JPH11122526A - 追尾撮影装置 - Google Patents

追尾撮影装置

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Publication number
JPH11122526A
JPH11122526A JP9280537A JP28053797A JPH11122526A JP H11122526 A JPH11122526 A JP H11122526A JP 9280537 A JP9280537 A JP 9280537A JP 28053797 A JP28053797 A JP 28053797A JP H11122526 A JPH11122526 A JP H11122526A
Authority
JP
Japan
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gear
photographing
tracking
tilt
motor
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9280537A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Oda
高広 小田
Kenji Kadota
健志 門田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP9280537A priority Critical patent/JPH11122526A/ja
Publication of JPH11122526A publication Critical patent/JPH11122526A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動く被写体を撮像倍率を変えながら追尾して
撮影できる追尾撮影装置を提供する。 【解決手段】 撮像素子12と、撮影倍率を変える撮像
光学部1と、撮影方向を変える追尾部2と、被写体の特
徴部分の形状の画像データであって広角撮影と拡大撮影
において設定される撮影倍率に応じて決められた特徴画
像データを記憶する記憶部56と、CPU50とを有す
る。CPU50は、設定された撮影倍率におけ特徴画像
データを記憶部56から読み出し、撮像素子12から出
力される画像信号に基づく画像データから特徴画像デー
タに対応する画像データを繰り返し検出することによっ
て、撮像素子12による撮影範囲に対する被写体の特徴
部分の位置及び移動量を算出し、被写体の特徴部分を追
尾しながら撮影がなされるように、撮影倍率及び追尾部
2の動作を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体の移動に合
わせて撮影光学部の光軸を移動させることによって、動
く被写体を追尾しながら撮影する追尾撮影装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、セキュリティ分野等の用途におい
て、動く被写体を撮像倍率を変えながら追尾して撮影す
る追尾撮影装置への要求が強まっている。このような追
尾撮影装置の具体的な用途としては、(1)動く自動車
を広角撮影で追尾し、拡大撮影に切り替えて追尾しなが
らナンバープレートのナンバーを認識すること、(2)
提示された運転免許証を広角撮影で追尾し、拡大撮影に
切り替えて追尾しながら顔写真の顔を識別すること、
(3)ゲートを通行する人(社員)の上半身を広角撮影
で追尾し、拡大撮影に切り替えて追尾しながら胸につけ
た社員カードを識別すること、(4)ATM(現金支払
い機)に近づく顧客(又は会員)の顔を広角撮影で追尾
し、拡大撮影に切り替えて追尾しながら目の虹彩パター
ンによる個人識別を行うこと等が考えられる。ここで、
広角撮影とは、撮影画角を広くしてある程度広い範囲を
撮影する方法をいい、拡大撮影とは撮影画角を狭くして
広角撮影された画像の一部を光学的に拡大して撮影する
方法をいう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、動く被
写体を撮像倍率を変えながら追尾して撮影する追尾撮影
装置は実用化されていない。これは、被写体を撮影範囲
から外すことなく且つ画像ぶれを生じさせることなく撮
像倍率を広角撮影から拡大撮影に切り替えることが技術
的に困難だからである。具体的には、広角撮影時の最小
回転量のまま拡大撮影時に撮影光学部のパン及びチルト
方向の回転を制御すると、最小回転量が大き過ぎるため
に被写体が撮影範囲から外れてしまい、また、拡大撮影
時には、モータや減速機構の振動に起因する画像ぶれの
影響が顕著になるという困難がある。
【0004】そこで、本発明の目的は、動く被写体を撮
像倍率を変えながら追尾して撮影できる追尾撮影装置を
提供することにある。
【0005】また、本発明の他の目的は、画像ぶれを低
減させることができる追尾撮影装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の追尾撮影装置
は、被写体を撮影して画像信号を出力する撮影手段と、
上記撮影手段による撮影倍率を光学的に変える撮影倍率
変更手段と、上記撮影手段による撮影方向を変える撮影
方向変更手段とを有し、被写体の特徴部分の形状の画像
データであって、上記撮影倍率変更手段により設定され
る撮影倍率に応じて決められた特徴画像データを記憶す
る記憶手段と、上記撮影倍率変更手段により設定された
撮影倍率における被写体の特徴部分の形状の特徴画像デ
ータを上記記憶手段から読み出し、上記撮影手段から出
力される画像信号に基づく画像データから上記特徴画像
データに対応する画像データを繰り返し検出することに
よって、上記撮影手段による撮影範囲に対する被写体の
特徴部分の位置及び移動量を算出し、被写体の特徴部分
を追尾しながら上記撮影手段による撮影がなされるよう
に、上記算出された位置及び移動量に基づいて上記撮影
倍率変更手段及び上記撮影方向変更手段の動作を制御す
る制御手段とを有することを特徴としている。
【0007】また、請求項2の追尾撮影装置は、上記記
憶手段が、複数の被写体のそれぞれについて、被写体の
特徴部分の形状の特徴画像データを記憶し、上記制御手
段が、撮影前に指定された被写体に応じた特徴画像デー
タを上記記憶手段から読み出すことを特徴としている。
【0008】また、請求項3の追尾撮影装置は、上記撮
影方向変更手段が、上記撮影手段による撮影方向をチル
ト方向に変更するチルト方向変更手段と、上記撮影手段
による撮影方向をパン方向に変更するパン方向変更手段
とを有することを特徴としている。
【0009】また、請求項4の追尾撮影装置は、上記チ
ルト方向変更手段が、チルトフレームと、上記チルトフ
レームに回転可能に支持され、上記撮影手段を支持する
チルトシャフトと、上記チルトシャフトに固定された第
1の出力ギヤと、上記第1の出力ギヤを回転させる第1
のモータギヤと、上記第1のモータギヤを回転させるチ
ルトモータとを有することを特徴としている。
【0010】また、請求項5の追尾撮影装置は、上記チ
ルト方向変更手段が、チルトフレームと、上記チルトフ
レームに回転可能に支持され、被写体の像を上記撮影手
段に入射させる反射鏡と、上記反射鏡を支持するチルト
シャフトと、上記チルトシャフトに固定された第1の出
力ギヤと、上記第1の出力ギヤを回転させる第1のモー
タギヤと、上記第1のモータギヤを回転させるチルトモ
ータと、を有することを特徴としている。
【0011】また、請求項6の追尾撮影装置は、上記第
1のモータギヤの回転駆動力を、上記第1の出力ギヤに
伝達する第1の伝達部を有し、上記第1の伝達部が、上
記第1のモータギヤに噛み合う第1のバックラッシュ調
整用ギヤ部と上記第1の出力ギヤに噛み合う第2のバッ
クラッシュ調整用ギヤ部とを有し、上記第1のバックラ
ッシュ調整用ギヤ部が、同軸に重ねられ、同じ径と同じ
歯数を有し、一方の歯を他方の歯に対して1歯以下ずら
した第1の基準ギヤ及び第1の調整ギヤと、上記第1の
基準ギヤ及び第1の調整ギヤの歯のずれを縮める方向の
力を上記第1の調整ギヤに付与する第1のバックラッシ
ュ調整用バネとを有し、上記第2のバックラッシュ調整
用ギヤ部が、同軸に重ねられ、同じ径と同じ歯数を有
し、一方の歯を他方の歯に対して1歯以下ずらした第2
の基準ギヤ及び第2の調整ギヤと、上記第2の基準ギヤ
及び第2の調整ギヤの歯のずれを縮める方向の力を上記
第2の調整ギヤに付与する第2のバックラッシュ調整用
バネとを有し、第1のバックラッシュ調整用バネにより
上記第1の調整ギヤに付与される力により、上記第1の
モータギヤの歯を上記第1の基準ギヤ及び第1の調整ギ
ヤの歯の両方で挟み付けるように、上記第1のモータギ
ヤと上記第1の第1のバックラッシュ調整用ギヤ部とを
噛み合わせ、第2のバックラッシュ調整用バネにより上
記第2の調整ギヤに付与される力により、上記第1の出
力ギヤの歯を上記第2の基準ギヤ及び第2の調整ギヤの
歯の両方で挟み付けるように、上記第1の出力ギヤと上
記第2のバックラッシュ調整用ギヤ部とを噛み合わせる
ことを特徴としている。
【0012】また、請求項7の追尾撮影装置は、上記第
1の出力ギヤが、中心部付近を空洞にした円環状の第1
の基部と、上記第1の基部の中心部に設けられ、上記チ
ルトシャフトを支持する第1の支持部と、上記第1の基
部と上記第1の支持部とを同軸的に且つ微動可能に連結
する第1の連結部とを有し、上記チルト方向変更手段
が、上記第1の基部と上記第1の支持部との間に備えら
れ、上記第1の支持部を上記第1の基部に対して微動回
転させる第1の圧電素子と、上記第1の圧電素子を駆動
させる第1の駆動回路とを有することを特徴としてい
る。
【0013】また、請求項8の追尾撮影装置は、上記パ
ン方向変更手段が、パンフレームと、上記パンフレーム
に回転可能に支持され、上記チルトフレームを支持する
パンシャフトと、上記パンシャフトに固定された第2の
出力ギヤと、上記第2の出力ギヤを回転させる第2のモ
ータギヤと、上記第2のモータギヤ回転させるパンモー
タとを有することを特徴としている。
【0014】また、請求項9の追尾撮影装置は、上記第
2のモータギヤの回転駆動力を、上記第2の出力ギヤに
伝達する第2の伝達部を有し、上記第2の伝達部が、上
記第2のモータギヤに噛み合う第3のバックラッシュ調
整用ギヤ部と上記第2の出力ギヤに噛み合う第4のバッ
クラッシュ調整用ギヤ部とを有し、上記第3のバックラ
ッシュ調整用ギヤ部が、同軸に重ねられ、同じ径と同じ
歯数を有し、一方の歯を他方の歯に対して1歯以下ずら
した第3の基準ギヤ及び第3の調整ギヤと、上記第3の
基準ギヤ及び第3の調整ギヤの歯のずれを縮める方向の
力を上記第3の調整ギヤに付与する第3のバックラッシ
ュ調整用バネとを有し、上記第4のバックラッシュ調整
用ギヤ部が、同軸に重ねられ、同じ径と同じ歯数を有
し、一方の歯を他方の歯に対して1歯以下ずらした第4
の基準ギヤ及び第4の調整ギヤと、上記第4の基準ギヤ
及び第4の調整ギヤの歯のずれを縮める方向の力を上記
第4の調整ギヤに付与する第4のバックラッシュ調整用
バネとを有し、第3のバックラッシュ調整用バネにより
上記第3の調整ギヤに付与される力により、上記第2の
モータギヤの歯を上記第3の基準ギヤ及び第3の調整ギ
ヤの歯の両方で挟み付けるように、上記第2のモータギ
ヤと上記第3のバックラッシュ調整用ギヤ部とを噛み合
わせ、第4のバックラッシュ調整用バネにより上記第4
の調整ギヤに付与される力により、上記第2の出力ギヤ
の歯を上記第4の基準ギヤ及び第4の調整ギヤの歯の両
方で挟み付けるように、上記第2の出力ギヤと上記第4
のバックラッシュ調整用ギヤ部とを噛み合わせることを
特徴としている。
【0015】また、請求項10の追尾撮影装置は、上記
第2の出力ギヤが、中心部付近を空洞にした円環状の第
2の基部と、上記第2の基部の中心部に設けられ、上記
パンシャフトを支持する第2の支持部と、上記第2の基
部と上記第2の支持部とを同軸的に且つ微動可能に連結
する第2の連結部とを有し、上記パン方向変更手段が、
上記第2の基部と上記第2の支持部との間に備えられ、
上記第2の支持部を上記第2の基部に対して微動回転さ
せる第2の圧電素子と、上記第2の圧電素子を駆動させ
る第2の駆動回路とを有することを特徴としている。
【0016】また、請求項11の追尾撮影装置は、上記
撮影手段と被写体との間に備えられた第1のハーフミラ
ーと、上記第1のハーフミラーに向けて光を照射する光
源とを有し、上記撮影手段の光軸に上記光源の光軸を一
致させ、上記光源からの光を上記第1のハーフミラーを
通して被写体に照射し、上記撮影手段が、上記第1のハ
ーフミラーを介して被写体を撮影することを特徴として
いる。
【0017】また、請求項12の追尾撮影装置は、第2
のハーフミラーと、上記第1のハーフミラーで反射さ
れ、上記第2のハーフミラーを通過した光を検出する4
分割された受光素子とを有し、上記光源からの光が上記
第2のハーフミラー及び上記第1のハーフミラーで反射
して被写体に入射し、被写体からの反射光が上記第1の
ハーフミラーで反射し、上記第2のハーフミラーを通過
して上記4分割された受光素子に照射され、上記4分割
された受光素子の分割されたそれぞれ部分の検出値が等
しくなるように上記撮影方向変更手段の動作を制御する
ことを特徴としている。
【0018】また、請求項13の追尾撮影装置は、被写
体が目であり、上記光源が、点状の赤色光光源と、円環
状の近赤外光光源とを有し、上記第1のハーフミラーと
上記撮影手段との間に、赤色光を透過させず、近赤外光
を透過させる第1のカットフィルタを備え、上記第2の
ハーフミラーと上記4分割された受光素子との間に、近
赤外光を透過させず、赤色光を透過させる第2のカット
フィルタを備え、上記赤色光光源と上記近赤外光光源と
を同時に点滅させて、目の瞳孔に上記赤色光を照射し、
目の虹彩に赤外光を照射し、瞳孔から反射された赤色光
を検出する上記4分割された受光素子の出力に基づいて
上記撮影方向変更手段の方向を変更すると共に、虹彩か
ら反射された赤外光を上記撮影手段により撮影すること
を特徴としている。
【0019】また、請求項14の追尾撮影装置は、上記
撮影手段の振動を電気信号に変換する振動検出手段を有
し、上記振動検出手段の出力信号に基づいて、上記撮影
手段による撮影画像の振動を減らすように、上記撮影方
向変更手段を動作させることを特徴としている。
【0020】また、請求項15の追尾撮影装置は、上記
振動検出手段が、積層型圧電素子であることを特徴とし
ている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
の図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】実施の形態1 図1は、本発明の実施の形態1による追尾撮影装置の構
成を示すブロック図である。また、図2は、実施の形態
1の追尾撮影装置を概略的に示す外観斜視図であり、図
3は、図2の追尾撮影装置の撮影光学部の構成を示す一
部切欠き斜視図である。さらに、図4は、図2の追尾撮
影装置をA方向に見た正面図である。
【0023】図1に示されるように、実施の形態1の追
尾撮影装置は、撮影光学部1と、撮影方向(即ち、撮影
光学部1の光軸の方向)を変更する追尾部2と、撮影光
学部1及び追尾部2の動作を制御する制御回路部3とを
有する。尚、図1において、4は撮影された画像を表示
するモニタである。
【0024】図1又は図3に示されるように、撮影光学
部1は、筒状のケース10と、このケース10の一方の
端部に備えられた対物レンズ11と、他方の端部に備え
られた撮像素子12とを有する。また、撮影光学部1
は、ケース10の中に対物レンズ11側から順に、光軸
AX方向(B方向)に移動可能なズームレンズ13と、
絞り上部14a及び絞り下部14bにより絞り孔の大き
さを変える絞り14と、ケース10に固定された中間レ
ンズ15と、光軸AX方向に移動可能なフォーカスレン
ズ16とを有する。
【0025】さらに、撮影光学部1は、ケース10の中
に、ズームレンズ13を対物レンズ11の光軸AX方向
に移動させる送りネジ機構17と、この送りネジ機構1
7の送りネジを回転させるズームレンズ調整モータ18
と、このズームレンズ調整モータ18の回転量を電気信
号に変換して出力する回転量センサ19とを有する。こ
の場合、ズームレンズ13を対物レンズ11に近づける
と、広角撮影となり、反対に対物レンズ11から遠ざけ
ると、拡大撮影となる。
【0026】さらにまた、撮影光学部1は、ケース10
の中に、絞り上部14a及び絞り下部14bを対物レン
ズ11の光軸AX方向に垂直なC方向に移動させる送り
ネジ機構20と、この送りネジ機構20の送りネジを回
転させる絞り調整モータ21と、この絞り調整モータ2
1の回転量を電気信号に変換して出力する回転量センサ
22とを有する。送りネジ機構20の送りネジは、ネジ
溝のねじり方向が中央部を境に反対になっており、送り
ネジの上部に絞り上部14aが噛み合い、送りネジの下
部に絞り下部14bが噛み合っている。このため、送り
ネジの一方向の回転で絞り上部14aと絞り下部14b
とが反対方向へ移動し、送りネジ回転方向を反転させる
ことによって絞り孔の開閉ができる。このように、送り
ネジ機構20は、絞り上部14aを上に、絞り下部14
bを下に移動させて絞り孔を大きくする動作、又は、絞
り上部14aを下に、絞り下部14bを上に移動させて
絞り孔を小さくする動作を行う。
【0027】また、撮影光学部1は、ケース10の中
に、フォーカスレンズ16を対物レンズ11の光軸AX
方向に移動させる送りネジ機構23と、この送りネジ機
構23の送りネジを回転させるフォーカス調整モータ2
4と、このフォーカス調整モータ24の回転量を電気信
号に変換して出力する回転量センサ25とを有する。フ
ォーカスレンズ16は、ズームレンズ13の移動によっ
てずれた焦点位置を撮像素子12上に移動させる機能を
持つ。
【0028】また、図2又は図4に示されるように、追
尾部2は、撮影光学部1をチルト方向(D方向)に回転
させるチルト回転部30と、パン方向(E方向)に回転
させるパン回転部40とを有する。
【0029】チルト回転部30は、コの字上に折り曲げ
られたチルトフレーム31と、撮影光学部1のケース1
0の側面に固定され、チルトフレーム31に回転可能に
支持されたチルトシャフト32と、このチルトシャフト
32に固定された大径の出力ギヤ33と、この出力ギヤ
33に噛み合う小径のモータギヤ34と、このモータギ
ヤ34を回転させるチルトモータ35と、このチルトモ
ータ35の回転量を電気信号に変換して出力する回転量
センサ36とを有する。尚、図2において、37は、チ
ルトモータ35をチルトフレーム31に固定するネジで
ある。また、チルトシャフト32の軸線(チルト軸)3
2aは撮像光学部1の重心を通る位置に設定されている
ので、チルト軸32aが撮影光学部1の重心を通り、チ
ルト回転における慣性モーメントは最小になり、回転時
の応答性を良好にしている。
【0030】また、パン方向追尾部40は、コの字上に
折り曲げられたパンフレーム41と、チルトフレーム3
1の底面に固定され、パンフレーム41に回転可能に支
持されたパンシャフト42と、このパンシャフト42に
固定された大径の出力ギヤ43と、この出力ギヤ43に
噛み合う小径のモータギヤ44と、このモータギヤ44
を回転させるパンモータ45と、このパンモータ45の
回転量を電気信号に変換して出力する回転量センサ46
とを有する。尚、図2において、47は、パンモータ4
5をパンフレーム41に固定するネジである。また、パ
ンシャフト42の軸線(パン軸)42a(図4に示す)
は撮像光学部1の重心を通る位置に設定されているの
で、パン軸が撮影光学部の重心を通り、パン回転におけ
る慣性モーメントは最小になり、回転時の応答性を良好
にしている。
【0031】また、図1に示されるように、制御回路部
3は、CPU50と、ズームレンズ調整モータ18の駆
動回路51と、絞り調整モータ21の駆動回路52と、
フォーカス調整モータ24の駆動回路53と、チルトモ
ータ35の駆動回路54と、パンモータ45の駆動回路
55と、記憶部56と、データ出力部57と、電源部5
8とを有する。
【0032】CPU50は、例えば、回転量センサ1
9,22,25,36,46からの信号に基づいて撮影
光学部1における各モータ18,21,24及び追尾部
2における各モータ35,45の回転制御を行うととも
に、撮像素子12からの画像信号を処理してモニタ4に
被写体の映像を出力させたり、撮影画像のデータを記憶
部56に登録された特徴画像データと比較すること等を
行う。尚、各動作を実行させるためのプログラムは記憶
部56に保存されている。
【0033】実施の形態1においては、撮影する被写体
の種類が予めわかっており、追尾撮影を行う前に、被写
体の種類が入力されている。従って、撮影された画像の
どこを写し、どこを見て追尾するかが予め決まってい
る。表1に、記憶部56に記憶されている被写体に関す
る情報の一例を示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示されるように、記憶部56には、
被写体の種類ごとに、さらに広角撮影か拡大撮影かに応
じて、撮影画像、特徴画像、特徴形状の画像データが記
憶されている。表1における撮影倍率の欄に示されるよ
うに、実施の形態1の追尾撮影装置においては、撮影画
像、特徴画像、特徴形状を、広角撮影か拡大撮影かによ
って切り替えている。広角撮影か拡大撮影かの識別は、
表1の撮影画像を写したときに、ズームレンズ調整モー
タ18の回転量センサ19から得られる電気的信号に基
づいてCPU50が行う。このため、撮影時には、回転
量センサ19からの電気的信号を検出することによっ
て、撮影倍率を電気的に確認することができる。ここ
で、撮影画像とは、指定した撮影倍率で撮影したときに
撮像素子12に結像した画像を指す。
【0036】また、特徴画像とは、撮影画像の中で、輝
度の高低で周りの背景から分離できる画像を指す。ある
範囲で周りの背景から電気的な信号で分離できる画像デ
ータに指定できるものであれば表1に示した具体例に限
定されない。実施の形態1の追尾撮影装置は、特徴画像
を被写体の移動量を検出するために利用する点を特徴と
している。つまり、ある時間間隔で繰り返し被写体を撮
影しながら、特徴画像が撮像素子12のどの位置で撮影
されたかを撮影画像の画像データの中から検出し、過去
に(即ち、ある時間間隔前に)撮影された特徴画像の位
置と比較することによって、被写体の移動量を検出す
る。
【0037】さらに、特徴画像の移動に合わせて、追尾
部2のチルト回転部30及びパン回転部40により撮影
光学部1の光軸AXの方向を変え、撮影画像が撮影範囲
外に外れることを防止する。このように、撮影した画像
内にある特徴画像の移動をフィードバック信号として利
用することによって、実施の形態1の追尾撮影装置は、
外部に別のセンサを実装することなく、被写体を撮影し
ながら高速で高精度な追尾を可能としている。例えば、
表1において、被写体が会員であり、撮影画像が顔であ
る場合(広角撮影の場合)には、顔全体の明るさに対し
て、目、眉毛、鼻の穴等は黒くなるため、画像データを
単純に黒と白の2値化した際、目、眉毛、鼻の穴等は特
徴画像として指定することができる。
【0038】また、特徴形状とは、特徴画像を撮影画像
から検索するときの検索範囲の指定形状をいう。つま
り、特徴画像が周りの背景から分離できる最小範囲の形
状である。そのため、被写体が予め指定されていれば、
撮影倍率と特徴画像から、特徴形状のサイズを設定する
ことができる。また、実施の形態1の追尾撮影装置にお
いては、撮影光学部1の撮影倍率に対応してチルトモー
タ35及びパンモータ45の最小回転量の大きさを変更
する。
【0039】ここで、撮影倍率とは撮像素子12に結像
した像サイズを被写体サイズで割った値をいう。従っ
て、被写体から追尾撮影装置までの距離を同じにして比
べると、広角撮影の方が拡大撮影よりも撮影倍率は小さ
くなる。
【0040】また、被写体が含まれる平面である撮影平
面の撮影分解能は、撮像素子12の画素ピッチを撮影倍
率で割ることによって求められる。従って、撮影倍率が
小さいほど、撮影分解能は大きく(荒く)なる。言い換
えれば、広角撮影のほう拡大撮影に比べて撮影分解能は
荒い。
【0041】具体的に言えば、撮像素子サイズを3.6
[mm]とし、撮像素子の画素ピッチを6[μm]
(0.006[mm])とし、撮影距離を500[m
m]とした場合に、広角撮影の撮影倍率を0.012と
すれば、撮影範囲は3.6[mm]/0.012=30
0[mm]となり、撮影画角は2*tan-1(300/
(2*500))=33.46°となり、撮影分解能は
0.006[mm]/0.012=0.5[mm]とな
り、このときの回転量はtan-1(0.5/500)=
0.0576°となる。
【0042】一方、拡大撮影の撮影倍率を0.15とす
れば、撮影範囲は3.6[mm]/0.15=24[m
m]となり、撮影画角は2*tan-1(24/(2*5
00))=2.75°となり、撮影分解能は0.006
[mm]/0.15=0.04[mm]となり、このと
きの回転量はtan-1(0.04/500)=0.00
46°となる。
【0043】このように、拡大撮影時に広角撮影の撮影
分解能で被写体を追尾すれば、撮像素子12に結像した
画像は一瞬で撮影範囲を超えてしまう。そこで、実施の
形態1の追尾撮影装置においては、追尾部2のチルトモ
ータ35及びパンモータ45の最小回転量を、各回転量
センサ36,46の分解能とモータギヤ34,44と出
力ギヤ33,43との減速比により0.0046°に設
定する。これは、回転量センサ36,46からの1回の
信号が出力ギヤ33,43の回転量を0.0046°に
することを意味する。よって、広角撮影の場合には、回
転量センサ36,46からの電気的信号を約12.4回
に1回の割合で検出するようにして、出力ギヤ33,4
3の回転量を0.057°(≒0.0046°×12.
4回)で制御し、拡大撮影の場合には、回転量センサ3
6,46からの1回の信号を検出して、出力ギヤ33,
43の回転量を0.0046°で制御する。
【0044】次に、CPU50からの指令に基づく実施
の形態1の追尾撮影装置の動作を説明する。
【0045】実施の形態1の追尾撮影装置においは、C
PU50は指定された被写体を確認し、記憶部56に記
憶されている表1の分類表から、撮影条件に関するデー
タを読み出す。次に、広角と拡大の撮影条件を回転量セ
ンサ36,46からの電気的信号を検出して設定し、広
角撮影及び拡大撮影における撮影画像を撮像素子12に
よって取得する。取得された画像データは、それぞれの
撮影時の回転量センサ36,46からの電気信号を追加
して、記憶部56に保存する。尚、回転量センサ36,
46からの電気信号の値ではなく、広角撮影及び拡大撮
影が電気的に識別できる信号コードを、取得されたそれ
ぞれの倍率の画像データに追加してもよい。具体的に言
えば、広角撮影の場合に、画像データの先頭に1を付加
し、拡大撮影の場合に、画像データの先頭に0を付加し
てもよい。
【0046】次に、記憶部56に保存された撮像素子1
2からの画像データの中から、表1に登録されている特
徴画像に対応する部分(特徴画像データ)を検索する。
この検索処理は、撮像素子12の縦横のマトリックス配
置に沿って画素単位で出力される電気的信号の大小を比
較することによって行われる。特徴画像の画像パターン
が、撮像素子12からの画像データから検索できた段階
で、撮影範囲内における特徴画像の位置を確認する。即
ち、撮影範囲内に特徴画像の全サイズが存在するか否か
を確認する。この処理が完了した後、先の検索処理で使
用した撮像素子12の縦横のマトリックス配置のデータ
を用いて、特徴画像の位置を定義する。この場合、あら
かじめ、撮像素子12の縦横の画素の配列に番号を設定
しておくことで、特徴画像の位置を定義できる。例え
ば、縦の画素の配列数を400とすれば、配列番号を1
から400で表示する。同様に、横の画素の配列数を6
00とすれば、配列番号を1から600で表示できる。
一例をあげれば、特徴画像は、縦配列番号20〜10
0、横配列番号100〜200に存在するといった認識
がなされる。
【0047】尚、以上の説明では、特徴画像を1画素単
位で順に検索した場合を説明したが、必ずしもこのよう
な検索をする必要はない。例えば、縦横ともに、配列番
号1番から順に検索をし、最初に特徴画像の画像パター
ンと認識できるパターンが検索できならば、予め記憶部
56に保存されている特徴画像の特徴形状のサイズ相当
にあたる画素数を上記検索できた最初の画素番号に追加
して、中間の画像データを読み飛ばして検索を行っても
よい。この場合には、追加された画素において、特徴画
像の画像パターンであることが確認できた場合に、前述
のように、特徴画像の位置を各配列番号で定義する。以
上のようにして得られた特徴画像の位置情報は、記憶部
56に保存される。保存のタイミングは、撮像素子12
からCPU50に画像データが転送される時間と特徴画
像を検索する時間等を考慮して決めればよい。
【0048】次に、被写体が移動している場合には、上
記の検索で得られた特徴画像の位置も移動する。そこ
で、再度上記と同じように、撮影した画像から特徴画像
の位置を検索することで、移動した特徴画像の位置を確
認する。そして、被写体の移動前後の特徴画像の位置ず
れを画素数で求め、前述の撮影分解能に関する計算式を
用いて、チルトモータ35及びパンモータ45の回転量
を算出する。例えば、特徴画像の位置ずれが縦及び横方
向にそれぞれ最大100画素とすると、拡大撮影の場
合、チルトモータ35及びパンモータ45を0.45°
回転させることで、追尾できる。一方、広角撮影の場合
には、チルトモータ35及びパンモータ45を5.7°
回転させることで追尾できる。尚、拡大撮影における回
転分解能は0.0046°であり、広角撮影における回
転分解能は0.057°であることから、拡大撮影にお
けるセンサ信号数は0.45°/0.0046°≒98
であり、広角撮影におけるセンサ信号数は5.7°/
0.057°≒100となる。しかし、広角撮影におけ
る実際のセンサ信号数は5.7°/0.0046°≒1
240である。従って、広角撮影においては、実際のセ
ンサ信号を12.4回に1回の読み取ることにより(即
ち、読み飛ばしを行うことにより)、被写体の動きに対
応した回転量で被写体を追尾することができる。
【0049】尚、被写体の移動前後における特徴画像の
位置ずれは、モニタ4に写る画像を目視する際には、特
徴画像の輪郭のずれとして判断できる。このため、以上
に説明したように、撮像素子12の配列番号の小さい方
から順に画像データを検索して最初に特徴画像と判断で
きる輪郭を検索することによって、特徴画像の位置ずれ
を求めることができる。しかし、常に登録した特徴画像
のサイズで撮影がなされるとは限らなず、また、照明の
影響によって被写体が移動することによって輪郭が変化
することもあるので、撮影された画像から特徴画像に相
当する画像パターンが検索できたときに、特徴画像の中
心位置を算出してもよい。このように特徴画像の中心位
置を算出し、この値を特徴画像の位置情報をして用いる
ことにより、照明などの種々の要因に基づく影響を回避
し(これらの影響は特徴画像の輪郭の両端で同様に現れ
ていると考えられるので、中心位置を算出することによ
って、これらの影響を相殺することができる。)、特徴
画像の移動を正確に求めることができる。
【0050】具体的に言えば、縦配列番号20から10
0、横配列番号100から200の位置に特徴画像が存
在する場合には、特徴画像の中心位置の縦配列番号は
(20+100)/2=60で算出され、特徴画像の中
心位置の横配列番号は(100+200)/2=150
で算出される。被写体が移動することで、上記特徴画像
の縦配列番号が10から80、横配列番号が400から
600の位置に変化したとすると、上記と同様に中心位
置を求めると、中心位置の縦配列番号は(10+80)
/2=45で算出され、中心位置の横配列番号は(40
0+600)/2=500で算出される。よって、特徴
画像の中心位置は縦方向へ−40、横方向へ+350画
素分だけ移動したことになる。これらの移動量を先の撮
影条件を用いて、追尾部2におけるチルト方向及びパン
方向の回転量として求めると、以下のようになる。
【0051】まず、撮像素子12上における配列数と移
動量との関係を求める。縦方向移動量Yは、 Y=(画素ピッチ)*(移動配列数) =0.006[mm]*(−40) =0.24[mm] となる。
【0052】また、横方向移動量Xは、 X=(画素ピッチ)*(移動配列数) =0.006[mm]*(+350) =2.1[mm] となる。
【0053】次に、広角撮影の場合、撮影倍率は0.0
12であり、撮影距離は500[mm]、縦方向はチル
ト回転、横方向はパン回転であるから、チルト回転量θ
t(1)は、 θt(1)=tan-1[10.24/(0.012*500)] ≒2.2906° となり、パン回転量θp(1)は、 θt(1)=tan-1[2.1/(0.012*500)] ≒19.2900° となる。
【0054】一方、拡大撮影の場合には撮影倍率は0.
15であるから、チルト回転量θt(2)は、 θt(2)=tan-1[0.24/(0.15*500)] ≒0.1833° となり、パン回転量θp(2)は、 θp(2)=tan-1[2.1/(0.15*500)] ≒1.6039° となる。
【0055】尚、追尾部2の回転分解能は、広角撮影で
0.057°であり、拡大撮影で0.0046°である
ことから、チルト方向信号数Nt(1)は、 Nt(1)=2.2906/0.057≒40 となり、パン方向信号数Np(1)は、 Np(1)=19.2900/0.057≒338 となる。
【0056】一方、チルト方向信号数Nt(2)は、 Nt(2)=0.1833/0.0046≒40 となり、パン方向信号数Np(2)は、 Np(2)=1.6039/0.0046≒349 となる。
【0057】また、広角撮影では回転量センサ36,4
6からの信号を12.4回に1回だけ読み取る(即ち、
読み飛ばしを行う)ことで回転分解能を0.057°と
しているので、実際の回転量センサ36,46から出力
される信号数は以下のチルト方向信号数Nt1(1)とパ
ン方向信号数Np1(1)で表され、 Nt1(1)=2.2906/0.0046≒498 Np1(1)=19.2900/0.0046≒4193 となる。
【0058】以上説明したように、実施の形態1の追尾
撮影装置によれば、チルト方向信号数及びパン方向信号
数を広角撮影か拡大撮影かによって切り替えて追尾部2
のチルトモータ35及びパンモータ45の回転制御を実
施しているので、撮影倍率が切り替えられても被写体の
動きに対応した適切な最小回転量で被写体を追尾して撮
影することができる。このため、動く被写体を撮影範囲
から外すことなく、撮像倍率を変えながら追尾して撮影
することができる。
【0059】実施の形態2 図5は、本発明の実施の形態2による追尾撮影装置の構
成を示すブロック図であり、図6は、実施の形態2の追
尾撮影装置の一部切欠き斜視図である。また、図7
(a)及び(b)は、実施の形態2の追尾撮影装置で使
用するバックラッシュ調整減速ギヤ機構の動作原理図で
あり、図8は、図7(b)をJ方向に見た図である。さ
らに、図9(a)及び(b)は、バックラッシュ調整減
速ギヤ機構の平面図と正面図であり、図10(a)、
(b)、(c)は、図9(a)のS10a−S10a線断面図
と、図9(b)のS10b−S10b線断面図と、図10
(b)の動作説明図である。
【0060】図5及び図6において、図1乃至図4に示
される実施の形態1における構成と同一又は対応する構
成には、同一の符号を付す。実施の形態2の追尾撮影装
置は、追尾部2のチルト回転部30及びパン回転部40
のそれぞれに、バックラシュ調整用ギヤを含む伝達部6
3,66を組み込むことによってバックラッシュ調整減
速ギヤ機構を構成した点、チルトモータ35及びパンモ
ータ45としてステッピングモータを採用した点、並び
に、チルトモータ35及びパンモータ45の回転量セン
サをなくした点が、実施の形態1の追尾撮影装置と相違
する。
【0061】一般に、少ない部品点数で大きな減速比を
得ようとする場合、ウォームとウォームホイールからな
るウォームギヤ列を使用するが、ギヤ面に発生する滑り
摩擦により、高速回転時に摩擦熱が発生するためグリス
等で摩擦力を低減する必要がある。また、ウォームギヤ
は入力軸であるウォームが回転停止した場合に、出力軸
であるウォームホイールの回転量を保持できる特性を持
つが、反対にウォームを回転させない限りウォームホイ
ールを回転させることができない。さらに、ウォームギ
ヤ列においては、入力軸と出力軸とが直交するために、
モータ等の質量物をチルト方向及びパン方向の回転中心
に位置させる実装設計が困難になることも考えられる。
そこで、実施の形態2の追尾撮影装置においては、チル
ト回転部30及びパン回転部40のそれぞれに、平歯車
による減速とアイドルギヤ機構によるバックラッシュ調
整とを行うバックラッシュ調整減速ギヤ部を備えた。
【0062】図6に示されるように、実施の形態2の追
尾撮影装置は、間隔をあけてチルトフレーム31に対向
する支持板61(図6において、一部が切欠いて描かれ
ている。)と、チルトフレーム31に支持板61を固定
する複数のビーム62と、チルトフレーム31と支持板
61との間に備えられ、チルトモータ36の回転駆動力
を出力ギヤ33に伝達する伝達部63とを有する。ま
た、図6に示されるように、実施の形態2の追尾撮影装
置のパンフレーム41には、パンモータ46の回転駆動
力を出力ギヤ43に伝達する伝達部66が備えられてい
る。
【0063】また、実施の形態2の追尾撮影装置におい
ては、チルトモータ36及びパンモータ46のそれぞれ
に実施の形態1に示されるような回転量センサは備えら
れておらず、その代わりに、チルトモータ36及びパン
モータ46のそれぞれを、ステップ回転がオープン制御
できるステッピングモータとしている。このようにオー
プン制御が可能になった理由は、モータ36,46の回
転駆動力を出力ギヤ33,43に伝達する伝達部63,
66のそれぞれに備えられた後述のバックラッシュ調整
機構により、バックラッシュを最小限に小さく抑制する
ことができるためである。実施の形態2の追尾撮影装置
は、このようにステッピングモータを採用してオープン
制御を実施しているので、制御回路部3の構成を簡略化
できる。
【0064】また、図6乃至図10に示されるように、
チルト回転部30において、伝達部63は、シャフト6
3aと、歯数に差がある大径の大ギヤ部64及び小径の
小ギヤ部65とを有し、それぞれはバックラッシュを調
整するため、2枚の同形状ギヤ64a,64b及び65
a,65bを重ねて且つ半歯ずつずらして構成してい
る。そして、大ギヤ部64は、チルトモータ36の回転
駆動軸に固定されたモータギヤ34に噛み合い、小ギヤ
部65は、チルトシャフト32に固定された出力ギヤ3
3に噛み合っている。このような構成により、チルトモ
ータ36の回転量は、モータギヤ34、大ギヤ部64、
小ギヤ部65、出力ギヤ33を介してチルトシャフト3
2に伝達され、撮影光学部1をチルト方向(D方向)に
回転させる。尚、チルト回転部30においては、パン回
転部40に慣性モーメントが影響しないようにパン軸
(図6におけるE方向の回転中心軸)上にチルトモータ
36の重心が通るように構成する。
【0065】また、図6乃至図10に示されるように、
パン回転部40において、伝達部66は、シャフト66
aと、歯数に差がある大径の大ギヤ部67及び小径の小
ギヤ部68とを有し、それぞれはバックラッシュを調整
するため、2枚の同形状ギヤ67a,67b及び68
a,68bを重ねて且つ半歯ずつずらして構成してい
る。そして、大ギヤ部67は、パンモータ46の回転駆
動軸に固定されたモータギヤ44に噛み合い、小ギヤ部
68は、チルトフレーム31を支持するパンシャフト
(図6には示さないが、図1の符号42に対応するシャ
フト)に固定された出力ギヤ43に噛み合っている。こ
のような構成により、パンモータ46の回転量は、モー
タギヤ44、大ギヤ部67、小ギヤ部68、出力ギヤ4
3を介してパンシャフト42(図6には示されていない
が、図2及び図4に示されている。)に伝達され、チル
トフレーム31をパン方向(E方向)に回転させる。
【0066】ここで、チルトモータ36とパンモータ4
6としては、例えば、1.2°/stepの最小回転量
を持つステッピングモータを使用する。この場合に、撮
影光学部1の回転分解能として、0.0046°(実施
の形態1における回転分解能)を実現することを考察す
る。先ず、単純にステッピングモータのステップ角度を
分割しないで回転制御を行うと、減速比は1.2/0.
0046≒260とかなり大きな値となり、ギヤのサイ
ズが大きくなる。また、大きなサイズのギヤを用いない
ためには、ギヤ自体の個数を多くしなければならず、バ
ックラッシュの調整が困難になる。そこで、先ずステッ
ピングモータのステップ角度を分割した回転制御を使用
する。分割比を1/8程度とすると、減速比は、1.2
/(8*0.0046)≒32.6となる。ここで、図
6に示されるような2列ギヤを考察する。例えば、モジ
ュールmを0.5とし、出力ギヤ33と伝達部63との
軸線間の間隔L1を42[mm]とし、伝達部63とモ
ータギヤ34との軸線間の間隔L2を18[mm]とす
ると、モータギヤ34の歯数Z1を16とし、大ギヤ部
64の歯数Z2を56とし、小ギヤ部65の歯数Z3を1
6とし、出力ギヤ33の歯数Z4を152とする組み合
わせが考えられる。この場合の減速比iは、 i=(Z1/Z2)*(Z3/Z4) =(16/56)*(16/152) =1/33.25 となる。
【0067】従って、回転分解能△θは、 △θ=1.2/(8*33.25)≒0.0045° となる。このこのとは、実施の形態2の追尾撮影装置
が、実施の形態1の場合と同等の回転分解能で被写体を
追尾できる機構であることを示している。
【0068】図7及び図8において、65aはバックラ
ッシュ調整減速機能を構成する伝達部63の小ギヤ部6
5の基準ギヤであり、65bは小ギヤ部65の調整ギヤ
である。基準ギヤ65aと調整ギヤ65bとは、同じ歯
数と同じ径を有し、同じ回転軸を持つように重ね合わさ
れている。小ギヤ部65が、出力ギヤ33と噛み合わな
い状態では、後述のバックラッシュ調整バネ(図10の
70)の作用により、図7(a)のように、基準ギヤ6
5aと調整ギヤ65bとは概ね半歯ずれた状態にある。
基準ギヤ65aと調整ギヤ65bとを重ねた厚みよりも
幅広の出力ギヤ33を小ギヤ部65に噛み合わせる際に
は、バックラッシュ調整バネの力に抗して、調整ギヤ6
5bを基準ギヤ65aに対してG方向へ回転させて両ギ
ヤ65a,65bの歯を同じ位置に並べ、出力ギヤ33
の歯をF方向に挿入して、調整ギヤ65bから手を離す
と、両ギヤ65a,65bと出力ギヤ33とが噛み合
う。このとき、調整ギヤ65bに、基準ギヤ65aに対
してG方向の反対方向であるH方向へ戻る復元力が存在
すると、図7(b)に示されるように、出力ギヤ33の
歯は、調整ギヤ65bと基準ギヤ65aの両歯で挟み付
けられた状態となる。調整ギヤ65bのH方向への復元
力の大きさにもよるが、出力ギヤ33と両ギヤ65a,
65bの両歯面間で発生したバックラッシュは調整ギヤ
65aの復元力により調整される。尚、図7の構成にお
いは、バックラッシュの調整に調整ギヤ65aの復元力
を利用するため、歯面が摩耗しても出力ギヤ33が基準
ギヤ65aと調整ギヤ65bとの間に挟み付けられた状
態にあり(即ち、図7(a)に示される半歯ずれた状態
(出力ギヤ33が噛み合っていない状態)よりもG方向
に回転させられており)、常に出力ギヤ33の歯面には
調整ギヤ65aの復元力が作用し続ける。
【0069】尚、基準ギヤ65aと調整ギヤ65bとの
初期ずれ量(出力ギヤ33を噛み合わせていなときのず
れ)は、使用するギヤのモジュールmと伝達トルクTに
応じて設定する必要がある。モジュールmが、m<0.
5を満足する小さい値である場合には、ずれ量は1/3
歯以下であり、モジュールmが、m≧1を満足する大き
い値である場合には、ずれ量は1歯としても同様な効果
を得ることができる。ただし、ずれ量が1歯である場合
には、外見上基準ギヤ65aと調整ギヤ65bとは1枚
のギヤのようになるので、図7(a)に示されるよう
に、調整ギヤ65aをG方向へ1歯移動させてから出力
ギヤ33を挿入させることを忘れ、調整ギヤ65aをG
方向に移動させずに噛み合わせてしまう可能性がある。
従って、モジュールmに関係なく、初期ずれ量は1歯よ
りも小さくして、外見上からバックラッシュを調整する
ためのギヤであることを確認できるようにすることが望
ましい。
【0070】図9及び図10において、64aはバック
ラッシュ調整減速機能を持つ伝達部63の大ギヤ部64
の基準ギヤであり、64bは大ギヤ部64の調整ギヤで
ある。基準ギヤ64aと調整ギヤ64bとは、同じ歯数
と同じ径を有し、同じ回転軸を持つように重ね合わされ
ている。大ギヤ部64が、モータギヤ34と噛み合わな
い状態では、バックラッシュ調整バネ(図10の69)
の作用により、基準ギヤ64aと調整ギヤ64bとは概
ね半歯ずれた状態にある。基準ギヤ64aと調整ギヤ6
4bとを重ねた厚みよりも幅広のモータギヤ34を大ギ
ヤ部64に噛み合わせる際には、バックラッシュ調整バ
ネの力に抗して、調整ギヤ64bを基準ギヤ64aに対
して回転させて両ギヤ64a,64bの歯を同じ位置に
並べ、モータギヤ34の歯を挿入して、調整ギヤ64b
から手を離すと、両ギヤ64a,64bとモータギヤ3
4とが噛み合う。このとき、調整ギヤ64bに、基準ギ
ヤ64aに対して復元力(図7(b)のH方向の復元力
に相当する。)が存在すると、モータギヤ34の歯は、
調整ギヤ64bと基準ギヤ64aの両歯で挟み付けられ
た状態となる。調整ギヤ64bの復元力の大きさにもよ
るが、モータギヤ34と両ギヤ64a,64bの両歯面
間で発生したバックラッシュは調整ギヤ64aの復元力
により調整される。
【0071】また、図10に示されるように、バックラ
ッシュ調整バネ69,70は、円形断面を持つ棒状のス
プリングシャフトである。但し、バネ69,70の形状
は、これには限定されず、図10(b)に示した、基準
ギヤ65aの中に形成されたバネ回避穴71の範囲内に
おける曲げ変形により弾性特性を失わない形状及び材質
であれば、断面が四角形の板バネ等の他の形状のもので
あってもよい。
【0072】尚、バックラッシュ調整用バネ70は、一
端70aを調整ギヤ65bに固定し、他端70bを調整
ギヤ65bの回避穴65c内に配置している。この場
合、調整ギヤ65bは、K方向又はP方向に、基準ギヤ
65aに形成されたバネ回避穴71の大きさによって規
制される範囲内で、回転することができる。例えば、図
10(c)の調整ギヤ65bをP方向に回転させると、
図10(c)のようになり、バネ70の弾性復元力によ
って図10(b)の状態に戻そうとする力が調整ギヤ6
5bに作用する。
【0073】以上のような構成により、図7で説明した
ように、大ギヤ部64及び小ギヤ部65のそれぞれにお
いてバックラッシュを調整することができる。また、同
様の構成は、パン回転部40におけるバックラッシュ調
整機構66の大ギヤ部67(基準ギヤ67a及び調整ギ
ヤ67b)及び小ギヤ部68(基準ギヤ68a及び調整
ギヤ68b)についても採用されている。よって、パン
回転部40及びチルト回転部30におけるバックラッシ
ュに起因する回転遅れ及び回転振動は発生しない。
【0074】尚、実施の形態2において、上記以外の点
は、上記実施の形態1と同一である。
【0075】実施の形態3 図11は、本発明の実施の形態3による追尾撮影装置の
構成を示すブロック図であり、図12は、微動回転部を
示す構成図である。
【0076】実施の形態3の追尾撮影装置は、チルト回
転部30及びパン回転部40のそれぞれを、粗動回転部
と微動回転部とから構成しており、広角撮影の際には粗
動回転部を動作させ、拡大撮影の際には微動回転部を動
作させることが、上記実施の形態1及び2と相違する。
従って、実施の形態3の説明においては、図2及び図4
をも参照する。
【0077】一般に、被写体を拡大撮影すると、追尾撮
影装置内に設けられている各種の駆動部や追尾撮影装置
が設置されている装置の振動の影響を受けやすくなる。
これは、被写体が動いてなくても、追尾撮影装置の撮像
光学部1が振動することにより、撮像素子12によって
撮影される画像が動くことで被写体が動いたときと同じ
現象になるためである。しかし、振動を被写体の移動と
認識し、追尾部2の粗動回転部(実施の形態1又は2で
説明したチルト回転部30及びパン回転部40)が、被
写体を追尾しようとして、チルトモータやパンモータを
動作させると、モータ等の振動により、撮像光学部1の
振動がますます大きくなり、被写体の追尾動作が完了し
ない状態になることが有り得る。また、一般に、回転機
構を精密に回転制御する場合には、減速比を大きくする
方法を採用するので、出力軸(チルトシャフト及びパン
シャフト)の回転量を稼ぐためにチルトモータやパンモ
ータの回転量を多くすることが必要となり、結局はモー
タ自身からの振動を大きくすることになる。
【0078】そこで、実施の形態3の追尾撮影装置にお
いては、チルト回転部30の出力ギヤ33及びパン回転
部40の出力ギヤ43に微動回転部を追加し、拡大撮影
のときには微動回転部を動作させ、粗動回転部を動作さ
せないことにより、モータからの振動の影響を回避して
いる。
【0079】実施の形態3の追尾撮影装置におけるチル
ト回転部30及びパン回転部40のそれぞれにおける微
動回転部80及び90は、出力ギヤ、即ち、図2におけ
る出力ギヤ33,43の内部に備えられている。
【0080】図12に示されるように、実施の形態3の
出力ギヤ33(43)の内部には、ギヤを備えた外側の
第1の部分81(91)と、シャフト32(42)に支
持された内側の第2の部分82(92)と、第1の部分
81(91)と第2の部分82(92)とを同軸的に且
つ微動可能に連結する1対の連結部83(93)と、第
1及び第2の部分81,82(91,92)の間に備え
られ、第2の部分82(92)を第1の部分81(9
1)に対して微動回転させる1対の積層型圧電素子84
(94)とを有する。尚、図11において、85(9
5)は、積層型圧電素子84(94)を駆動させる駆動
回路である。尚、実施の形態3の粗動回転部は、実施の
形態1又は2で示したモータとギヤ列からなる駆動機構
と同一である。
【0081】微動回転部80(90)においては、積層
型圧電素子84(94)がQ方向及びR方向に伸びるに
より回転部である第2の部分82(92)がS方向に回
転する。第2の部分82(92)は連結部83(93)
で支持され、連結部83(93)は積層型圧電素子84
(94)による回転トルクで変形する。図12において
は、2つの積層型圧電素子84(94)を回転部を中心
に対称に配列している。これにより、それぞれを同時に
伸ばすことによる回転変形の変形中心を出力ギヤ33
(43)の回転中心と一致させることができる。
【0082】また、連結部83(93)の曲げ剛性を弱
くして、回転アーム部82a(92a)の変形を小さ
し、積層型圧電素子84(94)の伸び量が効率よく回
転部の回転量に利用できるように、構成することが望ま
しい。しかし、連結部83(93)の曲げ剛性を弱くす
ると、粗動回転部による出力ギヤ33(43)の回転動
作によってシャフト32(42)が容易に振動してしま
う。そこで、チルト回転部30とパン回転部40の動的
な共振点を確認し、粗動回転動作によってチルト回転部
30とパン回転部40が共振しないように構成する。具
体的には、出力ギヤ33(43)の材質、回転支持部の
断面形状(幅*厚み)を共振を生じにくい値に設定す
る。
【0083】微動回転部80(90)は、撮影倍率が大
きいとき、すなわち拡大撮影を行うときに使用する。粗
動回転部との駆動切り替えのタイミングは、ズームレン
ズ調整部に構成された回転量センサからの電気的信号を
監視することで決める。
【0084】図13は、実施の形態3の微動回転部80
(90)の積層型圧電素子84(94)への印加電圧と
積層型圧電素子84(94)の伸び量δとの関係を示す
グラフであり、図14は、微動回転部80(90)の積
層型圧電素子84(94)の伸び量を示す説明図であ
る。
【0085】微動回転部80(90)による出力ギヤ3
3(43)の回転量θbは、積層型圧電素子84(9
4)の伸び量をδとし、アーム82a(92a)のアー
ム長をrとすると、θb=tan-1(δ/r)で表わさ
れる。
【0086】積層型圧電素子84(94)は、図13の
グラフに示されるように、印加電圧の大きさに比例して
伸び量δが大きくなる。ここで、印加電圧が100[V]
のときに伸び量δが0.03[mm]となる積層型圧電
素子を使用する場合を考察する。実装上、アーム82a
(92a)のアーム長rを20[mm]とすると、先の
関係式より、回転量θbは、 θb=tan-1(0.03/20)≒0.0859° となる。
【0087】このため、積層型圧電素子84(94)へ
の印加電圧を0[V]から100[V]まで変化させる
ことで、出力ギヤ33(43)の回転部は、図14の矢
印方向(時計回り方向)に0°から0.0859°まで
回転できる。つまり、前述した実施の形態2において
は、ギヤによる減速とステップ角度の分割によって0.
0049°の回転分解能を達成していたが、本実施の形
態3においては、0.0859°よりも大きい回転分解
能を用いる場合には粗動回転部を動作させ、これより小
さい回転分解能を用いる場合には積層型圧電素子84
(94)からなる微動回転部80(90)を動作させる
ことによって、0.0046°以下の回転分解能を達成
できる。
【0088】尚、微動回転部80(90)の積層型圧電
素子84(94)の伸びのみを使用するように積層型圧
電素子84(94)の初期電圧を0[V]とした場合に
は、被写体の移動方向によっては、微動追尾ができなく
なる。そこで、撮影倍率が広角から拡大に切り替わると
きに、積層型圧電素子84(94)の初期長さが図13
のδ0になるように、印加される初期電圧をV0に設定す
る。これにより、微動回転部により、回転部を時計方向
及び反時計方向の両方に回転させることが可能になる。
つまり、印加電圧を図13のV0より小さくすれば、伸
び量δはδ0よりも小さくなり、回転部は図14におけ
る反時計方向に回転できる。
【0089】また、逆に、印加電圧を図13のV0より
も大きくすると、伸び量δはδ0よりも大きくなり、回
転部は図14の矢印方向である時計方向に回転する。こ
こで、印加電圧が100[V]のときの伸び量δが0.0
3[mm]である積層型圧電素子を使用する場合を考察
する。印加電圧V0を50[V]とすると、伸び量δ0は、
0.015[mm]と考えられる。よって、アーム82
a(92a)のアーム長rを20[mm]とすると、伸
び量δ0のときの回転量θb0は、 θb0=tan-1(0.015/20)≒0.043° となる。
【0090】粗動回転部の回転分解能をθb0で設計すれ
ば、上記した微動回転部の初期伸び位置を粗動回転部で
制御することができる。つまり、撮影倍率が切り替わる
ときに、微動回転部を構成する積層型圧電素子84(9
4)の初期伸び位置に相当する回転量を見越して、粗動
回転部は時計方向の回転量に上記分解能分だけ少ない状
態で停止し、同時に積層型圧電素子84(94)の印加
電圧V0に復帰させる。これにより、積層型圧電素子8
4(94)の伸びにより時計方向及び反時計方向への微
動回転制御が可能となる。
【0091】また、チルトモータ35とパンモータ45
に1.2°/stepのステッピングモータを使用し
て、回転分解能θb0=0.043°を実現するときの減
速比を考察する。ステップ角度の分割比を1/8とする
と、減速比は、1.2/(8*0.043)≒3.49
となる。
【0092】ここで、前述した実施の形態2の図6に示
されるような2列のバックラッシュ調整ギヤを持つ場合
を考察する。モジュールmを0.5とし、出力ギヤ33
(43)とバックラッシュ調整減速ギヤ部(例えば、図
6の小ギヤ部65の軸線)との間隔L1を40.5[m
m]とし、バックラッシュ調整減速ギヤとモータギヤと
の間隔L2を18[mm]とすると、モータギヤの歯数
1を36とし、バックラッシュ調整減速ギヤの大ギヤ
部の歯数Z2を36とし、小ギヤ部の歯数Z3を36と
し、出力ギヤの歯数Z4を126とする組み合わせが考
えられ、そのときの減速比iは、 i=(36/36)*(36/126)=1/3.5 となる。
【0093】このときの回転分解能△θは、 △θ=1.2/(8*3.5)≒0.043° となり、粗動回転部は回転分解能θb0相当で追尾できる
機構にできる。
【0094】以上説明したように、実施の形態3の追尾
撮影装置によれば、実施の形態1又は2と同じチルト回
転部30及びパン回転部40のそれぞれに、微動回転部
80及び90を追加して、撮影光学部1を直接駆動する
ことがきるので、モータの回転による振動を発生させる
ことなく撮影方向を微調整することができる。また、微
動回転部は積層型圧電素子84(94)を用いた直接駆
動方式を採用しているので、高速駆動が可能である。
【0095】尚、実施の形態3において、上記以外の点
は、上記実施の形態1又は2と同一である。
【0096】実施の形態4 図15は、本発明の実施の形態4による追尾撮影装置の
構成を示すブロック図である。図16は、実施の形態4
の追尾撮影装置に関するものであり、同図(a)は撮像
光学部1の構成図、同図(b)は光源を示す平面図であ
る。
【0097】図15又は図16に示されるように、実施
の形態4の追尾撮影装置は、撮像素子12と被写体であ
る人間の目との間に備えられた第1のハーフミラー11
0と、第1のハーフミラー110に向けて光を照射する
点光源111及びその駆動回路111aと、第1のハー
フミラー110に向けて光を照射する円環光源112及
びその駆動回路112aとを有する。また、点光源11
1及び円環光源112は、撮像素子12の光軸に点光源
111及び円環光源112の光軸が一致するように、配
置されている。そして、点光源111又は円環光源11
2からの光を第1のハーフミラー110を通して目に照
射し、撮像素子12が、第1のハーフミラー110を通
して目を撮影する。
【0098】一般に、人間の顔を撮影した場合、目は顔
よりも黒く撮影できるため、特徴画像として使用でき
る。しかし、この黒く撮影された目を単純に拡大撮影し
ただけでは、目全体が黒く撮影されているため、輝度の
高低変化では目と瞳孔及び虹彩等の判別が困難となる。
【0099】実施の形態4の追尾撮影装置においては、
被写体への照明光源の光軸と撮影光軸を一致させ、ハー
フミラー110を介して撮像素子12の光軸と直交する
光軸を持つように点光源111及び円環光源112を設
置する。このような構成により、撮影光学部1の撮影画
角を変更すれば、変更された撮影画角の値に応じて点光
源111及び円環光源112から被写体への照射角度も
変更される。
【0100】実施の形態4において、広角撮影時の撮影
画像が人間の顔であり、特徴画像が目である場合には、
照明光は大きな入射角度で顔全体を均一に照射するた
め、撮像素子12には顔表面は白く目は黒く写る。一
方、拡大撮影時に、目、瞳孔を特徴画像とする場合に
は、本装置のズームレンズ調整部が移動する。よって、
撮影画角は小さくなる。撮像素子12の光軸と点光源1
11及び円環光源112の光軸が一致しているため、照
明光の照射角度は小さくなり、目に対してほぼ垂直に照
明光が入射される。このとき、ほとんどの照明光は角膜
で屈折し瞳孔101を通過しながら眼底部に到達し、乱
反射をしながら再び瞳孔101を通過し角膜で屈折しほ
ぼ入射光束と同一の経路を通って反射光として戻ってい
く。
【0101】実施の形態4の追尾撮影装置によれば、反
射光の光軸上に撮像素子12が配置されているため、瞳
孔101は明るく輝いた像として撮影される。つまり、
目100のきょう膜(白い部分)103と瞳孔101の
輝度の高低差が大きくなり、目100のきょう膜103
と瞳孔101の区別が容易になり、瞳孔101を特徴画
像として利用できるようになる。
【0102】ここで、瞳孔101の周りにある虹彩10
2は瞳孔101ときょう膜(白い部分)103の反射光
が強いため黒くなり、目全体の輝度の高低分布は、高い
順に、瞳孔101、きょう膜(白い部分)103、虹彩
102となる。現在、虹彩パターンを個人識別手段に利
用する研究があり、具体的な識別装置も開発されてい
る。この場合には、上記の撮影状態では、目標とする虹
彩が黒くなってしまうため、虹彩のパターン認識は不可
能になる。しかし、瞳孔101を特徴画像にできたこと
は追尾精度を高めることで有効な方法である。よって、
実施の形態4において、照明光を点光源111と円環光
源112の2種類にして、追尾時には点光源111で瞳
孔101を明るくし、パターン認識時には円環光源11
2で虹彩102を明るくする。一般に、結像光学系にお
いて、焦点面に点光源をおいた投影した場合、投影光が
結像する部分では点光源と同じ輝度分布を示す。よっ
て、焦点面に円環光源をおいて投影した場合には投影光
が結像する部分において円環光源と同じ輝度分布を示す
と考えられる。そこで、円環光源112の輝度が高い部
分に虹彩102がくるように配置すれば、瞳孔101よ
りも虹彩102を明るくすることができる。
【0103】また、人間の顔及び目を撮影する場合、目
に可視光を照射すると人間はまぶしさを感じるため、目
標の目を閉じてしまうおそれがある。そこで、照明光源
として、目に見えない近赤外光を用いることで、目を閉
じさせないようにすることができる。
【0104】また、ハーフミラー110の反射面から撮
像素子12までの距離と、この反射面から照明部(点光
源111及び円環光源112)までの距離を同じにして
いる。
【0105】次に、人間の顔から虹彩のパターン撮影ま
での一連の動作を説明する。まず、ズームレンズ13を
対物レンズ11に近づけ、それに伴いフォーカスレンズ
16を移動させ、広角撮影の光学設定をする。これによ
り、人間の顔全体を撮影する。このとき、点光源111
のみを点灯させる。これは広角撮影のため撮影画角があ
る程度大きいため、点光源111でも十分顔全体に光を
照射することが可能だからである。しかし、対物レンズ
11と被写体までの撮影距離により、十分な輝度が得ら
れない場合には、点光源111と同時に円環光源112
をも点灯させる。このときには、目を特徴画像とする。
これは、顔に対して目は黒く撮影されるので、特徴画像
として適しているからである。目の位置を撮像素子12
の縦横の画素配列番号から検索する。このときの検索方
法は、実施の形態1で説明したものと同一である。
【0106】次に、目を拡大撮影する。上記の検索から
目の位置が判明しているので、撮影光学部1の光軸を目
の位置に一致するように、実施の形態1又は2で説明し
た追尾部2を駆動させる。このとき、ズームレンズ13
を対物レンズ11から遠ざける方向へ移動させて、拡大
撮影の光学設定を行う。このとき、被写体が動いていな
いとすれば、撮像素子12に目全体が撮影される。
【0107】目全体が拡大撮影されると、被写体の微妙
な動きが影響し、撮像範囲から目が外れてしまう。そこ
で、点光源111のみを点灯させ、瞳孔101を明るく
撮影させる。実施の形態5においては、瞳孔101を特
徴画像とするので、先の目100の位置の検索と同じ方
法で、瞳孔101の位置を検索する。検索ができれば、
後は実施の形態1で説明した方法と同じ方法により特徴
画像の追尾を行う。よって、上記のような目が撮影範囲
から外れることを防止できる。さらに、瞳孔101を撮
影範囲の中央部に位置合わせすることもできる。
【0108】最後に、目全体を撮影できた後に、点光源
111を消灯し円環光源112を点灯させる。これによ
り、虹彩102を明るく撮影できる。このときの映像
は、撮像素子12から映像信号として出力されて、図1
5に示したCPU50で保存される。保存後は、あらか
じめ登録された虹彩パターンと照合する。照合回数や虹
彩パターンの撮影回数等は、個人識別時の識別精度に関
係する。つまり、回数が多いほど正確な識別が可能であ
る。一方、回数が多くなれば、それだけ撮影から照合結
果がでるまでの一連の処理時間が増加することになるの
で、応用する識別装置の識別レベルに応じて設定する。
本発明では、こうした一連の処理を実行するに必要なプ
ログラムはすべて図15の記憶部56に保存されてい
る。
【0109】また、拡大撮影時の追尾方法については、
実施の形態3の微動回転部を使用しても同様な効果を得
ることができる。
【0110】尚、実施の形態4において、上記以外の点
は、実施の形態1乃至3のいずれかと、同一である。
【0111】実施の形態5 図17は、本発明の実施の形態5による追尾撮影装置の
構成を示すブロック図である。図18は、実施の形態5
の追尾撮影装置に関するものであり、同図(a)は撮像
光学部1の構成図、同図(b)は4分割受光素子を示す
平面図である。また、図19は、図18(b)の4分割
受光素子及び処理部を示す説明図である。
【0112】実施の形態5において、被写体を目に限定
し、目の瞳孔を検索追尾するための手段として4分割さ
れた受光素子120を用いる。瞳孔101がある程度の
面積をもつ明るい物体となるため、4分割受光素子12
0の4つの受光面121,122,123,124の輝
度を比較し、各受光面121,122,123,124
からの出力信号が均一になるように追尾部2を駆動させ
ることで、瞳孔101を受光素子120の中央に位置合
わせすることができる。このとき、特徴画像データに基
づく画像処理は行っていないので、高速追尾が可能にな
る。また、図18において、113は、4分割受光素子
120と第1のハーフミラー110との間に備えられた
第2のハーフミラーである。また、第1のハーフミラー
110の反射面から撮像素子12までの光路長と、この
反射面から4分割受光素子120までの光路長と、反射
面から点光源111までの光路長とを同じにしている。
【0113】また、図19において、121a,122
a,123a,124aは増幅器(アンプ)、125は
A/D変換部、126は信号処理部を示す。撮影光学部
1を拡大撮影の光学設定にすると、図19の4分割受光
素子120の表面には、図示したように目が結像する。
点光源111を点灯させている場合は、瞳孔101が虹
彩102やきょう膜103よりも十分明るいので、瞳孔
101の輝度値に合わせた白黒の2値化の判定値を設定
すると、瞳孔101のみに受光素子120が反応するこ
とができる。これにより、瞳孔101の検索精度が高く
なる。また、4分割受光素子120の受光面121,1
22,123,124のそれぞれは入力光の強さに比例
した電圧が発生する。発生した電圧を増幅器121a,
122a,123a,124aで増幅し、A/D変換部
125でデジタル信号に変換する。変換された各受光面
からの電気的信号は信号処理部126で各受光面の番号
を追加されてCPU50へ転送される。白黒の2値化の
判定値はこのA/D変換部125に設定しておくと、瞳
孔101が結像した受光面のみ白と判定できる。
【0114】次に、4分割受光素子120による瞳孔位
置の検索原理を説明する。検索目的は、瞳孔101が受
光面121,122,123,124のどこにあるかを
確認することであり、追尾目的は図19の瞳孔101の
ように、4分割受光素子120の中央位置に位置合わせ
することである。信号処理部126での判定方法は、各
受光面121,122,123,124からの出力電圧
を、瞳孔101の1/4が各受光面に結像したときの光
量相当で発生する出力電圧と比較し、大きい場合は白
(1)、低い場合は黒(0)とする。
【0115】よって、図19に示されるように、瞳孔1
01が4分割受光素子120の中央にある場合には、各
受光面121,122,123,124はすべて白
(1)となる。瞳孔101が左上の受光面122に移動
すると、受光面122のみが白(1)で残りの受光面1
21,123,124はすべて黒(0)となる。信号処
理部126では、こうした信号を例えば、受光面12
1,122,123,124の順に[(受光面12
1):(信号)、(受光面122):(信号)、(受光
面123):(信号)、(受光面124):(信号)]
の信号配列でCPU50へ転送する。但し、これは一例
であり、単純に、転送順を予めどの受光面からとするか
決めていれば、転送データの始めと終わりの区別だけを
つけて、信号を連続で転送してもよい。この方法を採用
すると、以下の信号コードで瞳孔位置を認識できる。
【0116】瞳孔が中央にある:[1111] 瞳瞳孔が受光面aにある:[1000] 瞳孔が受光面aとbの境界付近にある:[1100] に瞳孔が受光面bにある:[0100] 瞳瞳孔が受光面aとdの境界付近にある:[101
0] 瞳孔が受光面dにある:[0010] 瞳孔が受光面bとcの境界付近にある:[0101] 瞳孔が受光面cにある:[0001] 瞳孔が4分割受光素子面にない:[0000]
【0117】以上説明した追尾方法を、例えば、拡大撮
影時に採用すれば、瞳孔101の位置検索が実施の形態
1等で述べたような画像データから検索する方法より、
簡単で高速になる。
【0118】尚、上記した瞳孔101の位置検索と瞳孔
101の位置合わせが完了した後、点光源111を消灯
し円環光源112を点灯し、虹彩パターンを撮影して、
個人識別を行うことができる。また、撮影後の処理は実
施の形態4で説明した内容と同じである。
【0119】また、実施の形態5において、上記以外の
点は、上記実施の形態1乃至4と同一である。
【0120】実施の形態6 図20は、本発明の実施の形態6による追尾撮影装置に
関するものであり、同図(a)は撮像光学部1の構成
図、同図(b)は4分割受光素子を示す平面図である。
【0121】実施の形態6の追尾撮影装置は、第1のハ
ーフミラー110と撮影素子12との間に、赤色光を透
過させず、近赤外光を透過させる第1のカットフィルタ
131を備えた点、第2のハーフミラー113と4分割
受光素子120との間に、近赤外光を透過させず、赤色
光を透過させる第2のカットフィルタ132を備えた
点、及び、赤色光点光源111と近赤外光円環光源11
2とを同時に点滅させて、目の瞳孔101に赤色光を照
射し、目の虹彩102に近赤外光を照射し、瞳孔101
から反射された赤色光を検出する受光素子120の各受
光面の出力に基づいて撮影方向を変更すると共に、虹彩
102から反射された近赤外光を撮影素子12により撮
影する点が上記実施の形態5の追尾撮影装置と相違す
る。
【0122】点光源111は、波長が600[nm]か
ら700[nm]までの赤色LEDで構成し、円環光源
112は、波長が820[nm]から880[nm]ま
で近赤外光LEDで構成する。また、カットフィルタ1
31は波長820[nm]以下の光をカットし、カット
フィルタ132は波長820[nm]以上の光をカット
する。
【0123】実施の形態6の追尾撮影装置においては、
4分割受光素子120の表面にカットフィルタ132を
設置することにより、4分割受光素子120には、赤外
光が照射される瞳孔101のみの映像が入射し、また、
撮像素子12の表面にカットフィルタ131を設置する
ことにより、撮像素子12には近赤外光が照射される虹
彩102の映像が結像される。これにより、点光源11
1と円環光源112との切り替え点灯や画像データから
の特徴画像検索等の画像処理が不要になり、高速・高精
度に虹彩を追尾撮影が可能になる。また、虹彩パターン
の撮影は、瞳孔追尾に関係なく任意に撮影が可能にな
る。
【0124】このように瞳孔101と虹彩102を同時
に撮影しているので、点光源111から円環光源112
へ切り替えるときに、瞳孔101の移動が速く、撮影範
囲から目が外れてしまうという不都合を回避することが
できる。
【0125】尚、実施の形態6において、上記以外の点
は、上記実施の形態5と同一である。
【0126】実施の形態7 図21は、本発明の実施の形態7による追尾撮影装置の
構成を示すブロック図であり、図22は、この追尾撮影
装置の外観斜視図である。
【0127】実施の形態7の追尾撮影装置は、撮影光学
部1のケース10に、撮影光学部1のチルト方向の振動
を検出するチルト検出部141を備えた点、撮影光学部
1のパン方向の振動を検出するパン検出部142を備え
た点、及びこれらチルト方向検出部141及びパン方向
検出部142の出力信号に基づいてチルト回転部30及
びパン回転部40の動作を制御する点が、上記実施の形
態1の追尾撮影装置と相違する。尚、図22において
は、撮像光学部1のケース10に振動検出部141,1
42を備えた場合を示したが、小型の振動検出部を撮像
素子12に直接固定するように構成してもよい。
【0128】次に、実施の形態7の追尾撮影装置の動作
を説明する。追尾部2がパン方向(E方向)に回転する
と、撮影光学部1には主にT方向の振動が発生する。一
方、チルト方向(D方向)に回転すると、撮影光学部1
には主にU方向の振動が発生する。図22においては、
T方向とU方向の各振動だけを検出できるようにパン振
動検出部142とチルト振動検出部141を配置してい
る。また、図22の追尾撮影装置が取り付けられた土台
が振動した場合でも、撮像光学部1に影響した振動はパ
ン方向とチルト方向に分割されて測定できる。
【0129】振動検出部141,142は、被写体の動
きに撮影光学部1の光軸を合わせようとしてチルト回転
部30とパン回転部40を駆動させているときに、各回
転部のメカニズムによる規則性のある振動を検出する。
これらは、装置を取り付けた土台が振動しない限り、ほ
ぼ一定した振動波形と考えられる。よって、この振動波
形(基準振動波形)を検出部により電気的信号に変換
し、記憶部56に予め保存しておく。
【0130】次に、被写体を追尾しているときに、土台
がゆれると、土台の振動波形も振動検出部141,14
2で測定される。土台がゆれたときの振動波形を検出部
で電気的信号に変換して、あらかじめ保存された基準振
動波形と比較する波形照合をCPU50で実施する。土
台がゆれたときの振動と、回転部の駆動による信号波形
は異なる野で、両者の振動を区別できる。また、追尾部
2の駆動を停止して被写体を撮影するときにも、振動検
出部141,142にて撮像光学部1の振動を測定して
いるため、振動検出部141,142から振動波形が検
出されれば、被写体が動いているのではなく、装置が土
台等の振動からゆれていると判断できる。被写体が動い
ていない場合には、振動を検出してから、追尾部2の各
回転部30,40を振動の位相と逆位相に同じ周波数と
変位で動かすことで、撮影光学部1に作用した振動を減
衰あるいは停止させることができる。言い換えれば、振
動検出部141,142からの電気的信号を回転部3
0,40の回転制御のためのフィードバック信号にし
て、振動検出部141,142の出力信号が0に近づく
ように制御することで上記の効果を得ることができる。
【0131】尚、上記のような外的な振動で撮影不良に
なったことが判明した場合、上記原因の振動が停止後、
あるいは先の方法で振動を減衰あるいは停止させたこと
が確認できた後に再度撮撮影を実施する。
【0132】また、外的な振動を減衰させる方法として
は、実施の形態1及び2において説明したギヤ系の回転
部ではバックラッシュやモータの応答性から減衰性能に
限界がある。そこで、実施の形態3で説明した、積層型
圧電素子から構成された微動回転部を使用すれば、回転
量を積層型圧電素子で発生するため、先のメカニズムに
よるロスはなくなり、応答性の高い振動減衰効果を得る
ことができる。
【0133】図23に実施の形態7で使用する振動検出
部の構成を示す。ここで、143はメインフレーム、1
44は積層型圧電素子、145は積層型圧電素子144
の先端に取り付けられた重り、146は積層型圧電素子
144の出力端子を示す。このような構成において、メ
インフレーム143が撮像光学部1の振動を受けて、W
方向に振動したとする。ここで、重り145の慣性によ
り、重り145とメインフレーム143との間に速度差
が発生する。この速度差は加速度として重り145の質
量が追加された加速度力となり、両者を連結している積
層型圧電素子144に作用する。積層型圧電素子144
では圧電効果から加速度力に比例した電圧が発生し、出
力端子146を通して出力される。よって、振動検出部
141,142により撮像光学部1に発生する機械的な
振動が電気的な振動に変換され、振動を電気的に認識で
きる。ここで、積層型圧電素子144の代わりに、圧電
素子の単板を採用してもよいが、積層型圧電素子144
を採用した方が、同じ振動で発生する電圧が大きいの
で、振動検出の感度を高めることができる。
【0134】尚、実施の形態7において、上記以外の点
は、上記実施の形態1乃至6と同一である。
【0135】実施の形態8 図24は、本発明の実施の形態8による追尾撮影装置を
示す外観斜視図であり、図25は、図24をS25−S25
線で切る断面図である。
【0136】実施の形態8の追尾撮影装置は、撮像光学
部1が対物レンズ11を上に向けてパンフレーム41に
固定されている点、チルトフレーム31に回転自在に支
持されたチルトシャフト32が被写体からの光をパンフ
レーム41に形成された円形の孔151を介して撮像光
学部1の対物レンズ11に導くミラー(反射鏡)152
を備えた点、及び大径の出力ギヤ43がその中心部に円
形の孔153を備えた円環形状であり、出力ギヤ43が
ベアリング154を介して回転可能にパンフレーム41
の軸受部155に支持されていることが上記実施の形態
1の追尾撮影装置と相違する。
【0137】図24及び図25に示されるように、実施
の形態8においては、撮影光学部1の光軸をパン方向回
転軸と一致させている。また、撮影光学部1の光軸は、
円環型の出力ギヤ43の中心軸とも一致している。
【0138】ミラー152は、チルトモータ35及びパ
ンモータ45により、チルト方向(D方向)及びパン方
向(E方向)に回転できる。ミラー152は、アルミ板
の表面を鏡面仕上げしたものである。尚、照明部の波長
が近赤外光領域の場合には、ゴールドめっきをして赤外
光の透過量を押さえる処理を行う。さらに、各駆動機構
に対して、図2の実施の形態2の構成や図5の微動回転
部、あるいは図11の振動検出部を構成することで、撮
影光学部自身を追尾回転していたときと同じ性能でミラ
ー99を回転させることができる。
【0139】実施の形態8の追尾撮影装置においては、
撮影光学部1の構成として、上記実施の形態1乃至7の
いずれの構成を採用してもよい。
【0140】以上説明したように、実施の形態8の追尾
撮影装置によれば、撮影光学部1のの奥行き長が15
[cm]以上と大型になった場合であっても、撮影光学
部1を回転させるときに発生する慣性力の問題がなく、
追尾性能が撮影光学部の大きさに影響しないようにでき
る。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至15
の発明によれば、撮影倍率に応じて予め決められた特徴
画像の移動量に応じて撮影方向変更手段及び撮影倍率変
更手段の動作を制御しているので、撮影倍率が切り替え
られても被写体の動きに対応して被写体を追尾して撮影
することができる。このため、動く被写体を撮影範囲か
ら外すことなく、撮像倍率を変えながら追尾して撮影す
ることができるという効果がある。
【0142】また、請求項5の発明によれば、撮影光学
部が大型になった場合であっても、良好な追尾性能を実
現できるという効果がある。
【0143】また、請求項6又は8の発明によれば、バ
ックラッシュを調整できるので、例えば、ステッピング
モータを用いたオープン制御により追尾動作を行うこと
ができ、制御回路の構成を簡素化することができるとい
う効果がある。
【0144】また、請求項7又は10の発明によれば、
微動回転部を備えたので、高速で且つ正確な撮影方向の
制御が可能になるという効果がある。
【0145】また、請求項11乃至13の発明によれ
ば、ハーフミラーを介して光源からの光を照射するよう
にしたので、撮像素子と同じ方向から光を照射でき、追
尾性能を向上させることができるという効果がある。
【0146】また、請求項12の発明によれば、4分割
受光素子の出力信号に基づいて追尾を行うので、高速で
正確な追尾を行うことができるという効果がある。
【0147】また、請求項13の発明によれば、受光素
子の前面と、受光素子の前面にカットフィルタを備えた
ので、瞳孔を証明する点光源と虹彩を照明する円環光源
とを同時に点灯させて、追尾動作と虹彩パターンによる
識別動作を同時に行うことができるという効果がある。
【0148】また、請求項14又は15の発明によれ
ば、振動検出手段の出力に基づいて追尾部を制御するこ
とにより、振動による撮影画像への影響を抑制すること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による追尾撮影装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1の追尾撮影装置を概略的に示す
外観斜視図である。
【図3】 図2の追尾撮影装置の撮影光学部の構成を示
す一部切欠き斜視図である。
【図4】 図2の追尾撮影装置をA方向に見た正面図で
ある。
【図5】 本発明の実施の形態2による追尾撮影装置の
構成を示すブロック図である。
【図6】 図5の追尾撮影装置の一部切欠き斜視図であ
る。
【図7】 (a)及び(b)は、実施の形態2の追尾撮
影装置で使用するバックラッシュ調整減速ギヤ部の動作
原理図である。
【図8】 図7(b)をJ方向に見た図である。
【図9】 (a)及び(b)は、バックラッシュ調整減
速ギヤ部の平面図と正面図である。
【図10】 (a)(b)(c)は、図9(a)のS
10a−S10a線断面図と、図9(b)のS10b−S10b線断
面図と、図10(b)の動作説明図である。
【図11】 本発明の実施の形態3による追尾撮影装置
の構成を示すブロック図である。
【図12】 実施の形態3の追尾撮影装置の微動回転部
を示す図である。
【図13】 実施の形態3の微動回転部の圧電素子への
印加電圧と積層型圧電素子の伸び量δとの関係を示すグ
ラフである。
【図14】 実施の形態3の、微動回転部の積層型圧電
素子の伸び量を示す説明図である。
【図15】 本発明の実施の形態4による追尾撮影装置
の構成を示すブロック図である。
【図16】 (a)は実施の形態4の追尾撮影装置の撮
像光学部1の構成図であり、(b)は光源を示す平面図
である。
【図17】 本発明の実施の形態5による追尾撮影装置
の構成を示すブロック図である。
【図18】 (a)は実施の形態5の追尾撮影装置の撮
像光学部1の構成図であり、(b)は受光部を示す平面
図である。
【図19】 図18(b)の受光部を示す説明図であ
る。
【図20】 (a)は本発明の実施の形態6による追尾
撮影装置の撮像光学部の構成図であり、(b)は4分割
受光素子を示す平面図である。
【図21】 本発明の実施の形態7による追尾撮影装置
の構成を示すブロック図である。
【図22】 図21の追尾撮影装置の外観斜視図であ
る。
【図23】 図22の振動検出部の構成を示す図であ
る。
【図24】 本発明の実施の形態8による追尾撮影装置
を示す外観斜視図である。
【図25】 図24をS25−S25線で切る断面図であ
る。
【符号の説明】
1 撮影光学部、 2 追尾部、 3 制御回路部、
4 モニタ、 10ケース、 11 対物レンズ、 1
2 撮像素子、 13 ズームレンズ、 14a 絞り
上部、 14b 絞り下部、 14 絞り、 15 中
間レンズ、16 フォーカスレンズ、 17 送りネジ
機構、 18 ズームレンズ調整モータ、 19 回転
量センサ、 20 送りネジ機構、 21 絞り調整モ
ータ、 22 回転量センサ、 23 送りネジ機構、
24 フォーカス調整モータ、 25 回転量セン
サ、 30 チルト回転部、 31 チルトフレーム、
32 チルトシャフト、 33 出力ギヤ、 34 モ
ータギヤ、 35 チルトモータ、 36 回転量セン
サ、 40 パン回転部、 41 パンフレーム、 4
2 パンシャフト、 43 出力ギヤ、 44 モータ
ギヤ、 45パンモータ、 46 回転量センサ、 5
0 CPU、 51,52,53,54,55 駆動回
路、 56 記憶部、 63,66 伝達部、 64
大ギヤ部、 65 小ギヤ部、 67 大ギヤ部、 6
8 小ギヤ部、 69,70バックラッシュ調整用バ
ネ、 80,90 微動回転部、 110 第1のハー
フミラー、 111 点光源、 112 円環光源、
113 第2のハーフミラー、 120 4分割受光素
子、 141 チルト振動検出部、 142 パン振動
検出部 152 ミラー。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体を撮影して画像信号を出力する撮
    影手段と、 上記撮影手段による撮影倍率を光学的に変える撮影倍率
    変更手段と、 上記撮影手段による撮影方向を変える撮影方向変更手段
    と、 を有する追尾撮影装置において、 被写体の特徴部分の形状の画像データであって、上記撮
    影倍率変更手段により設定される撮影倍率に応じて決め
    られた特徴画像データを記憶する記憶手段と、 上記撮影倍率変更手段により設定された撮影倍率におけ
    る被写体の特徴部分の形状の特徴画像データを上記記憶
    手段から読み出し、上記撮影手段から出力される画像信
    号に基づく画像データから上記特徴画像データに対応す
    る画像データを繰り返し検出することによって、上記撮
    影手段による撮影範囲に対する被写体の特徴部分の位置
    及び移動量を算出し、被写体の特徴部分を追尾しながら
    上記撮影手段による撮影がなされるように、上記算出さ
    れた位置及び移動量に基づいて上記撮影倍率変更手段及
    び上記撮影方向変更手段の動作を制御する制御手段とを
    有することを特徴とする追尾撮影装置。
  2. 【請求項2】 上記記憶手段が、複数の被写体のそれぞ
    れについて、被写体の特徴部分の形状の特徴画像データ
    を記憶し、 上記制御手段が、撮影前に指定された被写体に応じた特
    徴画像データを上記記憶手段から読み出すことを特徴と
    する請求項1記載の追尾撮影装置。
  3. 【請求項3】 上記撮影方向変更手段が、 上記撮影手段による撮影方向をチルト方向に変更するチ
    ルト方向変更手段と、 上記撮影手段による撮影方向をパン方向に変更するパン
    方向変更手段と、 を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに
    記載の追尾撮影装置。
  4. 【請求項4】 上記チルト方向変更手段が、 チルトフレームと、 上記チルトフレームに回転可能に支持され、上記撮影手
    段を支持するチルトシャフトと、 上記チルトシャフトに固定された第1の出力ギヤと、 上記第1の出力ギヤを回転させる第1のモータギヤと、 上記第1のモータギヤを回転させるチルトモータと、 を有することを特徴とする請求項3記載の追尾撮影装
    置。
  5. 【請求項5】 上記チルト方向変更手段が、 チルトフレームと、 上記チルトフレームに回転可能に支持され、被写体の像
    を上記撮影手段に入射させる反射鏡と、 上記反射鏡を支持するチルトシャフトと、 上記チルトシャフトに固定された第1の出力ギヤと、 上記第1の出力ギヤを回転させる第1のモータギヤと、 上記第1のモータギヤを回転させるチルトモータと、 を有することを特徴とする請求項3記載の追尾撮影装
    置。
  6. 【請求項6】 上記第1のモータギヤの回転駆動力を、
    上記第1の出力ギヤに伝達する第1の伝達部を有し、 上記第1の伝達部が、上記第1のモータギヤに噛み合う
    第1のバックラッシュ調整用ギヤ部と上記第1の出力ギ
    ヤに噛み合う第2のバックラッシュ調整用ギヤ部とを有
    し、 上記第1のバックラッシュ調整用ギヤ部が、同軸に重ね
    られ、同じ径と同じ歯数を有し、一方の歯を他方の歯に
    対して1歯以下ずらした第1の基準ギヤ及び第1の調整
    ギヤと、上記第1の基準ギヤ及び第1の調整ギヤの歯の
    ずれを縮める方向の力を上記第1の調整ギヤに付与する
    第1のバックラッシュ調整用バネとを有し、 上記第2のバックラッシュ調整用ギヤ部が、同軸に重ね
    られ、同じ径と同じ歯数を有し、一方の歯を他方の歯に
    対して1歯以下ずらした第2の基準ギヤ及び第2の調整
    ギヤと、上記第2の基準ギヤ及び第2の調整ギヤの歯の
    ずれを縮める方向の力を上記第2の調整ギヤに付与する
    第2のバックラッシュ調整用バネとを有し、 第1のバックラッシュ調整用バネにより上記第1の調整
    ギヤに付与される力により、上記第1のモータギヤの歯
    を上記第1の基準ギヤ及び第1の調整ギヤの歯の両方で
    挟み付けるように、上記第1のモータギヤと上記第1の
    バックラッシュ調整用ギヤ部とを噛み合わせ、 第2のバックラッシュ調整用バネにより上記第2の調整
    ギヤに付与される力により、上記第1の出力ギヤの歯を
    上記第2の基準ギヤ及び第2の調整ギヤの歯の両方で挟
    み付けるように、上記第1の出力ギヤと上記第2のバッ
    クラッシュ調整用ギヤ部とを噛み合わせることを特徴と
    する請求項4又は5のいずれかに記載の追尾撮影装置。
  7. 【請求項7】 上記第1の出力ギヤが、 中心部付近を空洞にした円環状の第1の基部と、 上記第1の基部の中心部に設けられ、上記チルトシャフ
    トを支持する第1の支持部と、 上記第1の基部と上記第1の支持部とを同軸的に且つ微
    動可能に連結する第1の連結部と、 を有し、 上記チルト方向変更手段が、 上記第1の基部と上記第1の支持部との間に備えられ、
    上記第1の支持部を上記第1の基部に対して微動回転さ
    せる第1の圧電素子と、 上記第1の圧電素子を駆動させる第1の駆動回路と、 を有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに
    記載の追尾撮影装置。
  8. 【請求項8】 上記パン方向変更手段が、 パンフレームと、 上記パンフレームに回転可能に支持され、上記チルトフ
    レームを支持するパンシャフトと、 上記パンシャフトに固定された第2の出力ギヤと、 上記第2の出力ギヤを回転させる第2のモータギヤと、 上記第2のモータギヤ回転させるパンモータと、 を有することを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに
    記載の追尾撮影装置。
  9. 【請求項9】上記第2のモータギヤの回転駆動力を、上
    記第2の出力ギヤに伝達する第2の伝達部を有し、 上記第2の伝達部が、上記第2のモータギヤに噛み合う
    第3のバックラッシュ調整用ギヤ部と上記第2の出力ギ
    ヤに噛み合う第4のバックラッシュ調整用ギヤ部とを有
    し、 上記第3のバックラッシュ調整用ギヤ部が、同軸に重ね
    られ、同じ径と同じ歯数を有し、一方の歯を他方の歯に
    対して1歯以下ずらした第3の基準ギヤ及び第3の調整
    ギヤと、上記第3の基準ギヤ及び第3の調整ギヤの歯の
    ずれを縮める方向の力を上記第3の調整ギヤに付与する
    第3のバックラッシュ調整用バネとを有し、 上記第4のバックラッシュ調整用ギヤ部が、同軸に重ね
    られ、同じ径と同じ歯数を有し、一方の歯を他方の歯に
    対して1歯以下ずらした第4の基準ギヤ及び第4の調整
    ギヤと、上記第4の基準ギヤ及び第4の調整ギヤの歯の
    ずれを縮める方向の力を上記第4の調整ギヤに付与する
    第4のバックラッシュ調整用バネとを有し、 第3のバックラッシュ調整用バネにより上記第3の調整
    ギヤに付与される力により、上記第2のモータギヤの歯
    を上記第3の基準ギヤ及び第3の調整ギヤの歯の両方で
    挟み付けるように、上記第2のモータギヤと上記第3の
    バックラッシュ調整用ギヤ部とを噛み合わせ、 第4のバックラッシュ調整用バネにより上記第4の調整
    ギヤに付与される力により、上記第2の出力ギヤの歯を
    上記第4の基準ギヤ及び第4の調整ギヤの歯の両方で挟
    み付けるように、上記第2の出力ギヤと上記第4のバッ
    クラッシュ調整用ギヤ部とを噛み合わせることを特徴と
    する請求項4乃至8のいずれかに記載の追尾撮影装置。
  10. 【請求項10】 上記第2の出力ギヤが、 中心部付近を空洞にした円環状の第2の基部と、 上記第2の基部の中心部に設けられ、上記パンシャフト
    を支持する第2の支持部と、 上記第2の基部と上記第2の支持部とを同軸的に且つ微
    動可能に連結する第2の連結部と、 を有し、 上記パン方向変更手段が、 上記第2の基部と上記第2の支持部との間に備えられ、
    上記第2の支持部を上記第2の基部に対して微動回転さ
    せる第2の圧電素子と、 上記第2の圧電素子を駆動させる第2の駆動回路と、 を有することを特徴とする請求項8又は9のいずれかに
    記載の追尾撮影装置。
  11. 【請求項11】 上記撮影手段と被写体との間に備えら
    れた第1のハーフミラーと、 上記第1のハーフミラーに向けて光を照射する光源と、 を有し、 上記撮影手段の光軸に上記光源の光軸を一致させ、上記
    光源からの光を上記第1のハーフミラーを通して被写体
    に照射し、上記撮影手段が、上記第1のハーフミラーを
    介して被写体を撮影することを特徴とする請求項1乃至
    10のいずれかに記載の追尾撮影装置。
  12. 【請求項12】 第2のハーフミラーと、 上記第1のハーフミラーで反射され、上記第2のハーフ
    ミラーを通過した光を検出する4分割された受光素子
    と、 を有し、 上記光源からの光が上記第2のハーフミラー及び上記第
    1のハーフミラーで反射して被写体に入射し、被写体か
    らの反射光が上記第1のハーフミラーで反射し、上記第
    2のハーフミラーを通過して上記4分割された受光素子
    に照射され、上記4分割された受光素子の分割されたそ
    れぞれ部分の検出値が等しくなるように上記撮影方向変
    更手段の動作を制御することを特徴とする請求項11記
    載の追尾撮影装置。
  13. 【請求項13】 被写体が目であり、 上記光源が、点状の赤色光光源と、円環状の近赤外光光
    源とを有し、 上記第1のハーフミラーと上記撮影手段との間に、赤色
    光を透過させず、近赤外光を透過させる第1のカットフ
    ィルタを備え、 上記第2のハーフミラーと上記4分割された受光素子と
    の間に、近赤外光を透過させず、赤色光を透過させる第
    2のカットフィルタを備え、 上記赤色光光源と上記近赤外光光源とを同時に点滅させ
    て、目の瞳孔に上記赤色光を照射し、目の虹彩に赤外光
    を照射し、瞳孔から反射された赤色光を検出する上記4
    分割された受光素子の出力に基づいて上記撮影方向変更
    手段の方向を変更すると共に、虹彩から反射された赤外
    光を上記撮影手段により撮影することを特徴とする請求
    項12記載の追尾撮影装置。
  14. 【請求項14】 上記撮影手段の振動を電気信号に変換
    する振動検出手段を有し、 上記振動検出手段の出力信号に基づいて、上記撮影手段
    による撮影画像の振動を減らすように、上記撮影方向変
    更手段を動作させることを特徴とする請求項1乃至13
    のいずれかに記載の追尾撮影装置。
  15. 【請求項15】 上記振動検出手段が、積層型圧電素子
    であることを特徴とする請求項14記載の追尾撮影装
    置。
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