JPH11122004A - 直線偏波フィードホーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平偏波及び垂直偏波の送受信時の相互干渉
を低減する。 【解決手段】 一端部にホーン２を設けるとともに他端
部を終端3aで塞いだ、円形の導波管部３と、水平偏波及
び垂直偏波の電波を送受信するためのパターンで構成し
た水平プローブ７、垂直プローブ６及び、高周波信号切
替部、低雑音増幅部等を内蔵する信号処理部５を搭載し
た、誘電体基板４とを具えた直線偏波フィードホーン１
は、前記導波管部３の終端3aからほぼλ/4（λは管内波
長）の位置で、誘電体基板４を中心軸1aに垂設するとと
もに、前記誘電体基板４には水平プローブ７と、垂直プ
ローブ６とが共に導波管部３内の終端3a側に配置される
とともに、前記プローブ６，７に相応した終端６ａ、７
ａが反対面上に配置されていて、例えば、水平プローブ
７が水平となるように組立てられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水平偏波及び垂直
偏波の電波を送受信することができる直線偏波フィード
ホーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記の直線偏波フィードホーン
は、例えば、図４に示すように、一端部にホーン２を設
けるとともに他端部を塞ぎ終端3aを設けた導波管部３内
に水平偏波及び垂直偏波の電波を送受信するように、誘
電体基板４上にパターンで構成した水平偏波用プローブ
（以降水平プローブと呼称する）７と、垂直偏波用プロ
ーブ（以降垂直プローブと呼称する）６とを設置した直
線偏波フィードホーン１が知られている。前記誘電体基
板４は直線偏波フィードホーン１の中心軸1aに垂設され
るとともに、例えば、水平プローブ７が水平となるよう
に設置する。また、水平プローブ７、垂直プローブ６は
切替スイッチ5aを経由して低雑音増幅部等を内蔵する信
号処理部５に接続されていて、同切替スイッチ5aが受信
した電波の一方の偏波を選択し、その偏波（高周波信
号）を信号処理部５に伝送し、中間周波帯（ＩＦ）信号
に変換し、図示しないチューナに供給する。

【０００３】上記したように、誘電体基板４上に一対の
水平プローブ７と、垂直プローブ６を近接して直交配置
したので、各々のプローブは相応の偏波の電波に結合す
るとともに、結合した偏波成分の一部が他のプローブと
も同時に結合（相互干渉）する。従って、切替スイッチ
5aを用いて一方の偏波を選択して信号処理部５へ伝送す
る従来の直線偏波フィードホーンは、例えば、水平偏波
を選択した場合、取出すべき水平偏波に垂直偏波成分の
一部が混入している。そのため、例えば、水平（垂直）
偏波を取出すとき、垂直（水平）偏波成分による相互干
渉により、所謂、交差偏波保護比が劣化する問題があっ
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、水平偏波及び垂直偏波の送受信時
の相互干渉を低減した直線偏波フィードホーンを提供す
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、導波管部と、この導波管部及び周囲に設けられた誘
電体基板と、この誘電体基板より上記導波管部内に突出
した状態に、かつ、互いに９０度の角度をなす状態に配
置された水平及び垂直偏波用プローブとを具えた直線偏
波フィードホーンにおいて、水平偏波用プローブと垂直
偏波用プローブとを誘電体基板上の導波管部の終端側に
設けるとともにどちらか一方のプローブに対し、誘電体
基板上の導波管部の開口側の相応位置に終端を配置する
ように構成した。

【０００６】また、上記水平又は垂直偏波用プローブの
終端を、ほぼ十文字状に交差する独立した２本のパター
ン配線の一方を接地するようにして生成した。

【０００７】また、上記２本のパターン配線は、同一の
誘電体基板面上に設けた第一パターンと、同第一パター
ンに接近してほぼ中心点の両側に垂設された２つのパタ
ーンを導線で接続してなる第二パターンとで構成した。

【０００８】また、上記水平偏波用プローブと垂直偏波
用プローブとを並列に低雑音増幅部に接続するように構
成した。

【０００９】

【発明の実施の形態】以上のように構成したので、図１
及び図２を参照して本発明による直線偏波フィードホー
ンを説明する。尚、図１は本発明による直線偏波フィー
ドホーンの実施例を示す切り欠き部を含む模式図（イ）
及び、誘電体基板の構成を示す図であり、プローブの終
端パターン図（ロ）及びプローブのパターン図（ハ）で
ある。また、図２は本発明による直線偏波フィードホー
ンの切り欠き部を含む模式図（イ）の矢印Ａ方向から見
た要部拡大断面図である。また、従来例（図３）と同じ
個所は同一番号を付し重複説明を省略する。

【００１０】図１、図２を参照すると、一端部にホーン
２を設けるとともに他端部を終端3aで塞いだ、例えば、
断面を円形などとする導波管部３と、水平偏波及び垂直
偏波の電波を送受信するためのパターンで構成した水平
プローブ７、垂直プローブ６及び、高周波信号切替部、
低雑音増幅部等を内蔵する信号処理部５を搭載した、例
えば、ガラス強化テフロン部材等による、誘電体基板４
とを具えた直線偏波フィードホーン１は、前記導波管部
３の終端3aからほぼλ/4（λは管内波長）の位置で、誘
電体基板４を中心軸1aに垂設するとともに、前記誘電体
基板４には水平プローブ７と、垂直プローブ６とが共に
導波管部３内の終端3a側に配置されるとともに、前記プ
ローブ６，７に相応した終端６ａ、７ａが反対面上に配
置されていて、例えば、水平プローブ７が水平となるよ
うに組立てられる。

【００１１】本発明による直線偏波フィードホーンの誘
電体基板の構成について説明する。先ず、プローブのパ
ターン図を示す図１（ハ）を参照すると、誘電体基板４
の終端3a側の面上には、導波管部３の断面円10のほぼ半
径に相当した細長い形状の水平プローブ７と、同水平プ
ローブ７に直交するように同様形状の細長い垂直プロー
ブ６とを形成する、独立した２つのパターンを設ける。
各パターンは誘電体誘電体基板４の信号処理部５に接続
する。

【００１２】次に、プローブの終端パターン図を示す図
１（ロ）を参照すると、誘電体誘電体基板４のホーン２
側の面上には、導波管部３の断面円10のほぼ直径に相当
した直交した細長い形状の２つのパターン6a、7aを設
け、各パターンは誘電体基板４の切替部８の半導体スイ
ッチ９に接続する。更に、各パターンは、例えば、水平
方向のほぼ直径に相当したパターン7aと、垂直方向のほ
ぼ半径に相当した独立した２つのパターン6aをジャンパ
ー線6bで接続してなるほぼ直径に相当したパターンとで
構成される。尚、ジャンパー線で接続するパターンは垂
直パターンに限定するものでなく、水平パターンを２つ
のパターンで構成し、ジャンパー線で接続するものであ
っても良い。

【００１３】本発明による直線偏波フィードホーンの電
波の結合動作を図１、図２に従い説明する。上記構成に
おいて、始めに、（１）垂直プローブ６が垂直偏波の電
波とだけ結合する場合を述べる。図１（ロ）に示すよう
に、誘電体基板４の切替部８の半導体スイッチ９を選択
して水平プローブ７に対応した水平パターン7aを接地す
ることにより、図２を参照して、水平偏波はこの接地さ
れた水平パターンを終端として水平偏波の定在波Ｈが生
ずるので、水平プローブ７の位置では定在波Ｈが存在し
ない。従って、水平プローブ７は定在波Ｈと結合するこ
とはなく、その結果、垂直プローブ６への干渉を起こさ
ない。一方、垂直偏波は導波管部３の終端3aを節とした
定在波Ｖが生ずるので、垂直プローブ６の位置は定在波
Ｖの腹（λ/4、λは管内波長）となり、十分に結合す
る。従って、垂直プローブ６は理想的に垂直偏波とのみ
結合することができる。

【００１４】次に、（２）水平プローブ７が水平偏波の
電波とだけ結合する場合を述べる。図１（ロ）に示すよ
うに、誘電体基板４の切替部８の半導体スイッチ９を選
択して垂直プローブ６に対応した垂直パターン6aを接地
すると、図２を参照して、この接地された垂直パターン
6aを終端として垂直偏波の定在波Ｖが生ずるので、垂直
プローブ６の位置では定在波Ｖが存在しない。従って、
垂直プローブ６は定在波Ｖと結合せず、その結果、水平
プローブ７への干渉を起こさない。一方、水平偏波は導
波管部３の終端3aを節として定在波Ｈが生ずるので、水
平プローブ７の位置が腹（λ/4、λは管内波長）とな
り、十分に結合する。従って、水平偏波用プローブは理
想的に水平偏波とのみ結合する。

【００１５】図３は本発明による直線偏波フィードホー
ンの要部回路ブロック図である。上述したように、水平
パターン7a又は垂直パターン6aを接地することにより、
水平プローブ７と、垂直プローブ６とを切替えることが
可能であるから、図３に示したように、水平プローブ７
と、垂直プローブ６とを並列に直接に低雑音増幅部5bに
接続できる。従って、従来の切替スイッチ5aを不要にで
きる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は水平偏波
及び垂直偏波の送受信時の相互干渉を低減した直線偏波
フィードホーンを提供する。従って、誘電体基板上に一
対の水平プローブと、垂直プローブを近接して直交配置
した構成であっても、各々のプローブは相応の偏波の電
波にのみ結合し、相互干渉が起らない。そのため、所
謂、交差偏波保護比を向上できるので、直線偏波フィー
ドホーンを小型化できるメリットがある。

【００１７】また、誘電体基板上の導波管部の開口側に
終端用のパターンを設ける等の簡易な構成で実現でき、
さらに、従来必要であった切替スイッチ5a等を不要にで
きるので廉価で実現可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による直線偏波フィードホーンの実施例
を示す切り欠き部を含む模式図（イ）及び、誘電体基板
の構成を示す図、プローブの終端パターン図（ロ）及び
プローブのパターン図（ハ）である。

【図２】本発明による直線偏波フィードホーンの実施例
（図１）の矢印Ａ方向から見た要部拡大断面図である。

【図３】本発明による直線偏波フィードホーンの要部回
路ブロック図である。

【図４】従来の直線偏波フィードホーンの実施例を示す
切り欠き部を含む模式図である。

【符号の説明】

１ 直線偏波フィードホーン 1a 中心軸 ２ ホーン 3a 終端 ３ 導波管部 ４ 誘電体基板 ５ 信号処理部 5a 切替スイッチ 5b 低雑音増幅部 ６ 垂直プローブ（垂直偏波用プローブ） 6a 垂直方向の半径に相当した２つのパターン 6b ジャンパー線 ７ 水平プローブ（水平偏波用プローブ） 7a 水平方向の直径に相当したパターン ８ 切替部 ９ 半導体スイッチ １０ 断面円

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 導波管部と、この導波管部及び周囲に設
   けられた誘電体基板と、この誘電体基板より上記導波管
   部内に突出した状態に、かつ、互いに９０度の角度をな
   す状態に配置された水平及び垂直偏波用プローブとを具
   えた直線偏波フィードホーンにおいて、 水平偏波用プローブと垂直偏波用プローブとを誘電体基
   板上の導波管部の終端側に設けるとともにどちらか一方
   のプローブに対し、誘電体基板上の導波管部の開口側の
   相応位置に終端を配置することを特徴とした直線偏波フ
   ィードホーン。
2. 【請求項２】 上記水平又は垂直偏波用プローブの終端
   を、ほぼ十文字状に交差する独立した２本のパターン配
   線の一方を接地するようにして生成する請求項１記載の
   直線偏波フィードホーン。
3. 【請求項３】 上記２本のパターン配線は、同一の誘電
   体基板面上に設けた第一パターンと、同第一パターンに
   接近してほぼ中心点の両側に垂設された２つのパターン
   を導線で接続してなる第二パターンとで構成した請求項
   ２記載の直線偏波フィードホーン。
4. 【請求項４】 上記終端は、半導体スイッチにより接地
   されたものとする請求項１記載の直線偏波フィードホー
   ン。
5. 【請求項５】 上記水平偏波用プローブと垂直偏波用プ
   ローブとを並列に低雑音増幅部に接続するようにした請
   求項１記載の直線偏波フィードホーン。