JPH11120903A - 電子源、表示パネル、および画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電子源、表示パネル、および画像形成装置の製造方法

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JPH11120903A
JPH11120903A JP29768197A JP29768197A JPH11120903A JP H11120903 A JPH11120903 A JP H11120903A JP 29768197 A JP29768197 A JP 29768197A JP 29768197 A JP29768197 A JP 29768197A JP H11120903 A JPH11120903 A JP H11120903A
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JP
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droplet
electron
thin film
conductive thin
electron source
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JP29768197A
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Fumio Kishi
文夫 岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製
造方法において、大面積にわたって電子放出素子を容易
にかつ低コストで形成できるようにする。電子放出素子
の形成位置を補正できるようにする。導電性薄膜の抵抗
値を精度良く形成できるようにする。 【解決手段】 (1)基体上に、素子電極とアライメン
ト用部材、および複数の付与量調整用部材とを同じ手法
で形成する工程と、(2)アライメント用部材に液滴付
与装置により液滴を付与し、該液滴付与装置と、基体の
位置を調整する工程と、(3)複数の付与量調整用部材
に液滴付与装置により液滴を付与し、その吸収量を推定
し、統計的処理を行って吸収量の代表値を求める工程
と、(4)吸収量の代表値を用いて、導電性薄膜を形成
する部分に付与する液滴量を定め、定められた量の液滴
を導電性薄膜を形成する部分に付与する工程とを有する
ことを特徴とする電子源の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子放出素子を複数
有してなる電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子放出素
子と冷陰極電子放出素子の2種類が知られている。冷陰
極電子放出素子には電界放出型(以下、FE型とい
う)、金属/絶縁層/金属型(以下、MIM型という)
や表面伝導型電子放出素子等がある。FE型の例として
は「W.P.Dyke&W.W.Dolan、“Fie
ldemission”、Advance in El
ectron Physics、8 89(195
6)」あるいは「C.A.Spindt“Physic
al Properties of thin−fil
m field emission cathodes
with molybdenium cones”,
J.Appl.Phys.,47,5248(197
6)」等が知られている。MIM型の例としては「C.
A.Mead、“Operation ofTunne
l−Emission Devices”,J.App
l.Phys.,32,646(1961)」等に開示
されたものが知られている。
【0003】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
「M.I.Elinson,Radio Eng.El
ectron Phys.,10,1290(196
5)」等に開示されたものがある。表面伝導型電子放出
素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に対して膜面
に平行に電流を流すことにより、電子を放出する。この
表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等に
よるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:Thin SolidFilm
s、9,317(1972)]、In2 3/SnO2
膜によるもの[M.Hartwell and C.
G.Fonstad:IEEE Trans.ED C
onf.、519(1975)]、カーボン薄膜による
もの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁
(1983)]等が報告されている。
【0004】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を
図12に模式的に示す。同図において1は基板である。
4は導電性薄膜で、H型形状のパターンにスパッタで形
成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォー
ミングと呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成さ
れる。尚、図中の素子電極間隔L1は0.5〜1mm、
W’は0.1mmで設定されている。
【0005】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4を予め通電
フォーミングと呼ばれる通電処理することによって電子
放出部5を形成するのが一般的であった。即ち、通電フ
ォーミングとは導電性薄膜4の両端に直流電圧あるいは
非常にゆっくりとした昇電圧を印加通電し、導電性薄膜
を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高
抵抗な状態にした電子放出部5を形成することである。
尚、電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に発生した亀
裂付近から電子放出を行う。前記通電フォーミング処理
をした表面伝導型電子放出素子は、上述導電性薄膜4に
電圧を印加し、素子に電流を流すことにより上述の電子
放出部5より電子を放出せしめるものである。
【0006】表面伝導型放出素子は構造が単純で製造も
容易であることから、大面積にわたって多数素子を配列
形成できる利点がある。そこでこの特徴を活かした荷電
ビーム源、表示装置等の応用が研究がなされている。多
数の表面伝導型放出素子を配列形成した例としては、後
述するように梯子型配置と呼ぶ並列に表面伝導型放出素
子を配列し、個々の素子の両端を配線(共通配線とも呼
ぶ)で、それぞれ結線した行を多数行配列した電子源が
挙げられる(例えば、特開昭64−031332、特開
平1−283749、2−257552号公報等)。ま
た、特に表示装置等の画像形成装置においては、近年、
液晶を用いた平板型表示装置がCRTに替わって普及し
てきたが、自発光型でないためバックライトを持たなけ
ればならない等の問題点があり、自発光型の表示装置の
開発が望まれてきた。自発光型表示装置としては、表面
伝導型放出素子を多数配置した電子源と、電子源より放
出された電子によって可視光を発光せしめる蛍光体とを
組み合わせた表示装置である画像形成装置が挙げられる
(例えば、USP5,066,883)。
【0007】また、特開平2−56822号公報に開示
されている電子放出素子の構成を図13に示す。同図に
おいて1は基板、2および3は素子電極、4は導電性薄
膜、5は電子放出部である。この電子放出素子の製造方
法としては、様々な方法があるが、例えば基板1に一般
的な真空蒸着技術、フォトリソグラフィ技術により素子
電極2および3を形成する。次いで導電性薄膜4を分散
塗布法等によって形成する。その後、素子電極2,3に
電圧を印加し通電処理を施すことによって電子放出部5
を形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成の表面伝導型電子放出素子を製造する従来の
方法は、半導体プロセスを主とする方法によるため、従
来の技術では大面積に電子放出素子を形成することが困
難であって、特殊かつ高価な製造装置を必要とし、生産
コストが高いといった欠点がある。
【0009】また、従来の技術では、フォトリソグラフ
ィ技術におけるマスク合せによるアライメント精度で電
子放出素子の位置精度が決定してしまい、プロセス工程
中にアライメント補正することが困難である。
【0010】さらに、オフセット印刷、スクリーン印刷
等の印刷技術を用いて素子電極を形成した電子放出素子
を検討したところ、導電性薄膜となる分散塗布する液が
半導体プロセスや特に印刷技術で作製された素子電極に
吸収されてしまい、この吸収される量がロット毎に異な
ると、導電性薄膜の抵抗がロットにより異なり、結果と
して所期の電子放出特性を示さないロットが発生する場
合があった。
【0011】そこで本発明の目的は、電子源、表示パネ
ルおよび画像形成装置の製造方法において、第1に、大
面積にわたって電子放出素子を容易にかつ低コストで形
成できるようにすることにある。第2に、電子放出素子
の形成位置を補正できるようにすることにある。そして
第3に導電性薄膜の抵抗値を精度良く形成できるように
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め本発明の電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製
造方法では、一対の素子電極間に導電性薄膜を形成する
材料を含む溶液を液滴の状態で付与することによって電
子放出素子を形成する工程において、電子放出素子を形
成する前に、素子電極と同時に作成した複数の吐出量調
整用部材に液滴を付与し、さらに少なくとも一つのアラ
イメント用部材にも液滴を付与することを特徴とする。
【0013】また、上記吐出量調整用部材を複数形成
し、該複数の吐出量調整用部材のそれぞれに液滴を付与
して、素子電極による液滴の吸収量をそれぞれ推定し、
各々推定された吸収量について統計処理した数値、例え
ば平均値を用いて、液滴の付与量を定めて上記素子電極
間への液滴の付与を行うとともにアライメント用部材を
別に設け、これに液滴を付与して両者の位置関係を測定
し、アライメントを行うことを特徴とする。さらには各
素子行(列)に対して上記アライメント部材を設け、素
子行(列)への液滴の付与を開始する前にアライメント
を行うことを特徴とする。更に、該素子行(列)ごとの
アライメントに続き、電予源の機能に影響しない部位に
液滴を吐出した後に、その素子行(列)への液滴付与を
行うことを特徴とする。また、液滴の付与を、熱的エネ
ルギーの付与により気泡を発生させ液滴を吐出させる方
式等のインクジェット方式で行うことを特徴とする。
【0014】以上の方法により、フォトリソグラフィ技
術を用いることなく導電性薄膜を形成でき、電子放出素
子を形成する前に位置合せを行うためアライメント精度
が向上し、かつ印刷技術で素子電極を形成した場合にお
いて、素子電極による液滴の吸収量が推定できるため、
導電性薄膜の抵抗の設定値からのズレを減少でき、歩留
りも向上させることができる。
【0015】なお、電極による液滴の吸収量の推定を、
1回の測定により行う場合に比べ、上記のごとく複数の
吐出量調整用部材に対し、複数回の液滴付与を行って、
例えば平均値を採る方法は、以下のような理由でより好
ましいものである。
【0016】液滴付与装置による、液滴の付与量には無
視できないバラツキがある可能性がある。また、印刷法
により形成された電極の状態にもバラツキがある可能性
がある。測定により推定される吸収量はこの両方のバラ
ツキを含んだものであり、1回の測定から推定した吸収
量をもとに液滴の吐出量を補正した場合には、適正な量
から外れてしまう恐れがある。
【0017】このような場合、通電フォーミング処理に
より電子放出部を形成する場合、導電性薄膜の抵抗値に
よって、得られる電子放出特性が影響を受けるので、導
電性薄膜の厚さが全体として厚すぎたり、薄すぎたりし
て抵抗値がずれてしまうと、一部に特性が極端に異なる
例えば電子放出量の極端に小さな素子が形成される危険
がある。上記のように、平均値を採ることにより、この
ような不都合を防ぐことが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の好ま
しい実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態
に係る製造方法により製造される表面伝導型電子放出素
子を示す図であり、図2はその製造方法の手順を示す図
である。図1および2において、1は基板、2および3
は素子電極対を形成している素子電極、4は導電性薄
膜、5は電子放出部、6は液滴付与装置、7は液滴、1
0は素子電極2,3形成時に作製したアライメント部
位、8は導電性薄膜4を形成する前にアライメント部位
10に付与した液滴、9は光学顕微鏡等の光学的検知手
段である。なお、アライメント用部材及び吐出量調整用
部材の形状は、図1aに示された形状に限定されるもの
ではなく目的に応じ、様々な形状のものを用いることが
出来る。例えば、図3a−dに示す様な形状を採用する
ことが出来、とくに図3cのような形状で形成しようと
する電子放出素子の、素子電極と同じ寸法で形成した場
合、液滴の吸収量の推定がより正確になり好ましい。
【0019】液滴付与装置6としては、任意の液滴を形
成できる装置であればどのような装置を用いてもかまわ
ないが、特に十数ng〜十数μg程度の範囲で制御が可
能でかつ数十ng程度以上の微小量の液滴が容易に形成
できるインクジェット方式の装置が好適である。そのよ
うなインクジェット方式の装置としては、圧電素子等を
用いたインクジェット噴射装置、熱エネルギーによって
液体内に気泡を形成させてその液体を液滴として吐出さ
せる方式によるインクジェット噴射装置などが挙げられ
る。
【0020】また、導電性薄膜4を形成するために用い
る液滴としては、液滴となるものであればどのようなも
のであっても構わないが、水、溶剤等に所望の材料を分
散または溶解した液、有機金属化合物溶液および有機金
属錯体を含有する溶液等がある。
【0021】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量を低減させたガラス、青板ガラス、スパッタ
法等によりSiO2を堆積させたガラス基板、アルミナ
等のセラミックス基板が用いられる。
【0022】対向する素子電極2,3の材料としては一
般的な導電材料を用いることができ、Ni、Cr、A
u、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属
あるいは合金、Pd、As、Ag、Au、RuO2、P
d−Ag等の金属あるいは金属酸化物とガラス等から構
成される印刷導体、In23−SnO2等の透明導電
体、ポリシリコン等の半導体材料等から選択することが
できる。
【0023】素子電極間隔L、素子電極長さW’、導電
性薄膜4の形状は、応用される形態等を考慮して設計さ
れる。素子電極間隔Lは、好ましくは数千オングストロ
ームから数百マイクロメートルの範囲であり、より好ま
しくは素子電極間に印加する電圧等を考慮して1マイク
ロメートルから100マイクロメートルである。
【0024】素子電極長さW1は電極の抵抗値、電子放
出特性を考慮して、数マイクロメートルから数百マイク
ロメートルの範囲である。また素子電極2,3の膜厚d
は、100オングストロームから1マイクロメートルの
範囲である。
【0025】導電性薄膜4には、良好な電子放出特性を
得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが
好ましい。その膜厚は素子電極2,3へのステップカバ
レージ、素子電極2,3間の抵抗値および後述する通電
フォーミング条件等を考慮して適宜設定されるが、通常
は数オングストロームから数千オングストロームの範囲
とするのが好ましく、より好ましくは10オングストロ
ームから500オングストロームの範囲とするのが良
い。その抵抗値は、シート抵抗値Rが10の2乗から1
0の7乗Ωである。なおRsは、厚さがt、幅がwで長
さがlの薄膜の抵抗Rを、R=Rs(l/w)とおいた
ときに現れる値で、薄膜材料の抵抗率をρとするとRs
=ρ/tで表される。ここでは、フォーミング処理につ
いて通電処理を例に挙げて説明するが、フォーミング処
理はこれに限られるものではなく、膜に亀裂を生じさせ
て高抵抗状態を形成する方法であればいかなる方法でも
良い。
【0026】導電性薄膜4を構成する材料としては、P
d、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、C
r、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、Pd
O、SnO2、In23、PbO、Sb23等の酸化物
の中から適宜選択される。
【0027】ここで述べる微粒子膜とは複数の微粒子が
集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に分
散配置した状態あるいは、微粒子が互いに隣接、あるい
は重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体
として島状構造を形成している場合も含む)をとってい
る。微粒子の粒径は数オングストロームから1μmの範
囲、好ましくは10オングストロームから200オング
ストロームの範囲である。
【0028】電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に形
成された高抵抗の亀裂により構成され導電性薄膜の膜
厚、膜質、材料および後述する通電フォーミング等の手
法等に依存したものとなる。電子放出部の内部には、1
000オングストローム以下の粒径の導電性微粒子を含
む場合もある。この導電性微粒子は、導電性薄膜4を構
成する材料の元素の一部、あるいは全ての元素を含有す
るものとなる。電子放出部5およびその近傍の導電性薄
膜4には、炭素あるいは炭素化合物を含む場合もある。
【0029】以下、図2を参照しながら製造方法の1例
について説明する。なお、図では説明のため素子電極
2,3とアライメント用部材10が一組ずつ描いてあ
り、さらに吐出量調整用部材は省略されているが、実際
の電子源では、例えば図4に示す様に素子電極、吐出量
調整用部材がそれぞれ適当な位置に複数配置され、また
これとは別にアライメント用部材も1つないし複数が配
置されている。
【0030】基板1を洗剤、純水、有機溶剤等を用い
て十分に洗浄し、乾燥させた後、真空蒸着法、スパッタ
法、印刷法等により素子電極材料を堆積し、その後、フ
ォトリソグラフィー技術を用いて基板1上に素子電極
2,3およびアライメント用部材10を形成する(図2
(a))。
【0031】素子電極2,3およびアライメント用部
材10を設けた基板1上に、有機金属溶液を液滴付与装
置6によりアライメント用部材10に液滴7を付与す
る。有機金属溶液としては、前述の導電性薄膜4の材料
の金属を主元素とする有機金属化合物の溶液を用いるこ
とができる(図2(b))。
【0032】続いてアライメント部材10と付与され
た液滴8の位置関係を観測する。例えば光学顕微鏡9に
より観測し、アライメント部材10の中心と、付与され
た液滴8の中心がどちらにどの程度ずれているかを観測
し、ズレがなくなるようにアライメン卜を行う。
【0033】次いで不図示の複数の吐出量調整用部材に
液滴を付与し、付与した液滴の中央の膜厚を測定して、
部材上に存在する液体の量を推定し、素子電極による液
滴の吸収量を推定、複数の測定により求められたそれぞ
れの吸収量の推定値の代表値、例えば平均値を求める。
【0034】アライメント用部材10に有機金属薄膜8
が無かった場合は、再度、アライメント用部材10に液
滴7を付与する。この付与は、有機金属薄膜8が光学顕
微鏡9で確認できるまで、繰り返し行い、その後、上述
のアライメントを行う。
【0035】次に、上記吸収量の代表値を考慮して液
滴の付与量を決め、素子電極2,3間に液滴付与装置6
を用いて液滴7を付与し、有機金属薄膜を形成する。そ
して、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、導電性薄膜4を
形成する(図2(c))。
【0036】つづいて、フォーミング処理を施す。こ
のフォーミング処理方法の一例として通電処理による方
法を説明する。素子電極2,3間に、不図示の電源を用
いて、通電を行うと、導電性薄膜4の部位に、構造の変
化した電子放出部5が形成される(図2(d))。この
通電フォーミングによれば導電性薄膜4に局所的に破
壊、変形もしくは変質等の構造変化した部位が形成され
る。該部位が電子放出部5となる。通電フォーミングの
電圧波形の例を図5に示す。電圧波形は特にパルス波形
が好ましい。これにはパルス波高値を定電圧としたパル
スを連続的に印加する図5(a)に示した手法と、パル
ス波高値を増加させながら、電圧パルスを印加する図5
(b)に示した手法がある。図5(a)におけるT1お
よびT2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔である。通
常はT1は1マイクロ秒〜10ミリ秒、T2は10マイ
クロ秒〜100ミリ秒の範囲で設定される。三角波の波
高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、表面伝導
型電子放出素子の形態に応じて適宜選択される。このよ
うな条件のもと、例えば数秒から数十分間電圧を印加す
る。パルス波形は三角波に限定されるものではなく、矩
形波など所望の波形を採用することができる。図5
(b)におけるT1およびT2は、図5(a)に示した
のと同様とすることができる。三角波の波高値(通電フ
ォーミング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステッ
プ程度づつ増加させることができる。
【0037】通電フォーミング処理の終了は、パルス間
隔T2中に、導電性薄膜4を局所的に破壊、変形しない
程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することがで
きる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子
電流を測定し、抵抗値を求めて、1Mオーム以上の抵抗
を示した時、通電フォーミングを終了させる。
【0038】フォーミングを終えた素子には活性化処
理を施すのが好ましい。活性化処理を施すことにより、
素子電流Ifと放出電流Ieが著しく変化する。活性化
処理は、例えば有機物質のガスを含有する雰囲気下で、
通電フォーミングと同様に、パルスの印加を繰り返すこ
とができる。この雰囲気は、例えば油拡散ポンプやロー
タリーポンプなどを用いて真空容器内を排気した場合に
雰囲気内に残留する有機ガスを利用して形成することが
出来る他、イオンポンプ等により一旦十分に排気した真
空中に適当な有機物質のガスを導入することによっても
得られる。この時の好ましい有機物質のガス圧は、前述
の応用の形態、真空容器の形状や、有機物質の種類等に
より異なるため場合に応じ適宜設定される。適当な有機
物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族
炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アルデ
ヒド類、ケトン類、アミン類、フェノール、カルボン
酸、スルホン酸等の有機酸類等を挙げることが出来、具
体的にはメタン、エタン、プロパン等Cn2n+2で表さ
れる飽和炭化水素、エチレン、プロピレン等Cn2n
の組成式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、メタノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
アミン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロ
ピオン酸等が使用出来る。この処理により雰囲気中に存
在する有機物質から炭素あるいは炭素化合物が素子上に
堆積し、素子電流If、放出電流Ieが著しく変化す
る。活性化工程の終了判定は、素子電流Ifと放出電流
Ieを測定しながら行う。なおパルス幅、パルス間隔、
パルス波高値等は適宜設定される。
【0039】炭素および炭素化合物とは、HOPG(Hi
ghly Oriented Pyrolytic Graphite)、PG(Pyrolyti
c Graphite)、GC(Glassy Carbon )等のグラファイ
ト(HOPGはほぼ完全な結晶構造をもつグラファイ
ト、PGは結晶粒が200オングストローム程度で結晶
構造がやや乱れたグラファイト、GCは結晶粒が20オ
ングストローム程度で結晶構造の乱れがさらに大きくな
ったものを指す。)や、非晶質カーボン(アモルファス
カーボン及びアモルファスカーボンと前記グラファイト
の微結晶の混合物を含むカーボン)であり、その膜厚
は、500オングストローム以下にするのが好ましく、
300オングストローム以下であればより好ましい。
【0040】活性化工程を経て得られた電子放出素子
は、安定化処理を行うことが好ましい。この処理は、真
空容器内の有機物質の分圧が、1×10-8Torr以
下、望ましくは1×10-10Torr以下で行うのが良
い。真空容器内の圧力は10-5〜10-7Torr以下が
好ましく、特に1×10-8Torr以下が好ましい。真
空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオ
イルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使
用しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソー
プションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げ
ることができる。さらに真空容器内を排気するときに
は、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子放
出素子に吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが
好ましい。このときの加熱した状態での真空排気条件
は、80〜200℃で5時間以上が望ましいが、特にこ
の条件に限るものではなく、真空容器の大きさや形状、
電子放出素子の構成などの諸条件により変化する。な
お、上記有機物質の分圧測定は質量分析装置により質量
数が10〜200の炭素と水素を主成分とする有機分子
の分圧を測定し、それらの分圧を積算することにより求
める。
【0041】安定化工程を経た後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することができる。このような真空雰囲気を
採用することにより、新たな炭素あるいは炭素化合物の
堆積を抑制でき、結果として素子電流If、放出電流I
eが安定する。
【0042】電子放出素子の配列については、種々のも
のが採用できる。一例として、並列に配置した多数の電
子放出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を
多数個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向
(列方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制
御電極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子から
の電子を制御駆動するはしご状配置のものがある。これ
とは別に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に
複数個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電
極の一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配
された複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配
線に共通に接続するものが挙げられる。このようなもの
は所謂単純マトリクス配置である。
【0043】まず単純マトリクス配置について以下に詳
述する。電子放出素子を複数個マトリクス状に配して得
られる電子源基板について、図6を用いて説明する。図
6において、71は電子源基板、72はX方向配線、7
3はY方向配線である。74は表面伝導型電子放出素
子、75は結線である。なお、表面伝導型電子放出素子
74は、前述した平面型あるいは垂直型のどちらであっ
ても良い。
【0044】m本のX方向配線72は、DX1、DX
2、・・・ 、DXmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパ
ッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成するこ
とができる。配線の材料、膜厚、幅は、適宜設計され
る。Y方向配線73は、DY1、DY2、・・・ 、DYn
のn本の配線よりなり、X方向配線72と同様に形成さ
れる。これらm本のX方向配線72とn本のY方向配線
73との間には、不図示の層間絶縁層が設けられてお
り、両者を電気的に分離している(m、nは、共に正の
整数)。
【0045】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2 等で構成
される。例えば、X方向配線72を形成した基板71の
全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配
線72とY方向配線73の交差部の電位差に耐え得るよ
うに膜厚、材料、製法が設定される。X方向配線72と
Y方向配線73は、それぞれ外部端子として引き出され
ている。表面伝導型放出素子74を構成する一対の電極
(不図示)は、m本のX方向配線72とn本のY方向配
線73と導電性金属等からなる結線75によって電気的
に接続されている。
【0046】配線72と配線73を構成する材料、結線
75を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料
は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、例え
ば前述の素子電極の材料より適宜選択される。素子電極
を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子
電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
【0047】X方向配線72には、X方向に配列した表
面伝導型放出素子74の行を、選択するための走査信号
を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一
方、Y方向配線73には、Y方向に配列した表面伝導型
放出素子74の各列を入力信号に応じて変調するための
不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素
子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査
信号と変調信号の差電圧として供給される。上記構成に
おいては、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素子
を選択し、独立に駆動可能とすることができる。
【0048】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図7と図8及び
図9を用いて説明する。図7は画像形成装置の表示パネ
ルの一例を示す模式図であり、図8は、図7の表示パネ
ルに使用される蛍光膜の模式図である。図9はNTSC
方式のテレビ信号に応じて表示を行うための駆動回路の
一例を示すブロック図である。
【0049】図7において、71は電子放出素子を複数
配した電子源基板、81は電子源基板71を固定したリ
アプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光膜84
とメタルバック85等が形成されたフェースプレートで
ある。82は、支持枠であり、該支持枠82には、リア
プレート81とフェースプレート86がフリットガラス
等を用いて接続されている。88はこれらによって構成
される外囲器であり、例えば大気中あるいは窒素中で4
00〜500℃の温度範囲で10分以上焼成され、封着
される。74は、図1における電子放出部に相当する。
72、73は、各表面伝導型電子放出素子の各対の素子
電極と接続されたX方向配線及びY方向配線である。
【0050】外囲器88は、上述の如く、フェースプレ
ート86、支持枠82、リアプレート81で構成され
る。リアプレート81は主に電子源基板71の強度を補
強する目的で設けられるため、電子源基板71自体で十
分な強度を持つ場合は別体のリアプレート81は不要と
することができる。即ち、基板71に直接支持枠82を
封着し、フェースプレート86、支持枠82及び基板7
1で外囲器88を構成しても良い。一方、フェースプレ
ート86、リアプレート81間に、スペーサー(耐大気
圧支持部材)とよばれる不図示の支持体を設置すること
により、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器88を
構成することもできる。
【0051】図8は、蛍光膜84を示す模式図である。
蛍光膜84はモノクロームの場合は蛍光体のみから構成
することができる。カラーの蛍光膜の場合は蛍光体の配
列によりブラックストライプあるいはブラックマトリク
スなどと呼ばれる黒色部材91と蛍光体92とから構成
することができる。ブラックストライプ、ブラックマト
リクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる
三原色蛍光体の各蛍光体92間の塗り分け部を黒くする
ことで混色等を目立たなくすることと、外光反射による
コントラストの低下を抑制することにある。ブラックス
トライプの材料としては、通常用いられている黒鉛を主
成分とする材料の他、光の透過及び反射が少ない材料で
あれば、これを用いることができる。
【0052】ガラス基板83に蛍光体を塗布する方法と
しては、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷
法等が採用できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタ
ルバック85が設けられる。メタルバックを設ける目的
は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレー
ト86側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させる
こと、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として
作用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突に
よるダメージから蛍光体を保護すること等である。メタ
ルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑
化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行
い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで
作製できる。フェースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側(ガラス
基板83側)に透明電極(不図示)を設けてもよい。前
述の封着を行う際には、カラーの場合は各色蛍光体と電
子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わ
せが不可欠となる。
【0053】図7に示した表示パネルは、例えば以下の
ようにして製造される。外囲器88は、前述の安定化工
程と同様に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープ
ションポンプなどのオイルを使用しない排気装置により
不図示の排気管を通じて排気し、10-7Torr程度の
真空度の有機物質の十分少ない雰囲気にした後、封止さ
れる。外囲器88の封止後の真空度を維持するために、
ゲッター処理を行うこともできる。これは、外囲器88
の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは
高周波加熱等を用いた加熱により、外囲器88内の所定
の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着
膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成
分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10
-5Torrないしは1×10-7Torrの真空度を維持
するものである。
【0054】次に、単純マトリクス配置の電子源を用い
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に
基づいたテレビジョン表示を行うための駆動回路の構成
例について、図9を用いて説明する。図9において、1
01は画像表示パネル、102は走査回路、103は制
御回路、104はシフトレジスタである。105はライ
ンメモリ、106は同期信号分離回路、107は変調信
号発生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0055】表示パネル101は、端子Dox1〜Do
xm、端子Doy1〜Doyn、及び高圧端子Hvを介
して外部の電気回路と接続している。端子Dox1〜D
oxmには、表示パネル内に設けられている電子源、即
ち、M行N列の行列状にマトリクス配線された表面伝導
型電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動するた
めの走査信号が印加される。
【0056】端子Doy1〜Doynには、前記走査信
号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各
素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が印加
される。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例え
ば10K[V]の直流電圧が供給されるが、これは表面
伝導型電子放出素子から放出される電子ビームに蛍光体
を励起するのに十分なエネルギーを付与するための加速
電圧である。
【0057】走査回路102について説明する。同回路
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、
表示パネル101の端子Dox1ないしDoxmと電気
的に接続される。S1〜Smの各スイッチング素子は、
制御回路103が出力する制御信号Tscanに基づい
て動作するものであり、例えばFETのようなスイッチ
ング素子を組み合わせることにより構成することができ
る。
【0058】直流電圧源Vxは、本例の場合には表面伝
導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力する
よう設定されている。
【0059】制御回路103は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作
を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期信
号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに基
づいて、各部に対してTscan及びTsft及びTm
ryの各制御信号を発生する。
【0060】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波数
分離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信
号分離回路106により分離された同期信号は、垂直同
期信号と水平同期信号よりなるが、ここでは説明の便宜
上Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から
分離された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と
表した。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力
される。
【0061】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ
104のシフトクロックであるということもでき
る。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータ
は、Id1〜IdnのN個の並列信号として前記シフト
レジスタ104より出力される。
【0062】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryに従
って適宜Id1〜Idnの内容を記憶する。記憶された
内容は、I’d1〜I’dnとして出力され、変調信号
発生器107に入力される。
【0063】変調信号発生器107は、画像データI’
d1〜I’dnの各々に応じて表面伝導型電子放出素子
の各々を適切に駆動変調するための信号源であり、その
出力信号は、端子Doy1〜Doynを通じて表示パネ
ル101内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0064】電子放出素子は放出電流Ieに対して以下
の基本特性を有している。即ち、電子放出には明確なし
きい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加され
た時のみ電子放出が生じる。電子放出しきい値以上の電
圧に対しては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電
流も変化する。このことから、本素子にパルス状の電圧
を印加する場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加
しても電子放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧
を印加する場合には電子ビームが出力される。その際、
パルスの波高値Vmを変化させることにより出力電子ビ
ームの強度を制御することが可能である。また、パルス
の幅Pwを変化させることにより出力される電子ビーム
の電荷の総量を制御することが可能である。したがっ
て、入力信号に応じて、電子放出素子を変調する方式と
しては、電圧変調方式、パルス幅変調方式等が採用でき
る。電圧変調方式を実施するに際しては、変調信号発生
器107として、一定長さの電圧パルスを発生し、入力
されるデータに応じて適宜パルスの波高値を変調するよ
うな電圧変調方式の回路を用いることができる。
【0065】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0066】シフトレジスタ104やラインメモリ10
5は、デジタル信号式のものをもアナログ信号式のもの
をも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や
記憶が所定の速度で行なわれれば良いからである。
【0067】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには106の出力部にA/D変
換器を設ければ良い。これに関連してラインメモリ10
5の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、
変調信号発生器107に用いられる回路が若干異なった
ものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式
の場合、変調信号発生器107には、例えばD/A変換
回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。パ
ルス幅変調方式の場合、変調信号発生器107には、例
えば高速の発振器及び発振器の出力する波数を計数する
計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの
出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた
回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力するパルス
幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することも
できる。
【0068】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を
採用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することもで
きる。
【0069】このような構成をとり得る画像表示装置に
おいては、各電子放出素子に、容器外端子Dox1〜D
oxm、Doy1〜Doynを介して電圧を印加するこ
とにより、電子放出が生ずる。高圧端子Hvを介してメ
タルバック85、あるいは透明電極(不図示)に高圧を
印加し、電子ビームを加速する。加速された電子は、蛍
光膜84に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
【0070】ここで述べた画像形成装置の構成は一例で
あり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能で
ある。入力信号については、NTSC方式を挙げたが入
力信号はこれに限られるものではなく、PAL、SEC
AM方式など他、これよりも、多数の走査線からなるT
V信号(例えば、MUSE方式をはじめとする高品位T
V)方式をも採用できる。
【0071】次に、はしご型配置の電子源及び画像形成
装置について図10及び図11を用いて説明する。図1
0は、はしご型配置の電子源の一例を示す模式図であ
る。図10において、110は電子源基板、111は電
子放出素子である。112(Dx1〜Dx10)は、電
子放出素子111を接続するための共通配線である。電
子放出素子111は、基板110上に、X方向に並列に
複数個配されている(これを素子行と呼ぶ)。この素子
行が複数個配されて、電子源を構成している。各素子行
の共通配線間に駆動電圧を印加することで、各素子行を
独立に駆動させることができる。即ち、電子ビームを放
出させたい素子行には、電子放出しきい値以上の電圧
を、電子ビームを放出しない素子行には、電子放出しき
い値以下の電圧を印加する。各素子行間の共通配線Dx
2〜Dx9は、例えばDx2、Dx3を同一配線とする
こともできる。
【0072】図11は、はしご型配置の電子源を備えた
画像形成装置におけるパネル構造の一例を示す模式図で
ある。120はグリッド電極、121は電子が通過する
ため空孔、122はDox1、Dox2、・・・ 、Dox
mよりなる容器外端子である。123は、グリッド電極
120と接続されたG1、G2、・・・ 、Gnからなる容
器外端子、110は各素子行間の共通配線を同一配線と
した電子源基板である。図11においては、図7、図1
0に示した部位と同じ部位には、これらの図に付したの
と同一の符号を付している。ここに示した画像形成装置
と、図7に示した単純マトリクス配置の画像形成装置と
の大きな違いは、電子源基板110とフェースプレート
86の間にグリッド電極120を備えているか否かであ
る。
【0073】図11においては、基板110とフェース
プレート86の間には、グリッド電極120が設けられ
ている。グリッド電極120は、表面伝導型放出素子か
ら放出された電子ビームを変調するためのものであり、
はしご型配置の素子行と直交して設けられたストライプ
状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に対応
して1個ずつ円形の開口121が設けられている。グリ
ッドの形状や設置位置は図11に示したものに限定され
るものではない。例えば、開口としてメッシュ状に多数
の通過口を設けることもでき、グリッドを表面伝導型放
出素子の周囲や近傍に設けることもできる。
【0074】容器外端子122及びグリッド容器外端子
123は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。本例の表示パネルを用いた画像形成装置では、素子
行を1列ずつ順次駆動(走査)していくのと同期してグ
リッド電極列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加
する。これにより、各電子ビームの蛍光体への照射を制
御し、画像を1ラインずつ表示することができる。
【0075】図7、図11の表示パネルを有する画像形
成装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議シ
ステムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラ
ム等を用いて構成された光プリンターとしての画像形成
装置等としても用いることができる。
【0076】
【実施例】(実施例1)図4に示す、マトリクス状の配
線を有する電予源を以下に示す手順で作成した。 石英基板1を、洗剤、純粋及び有機溶剤により十分洗
浄した後、120℃で乾燥させた。 オフセット印刷により、Niよりなる素子電極2,
3、部材11を形成し、ついでスクリーン印刷によりY
方向配線73、層間絶縁層74、X方向配線(上配線)
72を形成した(尚、後述するように、本実施例に限り
部材11の内1つだけはアライメント用部材として用
い、それ以外は吐出量調整用部材として用いる)。素子
電極の間隔Lは20μm、素子電極の幅W1を600μ
m、厚さdを1000Åとした。また、部材11は、素
子電極と同じ形状、寸法とし、各素子列に対応する基板
の端近くの位置に形成した。なお、各素子行に対応する
基板の端近くの位置に部材10を上記素子電極及び部材
11と同時に形成したが、本実施例の以下の工程ではこ
の部材10は使用しなかった。
【0077】次に液滴付与装置6として、圧電素子を
用いたインクジェット装置を用い、素子電極、配線、ア
ライメント用部材、吐出量調整用部材などが形成されて
いない上記の石英基板上の複数の個所に、上記吐出量調
整用部材に導電性膜形成用の材料を含む溶液の液滴を付
与し付与された液滴の中心部に光を当て、反射光の分光
強度から付与された液滴の厚さをもとめ、液滴吐出量を
測定した。該基板上の液滴の膜厚と、液滴吐出量の関係
は、あらかじめ求めておいたものである。該溶液は酢酸
Pdモノエタノールアミン0.5%イソプロパノール2
0%、エチレングリコール1%の水溶液である。この測
定により、該インクジェット装置の吐出量のバラツキを
評価することが出来る。
【0078】ついで、上記部材11の一つに上記液滴
を付与し、液滴の中心と上記素子電極との位置関係を測
定し、液滴付与装置と基板1の位置関係を調整した。す
なわち、部材11の内の一つはアライメント用部材とし
て用いた。ついで残りの部材11にも液滴を付与し、素
子電極の間隙に相当する位置において、上記と同様にし
て液滴の厚さを求めた。すなわち部材11のはじめの一
つ以外は、吐出量調整用に用いた。この結果から印刷に
より形成された素子電極による液滴の吸収量が推定され
る。結果は、付与した液滴量に対し、20〜30%の量
が吸収されていることが分かり、吸収量にばらつきがあ
る事が分かった。ただし、インクジェット装置の吐出量
にも若干のバラツキがあり、この測定で求められるバラ
ツキは、吸収量のバラツキと吐出量のバラツキの両方を
含めたものである。しかし、この吐出量のバラツキは上
記のステップで求められているので、吸収量のバラツ
キを分離して求めることが出来る。これにより、素子電
極を形成した印刷の工程の均一性を評価することが出来
る。更に、各吐出量調整用部材において、吸収量として
求められた値について平均値を求めた。
【0079】上記ステップで求めた吸収量を考慮し
て、各素子電極に対する、導電性膜形成用材料を含む溶
液の付与量を決め、インクジェット装置により、所定の
付与量を付与する。 次いで、大気中で300℃10分間の加熱処理を行
い、酸化パラジウム(PdO)微粒子からなる導電性薄
膜4を形成した。
【0080】次いで、素子電極2、3の間に図5
(b)に示す様な波高値の漸増する三角波パルス電圧を
印加して、導電性薄膜4を通電処理 (通電フォーミン
グ) することにより、電子放出部5を形成した。素子
電極への電圧の印加は、1つの素子行に対応するX方向
配線にパルス電圧を印加し、Y方向配線をすべてグラン
ド電位とすることにより、上記一つの素子行の属する素
子について同時に行った。電圧を印加するX方向配線を
順次変更して処理することで、すべての素子行について
処理を行った。
【0081】こうして作成された電子源を用い、前述し
たようにフェースプレート86、支持枠82、リアプレ
ート81とをフリットガラスにより接合して、該電子源
を内包する外囲器を形成した。
【0082】次いで、外囲器内を不図示の排気管を通じ
て排気した後、アセトンを導入して圧力を1.3×10
−1Paとし、素子電極間にパルス電圧を繰り返し印加
することにより、活性化処理を施した。その後外囲器内
を再度十分に排気して安定化工程を行った後、排気管を
ガスバーナーを用いて融着して封止を行い表示パネル、
更には図9に示す様なNTSC方式のテレビ信号に基づ
きテレビジョン表示を行うための駆動回路を有する画像
形成装置を作成し、良好な画像を形成できる装置を得る
ことが出来た。
【0083】(実施例2)図4に示すマトリクス状の配
線を有する、電子源を以下に示す手順により作成した。
実施例1の〜と同様のステップにより、石英基板1
上に、素子電極2,3、配線72,73および層間絶縁
層74、吐出量調整用部材11、アライメント用部材1
0を形成し、吐出用調整用部材による液滴吸収量の測定
およびその平均値の算出を行った。
【0084】各素子行への液滴付与の際、液滴の吐出
量は、上記の液滴吸収量の平均値に基づいて制御する。
各素子行への液滴付与に先立ち、それぞれの素子行に対
応するアライメント用部材10の位置に、液滴を付与
し、液滴の中心と、アライメン卜用部材の中心が一致す
る事を確認し、必要に応じて再度位置あわせを行う。こ
の操作は特に液滴付与装置を電子源の基板に対し素子方
向に移動するさいに、移動距離にずれが生じた場合これ
を検知し補正するのに有効である。このようにすること
により、液滴付与の位置精度は、更に向上する。
【0085】これ以降の工程は、実施例1の以降の工
程と同様であり、画像形成装置を作成して、良好な画像
を形成することが出来た。
【0086】(実施例3)図4に示すマトリクス状の配
線を有する、電子源を以下に示す手順により作成した。
実施例1の〜と同様のステップにより、石英基板1
上に、素子電極2,3、配線72,73および層間絶縁
層74、吐出量調整用部材11、アライメン卜用部材1
0を形成し、吐出量調整用部材による液滴吸収量の測定
およびその平均値の算出を行った。
【0087】各素子行への液滴付与の際、液滴の吐出
量は、上記の液滴吸収量の平均値に基づいて制御する。
各素子行への液滴付与に先立ち、それぞれの素子行に対
応するアライメント用部材10の位置に、液滴を付与
し、液滴の中心と、アライメント用部材の中心が一致す
る事を確認し、必要に応じて再度位置あわせを行う。更
に、該アライメント用部材の位置に重ねて液滴を付与
し、引き続いて対応する素子行の素子全てに液滴の付与
を行った。
【0088】このような処理を行う理由は以下のとおり
である。一つの素子行への液滴付与を終えた後、次の素
子行へ液滴付与装置を移動させる際、ある程度の時間を
要する。更に上述のように位置あわせを行うことにも時
間を要する。そのため、液滴の吐出が一旦中断された後
に再開されることになる。付与する溶液や液滴付与装置
の駆動条件によっては、吐出を一旦中断し、再開した直
後には、吐出量などが通常と異なる場合があり、このよ
うな状態で液滴の付与を開始すると、各素子行のはじめ
の方で、素子の特性がバラついたり、ズレたりする恐れ
がある。吐出再開後の初期の液滴を素子への液滴付与に
用いないようにすればこの問題を回避することが出来
る。この初期の液滴は、本実施例のように、位置確認の
役割を終えたアライメント用部材に吐出しても良いし、
基板の端など電子源の機能に影響しない部分に吐出して
も良い。また、このようにして吐出する液滴の数は、溶
液や吐出の条件に応じ、吐出量が十分安定するまで行え
ば良い。本実施例では10滴の吐出を行った後、その素
子行ヘの液滴付与を開始した。これ以降の工程は、実施
例1の以降の工程と同様であり、画像形成装置を作成
して、良好な画像を形成することが出来た。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、導
電性膜形成用材料を含む溶液の液滴を付与する前に、ア
ライメント用部材と吐出量調整用部材とを用いて、液滴
付与装置と電子源の位置あわせと素子電極による液滴吸
収量の測定を行うため、電子放出素子の形成される位置
が正確にでき、また素子電極が液滴を吸収するものであ
る場合にも適量の液滴を付与して、所望の特性を有する
導電性膜を得ることが出来、所望の電子放出特性を得る
ことが出来る。また、液滴吸収量の測定は複数の吐出量
調整用部材に対して行い、これから求めた平均値などの
数値により、液滴の付与量を決めるため、吸収量の測定
におけるバラツキの影響を取り除き、より適切な付与量
を決めることが出来る。更に、各素子行への液滴付与の
前に、電子源の機能に影響しない部分に液滴を吐出した
後にその素子行への液滴付与を行うことにより、吐出を
中断した後に再開した直後の吐出のバラツキによる影響
を回避することが出来る。したがって、より正確に所望
の特性の電子放出素子を有する電子源、およびそれを用
いた表示パネル、画像形成装置を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って製造される表面伝導型電子放
出素子の構成を示す模式図であり、(a)は平面図、
(b)は断面図である。
【図2】 図1の素子を製造する本発明の素子製造方法
の手順を示す工程図である。
【図3】 本発明で用いるアライメント部位を例示する
平面図である。
【図4】 本発明の実施例7で用いたマトリクス状配線
とアライメント部位を有する基板の模式的平面図であ
る。
【図5】 通電フォーミングの電圧波形の一例を示すグ
ラフであり、(a)はパルス波高値一定の場合、(b)
はパルス波高値が増加する場合を示す図である。
【図6】 本発明により製造し得る単純マトリクス配置
の電子源の一例を示す模式的部分平面図である。
【図7】 本発明により製造し得る画像形成装置の一例
の概略構成図である。
【図8】 図7の装置の蛍光膜の構成を示す模式的部分
図であり、(a)はブラックストライプの設けられたも
の、(b)はブラックマトリクスの設けられたものの図
である。
【図9】 本発明により製造し得る画像形成装置の一例
における駆動回路であって、NTSC方式のテレビ信号
に応じて表示を行うための駆動回路のブロック図であ
る。
【図10】 本発明により製造し得る梯子配置の電子源
の模式的部分平面図である。
【図11】 本発明により製造し得る画像形成装置の別
の例の概略構成図である。
【図12】 従来の表面伝導型電子放出素子の一例を示
す模式的平面図である。
【図13】 従来の他の表面伝導型電子放出素子の別の
一例を示す概観斜視図である。
【符号の説明】
1:基板、2、3:素子電極、4:導電性薄膜、5:電
子放出部、6:液滴付与装置、7:液滴、8:有機金属
薄膜、9:光学顕微鏡、10:アライメント用部位、1
1:吐出量調整用部材、71:電子源基板、72:X方
向配線、73:Y方向配線、74:表面伝導型電子放出
素子、75:結線、81:リアプレート、82:支持
枠、83:ガラス基板、84:蛍光膜、85:メタルバ
ック、86:フェースプレート、88:外囲器、91:
黒色導電材、92:蛍光体、101:表示パネル、10
2:走査回路、103:制御回路、104:シフトレジ
スタ、105:ラインメモリ、106:同期信号分離回
路、107:変調信号発生器、110:電子源基板、1
11:電子放出素子、112:共通配線、120:グリ
ッド電極、121:空孔、122:容器外端子、12
3:容器外端子、124:電子源基板。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の対向する素子電極と、該素子電極
    に接続し、電子放出部を含む導電性薄膜を有する電子放
    出素子を、基体上に複数有してなる電子源の製造方法で
    あって、該導電性薄膜の材料を含む溶液を、液滴付与装
    置により所定の位置に付与するステップを含む上記導電
    性薄膜の形成工程が、 (1)基体上に、素子電極とアライメント用部材、およ
    び複数の付与量調整用部材とを同じ手法で形成する工程
    と、 (2)上記アライメント用部材に上記液滴付与装置によ
    り液滴を付与し、該液滴付与装置と、上記基体の位置を
    調整する工程と、 (3)上記複数の付与量調整用部材に上記液滴付与装置
    により液滴を付与し、その吸収量を推定し、統計的処理
    を行って吸収量の代表値を求める工程と、 (4)上記吸収量の代表値を用いて、導電性薄膜を形成
    する部分に付与する液滴量を定め、定められた量の液滴
    を上記導電性薄膜を形成する部分に付与する工程と、を
    有することを特徴とする電子源の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記液滴付与装置がインクジェット方式
    により液滴を吐出するものであることを特徴とする請求
    項1記載の電子源の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記付与量調整用部材は、上記一対の素
    子電極と同じ形状であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の電子源の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記代表値は、平均値であることを特徴
    とする請求項1〜3に記載の電子源の製造方法。
  5. 【請求項5】 吸収量の測定は、付与された液滴の中心
    における、液滴の厚さを測定することで行うことを特徴
    とする請求項1〜4に記載の電子源の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記アライメン卜用部材が各素子行また
    は各素子列に対応して設けられ、上記導電性薄膜を形成
    する部分への液滴の付与が、各素子行または各素子列ご
    とにアライメン卜用部材に液滴を付与し、アライメント
    を行った後に行われることを特徴とする請求項1〜5に
    記載の電子源の製造方法。
  7. 【請求項7】 アライメントを行った後、さらに電子源
    の機能に影響しない部分に液滴を付与した後、導電性薄
    膜を形成する部分に液滴の付与を行なうことを特徴とす
    る請求項6に記載の電子源の製造方法。
  8. 【請求項8】 アライメントを行った後、液滴を付与す
    る部分は、上記アライメント部材上であることを特徴と
    する請求項7に記載の電子源の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記導電性薄膜の材料を含む溶液は、有
    機金属化合物を含む水溶液であることを特徴とする請求
    項1〜8に記載の電子源の製造方法。
  10. 【請求項10】 導電性薄膜を形成する部分に液滴を付
    与した後、更に加熱処理により導電性薄膜を形成するこ
    とを特徴とする請求項1〜9に記載の電子源の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 更に、導電性薄膜に電流を流すことに
    より、電子放出部を形成することを特徴とする請求項1
    〜10に記載の電子源の製造方法。
  12. 【請求項12】 電子放出素子及び該素子への電圧印加
    手段とを具備する電子源と、該素子から放出される電子
    を受けて発光する蛍光膜とを具備する表示パネルであっ
    て、該電子放出素子を請求項1〜11のいずれかに記載
    の方法で作製することを特徴とする表示パネル。
  13. 【請求項13】 電子放出素子及び該素子への電圧印加
    手段を具備する電子源と、該素子から放出される電子を
    受けて発光する蛍光膜と、外部信号に基づいて該素子へ
    印加する電圧を制御する駆動回路とを具備する画像形成
    装置であって、該電子放出素子を請求項1〜11のいず
    れかに記載の方法で作製することを特徴とする画像形成
    装置。
  14. 【請求項14】 画像形成装置が、テレビジョン放送、
    テレビ会議システム、コンピュータまたは光プリンター
    用として用いられることを特徴とする請求項13に記載
    の画像形成装置。
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