JP3061366B2 - 含フッ素アルキルモルホリン - Google Patents

含フッ素アルキルモルホリン

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JP3061366B2
JP3061366B2 JP9069317A JP6931797A JP3061366B2 JP 3061366 B2 JP3061366 B2 JP 3061366B2 JP 9069317 A JP9069317 A JP 9069317A JP 6931797 A JP6931797 A JP 6931797A JP 3061366 B2 JP3061366 B2 JP 3061366B2
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尚哉 岡田
雅樹 吉永
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶媒、洗浄剤等と
して有用な新規な含フッ素アルキルモルホリンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりトリフルオロトリクロロエタン
のような塩素を含むフロン系溶剤は、洗浄溶剤、乾燥溶
剤あるいは絶縁溶媒として広く使われてきた。しかし、
近年、フロン系溶剤は、塩素原子を含むためオゾン層を
破壊することが指摘され、オゾン層破壊防止の観点から
フロン系溶剤の製造と使用が規制されるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフロ
ン系溶剤に代替し得る優れた溶解性や引火性の低さなど
の有用な特性を有し、さらに、塩素原子を含まずオゾン
層破壊の危険性も少ない新規な溶剤を提供するためにな
されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意研究を続けてきた。その結果、特定の構造を
有する含フッ素アルキルモルホリンを創出し、本発明を
完成させるに至った。
【0005】即ち、本発明は、一般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】[式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基で
ある]で表される含フッ素アルキルモルホリンである。
【0008】上記含フッ素アルキルモルホリンにおい
て、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、不燃性ある
いは難燃性ならびに沸点を鑑み好ましくは1〜3のアル
キル基、特にメチル基であるのが好適である。
【0009】これらの含フッ素アルキルモルホリンの製
造方法は特に限定されないが、例えば一般式(2)
【0010】
【化4】
【0011】で示されるペルフルオロイミンを、非プロ
トン性極性溶媒中において、アルカリ金属フッ化物の存
在下、アルキル基が炭素数1〜5のものであるアルキル
化剤と反応させる方法が挙げられる。ここで、上記一般
式(2)で示されるペルフルオロイミン化合物は、例え
ばモルホリンの電解フッ素化等のフッ素化により得られ
るペルフルオロモルホリンを、トリフェニルホスフィン
等の適当な還元剤と反応させる方法、あるいはペルフル
オロモルホリノ基を有するトリフルオロ酢酸塩類の熱分
解反応による方法(特開平8−165275号公報)等
の方法によって合成することができる。
【0012】一方、非プロトン性極性溶媒としては、
N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメ
チルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホラン
等が制限なく使用され、このうちN,N−ジメチルホル
ムアミドを使用するのが好ましい。また、アルカリ金属
フッ化物としては、フッ化カリウムやフッ化セシウムな
ど好適に使用される。アルカリ金属フッ化物の存在量
は、一般式(2)で示されるペルフルオロイミン化合物
に対し、1〜2倍モルが一般的である。
【0013】さらに、アルキル基が炭素数1〜5のもの
であるアルキル化剤としては、該アルキル基と良好な脱
離基とを有するものが好ましく、例えばハロゲン化アル
カン類あるいはアルキルスルホン酸エステル類が好適に
用いられる。これらのアルキル化剤を例示すると、ハロ
ゲン化アルカン類としては、クロロメタン、ブロモメタ
ン、ヨードメタン、ブロモエタン、ヨードエタン、ブロ
モプロパン、ヨードプロパン、ブロモブタン、ヨードブ
タン、ブロモペンタン、ヨードペンタン等、アルキルス
ルホン酸エステル類としては、トリフルオロメタンスル
ホン酸メチル、トルエンスルホン酸メチル、硫酸ジメチ
ル、硫酸ジエチル等が挙げられる。これらアルキル化剤
の使用量は、一般式(2)で示されるペルフルオロイミ
ン化合物に対し、0.5〜2倍モルが一般的である。
【0014】反応温度および時間は、溶媒の種類やアル
キル化剤の種類によって異なるため、予め予備実験を行
い、決定することが望ましい。一般的には、反応温度は
−40〜100℃、さらに好ましくは−35℃〜60
℃、反応時間は0.5〜40時間さらに好ましくは、2
〜24時間から選択される。
【0015】本発明において、上記含フッ素アルキルモ
ルホリンの構造は、次の手段によって確認できる。
【0016】(1)1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−
NMR)を測定することにより、該化合物中に存在する
水素原子の結合様式を知ることができる。
【0017】(2)19F−核磁気共鳴スペクトル(19
−NMR)を測定することにより、該化合物中に存在す
るフッ素原子の結合様式を知ることができる。上記含フ
ッ素アルキルモルホリンでは、モルホリン骨格に結合し
たフッ素原子のシグナルを、ケミカルシフト(CFCl
3基準)−87ppm付近と−96〜−100ppm付
近に観測することができる。。
【0018】(3)赤外吸収スペクトル(IR)を測定
することにより、該化合物の官能基に由来する特性吸収
を観察することができる。上記含フッ素アルキルモルホ
リンでは、3050〜2880cm-1付近にC−H結合
に基づく吸収、1400〜1000cm-1付近にC−F
結合に基づく吸収を観測することができる。
【0019】(4)質量分析(MS)を測定することに
より、電子衝撃の結果質量/電価(m/z)に基づいて
分離された正イオンのスペクトルを観察することができ
る。
【0020】本発明の含フッ素アルキルモルホリンは、
如何なる用途に使用しても良い。好適には常温下で液体
であるためフロン系溶剤の代替溶剤として、洗浄剤、溶
媒として用いるのが良好である。その場合、必要に応じ
て、水;メタノール、イソプロパノール等のアルコール
類;ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペ
ルフルオロメチルモルホリン等のペルフルオロ化合物
類;シクロペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素
アルカン類;1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジク
ロロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等
のハイドロクロロフルオロカーボン類;1,1,2,2
−テトラフルオロシクロブタン等のハイドロフルオロカ
ーボン類等との1つあるいは2つ以上の化合物との混合
物あるいは共沸組成物として用いても良い。もちろん、
界面活性剤、香料、色素等を添加しても良い。また、洗
浄方法は浸漬法、スプレー法、蒸気加熱法、あるいはこ
れらの組合せ等の従来から用いられている方法で実施す
れば良い。この場合、必要に応じて加熱や超音波照射等
を行っても良い。
【0021】さらに、酸やアルカリと接触しても容易に
分解することがなく、化学的に安定なため、絶縁冷媒等
として長期にわたって安定に用いることもできる。ま
た、誘電率も高いため、リチウム電池等の不燃性電解液
の溶媒としても有用である。さらに、不燃性あるいは難
燃性のため、消火剤として用いることもできる。
【0022】
【発明の効果】本発明の含フッ素アルキルモルホリン
は、従来のフロン系溶剤と同様に溶解性に優れ、引火性
や毒性も低い。そして、塩素を含まないためオゾン層を
破壊する危険性も少なく、さらに分解性に優れるので地
球温暖化への寄与も小さい。従って、フロン系溶剤の代
替溶剤として良好に使用可能であり、産業上極めて有用
である。
【0023】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
実施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0024】実施例1 フッ化水素とモルホリンを原料として、上部に還流冷却
器(−45℃)を有するジャケット冷却式SUS製電解
槽(容量2L)とニッケル電極(通電面積8dm2)を用
い、直流電源を印加(50A)して電解フッ素化を行っ
た。電解によりフッ素化された粗生成物は、電解槽下部
ならびに排ガスラインに設けた液化回収槽(−78℃)
より間欠的に抜き出した。さらに、フッ素化された粗生
成物を常圧下で蒸留してペルフルオロモルホリンを得
た。
【0025】攪拌器、還流冷却器(−78℃)、および
還流冷却器出口には−78℃に冷却したコールドトラッ
プを備えた容量500mlの三口フラスコに、トリフェ
ニルホスフィン79gとトルエン250mlを入れ、三
口フラスコを−78℃に冷却した。上記モルホリンの電
解フッ素化反応によって合成したペルフルオロモルホリ
ン68gを三口フラスコに徐々に入れた後2時間攪拌
し、三口フラスコの温度を室温に戻した後にさらに17
時間攪拌しトリフェニルホスフィンとペルフルオロモル
ホリンを反応させた。還流冷却器の冷却を止めた後、三
口フラスコを60℃に加熱することにより、生成した式
(2)のペルフルオロイミン化合物(2,2,3,3,
5,6,6−ヘプタフルオロ−3,6−ジヒドロ−2H
−〈1,4〉オキサジン)をコールドトラップへと蒸発
・回収した。
【0026】次いで、攪拌器、還流冷却器を備えた容量
300mlの三口フラスコに、フッ化セシウム50gを
入れ、1mmHgの真空下150℃、17時間加熱する
ことによって乾燥させた。三口フラスコを室温まで放冷
し、大気圧に戻した後、N,N−ジメチルホルムアミド
(モレキュラーシーブス4Aにより乾燥)200mlを
いれ、三口フラスコを−30℃に、還流冷却器を−78
℃に冷却した。上記記載の方法によって合成したペルフ
ルオロイミン化合物(2)45gを徐々に加え、1時間
攪拌した。その後アルキル化剤としてトリフルオロメタ
ンスルホン酸メチル35gを加え、三口フラスコを徐々
に室温に戻した後に20時間攪拌した。反応混合物を水
200mlに入れ、分液ロートに移し、水相の下に沈降
した液を分液することで、目的物である4−メチル−
2,2,3,3,5,5,6,6−オクタフルオロモル
ホリンの粗製品51.2gを得た。粗製品を水洗、乾
燥、蒸留することにより、4−メチル−2,2,3,
3,5,5,6,6−オクタフルオロモルホリンの純品
を得た。
【0027】NMRスペクトル、IRスペクトルおよび
MSスペクトルデータを以下に示した。1H−NMRは
CDCl3中においてテトラメチルシランを内部標準と
したケミカルシフトを、19F−NMRはCFCl3を内
部標準としたケミカルシフトを示した。
【0028】
【化5】
【0029】 NMRスヘ゜クトル 1H-NMR A : 2.88ppm(5重線) δ 19F-NMR a : -100ppm b : - 87ppm 結合定数 JA-a=1.2 Hz IRスヘ゜クトル 2969(W) 1472(M) 1293(S) 1220(VS) 1147(S) (cm-1) 1107(S) 977(M) 882(S) 666(M) 490(M) MSスヘ゜クトル 245(M+) 226(M+-19) 100(C2F4 +) 78(C2F2O+) m/z 15(CH3 +) 得られた4−メチル−2,2,3,3,5,5,6,6
−オクタフルオロモルホリンの沸点は73℃、比誘電率
は6.7(1kHz)であった。また、火炎による燃焼
試験を行ったところ燃焼することなく不燃性であった。
【0030】さらに、ドデカン溶解度を測定したとこ
ろ、12重量%であった。比較として、1,1,1,
2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(C
F3CHFCHFC2F5,HFC-43-10mee)、及びノナフルオロブチル
−メチルエーテル(C4F9-O-CH3)の上記ドデカン溶解度を
測定したところ、前者は1重量%にすぎず、後者は6重
量%にすぎなかった。
【0031】実施例2 アルキル化剤としてトリフルオロメタンスルホン酸メチ
ルの代わりに1−ヨードプロパンを用いる以外は実施例
1と同様にして、4−プロピル−2,2,3,3,5,
5,6,6−オクタフルオロモルホリンを合成した。
【0032】
【化6】
【0033】 NMRスヘ゜クトル 1H-NMR A : 0.94ppm(3重線) δ B : 1.70ppm(6重線) C : 3.27ppm(3重線) 19F-NMR a : - 97ppm b : - 87ppm 結合定数 JA−B=JB−C=7.7Hz IRスヘ゜クトル 2979(M) 2889
(M) 1473(M) 1362(M) 1289(S) (cm−1) 1214(VS) 1142
(S) 1086(S) 921(M) 860(M) 678(M) MSスヘ゜クトル 273(M) 244(C
NO) 192(CNO) 164(CNO) m/z 100(C ) 78
(C) 43(C

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 [式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基である]で表さ
    れる含フッ素アルキルモルホリン。
  2. 【請求項2】一般式(2) 【化2】 で示されるペルフルオロイミンを、非プロトン性極性溶
    媒中において、アルカリ金属フッ化物の存在下、アルキ
    ル基が炭素数1〜5のものであるアルキル化剤と反応さ
    せることを特徴とする請求項1記載の含フッ素アルキル
    モルホリンの製造方法。
JP9069317A 1997-03-24 1997-03-24 含フッ素アルキルモルホリン Expired - Lifetime JP3061366B2 (ja)

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