JPH11123405A - U型鋼矢板の粗形鋼片製造方法 - Google Patents

U型鋼矢板の粗形鋼片製造方法

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JPH11123405A
JPH11123405A JP9308142A JP30814297A JPH11123405A JP H11123405 A JPH11123405 A JP H11123405A JP 9308142 A JP9308142 A JP 9308142A JP 30814297 A JP30814297 A JP 30814297A JP H11123405 A JPH11123405 A JP H11123405A
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flange
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pass
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JP9308142A
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Yosuke Miura
洋介 三浦
Shinya Hayashi
慎也 林
Naoto Kataoka
直人 片岡
Haruichi Nakatsuji
治市 中辻
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 U型鋼矢板の粗造形において上反りを抑制し
て同一孔型で可能なパス数を増加、すなわち累計延伸を
増加させることにより必要な孔型数を減らし、鋼矢板の
広幅化の障害であったロール胴長不足を解消し、圧延能
率を向上させること。 【解決手段】 孔型を有する二重可逆式圧延機により、
素材をU姿勢または逆U姿勢で粗圧延してU型鋼矢板用
粗形鋼片を造形する方法において、前記粗圧延の各パス
について、ウェブ相当部延伸λ1とフランジ相当部延伸
λ2の比λ1/λ2と、被圧延材の上反りとの相関関係
を求めておき、該相関関係に基づき前記延伸比λ1/λ
2の上反り許容範囲を設定し、当該操業時において該許
容範囲内となるように孔型のウェブ相当部傾斜角、フラ
ンジ相当部傾斜角、ウェブ相当部間隙およびフランジ相
当部間隙を設定し、被圧延材の上反りを防止することを
特徴とするU型鋼矢板の粗形鋼片製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はU型鋼矢板の製造
技術にかかわり、特に粗圧延によるU型鋼矢板用粗形鋼
片の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】U型鋼矢板は、図2、図3のように孔型
を有する二重式圧延機を数基用いて製造される。図2は
U型鋼矢板製造のための具体的な工程図であり、図3は
U型鋼矢板製造のための各孔型の例である。図3に示す
ごとくU型鋼矢板の最終製品をえるために、粗圧延機B
D、第1中間圧延機R1および第2中間圧延機R2、仕
上圧延機Fの各ロールには胴長の制約内で複数の孔型K
11〜K1が配置される。
【0003】図3のようにU型鋼矢板の孔型形状は上下
非対称であるゆえ、同一孔型でパス数を継続すると、被
圧延材の噛み込み端(被圧延材の長さ方向の2つの端部
のうち圧延機に先に噛み込む側)に上反りが発生する場
合があり、これが過度になると圧延の継続が不可能にな
る。このため、同一孔型で可能なパス数はわずか1〜3
パス程度であり、たとえば矩形断面4の素材からU型鋼
矢板の製品断面を得るためには、通常10〜12孔型を
必要とする。その結果、図4に示すU型鋼矢板5の幅w
に上限の制約条件があり、幅wが前記上限より広い鋼矢
板(以下、広幅U型鋼矢板という)を圧延するにはロー
ル胴長が不足し、必要な数の孔型を配置することができ
ない。また、孔型の数が多いとその分孔型変更のための
被圧延材の横移動の回数が多いので圧延能率が低い。し
たがって、一孔型当りのパス数を多くし、孔型数を削減
することを指向して、孔型設計がなされる。
【0004】被圧延材の上反りを抑制し、同一孔型で可
能なパス数を増加させることにより、孔型数を削減する
ための技術としては、中間・仕上圧延についてはフラン
ジ厚み延伸(=入側フランジ厚み/出側フランジ厚み)
とウェブ厚み延伸(=入側ウェブ厚み/出側ウェブ厚
み)の釣り合いが保たれるごとくロール孔型を構成させ
る技術が周知である。たとえば、特開昭60−4410
1号公報には、「主に中間圧延工程を対象に、パス毎に
ロール圧下可変の可逆式圧延機を、1台あるいは連続の
複数台用い、フランジ延伸とウェブ延伸の釣合いが保た
れるごとくロール孔型を構成せしめ、同一ロール孔型中
にて被圧延材を複数回往復圧延する」との技術が開示さ
れている。
【0005】しかし、粗圧延についての反り抑制技術に
ついての開示はまったくない。その理由は、粗圧延では
断面内各部の延伸差がある程度大きくなっても、被圧延
材の断面積が大きいので変形に対する抵抗が大きく、反
りが比較的小さく問題視されなかったものと推定され
る。たとえば、特開昭55−161503号公報4頁6
行に「圧延の前半の抜差し圧延時には被圧延材の各部に
大きな圧下率差をつけて圧延し、圧延の後半の連続圧延
時には少ない圧下率差で圧延する」とあるように、断面
積の大きい前半(粗圧延段階)では、噛み込み端に反り
が発生することを前提にして、抜差し圧延(可逆圧延)
を行なっていた。これは、可逆圧延のため、噛み込み端
に反りが発生しても、後続パスの噛み込みは反りのほと
んど発生しない蹴出し端が噛み込み端となり、噛み込み
性に問題がないためである。
【0006】しかし、広幅U型鋼矢板のウェブ部が全断
面積に占める割合は、従来の狭幅サイズのそれよりも大
きいので、圧延する際にはその分上下の非対称度が大き
く、反りがより発生しやすくなり反り量も大きい。上反
りが過度になると、粗圧延段階では被圧延材の断面積が
大きくかつ長さが短いため自重ではこれが矯正されな
い。その結果、図5(a)のように被圧延材1の噛み込
み端が上反りしたまま圧延すると、圧延ロール2から被
圧延材1を(b)のように蹴出した直後に(c)のよう
に蹴出し端も持ち上がる。そして、次の逆パスにおいて
はローラーテーブル3による押し込み力だけでは被圧延
材1の噛み込みが不可能となる。このように、従来のま
までは鋼矢板の広幅化は困難であり、また孔型変更のた
めの被圧延材の横移動の回数が多く圧延能率が低かっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、U型鋼矢板の粗造形において上反りを抑制
して同一孔型で可能なパス数を増加、すなわち累計延伸
を増加させることにより必要な孔型数を減らし、鋼矢板
の広幅化の障害であったロール胴長不足を解消し、圧延
能率を向上させることであり、本発明はこの課題を解決
するためのU型鋼矢板用粗形鋼片の製造方法を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための手段として、被圧延材断面内各部の延伸比が
適正範囲内に入るような形状で穿設された孔型を用いて
粗圧延し、粗形鋼片を製造するものである。
【0009】その要旨は、以下の通りである。
【0010】 孔型を有する二重可逆式圧延機によ
り、素材をU姿勢または逆U姿勢で粗圧延してU型鋼矢
板用粗形鋼片を製造する方法において、前記粗圧延の各
パスについて、ウェブ相当部延伸λ1とフランジ相当部
延伸λ2の比λ1/λ2と、被圧延材の上反りとの相関
関係を求めておき、該相関関係に基づき前記延伸比λ1
/λ2の上反り許容範囲を設定し、当該操業時において
該許容範囲内となるように孔型のウェブ相当部傾斜角、
フランジ相当部傾斜角、ウェブ相当部間隙およびフラン
ジ相当部間隙を設定し、被圧延材の上反りを防止するこ
とを特徴とするU型鋼矢板の粗形鋼片製造方法。
【0011】 各パスにおける、当該パスの入側での
被圧延材のウェブ相当部入側断面積S1、フランジ相当
部入側断面積S2と、製品断面寸法から定められる当該
パスの孔型のウェブ相当部線長L1、フランジ相当部線
長L2、および当該パスにおける被圧延材の変形能より
定まる孔型充満性と圧延機能力から定められるウェブ相
当部厚み圧下量Δt1、フランジ相当部厚み圧下量Δt
2に対応して、下記(1)式に基づくウェブ相当部延伸
λ1および下記(2)式に基づくフランジ相当部延伸λ
2について、延伸比λ1/λ2が上反り許容範囲内とな
るように、当該パスの孔型のウェブ相当部傾斜角α1と
フランジ相当部傾斜角α2を設定することを特徴とする
請求項1に記載のU型鋼矢板の粗形鋼片製造方法。
【0012】 λ1=S1/(S1−Δt1・L1・cosα1) ・・・・・(1) λ2=S2/(S2−Δt2・L2・cosα2) ・・・・・(2) ただし、λ1は当該パスにおけるウェブ相当部延伸、λ
2は当該パスにおけるフランジ相当部延伸、S1は当該
パスの入側での被圧延材のウェブ相当部断面積、S2は
当該パスの入側での被圧延材のフランジ相当部断面積、
Δt1は当該パスにおけるウェブ相当部厚み圧下量、Δ
t2は当該パスにおけるフランジ相当部厚み圧下量、L
1は当該パスの孔型におけるウェブ相当部線長、L2は
当該パスの孔型におけるフランジ相当部線長、α1は当
該パスの孔型におけるウェブ相当部傾斜角、α2は当該
パスの孔型におけるフランジ相当部傾斜角、である。
【0013】ここで「素材をU姿勢または逆U姿勢で粗
圧延」とは、2重可逆式圧延機を用いてU型または逆U
型の形状をもつ孔型により、断面積が素材断面積のほぼ
1/7の粗形断面に造形するまでの圧延をいい、図3で
はK10〜K8の孔型圧延に相当する。
【0014】つぎに、その他本発明が称する用語につい
ては図6で説明する。図6は粗圧延における被圧延材ま
たは孔型の1/2断面形状(中心線ABの左側の領域A
BCDEFGHIJK)を示す。ウェブ上面BCの直線
部の延長線について、中心線ABの延長線との交点を
b、フランジ上面CDの直線部の延長線との交点をcと
する。また、ウェブ下面AKの延長線について、中心線
ABの延長線との交点をa、フランジ下面KJの直線部
の延長線との交点をkとする。さらに、爪底DEの直線
部の延長線とフランジ上面CDの直線部の延長線との交
点をd、爪底下面IJの直線部の延長線とフランジ下面
KJの直線部の延長線との交点をjとする。そして、線
分ab、線分kcおよび線分jdの中点をそれぞれO
1、O2およびO3とし、線分O2O3の延長線と、爪
外縁点Fを通り中心線ABに平行な直線との交点をO4
とする。
【0015】本発明が称するウェブ相当部入側断面積S
1とは当該パスの入側における被圧延材のウェブ断面積
BCKAを、フランジ相当部入側断面積S2とは当該パ
スの入側における被圧延材の爪底と爪を含むフランジ相
当部断面積CDEFGHIJKを意味する。また、当該
パスの出側においても同様に、被圧延材のウェブ断面積
BCKAをウェブ相当部出側断面積、爪底と爪を含むフ
ランジ相当部断面積CDEFGHIJKをフランジ相当
部出側断面積と称する。ウェブ相当部延伸λ1は当該パ
スの前記ウェブ相当部入側断面積と前記ウェブ相当部出
側断面積の比(=ウェブ相当部入側断面積/ウェブ相当
部出側断面積)から、フランジ相当部延伸λ2とは当該
パスの前記フランジ相当部入側断面積と前記フランジ相
当部出側断面積の比(=フランジ相当部入側断面積/フ
ランジ相当部出側断面積)から求められる。
【0016】また、ウェブ相当部線長L1とは当該パス
の孔型の線分O1O2の長さを、フランジ相当部線長L
2とは当該パスの孔型の線分O2O4の長さを、ウェブ
相当部傾斜角α1とは当該パスの孔型のO1O2のロー
ル軸(水平線)となす傾斜角を、フランジ相当部傾斜角
α2は当該パスの孔型のO2O4のロール軸となす傾斜
角を意味する。
【0017】さらに図6に示すように、ウェブ相当部間
隙およびフランジ相当部間隙について対称軸ABと平行
な方向に測った長さt1およびt2を定義する。そし
て、ウェブ相当部間隙t1について当該パスにおける入
側の被圧延材のそれと孔型のそれの差をウェブ相当部厚
み圧下量Δt1、フランジ相当部間隙t2について当該
パスにおける入側の被圧延材のそれと孔型のそれの差を
フランジ相当部厚み圧下量Δt2と定義する。t1およ
びt2を定義する位置は、通常それぞれO1O2の中点
位置M1およびO2O3の中点位置M2とすればよい。
【0018】上記ウェブ相当部厚み圧下量Δt1とフラ
ンジ相当部厚み圧下量Δt2は、被圧延材の孔型充満
性、すなわち孔型へのメタルの充満性および圧延機能力
の面から決定される。たとえば、各孔型の第1パス目の
圧延においては被圧延材が孔型形状に馴染んでいないた
めズレ噛みが発生しやすく、これを防止するためにこれ
らの圧下量を小さくしたり、圧延機に加わる圧延荷重や
トルクを許容値以下に抑えるために、圧下量に制限を加
えたりする。
【0019】さて、本発明においては、まず前述したウ
ェブ相当部延伸λ1とフランジ相当部延伸λ2の比λ1
/λ2と、被圧延材の上反りとの相関関係を製品サイ
ズ、圧延姿勢から事前に求めておく。この相関関係は実
機圧延で確認してもよいが、実機圧延での反りを比較的
忠実に表現できる鉛材を被圧延材にしてラボ実験で求め
ることもできる。このような圧延の各パスにおいて上反
り量(上反り曲率または上反りの定性的大きさでもよ
い)を測定するとともに、上記で定義したウェブ相当部
断面積とフランジ相当部断面積を測定し、延伸比λ1/
λ2を算出する。上反り量と延伸比の関係を、上反り量
の延伸比特性を表わすグラフあるいは上反り量を延伸比
の函数式として与える。そして、上記相関関係と上反り
量の許容値から延伸比λ1/λ2の許容範囲を決定し、
各パスでの延伸比がこの範囲に入るように粗圧延の各孔
型の形状を決定する。
【0020】
【発明の実施の形態】被圧延材の断面形状は上下非対称
であり、主に断面内各部位の延伸(圧延方向の伸び)の
差によって反りが発生する。たとえば、図6のようなU
型姿勢では、フランジ相当部(爪底および爪も含む、以
下同様)の延伸がウェブ相当部のそれに比べて過大であ
れば下反りになり、反対にフランジ相当部の延伸がウェ
ブ相当部のそれに比べて過小であれば上反りが発生す
る。
【0021】発明者らは、孔型による粗圧延で発生する
上反りが、上記のようにウェブ相当部とフランジ相当部
の延伸差によって発生するものと考え、適正な延伸差の
範囲を評価するために図7のようにA孔型→B孔型→C
孔型の順に圧延するU型姿勢での粗圧延実験を行なっ
た。使用した素材断面は670mm×250mmの矩形
であり、幅が従来サイズ(500mm)に比べて100
mm広い600mmの鋼矢板の粗圧延を行なった。実験
は孔型の寸法形状を変更して2回にわたって行なった。
表1に、使用した孔型の主要な寸法諸元を示す。ただ
し、フランジ相当部隙t2とウェブ相当部隙t1の数値
は図7に示すように上下ロールのカラー部間隙が15m
mのときの値である。また、代表的なパススケジュール
を表2に示す。表2のロール隙の欄に示す数値は、上下
ロールのカラー部間隙である。試験においては、表2の
パススケジュールおよびこれを若干変更したパススケジ
ュールも使用して、反りの状況を確認した。そして、パ
ス毎に反りのレベル、ウェブ相当部延伸およびフランジ
相当部延伸の関係を評価した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】 その結果を図8に示す。反りの程度は、反りなし
(○)、圧延継続可能な軽微な上反り(△)、圧延継続
が不可能な大きな上反り(×)の3水準で評価した。問
題となる反りはここでは上反りだけである。下反りにつ
いては、図9(a)のようにローラーテーブル3に被圧
延材1の噛み込み端が衝突したあと、圧延ロール2とロ
ーラーテーブル3の間で(b)のように被圧延材1は曲
げ矯正され、(c)のように蹴出されるのでまったく問
題ない。このように下反りが問題なく矯正される理由
は、粗圧延の段階では被圧延材の板厚が大きいからであ
る。板厚が薄い場合には、たとえば中間・仕上圧延の段
階では、図10(a)のような下反りをもった被圧延材
1が矯正されると、(b)のようなフランジの波打ち現
象6が発生する。
【0024】図8の横軸にはウェブ相当部延伸λ1、縦
軸にはフランジ相当部延伸λ2をいずれも対数目盛でと
っている。これからわかるように、反りを防止するため
の条件は、ln(λ2)≧ln(λ1)−0.04、す
なわち λ1/λ2≦1.04 ・・・・・(3) であることがわかる。すなわち、U型姿勢での粗圧延に
おいては、フランジ相当部延伸をウェブ相当部延伸の9
6%以上で圧延すれば良いことがわかる。実際、図8で
反りなし(○)の点は、表1の実施例(以下、実施例)
でえられており、これらは表1の従来法(以下、従来
法)の場合と比較してフランジ相当部傾斜角α2が同じ
であるがウェブ相当部傾斜角α1が大きい。
【0025】ところで、(1)式と(2)式よりλ1/
λ2は下記の(4)式で与えられる。
【0026】
【数式1】 上記(4)式からわかるように、ウェブ相当部傾斜角α
1を大きくしてλ1/λ2を減少し、請求項2が満足さ
れるようになり、上反りが抑制されたのである。
【0027】本発明の請求項1または請求項2で与えら
れる孔型形状設定をどのように行なうべきかについて、
図1、表1および表3を使って詳細に説明する。
【0028】図1は表1のA孔型について、上反りのた
め多パスができない従来法の孔型と多パスが可能な本発
明に基づく実施例の孔型を重ね合わせて比較している。
実線が実施例、破線が従来法である。表1のように、実
施例の孔型は従来法のそれに比べてウェブ相当部傾斜角
α1を大きくして、ウェブ相当部延伸λ1を抑制すると
ともに、t2とt1を小さくしてA孔型出しの被圧延材
の厚みを薄くできるように(すなわち、A孔型での累計
延伸を拡大)している。
【0029】表3は従来法と実施例について、ロール隙
(ロールカラー部の上下ロール隙)、各パスにおける断
面積、延伸、累計延伸および反りの発生状況を示してい
る。表3の(a)が従来法、(b)が実施例である。た
だし、A孔型の入側断面、すなわち矩形断面670mm
×250mmのウェブ相当部およびフランジ相当部の断
面積は、A孔型の形状から粗形相当断面に近似し、求め
たものである。
【0030】従来法では上反りが第3パスから発生して
おり、これ以降の圧延は困難になっている。第4パスの
圧延については、第3パス出し材の上反りを矯正した
後、それを行なったが再び大きな上反りが発生した。直
前の第2パスまでにえられる累計延伸は1.32と小さ
い。これに対して実施例では第3〜4パスの圧延で軽微
な上反りが発生したが、合計4パスの圧延をスムーズに
行ない、えられた延伸も2.26と非常に高い。
【0031】従来法の第3〜4パスにおいて、ウェブ相
当部とフランジ相当部の延伸比λ1/λ2はλ1/λ2
>1.04であり、請求項2の満足されない圧延が行な
われたため、大きな上反りが発生した。
【0032】以上のことからわかるように、U型姿勢で
従来法のA孔型で合計4パスの圧延を行なうのは困難で
あり、実施例と同等の延伸をえるためにはもう一つ孔型
を必要とする。実施例のように、第1パス〜4パスまで
の請求項1、2にもとづいて孔型を形状設定すれば、累
計延伸を増大することができ、圧延能率が向上するだけ
でなく、孔型の省略により鋼矢板の広幅化に対する障害
であったロール胴長不足を回避することができる。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明によりU型
鋼矢板の粗圧延について、孔型あたりの累計延伸を拡大
することにより必要な孔型数を減少し、この結果圧延能
率を向上させるだけでなく、鋼矢板の広幅化が可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による粗孔型の断面形状の説明図であ
る。
【図2】U型鋼矢板の製造工程図である。
【図3】U型鋼矢板の孔型配置の例を示す図である。
【図4】U型鋼矢板の断面形状を示す図である。
【図5】U型鋼矢板の粗圧延において上反りが過大な場
合に起こる噛み込み不良の発生状況を説明する図であ
る。
【図6】粗圧延における被圧延材または孔型の1/2断
面形状を示す図である。
【図7】粗圧延実験用に用いた3孔型の寸法形状を示す
図である。
【図8】粗圧延実験でえられたフランジ相当部延伸とウ
ェブ相当部延伸および反りレベルの関係を示す図であ
る。
【図9】粗圧延における下反りがローラーテーブルで矯
正され、問題がないことを示す図である。
【図10】板厚が薄くなって下反りを矯正したときに発
生する波打ち現象を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被圧延材 2 圧延ロール 3 ローラーテーブル 4 矩形断面 5 U型鋼矢板 6 波打ち現象 α1 ウェブ相当部傾斜角 α2 フランジ相当部傾斜角 t1 ウェブ相当部間隙 t2 フランジ相当部間隙
フロントページの続き (72)発明者 中辻 治市 堺市築港八幡町1番地 新日本製鐵株式会 社堺製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔型を有する二重可逆式圧延機により、
    素材をU姿勢または逆U姿勢で粗圧延してU型鋼矢板用
    粗形鋼片を製造する方法において、前記粗圧延の各パス
    について、ウェブ相当部延伸λ1とフランジ相当部延伸
    λ2の比λ1/λ2と、被圧延材の上反りとの相関関係
    を求めておき、該相関関係に基づき前記延伸比λ1/λ
    2の上反り許容範囲を設定し、当該操業時において該許
    容範囲内となるように孔型のウェブ相当部傾斜角、フラ
    ンジ相当部傾斜角、ウェブ相当部間隙およびフランジ相
    当部間隙を設定し、被圧延材の上反りを防止することを
    特徴とするU型鋼矢板の粗形鋼片製造方法。
  2. 【請求項2】 各パスにおける、当該パスの入側での被
    圧延材のウェブ相当部断面積S1、フランジ相当部断面
    積S2と、製品断面寸法から定められる当該パスの孔型
    のウェブ相当部線長L1、フランジ相当部線長L2、お
    よび被圧延材の変形能より定まる孔型充満性と圧延機能
    力から定められる当該パスにおけるウェブ相当部厚み圧
    下量Δt1、フランジ相当部厚み圧下量Δt2に対応し
    て、当該パスにおける下記(1)式に基づくウェブ相当
    部延伸λ1および下記(2)式に基づくフランジ相当部
    延伸λ2について、延伸比λ1/λ2が上反り許容範囲
    内となるように、当該パスの孔型のウェブ相当部傾斜角
    α1とフランジ相当部傾斜角α2を設定することを特徴
    とする請求項1に記載のU型鋼矢板の粗形鋼片製造方
    法。 λ1=S1/(S1−Δt1・L1・cosα1) ・・・・・(1) λ2=S2/(S2−Δt2・L2・cosα2) ・・・・・(2) ただし、λ1は当該パスにおけるウェブ相当部延伸、λ
    2は当該パスにおけるフランジ相当部延伸、S1は当該
    パスの入側での被圧延材のウェブ相当部断面積、S2は
    当該パスの入側での被圧延材のフランジ相当部断面積、
    Δt1は当該パスにおけるウェブ相当部厚み圧下量、Δ
    t2は当該パスにおけるフランジ相当部厚み圧下量、L
    1は当該パスの孔型のウェブ相当部線長、L2は当該パ
    スの孔型のフランジ相当部線長、α1は当該パスの孔型
    のウェブ相当部傾斜角、α2は当該パスの孔型のフラン
    ジ相当部傾斜角、である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011125912A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Sumitomo Metal Ind Ltd U型鋼矢板の製造方法および製造装置
CN111389929A (zh) * 2020-03-19 2020-07-10 南京钢铁股份有限公司 一种提高轧机板型控制系统稳定性的方法

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