JPH11121217A - フェライト粒子およびその製造方法 - Google Patents

フェライト粒子およびその製造方法

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JPH11121217A
JPH11121217A JP9278482A JP27848297A JPH11121217A JP H11121217 A JPH11121217 A JP H11121217A JP 9278482 A JP9278482 A JP 9278482A JP 27848297 A JP27848297 A JP 27848297A JP H11121217 A JPH11121217 A JP H11121217A
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ferrite
raw material
ferrite particles
particles
producing
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JP9278482A
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Hiroshi Yamamoto
洋 山元
Yasunobu Ogata
安伸 緒方
Tsutomu Iimura
勉 飯村
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共沈法、または遊星ボールミルを使用した湿
式粉砕法により、高い磁気特性を有したフェライト微粒
子を製造できるようにすることである。 【解決手段】 Sr(NO3 2 とFeCl3 ・6H2
Oをモル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)の比率で、且
つLa(NO3 3 ・6H2 Oを{(SrO)0. 2 (F
2 3 0.8 100-X (La2 3 X なる組成式で
X=1.0〜2.5となるように含む混合水溶液を調製
する。この混合溶液をpH=13.0にして共沈させ、
その後煮沸、水洗い、濾過、乾燥の工程を経て、さらに
大気中で900〜1150℃で2時間熱処理することに
よりフェライト微粒子を製造する。また、SrCO3
α−Fe2 3 、La2 3 を所定比率で含む混合物を
遊星ボールミルによる湿式粉砕し、乾燥後、1150℃
で熱処理する方法もある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石原料として使
用可能なSrLa−M型フェライト単相微粒子、および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライト磁石は、モーター、発電機な
どの回転機を含む種々の用途に使用されている。最近、
特に自動車用回転機分野ではその小型・軽量化を目的と
して、また電気機器用回転機分野ではその高効率化を目
的として、それぞれ使用されているフェライト磁石の高
磁気特性化が強く求められている。
【0003】従来より広く使用されているフェライト磁
石としては、Srフェライト磁石、Baフェライト磁石
などが挙げられる。SrフェライトやBaフェライトの
高性能焼結磁石は、次のようにして製造される。
【0004】酸化鉄とSrまたはBaの炭酸塩を混合
後、仮焼処理によりフェライト化反応を終了させ、仮焼
させたクリンカーを粗粉砕する。粗粉砕した仮焼粉に、
SiO2 、SrCO3 およびCaCO3 を焼結挙動の制
御目的で、また、Al2 3 あるいはCr2 3 などを
保磁力の制御の目的でそれぞれ添加して、平均粒径が
0.7〜1.0μmになるまで微粉砕してフェライト粒
子を製造する。
【0005】このようにして製造されたフェライト粒子
をスラリー磁場中で配向させながら湿式成形し成形体と
する。この成形体を焼結し、その後製品形状に加工して
製品とする。成形体の形成に際しては、上記湿式の他
に、乾式成形も知られている。
【0006】一方、本発明者らにより、このようにして
成形されるSrフェライトやBaフェライトからなるフ
ェライト磁石の他に、Sr−M型フェライトに希土類元
素のLaを添加した、いわゆるSrLa−M型フェライ
ト磁石で最大エネルギー積の向上がみられることが見出
された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方、かかるフェライ
ト磁石の高性能化の手段としては、焼成体における結晶
粒の微粒化、焼成体における結晶粒の粒成長の大きさの
均一化、磁気異方性を左右する結晶配向度の向上、焼成
体の密度の向上、フェライト粒子自体の磁気特性の向上
などの手段が考えられる。
【0008】焼成体における結晶粒の微粒化とは、焼成
体における結晶粒の大きさが、Sr−M型フェライト磁
石の臨界単磁区粒子径の値である約0.9μmに近いほ
ど保磁力は最大となるため、焼成時の粒成長を見込ん
で、微粉砕平均粒径値を例えば予め0.7μm以下に微
粒化しておくことである。しかし、本方法では、微粒化
するほど湿式成形時の脱水特性が悪くなり、生産効率が
落ちるという問題点が指摘されている。
【0009】また、焼成体における結晶粒の粒成長の大
きさの均一化とは、結晶粒が0.9μmより大きくて
も、小さくても保磁力の低下につながるため、粒成長し
た結晶粒の大きさを極力0.9μmに近づけるようにし
て保磁力の向上を図る手段である。しかし、この手段に
よる高性能化は、微粉砕粉の粒径分布の改善が必要とな
り、既存のボールミルやアトライターなどの粉砕機を用
いる限りにおいては限界があり実用的ではない。
【0010】一方、近年かかる機械的粉砕によらず、化
学的沈殿法により均一粒子を形成する手段が提案されて
いる。しかし、未だ工業的生産規模で適用できるまでに
は実用的な手段となっていない。
【0011】また、磁気異方性を左右する結晶配向度の
向上とは、表面活性剤を微粉砕スラリーに添加してスラ
リー中のフェライト粒子の分散性を向上させることによ
り、配向度の磁場強度を強くするなどの手段である。
【0012】さらに、焼成体の密度の向上とは、現在市
場に供給されているSrフェライト磁石の密度(概ね、
4.9〜5.0g/ccの範囲にある。)を、Srフェ
ライト焼結体の理論密度(5.15g/cc)に近づけ
ることにより、残留磁束密度の向上を図る手段である。
しかし、かかる高密度化を達成するためには、HIPな
どの特殊な手段が必要となる。HIPなどの特殊なプロ
セスの導入はフェライト磁石の生産コストの増加に繋が
り、フェライト磁石の特徴の一つである廉価性を失わせ
る可能性もあり生産現場では採用し難い。
【0013】フェライト粒子自体の磁気特性の向上と
は、例えば、直接的に残留磁束密度の向上に繋がる可能
性のある飽和磁化を向上させることである。従来生産さ
れているフェライト化合物は、M(マグネトプランバイ
ト)型の結晶構造を有しているが、近年大きな飽和磁化
を有するW型フェライトに関する研究が進められ報告さ
れている。
【0014】本発明者は、Sr−M型フェライトへのL
a添加による残留磁束密度や最大エネルギー積の向上に
着目し、このフェライト粒子をさらに微粒子化すること
により、その相乗効果で磁気特性の飛躍的な向上が図れ
るものと考えた。
【0015】また、微粒子化手段としては、ボールミル
を使用した従来の機械的手段、および未だ実用化に至っ
てはいない化学的手段とによる微粒化技術の開発が必要
と考えた。
【0016】本発明の目的は、SrLa−M型フェライ
ト粒子を化学的手段により微粒化して、フェライト粒子
の磁気特性の高性能化を図ることにある。
【0017】本発明の目的は、SrLa−M型フェライ
ト粒子を機械的手段により微粒化して、フェライト粒子
の磁気特性の高性能化を図ることにある。
【0018】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0020】すなわち、{(SrO)0.2 (Fe
2 3 0.8 100-X (La2 3 X で、X=1.0
〜2.5なる組成を有するフェライト粒子の共沈法を使
用した本発明の製造方法で、先ず、例えばSr(N
3 2 をSr原料として、FeCl3・6H2 OをF
e原料として、それぞれのSr原料、Fe原料をモル比
=8.0(=Fe3+/Sr2+)の比率で含み、且つLa
(NO3 3 ・6H2 OをLa原料として、La2 3
として前記X=1.0〜2.5となるように含む水溶液
を調製する。
【0021】水溶液の調製については、例えば、モル比
=8.0(=Fe3+/Sr2+)に合わせて秤取したSr
(NO3 2 、FeCl3 ・6H2 Oをそれぞれ純水に
溶解して調製すればよい。
【0022】La原料についても同様で、La2 3
X=1.0〜2.5となるようにLa(NO3 3 ・6
2 Oを秤取して、純水に溶かして水溶液を別途調製し
ておく。
【0023】このようにしてそれぞれ調製した3種のS
r(NO3 2 水溶液と、FeCl3 水溶液と、La
(NO3 3 水溶液とを混合して混合溶液を調製する。
【0024】なお、La2 3 の添加量Xが1.0未満
では本発明の有意の効果が得られず、また2.5以上で
は、磁気特性が低下する。より好ましくは、X=1.5
〜2.0が好ましい。1.5以上、2.0以下であれ
ば、磁気特性が十分に高いフェライト微粒子の製造がで
きる。
【0025】このようにして調製した混合溶液に、例え
ば3N(規定)のNaOH水溶液でpH=13.0のア
ルカリ性に液性を調製して共沈を起こさせる。共沈後、
例えば100℃で2時間煮沸する。さらに、水洗い、濾
過の工程を経て共沈粉末を濾取する。濾取した共沈粉末
を乾燥し、その後熱処理してフェライト微粒子を製造す
る。
【0026】熱処理は、大気中900〜1150℃の温
度範囲で2時間かけて行なう。900℃未満では、La
2 3 による飽和磁化に関して有意の効果が得られず、
また、1150℃を越えると保磁力が大幅に低下し本発
明の有意の効果が逆に失われる。熱処理温度について
は、より好ましくは1000〜1050℃の範囲であ
る。
【0027】熱処理温度の上昇に伴って保磁力は低下す
るが、1050℃を越えるとその低下幅が大きくなる。
一方、飽和磁化は熱処理温度の上昇に伴って増大する
が、1000℃を越える辺りから増大傾向が大きくな
り、1050℃付近でピークとなる。保磁力の低下傾向
と、飽和磁化の増大傾向との両者の兼ね合いで、100
0〜1050℃の範囲内にあれば、本発明の製造方法で
得られたフェライト微粒子は、本発明の有意の効果が強
調された磁気特性を示すこととなる。
【0028】また、本発明で得られたフェライト微粒子
は、{(SrO)0.2 (Fe2 30.8 100-X (L
2 3 X で、X=1.0〜2.5なる組成を有した
M型単相の結晶構造を有しており、粒子自体の飽和磁化
σS が88×10-6Wb・m/kg(70emu/g)
以上で、且つ保磁力HCJが430kA/m(5400O
e)以上で、従来にはない高い磁気特性を有している。
【0029】特に、飽和磁化については、92.0×1
-6Wb・m/kg(73.2emu/g)の値が得ら
れ、現時点では、粉末では従来にない値(世界最高値)
を示していることが確認された。保磁力についても、十
分に高い値が得られている。
【0030】一方、{(SrO)0.17(Fe2 3
0.83100-x (La2 3 x で、X=0.25〜1.
0なる組成を有するフェライト粒子を機械的粉砕法を使
用して製造する方法では、先ず、例えばSrCO3 (S
r原料)と、α−Fe2 3 (Fe原料)とを、モル比
=10.0(=Fe3+/Sr2+)の比率で含む原料10
0重量部に対して、La2 3 粉末を0.5〜2.0重
量部添加した混合物を調製し、これを湿式粉砕する。
【0031】La2 3 の添加量に関しては、機械的粉
砕法においては、0.5重量部未満では本発明の有意の
効果が得られず、また2.0重量部を越えると飽和磁化
が低下する。より好ましくは、1.0〜1.5重量部が
好ましい。1.0重量部以上、1.5重量部以下であれ
ば、磁気特性が十分に高いフェライト微粒子の製造がで
きる。
【0032】湿式粉砕に際しては、遊星ボールミルを使
用して湿式粉砕する。例えば、高クロム鋼製のポット中
に、上記混合物試料とジルコニアボールとの重量比を所
定比率になるようにして入れる。さらに、水またはメタ
ノールを所定量加えて、水またはメタノール中で回転さ
せて湿式粉砕を行なえばよい。
【0033】かかる湿式粉砕により得られた粉砕粉を、
大気中でメタノールを蒸発させて乾燥し、900〜11
50℃の温度範囲で熱処理すれば、磁気特性の高いフェ
ライト微粒子を製造することができる。熱処理温度は、
900℃未満では、La2 3 による飽和磁化に関して
有意の効果が得られず、また、1150℃を越えると保
磁力が大幅に低下し本発明の有意の効果が逆に失われ
る。熱処理温度については、より好ましくは1000〜
1100℃の範囲である。
【0034】熱処理温度の上昇に伴って保磁力は増加
し、1050℃を越えると低下し始める。一方、飽和磁
化は熱処理温度の上昇に伴って増大するが、保磁力の低
下傾向は、1100℃を過ぎると大きくなるため、飽和
磁化の上昇傾向と、保磁力の低下傾向との両者の兼ね合
いで、1000〜1100℃の範囲内にあれば、本発明
の製造方法で得られたフェライト微粒子は、事実上本発
明の有意の効果が強調された磁気特性を示すこととな
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0036】(実施の形態1)本実施の形態では、
{(SrO)0.2 (Fe2 3 0.8 100-X (La2
3 X で、モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)、L
2 3 添加量X=1.0〜3.0なる組成を有するフ
ェライト微粒子の製造方法について説明する。
【0037】本発明の製造方法では、先ず、{(Sr
O)0.2 (Fe2 3 0.8 100-X(La2 3 X
の組成式において、モル比=8.0(=Fe3+/S
2+)、X=1.0〜3.0の範囲で、Sr原料、Fe
原料、La原料の混合溶液(水溶液)を調製する。
【0038】次に、調製した混合溶液の液性をアルカリ
性として共沈させ、その後煮沸、水洗い、濾過、乾燥の
一連の工程を経て共沈粉末を形成する。さらに、この共
沈粉末を大気中で熱処理して、フェライト微粒子を製造
する。
【0039】上記混合溶液の調製は以下のようにして行
なう。
【0040】{(SrO)0.2 (Fe2 3 0.8
100-X (La2 3 X の組成式に合わせて、モル比=
8.0(=Fe3+/Sr2+)となるように、Sr原料と
Fe原料とを秤取する。本実施の形態では、Sr原料と
してSr(NO3 2 を、Fe原料としてFeCl3
6H2 Oをそれぞれ使用した。上記秤取したSr(NO
3 2 、FeCl3 ・6H2 Oをそれぞれ純水に溶解し
て各水溶液を調製する。
【0041】また、La原料にはLa(NO3 3 ・6
2 Oを使用して、La2 3 添加量Xに合わせて計算
量を秤取し、これを純水に溶解して水溶液を調製する。
【0042】なお、本実施の形態では、{(SrO)
0.2 (Fe2 3 0.8 100-X (La2 3 X にお
けるLa2 3 の最適添加量を調べるために、X=0〜
3.0の範囲内でXを変化させた。本実施の形態では、
X=0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0
に合わせるように秤取し、それぞれを純水に溶解した。
【0043】上記要領でそれぞれ調製したSr(N
3 2 水溶液と、FeCl3 水溶液と、La(N
3 3 水溶液とを混合して前記混合溶液を調製した。
この混合溶液に対して以下の共沈操作を行なった。
【0044】共沈操作は、上記Sr(NO3 2 、Fe
Cl3 、La(NO3 3 の上記混合溶液に、NaOH
(3N)水溶液を攪拌しながら徐々に加え、液性をpH
=13.0の強アルカリ性にして共沈させた。
【0045】共沈完了後、そのまま100℃で2時間煮
沸させ、その後中性になるまで共沈物を水洗いして濾過
した。濾過した共沈物は、80℃で12時間乾燥した。
得られた共沈粉末を、大気中、1050℃で2時間熱処
理し、フェライト微粒子を製造した。上記一連の工程か
らなるフェライト粒子の製造方法については、図1にそ
の手順を示す。
【0046】このフェライト微粒子の粉末を使用して、
印加磁界1600kA/m(20kOe)で測定し、σ
−H-2プロットにより飽和磁化σS を求めた。この様子
を、図2に示す。
【0047】図2から、飽和磁化σS は、La2 3
添加した場合の方が、La2 3 無添加(X=0)の場
合に比べて、若干高くなることが分かる。また、X=
0.5〜3.0の範囲内では、X=1.5における7
3.2(emu/g)を最大値とし、σS =71〜73
(emu/g)と非常に高い飽和磁化σS が得られた。
【0048】保磁力HCJもX=0.5〜3.0の間で、
La2 3 無添加(X=0)の場合に比べて、HCJ
5.5〜5.8(kOe)と高い値を示すことが分か
る。
【0049】また、Fekαを使用して上記試料の粉末
X線回析を行ない、その結晶構造を調べた。その結果
を、図3に示す。図3からは、X=0.5〜3.0の範
囲内で、全ての試料においてM(マグネトプランバイ
ト)型単相になっていることが分かる。
【0050】以上の結果から、La2 3 無添加の場合
に比べて、La2 3 をX=1.0〜3.0の範囲内で
添加した場合の方が、飽和磁化、保磁力とも有意の差が
認められることが分かった。特に、X=1.5〜2.0
の範囲内では、その差が大きくなる。さらに、得られた
飽和磁化、保磁力が最大になる点として、Laの最適添
加量はX=1.5とすることが好ましいことが分かる。
【0051】(実施の形態2)本実施の形態では、
{(SrO)0.2 (Fe2 3 0.8 100-X (La2
3 X の組成式を有する高磁性のフェライト粒子の製
造方法における熱処理温度の影響を調べた。
【0052】本実施の形態では、モル比=8.0(=F
3+/Sr2+)として、またLa23 の添加量を最適
添加量のX=1.5として、Sr(NO3 2 、FeC
3、La(NO3 3 についてそれぞれ上記実施の形
態1の要領で水溶液を調製する。
【0053】さらに、上記実施の形態1と全く同様にし
て、上記各水溶液の混合溶液に一連の共沈、煮沸、水洗
い、濾過、乾燥の操作を行い、得られた共沈粉末を90
0〜1150℃の温度範囲で2時間大気中で熱処理し
た。得られたフェライト微粒子粉末について磁気特性を
調べた。
【0054】また、本実施の形態では、比較のために、
モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)でLa2 3 を添
加しない場合についても、上記と同様の操作により共沈
粉末を製造し、上記と同様に磁気特性を調べた。
【0055】この結果を図4に示した。図4から、La
2 3 を添加した場合には、熱処理温度の上昇に伴い飽
和磁化の値が増加し、熱処理温度1050℃以上でほぼ
同じ値となることが分かる。特に、1000℃を越える
辺りから飽和磁化の上昇傾向が大きくなることが分か
る。
【0056】なお、La2 3 無添加の場合には、かか
る熱処理温度の上昇に伴う飽和磁化の上昇は認められな
かった。
【0057】保磁力は、図4から明らかなように、熱処
理温度の上昇に伴って減少する。特に、1050℃以上
で、急激に保磁力の減少傾向が大きくなることが分か
る。かかる保磁力の減少については、熱処理温度の上昇
に伴ってフェライト結晶が粒成長するためと考えられ
る。
【0058】一方、各熱処理温度において、モル比=
8.0(=Fe3+/Sr2+)でLa23 無添加の場合
に比べて、La2 3 添加の場合の方が、飽和磁化およ
び保磁力がともに高くなっていることが分かる。La添
加による効果が現れている。
【0059】また、上記実施の形態1と同様にして、L
2 3 添加の場合におけるフェライト微粒子粉末試料
の粉末X線回折を行ない、全ての熱処理温度の範囲内で
M(マグネトプランバイト)型単相になっていることが
確認された。
【0060】以上の結果から、高い磁気特性を有するフ
ェライト微粒子の製造方法においては、熱処理温度を9
00〜1150℃とすれば、La2 3 無添加の場合に
比べて有意差のあるフェライト微粒子が得られることが
分かる。また、熱処理温度範囲を1000〜1050℃
の範囲に限定すれば、より有意差の大きな範囲での製造
ができる。最適熱処理条件としては、飽和磁化がほぼ最
大となる熱処理温度1050℃で2時間とすればよいこ
とが分かる。
【0061】(実施の形態3)本実施の形態では、
{(SrO)0.2 (Fe2 3 0.8 100-X (La2
3 X の組成式を有する高磁性のフェライト粒子の製
造方法における共沈操作時のpHの影響を調べた。
【0062】本実施の形態では、前記実施の形態1と同
様に、モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)として、S
r(NO3 2 、FeCl3 ・6H2 O、La(N
3 3・6H2 Oについてそれぞれ水溶液を調製す
る。
【0063】一方、La2 3 の添加量については、X
=1.0、1.5、2.0の3つの場合について、La
(NO3 3 の水溶液を調製した。
【0064】このようにして得られた各水溶液を前記実
施の形態1の要領で混合し、さらに3規定のNaOH水
溶液で、混合溶液の液性を調製した。本実施の形態で
は、pH=12.75のアルカリ性にして、pHの影響
を調べた。その後の共沈、煮沸、水洗い、濾過、乾燥な
どの要領は、前記実施の形態1と同様にして行なった。
また、熱処理条件は、大気中で2時間1050℃とし
た。
【0065】このようにして得られたフェライト微粒子
粉末の磁気特性を、上記実施の形態1、2と同様にして
調べ、その結果を図5に示した。
【0066】図5から、pH=12.75で共沈させて
得られたフェライト微粒子粉末の飽和磁化は、pH=1
3.0における場合の飽和磁化(図2参照)に比べて、
どれも低い値となることが分かる。保磁力については、
それ程大きな差は認められない。
【0067】さらに、前記実施の形態1と同様にして、
pH=12.75で共沈させて製造したフェライト微粒
子粉末試料の粉末X線回折を行なった。その結果、La
2 3 を変えたどの試料についても、M(マグネトプラ
ンバイト)型単相は認められず、α−Fe2 3 の回折
線が認められた。
【0068】以上の結果から、共沈時の最適pH値を1
3.0とした。
【0069】(実施の形態4)本実施の形態では、La
2 3 添加量X=0.5、1.5、1.8、2.7とし
て、共沈時のpH=13.0、熱処理温度を大気中10
50℃で2時間の条件で、その他の要領は前記実施の形
態1と全く同様にしてフェライト微粒子を製造し、さら
にX線回折結果によりM型単相と認められたSrLa−
M型フェライト微粒子の化学分析を行なった。その結果
を、図6に示した。
【0070】図6から、La2 3 については添加量X
の増加につれて含有量が多くなるとともに、また、添加
量の違うそれぞれの試料において、(Sr2++La3+
の値はほぼ1に近いことが分かる。そこで、結晶構造中
のSr2+の位置が一部La3+で置換されているものと考
えられる。
【0071】さらに、実際には、Sr2+とLa3+との原
子価のバランスを取るため、2aサイトが置き代わって
Fe3+の一部がFe2+になっている。
【0072】また、ザウアー(Sauer)らは、メス
バウアー測定の図形から、12kと2bサイトにおける
Fe3+の酸素を介しての超交換作用がBaFe1219
りLaFe1219の方で強く出るため、LaFe1219
の飽和磁化がBaFe1219より高くなると報告してい
るが、Sr−La型のフェライト微粒子でも同様の作用
が考えられ、その結果前記実施の形態1で述べたように
La2 3 添加の場合の方が無添加の場合に比べて飽和
磁化が上昇したものと思われる。
【0073】(実施の形態5)本実施の形態では、前記
実施の形態で裏付けられたフェライト微粒子の最適製造
条件であるモル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)、La
2 3 添加量X=1.5、共沈時のpH=13.0、大
気中1050℃で2時間の条件で、その他は前記実施の
形態1と同様の要領で、共沈、煮沸、水洗い、濾過、乾
燥、熱処理の手順でSrLa−M型単相微粒子であるフ
ェライト微粒子を製造し、製造されたフェライト微粒子
の生成機構や磁気特性などを詳細に調べることにより、
本発明の製造方法が高磁性フェライト微粒子の製造に有
効であることを検証した。
【0074】図7に、前記実施の形態1で説明した本発
明の製造方法により得られたフェライト微粒子の磁気履
歴曲線を示した。この磁気履歴曲線から、上記条件の製
造方法により得られたフェライト微粒子は、飽和磁化σ
S =92.0×10-6Wb・m/kg(73.2emu
/g)、残留磁化Sr=46.2×10-6Wb・m/k
g(36.8emu/g)、保磁力HCJ=461.5k
A/m(5.8kOe)となり、従来にない非常に高い
磁気特性が得られることが分かった。
【0075】また、上記要領で製造されたフェライト微
粒子は、図8に示すように、そのσ−T曲線が温度上昇
とともに磁化量が小さくなる滑らかな曲線を描くため、
このことからもX線回折の結果と同様に、SrLa−M
型単相であることが裏付けられる。
【0076】さらに、キュリー温度TC は458℃で、
La添加により、Sr−M型微粒子のキュリー温度TC
=462〜464℃より低くなっていることが分かる。
【0077】また、本実施の形態の上記要領で製造され
たSrLa−M型単相微粒子の格子定数を求めた。ゴニ
オメーターの2θを1°あたり8分間で回転させて得ら
れたX線回折図形より算出した。格子定数は、a=5.
882×10-10 m、c=23.080×10-10 m、
c/a=3.924で、Sr−M型単結晶データ(R.
J.Routilらの報告による)とほぼ一致してお
り、La2 3 添加による影響はあまり見られない。
【0078】また、粒径は走査型電子顕微鏡(SEM)
を用いた観察により、平均として約0.2〜0.3μm
の微粒子が凝集していることが知られた。
【0079】さらに、昇温速度10℃/minおけるD
TA(示差熱分析)・TGA(熱重量分析)の測定を行
い、SrLa−M型フェライト粒子の生成機構を調べ
た。図9のSrLa−M型のDTA・TGのグラフか
ら、60℃付近で共沈粉末に含まれる水分の蒸発に伴う
吸熱反応と思われるピークが観察され、その後764℃
付近で発熱反応のピークが見られた。このことから、7
50℃付近からSrLa−M型六方晶フェライトの生成
が始まっていることを示唆している。
【0080】また、870℃付近の吸熱反応は、共沈粉
末に含まれるSrCO3 の分解によるものと考えられ
る。1200℃付近での発熱反応と思われるピークは、
Sr−Mの共晶点を示すものと考えられる。さらに、T
Gの推移をみると、900℃付近からほぼ一定の値を示
し、共沈粉末の温度上昇に伴う反応が終了していると考
えられる。
【0081】また、DTA・TGの昇温速度を2℃/m
in.、5℃/min.として、それぞれの場合につい
てSrLa−M型フェライトのフェライト化温度Tm
測定した。昇温速度を2℃/min.ではTm =72
7.7℃で、5℃/min.ではTm =750℃、10
℃/min.ではTm =764℃となり、昇温速度が上
昇するにつれ、フェライト化温度は高温側にシフトし
た。
【0082】さらに、上記フェライト化温度の逆数(1
/Tm )と昇温速度(=h)の常用対数(log10h)
とをアレニウスプロットして、活性化エネルギーを算出
した。図10のアレニウスプロットの直線の勾配から、
以下の式を用いて、活性化エネルギーE=227.2k
J/molを求めた。この活性化エネルギーの値は、S
r−M型フェライトの活性化エネルギーの値より高くな
り、La2 3 添加の影響が見られる。
【0083】 log10h=−E/457×1/Tm + constant 上記詳細な実験に基づく結果により、本実施の形態で
は、本発明の製造方法を使用することにより、従来には
ない非常に高い磁気特性を有するフェライト微粒子が得
られることが確認された。
【0084】なお、図11において、本実施の形態にお
ける最適製造条件で製造されたフェライト微粒子の磁気
特性を、本発明者らが先に報告した共沈法によるフェラ
イト微粒子の磁気特性とを比較して示した。
【0085】図11では、モル比=10.5の場合の
み、共沈後の煮沸の後水洗いを行なわずに濾過、乾燥し
て共沈粉末を形成した。その他の場合には、煮沸後水洗
いを行なっている。
【0086】(実施の形態6)本実施の形態では、
{(SrO)0.17(Fe2 3 0.83100-X (La2
3 X 〔モル比=10.0(=Fe3+/Sr2+)〕、
X=0.25〜1.0なる組成を有するフェライト微粒
子の湿式粉砕法を使用した製造方法について説明する。
【0087】本発明の製造方法では、先ず、{(Sr
O)0.17(Fe2 3 0.83100-X(La2 3 X
〔モル比=10.0(=Fe3+/Sr2+)〕の組成式に
おいて、X=0.25〜1.0の範囲で、Sr原料、F
e原料、La原料をそれぞれ混合した混合物を調製す
る。
【0088】次いで、上記調製した混合物を、本発明者
らが、「粉体および粉末冶金」44巻第1号(1996
年)で先に提案したメカニカル・コンパウンディング
(M.C.)法に基づき、遊星ボールミルで湿式粉砕し
て、粉砕粉をさらに乾燥させた後、大気中で熱処理して
フェライト微粒子を製造する。
【0089】上記製造方法の手順を、図12に示した。
【0090】上記混合物の調製は以下のようにして行な
う。
【0091】(SrO)0.17(Fe2 3 0.83〔モル
比=10.0(=Fe3+/Sr2+)〕の組成となるよう
に、Sr原料とFe原料とを秤取する。本実施の形態で
は、Sr原料としてSrCO3 粉末を、Fe原料として
α−Fe2 3 粉末をそれぞれ使用した。
【0092】また、La原料にはLa2 3 粉末を使用
して、0.5〜2.0重量部を秤取して、上記Sr原料
およびFe原料100重量部と合わせて混合物を調製す
る。
【0093】なお、本実施の形態では、(SrO)0.17
(Fe2 3 0.83に対するLa23 の最適添加量を
調べるために、0〜2.0重量部の範囲内で添加量を変
化させた。本実施の形態では、0.5、1.0、1.
5、2.0重量部となるように秤取し、それぞれを混合
して混合物の調製を行なった。
【0094】さらに、上記混合物を本発明者らが先に提
案したM.C.法に基づき、遊星ボールミルで湿式粉砕
する。湿式粉砕に際しては、高クロム鋼製の500cc
のポット中に、上記混合物を100g入れる。さらに、
このボールミルの中に、3mm、6mmのジルコニアボ
ールをそれぞれ0.3kg、0.6kg入れ、ジルコニ
アボールと試料の比を9:1にする。
【0095】これに、例えば水またはメタノールなどの
アルコールを入れ、回転数を300rpmで一定にし
て、粉砕粉の平均粒径が0.2μmになるまで微粉砕す
る。
【0096】このようにして得られた粉砕粉を、大気中
100℃で1時間乾燥する。さらに、乾燥後、大気中で
所定温度で熱処理して{(SrO)0.17(Fe2 3
0.83100-X (La2 3 X なる組成のフェライト微
粒子を製造する。
【0097】このフェライト微粒子の粉末を使用して、
印加磁界1600kA/m(20kOe)で測定し、σ
−H-2プロットにより飽和磁化σS を求めた。この様子
を、図13に示す。
【0098】図13から、飽和磁化σS は、La2 3
無添加の場合には、熱処理温度に影響されないことが分
かる。一方、La2 3 を添加した場合には、La2
3 の添加量が大きくなるにつれ飽和磁化σS は低下し、
さらに熱処理温度の上昇に伴い飽和磁化σS が増大する
ことが分かる。
【0099】また、保磁力については、図14に示すよ
うに、La2 3 を添加した場合の方が、La2 3
添加の場合よりかなり大きくなることが分かる。特に、
La2 3 の添加量は、1.5重量部の場合に最大にな
っている。
【0100】また、保磁力に対する熱処理温度の影響
は、1050℃まで上昇傾向を示すが、1050℃を越
ると減少を傾向を示すことが分かる。減少幅は、特に1
100℃を越えると大きくなっている。
【0101】また、結晶構造は、Fekαを使用して上
記製造方法で得られたフェライト微粒子の粉末X線回析
により調べた。粒度は、走査型電子顕微鏡(SEM)を
用いて観察した。
【0102】さらに、フェライト結晶の生成は、前記実
施の形態のように、DTA・TG曲線により調べ、磁気
特性およびキュリー温度については振動試料型磁力計
(東英工業株式会社製、VSM−III 型)で最大20k
Oeの磁場を印加して測定した。
【0103】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の
形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0104】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0105】(1).本発明の共沈を利用した製造方法
では、従来には得られなかった飽和磁化、保磁力を有す
るフェライト微粒子を製造することができる。
【0106】(2).本発明の共沈を利用した方法によ
り得られるフェライト微粒子は、従来には得られなかっ
た飽和磁化、保磁力を有するため、これを使用したフェ
ライト磁石などの高磁性化が図れる。
【0107】(3).本発明の遊星ボールミルで湿式粉
砕する製造方法では、極めて高い保磁力を有するフェラ
イト微粒子を製造することができる。
【0108】(4).本発明の遊星ボールミルで湿式粉
砕する製造方法で得られたフェライト微粒子は、高い飽
和磁化、保磁力を有するため、これを使用したボンド磁
石などのフェライト磁石の高磁性化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の手順を示すフローチャート
である。
【図2】共沈時pH=13.0、大気中で2時間105
0℃の熱処理条件で製造されるSrLa−M型フェライ
ト粒子の磁気特性に及ぼすLa2 3 添加量(X)の影
響を示すグラフである。
【図3】共沈時pH=13.0、大気中で2時間105
0℃の熱処理条件で製造されるSrLa−M型フェライ
ト粒子の各La2 3 添加量(X)におけるX線回折パ
ターンを示す図である。
【図4】モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)、共沈時
pH=13.0、La2 3 添加量X=1.5の条件で
製造されるSrLa−M型フェライト粒子の磁気特性に
及ぼす熱処理温度の影響を示すグラフである。
【図5】モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)、共沈時
pH=12.75の条件で製造されるSrLa−M型フ
ェライト粒子の磁気特性に及ぼすLa2 3 添加量
(X)の影響を示すグラフである。
【図6】共沈時pH=13.0、大気中で2時間105
0℃の熱処理条件で製造されるSrLa−M型フェライ
ト粒子の各La2 3 添加量(X)における化学分析結
果を示すものである。
【図7】モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)、共沈時
pH=13.0、La2 3 添加量X=1.5の条件で
製造されるSrLa−M型フェライト粒子の磁気履歴曲
線を示すグラフである。
【図8】モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)、共沈時
pH=13.0、La2 3 添加量X=1.5、大気中
で2時間1050℃の熱処理条件で製造されるSrLa
−M型フェライト粒子のσ−T曲線を示すグラフであ
る。
【図9】モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)、共沈時
pH=13.0、La2 3 添加量X=1.5、大気中
で2時間1050℃の熱処理条件で製造されるSrLa
−M型フェライト粒子のDTA・TG曲線を示すグラフ
である。
【図10】モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)、共沈
時pH=13.0、La2 3 添加量X=1.5、大気
中で2時間1050℃の熱処理条件で製造されるSrL
a−M型フェライト粒子の昇温速度hと温度の逆数1/
m によるアレニウスプロットを示すグラフである。
【図11】モル比=8.0(=Fe3+/Sr2+)、共沈
時pH=13.0、La2 3 添加量X=1.5、大気
中で2時間1050℃の熱処理条件で製造されるSrL
a−M型フェライト粒子の磁気特性を、他のフェライト
粒子と比較したものである。
【図12】本発明の他の製造方法の手順を示すフローチ
ャートである。
【図13】遊星ボールミルによる本発明の湿式粉砕によ
り製造されたフェライト微粒子の飽和磁化に及ぼす熱処
理温度の影響を示す図である。
【図14】遊星ボールミルによる本発明の湿式粉砕によ
り製造されたフェライト微粒子の保磁力に及ぼす熱処理
温度の影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯村 勉 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属株 式会社磁性材料研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 {(SrO)0.2 (Fe2 3 0.8
    100-X (La2 3X なる式中、X=1.0〜2.5
    なる組成を有するフェライト粒子の製造方法であって、 Sr原料とFe原料とをモル比=7〜9(=Fe3+/S
    2+)の比率で含むとともに、La原料を前記X=1.
    0〜2.5となるように含む水溶液を調製する工程と、 前記水溶液からアルカリ性下で沈殿物を共沈させる工程
    と、 前記沈殿物を濾過して乾燥後、900〜1150℃で熱
    処理する工程とを有することを特徴とするフェライト粒
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフェライト粒子の製造方
    法において、 Sr原料がSr(NO3 2 であり、Fe原料がFeC
    3 ・6H2 Oであるとともに、La原料がLa(NO
    3 3 ・6H2 Oであることを特徴とするフェライト粒
    子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のフェライト粒子の製造方
    法において、 沈殿物の共沈をpH=13で行なったことを特徴とする
    フェライト粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 {(SrO)0.2 (Fe2 3 0.8
    100-X (La2 3X なる式中、X=1.0〜2.5
    なる組成を有するフェライト粒子であって、 前記フェライト粒子の飽和磁化σS が88×10-6Wb
    ・m/kg以上であるとともに、保磁力HCJが430k
    A/m以上であることを特徴とするフェライト粒子。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のフェライト粒子におい
    て、 前記フェライト粒子が、請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載のフェライト粒子の製造方法により製造されて
    いることを特徴とするフェライト粒子。
  6. 【請求項6】 {(SrO)0.17(Fe2 3 0.83
    100-X (La2 3X なる式中、X=0.25〜1.
    0なる組成を有するフェライト粒子の製造方法であっ
    て、 Sr原料とFe原料とをモル比=10(=Fe3+/Sr
    2+)の比率で含むとともに、これらの原料100重量部
    にLa2 3 を0.5〜2.0重量部添加した混合物を
    調製する工程と、 前記混合物を遊星ボールミルで湿式粉砕する工程と、 湿式粉砕後の粉砕粉を乾燥する工程と、 乾燥後粉砕粉を大気中900〜1150℃で熱処理する
    工程とを有することを特徴とするフェライト粒子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のフェライト粒子の製造方
    法で製造されたことを特徴とするフェライト粒子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010018964A3 (ko) * 2008-08-13 2010-06-10 주식회사 이엠따블유 페라이트 제조방법

Cited By (3)

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WO2010018964A3 (ko) * 2008-08-13 2010-06-10 주식회사 이엠따블유 페라이트 제조방법
CN102217011A (zh) * 2008-08-13 2011-10-12 株式会社Emw 铁氧体制造方法
JP2011530479A (ja) * 2008-08-13 2011-12-22 イーエムダブリュ カンパニー リミテッド フェライトの製造方法

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