JPH1112247A - 含フッ素化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素化合物の製造方法

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JPH1112247A
JPH1112247A JP18174397A JP18174397A JPH1112247A JP H1112247 A JPH1112247 A JP H1112247A JP 18174397 A JP18174397 A JP 18174397A JP 18174397 A JP18174397 A JP 18174397A JP H1112247 A JPH1112247 A JP H1112247A
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fluorine
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JP18174397A
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Hisao Nagai
久男 永井
Isamu O
勇 王
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】特定の含フッ素化合物を工程数少なく、低コス
トで製造し得る方法を提供する。 【解決手段】一般式1及び2の含フッ素化合物の製造方
法であって、図1に具体例を示すように上記式中の N
−(CF2)n−SO2 の骨格を一般式3のスルホン酸又は
その塩から誘導して製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリー電解質
成分として有用な含フッ素化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気化学的電池、例えば、リチウム又は
リチウムイオン電池に使用される電解質塩は非水極性有
機溶媒中で高度な導電性、電気化学的安定性、熱安定性
及び化学的安定性を示すものでなくてはならない。さら
に、電気化学的電池の構成部品は電解液に対して安定で
なくてはならない。安定性の問題は、アルミニウムカソ
ード集電装置を有する電気化学的電池の場合に、アルミ
ニウムが腐食されやすいために、特に深刻である。
【0003】非水極性有機溶媒中で高度に導電性であ
り、且つ高酸化電位下でアルミニウムの腐食を阻止する
ことができる電解質塩として、特開平8−268998
号公報では特定構造の含フッ素化合物を提案している。
しかしながら、該公報に記載されている該含フッ素化合
物の製造方法は、工程数が多く、該含フッ素化合物を高
価なものとしている。例えば該公報の例1では、下記化
合物を、
【0004】
【化5】
【0005】ビニルスルホニルフッ化物にモルホリンを
付加させ、引き続くペルフルオロ化によって得られるペ
ルフルオロ(N−フルオロスルホエチル)モルホリンを
水酸化リチウム水溶液と接触させることにより製造した
例が記載されている。上記ビニルスルホニルフッ化物
は、ヒドロキシエチルスルホン酸ナトリウムを出発原料
として製造されるされるものであるから、図9の反応ス
テップで示されるように合計6工程を経て目的化合物が
得られることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
特開平8−268998号公報で提案されている特定の
含フッ素化合物を工程数少なく、低コストで製造し得る
方法を提供することである。
【0007】本発明によれば、下記式(1)及び(2)
で示される含フッ素化合物の製造方法であって、
【化6】 上記式(1)及び(2)中の N−(CF2)n−SO2
示される骨格を下記式(3)で示されるスルホン酸又は
その塩
【化7】 から誘導することを特徴とする含フッ素化合物の製造方
法が提供され、本発明の上記目的が達成される。なお、
上記式(1)、(2)及び(3)中、X-は、−O-、−
-SO2f 3又は
【化8】 であり;Zは、−CF2−、−O−、−NRf 8−又は−
SF4−であり;Rf 1及びRf 2は独立に、−CF3、−C
m2m+1又は−(CF2q−SO2−X-+であり;
f 3、Rf 4及びRf 5は独立に、−CF3、−Cm2m+1
−(CF2q−SO2−X-+、又は
【化9】 であり;Rf 8は、−CF3、−Cm2m+1又は−(C
2q−SO2−X-+であり;Rf 6及びRf 7は独立
に、式−Cr2r−を有するペルフルオロアルキレン部
分であり;nは1〜4であり;rは1〜4であり;mは
1〜12であり;qは1〜4であり;そしてM+ は対イ
オンである。以下本発明を詳述するが、それにより本発
明の他の目的、利点及び効果が明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法で製造される含
フッ素化合物を表す上記式(1)及び(2)において、
+は、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、
遷移金属、希土類、及び窒素オニウムイオン、例えば、
jが0〜2であり、且つ、Rjが−H、アルキル基(例
えば、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基)、オキ
サルキル基(例えば、1〜5個の炭素原子を有するオキ
サルキル基)又はアリール基(例えば、フェニル基)で
あるNH(4-j)j +、RjC(NH(2-j)j)2+又はC(N
( 2-j)j)3+で示される、アンモニウム、アルキルア
ンモニウム又はグアニジニウムイオンから成る群より選
ばれ、リチウム対イオンが特に好ましい。M+は、H+
あってもよい。
【0009】好ましい上記含フッ素化合物としては、ペ
ルフルオロ有機スルホネート(X-が−O-であると
き)、イミド(X- が−N-SO2f 3であるとき)、及
びメチド(X-
【化10】 であるとき)を挙げることができ、特に好ましくは下記
式(4)〜(11)で示されるものを挙げることができ
る。
【0010】
【化11】
【0011】
【化12】
【0012】本発明の製造方法の最も重要な特徴は、下
記式(1)及び(2)で示される含フッ素化合物中の骨
格 N−(CF2)n−SO2 、即ち四角で囲んだ下記骨格
を下記式(3)で示されるスルホン酸又はその塩から誘
導することにある。
【0013】
【化13】
【0014】上記式中nは、好ましくは2〜4、特に好
ましくは2である。上記式(4)〜(11)で示された
好ましい化合物を製造する際の反応ステップの概略を図
1〜図8に示した。上記式(3)のスルホン酸又はその
塩から上記骨格が如何に誘導されるかは、これらの図か
ら明らかであろう。以下、図に基づいて説明する。な
お、いずれの場合も、式(1)及び(2)のnは2であ
る。
【0015】〔I〕式(4)で示される含フッ素化合物
の製法(図1) この化合物は、前記式(2)において、X-がO-、Zが
−O−、Rf 6及びRf 7が−C24−であるときの化合物
である。図2に示されるように、上記化合物は、反応工
程数が僅かに3である。特開平8−268998号公報
に記載の方法では、前述したように、この化合物を製造
するのに6工程必要である。本発明の製造方法が工程数
少なく、経済的であることが明らかである。工程(1)
は、2−クロロエチルエーテルを等モル使用し、アルコ
ールあるいはアルコールと水との混合溶媒、及び該溶媒
に溶解した水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム等の塩基の存在下に、40〜70℃、8〜2
4時間反応させることによって行われる。工程(2)
は、例えば Milos Hudlicky 編集による Chemistry of
Organic Fluorine Compounds第2版、第73〜76頁、
PTR Prentice Hall (New York)に記載されている方法
に従う電気化学的フッ素化によってペルフルオロ化(過
フッ素化)することによって行われる。工程(3)は、
例えば水酸化リチウム等の金属水酸化物を溶解した水−
アルコール混合溶媒中、40〜80℃の温度で接触する
ことによって行われる。図1に示される反応ステップに
おいて、Cl(CH22O(CH22Clに代えて、
X'Rh 6Z'Rh 7X'(ここで、X’は、ハロゲン原子、
h 6及びRh 7は、各々独立に、Cr2r(rは1、3,又
は4である)、Z'は、−O−、−CH2−又は−SH4
である)を用いることにより、前記式(2)の、X-
-、Rf 6及びRf 7が−Crr−(rは1、3,又は4
である)、Zが−O−、−CF2−又は−SF4−である
含フッ素化合物を製造することができる。
【0016】〔II〕式(5)で示される含フッ素化合物
の製法(図2) この化合物は、式(2)において、X-がO-、Zが−N
f 8−(Rf 8は、−(CF2q−SO2−X-+であ
り、該X-はO-であり、qは2である)、Rf 6及びRf 7
が−C24−であるときの化合物である。工程(1)
は、2−クロロエチルエーテルを過剰、例えばアミノエ
チルスルホン酸より5倍モル以上過剰に使用し、アルコ
ールあるいはアルコールと水との混合溶媒等の溶媒、及
び溶媒に溶解した水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム等の塩基の存在下に、60〜80℃
の温度で2〜24時間反応させることによって行われ
る。工程(2)は、アミノエチルスルホン酸を等モル使
用して、アルコールあるいはアルコールと水との混合溶
媒等の溶媒中、溶媒に溶解した水酸化ナトリウム、重炭
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の塩基の存在下に、4
0〜70℃の温度でで、6〜24時間反応させることに
よって行われる。残りの工程は、式(4)の化合物の製
造の反応ステップの工程(2)、(3)と同様にして行
うことができる。図2に示される反応ステップで、Cl
(CH2)2Clに代えて、ClCr2rCl(rは1、
3、又は4)を用いれば、Rf 6及びRf 7の炭素数が2以
外のものを製造することができる。
【0017】〔III〕式(6)で示される含フッ素化合
物の製法(図3) この化合物は、式(1)において、X-が−N-SO2f
3(Rf 3は−CF3である)、Rf 1及びRf 2が−CF3であ
るときの化合物である。工程(1)は、沃化メチルを等
モル以上若干多く使用し、アルコールあるいはアルコー
ルと水との混合溶媒等の溶媒中、溶媒に溶解した水酸化
ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の塩
基の存在下に、40〜60℃温度で、8〜24時間反応
させることによって行われる。工程(2)は、よく知ら
れている反応であり、一般に使用されている条件が採用
される。工程(3)は、式(4)で示される化合物の製
造の工程(2)と同様にして行うことができる。工程
(4)は、化合物(6a)とトリフルオロメチルスルホン
アミドをトリエチルアミン等の三級アミンの存在下に、
50〜80℃の温度で反応させて行われる。工程(5)
は、例えば水酸化リチウム等の金属水酸化物の水−アル
コール溶液中、30〜40℃の温度で接触することによ
って行うことができる。図3に示される反応ステップ
で、沃化メチルに代えて、Cm2m+1X'(X'は、塩素
原子、臭素原子又は、沃素原子であり、mは2〜12の
整数である)を用いることにより、Rf 1及びRf 2が、炭
素数2〜12のペルフルオロアルキル基である含フッ素
化合物を製造することができる。また、CF3SO2NH
2に代えて、Cm2m+1SO2NH2(mは2〜12の整数
である)を用いることにより、上記Rf 3が炭素数2〜1
2のペルフルオロアルキル基である含フッ素化合物を製
造することができる。
【0018】〔IV〕式(7)で示される含フッ素化合物
の製法(図4) この化合物は、式(1)において、X-
【化14】 であり(Rf 4及びRf 5は−CF3である)、Rf 1及びRf
2が−CF3であるときの化合物である。まず、式(6)
の化合物の製造ステップの工程(1)〜(3)がそのま
ま適用されて、化合物(7a)が取得される。次の工程
(1)は、化合物(7a)とNa+-C(SO2CF3)2をテト
ラハイドロフラン等のエーテル溶媒中、反応させること
によって行われ、目的化合物が得られる。図4に示され
る反応ステップで、CH3Iに代えて、Cm2m+1X'
(X'は塩素原子、臭素原子、又は沃素原子であり、m
は2〜12の整数である)を用いることにより、Rf 1
びRf 2が炭素数2以上のペルフルオロアルキル基である
含フッ素化合物を製造することができる。また、Na+-
CH(SO2CF3)2のCF3に代えて、Cm2m+1(mは2
〜12の整数である)のペルフルオロアルキル基で置き
換えた塩を用いることにより、Rf 4及びRf 5が炭素数2
〜12のペルフルオロアルキル基である含フッ素化合物
を製造することができる。
【0019】〔V〕式(8)で示される含フッ素化合物
の製法(図5) この化合物は、式(1)において、X-が−O-、Rf 1
−CF3であり、Rf 2が−(CF2q−SO2−X-
+(該X-は−O-であり、該M+はH+である)のときの
化合物である。工程(1)は、沃化メチルを等モル以
下、例えばアミノエチルスルホン酸1モルに対して1/
2モル程度使用し、アルコールあるいはアルコールと水
との混合溶媒等の溶媒、及び該溶媒に溶解した水酸化ナ
トリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の塩基
の存在下に、30〜70℃、1〜70℃の温度で1〜1
2時間反応させることによって行われる。工程(2)
は、クロロエチルスルホン酸を等モル以上若干多く使用
し、上記溶媒、及び該溶媒に溶解した上記塩基の存在下
に、50〜80℃、2〜24時間反応させることによっ
て行われる。上記工程(2)で得られた生成物(8a)
は、式(4)の化合物を製造する反応ステップの工程
(2)及び(3)を適用することにより、目的化合物が
得られる。図5に示される反応ステップで、CH3Iに
代えて、Cm2m+1X'(X'は、塩素原子、臭素原子、
又は沃素原子であり、mは2〜12の整数である)を用
いることにより、Rf 1が炭素数2以上のペルフルオロア
ルキル基である含フッ素化合物を製造することができ
る。また、Cl−(CH2)2−SO3Hに代えて、Cl−
(CH2)q−SO3H(qは1,3又は4である)を用いる
ことにより、Rf 2の炭素数が2以外の含フッ素化合物を
製造することができる。
【0020】〔VI〕式(9)で示される含フッ素化合物
の製法(図6) この化合物は、式(1)において、X-が−N-SO2f
3(該Rf 3は−CF3である)であり、Rf 1が−CF3
あり、Rf 2が−(CF2)q−SO2−X-+(該X-は−N
-SO2f 3であり、該Rf 3は−CF3である)であるとき
の化合物である。式(8)の化合物を製造する反応ステ
ップの工程(1)及び(2)、さらには式(6)の化合
物を製造する反応ステップの工程(2)〜(5)を適用
することにより目的化合物が得られる。図6に示される
反応ステップで、CH3Iに代えて、Cm2m+1X'(X'
は、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子であり、mは2
〜12の整数である)を用いることにより、Rf 1が炭素
数2〜12のペルフルオロアルキル基である含フッ素化
合物を製造することができる。また、Cl−(CH2)2
SO3Hに代えて、Cl−(CH2)q−SO3H(qは1,
3又は4である)を用いることにより、さらにはCF3
SO2NH2に代えて、Cm2m+1SO2NH2(mは2〜
12の整数である)を用いることにより、前記式(1)の
-の炭素数及びRf 2の炭素数が式(9)と異なる含フ
ッ素化合物を製造することができる。
【0021】〔VII〕式(10)で示される含フッ素化
合物の製法(図7) この化合物は、式(1)において、X-が−N-SO2f
3(該Rf 3は、
【化15】 である)であり、Rf 1及びRf 2が−CF3であるときの
化合物である。まず、式(6)の化合物を製造する反応
ステップの工程(1)〜(3)を適用して化合物(10
a)を取得する。次に、上記工程(1)で、化合物(1
0a)とNH3とを反応させ化合物(10b)を得る。
この工程(1)は、化合物(10a)のアルコール溶液
とアンモニア溶液とを混合し、10〜80℃の温度で、
2〜24時間反応させることによって行われる。工程
(2)は、工程(1)の生成物である化合物(10b)
と上記化合物(10a)とを反応させる工程であり、ト
リエチルアミンのような三級アミンの存在下に、50〜
80℃の温度で、2〜12時間反応させて行われる。工
程(3)は、式(6)の化合物を製造する反応ステップ
の工程(5)を適用することができる。図7に示される
反応ステップで、CH3Iに代えて、Cm2m+1X'(X'
は、塩素原子、臭素原子又は、沃素原子であり、mは2
〜12の整数である)を用いることにより、Rf 1及びR
f 2が炭素数2〜12のペルフルオロアルキル基である含
フッ素化合物を製造することができる。
【0022】〔VIII〕式(11)で示される含フッ素化
合物の製法(図8) この化合物は、式(1)において、X-が−O-であり、
f 1及びRf 2が−CF3であるときの化合物である。式
(6)の化合物を製造する反応ステップの工程(1)、
さらに式(4)の化合物を製造する反応ステップの工程
(2)及び(3)を適用することにより、目的化合物が
得られる。図8に示される反応ステップで、CH3Iに
代えて、Cm2m+1X'(X'は、塩素原子、臭素原子又
は、沃素原子であり、mは2〜12の整数である)を用
いることにより、Rf 1及びRf 2が炭素数2〜12のペル
フルオロアルキル基である含フッ素化合物を製造するこ
とができる。
【0023】以上の説明では、式(3)で示されるスル
ホン酸のみが用いられ、その塩は用いられていないが、
反応溶媒に溶解すれものであれば用いることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の範囲は実施例によって制限されるもので
はない。
【0025】(実施例1) ペルフルオロ(N−スルホエチル)モルホリンリチウム
(式(4)の化合物)の製造 (i)2−クロロエチルエーテルとの反応 冷却器、滴下漏斗、電磁攪拌機及び熱油浴を備えたフラ
スコに、エタノール500mL、水50gからなる混合
溶媒を入れ、そこへ2−アミノエタンスルホン酸12.
5gと炭酸ナトリウム30gを添加した。室温で30分
間攪拌した後、60℃で攪拌しながら2−クロロエチル
エーテル14.3gを滴下し、24時間反応を行った。
その後、エバポレーターで反応生成物を濃縮し、白色沈
殿を得た。この沈殿を濾過し、冷水とエチルエーテルで
洗浄後、真空乾燥器で乾燥して白色粉末を得た。この白
色粉末は、赤外吸収スペクトル等から下記構造の化合物
であることを確認した。
【0026】
【化16】
【0027】(ii)ペルフルオロ化反応 この白色粉末について、液体HF中で電解化学的フッ素
化を行ってペルフルオロ化を行った。 (iii)水酸化リチウムによる中和 次にペルフルオロ化物について、水酸化リチウムをエタ
ノール−水混合溶媒(エタノール/水=1/1)に溶解
した溶液により、50℃、8時間で加水分解した後、減
圧下に蒸発させて乾燥状態とし、得られた固形残査にエ
タノール50mLを加えた。十分攪拌溶解してから濾過
し、濾液についてシリカゲルカラムを通過させた後、減
圧下にエタノールを蒸発除去し、更に60℃で真空乾燥
することにより白色粉末を得た。この粉末が上記目的物
であることを赤外吸収スペクトル、1H及び19F−NM
R並びにFTIRによって確認した。
【0028】(実施例2) ビス−ペルフルオロ(ジメチルアミノエチル)スルホン
イミドリチウム 〔Li+ -N(SO224N(C
3)2)2〕(式(10)の化合物)の製造 (i)アミノエチルスルホン酸と沃化メチルとの反応 アミノエチルスルホン酸12.5gと炭酸ナトリウム3
00gを、エタノール3Lと水50gからなる混合溶媒に
添加した。室温で30分間攪拌した後、45℃で攪拌し
ながら、沃化メチル350gを滴下した。次いで、45
℃で24時間反応させた。室温に冷却した後、減圧下に
乾燥し、得られた残査をエタノールに溶解し、濾過した
後、濾液についてシリカゲルカラムを通過させた後、減
圧下にエタノールを除去し、更に得られた固体を60℃
で真空乾燥して白色粉末のジメチルアミノエタンスルホ
ン酸ナトリウムを得た。 (ii)SOCl2との反応 上記ジメチルアミノエタンスルホン酸ナトリウム52.
5g、チオニルクロライド42.8g及びジメチルホル
ムアミド(DMF)50mLをフラスコに加えた。攪拌
しながら、70℃で8時間反応させた。室温に冷却した
後、DMFと過剰のSOCl2を減圧下で除去し、残査
をn−ヘキサンとテトラハイドロフランの混合溶媒によ
り再結晶し、〔(CH3)2N+(CH2)2SO2Cl〕Cl-の白色固体を
得た。
【0029】(iii)ペルフルオロ化反応 上記の白色固体について、液体HF中で電解化学的フッ
素化を行いペルフルオロ化を行い、化合物(10a)を
得た。 (iv)NH3との反応 2モル濃度の無水アンモニアエタノール溶液100mL
に、(CF3)2N(CF2)2SO2F16.8gを50mLのエタノー
ルに溶解した溶液を室温で攪拌しながら滴下し、引き続
き室温で1時間攪拌した。その後、50mLの水を反応
液に加え、減圧下にエタノールを除去し、白色沈殿を得
た。沈殿を濾取し、水洗し、真空乾燥することにより化
合物(10b)である白色粉末を得た。 (V)上記化合物(10a)と上記化合物(10b)との
反応 工程(iii)の反応生成物である化合物(10a)3.3
5gと工程(iV)の反応生成物である化合物(10b)
3.32gを、無水トリエチルアミン50mLに添加し
攪拌しながら60℃で12時間反応させた。揮発成分を
減圧下で除き、得られた液状残査に濃硫酸を加えた。引
き続き減圧蒸留することにより、無色透明な油状物質を
得た。 (vi)水酸化リチウムとの反応 上記の油状物質について、実施例1の最終工程である中
和工程(iii)と同様な操作を行い、式(10)の化合物
を白色固体として得た。
【0030】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、上記式
(1)及び(2)で示される特定の含フッ素化合物を工
程数少なく、低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】式(4)で示される含フッ素化合物製造の反応
ステップを示すチャート。
【図2】式(5)で示される含フッ素化合物製造の反応
ステップを示すチャート。
【図3】式(6)で示される含フッ素化合物製造の反応
ステップを示すチャート。
【図4】式(7)で示される含フッ素化合物製造の反応
ステップを示すチャート。
【図5】式(8)で示される含フッ素化合物製造の反応
ステップを示すチャート。
【図6】式(9)で示される含フッ素化合物製造の反応
ステップを示すチャート。
【図7】式(10)で示される含フッ素化合物製造の反
応ステップを示すチャート。
【図8】式(11)で示される含フッ素化合物製造の反
応ステップを示すチャート。
【図9】従来の方法による、式(4)で示される含フッ
素化合物製造の反応ステップを示すチャート。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 317/28 C07C 317/28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)及び(2)で示される含フッ
    素化合物の製造方法であって、 【化1】 上記式(1)及び(2)中の N−(CF2)n−SO2
    示される骨格を下記式(3)で示されるスルホン酸又は
    その塩 【化2】 から誘導することを特徴とする含フッ素化合物の製造方
    法。〔上記式(1)、(2)及び(3)中、X-は、−
    -、−N-SO2f 3 又は 【化3】 であり;Zは、−CF2−、−O−、−NRf 8−又は−
    SF4−であり;Rf 1及びRf 2は独立に、−CF3、−C
    m2m+1又は−(CF2q−SO2−X-+であり;
    f 3、Rf 4及びRf 5は独立に、−CF3、−Cm2m+1
    −(CF2q−SO2−X-+、又は 【化4】 であり;Rf 8は、−CF3、−Cm2m+1又は−(C
    2q−SO2−X-+であり;Rf 6及びRf 7は独立
    に、式−Cr2r−を有するペルフルオロアルキレン部
    分であり;nは、1〜4の整数であり;rは、1〜4の
    整数であり;mは、1〜12の整数であり;qは、1〜
    4の整数であり;そしてM+は対イオンである。〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2004072021A1 (ja) * 2003-02-14 2006-06-01 ダイキン工業株式会社 フルオロスルホン酸化合物、その製法及びその用途
JP2007326821A (ja) * 2006-06-09 2007-12-20 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 新規なオニウム塩
CN102442974A (zh) * 2010-10-09 2012-05-09 汪炳钧 樟脑衍生化合物及其制造方法与应用
US8609839B2 (en) 2010-09-29 2013-12-17 National Tsing Hua University Camphor-derived compounds, method for manufacturing the same, and application thereof

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