JPH1112098A - 半導体結晶成長方法及びフォトリフラクティブ素子 - Google Patents
半導体結晶成長方法及びフォトリフラクティブ素子Info
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- JPH1112098A JPH1112098A JP16843497A JP16843497A JPH1112098A JP H1112098 A JPH1112098 A JP H1112098A JP 16843497 A JP16843497 A JP 16843497A JP 16843497 A JP16843497 A JP 16843497A JP H1112098 A JPH1112098 A JP H1112098A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生産性、安全性に優れたMOCVD法または
MOVPE法によって電気的に高抵抗のIII−V族化
合物半導体結晶を成長させることのできる半導体結晶成
長方法を提供し、更に、フォトリフラクティブ素子の高
性能化を図る。 【解決手段】 III−V族化合物半導体結晶1の結晶
成長時において、結晶成長用ソース2に塩化エチル等の
塩化アルキルガス3を添加する。
MOVPE法によって電気的に高抵抗のIII−V族化
合物半導体結晶を成長させることのできる半導体結晶成
長方法を提供し、更に、フォトリフラクティブ素子の高
性能化を図る。 【解決手段】 III−V族化合物半導体結晶1の結晶
成長時において、結晶成長用ソース2に塩化エチル等の
塩化アルキルガス3を添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、III−V族化合
物半導体結晶の半導体結晶成長方法に関し、詳しくは、
半導体結晶の高抵抗化に関し、更に、非線形光学現象の
一つであるフォトリフラクティブ効果を発揮するフォト
リフラクティブ素子に関する。
物半導体結晶の半導体結晶成長方法に関し、詳しくは、
半導体結晶の高抵抗化に関し、更に、非線形光学現象の
一つであるフォトリフラクティブ効果を発揮するフォト
リフラクティブ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ画像処理技術、及
び、半導体技術の飛躍的な進歩により、電気的な画像処
理技術が主流であったが、並列/直列変換による律速や
LSI(大規模集積回路)の配線遅延等による帯域制限
のため、電気的な画像処理技術だけによる高速化に限界
が見え始め、光本来の超並列性を生かし、新しい非線形
光学現象等を積極的に取り入れた新しい光情報処理に関
する研究が活発である。中でも、フォトリフラクティブ
効果に起因する光波の干渉現象である2光波混合、4光
波混合による位相共役波の発生の光情報処理への応用に
ついての有意義な示唆がなされている。
び、半導体技術の飛躍的な進歩により、電気的な画像処
理技術が主流であったが、並列/直列変換による律速や
LSI(大規模集積回路)の配線遅延等による帯域制限
のため、電気的な画像処理技術だけによる高速化に限界
が見え始め、光本来の超並列性を生かし、新しい非線形
光学現象等を積極的に取り入れた新しい光情報処理に関
する研究が活発である。中でも、フォトリフラクティブ
効果に起因する光波の干渉現象である2光波混合、4光
波混合による位相共役波の発生の光情報処理への応用に
ついての有意義な示唆がなされている。
【0003】フォトリフラクティブ効果を有する材料と
しては、BSO(Bi12SiO20)等の常誘電体、Li
NbO3 やBaTiO3 等の強誘電体、GaAs等の化
合物半導体が知られているが、光情報処理への応用の中
でも実時間処理や高速処理が要求される応用では、フォ
トリフラクティブ効果における最小応答時間の短いもの
が要求される。この最小応答時間は、例えば、常誘電体
のBSO(Bi12SiO20)でミリ秒オーダーであるの
に対して、バルクのGaAs化合物半導体で10マイク
ロ秒オーダーと短く、更に、量子井戸構造を用いること
でマイクロ秒オーダー以下まで高速化できる可能性があ
る。
しては、BSO(Bi12SiO20)等の常誘電体、Li
NbO3 やBaTiO3 等の強誘電体、GaAs等の化
合物半導体が知られているが、光情報処理への応用の中
でも実時間処理や高速処理が要求される応用では、フォ
トリフラクティブ効果における最小応答時間の短いもの
が要求される。この最小応答時間は、例えば、常誘電体
のBSO(Bi12SiO20)でミリ秒オーダーであるの
に対して、バルクのGaAs化合物半導体で10マイク
ロ秒オーダーと短く、更に、量子井戸構造を用いること
でマイクロ秒オーダー以下まで高速化できる可能性があ
る。
【0004】従来、例えば、量子井戸構造のAlGaA
s/GaAs系化合物半導体結晶をMOCVD(met
alorganic chemical vapor
deposition)法またはMOVPE(meta
lorganic vapor phase epit
axy)法によって成長させる場合に、特別に不純物の
ドーピングを行わずとも、有機金属であるトリエチルガ
リウム(TEGa)とトリメチルアルミニウム(TMA
l)が熱分解することによってエチルラジカルとメチル
ラジカルが生成し、また、エチルラジカル同士の反応に
よりメチルラジカルが生成し、このメチルラジカルの生
成が主要因となって、炭素原子がAs原子と置換するよ
うに結晶中に取り込まれ、その炭素原子がアクセプタと
して作用し、結果として、半導体結晶はP型半導体とな
り、真性状態に比べ電気的に低抵抗なものとなってしま
っていた。
s/GaAs系化合物半導体結晶をMOCVD(met
alorganic chemical vapor
deposition)法またはMOVPE(meta
lorganic vapor phase epit
axy)法によって成長させる場合に、特別に不純物の
ドーピングを行わずとも、有機金属であるトリエチルガ
リウム(TEGa)とトリメチルアルミニウム(TMA
l)が熱分解することによってエチルラジカルとメチル
ラジカルが生成し、また、エチルラジカル同士の反応に
よりメチルラジカルが生成し、このメチルラジカルの生
成が主要因となって、炭素原子がAs原子と置換するよ
うに結晶中に取り込まれ、その炭素原子がアクセプタと
して作用し、結果として、半導体結晶はP型半導体とな
り、真性状態に比べ電気的に低抵抗なものとなってしま
っていた。
【0005】一方、フォトリフラクティブ素子としての
化合物半導体は、フォトリフラクティブ効果が効率的に
発現する条件として、半導体結晶内に自由電子が殆ど存
在しない高抵抗状態であることが要求されるが、その半
導体結晶がMOCVD法またはMOVPE法によって作
製されると、P型化して電気的に低抵抗なものとなるこ
とが避けがたいため、従来は、MOCVD法またはMO
VPE法によらずMBE(molecular bea
m epitaxy)法を用いて高抵抗の半導体結晶が
作製されていた。
化合物半導体は、フォトリフラクティブ効果が効率的に
発現する条件として、半導体結晶内に自由電子が殆ど存
在しない高抵抗状態であることが要求されるが、その半
導体結晶がMOCVD法またはMOVPE法によって作
製されると、P型化して電気的に低抵抗なものとなるこ
とが避けがたいため、従来は、MOCVD法またはMO
VPE法によらずMBE(molecular bea
m epitaxy)法を用いて高抵抗の半導体結晶が
作製されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、III−
V族化合物半導体結晶をフォトリフラクティブ素子とし
て応用するために、その半導体結晶が高抵抗であること
が要求され、従来はMBE法によって作製されていた。
ところで、一般に、MBE法とMOCVD法またはMO
VPE法とを比較した場合、MOCVD法等の方が、生
産性、組成制御性の点で優れており、MBE法の方が膜
厚制御性、低温成長の点で優れている。MBE法の方が
膜厚制御性に優れているのは、結晶の成長速度が1桁ほ
ど遅いためであり、逆に生産性を低下させる一因となっ
ている。また、MOCVD法等は、ガス流量の調整によ
って結晶成長用のソース供給量の制御が簡単に行えるた
め、組成制御を必要とする場合に有利であり、生産性の
点でもMBE法に対して有利となるのである。一方、フ
ォトリフラクティブ素子として高速なものを得るため
に、多層構造による多重量子井戸(MQW)構造の採用
が提案されているが、例えば60層のMQWを形成する
場合、前記ソース供給量を60回設定変更する必要があ
り、この点において組成制御性に優れたMOCVD法等
の方がMBE法より、操作性、生産性の点でMQW構造
に適しているのである。また、MBE法は超高真空状態
が必要なため、装置の信頼性の点でも、MOCVD法等
の方が装置の取り扱い、安全性の点で有利である。本発
明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的
は、生産性、安全性に優れたMOCVD法またはMOV
PE法によって電気的に高抵抗のIII−V族化合物半
導体結晶を成長させることのできる半導体結晶成長方法
を提供し、更に、高性能なフォトリフラクティブ素子を
提供する点にある。
V族化合物半導体結晶をフォトリフラクティブ素子とし
て応用するために、その半導体結晶が高抵抗であること
が要求され、従来はMBE法によって作製されていた。
ところで、一般に、MBE法とMOCVD法またはMO
VPE法とを比較した場合、MOCVD法等の方が、生
産性、組成制御性の点で優れており、MBE法の方が膜
厚制御性、低温成長の点で優れている。MBE法の方が
膜厚制御性に優れているのは、結晶の成長速度が1桁ほ
ど遅いためであり、逆に生産性を低下させる一因となっ
ている。また、MOCVD法等は、ガス流量の調整によ
って結晶成長用のソース供給量の制御が簡単に行えるた
め、組成制御を必要とする場合に有利であり、生産性の
点でもMBE法に対して有利となるのである。一方、フ
ォトリフラクティブ素子として高速なものを得るため
に、多層構造による多重量子井戸(MQW)構造の採用
が提案されているが、例えば60層のMQWを形成する
場合、前記ソース供給量を60回設定変更する必要があ
り、この点において組成制御性に優れたMOCVD法等
の方がMBE法より、操作性、生産性の点でMQW構造
に適しているのである。また、MBE法は超高真空状態
が必要なため、装置の信頼性の点でも、MOCVD法等
の方が装置の取り扱い、安全性の点で有利である。本発
明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的
は、生産性、安全性に優れたMOCVD法またはMOV
PE法によって電気的に高抵抗のIII−V族化合物半
導体結晶を成長させることのできる半導体結晶成長方法
を提供し、更に、高性能なフォトリフラクティブ素子を
提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の第一の特徴構成は、半導体結晶成長方法に関
し、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した通り、M
OCVD法またはMOVPE法によるIII−V族化合
物半導体結晶成長時において、結晶成長用ソースに塩化
エチル等の塩化アルキルガスを添加する点にある。
の本発明の第一の特徴構成は、半導体結晶成長方法に関
し、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した通り、M
OCVD法またはMOVPE法によるIII−V族化合
物半導体結晶成長時において、結晶成長用ソースに塩化
エチル等の塩化アルキルガスを添加する点にある。
【0008】同第二の特徴構成は、半導体結晶成長方法
に関し、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した通
り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記III−V族
化合物半導体結晶がAlGaAs/GaAs系化合物半
導体結晶であって、前記結晶成長用ソースがトリエチル
ガリウム、トリメチルアルミニウム、アルシンである点
にある。
に関し、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した通
り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記III−V族
化合物半導体結晶がAlGaAs/GaAs系化合物半
導体結晶であって、前記結晶成長用ソースがトリエチル
ガリウム、トリメチルアルミニウム、アルシンである点
にある。
【0009】同第三の特徴構成は、フォトリフラクティ
ブ素子に関し、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載し
た通り、上述の第一または第二の特徴構成の半導体結晶
成長方法で作製された前記III−V族化合物半導体結
晶を備えてなる点にある。
ブ素子に関し、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載し
た通り、上述の第一または第二の特徴構成の半導体結晶
成長方法で作製された前記III−V族化合物半導体結
晶を備えてなる点にある。
【0010】以下に作用及び効果を説明する。第一また
は第二の特徴構成によれば、III−V族化合物半導体
結晶またはその一例であるAlGaAs/GaAs系化
合物半導体の結晶成長時の炭素原子の結晶中への取り込
みが抑制され、MBE法によらずに、半導体結晶の高抵
抗化が図れるのである。結果として、半導体製造工程に
おける生産性及び安全性の向上が期待できるのである。
は第二の特徴構成によれば、III−V族化合物半導体
結晶またはその一例であるAlGaAs/GaAs系化
合物半導体の結晶成長時の炭素原子の結晶中への取り込
みが抑制され、MBE法によらずに、半導体結晶の高抵
抗化が図れるのである。結果として、半導体製造工程に
おける生産性及び安全性の向上が期待できるのである。
【0011】特に第二の特徴構成によれば、更にAlG
aAs/GaAs結晶膜を多層構造にして多重量子井戸
構造を形成することができ、半導体結晶自体の高抵抗化
と併せて、より効率的なフォトリフラクティブ効果の発
現が可能となる。組成制御性に優れたMOCVD法また
はMOVPE法を使用することで、前記多層構造におけ
る各結晶膜の成長条件の制御がMBE法に比べ容易であ
り、前記多層構造がより効率的なフォトリフラクティブ
効果の発現のために、例えば、60層程度の多層に及ぶ
場合において、特に、生産性の向上が顕著となる。
aAs/GaAs結晶膜を多層構造にして多重量子井戸
構造を形成することができ、半導体結晶自体の高抵抗化
と併せて、より効率的なフォトリフラクティブ効果の発
現が可能となる。組成制御性に優れたMOCVD法また
はMOVPE法を使用することで、前記多層構造におけ
る各結晶膜の成長条件の制御がMBE法に比べ容易であ
り、前記多層構造がより効率的なフォトリフラクティブ
効果の発現のために、例えば、60層程度の多層に及ぶ
場合において、特に、生産性の向上が顕著となる。
【0012】第三の特徴構成によれば、先ず、フォトリ
フラクティブ効果を発揮する材料がIII−V族化合物
半導体結晶であるため、従来の技術の欄で示した誘電体
材料のものと比べて高速応答が可能であり、その上、上
述の第一または第二の特徴構成における作用効果を享受
するため、高品質で高性能なフォトリフラクティブ素子
を提供できるのである。
フラクティブ効果を発揮する材料がIII−V族化合物
半導体結晶であるため、従来の技術の欄で示した誘電体
材料のものと比べて高速応答が可能であり、その上、上
述の第一または第二の特徴構成における作用効果を享受
するため、高品質で高性能なフォトリフラクティブ素子
を提供できるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る半導体結晶
成長方法の一実施形態(以下、本発明方法という)を、
AlGaAs/GaAs系化合物半導体について、図面
に基づいて説明する。
成長方法の一実施形態(以下、本発明方法という)を、
AlGaAs/GaAs系化合物半導体について、図面
に基づいて説明する。
【0014】図1に示すように、MOCVD装置4に、
結晶成長用ソース2と塩化アルキルガス3を供給して、
III−V族化合物半導体結晶であるAlGaAs/G
aAs系化合物半導体結晶1の多層膜1aをGaAs基
板5上に成長させる。ここで、前記結晶成長用ソース2
は有機金属原料であるトリエチルガリウム(TEG
a)、トリメチルアルミニウム(TMAl)と、アルシ
ン(AsH3 )ガスであり、前記有機金属原料は水素キ
ャリアガスでガス化され前記MOCVD装置4に供給さ
れる。前記塩化アルキルガス3はN2 希釈で2.4%の
塩化エチル(C2 H5 Cl)を使用する。成長条件を表
1に示す。尚、表1において、TEGa及びTMAlの
流量は成長速度の設定に応じて変化する。
結晶成長用ソース2と塩化アルキルガス3を供給して、
III−V族化合物半導体結晶であるAlGaAs/G
aAs系化合物半導体結晶1の多層膜1aをGaAs基
板5上に成長させる。ここで、前記結晶成長用ソース2
は有機金属原料であるトリエチルガリウム(TEG
a)、トリメチルアルミニウム(TMAl)と、アルシ
ン(AsH3 )ガスであり、前記有機金属原料は水素キ
ャリアガスでガス化され前記MOCVD装置4に供給さ
れる。前記塩化アルキルガス3はN2 希釈で2.4%の
塩化エチル(C2 H5 Cl)を使用する。成長条件を表
1に示す。尚、表1において、TEGa及びTMAlの
流量は成長速度の設定に応じて変化する。
【0015】表1に示す成長条件において、塩化エチル
添加の効果を確認するために、成長させたAlGaAs
のフォトルミネッセンス発光強度を塩化エチル添加の有
無で比較した。
添加の効果を確認するために、成長させたAlGaAs
のフォトルミネッセンス発光強度を塩化エチル添加の有
無で比較した。
【0016】図2に示すように、塩化エチルを添加しな
い場合(図中実線で示す)は、フォトルミネッセンス発
光強度のピーク値(図中A)が6.54mV(673.
6nm)であったのに対して、塩化エチルを表1に示す
条件で添加した場合(図中破線で示す)は、同ピーク値
(図中A’)が0.89mV(663.7nm)に減少
していることが確認できた。一方、AlGaAsのピー
ク値は塩化エチルの添加の有無にかかわらず0.15m
Vであった(図中Bと図中B’)。尚、発光波長が塩化
エチルの添加の有無で異なっているのは、塩化エチルの
添加によりAlの組成比が0.281から0.298に
移動したための副作用であり、実際の条件設定では塩化
エチルの添加によって有機金属原料の流量比を適切に調
整する必要を示唆している。
い場合(図中実線で示す)は、フォトルミネッセンス発
光強度のピーク値(図中A)が6.54mV(673.
6nm)であったのに対して、塩化エチルを表1に示す
条件で添加した場合(図中破線で示す)は、同ピーク値
(図中A’)が0.89mV(663.7nm)に減少
していることが確認できた。一方、AlGaAsのピー
ク値は塩化エチルの添加の有無にかかわらず0.15m
Vであった(図中Bと図中B’)。尚、発光波長が塩化
エチルの添加の有無で異なっているのは、塩化エチルの
添加によりAlの組成比が0.281から0.298に
移動したための副作用であり、実際の条件設定では塩化
エチルの添加によって有機金属原料の流量比を適切に調
整する必要を示唆している。
【0017】いずれにせよ、塩化エチルの添加によって
フォトルミネッセンス発光強度が減少したということ
は、アクセプタとして作用する結晶中に取り込まれた炭
素原子が減少したことを意味しており、成長したAlG
aAs結晶の電気抵抗が塩化エチルの添加により高抵抗
化できることを証明している。
フォトルミネッセンス発光強度が減少したということ
は、アクセプタとして作用する結晶中に取り込まれた炭
素原子が減少したことを意味しており、成長したAlG
aAs結晶の電気抵抗が塩化エチルの添加により高抵抗
化できることを証明している。
【0018】
【表1】
【0019】次に、本発明に係るフォトリフラクティブ
素子の一実施の形態(以下、本発明素子という)につ
き、図面に基づいて説明する。
素子の一実施の形態(以下、本発明素子という)につ
き、図面に基づいて説明する。
【0020】本発明方法で作製されたAlGaAs/G
aAs系化合物半導体1の多層膜1aをフォトリフラク
ティブ素子として機能させるためには、結晶中に均一な
外部電界(約10kV/cm)を発生させるための電極
を形成する必要があり、以下に、その電極形成の一例を
図3に示す工程図に基づいて説明する。
aAs系化合物半導体1の多層膜1aをフォトリフラク
ティブ素子として機能させるためには、結晶中に均一な
外部電界(約10kV/cm)を発生させるための電極
を形成する必要があり、以下に、その電極形成の一例を
図3に示す工程図に基づいて説明する。
【0021】図3に示すように、工程1では、GaAs
基板5上に本発明方法であるMOCVD法によってAl
GaAs/GaAs系化合物半導体1の多層膜1aを成
長させる。前記多層膜1aは60層で、多重量子井戸構
造を形成する。また、前記多層膜1aの厚みは約2μm
である。
基板5上に本発明方法であるMOCVD法によってAl
GaAs/GaAs系化合物半導体1の多層膜1aを成
長させる。前記多層膜1aは60層で、多重量子井戸構
造を形成する。また、前記多層膜1aの厚みは約2μm
である。
【0022】工程2では、熱CVDまたはスパッタリン
グで、SiO2 の絶縁保護膜6を前記多層膜1a上に形
成する。
グで、SiO2 の絶縁保護膜6を前記多層膜1a上に形
成する。
【0023】工程3では、レジストを用いた通常のフォ
トリソグラフィ処理により、前記絶縁保護膜6のパター
ニングを行う。
トリソグラフィ処理により、前記絶縁保護膜6のパター
ニングを行う。
【0024】工程4では、工程3でパターニングされた
前記絶縁保護膜6をマスクとしてプラズマエッチングま
たは気相エッチングで前記多層膜1aを前記GaAs基
板5までエッチングする。尚、本工程のエッチングによ
って形成された前記多層膜1aの左右の端面1bは、前
記GaAs基板5に対して略垂直に形成される。前記左
右一対の端面1b間の距離は2mmである。
前記絶縁保護膜6をマスクとしてプラズマエッチングま
たは気相エッチングで前記多層膜1aを前記GaAs基
板5までエッチングする。尚、本工程のエッチングによ
って形成された前記多層膜1aの左右の端面1bは、前
記GaAs基板5に対して略垂直に形成される。前記左
右一対の端面1b間の距離は2mmである。
【0025】工程5では、前記GaAs基板5及び工程
4で形成された前記多層膜1aと前記絶縁保護膜6全面
にレジスト7を塗布した後、前記絶縁保護膜6上の一部
及びその他の電極を形成しない部分を残して当該レジス
ト7を除去するレジストのパターニングを行う。
4で形成された前記多層膜1aと前記絶縁保護膜6全面
にレジスト7を塗布した後、前記絶縁保護膜6上の一部
及びその他の電極を形成しない部分を残して当該レジス
ト7を除去するレジストのパターニングを行う。
【0026】工程6では、全面に電極用金属8である金
を蒸着する。
を蒸着する。
【0027】工程7では、工程5でパターニングした前
記レジスト7をリフトオフ処理で除去すると、前記レジ
スト7に接触していた前記電極用金属8が同時に除去さ
れ、前記電極用金属8がパターニングされ、一対の電極
9が形成される。
記レジスト7をリフトオフ処理で除去すると、前記レジ
スト7に接触していた前記電極用金属8が同時に除去さ
れ、前記電極用金属8がパターニングされ、一対の電極
9が形成される。
【0028】工程8では、工程7で完成されたフォトリ
フラクティブ素子を、裏面研磨して、前記ガラス基板1
0上に接着して、外部電界を印加することでフォトリフ
ラクティブ効果を発揮することのできるフォトリフラク
ティブ素子が作製される。
フラクティブ素子を、裏面研磨して、前記ガラス基板1
0上に接着して、外部電界を印加することでフォトリフ
ラクティブ効果を発揮することのできるフォトリフラク
ティブ素子が作製される。
【0029】図3に示す電極形成方法によれば、前記一
対の端面1bが前記GaAs基板5に対して略垂直に形
成されるため、前記一対の電極9は前記多層膜1aを挟
んで互いに平行に対向し、且つ、その電極面が結晶成長
方向とも平行であるため、前記多層膜1aに対して平行
で均一な外部電界を発生させることができ、外部電界が
一様でないことに起因するフォトリフラクティブ効果の
性能劣化を未然に防止できることに注意を要する。
対の端面1bが前記GaAs基板5に対して略垂直に形
成されるため、前記一対の電極9は前記多層膜1aを挟
んで互いに平行に対向し、且つ、その電極面が結晶成長
方向とも平行であるため、前記多層膜1aに対して平行
で均一な外部電界を発生させることができ、外部電界が
一様でないことに起因するフォトリフラクティブ効果の
性能劣化を未然に防止できることに注意を要する。
【0030】尚、本発明素子の場合、前記一対の端面1
b間の距離(2mm)が前記一対の電極9間の距離とな
り、その電極間に印加すべき電圧は、所定の電界(10
kV/cm)を得るために2kVが印加される。尚、こ
の印加電圧は、前記電極間間隔が変われば、それに応じ
た調整を要するが、その電極間間隔は、フォトリフラク
ティブ素子に入射するビーム径に応じて決定される。
b間の距離(2mm)が前記一対の電極9間の距離とな
り、その電極間に印加すべき電圧は、所定の電界(10
kV/cm)を得るために2kVが印加される。尚、こ
の印加電圧は、前記電極間間隔が変われば、それに応じ
た調整を要するが、その電極間間隔は、フォトリフラク
ティブ素子に入射するビーム径に応じて決定される。
【0031】また、本発明素子に使用する入射光のレー
ザ光源の発振波長は、AlGaAs/GaAsの感度域
に合わせて決定され、約800nmから1500nmで
あり、前記絶縁保護膜6及び前記ガラス基板10は当該
波長域の入射光を透過するものを使用する。
ザ光源の発振波長は、AlGaAs/GaAsの感度域
に合わせて決定され、約800nmから1500nmで
あり、前記絶縁保護膜6及び前記ガラス基板10は当該
波長域の入射光を透過するものを使用する。
【0032】以下に、別実施形態を説明する。 〈1〉本実施形態では、本発明方法をAlGaAs/G
aAs多層膜の化合物半導体の結晶成長に適用したが、
他のIII−V族化合物半導体結晶の成長に適用しても
構わない。また、前記結晶成長用ソース2としての有機
金属材料及び材料ガス、更に、成長条件は本実施形態に
限定されるものではない。 〈2〉本実施形態では、本発明素子は、III−V族化
合物半導体結晶として多重量子井戸構造を有するAlG
aAs/GaAs系化合物半導体結晶1の多層膜1aを
備えているが、他のIII−V族化合物半導体結晶であ
っても構わない。また、必ずしも多重量子井戸構造を有
していなくてもよく、単一の量子井戸構造であっても構
わない。また、電極構造も、本実施形態の構造あるいは
形成方法に限定されるものではない。
aAs多層膜の化合物半導体の結晶成長に適用したが、
他のIII−V族化合物半導体結晶の成長に適用しても
構わない。また、前記結晶成長用ソース2としての有機
金属材料及び材料ガス、更に、成長条件は本実施形態に
限定されるものではない。 〈2〉本実施形態では、本発明素子は、III−V族化
合物半導体結晶として多重量子井戸構造を有するAlG
aAs/GaAs系化合物半導体結晶1の多層膜1aを
備えているが、他のIII−V族化合物半導体結晶であ
っても構わない。また、必ずしも多重量子井戸構造を有
していなくてもよく、単一の量子井戸構造であっても構
わない。また、電極構造も、本実施形態の構造あるいは
形成方法に限定されるものではない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
AlGaAs/GaAs系化合物半導体結晶等のIII
−V族化合物半導体結晶内に炭素原子がアクセプタとし
て作用するように取り込まれるのを抑制し、半導体結晶
の電気抵抗の高抵抗化が図れるのである。更に、本発明
方法を電気的に高抵抗の半導体結晶が要求されるフォト
リフラクティブ素子に適用することでフォトリフラクテ
ィブ効果の高性能化を図ることができる。
AlGaAs/GaAs系化合物半導体結晶等のIII
−V族化合物半導体結晶内に炭素原子がアクセプタとし
て作用するように取り込まれるのを抑制し、半導体結晶
の電気抵抗の高抵抗化が図れるのである。更に、本発明
方法を電気的に高抵抗の半導体結晶が要求されるフォト
リフラクティブ素子に適用することでフォトリフラクテ
ィブ効果の高性能化を図ることができる。
【0034】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図1】本発明に係る半導体結晶成長方法を説明するM
OCVD装置の簡略図
OCVD装置の簡略図
【図2】AlGaAsのフォトルミネッセンス発光強度
を示す図
を示す図
【図3】本発明に係るフォトリフラクティブ素子の製造
工程図
工程図
1 III−V族化合物半導体結晶 1a 多層膜 1b 端面 2 結晶成長用ソース 3 塩化アルキルガス 4 MOCVD装置 5 GaAs基板 6 絶縁保護膜 7 レジスト 8 電極用金属 9 電極 10 ガラス基板
Claims (3)
- 【請求項1】 III−V族化合物半導体結晶(1)を
MOCVD法またはMOVPE法によって成長させる半
導体結晶成長方法であって、結晶成長時において、結晶
成長用ソース(2)に塩化エチル等の塩化アルキルガス
(3)を添加することを特徴とする半導体結晶成長方
法。 - 【請求項2】 前記III−V族化合物半導体結晶
(1)がAlGaAs/GaAs系化合物半導体結晶で
あって、前記結晶成長用ソース(2)がトリエチルガリ
ウム、トリメチルアルミニウム、アルシンである請求項
1記載の半導体結晶成長方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の半導体結晶成長
方法で作製された前記III−V族化合物半導体結晶
(1)を備えてなるフォトリフラクティブ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16843497A JPH1112098A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 半導体結晶成長方法及びフォトリフラクティブ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16843497A JPH1112098A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 半導体結晶成長方法及びフォトリフラクティブ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112098A true JPH1112098A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15868053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16843497A Pending JPH1112098A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 半導体結晶成長方法及びフォトリフラクティブ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1112098A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2004090148A1 (ja) * | 2003-04-10 | 2006-07-06 | ダイヤニトリックス株式会社 | 酵素を用いた高品質アクリルアミド系ポリマーの製造方法 |
-
1997
- 1997-06-25 JP JP16843497A patent/JPH1112098A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2004090148A1 (ja) * | 2003-04-10 | 2006-07-06 | ダイヤニトリックス株式会社 | 酵素を用いた高品質アクリルアミド系ポリマーの製造方法 |
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