JPH11120967A - 薄形二次電池 - Google Patents

薄形二次電池

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JPH11120967A
JPH11120967A JP9282087A JP28208797A JPH11120967A JP H11120967 A JPH11120967 A JP H11120967A JP 9282087 A JP9282087 A JP 9282087A JP 28208797 A JP28208797 A JP 28208797A JP H11120967 A JPH11120967 A JP H11120967A
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heat
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Toshiharu Kurisu
俊治 栗栖
Aiichiro Fujiwara
愛一郎 藤原
Isato Kachi
勇人 加地
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール性に優れ、外部からの湿気等の侵入を
防止した薄形二次電池を提供しようとするものである。 【解決手段】 正極、セパレータおよび負極を有する薄
形発電要素と、少くとも内面に熱融着性樹脂フィルムが
配された積層フィルムからなり、前記発電要素を密封し
て収納すると共に、前記熱融着性樹脂フィルムを互いに
熱融着したシール部を有する封止材と、少なくとも一方
が周縁に枠状突起を有する形状をなす一対の外装片から
なり、これらの外装片の間に前記封止材をその少なくと
もシール部が前記外装片の枠状突起に位置するように収
納し、前記外装片と前記シール部とを熱融着することに
より前記封止材を密封した外装部材とを具備したことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄形二次電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の発達にともない、小型
で軽量、かつエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放
電が可能な二次電池の開発が要望されている。このよう
な二次電池としては、リチウムまたはリチウム合金を活
物質とする負極と、モリブデン、バナジウム、チタンあ
るいはニオブなどの酸化物、硫化物もしくはセレン化物
を活物質とする正極とを具備したリチウム二次電池が知
られている。しかしながら、リチウムまたはリチウム合
金を活物質とする負極を備えた二次電池は、充放電サイ
クルを繰り返すと負極にリチウムのデンドライトが発生
するため、充放電サイクル寿命が短いという問題点があ
る。
【0003】このようなことから、負極に、例えばコー
クス、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成体、熱分解気相炭素の
ようなリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を用
い、LiPF6 のような電解質およびエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネートのような非水溶媒からな
る電解液を用いた非水溶媒二次電池が提案されている。
前記非水溶媒二次電池は、デンドライト析出による負極
特性の劣化を改善することができるため、電池寿命と安
全性を向上することができる。
【0004】一方、例えばポリマーリチウムイオン二次
電池のような0.5mm程度の厚さを有する薄形二次電
池は、小型、軽量を重視する携帯パソコンのようなコー
ドレス機器の電源として注目され、その開発が活発に進
められている。
【0005】前記薄形二次電池の実用化にあたっての重
要な要素技術は、正極、負極の活物質の選択、電池の構
成技術の他に、封止材による薄形発電要素池の密封技術
が挙げられる。前記封止材による前記薄形発電要素の密
封性が低下すると、前記発電要素を構成する電解液が揮
発、漏洩して電池反応を低減させるばかりか、外部から
湿気が容易に侵入して性能低下を招く。
【0006】このようなことから、従来より内面に熱融
着性樹脂フィルムが配された積層フィルムからなる封止
材内に正極、セパレータおよび負極を有する薄形発電要
素を収納すると共に、前記熱融着性樹脂フィルムを互い
に熱融着して熱シールし前記発電要素を密封した構造の
薄形二次電池が知られている。前記封止材は、例えば熱
融着性樹脂フィルム、アルミニウム箔のようなバリアフ
ィルムおよびポリエチレンテレフタレートフィルムのよ
うな剛性を有する樹脂フィルムを少なくともこの順序で
積層した積層フィルムからなる。
【0007】しかしながら、前述した構造の薄形二次電
池は充放電の繰り返しに際し、内部にガスが発生し、内
圧が上昇して膨脹すると、熱シール部でのシール性が低
下する。このように薄型二次電池のシール性が低下する
と、湿気が内部に侵入して発電要素(特に電解液)が劣
化して充放電サイクル特性を著しく低下するという問題
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シール性に
優れ、外部からの湿気等の侵入を防止した薄形二次電池
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる薄形二次
電池は、正極、セパレータおよび負極を有する薄形発電
要素;、少くとも内面に熱融着性樹脂フィルムが配され
た積層フィルムからなり、前記発電要素を密封して収納
すると共に、前記熱融着性樹脂フィルムを互いに熱融着
したシール部を有する封止材;少なくとも一方が周縁に
枠状突起を有する形状をなす一対の外装片からなり、こ
れらの外装片の間に前記封止材をその少なくともシール
部が前記外装片の枠状突起に位置するように収納し、前
記外装片と前記シール部とを熱融着することにより前記
封止材を密封した外装部材;を具備したことを特徴とす
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる薄形二次電
池、例えば薄形ポリマー電解質二次電池を図面を参照し
て詳細に説明する。図1は、本発明に係わる薄形ポリマ
ー電解質二次電池を示す斜視図、図2は図1のII−II線
に沿う断面図、図3は図1の二次電池を構成する発電要
素を密封した封止材を示す斜視図である。
【0011】内面に熱融着性樹脂フィルムが配された積
層フィルム、例えば熱融着性樹脂フィルム1、金属箔2
および剛性を有する樹脂フィルム3を少なくともこの順
序で積層した積層フィルムからなる封止材4内には、薄
形発電要素5が収納され、前記封止材1の例えば3側辺
でその内面の熱融着性樹脂フィルム1を互いに熱融着し
たシール部6a,6b,6cにより前記発電要素5を密
封している。前記発電要素5は、図2に示すように正極
7、セパレータであるポリマー電解質層8および負極9
がこの順序で積層した構造を有する。
【0012】前記正極7は、アルミニウム製の集電体1
0の両面に正極層11が担持された構造を有する。前記
集電体11は、帯状アルミニウム箔からなる端子部(図
示せず)を有し、この端子部にはアルミニウム製の外部
正極リード12が超音波溶接によって接続されている。
この外部正極リード12は、前記封止材4のシール部6
bから外部に延出されている。
【0013】前記負極9は、銅製の集電体13の両面に
負極層14が担持された構造を有する。前記集電体13
は、帯状銅箔からなる端子部(図示せず)を有し、この
端子部には外部負極リード15が超音波溶接等によって
接続されている。この外部負極リード15は、前記封止
材4のシール部6bから外部に延出されている。
【0014】外装部材16は、周縁に枠状突起17a,
17bを有する形状をなす一対の外装片18a、18b
からなり、これらの外装片18a,18bの間には前記
封止材4がそのシール部6a〜6cを前記各外装片18
a,18bの枠状突起17a,17bに位置するように
収納し、前記外装片18a,18bの枠状突起17a,
17bと前記シール部6a〜6cの間に別途用意した熱
融着性樹脂フィルム19a、19bをそれぞれ介在させ
て熱融着することにより前記封止材4を密封している。
ただし、前記封止材4の外部端子12,15が延出され
るシール部6bと対向する折り曲げ部分をも前記外装片
18a,18bの枠状突起17a,17bの間に位置さ
れてもよい。
【0015】このような薄形ポリマー電解質二次電池
は、例えば次のような方法により製造される。図4に示
すように前述した3層構造の帯状積層フィルム20に正
負極の外部端子12,15が取付けられた薄形発電要素
5を短辺に平行な中央部に位置する折り曲げ線20を境
にして例えば右側部分に前記外部端子12,15が前記
積層フィルム19の短辺の端面から延出するように載せ
た後、前記積層フィルム20を前記折り曲げ線21で前
記発電要素5を包むように折り曲げる。つづいて、前記
折り曲げ部を除く3つの側辺を熱シールして前記発電要
素5を封止材4内に密封する。その後、この封止材を周
縁に枠状突起を有する形状をなす一対の外装片の間に前
記封止材のシール部が前記各外装片の枠状突起に位置す
るように収納し、前記外装片の枠状突起と前記シール部
の間に別途用意した熱融着性樹脂フィルムを介在されて
熱融着して前記封止材を外装部材の内部に密封すること
により図1に示す二次電池を製造する。
【0016】前記封止材4、正極7、負極9、電解質層
8および外装部材16は、次のような構成になってい
る。 1)封止材4 この封止材4は、少なくともシール面に熱融着性樹脂が
配された例えば熱融着性樹脂フィルム1、金属箔2およ
び剛性を有する樹脂フィルム3をこの順序で積層した積
層フィルムからなる。
【0017】前記熱融着性樹脂としては、例えばポリエ
チレン(PE)、アイオノマー、エチレンビニルアセテ
ート(EVA)等を用いることができる。前記金属箔と
しては、例えばAl箔、Ni箔を用いることができる。
【0018】前記剛性を有する樹脂としては、例えばポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等を用
いることができる。具体的には、シール面側から外面に
向けて積層したPE/Al箔/PETの積層フィルム;
PE/Al箔/ナイロンの積層フィルム;アイオノマー
/Ni箔/PETの積層フィルム;EVA/Al箔/P
ETの積層フィルム;アイオノマー/Al箔/PETの
積層フィルム等を用いることができる。ここで、シール
面側のPE、アイオノマー、EVA以外のフィルムは防
湿性、耐通気性、耐薬品性を担っている。
【0019】なお、前記封止材は積層フィルムをその内
面(シール面)に熱融着性樹脂フィルムが位置するよう
に折り曲げ、その折り曲げ線と平行な端部を熱シールし
て筒状物を作製し、この中に前述した薄形発電要素をそ
の正極と電気的に接続された外部端子が一方の開口から
延出し、その負極と電気的に接続された外部端子が他方
の開口から延出するように収納し、前記2つの開口部を
熱シールして前記発電要素を密封した構造にしてもよ
い。
【0020】2)正極7 この正極7は、アルミニウム製の集電体10の両面に活
物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを
含む正極層11が担持された構造を有する。
【0021】前記活物質としては、種々の酸化物(例え
ばLiMn24 などのリチウムマンガン複合酸化物、
二酸化マンガン、例えばLiNiO2 などのリチウム含
有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2 などのリチウム
含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸
化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)
や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化
モリブテンなど)等を挙げることができる。中でも、リ
チウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化
物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好まし
い。
【0022】前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶
解することにより調製される。前記非水溶媒としては、
エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネー
ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチル
カーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DE
C)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチ
ロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリ
ル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプ
ロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることが
できる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上
混合して使用しても良い。
【0023】前記電解質としては、例えば過塩素酸リチ
ウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6 )、ホウ四フッ化リチウム(LiBF4 )、六フ
ッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタ
ンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビストリ
フルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(C
3 SO32 ]等のリチウム塩を挙げることができ
る。
【0024】前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量
は、0.2mol/L〜2mol/Lとすることが望ま
しい。前記非水電解液を保持するポリマーとしては、例
えば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレン
オキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリマー、ビニリ
デンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン
(HFP)との共重合体等を用いることができる。前記
HFPの共重合割合は、前記共重合体の合成方法にも依
存するが、通常、最大で20重量%前後である。
【0025】前記正極層は、導電性を向上する観点から
導電性材料を含んでいてもよい。この導電性材料として
は、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセ
チレンブラックなど)、ニッケル粉末等を挙げることが
できる。
【0026】前記集電体としては、例えばアルミニウム
製エキスパンドメタル、アルミニウム製メッシュ、アル
ミニウム製パンチドメタル等を用いることができる。な
お、前記正極は集電体の片面に正極層を担持させた構造
にしてもよい。
【0027】3)負極9 この負極9は、銅製の集電体13の両面に活物質、非水
電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む負極層
14が担持された構造を有する。
【0028】前記活物質としては、リチウムイオンを吸
蔵放出する炭素質材料を挙げることができる。かかる炭
素質材料としては、例えば、有機高分子化合物(例え
ば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロー
ス等)を焼成することにより得られるもの、コークス
や、メソフェーズピッチを焼成することにより得られる
もの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代表さ
れる炭素質材料を挙げることができる。中でも、500
℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下にて前記メ
ソフェーズピッチを焼成して得られる炭素質材料を用い
るのが好ましい。
【0029】前記非水電解液及び前記ポリマーとして
は、前述した正極で説明したものと同様なものが用いら
れる。前記負極層は、人造グラファイト、天然グラファ
イト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチ
ェンブラック、ニッケル粉末、ポリフェニレン誘導体等
の導電性材料、オレフィン系ポリマーや炭素繊維等のフ
ィラーを含むことを許容する。
【0030】前記集電体としては、例えば銅製エキスパ
ンドメタル、銅製メッシュ、銅製パンチドメタル等を用
いることができる。なお、前記負極は集電体の片面に正
極層を担持させた構造にしてもよい。
【0031】4)ポリマー電解質層8 この電解質層5は、非水電解液及びこの電解液を保持す
るポリマーを含む。前記非水電解液及び前記ポリマーと
しては、前述した正極で説明したものと同様なものが用
いられる。
【0032】前記電解質層は、圧縮強度を向上させるた
めにSiO2 粉末のような無機フィラーを添加してもよ
い。前記発電要素は、1層に限らず、2層以上前記封止
材内に収納してもよい。
【0033】5)外装部材15 この外装材15を構成する外装片18a、18bは、例
えばポリプロピレン(PP)、ナイロン、ポリエチレン
テレフタレート(PET)などの樹脂、Alのような金
属、またはPP/Al/PET、PP/Al/ナイロン
のような積層フィルムから作られる。
【0034】前記外装部材の外装片と前記封止材のシー
ル部との間に介在する熱融着性樹脂としては、例えばポ
リエチレン(PE)、アイオノマー、エチレンビニルア
セテート(EVA)等を用いることができる。前記熱融
着性樹脂フィルムは、前記外装部材の外装片と前記封止
材のシール部とを熱融着する際に介在させてよく、また
予め前記外装部材の外装片の枠状突起の表面に熱融着し
てもよい。
【0035】なお、前記外装部材は周縁に枠状突起を有
する外装片と板状の外装片とを組み合わせて構成しても
よい。また、外装部材の一対の外装片のいずれか一方ま
たは両者に正負極の端子を形成し、前記封止材の外部に
延出された外部リードを前記外装片の端子にその内面か
ら接続してもよい。このような構造にすれば、前述した
図1に示すように外部リードを外装部材の外側に延出さ
せることが不要になり、構造的にもコンパクト化でき
る。
【0036】さらに、図5に示すように一対の外装片1
8a、18bの枠状突起17a、17bを格段状にして
それら枠状突起同士の当接面積を大きくして前記封止材
の縁部に対する持つ融着面積を増大させてもよい。この
ような構造の外装部材を用いれば封止材のシール性をよ
り一層向上することが可能になる。
【0037】以上説明した本発明によれば、少くとも内
面に熱融着性樹脂フィルムが配された積層フィルムから
なり、薄形発電要素を密封して収納すると共に、前記熱
融着性樹脂フィルムを互いに熱融着したシール部を有す
る封止材と少なくとも一方が周縁に枠状突起を有する形
状をなす一対の外装片からなり、これらの外装片の間に
前記封止材をこのシール部が前記外装片の枠状突起に位
置するように収納し、前記外装片と前記シール部とを熱
融着することにより前記封止材を密封した外装部材とに
より構成することによって、前記封止材の熱シール部を
前記外装部材の外装片の枠状突起により確実に密封する
ことができる。その結果、湿気が封止材内部に侵入して
発電要素(特に電解液)が劣化されるのを防止できるた
め、充放電サイクル特性の優れた薄形二次電池を得るこ
とができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を前述した図
面を参照して詳細に説明する。 (実施例1) <正極の作製>アセトンにビニリデンフロライド−ヘキ
サフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体
(エルファトケム社製商品名;KYNAR2801、共
重合比[VdF:HFP]が88:12)粉末を溶解し
た後、このアセトン溶液にジブチルフタレート(DB
P)と、活物質として組成式がLiCoO2 で表される
リチウム含有コバルト酸化物(日本化学工業製)とを添
加して正極用ペーストを調製した。つづいて、アルミニ
ウム製メッシュからなる多孔質集電体に前記組成の正極
用ペーストをナイフコータを用いて塗工し、乾燥空気で
乾燥することにより前記多孔質集電体の両面に電解液未
含浸正極層が形成された正極素材を作製した。
【0039】<負極の作製>前記正極に用いられたのと
同様なビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレ
ンの共重合体をアセトンに溶解させてアセトン溶液を調
製した後、このアセトン溶液にジブチルフタレート(D
BP)を添加後、活物質としてメソフェーズピッチ系炭
素繊維(株式会社ペトカ社製)を添加し、混合すること
により負極用ペーストを調製した。この負極用ペースト
を銅製メッシュからなる多孔質集電体にナイフコータを
用いて塗工し、乾燥空気により乾燥するして前記多孔質
集電体の両面に電解液未含浸負極層が形成された負極素
材を作製した。
【0040】<固体ポリマー電解質層の作製>前記正極
に用いられたのと同様なビニリデンフロライド−ヘキサ
フルオロプロピレンとの共重合体をアセトンに溶解させ
てアセトン溶液を調製した後、このアセトン溶液にジブ
チルフタレート(DBP)を添加後、混合することによ
って電解質層用ペーストを調製した。前記ペーストを平
滑なガラス板上に塗布した後、正負極と同様に乾燥し、
前記ガラス板から剥し、電解液未含浸固体ポリマー電解
質素材を作製した。
【0041】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
ト(EC)とジメチルカーボネート(DMC)が体積比
で1:1の割合で混合された非水溶媒に電解質としての
LiPF6 をその濃度が1mol/lになるように溶解
させて非水電解液を調製した。
【0042】得られた正極素材、固体ポリマー電解質素
材および負極素材をこの順序で重ね、これらを130℃
に加熱した剛性ロールにて加熱圧着して積層して厚さ
1.0mm、外形寸法40mm×60mmの積層体を作
製した。つづいて、この積層体をメタノール中に浸漬す
ることにより前記正極素材、前記負極素材および前記ポ
リマー電解質素材中のDBPを溶出してそれら部材を多
孔質構造の電解液未含浸発電要素とした。ひきつづき、
この発電要素の正負極の多孔質集電体の帯状端子部に外
部端子をそれぞれ超音波溶接等により接続した。
【0043】次いで、内面側からアイオノマー樹脂フィ
ルム/Alフィルム/PETフィルムを積層した3層か
らなり、厚さ0.1mm、外形寸法70mm×153m
mの帯状積層フィルムを用意し、正負極の外部端子が取
付けられた前記電解液未含浸発電要素を前記外部端子が
前記積層フィルムの短辺から延出するように載せた後、
前記積層フィルムを中央でその短辺と平行に前記電解液
未含浸発電要素を包むように折り曲げた。ひきつづき、
前記折り曲げ部を除く幅4mmの3つの側辺を熱シール
した。ただし、前記外部端子が延出される側辺を除く2
側辺のうちの一方の側辺の一部を未シール部として残し
た。その後、前記未シール部を通して前記非水電解液を
内部に注入し、未シールを再度、熱融着することにより
前述した図3に示す発電要素を収納した封止材を作製し
た。この後、周縁に幅4mmの枠状突起を有する形状を
なすPPからなる一対の外装片の前記枠状突起の表面に
厚さ50μmのアイオノマー樹脂フィルムをそれぞれ熱
融着し、これら外装片の間に前記封止材をそのシール部
が前記各外装片の枠状突起に位置するように収納し、前
記外装片の枠状突起と前記シール部とを前記枠状突起に
融着したアイオノマー樹脂フィルムにより熱融着して前
記封止材を外装部材の内部に密封することにより電気容
量100mAhの薄形ポリマー電解質二次電池を製造し
た。
【0044】(比較例1)実施例1で作製した封止材の
外部端子が延出されるシール部を除く2つの熱シール部
を折り曲げ、この封止材を実施例1と同様な一対の外装
片の間に配置し、アイオノマー樹脂フィルムで熱融着す
ることにより実施例1と同様な寸法、電気容量を有する
の薄形ポリマー電解質二次電池を製造した。製造された
二次電池は、外部端子が延出されるシール部を除く2つ
の熱シール部が一対の外装片の枠状突起に位置せず、そ
れら外装片の内側に位置される。
【0045】得られた実施例1および比較例1の二次電
池を45℃、1Cで充放電を繰り返した。100サイク
ル後の初期容量に対する容量維持率および注液電解液量
に対する重量減少率を測定した。その結果を下記表1に
示す。
【0046】 前記表1から明らかなように外装部材で封止材の熱シー
ル部を挟み込んで熱融着して固定した実施例1の二次電
池は、比較例1の二次電池に比べて密封性が高く、優れ
た容量維持率(充放電サイクル特性)を有することがわ
かる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、シ
ール性に優れ、外部からの湿気等の侵入を防止した充放
電サイクル特性の優れた薄形二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる薄形ポリマー電解質二次電池を
示す斜視図。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1の二次電池を構成する発電要素を密封した
封止材を示す斜視図。
【図4】図1の二次電池を構成する発電要素および封止
材の展開斜視図。
【図5】本発明に係わる薄形ポリマー電解質二次電池に
用いられる外装部材の他の形態を示す部分断面図。
【符号の説明】
1…熱融着性樹脂フィルム、 2…金属箔、 3…剛性を有する樹脂フィルム、 4…封止材、 5…薄形発電要素、 6a〜6c…シール部、 7…正極、 8…ポリマー電解質層、 9…負極、 16…外槽部材, 17a、17b…枠状突起、 18a、18b…外装片、 19a、19b…熱融着性樹脂フィルム。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、セパレータおよび負極を有する薄
    形発電要素;、 少くとも内面に熱融着性樹脂フィルムが配された積層フ
    ィルムからなり、前記発電要素を密封して収納すると共
    に、前記熱融着性樹脂フィルムを互いに熱融着したシー
    ル部を有する封止材;少なくとも一方が周縁に枠状突起
    を有する形状をなす一対の外装片からなり、これらの外
    装片の間に前記封止材をその少なくともシール部が前記
    外装片の枠状突起に位置するように収納し、前記外装片
    と前記シール部とを熱融着することにより前記封止材を
    密封した外装部材;を具備したことを特徴とする薄形二
    次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010123556A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Hiroshi Kitamura 色素増感太陽電池用の基板(筐体)

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