JPH1112041A - セラミック体の製造方法 - Google Patents

セラミック体の製造方法

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JPH1112041A
JPH1112041A JP9170480A JP17048097A JPH1112041A JP H1112041 A JPH1112041 A JP H1112041A JP 9170480 A JP9170480 A JP 9170480A JP 17048097 A JP17048097 A JP 17048097A JP H1112041 A JPH1112041 A JP H1112041A
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JP
Japan
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solvent
green sheets
ceramic body
binder
producing
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JP9170480A
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Masaya Ishijima
正弥 石嶋
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリーンシートの成形においては、主に低温
等方圧圧密成形が行なわれていたが、この方法では準備
に手作業が必要で工数が掛かり、廃棄物が大量に発生す
るという問題があり、自動化も難しい。 【解決手段】 グリーンシートの積層面に、このグリー
ンシートに含まれるバインダを溶解する溶剤を塗布する
工程と、この溶剤が塗布されたグリーンシートを積層す
る工程と、この積層されたグリーンシートをプレスして
一体化する工程と、プレスされたグリーンシートを焼成
する工程と、を含むセラミック体の製造方法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミック体の製造
方法に関し、特にグリーンシート法で生成されるセラミ
ック体であってグリーンシートを複数積層して成るもの
に関する。
【0002】
【従来の技術】IC素子の進歩に伴い、基板には配線回
路の高密度化、発熱の防止、温度湿度変化やほこりから
の保護が要求されるようになり、多層回路基板やICパ
ッケージまたは圧電素子等の素子を組み入れたパッケー
ジが発展してきた。グリーンシート法はドクターブレー
ド法により作製したアルミナグリーンシートに導体ペー
ストを印刷したものを積層し一括して焼成したものであ
り、LSIやVLSIにとって、また高信頼性を必要と
される素子にとって、信頼性の高い多層回路基板の製造
方法である。この方法で作られる多層回路基板やICパ
ッケージ等のセラミック体には次の特徴がある。先ず第
一に、微細配線を施した多数のシートの積層が容易であ
るため高密度配線が可能であること、第二に、絶縁基
板、導体を同時焼成して作るので一体化が完全で信頼性
が高いことである。
【0003】次にグリーンシート法による多層回路基板
等のセラミック体の基本的製造プロセスについて図7、
図8を用いて説明する。図7に示すように原料粉体とフ
ラックス、有機バインダ、溶剤、可塑剤をボールミル中
でよく混合し、スラリーとする。このスラリーをブレー
ドによりキャリアテープ上に伸展し、乾燥したものをグ
リーンシートと呼ぶ(この方法をドクターブレード法と
呼ぶ)。このグリーンシートは厚みが0.1〜1.0m
m程度のもので厚さは必要に応じて調節することができ
る。このグリーンシート上に高融点金属粉末にて作製し
た導体ペーストをスクリーン印刷する。グリーンシート
法における多層化の方法には、シート積層、印刷多層と
両者併用の3方法があるが、よく用いられているのはシ
ート積層法である。シート積層によれば、グリーンシー
トに金型やマイクロドリルにて穴あけを行い、その中へ
導体ペーストを充填し、パターンを印刷したものを複数
枚積層し、還元雰囲気で焼成することによってセラミッ
ク体が製造される。
【0004】このようなシート積層法により製造される
セラミック体の概略仕様としては、配線材質はタングス
テン系またはモリブデン系で、最小線幅は0.08mm
程度、最小線間隔は0.1mm程度、最小スルーホール
径は0.1mm程度、最小スルーホールピッチは0.2
5mm程度であり、また従来用いられてきた原料粉体の
材質としては90〜94%程度のアルミナを用い、熱膨
張係数は75×10-7/℃、誘電率は8.5、比抵抗は
1014Ω/cm程度のものである。また、このようにし
て積層されるグリーンシートの最大積層数は45層程度
以上のものが可能であった。
【0005】次に複数枚のグリーンシートを一体化する
工程について説明する。複数枚のグリーンシートは積層
後成形することによって一体化されるが、従来最も賞用
されていたのは低温等方圧圧密成形いわゆるCIP法で
ある。CIP法ではもとの材料となる積層されたグリー
ンシートをゴム質の袋の中にいれ、それを圧縮容器の中
に入れてある圧力伝達液(純粘性液体)の中に入れ、そ
の伝達液を圧縮し、伝達液中に発生するパスカル圧によ
って袋中の原料粉体を等方的に圧密する。パスカル圧に
よって四方八方から等方的に締められるので一軸圧密の
場合に比べてより高度の等方加圧や高密度加圧、均質加
圧が達成される。このため保形性にすぐれた高密度成形
体を得ることができる。
【0006】この方法は図8に示すような手順で成形体
75が完成される。先ず、セラミックシート70を目的
の形状にパンチングしたグリーンシート71とパターン
を印刷したグリーンシート72に加工する工程、これら
のグリーンシートを重ね合わせ積層体73を形成する工
程、その積層体73をビニール袋74に入れ包装する工
程、グリーンシートの積層体73を入れ包装されたビニ
ール袋74を真空引きし、ビニール袋74がグリーンシ
ートの積層体73に対して密着するようにする工程、等
方プレスを施す工程である。なお、低温等方圧圧密成形
の他に高温等方圧圧密成形いわゆるHIPを用いるもの
もあるが原理的には同様な原理を採用している。このよ
うに低温等方圧圧密成形を行なうのは等方プレスをする
ことによりグリーンシート中に含まれるバインダを軟化
させ、軟化させたバインダどうしで重ねられたグリーン
シート間を接着しセラミック体75を完成する方法であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにグリーン
シートの成形においては主に低温等方圧圧密成形が行な
われていたが、この方法ではセラミックシートを正確に
重ねあわせ、ビニール袋にて包装し、真空引きをする工
程を数回繰り返さなければならず包装工数が掛かり、ま
たビニール袋等の廃棄物が大量に発生するという問題が
ある。またこれらの工程は殆ど手作業で行なわれるため
工数が多く掛かり、自動化し難いという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、グリーンシートを積層して形成されるセラ
ミック体の製造方法であって、前記グリーンシートの積
層面にこのグリーンシートに含まれるバインダを溶解す
る溶剤を塗布する工程と、この溶剤が塗布されたグリー
ンシートを積層する工程と、この積層されたグリーンシ
ートをプレスして一体化する工程と、プレスされたグリ
ーンシートを焼成する工程と、を含むセラミック体の製
造方法を提供する。
【0009】また、前記溶剤は、グリーンシートを構成
する溶剤と同一組成の溶剤であるセラミック体の製造方
法を提供する。また、前記溶剤の塗布は、この溶剤で濡
らされたメッシュシートを、前記グリーンシートの積層
面に密接して行なうセラミック体の製造方法を提供す
る。また、前記溶剤の塗布は、この溶剤蒸気を前記グリ
ーンシートの積層面にスプレーすることにより行なうセ
ラミック体の製造方法を提供する。また、前記積層され
たグリーンシートをプレスして一体化する工程におい
て、プレス圧力が、1kg/cm2 以上かつ10kg/
cm2 以下の圧力であるセラミック体の製造方法を提供
する。
【0010】また、前記バインダは、ポリビニルブチラ
ールであり、前記溶剤はメタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、n−ブタノールのいずれか一又は
二以上の組合せからなるセラミック体の製造方法を提供
する。また、前記バインダは、ポリビニルブチラールで
あり、前記溶剤はシクロヘキサノン、イソホロンのいず
れか一又は両者の組合せからなるセラミック体の製造方
法を提供する。また、前記バインダは、ポリビニルブチ
ラールであり、前記溶剤は、N・N−ジメチルホルムア
ミドであるセラミック体の製造方法を提供する。また、
前記バインダは、ポリビニルブチラールであり、前記溶
剤は、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブのいずれか
一又は両者の組合せからなるセラミック体の製造方法を
提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下にこの発明のセラミック体の
製造方法について請求項に記載された順に説明する。請
求項1に記載された発明は前述のようにグリーンシート
を積層して形成されるセラミック体の製造方法であっ
て、このグリーンシートの積層面にグリーンシートに含
まれるバインダを溶解する溶剤を塗布し、この溶剤が塗
布された面を重ねあわせ、これをプレスし、プレスされ
たグリーンシートを焼成する工程からなるセラミック体
の製造方法である。従来のものと異なる点は低温等方圧
圧密成形法を用いずにプレス加工により複数のグリーン
シートを一体化することができる点にある。
【0012】このように低温等方圧圧密成形法を用いな
くてよいのは、グリーンシートの積層面にグリーンシー
トに含まれるバインダを溶解する溶剤を塗布したため、
グリーンシートをプレスすることによって充分バインダ
を軟化させ、複数のグリーンシート間を接着することが
できるためである。なお、このセラミック体はセラミッ
ク基板のみならずICやLSI等に用いられる多層配線
基板又は圧電素子例えば水晶振動子のようなものをパッ
ケージするパッケージ体を含む概念であることは言うま
でもない。
【0013】このように複数のグリーンシートを一体化
するに要する工程はグリーンシートに特定の溶剤を塗布
する工程と積層後これをプレスする工程のみであるた
め、工数が非常に少なくて済み、また包装の廃棄物が発
生するという問題もない。また工程が非常に簡単である
ため自動化がしやすいという利点がある。また、このよ
うにバインダを溶解する溶剤はどのような種類のもので
あってもよいが、プレスする圧力との関係で適当な粘度
にしなければならない。
【0014】このようにセラミック体を製造する方法を
簡単に説明すると、図1に示すように、先ず、原料粉体
と固形化のためのバインダとの混合粉に分散剤や可塑剤
等の有機溶剤を加えて混合し、これを充分撹拌してスラ
リー化し、このスラリーをドクターブレードと呼ばれる
ナイフとフィルムのギャップによってキャスティングを
行い、乾燥させて連続したフィルム上にグリーンシート
を形成する。必要に応じてこのグリーンシート上の所定
の位置にスルーホールを形成し、このスルーホール孔内
にスクリーンによる厚膜印刷法で導体ペーストの埋め込
みを行なってスルーホールを形成する。
【0015】その後グリーンシート上の所定の位置に形
成されたスルーホール間を結ぶためにグリーンシート上
に厚膜印刷法で配線パターンを形成する。上記の方法で
スルーホールおよび配線パターンが形成された複数のグ
リーンシートを積層し、積層面に所定の溶剤を塗布し、
積層した後プレスして積層体を一体化し、その後これを
焼成してセラミック体を得ることになる。以上のように
従来のものと異なる点はグリーンシートを積層し、これ
を一体化する点のみであり、従来のCIP法と比べて極
めて簡単な工程で済むため自動化により大幅な工数削減
が可能となる。
【0016】次に請求項2記載の発明について説明す
る。請求項2記載の発明はグリーンシートに含まれるバ
インダを溶解する溶剤としてグリーンシートを構成する
溶剤と同一組成の溶剤を用いる請求項1に記載のセラミ
ック体の製造方法である。本来グリーンシートは原料粉
とバインダとその他所定の添加物とバインダを溶解する
溶剤とからなっている。したがってこのバインダを溶解
する溶剤と同一組成の溶剤をグリーンシートの積層面に
塗布することによってもグリーンシートを一体化するこ
とが可能であり、同一組成のものを用いることとすれ
ば、材料を複数種類用意する必要はなく、製造プロセス
が簡単に済むうえにグリーンシート間の積層面が他のグ
リーンシートの他の非積層面と異なる性状にならないよ
うにするため、グリーンシートの積層方向の組成の均一
化という点からも有効である。
【0017】次に請求項3記載の発明のついて説明す
る。請求項3記載の発明は、前記溶剤の塗布を溶剤で濡
らされたメッシュシートをグリーンシートの積層面に密
接して行なう請求項1又は2記載のセラミック体の製造
方法である。グリーンシートの積層面に溶剤を塗布する
際に注意しなければならない点は、その溶剤がグリーン
シート積層面に均一に塗布されることである。さもなけ
れば面内においてバインダの溶解量に不均一を生じ、積
層面の均一の密着を阻害することになるからである。
【0018】このようにグリーンシートの積層面に溶剤
を均一に塗布する必要があるが、面が均一な大型な基板
ならばともかく、IC素子や圧電素子等を収納するセラ
ミック体のフラットパッケージ等の場合にはワークを回
転して塗布するような方法、即ち、回転塗布等を採用す
ることができず、また手によって刷毛等により塗布する
こともできないので均一に溶剤を塗布する方法が極めて
重要となる。この方法として、図2に示すような枠21
に張った極めて微細なメッシュからなるメッシュシート
22を用意し、このメッシュシート22の全体を溶剤に
ディップした後、引き上げてメッシュシート22を適当
に溶剤で濡らし、このメッシュシート22をグリーンシ
ート23の積層面に密接することによりメッシュシート
22に付く溶剤をグリーンシート23の積層面に転写し
てグリーンシート23の積層面に均一な溶剤の塗布を可
能とするものである。なお、このメッシュシート22の
メッシュの大きさはメッシュの孔径が0.01mm〜
0.1mm程度のものが適当である。
【0019】次に請求項4記載の発明について説明す
る。請求項4記載の発明は、前記溶剤の塗布を溶剤を蒸
気化し、この蒸気をグリーンシート積層面にスプレーす
ることによって行なう請求項1又は2記載のセラミック
体の製造方法である。請求項3記載の発明においては溶
剤をグリーンシート積層面に均一に塗布するために微細
なメッシュを用いることを提案したが、本請求項のもの
はこの他の方法として積層面へのスプレー方法について
提案するものである。
【0020】メッシュシートにより溶剤をグリーンシー
ト積層面へ塗布するメリットはその工程のために必要と
される設備が比較的安価で済むという点であるが、メッ
シュシートは比較的機械的強度が弱いので量産工程で多
数回積層面に密接するうちにメッシュシートが痛んだり
して溶剤の均一の塗布が妨げられるおそれがある。かか
る観点から本請求項においてはグリーンシートの積層面
に物理的に接触することなく溶剤を均一に塗布すること
が可能であるスプレー方法を提案するものである。なお
この溶剤をスプレーする際には溶剤の厚みが各グリーン
シート間で、又各グリーンシートのロット間で均一であ
ることを要求されるため特別の構造を有する溶剤のスプ
レー装置が必要とされる。
【0021】具体的のその構成について説明すると図3
に示すように、グリーンシート33を収納する制御チャ
ンバー34を設け、この制御チャンバー34内に溶剤の
蒸気35を導入する。そして溶剤の蒸気35により制御
チャンバー34内の蒸気圧が一定となった時点で制御チ
ャンバー34内に固定されたグリーンシート33の積層
面に向かってノズル36から目的とする溶剤をスプレー
塗布する。このように制御チャンバー34内の溶剤の蒸
気35を所定圧力とするのは溶剤が大気圧中に蒸発する
ことにより、その時々の作業室の雰囲気によってスプレ
ーされた溶剤の厚みが変化するのを防止することができ
るためである。
【0022】次に請求項5記載の発明について説明す
る。請求項5記載の発明は積層されたグリーンシートを
プレスして一体化する工程においてプレス圧力が1kg
/cm2 以上且つ10kg/cm2 以下の圧力である請
求項1〜4のいずれか一に記載のセラミック体の製造方
法である。前述のように大型の基板、平板のセラミック
体を積層し形成する際には溶剤が塗布されて積層された
グリーンシートに対して比較的高圧を加えることが可能
であるが、ICや圧電素子等を収納するフラットパッケ
ージ等の製造にこの方法を用いる場合には微細な構造を
有する場合があるので高圧を全面的にかけてこれをプレ
スすることは適当でない。
【0023】次に請求項6から10記載の発明について
説明する。請求項6から10記載の発明はこのセラミッ
ク体を構成するバインダと、また、グリーンシートを構
成する溶剤の種類を特定したものである。先ず、バイン
ダは請求項6から10記載の発明、全てがポリビニルブ
チラールである。ポリビニルブチラールは図4に記載す
るような方法で作製される。先ず、酢酸ビニールモノマ
ーを用意し、これを重合させてポリ酢酸ビニールを形成
し、これを鹸化しポリビニールアルコールとし、アルデ
ヒドと反応させてポリビニルブチラールとし、これを仕
上げて製品とするものである。
【0024】またこのポリビニルブチラール樹脂の構造
は図5のようなものになる。即ちビニールアセタールグ
ループとビニールアルコールグループ及び酢酸ビニール
グループからなっている。ポリビニルアルコールを完全
にアセタール化することはできず理論的アセタール化度
は86.5重量%程度と言われている。またポリビニル
アルコールを製造する際にも小量のアセチル基が残るの
で実際のアセタール化度は理論値よりも若干低くなる場
合がある。しかしながら、このようにして製造されたポ
リビニルブチラールはセラミック材料の好適な素材であ
り、よい力学的性質とまた高い電気的絶縁性を有してい
る。
【0025】このポリビニルブチラール樹脂は平均重合
度が高くなるに従って強度が向上していくが、この重合
度に類別しA〜Fまでのサンプルを作り、これらの各種
の重合度のポリビニルブチラール樹脂に対して各種の溶
剤を用いてその溶解性を調べたものが表1である。溶剤
としては大きく分けてアルコール類、ケトン類、アミド
類、エステル類、エーテル類、セロソルブ類、炭化水素
類、芳香族類について実験した。これらの中から殆ど全
ての重合度のアセタール樹脂に対して高い溶解性を有す
る溶剤としては請求項6に記載したようにアルコール類
からはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ルが見いだされ、また請求項7記載のようにケトン類か
らはシクロヘキサノン、イソホロンが見いだされた。
【0027】
【表1】
【0028】またアミド類としてはN・N−ジメチルホ
ルムアミドが見いだされ、また、セロソルブ類からはメ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブが見いだされた。こ
れらの溶剤を用いる場合にはセラミックバインダとして
含まれているポリビニルブチラール樹脂を充分に溶解す
ることができるので積層面にこれを塗布することにより
グリーンシート間の接着強度が充分に確保することがで
きるというメリットがある。以上のように本発明は従来
のセラミック体の製造方法を一新し、簡易且つ安価なプ
ロセスを用いて高強度のセラミック体を実現することを
可能としたものである。なお、ここで具体的な実施例に
ついて以下に説明する。
【0029】
【実施例】本実施例では水晶板等圧電部品の熱膨張率に
近いパッケージ材料を選択してセラミック体からなるパ
ッケージを製造した。水晶板等圧電部品のサポート部材
を介さず直接パッケージに固着し、パッケージ材料とし
ては熱膨張係数が100〜150×10-7であって、ガ
ラスにフォルステライトを30〜70重量%分散したガ
ラスセラミックの混合体を用いた。ガラス組成はSiO
2 が50〜70重量%、Al2 O3 が2〜15重量%、
ZnOが2〜15重量%、RO(但しRはCa、Sr、
Baの一種類以上)を5〜30重量%、B2 O3 を1〜
8重量%、R2 O(但しRはNa、K、Liの一種類以
上)を5〜30重量%とした。
【0030】また、抗折強度を必要な強度に改善するた
め、ガラス及びセラミックの平均粒径を1〜3ミクロン
迄に充分微粉化したものを使用した。また、さらに抗折
強度を改善するためZrO2 、TiO2 、SnO2 、P
2 O5 、MoO3 の一種類以上を0.2〜5重量%混合
させて焼成時にガラスを結晶化させて抗折強度を向上し
ている。このような材料と、前述のプロセスを用いてセ
ラミック体を形成した。具体的にはこのようなバインダ
と溶剤を混合し、スラリーを製造してドクターブレード
法により厚さ100〜300ミクロン程度のグリーンシ
ートを形成する。
【0031】次にこのグリーンシートにスルーホールを
形成し、銀ペーストをスクリーン印刷してスルーホール
を充填するとともに内部導体を形成する。別のグリーン
シートに銀パラジウムペーストをスクリーン印刷し外部
取出し電極を形成する。また、別のグリーンシートに水
晶振動子用のキャビティの穴を打ち抜く。前記グリーン
シート及びダミーのグリーンシートを積層し、その積層
前に積層面に所定の溶剤を塗布して1〜10Kg/cm
2 の圧力でプレスした。なお、この際に用いた材料はメ
タノールであった。この積層体を脱バインダし、800
℃〜1000℃で焼成し、焼成された積層体を切断して
図6に示すパッケージのベース部材61を得る。
【0032】ベース部材61と同じ混合粉末を用いてパ
ッケージのキャップとなる蓋板を粉末プレスにより形成
し、800℃〜1000℃で焼成し、キャップ部材62
を得る。前記ベース部材61に予め低融点のガラス封止
部64を形成しておき、前記ベース部材61上に電極パ
ット部65と水晶片66の電極リード部67を導電性接
着剤で固着した後、前記キャップ部材62で封止し、セ
ラミック体60の水晶振動子用のパッケージを完成す
る。この実施例のパッケージ部材の場合には水晶振動子
と圧電部品の熱膨張率とパッケージの熱膨張率が整合す
るためパッケージに封止時及び封止後の熱処理により水
晶振動子の周波数特性の変動が少なくなり、高信頼な水
晶振動子の表面実装型圧電部品を得ることができ、また
コストも低下する。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明においては、従来用
いられていた等方圧圧密成形を採用せずにグリーンシー
トを積層一体化する方法を提供できるので、その工数が
極めて少なくなるとともに材料費も安価であり、且つ従
来と同等の機械的強度及び絶縁特性を有するセラミック
体の製造方法が実現できた。また、このような製造方法
をとると工数が少なくなる上に包装の類の廃棄物の量が
極めて少なくなり、また、手作業ではなく自動化をする
ことができるというメリットがある。従って安価である
上に信頼性が高く、ICやLSI等の積層基板や高精度
を要求する電子部品のパッケージとして最適なセラミッ
ク体の製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック体の製造方法を示す工程図
【図2】本発明のセラミック体の製造工程で使用するメ
ッシュシートを示す図
【図3】 グリーンシートに溶剤を塗布する制御チャン
バを示す図
【図4】 ポリビニルブチラール樹脂の製造方法を示す
【図5】 ポリビニルブチラール樹脂の構造を示す図
【図6】 ガラス−セラミックパッケージを用いた水晶
振動子の分解斜視図
【図7】 従来の多層配線セラミック体の製造方法を示
す工程図
【図8】 従来の多層配線セラミック体の製造方法を示
す模式図
【符号の説明】
22 メッシュシート 23、33 グリーンシート 60 セラミック体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリーンシートを積層して形成されるセラ
    ミック体の製造方法であって、前記グリーンシートの積
    層面にこのグリーンシートに含まれるバインダを溶解す
    る溶剤を塗布する工程と、この溶剤が塗布されたグリー
    ンシートを積層する工程と、この積層されたグリーンシ
    ートをプレスして一体化する工程と、プレスされたグリ
    ーンシートを焼成する工程と、を含むセラミック体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記溶剤は、グリーンシートを構成する溶
    剤と同一組成の溶剤である請求項1記載のセラミック体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記溶剤の塗布は、この溶剤で濡らされた
    メッシュシートを、前記グリーンシートの積層面に密接
    して行なう、請求項1又は2記載のセラミック体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記溶剤の塗布は、この溶剤蒸気を前記グ
    リーンシートの積層面にスプレーすることにより行なう
    請求項1又は2記載のセラミック体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記積層されたグリーンシートをプレスし
    て一体化する工程において、プレス圧力が、1kg/c
    m2 以上かつ10kg/cm2 以下の圧力である請求項
    1から4のいずれか一に記載のセラミック体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記バインダは、ポリビニルブチラールで
    あり、前記溶剤はメタノール、エタノール、イソプロピ
    ルアルコール、n−ブタノールのいずれか一又は二以上
    の組合せからなる請求項1から4いずれか一に記載のセ
    ラミック体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記バインダは、ポリビニルブチラールで
    あり、前記溶剤はシクロヘキサノン、イソホロンのいず
    れか一又は両者の組合せからなる請求項1から4いずれ
    か一に記載のセラミック体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記バインダは、ポリビニルブチラールで
    あり、前記溶剤は、N・N−ジメチルホルムアミドであ
    る請求項1から4いずれか一に記載のセラミック体の製
    造方法。
  9. 【請求項9】前記バインダは、ポリビニルブチラールで
    あり、前記溶剤は、メチルセロソルブ、ブチルセロソル
    ブのいずれか一又は両者の組合せからなる請求項1から
    4いずれか一に記載のセラミック体の製造方法。
JP9170480A 1997-06-26 1997-06-26 セラミック体の製造方法 Withdrawn JPH1112041A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022116300A (ja) * 2015-07-21 2022-08-09 クアンタムスケイプ バテリー, インク. グリーンガーネット薄膜を流延及び焼結するプロセス及び材料
US11817551B2 (en) 2017-11-06 2023-11-14 Quantumscape Battery, Inc. Lithium-stuffed garnet thin films and pellets having an oxyfluorinated and/or fluorinated surface and methods of making and using the thin films and pellets
US11876208B2 (en) 2013-01-07 2024-01-16 Quantumscape Battery, Inc. Thin film lithium conducting powder material deposition from flux
US11901506B2 (en) 2017-06-23 2024-02-13 Quantumscape Battery, Inc. Lithium-stuffed garnet electrolytes with secondary phase inclusions
US11916200B2 (en) 2016-10-21 2024-02-27 Quantumscape Battery, Inc. Lithium-stuffed garnet electrolytes with a reduced surface defect density and methods of making and using the same

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