JPH1112134A - 頭部用組成物 - Google Patents

頭部用組成物

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JPH1112134A
JPH1112134A JP9178959A JP17895997A JPH1112134A JP H1112134 A JPH1112134 A JP H1112134A JP 9178959 A JP9178959 A JP 9178959A JP 17895997 A JP17895997 A JP 17895997A JP H1112134 A JPH1112134 A JP H1112134A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた脱毛防止効果、発毛促進効果等の養毛作
用及びフケ、痒み抑制用等の多様な効果を有する頭部用
組成物を提供すること。 【解決手段】 クマノギク(学名:Wedelia chinensis
MERR もしくは Wedelia calendulacea L.)のような
キク科(Compositae)ネコノシタ属(Wedelia)に属す
る植物の抽出物を配合することにより、優れた脱毛防止
効果、発毛促進効果等の養毛作用及びフケ、痒み抑制用
を有するとともに、毛乳頭細胞を活性化することによっ
て、毛髪伸長の促進をする等の多彩な効果を有する頭髪
用組成物が提供され、特に養毛用組成物や毛乳頭活性化
用組成物として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の生薬抽出物
を有効成分として含んでなる頭部用組成物に関する技術
分野の発明である。より具体的には、キク科(Composit
ae)ネコノシタ属(Wedelia)植物の抽出物を配合する
ことにより、優れた脱毛防止、ふけ・痒み抑制作用効果
を有するとともに、毛乳頭細胞を活性化することによっ
て、毛髪伸長の促進をする等の効果を有する頭部用組成
物に関し、この組成物は特に養毛用組成物、さらには毛
乳頭活性化用組成物として有用な組成物である。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会、ストレス社会といわれる現
代社会では、頭部毛髪が様々な原因により脱毛の危機に
さらされる機会がますます多くなってきている。これに
対応して、より優れた「養毛料」を提供すべく様々な試
みがなされている。養毛料が毛髪に与える効果として主
なものに、発毛誘導効果(発毛促進効果,成長期誘導効
果)、毛髪を太くする効果、毛髪成長期延長効果、5α
−レダクターゼ阻害効果、血行促進効果、殺菌効果、フ
ケ防止効果、保湿効果、抗酸化効果等の効果が挙げられ
る。
【0003】しかしながら、前記のように種々の試みが
なされているにもかかわらず、従来の養毛料では、その
脱毛防止,発毛効果等の養毛作用は必ずしも十分なもの
ではなかった。これはおそらく脱毛の原因がさまざまで
あり、また発毛の機構も非常に複雑であるためと考えら
れている。従って、このような毛髪の複雑な機構に幅広
く対応して、様々な用途に応用可能な頭部用組成物を提
供することが望まれている。また、これと同時に毛髪の
より具体的な構造や機能に着目した養毛用組成物を提供
することも極めて有用であり、そのような薬剤を提供す
ることが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、上記の「幅広い対応」という要素と「具体的な構造
と機能に着目した」という要素を併せ持つ頭部用組成物
を提供することにある。すなわち、本発明は多様な脱毛
の原因に対処すべく、優れた脱毛防止効果,発毛促進効
果等の養毛作用やフケ,痒みの抑制作用、並びに毛周期
と深い関係を有する毛乳頭細胞を活性化することによっ
て毛髪伸長の促進をする個別的な養毛効果を有する頭部
用組成物、そして養毛用組成物、さらには毛乳頭細胞活
性化用組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、有用物質の
探索対象を脱毛防止効果及び発毛促進効果等の養毛作用
を示すことが示唆されていない植物体抽出物に広げ、上
記目的を達成すべく検討してきた。その結果、キク科
(Compositae)ネコノシタ属(Wedelia)に属する民間
薬または生薬として使用されることのある植物の抽出物
が、優れた脱毛防止効果、発毛促進効果等の養毛作用及
びフケ、痒み抑制作用を示すことを見い出した。さら
に、この抽出物が毛乳頭に直接働きかけて、毛髪成長期
延長効果を有する成分であるか否かについて、本発明者
が見出した育毛薬剤検定方法を用いて鋭意検討したとこ
ろ、所望する毛乳頭活性化能乃至毛髪成長期延長効果が
認められることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、クマノギク(学名:We
delia chinensis MERR 若しくはWedelia calendulacea
L.)等のキク科(Compositae)ネコノシタ属(Wedeli
a)植物の抽出物を含んでなる頭部用組成物を提供す
る。また、この頭部用組成物は、養毛用組成物又は毛乳
頭活性化用組成物として用いることが好適である。
【0007】本発明において「頭部用組成物」は、上記
の有効成分の頭髪における多様な効能を発揮することが
可能な頭髪用の用途に用いることができる組成物を意味
するものであり、以下に述べる「養毛用組成物」及び
「毛乳頭活性化用組成物」を包含する概念である。
【0008】また、この「養毛用組成物」とは、発毛促
進、脱毛防止、さらにふけや痒みの抑制作用等、並びに
毛乳頭細胞活性化作用を包含した総合的な作用により、
主に「発毛促進」「脱毛防止」という現象を通じて、毛
髪の状態を維持改善する「養毛作用」を発揮し得る頭部
用組成物を意味するものである。
【0009】さらに「毛乳頭活性化用組成物」は、主に
後述する育毛検定方法によって毛乳頭を刺激することに
よって、毛周期における成長期を延長させる作用と同休
止期から成長期への移行を促進する作用を有する成分を
含んでなる、特に「毛乳頭」という特定の作用点に着目
した毛髪関連組成物であり、いわば「個別効能を有する
養毛用組成物」としての特徴を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明頭部用組成物は、キク科(Composit
ae)ネコノシタ属(Wedelia)植物の抽出物を有効成分
とする毛髪関連組成物である。
【0011】本発明に用いられるキク科(Compositae)
ネコノシタ属(Wedelia)植物の抽出物としては、クマ
ノギク(学名:Wedelia chinensis MERR)の抽出物を用
いるのが好適である。これらのキク科(Compositae)ネ
コノシタ属(Wedelia)植物は、本州伊豆、紀伊半島、
四国、九州、琉球の海岸から台湾、中国、マレ−、イン
ドに分布する植物である。本発明頭部用組成物において
は、これらのキク科ネコノシタ属に属する植物のうち、
特にクマノギク(学名:Wedelia chinensis MERR もし
くは Wedelia calendulacea L.)の抽出物を配合する
ことが好適である。なお、このクマノギクは、日本では
クマノギク,ハマグルマ又はシオカゼと呼ばれている
が、本明細書においては「クマノギク」としてこれをあ
らわす。
【0012】キク科(Compositae)ネコノシタ属(Wede
lia)植物の抽出物に関する報告はこれまでにないばか
りか、養毛用途を含めた頭部用組成物としての応用は全
くない。
【0013】本発明頭部用組成物に配合される抽出物
は、この植物の葉、地下茎を含む茎、根、果実、樹皮
等、植物全草を抽出溶媒と共に浸漬または加熱還流した
後、濾過し、濃縮して得られる。本発明に用いられる抽
出溶媒は、通常抽出に用いられる溶媒であれば特に限定
されず、例えば熱水やメタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、ある
いはプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル等の多価アルコール、あるいはこれらの含水アルコー
ル類、アセトン、酢酸エチルエステル等の有機溶媒を単
独又は組み合わせて用いることができる。低級アルコー
ルを使用する場合、得られる抽出液をそのまま用いるこ
ともできるが、抽出溶媒を留去し、必要により乾燥した
後、本発明頭部用組成物に配合してもよい。
【0014】本発明頭部用組成物におけるキク科(Comp
ositae)ネコノシタ属(Wedelia)植物の抽出物の配合
量は、組成物の形態,施用方法に応じて変動しうるので
ある。しかし、後述の実施例に記載の方法に従って得ら
れる抽出物を使用する場合、一般的には組成物全重量中
抽出物(乾燥物基準)が0.000001〜5.0重量%、好まし
くは同 0.00001〜1.0重量%である。この配合量が組成
物全重量中の0.000001重量%未満であると、本発明の所
期の効果が十分に発揮されず好ましくなく、同5.0重量
%を超えると製剤化が困難になる傾向が強くなり好まし
くない。また、組成物全重量中の1.0重量%以上配合し
ても配合量の増加に見合った効果の向上は認められなく
なる。
【0015】このように、キク科(Compositae)ネコノ
シタ属(Wedelia)植物の抽出物を配合することによ
り、優れた脱毛防止効果、発毛促進効果等の養毛作用及
びフケ、痒み抑制作用を示す頭部用組成物が提供され
る。これらの多様な効果を同時に発揮させることを目的
とした総合的用途の頭部用組成物の他に、これらの効果
個々に着目した頭部用組成物を提供することも可能であ
る。
【0016】例えば、これらの養毛作用に特に着目した
「養毛用組成物」が本発明頭部用組成物の代表的な態様
のうちの一つである。また、後述する実施例において明
らかにされるように、キク科(Compositae)ネコノシタ
属(Wedelia)植物の抽出物は、特に毛乳頭細胞に直接
働きかけて、毛周期における成長期の延長作用を示す成
分である、という特徴を可能な限り活用することが可能
な態様の毛乳頭活性化用組成物も提供される。
【0017】このような本発明頭部用組成物には、上記
必須成分以外に、通常化粧品、医薬部外品や医薬品等の
養毛料に用いられる成分、例えば、油性成分、保湿剤、
増粘剤、金属封鎖剤、その他の活性成分、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、界面活性剤、アルコール類、粉末成分、
色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて
適宜配合することができる。
【0018】具体的には、油分として、例えば高級脂肪
酸、固形パラフィン、流動パラフィン、シリコーン油、
スクワラン等;保湿剤として、例えばヒアルロン酸、プ
ロピレングリコール、マルチトール、アテロコラーゲ
ン、乳酸ナトリウム等;増粘剤、マルメロ粘質物、カル
ボキシビニ−ルポリマー、キサンタンガム等;金属封鎖
剤として、例えばエデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナ
トリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸;その他の活性
成分として、例えばカフェイン、タンニン、ベラパミ
ル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グ
ラブリジン、火棘の果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸
トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体ま
たはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン
酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチ
ン、コウジ酸等の他の美白剤、グルコース、フルクトー
ス、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類などが
挙げられる。
【0019】また、補助成分として、これらの製剤を調
製する上で上記油性成分、保湿剤、増粘剤に加えて、そ
の他の活性成分として、例えばモノオレイン酸グリセリ
ル等の油分、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、
ビタミンE アセテート、センブリ抽出物、塩化カルプロ
ニウム、センブリエキス、アセチルコリン誘導体等の血
管拡張剤、セリン、メチオニン等のアミノ酸類、ビタミ
ンB6、ビタミンE 及びその誘導体、ビオチン等のビタミ
ン類、パントテン酸及びその誘導体グリチルレチン酸及
びその誘導体、ニコチン酸、ニコチン酸メチル、ニコチ
ン酸トコフェロールなどのニコチン酸エステル類、セフ
ァランチン等の皮膚機能亢進剤、エストラジオ−ル等の
女性ホルモン剤等を同時に配合してもよい。
【0020】さらに、通常、養毛料に用いられる添加
剤、例えばヒノキチオ−ル、ヘキサクロロフェン、ベン
ザルコニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、
ウンデシレン酸、トリクロロカルバニリドおよびビチオ
ノール等の抗菌剤、メントール等の清涼剤、サリチル
酸、亜鉛およびその誘導体、乳酸およびそのアルキルエ
ステルなどの薬剤、クエン酸等の有機酸類、アルギニン
等のアミノ酸類等が本発明の効果を損なわない範囲で適
宜配合することができる。
【0021】本発明頭部用組成物の性状は、例えば軟
膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等、
従来養毛料に用いるものであればいずれでもよく、剤型
は特に問わない。また、本発明の養毛料としては、例え
ばトニック、ヘアークリーム、ムース、シャンプー、リ
ンス等の剤型をとることもできる。
【0022】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでな
い。なお、配合量は特記しない限り重量%である。ま
ず、A.発毛効果、B.育毛効果、C.培養毛乳頭細胞
を用いた細胞増殖に関する試験、D.実使用試験とその
結果について順に説明する。
【0023】A.発毛試験 1.抽出物の調製(調製例1) 市販のクマノギク(乾燥物) 2000gを、8リットルの
メタノールに室温で5日間浸漬した。抽出液から溶媒を
留去し、次いで乾燥してクマノギクのメタノールエキス
乾燥物 162.4gを得た。
【0024】2.試料の調製 上記で得られたメタノールエキス乾燥物 0.1%、0.5
%、1%、2%を、それぞれ75%エタノール溶液に溶解
して試料1〜3を得た。
【0025】3.発毛試験方法及びその結果 対照試料として 0.1%クロトン油の75%エタノール溶液
を用い、本発明の液状の試料1〜4(第1表参照のこ
と)について発毛試験行った。すなわち、実験動物とし
て毛周期の休止期にあるC3H/HeNCrJマウスを
使用し、小川らの方法(ノーマルアンドアブノーマル、
エピダーマル、ディファレンシエ−ション[Normal and
Abnormal Epidermal Differentiation ]、M.Seiji
およびI .A .Bernstein 編集、第159 〜170 ページ、
1982年、東大出版)に従って行なった。
【0026】すなわち、マウスを1群10匹とし、それぞ
れ被検試料1〜4と対照試料( 0.1%クロトン油の75%
エタノール溶液)用の5群に分け、バリカンおよびシェ
−バーでマウスの背部を剃毛し、それぞれの試料を1日
1回、 0.1mlずつ塗布した。18日、24日後に毛の再生面
積を測定した。結果は再生面積の平均値で表した。その
結果を第1表に示す。
【0027】
【表1】
【0028】第1表より、クマノギク抽出物は、マウス
の発毛試験において優れた発毛効果を示した。また、
1.0%以上の濃度ではその効果の向上は認められなか
った。この結果より、クマノギクの抽出物を配合した本
発明頭部用組成物は、優れた発毛効果を有することは明
らかになり、この組成物は養毛用途に適した頭部用組成
物であることが判明した。
【0029】B.育毛試験(トリコグラム試験) 1.抽出物の調製 上記発毛試験例で調製した調製例1の方法で抽出物を調
製した。
【0030】2.試料の調製 上記方法で得られたメタノールエキス乾燥物 0.05、0.5
および1%を、70%エタノール溶液(90%)、オレイン
酸ナトリウム(0.01%)、ドデシルベンゼンスルホン酸
(0.49%)、硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)
付加物( 0.5%)及びイオン交換水(8%)と混合撹拌
して溶解させた。さらにイオン交換水(残余)を添加混
合して、液状の試料5、6および7を得た。
【0031】3.育毛試験方法及びその結果 本発明の養毛料の脱毛防止、発毛効果等の養毛作用を調
べるために、ヒトに対して、以下の方法でトリコグラム
試験を実施した。試料の使用前と使用後の抜去毛髪の毛
根を顕徴鏡下で観察し、毛根の形態から休止期毛根数を
計数し、その割合の増減によって養毛作用を比較した。
尚、休止期毛根とは成長の止まった毛の毛根であり、脱
毛を訴える人は正常な人よりもこの休止期毛根の割合が
多いことが認められている。
【0032】被験試料及び対照試料の各試料をそれぞれ
男性被験者10名の頭皮に1日2回、1回2mlずつ6ケ月
間連続して塗布し、塗布直前および6ケ月間塗布終了直
後に被験者1名につき 100本ずつ毛髪を抜去し、それぞ
れの毛根を調ベ、実使用テストを行った。結果を第2表
に示す。
【0033】
【表2】
【0034】この結果より、クマノギクの抽出物を配合
した本発明頭部用組成物は、毛周期の成長期を延長させ
ることみ基づく優れた発毛効果を有することは明らかに
なり、上記の試験Aにおける結果と同様に、この組成物
は養毛用途に適した頭部用組成物であることが判明し
た。
【0035】C.培養毛乳頭細胞を用いた細胞増殖試験 1.抽出物の調製 上記抽出物の調製は、上記発毛試験例で調製した調製例
1の方法で抽出物を調製した。さらに、メタノールエキ
ス乾燥物をDMSOで0.2重量%の溶液に調製して、
これを無血清培地(MEM)に希釈してクマノギク抽出
物をそれぞれ1.0×10-9〜1.0×10-6%を含む
溶液を調製した。
【0036】2.毛乳頭細胞の採取 整形外科手術によって摘出された32歳男性の後頭部皮
膚(5mm×1.5cm)から、脂肪組織を分離して、そこ
から毛包を摘出し、毛球部より毛乳頭細胞を単離した。
単離した毛乳頭細胞を20%FBSを含むMEMで2週
間培養した〔37℃,5%CO2 〕。毛乳頭細胞から細
胞のアウトグロースが確認された時点で、培地を10%
FBSを含むMEM(MEM+10%FBS)に交換し
て同様の条件で培養した。以降、1週間に2回の割合で
培養液(MEM+10%FBS)を交換して細胞を維持
した。培養開始より4週間後に継代培養を行い、以後細
胞が十分増殖した時点で再度継代して、この継代を繰り
返した。
【0037】3.試験方法 継代数3代目の毛乳頭細胞を用い、MEM+10%FB
S培地で,10000及び細胞/mlの細胞密度の細胞懸
濁液を調製した。この細胞懸濁液を200μlずつ、9
6ウエルのマイクロプレートに分注し(つまり,200
0細胞/ウエル)、37℃,5%CO2 で3日間インキ
ュベートを行い細胞を付着させた。培養開始72時間
後、対照は培養液を無血清のMEMに交換した。被検体
系は対象物質であるクマノギク抽出物を含む無血清培地
(MEM)に交換した(各試料8〜11)。対照および
被検体系をいずれもさらに4日間培養した。
【0038】培養終了後、それぞれの系にアラマーブル
ー(alamar blue)(BIOSOURSE社製)を20μl 添加後、
さらに8時間培養し、マイクロプレートリーダー(Micr
o plate reader:Bio RAD社製) で570nmと595nmの
吸光度を測定した。添付の使用説明書に従って、吸光度
の測定結果によりアラマーブルーの還元率を算出した。
この還元率は細胞数と相関することから対照および被検
体系での細胞増殖率を比較した。
【0039】4.結果:測定したクマノギク抽出物(試
料8〜11)における、上記細胞増殖促進指標を下記第3
表に示す。
【0040】
【表3】
【0041】第3表より明らかなように、本発明のクマ
ノギク抽出物は、培養毛乳頭細胞活性化試験において有
意な毛乳頭細胞増殖促進効果を示した。このことより、
本発明頭部用組成物は、毛乳頭細胞に直接働きかけて養
毛効果を発揮する「毛乳頭活性化用組成物」としての用
途に特に適していることが判明した。
【0042】 D.実使用試験試料15 ヘアートニック (1) クマノギク抽出物(調製例1) 1.0 (2) プロピレングリコール 5.0 (3) ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 (4) 75%エタノール 残余
【0043】上記処方にて製造したヘアートニックにつ
いて実使用でフケ、発毛、脱毛等の症状に対する効果を
検討した。フケ、発毛、脱毛等の症状を呈する10名の
男性(年齢25才〜55才) に1日1〜2回、1〜3mlずつ
4ヵ月にわたって投与し、以下に述べる評価基準で、フ
ケ防止効果、発毛促進効果および脱毛防止効果を試験し
た。その結果を第3表に示す。
【0044】評価基準 (1)フケ防止効果テスト 無効:治療にもかかわらず、何らの改善もみられないも
の。 有効:フケの発生が減少したもの。 著効:フケの発生が止まったもの。
【0045】(2)発毛効果テスト 無効:治療にもかかわらず、何らの改善もみられないも
の。 有効:脱毛部の2/3以上に毛の新生が認められるも
の。 著効:脱毛部に毛が生えそろったもの。
【0046】(3)脱毛効果テスト 無効:治療にもかかわらず、何らの改善もみられないも
の。 有効:脱毛の進行が減少したもの。 著効:脱毛が止まったもの。
【0047】
【表4】
【0048】第4表から明らかなように、このヘアート
ニックは、発毛促進、フケ防止及び脱毛防止に対して優
れた効果を発揮することが明らかになった。このこと
は、上述したように本発明頭部用組成物は、養毛用途に
適していることは勿論のこと、フケ防止等の他の目的を
有する頭部用組成物としても非常に有用であることが明
らかになった。
【0049】以下に、種々の剤型の本発明による養毛料
の処方例を実施例として説明する。なお、これらの処方
の本発明頭部用組成物について、上記の試験を行ったと
ころ、いずれの組成物においても発毛効果、育毛効果、
培養毛乳頭細胞増殖効果及び実使用において、非常に優
れた結果を示した。
【0050】 〔実施例1〕 乳液 (A相) クマノギク抽出物(調製例1) 0.1 ポリオキシエチレン(60モル)付加硬化ヒマシ油 2.0 グリセリン 10.0 ジプロピレングリコール 10.0 1,3-ブチレングリコール 5.0 ポリエチレングリコール1500 5.0 (B相) セチルイソオクタネート 10.0 スクワラン 5.0 ワセリン 2.0 プロピルパラベン 2.0 (C相) カルボキシビニルポリマー1%水溶液 30.0 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.03 イオン交換水 8.35 (D相) イオン交換水 5.4 (E相) カセイカリ 0.12 イオン交換水 5.0
【0051】(製造法)A相、B相をそれぞれ60℃で加
熱溶解し、混合してホモミキサー処理しゲルを作る。こ
れにD相を徐々に添加しホモミキサーで分散した。次に
これに溶解したC相を加え、最後に溶解したE相を添加
しホモミキサーで乳化してO/W乳液を得た。
【0052】 〔実施例2〕 クリーム (A相) 流動パラフィン 5.0 セトステアリルアルコール 5.5 グリセリルモノステアレート 3.0 EO(20モル)−2−オクチルドデシルエーテル 8.0 プロピルパラベン 0.3 香料 0.1 (B相) クマノギク抽出物(調製例1) 0.01 グリセリン 8.0 ジプロピレングリコール 20.0 ポリエチレングリコール4000 5.0 ドデシル硫酸ナトリウム 0.1 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.005 イオン交換水 44.985
【0053】(製造法)A相、B相をそれぞれ加熱溶解
して混合し、ホモミキサーで乳化してクリームを得た。
【0054】 〔実施例3〕 ヘアートニック クマノギク抽出物(調製例1) 0.0001 ステアリルジメチルアミンオキシド 0.5 硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 1.0 95%エタノール 54.0 イオン交換水 残 量 (製造法)95%エタノールにイオン交換水を加え、こ
れに硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物お
よびステアリルジメチルアミンオキシドを加えた後エキ
ス乾燥物を加え、撹拌溶解してヘアートニックを得た。
【0055】 〔実施例4〕 ヘアートニック グリセリン 5.0 L−メントール 0.1 クマノギク抽出物(調製例1) 0.005 95%エタノール 54.0 香料 0.5 イオン交換水 残 量 (製造法)95%エタノールにグリセリン、L−メント
ール、香料及びエキス乾燥物を加え、撹拌溶解した後、
イオン交換水を加えた。
【0056】 〔実施例5〕 ヘアートニック N−ヤシラウリル−β−アミノプロピオン酸ソーダ 0.2 クマノギク抽出物(調製例1) 0.001 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5 硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 1.0 95%エタノール 54.0 イオン交換水 残 量 (製造法)95%エタノールにイオン交換水を加え、こ
れに硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物お
よびステアリルジメチルアミンオキシド及びN−ヤシラ
ウリル−β−アミノプロピオン酸ソーダを加えた後エキ
ス乾燥物を加え、撹拌溶解してヘアートニックを得た。
【0057】 〔実施例6〕 シャンプー ココイルメチルタウリンナトリウム 2.0 ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコール 2.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 4.0 エチレングリコール脂肪酸エステル 1.0 グリセリン 0.2 メントール 0.1 クマノギク抽出物(調製例1) 1.0 香料 適 量 プロピレングリコール 2.0 イオン交換水 残 量 (製造法)イオン交換水を70℃に加熱し、他の成分を
加えて均一に溶解した後、系を冷却してシャンプーを得
た。
【0058】 〔実施例7〕 リンス 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7 シリコーン油 3.0 ステアリルアルコール 1.0 ポリオキシエチレン(10モル)オレイルアルコールエーテル 1.0 グリセリン 5.0 クマノギク抽出物(調製例1) 0.2 防腐剤 適 量 紫外線吸収剤 適 量 イオン交換水 残 量 (製造法)イオン交換水に塩化ステアリルトリメチルア
ンモニウム及びグリセリンを加えて70℃に保ち水相を
調製した。一方、他の成分を混合し、加熱融解して70
℃に保ち油相を調製した。前記水相にこの油相を加え
て、ホモミキサーで乳化した後、攪拌しながら冷却して
リンスを得た。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明頭部用組成
物は、優れた脱毛防止効果、発毛促進効果等の養毛作用
及びフケ、痒み抑制作用を有するとともに、毛乳頭細胞
を活性化することによって、毛髪伸長の促進をする等の
優れた養毛効果を有するものである。また、本発明養毛
用組成物は、優れた優れた脱毛防止効果、発毛促進効果
等の養毛作用を発揮し得る組成物である。さらに本発明
毛乳頭活性化組成物は、毛乳頭細胞を活性化することに
よって、毛髪伸長の促進をする等の優れた養毛効果を有
する組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 正裕 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 (72)発明者 大田 正弘 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 (72)発明者 辻 善春 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キク科(Compositae)ネコノシタ属(We
    delia)植物の抽出物を含んでなる頭部用組成物。
  2. 【請求項2】 キク科(Compositae)ネコノシタ属(We
    delia)植物がクマノギク(学名:Wedelia chinensis M
    ERR もしくは Wedelia calendulacea L.)である請求
    項1記載の頭部用組成物。
  3. 【請求項3】 頭部用組成物が養毛用組成物である、請
    求項1又は請求項2記載の頭部用組成物。
  4. 【請求項4】 養毛用組成物が毛乳頭活性化用組成物で
    ある請求項3記載の頭部用組成物。
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