JPH1112405A - クリープ強さに優れた樹脂組成物およびその製法 - Google Patents

クリープ強さに優れた樹脂組成物およびその製法

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JPH1112405A
JPH1112405A JP17051597A JP17051597A JPH1112405A JP H1112405 A JPH1112405 A JP H1112405A JP 17051597 A JP17051597 A JP 17051597A JP 17051597 A JP17051597 A JP 17051597A JP H1112405 A JPH1112405 A JP H1112405A
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順一 中橋
Hideo Kasahara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリープ強さを改良し、耐熱材料としての
耐久性に優れたポリプロピレンとポリフェニレンエーテ
ルを含む樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (a)ポリプロピレン系樹脂
45〜95重量% (b)ポリフェニレンエーテル系樹脂
55〜5重量%、 上記(a)、(b)成分の合計100重量部に対して、 (c)特定の構造を有する水添ブロック共重合体
1〜30重量部を含むことを特徴とするクリープ強
さに優れた樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気・電子分野、自
動車分野、その他の各種工業材料分野で利用できる耐油
性、耐薬品性、耐熱性、耐衝撃性、剛性、とりわけ、ク
リープ強さに優れた樹脂組成物およびその製法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは、機械的特
性、電気特性、耐熱性、低温特性、吸水性が低くかつ寸
法安定性に優れるものの、成形加工性や耐衝撃性に劣る
欠点を有するため、ポリスチレン、ハイインパクトポリ
スチレンとブレンドすることによりこれらの問題点を改
良し、例えば電気・電子部品、事務機器ハウジング、自
動車部品、精密部品、各種工業部品などの樹脂組成物と
して広く利用されている。しかしながら、このポリフェ
ニレンエーテルとハイインパクトポリスチレンからなる
古典的なポリフェニレンエーテル樹脂組成物(米国特許
第3383435号明細書に開示されている)は、耐衝
撃性が改善されるものの、耐薬品性に劣る欠点を有して
いる。
【0003】このため、例えば、米国特許第3,36
1,851号公報明細書では、ポリフェニレンエーテル
をポリオレフィンとブレンドすることにより、耐溶剤
性、耐衝撃性を改良する提案がなされ、米国特許第3,
994,856号明細書には、ポリフェニレンエーテル
またはポリフェニレンエーテルおよびスチレン系樹脂を
水添ブロック共重合体とブレンドすることによる耐衝撃
性、耐溶剤性の改良に関する記載があり、米国特許第
4,145,377号明細書には、ポリフェニレンエー
テルまたはポリフェニレンエーテルおよびスチレン系樹
脂をポリオレフィン/水添ブロック共重合体=20〜8
0重量部/80〜20重量部からなる予備混合物および
水添ブロック共重合体とブレンドすることによる耐衝撃
性、耐溶剤性の改良に関する記載があり、さらに米国特
許第4,166,055号明細書および米国特許第4,
239,673号明細書には、ポリフェニレンエーテル
を水添ブロック共重合体およびポリオレフィンとブレン
ドすることによる耐衝撃性の改良が記載されている。そ
して米国特許第4,383,082号明細書およびヨー
ロッパ公開特許第115712号明細書ではポリフェニ
レンエーテルをポリオレフィンおよび水添ブロック共重
合体とブレンドすることにより耐衝撃性を改良するとい
う記載がなされている。
【0004】また、特開昭63−113058号公報お
よび特開昭63−225642号公報ならびに米国特許
第4863997号公報、さらに特開平2−24724
0号公報および特開平2−305814号公報および特
開平3−72512号公報および特開平4−18374
8号公報および特開平5−320471号公報および特
開平7−165998号公報には、ポリオレフィン樹脂
とポリフェニレンエーテル樹脂からなる樹脂組成物の改
質に特定の水添ブロック共重合体を配合し、相溶性と耐
薬品性、加工性に優れた樹脂組成物が提案されている。
【0005】また、本出願人は、特開昭62−2055
1号公報、特開昭62−25149号公報、特開昭62
−48757号公報、特開昭62−48758号公報、
特開昭62−199637号公報ならびに米国特許第
4,772,657号公報で、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリオレフィンおよび水添ブロック共重合体からな
るゴム弾性に優れたゴム組成物を提案し、また、特開平
2−225563号公報、特開平3−185058号公
報、特開平5−70679号公報、特開平5−2951
84号公報、特開平6−9828号公報、特開平6−1
6924号公報、特開平6−57130号公報、特開平
6−136202号公報、特開平9−12799号公
報、特開平9−12800号公報、特開平9−1280
4号公報ではポリフェニレンエーテルとポリオレフィン
および特定の水添ブロック共重合体からなる相溶性、剛
性と耐熱性に優れ、耐溶剤性に優れた樹脂組成物を提案
した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで開示されている
先行技術は、古典的なポリフェニレンエーテル樹脂組成
物と比べると飛躍的に耐溶剤性が改良された樹脂組成物
を与えたり耐熱性に優れたエラストマー組成物を与えて
いる。
【0007】しかしながら、これらのポリプロピレンと
ポリフェニレンエーテルとを用いたポリマーアロイは高
温下におけるクリープ強さが不足しており、耐熱材料と
しての耐久性に劣るなどの実用上の欠点をもっているの
が現状である。本発明は、このような現状に鑑み、高温
下におけるクリープ強さが向上したポリプロピレンとポ
リフェニレンエーテル系樹脂を提供することを目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高温下の
クリープ強さを付与させるため、混和剤となり得る水添
ブロック共重合体および樹脂組成物の分散形態、樹脂組
成物の製造方法に関して鋭意検討を重ねた結果、特定の
構造を有する水添ブロック共重合体を用いることによ
り、高温下のクリープ強さが改良された樹脂組成物をも
たらし、さらに樹脂組成物の分散形態を制御するために
特定の加熱溶融混練手段を取ることにより、水添ブロッ
ク共重合体の熱劣化を抑制しポリプロピレン系樹脂とポ
リフェニレンエーテル系樹脂を含む樹脂組成物の相溶性
および耐衝撃性、引張伸度、高温下のクリープ強さを向
上させ、耐熱材料としての耐久性に優れた樹脂組成物を
もたらすことを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、(a)ポリプロピレ
ン系樹脂 45〜95重量%と(b)ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂 55〜5重量%、および上記(a)、
(b)成分の合計100重量部に対して、(c)少なく
とも2個のポリスチレンブロックAと、少なくとも1個
のポリイソプレンブロックBとからなる水添ブロック共
重合体において、ポリスチレンブロックAの数平均分子
量が15,000以上、ポリイソプレンブロックBのビ
ニル結合量(1,2−ビニル結合量および3,4−ビニ
ル結合量の合計量)が45%以上であり、かつ該水添ブ
ロック共重合体のヨウ素価が40以下である水添ブロッ
ク共重合体 1〜30重量部を含むことを特徴とするク
リープ強さに優れた樹脂組成物を提供するものである。
【0010】本発明で用いる(a)ポリプロピレン系樹
脂は、結晶性プロピレンホモポリマーおよび、重合の第
一工程で得られる結晶性プロピレンホモポリマー部分と
重合の第二工程以降でプロピレン、エチレンおよび/も
しくは少なくとも1つの他のα−オレフィン(例えば、
ブテン−1、ヘキセン−1等)を共重合して得られるプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体部分を有する結晶
性プロピレン−エチレンブロック共重合体であり、さら
にこれら結晶性プロピレンホモポリマーと結晶性プロピ
レン−エチレンブロック共重合体の混合物であってもか
まわない。
【0011】かかるポリプロピレン系樹脂は、通常、三
塩化チタン触媒または塩化マグネシウムなどの担体に担
持したハロゲン化チタン触媒等とアルキルアルミニウム
化合物の存在下に、重合温度0〜100℃の範囲で、重
合圧力3〜100気圧の範囲で重合して得られる。この
際、重合体の分子量を調製するために水素等の連鎖移動
剤を添加することも可能であり、また重合方法としてバ
ッチ式、連続式いずれの方法でも可能で、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の溶媒下での溶
液重合、スラリー重合等の方法も選択でき、さらには無
溶媒下モノマー中での塊状重合、ガス状モノマー中での
気相重合方法などが適用できる。
【0012】また、さらには、上記した重合触媒の他に
得られるポリプロピレンのアイソタクティシティおよび
重合活性を高めるため、第三成分として電子供与性化合
物を内部ドナー成分または外部ドナー成分として用いる
ことができる。
【0013】これらの電子供与性化合物としては公知の
ものが使用でき、例えば、ε−カプロラクトン、メタク
リル酸メチル、安息香酸エチル、トルイル酸メチルなど
のエステル化合物、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ト
リブチルなどの亜リン酸エステル、ヘキサメチルホスホ
リックトリアミドなどのリン酸誘導体などや、アルコキ
シエステル化合物、芳香族モノカルボン酸エステルおよ
び/または芳香族アルキルアルコキシシラン、脂肪族炭
化水素アルコキシシラン、各種エーテル化合物、各種ア
ルコール類および/または各種フェノール類などが挙げ
られる。
【0014】本発明で供するポリプロピレン系樹脂は上
記した方法で得られるものであれば、いかなる結晶性や
融点、分子量を有するものでも用いることができ、また
結晶性や融点、分子量の異なる数種類のポリプロピレン
を併せて用いることもできるが、得られる樹脂組成物が
特に耐熱材料としての耐久性を要求される場合は、MF
Rを特定の範囲に制御したポリプロピレン系樹脂を用い
ることが最適である。すなわち、ASTM D1238
に準拠し230℃、2.16kgの荷重で測定したMF
R(メルトフローレート)が10g/10分以下である
ポリプロピレン系樹脂を用いることがクリープ特性等の
面でより好ましい。
【0015】つぎに本発明で用いる(b)ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂は、本発明の樹脂組成物に耐熱性およ
び難燃性を付与するうえで必須な成分であり、該ポリフ
ェニレンエーテルは、結合単位:
【0016】
【化1】
【0017】(ここで、R1,R2,R3,およびR4はそ
れぞれ、水素、ハロゲン、炭素数1〜7までの第一級ま
たは第二級低級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル
基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基または少なく
とも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔て
ているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される
ものであり、互いに同一でも異なっていてもよい)から
なり、還元粘度(0.5g/dl,クロロホルム溶液,
30℃測定)が、0.15〜0.70の範囲、好ましく
は0.20〜0.60、より好ましくは0.35〜0.
50の範囲にあるホモ重合体および/または共重合体で
ある。
【0018】このポリフェニレンエーテルの具体的な例
としては、例えばポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6
−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等
が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他の
フェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノ
ールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合
体のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられ
る。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,
6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さ
らにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)が好ましい。
【0019】かかるポリフェニレンエーテルの製造方法
は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるも
のではなく、例えば、米国特許第3,306,874号
記載のHayによる第一銅塩とアミンのコンプレックス
を触媒として用い、例えば2,6−キシレノールを酸化
重合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国
特許第3,306,875号、同第3,257,357
号および同第3,257,358号、特公昭52−17
880号および特開昭50−51197号および同63
−152628号等に記載された方法で容易に製造でき
る。
【0020】また、本発明で用いるポリフェニレンエー
テルは、上記したポリフェニレンエーテルのほかに、該
ポリフェニレンエーテルとスチレン系モノマーおよび/
もしくはα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体と
をラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液
状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応さ
せることによって得られる公知の変性(該スチレン系モ
ノマーおよび/もしくはα,β−不飽和カルボン酸また
はその誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは付
加)ポリフェニレンエーテルであってもよく、さらに上
記したポリフェニレンエーテルと該変性ポリフェニレン
エーテルの任意の割合の混合物であってもかまわない。
【0021】そしてさらに、9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナントレンをポリフェニ
レンエーテル100重量部に対し、0.2〜5重量部添
加し溶融混練したリン化合物処理ポリフェニレンエーテ
ルも色調および流動性に優れたポリフェニレンエーテル
として用いることができる。
【0022】また、本発明で用いるポリフェニレンエー
テル系樹脂は上記したポリフェニレンエーテルのほか
に、これらポリフェニレンエーテル100重量部に対し
てポリスチレン(シンジオタクチックポリスチレンも含
む)またはハイインパクトポリスチレンを400重量部
を超えない範囲で加えたものも好適に用いることができ
るが、得られる樹脂組成物が耐熱材料として耐久性が要
求される場合は、ポリフェニレンエーテルを単独で使用
することがより好ましい。
【0023】つぎに本発明で用いる(c)ポリスチレン
ブロック−ポリイソプレンブロックの水素添加物(以
下、水添ブロック共重合体と略記する)は、クリープ強
さの優れた樹脂組成物を得るために必要であり、かつ
(a)ポリプロピレン系樹脂と(b)ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂を溶融混合した際に、(b)ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂を(a)ポリプロピレン系樹脂中に好
適に分散させる能力を有する水添ブロック共重合体であ
る。すなわち、本発明では、少なくとも2個のポリスチ
レンブロックAと、少なくとも1個のポリイソプレンブ
ロックBとからなる水添ブロック共重合体において、ポ
リスチレンブロックAの数平均分子量が15000以
上、ポリイソプレンブロックBのビニル結合量(1,2
−ビニル結合量および3,4−ビニル結合量の合計量)
が45%以上であり、かつ該水添ブロック共重合体のヨ
ウ素価が40以下である水添ブロック共重合体である。
これらの水添ブロック共重合体の構造は、例えば、A−
B−A、A−B−A−B、(A−B−)4−Si、A−
B−A−B−A等の構造を有する水添ブロック共重合体
である。また、ポリスチレンブロックAの数平均分子量
は15000以上であり、好ましくは18000以上、
より好ましくは19000以上である。このポリスチレ
ンブロックの数平均分子量が15000未満であると、
得られる樹脂組成物の高温下のクリープ強度が著しく低
下し好ましくない。そしてこのポリスチレンブロックの
数平均分子量は通常、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーを用いて知ることができる。
【0024】なお、1個のポリスチレンブロックおよび
1個のポリイソプレンブロックとから構成される、いわ
ゆる2型(A−B型)構造の水添ブロック共重合体を用
いると、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテ
ル系樹脂を溶融混練した際の混和性には優れるものの、
クリープ強さ、引張伸度の低下を招き好ましくない。
【0025】この(c)水添ブロック共重合体におい
て、ポリイソプレンブロックの1,2−ビニル結合量お
よび3,4−ビニル結合量の合計量(以下ビニル結合量
と略記する)は45%以上、好ましくは48%、より好
ましくは48〜54%である。このビニル結合量が45
重量%未満であるとポリプロピレン系樹脂とポリフェニ
レンエーテル系樹脂の混和性が低下し、耐衝撃性、引張
伸度が低下し好ましくない。さらにビニル結合量を48
〜54%の範囲にした場合に、ポリフェニレンエーテル
系樹脂および水添ブロック共重合体が形成する分散相の
円相当平均粒子径が0.02〜2.0μm位の最も適し
た分散形態を与える。そしてこれらのビニル結合量は通
常、赤外分光光度計やNMR等で知ることができる。
【0026】また、該水添ブロック共重合体のヨウ素価
は40以下であり、好ましくは37以下、より好ましく
は35以下である。この水添ブロック共重合体のヨウ素
価が40を超えると、樹脂組成物を加熱溶融混練により
製造する際、および樹脂組成物が高温下に置かれたとき
の水添ブロック共重合体の熱劣化の度合いが大きく、衝
撃強度や引張伸度、高温下のクリープ強度が低下し好ま
しくない。この水添ブロック共重合体のヨウ素価は通
常、ヨウ素滴定法によって定量し、消費されたヨウ素量
を水添ブロック共重合体重量に対する百分率で表わした
数値である。
【0027】また、上記の構造を有する水添ブロック共
重合体の数平均分子量は40,000〜500,00
0、好ましくは50,000〜300,000、さらに
好ましくは60,000〜200,000の範囲であ
り、分子量分布(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比)は10以下である。さらに、ブロック共
重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいは
これらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。
【0028】これらの上記した(c)水添ブロック共重
合体は、上記した構造を有するものであればどのような
製造方法で得られるものであってもかまわない。公知の
製造方法の例としては、例えば、特開昭47−1148
6号公報、特開昭49−66743号公報、特開昭50
−75651号公報、特開昭54−126255号公
報、特開昭56−10542号公報、特開昭56−62
847号公報、特開昭56−100840号公報、特開
平2−300218号公報、英国特許第1,130,7
70号および米国特許第3,281,383号および同
第3,639,517号に記載された方法や英国特許第
1,020,720号および米国特許第3,333,0
24号および同第4,501,857号に記載された方
法がある。
【0029】また、本発明で用いる(c)水添ブロック
共重合体は、上記した水添ブロック共重合体のほかに、
該水添ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下
で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜350℃
の温度下で反応させることによって得られる公知の変性
(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が0.
01〜10重量%グラフトまたは付加)水添ブロック共
重合体であってもよく、さらに上記した水添ブロック共
重合体と該変性水添ブロック共重合体の任意の割合の混
合物であってもかまわない。
【0030】本発明の樹脂組成物は、上記した(a)〜
(c)成分を基本成分として構成される。
【0031】本発明において、(a)ポリプロピレン系
樹脂の配合量は、45〜95重量%であり、好ましくは
45〜85重量%である。かかる配合量が45重量%未
満では、得られる樹脂組成物の耐熱性は優れるものの、
成形加工性、耐溶剤性が劣り好ましくない。また、95
重量%を超える場合は成形加工性、耐溶剤性は良好なも
のの、耐熱性が劣り耐熱性材料として利用できない。
【0032】本発明において、(b)ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂の配合量は55〜5重量%、好ましくは5
5〜15重量%である。かかる配合量が55重量%を超
える場合、得られる樹脂組成物の耐熱性は極度に優れる
ものの、成形加工性、耐溶剤性が劣り好ましくない。ま
た、5重量%未満では成形加工性、耐溶剤性に優れるも
のの、耐熱性が劣り耐熱材料として利用できない。
【0033】本発明において、(c)水添ブロック共重
合体の配合量は、上記(a)、(b)成分の合計100
重量部に対して、1〜30重量部である。かかる配合量
が1重量部未満では混和剤としての効果が見られず好ま
しくない。また、かかる配合量が30重量部を超える場
合は、(a)、(b)成分が示す作用効果の耐熱性、耐
溶剤性、剛性および機械的強度の低下が顕著であり好ま
しくない。
【0034】本発明では、上記の成分の他に、本発明の
特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の附
加的成分、例えば、結合スチレン量10〜90%のスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、結合スチレン量1
0〜90%のスチレン−イソプレンブロック共重合体、
酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤(有機リン酸エス
テル系化合物、無機リン系化合物、芳香族ハロゲン系難
燃剤、シリコーン系難燃剤など)、フッ素系ポリマー、
可塑剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大
豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類
等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改
良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、無機また
は有機の充填材や強化材(ガラス繊維、ガラスフレー
ク、カーボン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ウィス
カー、マイカ、タルク、カーボンブラック、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ワラストナイ
ト、導電性金属繊維、導電性カーボンブラック等)、各
種着色剤、離型剤等を添加してもかまわない。
【0035】本発明では、ポリプロピレン系樹脂が連続
相を、ポリフェニレンエーテル系樹脂および水添ブロッ
ク共重合体が分散相を形成し、かつ該分散相の70%以
上が円相当平均粒子径0.02μm〜2.0μmの範囲
にあることが樹脂組成物の耐薬品性、耐溶剤性、相溶
性、クリープ強さおよび機械的強度の観点より必要であ
る。前記円相当平均粒子径とは、粒子の全周を測定し、
その値を円周と見立てて粒子径を算出したものである。
さらに好ましくは、該分散相の70%以上が円相当平均
粒子径0.02μm〜1.0μmの範囲にあることであ
り、さらに最も好ましくは、該分散相の100%が円相
当平均粒子径0.02μm〜1.0μmの範囲にあるこ
とである。該分散相の円相当平均粒子径が0.02μm
未満であると、得られる樹脂組成物の相溶性は優れるも
のの剛性および耐熱性が低下し好ましくない。該分散相
の円相当平均粒子径が2.0μmを超えるとクリープ強
さ等機械的強度の低下を招き、さらに著しく円相当平均
粒子径が大きくなると層剥離を引き起こし好ましくな
い。また、円相当平均粒子径が0.02μm〜2.0μ
mの範囲にある分散相が70%未満であると、剛性や耐
熱性の低下、またはクリープ強さ等機械的強度の低下を
招き好ましくない。かかる分散形態を知るには、本発明
の方法で得たペレットからミクロトーム(ライヘルト社
製 ウルトラカットE)により超薄切片を作成し、ルテ
ニウム酸により染色しそれを透過型電子顕微鏡(日本電
子製 1200EX)により容易に観察出来る。具体的
には得られた透過型電子顕微鏡写真をもとに画像解析装
置(旭化成(株)製 IP1000)を用いて分散相の
周囲長から円相当径を求め、平均粒子径および粒径分布
を求めることができる。
【0036】本発明では、特定の加熱溶融混練方法を取
ることにより、上記した特定の分散形態を容易に得るこ
とができ、本発明の効果である耐熱クリープ強さを向上
できる。すなわち、(b)ポリフェニレンエーテル系樹
脂の溶融混練状態に(c)水添ブロック共重合体と
(a)ポリプロピレン系樹脂を追加添加し一緒に溶融混
練する方法や、(a)ポリプロピレン系樹脂の一部と
(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融混練状態
に、(c)水添ブロック共重合体と(a)ポリプロピレ
ン系樹脂を追加添加し一緒に溶融混練する方法が好まし
い方法として挙げることができる。これらの方法を行う
溶融混練機として例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロ
ール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバ
リーミキサー等による加熱溶融混練方法が挙げられる
が、中でも二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も好ま
しい。具体的には、WERNER&PFLEIDERE
R社製のZSKシリーズ、東芝機械(株)製のTEMシ
リーズ、日本製鋼所(株)製のTEXシリーズなどが挙
げられる。
【0037】押出機を用いた本発明の好ましい態様を以
下に述べる。押出機のL/D(バレル有効長/バレル内
径)は20以上60以下の範囲であり、好ましくは30
以上50以下の範囲である。押出機は原料の流れ方向に
対し上流側に第1原料供給口、これより下流に第1真空
ベント、その下流に第2原料供給口を設け、さらにその
下流に第2真空ベントを設けたものが好ましい。なかで
も、第1真空ベントの上流にニーディングセクションを
設け、第1真空ベントと第2原料供給口の間にニーディ
ングセクションを設け、また第2原料供給口と第2真空
ベントの間にニーディングセクションを設けたものがよ
り好ましい。第2供給口への原材料供給方法は、特に限
定されるものでは無いが、押出機第2供給口開放口より
の単なる添加供給よりも、押出機サイド開放口から強制
サイドフィーダーを用いて供給する方が安定で好まし
い。特に、粉体、フィラー等が含まれる場合は、押出機
サイドから供給する強制サイドフィーダーの方がより好
ましく、押出機第2供給口の上部開放口は同搬する空気
を抜くため開放とすることもできる。この際の溶融混練
温度、スクリュー回転数は特に限定されるものではない
が、通常溶融混練温度200〜370℃、スクリュー回
転数100〜1200rpmの中から任意に選ぶことが
できる。
【0038】本発明では、第1原料供給口より(a)ポ
リプロピレン系樹脂0〜30重量%、好ましくは1〜3
0重量%と(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂55〜
5重量%を供給し溶融混練を行い、第2原料供給口より
(c)水添ブロック共重合体1〜30重量部と(a)ポ
リプロピレン系樹脂15〜95重量%を供給し(a)ポ
リプロピレン系樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル系
樹脂の溶融混練状態の組成物に加え、さらに溶融混練を
続けて行うことにより、(b)ポリフェニレンエーテル
系樹脂および(C)水添ブロック共重合体は(a)ポリ
プロピレン系樹脂マトリックス中に分散相を形成し、か
つ該分散相の70%以上が円相当平均粒子径0.02〜
2.0μmの範囲で分散した分散形態を容易に与える。
このような製法を取ることは、(c)水添ブロック共重
合体の熱履歴を低減し高温下のクリープ強さおよび衝撃
強度、引張伸度を向上させる上で重要な方法である。
【0039】このようにして得られる本発明の樹脂組成
物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、
押出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形
できる。これら各種部品としては、例えば自動車部品が
挙げられ、具体的には、バンパー、フェンダー、ドアー
パネル、各種モール、エンブレム、エンジンフード、ホ
イールキャップ、ルーフ、スポイラー、各種エアロパー
ツ等の外装品や、インストゥルメントパネル、コンソー
ルボックス、トリム等の内装部品等に適している。さら
に、電気機器の内外装部品としても好適に使用でき、具
体的には各種コンピューターおよびその周辺機器、その
他のOA機器、テレビ、ビデオ、各種ディスクプレーヤ
ー等のキャビネット、冷蔵庫等の部品用途に適してい
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明の実
施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施例により
限定されるものではない。
【0041】実施例に使用した(a)ポリプロピレン系
樹脂 (a−1):ホモ−ポリプロピレン MFR=0.5g/10分 (a−2):ホモ−ポリプロピレン MFR=7.5g/10分 ポリプロピレンのMFR(メルトフローレート)はAS
TM D1238に準拠し、230℃、2.16kgの
荷重で測定した。
【0042】実施例に使用した(b)ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂 (b−1):2,6−キシレノールを酸化重合して得
た、還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル (b−2):2,6−キシレノールを酸化重合して得
た、還元粘度0.54のポリフェニレンエーテル70重
量%と、数平均分子量が77,000のポリスチレン3
0重量%を単軸押出機により加熱溶融混練した。 実施例に使用した(c)水添ブロック共重合体 (c−1):ポリスチレン(1)−水添ポリイソプレン
−ポリスチレン(2)の構造を有し、ヨウ素価33.
9、数平均分子量86,300、分子量分布1.10、
水素添加前のポリイソプレンのビニル結合量が54%、
ポリスチレン(1)の数平均分子量20,200、ポリ
スチレン(2)の数平均分子量20,000の水添ブロ
ック共重合体を合成し、このポリマーを(c−1)とし
た。
【0043】(c−2):ポリスチレン(1)−水添ポ
リイソプレン−ポリスチレン(2)の構造を有し、ヨウ
素価30.9、数平均分子量82,000、分子量分布
1.10、水素添加前のポリイソプレンのビニル結合量
が48%、ポリスチレン(1)の数平均分子量19,8
00、ポリスチレン(2)の数平均分子量19,800
の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c
−2)とした。
【0044】(c−3):ポリスチレン(1)−水添ポ
リイソプレン(1)−ポリスチレン(2)−水添ポリイ
ソプレン(2)の構造を有し、ヨウ素価35.2、数平
均分子量78,800、分子量分布1.08、水素添加
前のポリイソプレンのビニル結合量が58%、ポリスチ
レン(1)の数平均分子量20,100、ポリスチレン
(2)の数平均分子量15,500の水添ブロック共重
合体を合成し、このポリマーを(c−3)とした。
【0045】(c−4):ポリスチレン(1)−水添ポ
リイソプレン(1)−ポリスチレン(2)の構造を有
し、ヨウ素価48.2、数平均分子量77,500、分
子量分布1.10、水素添加前のポリイソプレンのビニ
ル結合量が47%、ポリスチレン(1)の数平均分子量
18,500、ポリスチレン(2)の数平均分子量1
8,500の水添ブロック共重合体を合成し、このポリ
マーを(c−4)とした。
【0046】(c−5):ポリスチレン−水添ポリイソ
プレンの構造を有し、ヨウ素価30.5、数平均分子量
82,000、分子量分布1.08、水素添加前のポリ
イソプレンのビニル結合量が48%、ポリスチレンの数
平均分子量41,000の水添ブロック共重合体を合成
し、このポリマーを(c−5)とした。
【0047】(c−6):ポリスチレン(1)−水添ポ
リイソプレン−ポリスチレン(2)の構造を有し、ヨウ
素価30.2、数平均分子量69,000、分子量分布
1.08、水素添加前のポリイソプレンのビニル結合量
が50%、ポリスチレン(1)の数平均分子量21,0
00、ポリスチレン(2)の数平均分子量11,000
の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c
−6)とした。
【0048】(c−7):ポリスチレン(1)−水添ポ
リイソプレン−ポリスチレン(2)の構造を有し、ヨウ
素価29.9、数平均分子量83,000、分子量分布
1.10、水素添加前のポリイソプレンのビニル結合量
が42%、ポリスチレン(1)の数平均分子量20,1
00、ポリスチレン(2)の数平均分子量20,100
の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c
−7)とした。
【0049】(c−8):ポリスチレン(1)−水添ポ
リブタジエン−ポリスチレン(2)の構造を有し、ヨウ
素価5.3、数平均分子量85,800、分子量分布
1.10、水素添加前のポリブタジエンのビニル結合量
が54%、ポリスチレン(1)の数平均分子量20,0
00、ポリスチレン(2)の数平均分子量19,800
の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c
−8)とした。
【0050】(c−9):ポリスチレン(1)−水添ポ
リイソプレン−ポリスチレン(2)の構造を有し、ヨウ
素価30.3、数平均分子量89,000、分子量分布
1.10、水素添加前のポリイソプレンのビニル結合量
が55%、ポリスチレン(1)の数平均分子量8,90
0、ポリスチレン(2)の数平均分子量8,900の水
添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−
9)とした。
【0051】 (c−10):クラレ(株)製、セプトン2104 ポリスチレン−水添ポリイソプレン−ポリスチレンの構
造を有し、ヨウ素価1.5、ビニル結合量が10%のポ
リマーを(c−10)とした。
【0052】樹脂組成物の溶融混練方法 (A):2軸押出機を用い、第1原料供給口より(b)
ポリフェニレンエーテル系樹脂と(c)水添ブロック共
重合体を供給し、第2原料供給口より(a)ポリプロピ
レン系樹脂を供給する溶融混練方法を(A)とした。
【0053】(B):2軸押出機を用い、第1原料供給
口より(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂を供給し、
第2原料供給口より(a)ポリプロピレン系樹脂と
(c)水添ブロック共重合体を供給する溶融混練方法を
(B)とした。
【0054】(C):2軸押出機を用い、第1原料供給
口より(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(a)ポ
リプロピレン系樹脂の一部を供給し、第2原料供給口よ
り(c)水添ブロック共重合体と残りの(a)ポリプロ
ピレン系樹脂とを供給する溶融混練方法を(C)とし
た。
【0055】溶融混練温度は(A)、(B)、(C)と
もに第1原料供給口から第2原料供給口までのバレル設
定温度を330℃、第2原料供給口より下流のバレル設
定温度を290℃とし、スクリュー回転数を350rp
mに設定し溶融混練を実施した。
【0056】なお、物性の評価は次の通りに行った。
【0057】(1)熱履歴処理 ギアーオーブンを用い80℃の環境下に48時間放置し
た。
【0058】(2)引張伸度試験 ASTM D−638に準じ、23℃で破断伸びを測定
した。
【0059】(3)アイゾット(ノッチ付き)衝撃強度 ASTM D−256に準じ、23℃で測定した。
【0060】(4)高温クリープ強さ レオバイブロン(オリエンテック(株)製、DDV−2
5FP型)を用いて、1mm×1mm×3cmのタンザ
クを応力130Kg/cm2 相当の荷重で、温度65℃
の条件でクリープ試験を行い、破断までの時間を測定し
た。
【0061】(5)樹脂組成物の分散形態 ペレットの切断面を、ウルトラミクロトーム(ライヘル
ト社製 ウルトラカットE)により超薄切片を作成しル
テニウム酸により染色し、それを透過型電子顕微鏡(日
本電子(株)製 1200EX)を用いて観察、写真撮
影した。この写真をもとに画像解析装置(旭化成(株)
製 1P1000)を用いて、分散相の周囲長から円相
当粒子径を求め、平均分散粒子径および粒径分布を求め
た。
【0062】実施例1〜6および比較例1〜9 表1、表2に示した組成および溶融混練方法でポリプロ
ピレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、水添ブ
ロック共重合体を配合、溶融混練しペレットとして得
た。溶融混練は290〜330℃に設定したベントポー
ト付き二軸押出機(ZSK−25;WERNER&PF
LEIDERER社製、ドイツ国)を用いて行った。
【0063】このペレットを用いて樹脂組成物の分散形
態を確認し、さらに240〜280℃に設定したスクリ
ューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃
の条件で引張試験用テストピース、アイゾット衝撃試験
用テストピースおよび熱変形温度測定用テストピース、
クリープ試験用テストピースを射出成形した。これらの
テストピースの物性を測定し、その結果を併せて表1、
表2に載せた。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】これらの結果より、少なくとも2個のポリ
スチレンブロックAと、少なくとも1個のポリイソプレ
ンブロックBとからなり、かつポリスチレンブロックA
の数平均分子量が15000以上、ポリイソプレンブロ
ックBのビニル結合量が45%以上であり、かつ該水添
ブロック共重合体のヨウ素価が40以下である水添ブロ
ック共重合体を用いることにより、ポリプロピレン系樹
脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との混和性を向上さ
せ、さらに加熱溶融混練手段を制御し特定の分散形態を
取ることにより、水添ブロック共重合体の熱劣化を抑
え、高温下のクリープ強さ、引張伸度のより優れた樹脂
組成物が得られる。
【0067】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン
系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂および水添ブロ
ック共重合体からなり、水添ブロック共重合体として特
定の構造を有する水添ブロック共重合体を用いたため、
従来技術では困難であったポリプロピレン系樹脂とポリ
フェニレンエーテル系樹脂を含む樹脂組成物の高温下の
クリープ強さおよび耐油性、耐薬品性、耐熱性、耐衝撃
性、引張伸びに優れた樹脂組成物をもたらす。
【0068】また、特定の加熱溶融混練手段を用いて分
散形態を制御することにより、さらに高温下のクリープ
強さ、引張伸度が著しく向上し、耐熱材料としての耐久
性に優れた樹脂組成物をもたらす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠原 秀夫 千葉県袖ケ浦市中袖5番地1 旭化成工業 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂組成物において、(a)ポリプロピ
    レン系樹脂 45〜95重量%と(b)ポリフェニレン
    エーテル系樹脂 55〜5重量%、および上記(a)、
    (b)成分の合計100重量部に対して、(c)少なく
    とも2個のポリスチレンブロックAと、少なくとも1個
    のポリイソプレンブロックBとからなる水添ブロック共
    重合体において、ポリスチレンブロックAの数平均分子
    量が15000以上、ポリイソプレンブロックBのビニ
    ル結合量(1,2−ビニル結合量および3,4−ビニル
    結合量の合計量)が45%以上であり、かつ該水添ブロ
    ック共重合体のヨウ素価が40以下である水添ブロック
    共重合体 1〜30重量部を含むことを特徴とするクリ
    ープ強さに優れた樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物において、ポリプロピレン系
    樹脂が連続相を、ポリフェニレンエーテル系樹脂および
    水添ブロック共重合体が分散相を形成し、かつ該分散相
    の70%以上が円相当平均粒子径0.02μm〜2.0
    μmの範囲にあることを特徴とする請求項1の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物を製造する方法において、
    (b)ポリフェニレンエーテル系樹脂55〜5重量%と
    (a)ポリプロピレン系樹脂0〜30重量%の溶融混練
    物に、(c)水添ブロック共重合体1〜30重量部と
    (a)ポリプロピレン系樹脂15〜95重量%を追加し
    さらに溶融混練することを特徴とする請求項2の樹脂組
    成物の製造方法。
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JP2002327120A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Jsr Corp 相溶化剤組成物、改質剤組成物並びに熱可塑性重合体組成物及びその製造方法
KR20230163430A (ko) 2021-03-31 2023-11-30 글로벌 폴리아세탈 가부시키가이샤 수지 조성물 및 성형체

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