前記定義のとおりである。)
シクロプロピルアセチレン誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロプロピルア
セチレン誘導体の製造方法に関する。本発明により製造
されるシクロプロピルアセチレン誘導体は、例えば抗H
IV活性を有するベンゾキサジノン誘導体(L−743
726)[テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Le
tters)、36巻、8937頁(1995年)参照]など
のシクロプロピル骨格を分子内にもつ化合物の合成中間
体として有用である。
【0002】
【従来の技術】最近、シクロプロピル骨格を有する生理
活性物質が数多く発見されてきている。これらの化合物
の合成中間体として有用なシクロプロピルアセチレン誘
導体の製造方法としては、(1)5−クロロペンチンをn
−ブチルリチウムと反応させる方法[テトラヘドロン・
レターズ(Tetrahedron Letters)、36巻、8937頁
(1995年)参照]、(2)シクロプロピルメチルケト
ンを四塩化炭素中、五塩化リンと反応させ、次いでカリ
ウムtert−ブトキシドを用いて脱塩化水素させる方
法[シンセシス(Synthesis)、703頁(1972年)
参照]、(3)シクロプロピルケトン誘導体に有機リン化
合物を反応させる方法[ケミッシェ・ベリヒテ(Chemis
he Berichite)、116巻、777頁(1983年)参
照]などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方法は高価なn−ブチルリチウムを使用する必要
があること、上記(2)の方法は副生成物が多く、目的物
の収率が低いこと、上記(3)の方法は、2置換アセチレ
ン化合物を与えてしまい、1置換アセチレン化合物を得
ることができないなどの問題点を有しており、シクロプ
ロピルアセチレン誘導体の工業的に有利な製造方法とは
言い難い。
【0004】一方、シクロプロピル骨格を構築する方法
として、金属亜鉛と1,1−ジハロ化合物からカルベン
を発生させてオレフィンと反応させるSimmons−
Smith法[新実験化学講座14巻、84頁(197
7年)参照]、3位に脱離基を有するブタン酸誘導体の
分子内環化反応[新実験化学講座14巻、93頁(19
77年)参照]などが知られている。また、アセチレン
構造を構築する方法として、アセチレン金属塩と脱離基
を有する分子との置換反応[新実験化学講座14巻、2
71頁(1977年)参照]、1,1−ジハロビニル化
合物と還元剤との反応[ジャーナル・オブ・ジ・アメリ
カン・ケミカル・ソサエティー(Journal of the Ameri
can Chemical Society)、118巻、299頁(199
6年)参照]などが知られている。
【0005】しかしながら、上記のシクロプロピル骨格
を構築する方法をシクロプロピルアセチレン誘導体の製
造方法に適用すると、カルベンとアセチレンとの副反応
が起こったり、またアセチレン構造の構築に多段階を要
するなどの問題がある。また、上記のアセチレン構造を
構築する方法をシクロプロピルアセチレンの製造方法に
適用すると、環歪の大きなシクロプロピル環上での置換
反応を行う必要があるため、シクロプロピル環の開環が
併発する。また、1,1−ジハロビニル化合物を原料と
する場合は、脱ハロゲン化水素後、生成するハロアセチ
レンを還元する必要があり多量の還元剤が必要となるた
め、工業的に有利な製法とは言い難い。しかして、本発
明の目的は、シクロプロピルアセチレン誘導体を、温和
な条件下に収率よく、工業的に有利に製造し得る方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、 一般式(I)
【0007】
【化8】
【0008】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
それぞれ水素原子または置換基を有していてもよいアル
キル基を表す。)で示されるシクロプロパンカルバルデ
ヒド誘導体[以下、シクロプロパンカルバルデヒド誘導
体(I)と略記する]を、塩基の存在下、一般式(II)
【0009】
【化9】
【0010】(式中、R6、R7およびR8は置換基を有
していてもよいアルキル基またはアリール基を表し、R
9は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル
基を表し、XおよびYはハロゲン原子を表す。)で示さ
れる有機リン化合物[以下、有機リン化合物(II)と略
記する]と反応させることにより一般式(III)
【0011】
【化10】
【0012】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R9
よびXは前記定義のとおりである。)で示されるシクロ
プロピルビニル誘導体[以下、シクロプロピルビニル誘
導体(III)と略記する]を得、得られたシクロプロピ
ルビニル誘導体(III)を塩基の存在下に反応させるこ
とを特徴とする一般式(IV)
【0013】
【化11】
【0014】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
9は前記定義のとおりである。)で示されるシクロプ
ロピルアセチレン誘導体[以下、シクロプロピルアセチ
レン誘導体(IV)と略記する]の製造方法[以下、製造
方法ということがある]、および シクロプロパンカルバルデヒド誘導体(I)を、塩基
の存在下、有機リン化合物(II)と反応させることを特
徴とするシクロプロピルアセチレン誘導体(IV)の製造
方法[以下、製造方法ということがある]を提供する
ことにより達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】上記一般式中、R1、R2、R3
4、R5、R6、R7、R8およびR9が表すアルキル基と
しては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチ
ル基などが挙げられる。
【0016】これらのアルキル基は置換基を有していて
もよく、かかる置換基としては、例えば水酸基;メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのア
ルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ
基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの
三置換シリルオキシ基;フェニル基、パラメトキシフェ
ニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0017】R6、R7およびR8が表すアリール基とし
ては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられ
る。これらのアリール基は置換基を有していてもよく、
かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
tert−ブチル基などアルキル基;水酸基;メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメ
チルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリ
ルオキシ基などの三置換シリルオキシ基などが挙げられ
る。置換基を有しているアリール基の具体例としては、
例えば2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、
4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、
2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニ
ル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリ
メチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−
tert−ブチルフェニル基、2−メトキシフェニル
基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル
基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル
基、4−エトキシフェニル基、2−イソプロポキシフェ
ニル基などが挙げられる。
【0018】XおよびYが表すハロゲン原子としては、
例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を
挙げることができ、塩素原子または臭素原子が好まし
い。
【0019】次に、本発明の製造方法を詳細に説明す
る。製造方法においては、まず、シクロプロパンカル
バルデヒド誘導体(I)を、塩基の存在下、有機リン化
合物(II)と反応させて、シクロプロピルビニル誘導体
(III)を得る。
【0020】かかる工程において使用される塩基として
は、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、プロピル
リチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム;フ
ェニルリチウムなどのアリールリチウム;メチルマグネ
シウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチル
マグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、
プロピルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウム
ブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネ
シウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライド;
フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウム
ブロミドなどのアリールマグネシウムハライド;ナトリ
ウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブ
トキシド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルコ
キシ塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属
水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金
属水酸化物などが挙げられる。
【0021】塩基の使用量は、有機リン化合物(II)に
対して1当量から2当量の範囲が好ましい。また、有機
リン化合物(II)の使用量は、シクロプロパンカルバル
デヒド誘導体(I)に対して1当量から2当量の範囲が
好ましい。
【0022】反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えばジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、トリグライ
ム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、
アニソールなどのエーテル;メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s
ec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコ
ール;ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合溶媒な
どが使用される。溶媒の使用量は、シクロプロパンカル
バルデヒド誘導体(I)に対し、通常1〜200倍重量
の範囲が好ましい。
【0023】反応は、不活性ガス雰囲気下または乾燥空
気雰囲気下で行い、シクロプロパンカルバルデヒド誘導
体(I)もしくはその溶液に、有機リン化合物(II)と
塩基の溶液を添加するか、または有機リン化合物(II)
と塩基の溶液に、シクロプロパンカルバルデヒド誘導体
(I)もしくはその溶液を添加することにより行う。反
応温度は、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、反
応溶媒および混合溶媒の沸点を越えない範囲が好まし
い。
【0024】なお、かかる工程においては、有機リン化
合物(II)と塩基より予めホスホランを調製しておき、
得られたホスホランをシクロプロパンカルバルデヒド誘
導体(I)と反応させてもよい。ホスホランの調製に使
用される塩基としては、上記と同様の塩基が挙げられ
る。
【0025】ホスホランの調製に使用される塩基の量
は、有機リン化合物(II)に対して1当量から2当量の
範囲が好ましい。
【0026】ホスホランの調製は、溶媒の存在下に行う
ことが好ましく、溶媒としては、例えばジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、トリグライ
ム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、
アニソールなどのエーテル;塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンな
どの含ハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s
ec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコ
ール;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド;
水またはこれらの混合溶媒などが使用される。溶媒の使
用量は、有機リン化合物(II)に対し、通常1〜200
倍重量の範囲が好ましい。
【0027】調製されたホスホランは、必要に応じて通
常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単
離・精製してもよく、例えば、反応混合物を食塩水また
は水にあけ、ジエチルエーテル、酢酸エチル、塩化メチ
レンなどの有機溶媒で抽出し、必要に応じて抽出液を希
塩酸、水、食塩水などで洗浄することにより塩基性物
質、水溶性物質を除去し、無水硫酸マグネシウム、無水
硫酸ナトリウムなどで乾燥したのちに濃縮し、得られる
粗生成物を必要に応じて蒸留、クロマトグラフィ、再結
晶などにより精製することができる。
【0028】以上のようにして得られたシクロプロピル
ビニル誘導体(III)は通常の有機化合物の単離・精製
に用いられる方法により単離・精製することができる。
たとえば、反応混合物を食塩水または水にあけ、ジエチ
ルエーテル、酢酸エチル、塩化メチレンなどの有機溶媒
で抽出し、必要に応じて抽出液を希塩酸、水、食塩水な
どで洗浄することにより塩基性物質、水溶性物質を除去
し、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウムなどで
乾燥したのちに濃縮し、得られる粗生成物を必要に応じ
て蒸留、クロマトグラフィ、再結晶などにより精製する
ことができる。
【0029】得られたシクロプロピルビニル誘導体(II
I)は、塩基の存在下に反応させることによりシクロプ
ロピルアセチレン誘導体(IV)に変換することができ
る。
【0030】ここで使用される塩基としては、例えばメ
チルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブ
チルリチウムなどのアルキルリチウム;フェニルリチウ
ムなどのアリールリチウム;メチルマグネシウムクロリ
ド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウム
クロリド、エチルマグネシウムブロミド、プロピルマグ
ネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、ブ
チルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミ
ドなどのアルキルマグネシウムハライド;フェニルマグ
ネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミドなど
のアリールマグネシウムハライド;ナトリウムメトキシ
ド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリ
ウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カ
リウムtert−ブトキシドなどのアルコキシ塩;水素
化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物;水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物な
どが挙げられる。
【0031】塩基の使用量は、シクロプロピルビニル誘
導体(III)に対して1当量から10当量の範囲が好まし
い。
【0032】反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えばジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、トリグライ
ム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、
アニソールなどのエーテル;メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s
ec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコ
ール;ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合溶媒な
どが使用される。溶媒の使用量は、シクロプロピルビニ
ル誘導体(III)に対し、通常1〜200倍重量の範囲
が好ましい。
【0033】反応は、不活性ガス雰囲気下または乾燥空
気雰囲気下で行い、シクロプロピルビニル誘導体(II
I)もしくはその溶液に、塩基もしくはその溶液を添加
するか、または塩基もしくはその溶液に、シクロプロピ
ルビニル誘導体(III)もしくはその溶液を添加するこ
とにより行う。反応温度は、−100℃〜200℃の範
囲が好ましく、反応溶媒および混合溶媒の沸点を越えな
い範囲が好ましい。
【0034】このようにして得られたシクロプロピルア
セチレン誘導体(IV)は通常の有機化合物の単離・精製
に用いられる方法により単離・精製することができる。
たとえば、反応混合物を食塩水または水にあけ、ジエチ
ルエーテル、酢酸エチル、塩化メチレンなどの有機溶媒
で抽出し、必要に応じて抽出液を希塩酸、水、食塩水な
どで洗浄することにより塩基性物質、水溶性物質を除去
し、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウムなどで
乾燥したのちに濃縮し、得られる粗生成物を必要に応じ
て蒸留、クロマトグラフィ、再結晶などにより精製する
ことができる。また、反応溶液をそのまま蒸留し、単離
精製することもできる。
【0035】次に、製造方法について説明する。製造
方法おいては、シクロプロパンカルバルデヒド誘導体
(I)を、塩基の存在下、有機リン化合物(II)と反応
させることにより、一段階の反応でシクロプロピルアセ
チレン誘導体(IV)を得ることができる。
【0036】かかる反応において使用される塩基として
は、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、プロピル
リチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム;フ
ェニルリチウムなどのアリールリチウム;メチルマグネ
シウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチル
マグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、
プロピルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウム
ブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネ
シウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライド;
フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウム
ブロミドなどのアリールマグネシウムハライド;ナトリ
ウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブ
トキシド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルコ
キシ塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属
水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金
属水酸化物などが挙げられる。
【0037】塩基の使用量は、有機リン化合物(II)に
対して2当量から20当量の範囲が好ましい。また、有
機リン化合物(II)の使用量は、シクロプロパンカルバ
ルデヒド誘導体(I)に対して1当量から10当量の範
囲が好ましい。
【0038】反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えばジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、トリグライ
ム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、
アニソールなどのエーテル;メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s
ec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコ
ール;ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合溶媒な
どが使用される。溶媒の使用量は、シクロプロパンカル
バルデヒド誘導体(I)に対し、通常1〜200倍重量
の範囲が好ましい。
【0039】反応は、不活性ガス雰囲気下または乾燥空
気雰囲気下で行い、シクロプロパンカルバルデヒド誘導
体(I)もしくはその溶液に、有機リン化合物(II)と
塩基の溶液を添加するか、有機リン化合物(II)と塩基
の溶液に、シクロプロパンカルバルデヒド誘導体(I)
もしくはその溶液を添加することにより行う。反応温度
は、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、反応溶媒
および混合溶媒の沸点を越えない範囲が好ましい。
【0040】なお、製造方法においても、製造方法
の第1工程と同様に、有機リン化合物(II)と塩基より
予めホスホランを調製し、得られたホスホランを反応に
使用してもよい。ホスホランの調製方法は、上記したと
おりである。
【0041】このようにして得られたシクロプロピルア
セチレン誘導体(IV)は通常の有機化合物の単離・精製
に用いられる方法により単離・精製することができる。
たとえば、反応混合物を食塩水または水にあけ、ジエチ
ルエーテル、酢酸エチル、塩化メチレンなどの有機溶媒
で抽出し、必要に応じて抽出液を希塩酸、水、食塩水な
どで洗浄することにより塩基性物質、水溶性物質を除去
し、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウムなどで
乾燥したのちに濃縮し、得られる粗生成物を必要に応じ
て蒸留、クロマトグラフィ、再結晶などにより精製する
ことができる。また、反応溶液をそのまま蒸留し、単離
精製することもできる。
【0042】なお、シクロプロピルアセチレン誘導体
(IV)を得るためには、まずシクロプロピルビニル誘導
体(III)を得て、それを分離・精製し、次の反応に付
す方法の方が、高純度のシクロプロピルアセチレン誘導
体(IV)が得られる点で好ましい。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0044】実施例1 シクロプロピルアセチレンの合
成 3口フラスコにブロモメチルトリフェニルホスホニウム
ブロミド218g(500mmol)、THF2000
mlを取り、窒素雰囲気下、縣濁させた。溶解後、溶液
を−10℃に冷却し、tert−ブトキシカリウム13
6g(1212mmol、ホスホニウム塩に対して2.
4当量)を加え、攪拌した。30分間攪拌後、シクロプロ
パンカルバルデヒド35g(499mmol)のテトラ
ヒドロフラン(THF)溶液300mLを−10℃で滴
下した。40分間攪拌後、室温に加温し、さらに、2時
間攪拌を継続した。反応完結確認後、反応液を加熱し、
蒸留した。80℃までの留分を分取した後に、この留分
を再度精密蒸留し、下記の物性を有するシクロプロピル
アセチレン17g(収率52%、純度80%)を得た。
【0045】シクロプロピルアセチレン:1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,T
MS,ppm)δ:1.76(d,J=1.98Hz,1H), 1.18-1.30
(m,1H), 0.68-1.3(m,4H)13 C−NMRスペクトル(67.5MHz,CDC
3,TMS,ppm)δ:63.46, 31.33, 8.19, 4.27,
-0.74
【0046】実施例2 2−シクロプロピルビニル−1
−クロリドの合成 3口フラスコにクロロメチルトリフェニルホスホニウム
クロリド50.4g(145mmol)を取り、窒素雰
囲気下、テトラヒドロフラン410mlを加え、結晶溶
解確認後、氷冷した。内部の温度が−50℃以下となっ
たところで、tert−ブトキシカリウム20.8g
(185mmol、ホスホニウム塩に対して1.28当
量)を加え、攪拌した。30分間攪拌後、シクロプロパ
ンカルバルデヒド11.5g(164mmol)のTH
F溶液(40ml)を滴下した。反応終了を確認後、反
応溶液を水に添加し、塩化メチレンで抽出、分液させ
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、常
圧下で濃縮し、2回蒸留精製することにより、下記の物
性を有する2−シクロプロピルビニル−1−クロリド1
0.1g(収率60%;E体/Z体=40/60)を得
た。
【0047】2−シクロプロピル−1−ビニルクロリ
ド:1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,T
MS,ppm)δ: E体: 5.93(d,J=12.9Hz,1H), 5.46(dd,J=8.90,12.9H
z,1H), 1.3-1.5(m,1H),0.7-0.8(m,2H), 0.3-0.45(m,2H) Z体: 5.95(d,J=6.93Hz,1H), 5.14(dd,J=6.93,9.90H
z,1H), 1.80-1.95(m,1H), 0.75-0.90(m,2H), 0.3-0.55
(m,2H) GC/MS:m/z=102[M+]
【0048】実施例3 2−シクロプロピルビニル−1
−ブロミドの合成 3口フラスコにブロモメチルトリフェニルホスホニウム
ブロミド21.8g(50mmol)、THF200m
lを取り、窒素雰囲気下、溶解させた。溶解後、溶液を
−68℃に冷却し、tert−ブトキシカリウム6.8
g(61mmol、ホスホニウム塩に対して1.2当
量)を加え、攪拌した。30分間攪拌後、シクロプロパ
ンカルバルデヒド3.5g(50mmol)のTHF溶
液30mLを−68℃で滴下した。2時間攪拌後、20
℃に昇温しさらに1時間攪拌した。反応終了を確認し、
反応溶液を水に添加し、塩化メチレンで抽出し、分液し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過した後に
濃縮し、蒸留することにより、2−シクロプロピルビニ
ル−1−ブロミド4.4g(収率60%;E体/Z体=
30/70)を得た。
【0049】2−シクロプロピルビニル−1−ブロミ
ド:1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,T
MS,ppm)δ: E体: 6.03(d,J=13.9Hz,1H), 5.72(dd,J=8.90,13.9H
z,1H), 1.3-1.5(m,1H),0.7-0.8(m,2H), 0.3-0.45(m,2H) Z体: 6.04(d,J=6.93Hz,1H), 5.47(dd,J=6.92,8.90H
z,1H), 1.75-1.95(m,1H), 0.75-1.00(m,2H), 0.3-0.55
(m,2H)
【0050】実施例4 2−シクロプロピルビニル−1
−ブロミドの合成 3口フラスコにブロモメチルトリフェニルホスホニウム
ブロミド21.8g(50mmol)、THF200m
lを取り、窒素雰囲気下、溶解させた。溶解後、溶液を
−10℃に冷却し、tert−ブトキシカリウム6.8
g(61mmol、ホスホニウム塩に対して1.2当
量)を加え、攪拌した。30分間攪拌後、シクロプロパ
ンカルバルデヒド3.5g(50mmol)のTHF溶
液30mLを−10℃で滴下した。40分間攪拌後、反
応終了を確認し、反応溶液を水に添加し、塩化メチレン
で抽出し、分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥、濾過した後に濃縮し、蒸留することにより、2−シ
クロプロピルビニル−1−ブロミド4.0g(収率54
%;E体/Z体=40/60)を得た。
【0051】実施例5 シクロプロピルアセチレンの合
成 3口フラスコに2−シクロプロピルビニル−1−ブロミ
ド14.0g(95.2mmol)を入れ、窒素雰囲気
下とし、ジメチルスルホキシド100mlを加え、撹拌
した。この溶液にtert−ブトキシカリウム21.5
g(192mmol、シクロプロピルビニルブロミドに
対して2.0当量)を室温下で加えた。添加後、室温下
で2時間撹拌したのち、反応液を加熱し、蒸留した。8
0℃までの留分を分取した後に、この留分を再度精密蒸
留し、下記の物性を有するシクロプロピルアセチレン
5.0g(収率79%、純度98%)を得た。
【0052】シクロプロピルアセチレン:1 H−NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,T
MS,ppm)δ:1.76(d,J=1.98Hz,1H), 1.18-1.30
(m,1H), 0.68-1.3(m,4H)13 C−NMRスペクトル(67.5MHz,CDC
3,TMS,ppm)δ:63.46, 31.33, 8.19, 4.27,
-0.74
【0053】
【発明の効果】シクロプロピルアセチレン誘導体を、温
和な条件下に収率よく、工業的に有利に製造し得る方法
が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩野 万蔵 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表
    す。)で示されるシクロプロパンカルバルデヒド誘導体
    を、塩基の存在下、一般式(II) 【化2】 (式中、R6、R7およびR8は置換基を有していてもよ
    いアルキル基またはアリール基を表し、R9は水素原子
    または置換基を有していてもよいアルキル基を表し、X
    およびYはハロゲン原子を表す。)で示される有機リン
    化合物と反応させることにより一般式(III) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R9およびXは前記
    定義のとおりである。)で示されるシクロプロピルビニ
    ル誘導体を得、得られたシクロプロピルビニル誘導体
    を、塩基の存在下に反応させることを特徴とする一般式
    (IV) 【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR9は前記定義
    のとおりである。)で示されるシクロプロピルアセチレ
    ン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化5】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表
    す。)で示されるシクロプロパンカルバルデヒド誘導体
    を、塩基の存在下、一般式(II) 【化6】 (式中、R、R7およびR8は置換基を有していてもよ
    いアルキル基またはアリール基を表し、R9は水素原子
    または置換基を有していてもよいアルキル基を表し、X
    およびYはハロゲン原子を表す。)で示される有機リン
    化合物と反応させることを特徴とする一般式(IV) 【化7】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR9は前記定義
    のとおりである。)で示されるシクロプロピルアセチレ
    ン誘導体の製造方法。
JP9285047A 1997-10-17 1997-10-17 シクロプロピルアセチレン誘導体の製造法 Pending JPH11124345A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6297410B1 (en) * 1997-07-31 2001-10-02 Dupont Pharmaceuticals Company Process for the preparation of cyclopropylacetylene

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6297410B1 (en) * 1997-07-31 2001-10-02 Dupont Pharmaceuticals Company Process for the preparation of cyclopropylacetylene

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