JP3863135B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明は、発電要素がフィルム内に収納された構造の電池に関する。
近年、電子機器の発達にともない、小型で軽量、かつエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が可能な二次電池の開発が要望されている。このような二次電池としては、リチウムまたはリチウム合金を活物質とする負極と、モリブデン、バナジウム、チタンあるいはニオブなどの酸化物、硫化物もしくはセレン化物を活物質として含む懸濁液が塗布された集電体からなる正極と非水電解液を具備したリチウム二次電池が知られている。
また、負極に、例えばコークス、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成体、熱分解気相炭素のようなリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を含む懸濁液が塗布された集電体を用いたリチウム二次電池が提案されている。前記二次電池は、デンドライト析出による負極特性の劣化を改善することができるため、電池寿命と安全性を向上することができる。
ところで、リチウム二次電池の一例であるポリマー電解質二次電池は、例えば、以下に説明する方法で製造される。まず、リチウム系酸化物のような活物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む正極層が集電体に担持された構造の正極と、リチウムイオンを吸蔵放出し得る炭素質材料、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む負極層が集電体に担持された構造の負極と、前記正極と前記負極の間に配置され、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む固体ポリマー電解質層とを備えた発電要素を作製する。前記正極及び前記負極の集電体は、それぞれ、前記リチウム系酸化物、前記炭素質材料と電位差を持たない金属から形成されている。具体的には、前記正極の集電体としてはアルミニウムからなる金網またはエキスパンドメタルが使用され、前記負極の集電体としては銅からなる金網またはエキスパンドメタルが用いられている。前記各集電体は、これと一体的に形成されているか、もしくはこれと同一の金属板を接合することによって形成されたリード端子を有する。このような発電要素を二つ折りにした熱融着シール用フィルムで前記正極リード端子の先端および前記負極リード端子の先端が前記フィルムの外側に延出するように被覆し、前記フィルムを熱圧着によって張り合わせる。このようにして得られたポリマー電解質二次電池(素電池)は、例えば、単独か、もしくは組電池の形態で電池パック内に収納され、電子機器の電源として使用される。
前述した形態で電源として使用される場合には、前記二次電池の正極リード端子と負極リード端子は、前記電池パックのコネクターや、前記電池パック内に収納された回路(保護回路など)、もしくは他のポリマー電解質二次電池のリードに接続されることとなる。ところで、コネクターや、回路の端子は、通常、ニッケルや、ステンレスから形成される。一方、前記正極リード端子は、充放電反応中の腐食を防止するためにアルミニウムから形成される。この正極リード端子と前述したコネクターや、回路とを溶接や、半田付けによって接続するのは大変に難しい。このようなことから、前記正極リード端子にニッケルからなる補助端子を超音波溶接によって接続し、この補助端子をコネクターや、回路に接続することが行われている。
しかしながら、前述しているようにニッケルとアルミニウムを溶接によって強固に接続することは困難であるため、正極リード端子から補助端子が外れるという問題点が生じた。
このようなことから、補助端子として銅板を用いたが、銅板は腐食されやすいため、この補助端子をコネクターや、回路あるいはリードに半田付けするのに長時間を要した。半田付けがなされる個所は例えば300℃以上という高温になるため、半田付けに長時間を要すると、前記二次電池が長期間に亘って高温に晒されることとなり、前記二次電池の性能、例えば放電容量が低下するという問題点が生じる。
本発明は、強度及び耐食性に優れ、半田付けやスポット溶接を容易に行え、安価な正極リード端子及び負極リード端子を備えた電池を提供しようとするものである。
本発明に係る電池は、正極と、負極と、前記正極と電気的に接続された帯状の正極リード端子と、前記負極と電気的に接続された帯状の負極リード端子と含む発電要素;
前記発電要素を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が外部に突出した状態で収納し、熱融着性の最内層を備えたフィルム;
を具備し、
前記正極リード端子は、一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成されたニッケル領域と、前記フィルム内に位置する部分に形成されたアルミニウム領域とを含む帯状のクラッド板であり、
前記負極リード端子は、一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成されたニッケル領域と、前記フィルム内に位置する部分に形成された銅領域とを含む帯状のクラッド板であり、
前記正極リード端子及び前記負極リード端子のニッケル領域は、前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が突出しているフィルム端部と0.5mm以上、1mm以下離れていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る別の電池は、正極と、負極と、前記正極と電気的に接続された帯状の正極リード端子と、前記負極と電気的に接続された帯状の負極リード端子と含む発電要素;
前記発電要素を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が外部に突出した状態で収納し、熱融着性の最内層を備えたフィルム;
を具備し、
前記正極リード端子は、前記フィルム内に位置する部分に形成されたアルミニウム領域を含む帯状金属板と、前記金属板の一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成された半田メッキ層とを備え、
前記負極リード端子は、前記フィルム内に位置する部分に形成された銅領域を含む帯状金属板と、前記金属板の一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成された半田メッキ層とを備え、
前記正極リード端子及び前記負極リード端子の半田メッキ層は、前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が突出しているフィルム端部と0.5mm以上、1mm以下離れていることを特徴とするものである。
本発明によれば、正極リード端子及び負極リード端子の引っ張り強度を高い値に維持しつつ、半田付けや溶接による性能劣化及び気密性の低下が回避された電池を提供することができる。
本発明に係る電池の一例(ポリマー電解質二次電池)を図1〜図8を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るポリマー電解質二次電池の一例を示す部分切欠平面図、図2は図1の二次電池を示す縦断面図、図3は図2のA部を示す拡大図、図4は図1の二次電池の負極リード端子を示す断面図、図5は図1の二次電池の負極リード端子の別の例を示す断面図、図6は図1の二次電池の正極リード端子の別の例を示す断面図、図7、図8は図1の二次電池の負極リード端子の更に別の例を示す断面図である。
図1に示すように、ポリマー電解質二次電池は、発電要素1を備える。このような発電要素1は、例えば図2に示すように、負極層2が銅製エキスパンドメタルのような網状集電体3の両面に担持された構造を有する負極4を備えている。2枚のセパレータ(固体ポリマー電解質層)5は、前記負極4の両面に積層されている。2枚の正極6は、前記2枚のセパレータ5にそれぞれ積層されている。前記各正極6は、活物質を含む正極層7がアルミニウム製エキスパンドメタルのような網状集電体8の両面に担持された構造を有する。前記負極4の集電体3は、図1及び図2に示すように、網状負極端子9を有する。また、前記2枚の正極集電体8は、網状正極端子10をそれぞれ有する。帯状の正極リード端子11は、一端が三つ折りにされ、この三つ折り部で前記2つの正極端子10を重ね合わせたものを挟んでいる。前記正極リード端子11の三つ折り部と前記2つの正極端子10の先端部とは、例えば溶接などによって固定されている。また、図1に示すように、帯状の負極リード端子12は、前記負極端子9の下面に例えば溶接などによって固定されている。二つ折りにした熱融着シール用フィルム13は、前記発電要素1を前記正極リード端子11及び前記負極リード端子12の先端が前記フィルム13から突出するように被覆している。前記フィルム13の3つの開口部14は、熱融着によって封止されている。
前記正極リード端子11は、図1及び図3に示すように、両面の先端部(接続代)に形成された2つのニッケル領域15と、残りの部分に形成されたアルミニウム領域とから構成された帯状金属板から形成されている。このような金属板は、例えば、ニッケル板及びアルミニウム板を冷間圧延加工によって一体化し、必要に応じて熱処理を施すことにより作製することができる(ニッケルとアルミニウムのクラッド板)。前記負極リード端子12は、図1及び図4に示すように、両面の先端部(接続代)に形成された2つのニッケル領域16と、前記各ニッケル領域16と前記フィルム13の端部との間に位置する面にこの面を横切るように存在する2つの半田をはじく領域17と、残りの部分に形成された銅領域とからなる帯状金属板から形成されている。前記半田をはじく領域は、例えば、アルミニウムから形成することができる。このような金属板は、例えば、ニッケル板、銅板及びアルミニウム板を冷間圧延加工によって一体化し、必要に応じて熱処理を施すことにより作製することができる(ニッケル、アルミニウム及び銅のクラッド板)。また、前記半田をはじく領域は、前述したような予め帯状金属板に形成する方法の他に、例えば蒸着などによって後から形成することも可能である。具体的には、例えば図5に示すように、ニッケル板及び銅板を冷間圧延加工によって一体化し、必要に応じて熱処理を施すことにより、両面の先端部(接続代)に形成された2つのニッケル領域16と、残りの部分に形成された銅領域とからなる帯状金属板を作製する。得られた金属板の各ニッケル領域16と隣接する部分にアルミニウムを蒸着させて半田をはじく領域18を形成することにより前記負極リード端子12を作製することができる。
前記フィルム13の端部のうち前記正極リード端子11及び前記負極リード端子12の先端が突出している端部から前記正極リード端子11のニッケル領域15までの距離(d)、及びこの端部から前記負極リード端子12のニッケル領域16までの距離(d)は、0.5mm以上にそれぞれ設定すると良い。この距離を0.5mm未満にすると、前記正極リード端子や、前記負極リード端子の接続代に半田付けを行う際に、高温の半田が前記ニッケル領域を伝って前記フィルムに到達し、前記フィルムが溶けて前記フィルムの密閉性が低下する恐れがある。特に、ポリマー電解質二次電池のフィルムの密閉性が低下すると、高温環境下で使用した際に非水電解液が前記フィルムを通して外部に逃散し、放電容量の低下を招く。
なお、前述した図1〜図5においては、正極リード端子及び負極リード端子1の両面にニッケル領域を形成する例を説明したが、このニッケル領域は、図6〜8に示すように、リード端子の片面に形成しても良い。
前記熱融着シール用フィルムとしては、例えば、絶縁性及び保護機能を有する最外層と、熱融着性を有する最内層と、前記最外層及び前記最内層の間に配置された金属層とを含むラミネートフィルムを挙げることができる。
前記フィルムの最内層は、例えば、アイオノマー、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)のような熱融着性樹脂を含む層から形成することができる。
前記フィルムの金属層を形成する金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケル等を挙げることができる。前記金属層は、前記フィルムの気密性を向上することができる。
前記フィルムの最外層は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ナイロンのような絶縁性樹脂を含む層から形成することができる。
前記ラミネートフィルムとしては、例えば、(a)PET(最外層)/Al箔/PET/PPもしくはPE(最内層)、(b)PET(最外層)/Al箔/ナイロン/PE(最内層)、(c)PET(最外層)/PE/Ni箔/アイオノマー(最内層)、(d)ナイロン(最外層)/PE,PET/PE/EVA,PET/アイオノマー(最内層)、(e)PET(最外層)/ナイロン/PE,PET/PP,PET/ナイロン/PP,PET/ビニリデンクロライド樹脂/PE,Al蒸着PET/PE,PET/Al箔/PET/アイオノマー(最内層)、 (f)ポリカーボネート(最外層)/PE/EVA(最内層)、(g)PET (最外層)/Al箔/PE/アイオノマー(最内層)等を挙げることができる。
前記ポリマー電解質二次電池の正極、負極及び電解質層としては、例えば、以下に説明するものを用いることができる。
(正極)
この正極は、正極活物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む正極層が集電体に担持されたものから形成される。
前記正極活物質としては、種々の酸化物(例えばLiMn24などのリチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、例えばLiNiO2などのリチウム含有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2などのリチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化モリブテンなど)等を挙げることができる。中でも、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好ましい。
前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される。
前記非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。
前記電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウ四フッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO32]等のリチウム塩を挙げることができる。
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.2mol/l〜2mol/lとすることが望ましい。
前記非水電解液を保持するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリマー、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等を用いることができる。前記HFPの共重合割合は、前記共重合体の合成方法にも依存するが、通常、最大で20重量%前後である。
前述した図1,図2においては、前記正極の集電体としてアルミニウム製エキスパンドメタルを使用したが、前記集電体には、例えばアルミニウム箔、アルミニウム製メッシュ、アルミニウム製パンチドメタル等を用いても良い。
前記正極端子10は、例えば、アルミニウムから形成することができる。この端子としては、前述したような網状のもののほかに、板状のものを用いることが可能である。
前記正極は、導電性を向上する観点から導電性材料を含んでいてもよい。前記導電性材料としては、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックなど)、ニッケル粉末等を挙げることができる。
前記正極は、例えば、以下の(a)、または(b)の方法により作製することができる。
(a)前記非水電解液を保持するポリマー、可塑剤、前記活物質及び前記導電材料を溶媒(例えば、アセトン)の存在下で混合し、ペーストを調製し、成膜することにより電解液未含浸の正極シートを作製した後、得られたシートを前記集電体に接着する。得られた電解液未含浸の正極中の可塑剤を例えば溶媒抽出により除去し、前記非水電解液を含浸させることにより正極を得る。
(b)前記非水電解液を保持するポリマー、前記可塑剤、前記活物質及び前記導電材料を溶媒の存在下で混合し、ペーストを調製し、得られたペーストを前記集電体に塗布する。得られた電解液未含浸の正極中の可塑剤を例えば溶媒抽出により除去し、前記非水電解液を含浸させることにより正極を得る。
前記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジメチル(DMP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)等を挙げることができる。
(負極)
この負極は、負極活物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む負極層が集電体に担持されたものから形成される。
前記負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を挙げることができる。かかる炭素質材料としては、例えば、有機高分子化合物(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られるもの、コークスや、メソフェーズピッチを焼成することにより得られるもの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代表される炭素質材料を挙げることができる。中でも、500℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下にて前記メソフェーズピッチを焼成して得られる炭素質材料を用いるのが好ましい。
前記非水電解液及び前記ポリマーとしては、前述した正極で説明したものと同様なものが用いられる。
前述した図1、図2においては前記負極の集電体としては、銅製エキスパンドメタルを使用したが、例えば銅箔、銅製メッシュ、銅製パンチドメタル等を用いても良い。
前記負極端子9は、例えば、銅から形成することができる。この端子としては、前述したような網状のもののほかに、板状のものを用いることが可能である。
なお、前記負極シートは、人造グラファイト、天然グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ニッケル粉末、ポリフェニレン誘導体等の導電性材料、オレフィン系ポリマーや炭素繊維等のフィラーを含むことを許容する。
前記負極は、例えば、以下の(a)、または(b)の方法により作製することができる。
(a)前記非水電解液を保持するポリマー、可塑剤及び前記活物質を溶媒(例えば、アセトン)の存在下で混合し、ペーストを調製し、成膜することにより電解液未含浸の負極シートを作製した後、得られたシートを前記集電体に接着する。得られた電解液未含浸の負極中の可塑剤を例えば溶媒抽出により除去し、前記非水電解液を含浸させることにより負極を得る。
(b)前記非水電解液を保持するポリマー、可塑剤及び前記活物質を溶媒の存在下で混合し、ペーストを調製し、得られたペーストを前記集電体に塗布する。得られた電解液未含浸の負極中の可塑剤を例えば溶媒抽出により除去し、前記非水電解液を含浸させることにより負極を得る。
前記可塑剤としては、前述した正極で説明したのと同様なものを挙げることができる。
(固体ポリマー電解質層)
この電解質層は、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む。
前記非水電解液及び前記ポリマーとしては、前述した正極で説明したものと同様なものが用いられる。
前記電解質層は、強度を更に向上させる観点から、酸化硅素粉末のような無機フィラーを添加しても良い。
前記セパレータシートは、例えば、前記非水電解液を保持するポリマー、可塑剤及び前記無機フィラーをアセトンなどの有機溶媒中で混合してペーストを調製し、成膜した後、得られた電解液未含浸のセパレータシート中の可塑剤を例えば溶媒抽出により除去し、前記非水電解液を含浸させることにより作製することができる。
前記可塑剤としては、前述した正極で説明したのと同様なものを挙げることができる。
なお、可塑剤の抽出及び非水電解液の含浸は、正極、負極及びセパレータシートについて個別に行っても良いし、これをまとめた状態で行っても良い。
また、前述したポリマー電解質二次電池においては、前述したようなニッケル領域を有する正極リード端子及び負極リード端子の代りに、以下に説明するような構成の正極リード端子及び負極リード端子を用いることができる。
(正極リード端子)
図9に示すように、正極リード端子21は、帯状アルミニウム板の両面の先端部(接続代)が半田層22で被覆された構造を有する。このようなリード端子は、例えば、帯状アルミニウム板の両面の先端にニッケルメッキを施した後、このニッケルメッキが施された部分に半田メッキを施すことによって作製することができる。
(負極リード端子)
図10に示すように、負極リード端子23は、両面の先端部(接続代)が半田層24で被覆された帯状銅板を備える。前記負極リード端子23は、前記半田層24と隣接する箇所に端子23を横切るように半田をはじく領域25が2つ形成されている。この半田をはじく領域25は、例えば、アルミニウムから形成することができる。このようなリード端子は、例えば、帯状銅板の両面の先端に半田メッキを施した後、この半田メッキが施された個所と隣接する部分に、帯状銅板を横切るようにアルミニウムを蒸着させることによって作製することができる。また、この半田をはじく領域は、前述したような帯状金属板に後から形成する方法の他に、予め帯状金属板に含める方法で形成することができる。具体的には、表面の所望の個所に形成された半田をはじく領域と、残りの部分に形成された銅領域とからなる帯状金属板の接続代にニッケルメッキを施した後、このニッケルメッキが施された個所に半田メッキを施すことにより前記負極リード端子を作製することができる。
前記フィルムの端部のうち前記正極リード端子21及び前記負極リード端子23の先端が突出している端部から前記正極リード端子21の半田層22までの距離、及びこの端部から前記負極リード端子23の半田層25までの距離は、0.5mm以上にそれぞれ設定すると良い。この距離を0.5mm未満にすると、前記正極リード端子や、前記負極リード端子の接続代に半田付けを行う際に、高温の半田が前記半田層を伝って前記フィルムに到達し、前記フィルムが溶けて前記フィルムの密閉性が低下する恐れがある。
なお、前述した図9及び図10においては、前記正極リード端子及び前記負極リード端子の両面に半田層を有する構成を説明したが、前記正極リード端子及び前記負極リード端子の片面のみに半田層を形成しても良い。
以上説明したように本発明に係る電池は、発電要素と、前記発電要素を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が外部に突出した状態で収納するフィルムとを具備し、前記正極リード端子は、一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成されたニッケル領域と、前記フィルム内に位置する部分に形成されたアルミニウム領域とを含む帯状金属板からなり、前記負極リード端子は、一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成されたニッケル領域と、前記フィルム内に位置する部分に形成された銅領域とを含む帯状金属板からなることを特徴とするものである。このような電池は、正極リード端子及び負極リード端子の引っ張り強度を向上することができる。また、これらリード端子の接続代は、ニッケルから形成されているため、表面の酸化による腐食を抑えることができる。このため、前記正極リード端子及び前記負極リード端子をコネクターやリードなどに半田付けや、溶接によって容易に接続することができる。その結果、前記電池は、半田付けや溶接に要する時間を短縮することができ、この時に生じる熱劣化を抑制することができるため、性能が損なわれるのを防止することができる。
前記正極リード端子及び前記負極リード端子のニッケル領域とこれら端子が突出しているフィルム端部との距離を0.5mm以上にすることによって、前記正極リード端子や、前記負極リード端子の接続代に半田付けを行う際、溶融した半田が前記ニッケル領域を伝って前記フィルムに到達するのを防止することができる。その結果、溶融した半田によって前記フィルムの封止部が溶解するの回避することができるため、高い気密性を維持することができる。
特に、前記負極リード端子において、ニッケル領域とこの端子が突出しているフィルム端部との間に前記負極リード端子を横切るように半田をはじく領域が存在することによって、前記負極リード端子の接続代に半田付けを行う際、溶融した半田が半田をはじく領域ではじかれ、前記フィルムへの半田の流出を防止することができる。その結果、半田付けにより電池の気密性が低下するのを回避することができる。
以上説明したように本発明に係る電池は、発電要素と、前記発電要素を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が外部に突出した状態で収納するフィルムとを具備し、前記正極リード端子は、前記フィルム内に位置する部分に形成されたアルミニウム領域を含む帯状金属板と、前記金属板の一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成された半田層とを備え、前記負極リード端子は、前記フィルム内に位置する部分に形成された銅領域を含む帯状金属板と、前記金属板の一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成された半田層とを備えることを特徴とするものである。このような電池は、正極リード端子及び負極リード端子の引っ張り強度を向上することができる。また、これらリード端子の接続代は、半田から形成されているため、表面の酸化による腐食を抑えることができる。このため、前記正極リード端子及び前記負極リード端子をコネクターやリードなどに半田付けや、溶接によって極めて容易に接続することができる。その結果、前記電池は、半田付けや溶接に要する時間を大幅に短縮することができるため、優れた性能を維持することができる。
前記正極リード端子及び前記負極リード端子の半田層とこれら端子が突出しているフィルム端部との距離を0.5mm以上にすることによって、前記正極リード端子や、前記負極リード端子の接続代に半田付けを行う際、溶融した半田が前記半田層を伝って前記フィルムに到達するのを防止することができる。その結果、溶融した半田によって前記フィルムの封止部が溶解するの回避することができるため、高い気密性を維持することができる。
特に、前記負極リード端子において、半田層とこの端子が突出しているフィルム端部との間に前記負極リード端子を横切るように半田をはじく領域が存在することによって、前記負極リード端子の接続代に半田付けを行う際、溶融した半田が半田をはじく領域ではじかれ、前記フィルムへの半田の流出を防止することができる。その結果、半田付けにより電池の気密性が低下するのを回避することができる。
[実施例]
以下、本発明に係わる実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
まず、活物質として組成式がLiMn24で表されるリチウムマンガン複合酸化物65重量%と、カーボンブラック7.0重量%と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体粉末9.0重量%と、可塑剤としてフタル酸ジブチル(DBP)19.0重量%をN−N−ジメチルホルムアミド中で混合し、ペーストを調製した。得られたペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に塗布し、シート化し、非水電解液未含浸の正極シートを作製した。アルミニウム製エキスパンドメタルからなり、正極端子部を有する集電体(厚さが30μm)の両面に、得られた正極シートを熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の正極を作製した。
<負極の作製>
活物質としてメソフェーズピッチ炭素繊維65.0重量%と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体粉末9重量%と、可塑剤{フタル酸ジブチル(DBP)}26重量%とをN−N−ジメチルホルムアミド中で混合し、ペーストを調製した。得られたペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に塗布し、シート化し、電解液未含浸の負極シートを作製した。銅製エキスパンドメタルからなり、負極端子部を有する集電体(厚さが30μm)の両面に、得られた負極シートを熱ロールで加熱圧着することにより電解液未含浸の負極を作製した。
<固体ポリマー電解層の作製>
酸化硅素粉末を33.3重量部と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体粉末を22.2重量部と、可塑剤{フタル酸ジブチル(DBP)}44.5重量部とをアセトン中で混合し、ペースト状にした。得られたペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に塗布し、シート化し、電解液未含浸の電解質層を作製した。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)が体積比で2:1の割合で混合された非水溶媒に電解質としてのLiPF6をその濃度が1mol/lになるように溶解させて非水電解液を調製した。
<積層電極の作製>
前記正極を2枚と前記負極を1枚と前記電解質層を2枚用意し、前記正極と前記負極をその間に前記電解質層を介在させながら交互に積層し、これらを145℃に加熱した剛性ロールにて加熱圧着し、積層物を作製した。このような積層物をメタノール中に浸漬し、前記積層物中のDBPをメタノールによって抽出し、除去した。これを乾燥し、前記組成の非水電解液に浸積することにより前記積層物への電解液の含浸を行い、厚さが60μmで、外形寸法が40mm×80mmの積層電極を作製した。
<電池の組立>
アルミニウム箔(母材)及びニッケル箔を冷間圧延加工によって一体化し、熱処理を施すことにより、前述した図3に示すように、帯状アルミニウム箔の表裏面とも先端から4mmまでの部分(接続代)にニッケル箔が積層された構造を有するクラッド板を作製した(正極リード端子)。前記正極リード端子の厚さは80μmで、幅が5mmであった。前記ニッケル箔の厚さは15μmであった。また、銅箔(母材)、アルミニウム箔及びニッケル箔を冷間圧延加工によって一体化し、熱処理を施すことにより、前述した図4に示すように、帯状銅箔の表裏面とも先端から4mmまでの部分(接続代)にニッケル箔が積層され、各ニッケル箔から1mmまでの部分にアルミニウム箔が積層された構造を有するクラッド板を作製した(負極リード端子)。前記負極リード端子の厚さは80μmで、幅が5mmであった。前記ニッケル箔及び前記アルミニウム箔の厚さはそれぞれ15μmであった。
前記正極リード端子の接続代でない端部を三つ折りにし、この三つ折り部で前述した2つの正極端子の先端を挟み、これらを溶接によって固定した。また、前記負極リード端子の接続代でない端部を前述した負極端子の下面に溶接した。
一方、熱融着シール用フィルムとして、厚さが12μmのポリエステルフィルム、厚さが20μmのアルミニウム箔、厚さが12μmのポリエステルフィルム及び厚さが50μmの変性ポリオレフィン系の熱融着性樹脂層がこの順番に積層された複合フィルムを用意した。このフィルムを前記熱融着性樹脂層が内側となるように二つ折りにし、前述した積層電極を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が外部に突出するように被覆した。前記積層電極に過熱融着時の熱影響を及ぼさないようにマージンを持たせ、幅5mmで前記フィルムを熱融着することにより前記フィルム内に積層電極を密封し、前述した図1〜2に示す構造を有し、厚さが0.3mmで、リード部分を除く外形寸法が55mm×90mmであるポリマー電解質二次電池を10個製造した。なお、前記各二次電池において、前記フィルムから突出した正極リード端子及び負極リード端子の長さは、5mmである。前記正極リード端子は、両面の先端から4mmまでにニッケル領域が存在している。各ニッケル領域と前記フィルムの端部とは1mm離れている。一方、前記負極リード端子は、両面の先端から4mmまでにニッケル領域が存在している。各ニッケル領域から1mmまでの部分、つまり各ニッケル領域から前記フィルムの端部までの部分に、半田をはじく領域としてのアルミニウム領域が存在している。
(実施例2)
銅箔(母材)及びニッケル箔を冷間圧延加工によって一体化し、熱処理を施した後、各ニッケル領域と隣接する部分にアルミニウムを蒸着させることによって、前述した図5に示すように、帯状銅箔の表裏面とも先端から4mmまでの部分 (接続代)にニッケル箔が積層された構造を有するクラッド板の各ニッケル箔から1mmまでの部分にアルミニウム層が形成されたものを作製した(負極リード端子)。前記負極リード端子の厚さは80μmで、幅が5mmであった。前記ニッケル箔及び前記アルミニウム層の厚さはそれぞれ15μmであった。
実施例1と同様な積層電極に前記負極リード端子及び実施例1と同様な正極リード端子を実施例1と同様にして取り付けた。これを実施例1と同様な熱融着シール用フィルム内に実施例1と同様にして密封し、前述した図1〜2に示す構造を有し、厚さが0.3mmで、リード部分を除く外形寸法が55mm×90mmであるポリマー電解質二次電池を10個製造した。なお、前記各二次電池において、前記フィルムから突出した正極リード端子及び負極リード端子の長さは、5mmである。前記正極リード端子は、両面の先端から4mmまでにニッケル領域が存在している。各ニッケル領域と前記フィルムの端部とは1mm離れている。一方、前記負極リード端子は、両面の先端から4mmまでにニッケル領域が存在している。各ニッケル領域から1mmまでの部分、つまり各ニッケル領域から前記フィルムの端部までの部分に、半田をはじく領域としてのアルミニウム領域が存在している。
(実施例3)
厚さが80μmで、幅が5mmの帯状アルミニウム箔を用意し、このアルミニウム箔の表裏面とも先端から4mmまでの部分にニッケルメッキを施した後、この部分を溶融した半田に浸漬して半田メッキを施すことによって、前述した図9に示すように両面の先端から4mm(接続代)までの部分を半田層で被覆し、正極リード端子を作製した。前記半田層の厚さは10μmであった。また、厚さが80μmで、幅が5mmの帯状銅箔を用意し、この銅箔の表裏面とも先端から4mmまでの部分を溶融した半田に浸漬して半田メッキを施すことによって、両面の先端から4mmまでの部分(接続代)を厚さが10μmの半田層で被覆した。次いで、各半田層から1mmまでの部分にアルミニウムを蒸着させることによって、前述した図10に示すような構造の負極リード端子を作製した。なお、得られたアルミニウム層の厚さは、5μmであった。
実施例1と同様な積層電極に前記負極リード端子及び前記正極リード端子を実施例1と同様にして取り付けた。これを実施例1と同様な熱融着シール用フィルム内に実施例1と同様にして密封し、厚さが0.3mmで、リード部分を除く外形寸法が55mm×90mmであるポリマー電解質二次電池を10個製造した。なお、前記各二次電池において、前記フィルムから突出した正極リード端子及び負極リード端子の長さは、5mmである。前記正極リード端子は、両面の先端から4mmまでに半田層が存在している。各半田層と前記フィルムの端部とは1mm離れている。一方、前記負極リード端子は、両面の先端から4mmまでに半田層が存在している。各半田層から1mmまでの部分、つまり各半田層から前記フィルムの端部までの部分に、半田をはじく領域としてのアルミニウム領域が存在している。
(実施例4)
銅箔(母材)及びアルミニウム箔を冷間圧延加工によって一体化し、熱処理を施すことにより、帯状銅箔の表裏面とも接続代(先端から4mmまでの部分)から1mmまでの部分にアルミニウム箔が積層された構造を有し、厚さが80μmで、幅が5mmの帯状クラッド板を作製した。このクラッド板の表裏面とも先端から4mmまでの部分を溶融した半田に浸漬して半田メッキを施すことによって、両面の先端から4mmまでの部分(接続代)を厚さが10μmの半田層で被覆し、負極リード端子を作製した。
実施例1と同様な積層電極に前記負極リード端子及び前記正極リード端子を実施例1と同様にして取り付けた。これを実施例1と同様な熱融着シール用フィルム内に実施例1と同様にして密封し、厚さが0.3mmで、リード部分を除く外形寸法が55mm×90mmであるポリマー電解質二次電池を10個製造した。なお、前記各二次電池において、前記フィルムから突出した正極リード端子及び負極リード端子の長さは、5mmである。前記正極リード端子は、両面の先端から4mmまでに半田層が存在している。各半田層と前記フィルムの端部とは1mm離れている。一方、前記負極リード端子は、両面の先端から4mmまでに半田層が存在している。各半田層から1mmまでの部分、つまり各半田層から前記フィルムの端部までの部分に、半田をはじく領域としてのアルミニウム領域が存在している。
(比較例1)
正極リード端子として厚さが80μmで、幅が5mmの帯状アルミニウム箔を用意した。また、負極リード端子として厚さが80μmで、幅が5mmの帯状銅箔を用意した。
前記正極リード端子の一端部を三つ折りにし、この三つ折り部で実施例1と同様な積層電極の2つの正極端子の先端を挟み、これらを溶接によって固定した。また、前記負極リード端子の一端部を前述した積層電極の負極端子の下面に溶接した。実施例1と同様な熱融着シール用フィルムを前記熱融着性樹脂層が内側となるように二つ折りにし、前述した積層電極を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端から5mmまでの部分が外部に突出するように被覆した。前記積層電極に過熱融着時の熱影響を及ぼさないように前記積層電極との間にマージンを持たせ、幅5mmで前記フィルムを熱融着することにより前記フィルム内に積層電極を密封し、厚さが0.3mmで、リード部分を除く外形寸法が55mm×90mmであるポリマー電解質二次電池を10個製造した。
(比較例2)
正極リード端子として、厚さが80μmで、幅が5mmの帯状アルミニウム箔の一端に厚さが80μmで、幅が5mmの帯状銅箔が超音波溶接によって接続されたものを用意した。また、負極リードとして厚さが80μmで、幅が5mmの帯状銅箔を用意した。なお、前記正極リード端子のアルミニウム箔及び銅箔の長さは、前記正極リードをフィルムから5mm突出させた際、この突出した先端から4mmまでの部分が銅箔で、残りの部分がアルミニウム箔となるように設定した。
前記正極リード端子のアルミニウム箔側の端部を三つ折りにし、この三つ折り部で実施例1と同様な積層電極の2つの正極端子の先端を挟み、これらを溶接によって固定した。また、前記負極リード端子の一端部を前述した積層電極の負極端子の下面に溶接した。実施例1と同様な熱融着シール用フィルムを前記熱融着性樹脂層が内側となるように二つ折りにし、前述した積層電極を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端から5mmまでの部分が外部に突出するように被覆した。前記フィルムを前記積層電極に過熱融着時の熱影響を及ぼさないように前記積層電極との間にマージンを持たせ、幅5mmで熱融着することにより前記フィルム内に積層電極を密封し、厚さが0.3mmで、リード部分を除く外形寸法が55mm×90mmであるポリマー電解質二次電池を10個製造した。
(参照例)
正極リード端子として、帯状アルミニウム箔を母材とし、前記母材の表裏面とも先端から6mmまでの部分(接続代)ニッケル箔が積層された構造を有するクラッド板を用意した。前記正極リード端子の厚さは80μmで、幅が5mmであった。前記ニッケル箔の厚さは15μmであった。また、負極リード端子として、帯状銅箔を母材とし、前記母材の表裏面とも先端から6mmまでの部分(接続代)にニッケル箔が積層され、各ニッケル箔から1mmまでの部分にアルミニウム箔が積層された構造を有するクラッド板を用意した。前記負極リード端子の厚さは80μmで、幅が5mmであった。前記ニッケル箔及び前記アルミニウム箔の厚さはそれぞれ15μmであった。
前記正極リード端子の接続代でない端部を三つ折りにし、この三つ折り部で前述した2つの正極端子の先端を挟み、これらを溶接によって固定した。また、前記負極リード端子の接続代でない端部を前述した負極端子の下面に溶接した。
一方、実施例1と同様な熱融着シール用フィルムを前記熱融着性樹脂層が内側となるように二つ折りにし、前述した積層電極を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端から5mmまでの部分が外部に突出するように被覆した。前記積層電極に過熱融着時の熱影響を及ぼさないように前記積層電極との間にマージンを持たせ、幅5mmで前記フィルムを熱融着することにより前記フィルム内に積層電極を密封し、厚さが0.3mmで、リード部分を除く外形寸法が55mm×90mmであるポリマー電解質二次電池を10個製造した。なお、前記各二次電池において、前記正極リード端子及び前記負極リード端子双方の前記フィルムから突出している部分はニッケル領域から形成されていた。
得られた実施例1〜4、比較例1〜2及び参照例の二次電池それぞれ10個ずつについて、54mAの電流で4.2Vまで定電流定電圧充電した後、54mAの電流で2.8Vまで放電した際の放電容量を測定し、基準容量の確認を行った。次いで、45℃−93%RHの恒温恒湿槽に10日間貯蔵した後、各リード端子先端部に糸半田を用い、コテによる半田付けの実験を行い、半田付けに要した時間を測定し、各種類ごとに平均値を算出し、その結果を相対値(実施例1の正極リード半田付けに要した時間及び負極リード半田付けに要した時間をそれぞれ1とする)として表し、下記表1に示す。
また、半田付け実験が終了した後の二次電池について、前述したのと同様な条件で充電して放電した際の放電容量を測定し、半田付け実験前の基準容量に対する低下率を算出し、各種類ごとに平均値を求め、その結果を下記表1に示す。
更に、半田付け実験が終了した後の二次電池について、60℃−Dryの環境下に7日間貯蔵し、貯蔵による重量減少率及び貯蔵前の放電容量に対する放電容量劣化率を測定し、最小値、最大値及び平均値を下記表2に示す。
Figure 0003863135
Figure 0003863135
表1及び表2から明らかなように、実施例1〜4の二次電池は、半田付けによる放電容量の低下を抑制することができる。同時に、実施例1〜4の二次電池は、ニッケル領域もしくは半田層が外装フィルムから離れているため、半田付け時にフィルム側に半田が流出するのを防止することができ、外装フィルムの封止部を損傷させることがなく、電池の貯蔵特性の劣化を回避することができる。
本発明に係るポリマー電解質二次電池の一例を示す部分切欠平面図。 図1の二次電池を示す縦断面図。 図2のA部を示す拡大断面図。 図1の二次電池の負極リード端子を示す要部拡大断面図。 図1の二次電池の負極リード端子の別の例を示す要部拡大断面図。 図1の二次電池の正極リード端子の別の例を示す要部拡大断面図。 図1の二次電池の負極リード端子の更に別の例を示す要部拡大断面図。 図1の二次電池の負極リード端子の更に別の例を示す要部拡大断面図。 本発明に係る別のポリマー電解質二次電池の正極リード端子を示す要部拡大断面図。 本発明に係る別のポリマー電解質二次電池の負極リード端子を示す要部拡大断面図。
符号の説明
1…発電要素、11…正極リード端子、12…負極リード端子、13…熱融着シール用フィルム、14…封止部(熱融着部)、16…ニッケル領域、17…半田をはじく領域。

Claims (2)

  1. 正極と、負極と、前記正極と電気的に接続された帯状の正極リード端子と、前記負極と電気的に接続された帯状の負極リード端子と含む発電要素;
    前記発電要素を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が外部に突出した状態で収納し、熱融着性の最内層を備えたフィルム;
    を具備し、
    前記正極リード端子は、一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成されたニッケル領域と、前記フィルム内に位置する部分に形成されたアルミニウム領域とを含む帯状のクラッド板であり、
    前記負極リード端子は、一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成されたニッケル領域と、前記フィルム内に位置する部分に形成された銅領域とを含む帯状のクラッド板であり、
    前記正極リード端子及び前記負極リード端子のニッケル領域は、前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が突出しているフィルム端部と0.5mm以上、1mm以下離れていることを特徴とする電池。
  2. 正極と、負極と、前記正極と電気的に接続された帯状の正極リード端子と、前記負極と電気的に接続された帯状の負極リード端子と含む発電要素;
    前記発電要素を前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が外部に突出した状態で収納し、熱融着性の最内層を備えたフィルム;
    を具備し、
    前記正極リード端子は、前記フィルム内に位置する部分に形成されたアルミニウム領域を含む帯状金属板と、前記金属板の一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成された半田メッキ層とを備え、
    前記負極リード端子は、前記フィルム内に位置する部分に形成された銅領域を含む帯状金属板と、前記金属板の一方の面もしくは両面の少なくとも接続代に前記フィルムと接しないように形成された半田メッキ層とを備え、
    前記正極リード端子及び前記負極リード端子の半田メッキ層は、前記正極リード端子及び前記負極リード端子の先端が突出しているフィルム端部と0.5mm以上、1mm以下離れていることを特徴とする電池。
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