JPH11119664A - 反射型表示装置用電極基板およびその製造方法 - Google Patents

反射型表示装置用電極基板およびその製造方法

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JPH11119664A
JPH11119664A JP27574697A JP27574697A JPH11119664A JP H11119664 A JPH11119664 A JP H11119664A JP 27574697 A JP27574697 A JP 27574697A JP 27574697 A JP27574697 A JP 27574697A JP H11119664 A JPH11119664 A JP H11119664A
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thin film
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JP27574697A
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Kenzo Fukuyoshi
健蔵 福吉
Yukihiro Kimura
幸弘 木村
Koji Imayoshi
孝二 今吉
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板上に導電膜パターンを配設した反射型表示
装置用電極基板において、導電膜(反射膜)の素材とし
て銀を用いても、耐久性、耐熱性に優れ、かつ、高い光
反射率の得られる反射型表示装置用電極基板を提供す
る。 【解決手段】基板上に、接着層と銀系薄膜の2層構成の
導電膜パターンを配設せしめた反射型表示装置用電極基
板において、表示面に相当する導電膜パターンの表示部
上に無機絶縁膜を積層し、かつ、電気的接続をとる導電
膜パターンの端子部上には積層しないことを特徴とする
反射型表示装置用電極基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置、入
出力装置、PDP(プラズマディスプレ)、あるいはE
L(エレクトロルミネッセンス)等に用いられる表示装
置用電極基板に関し、特に、電気的接続が容易であり、
かつ、耐熱性に優れた反射型表示装置用電極基板と、そ
の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、バックライトとして光
源(ランプ)を内蔵する透過型液晶表示装置が一般的で
ある。しかし、これら透過型液晶表示装置は、バックラ
イト用ランプによる消費電力が大きく、電池駆動の場合
は使用時間が短いため、本来液晶表示装置が有すべき携
帯用としての特徴を活かしきれていないという問題があ
った。このため、近年、外光を利用する(すなわち、バ
ックライト用ランプを内蔵しない)反射型の液晶表示装
置の開発が活発となっている。
【0003】反射型液晶表示装置2として、例えば図3
の模式図に示すように、ガラス等の背面基板30の液晶39
と対向する面側に、反射膜31および、カラーフィルタ32
を順次積層した構造としたものが多く提案されている。
なお、カラーフィルタ32は、例えばR(赤)、G
(緑)、B(青)等に着色された光透過性の画素(以
下、単に画素と記す)が、所定のパターンに従って複数
形成されているものである。また、反射膜31は、液晶駆
動用の電極を兼ねた、反射電極として用いる場合もあ
る。
【0004】従来、図3に示す、背面基板30に形成する
反射膜31として、アルミニウム薄膜が多く使用されてい
たものである。アルミニウムは、可視域の光の反射率が
高い金属といえる。しかし、近年、液晶表示装置の表示
品位の向上が要求されているものであり、アルミニウム
薄膜の光反射率は、必ずしも満足すべきものとはいえな
くなってきている。また、アルミニウムは、液晶やガラ
ス基板と接した場合、さらに光反射率が低下するという
問題もあった。
【0005】このため、反射膜の素材として銀を用いる
ことが提案されているものである。銀は、アルミニウム
と比較すると、光の反射率が優れているといえる(例え
ば、銀はアルミニウムと比較して光の反射率が、およそ
10%程度優れる)。しかし、銀は、ガラスやプラスチッ
クといった基板に対する密着力が低く、銀薄膜として基
板上に形成した場合、基板より剥がれ易いという問題が
あるものである。また、純度の高い銀にて、基板上に銀
薄膜を形成した場合、純度の高い銀薄膜は、熱や酸素の
影響で凝集し易いものであり、熱処理を行った際、銀薄
膜が白濁し、光反射率が低下しやすいという問題も有し
ている。
【0006】反射膜を銀とした場合に生じる上述した欠
点を補う技術として、銀薄膜を導電性酸化物にて挟持し
た、3層構成の導電膜を反射膜とする技術が提案されて
いる。しかし、この技術でも、エッチング液にて導電膜
(反射膜)を所定のパターンに加工する際、導電膜(反
射膜)はエッチングによるダメージを受け、特に、銀薄
膜を挟持する上側の導電性酸化物が剥がれ易くなるとい
う問題が有る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点に鑑みなされたもので、基板上に導電膜パター
ンを配設した反射型表示装置用電極基板において、導電
膜(反射膜)の素材として銀を用いても、耐久性、耐熱
性に優れ、かつ、高い光反射率の得られる反射型表示装
置用電極基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を行ったものである。その結
果、高光反射率で、かつ、高耐湿性を有する、接着層お
よび銀系薄膜からなる2層構成の導電膜パターン上に、
効率良く密着性の高い無機絶縁層を形成すれば上記の課
題を解決しうることを見いだし、これを提案するもので
ある。また、銀系薄膜の低抵抗と接続抵抗の低さを活か
し、かつ、高温(例えば、 300℃前後)での耐性を持た
せるために、反射型表示装置用電極基板の表示面に相当
する導電膜パターン上に無機絶縁膜を形成することを提
案するものである。
【0009】すなわち、請求項1に係わる発明は、基板
上に、接着層と銀系薄膜の2層構成の導電膜パターンを
配設せしめた反射型表示装置用電極基板において、表示
面に相当する導電膜パターンの表示部上に無機絶縁膜を
積層し、かつ、電気的接続をとる導電膜パターンの端子
部上には無機絶縁膜を積層しないことを特徴とする反射
型表示装置用電極基板としたものである。
【0010】上記無機絶縁膜の材料は、透明で、かつ、
ある程度の耐酸性、耐アルカリ性および耐熱性を持つも
のであれば良い。このため、無機絶縁膜の材料として、
窒化物や有機材料でも良いといえるが、膜の硬さや耐熱
性の観点から、酸化物が好ましいといえる。酸化物とし
ては、例えば、SiO2 、Ta2 5 、ZrO2 、Nb
2 5 、CeO2 、MgO、Al2 3 や、これらの混
合酸化物があげられる。また、これらに若干量のSnO
2 、ZnO2 、In2 3 、Sb2 5 等を添加して無
機絶縁膜としても良い。さらに、これらの材料より形成
された無機絶縁膜を形成後、熱処理を行うことで、無機
絶縁膜により高い耐性を付与することができる。
【0011】銀の合金である銀系薄膜は、ガラス等の基
板に対しての密着性に乏しく、剥がれ易い欠点がある。
銀系薄膜の密着性を向上させるためには、銀系薄膜の形
成に先立ち、ガラス等の基板に対して密着力のある金属
薄膜、あるいは金属酸化物薄膜をあらかじめ接着層とし
て基板に形成すれば良い。
【0012】すなわち、請求項2に係わる発明は、接着
層が、金属薄膜あるいは金属酸化物薄膜の少なくとも一
方より選択される接着層であることを特徴とする反射型
表示装置用電極としたものである。
【0013】接着層は、アルミニウムやアルミ合金、ニ
ッケルやニッケル・クロム合金、マグネシウム合金、チ
タンやタンタル等の金属、あるいは、これら金属の合金
からなる金属薄膜で形成しても良い。または、酸化イン
ジウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化セリウム等の金属酸化物、あるいは、これ
ら酸化物を混合した混合酸化物の薄膜で接着層を形成し
ても良い。
【0014】本発明において、エッチングにて接着層と
銀系薄膜とからなる2層構成の導電膜(反射電極)を所
望の形状にパターン加工する際、接着層である下地の金
属酸化物も、銀合金薄膜とともにエッチング加工できる
ことが必要である。このため本発明者らは、酸などのエ
ッチャントによりエッチング加工しやすい導電性酸化物
を検討したものである。その結果、導電性酸化物とし
て、酸化インジウムや酸化亜鉛を基材とする混合酸化物
が好ましいことを見いだした。
【0015】すなわち、請求項3に係わる発明は、接着
層が、酸化インジウムあるいは酸化亜鉛を基材とする混
合酸化物であることを特徴とする反射型表示装置用電極
基板としたものである。
【0016】次いで、銀への若干量の金属元素の添加
は、導電膜(反射電極)の耐熱性を向上させるうえで好
ましいといえる。また、接着層と銀系薄膜とからなる2
層構成において、銀に、白金、パラジウム、金、銅、ニ
ッケル等の仕事関数の高い金属を添加することは、反射
型表示装置用電極基板の信頼性を向上させるために好ま
しいといえる。
【0017】従って、請求項4に係わる発明は、銀系薄
膜が、銀に、白金、パラジウム、金、銅、ニッケルから
1種以上選択される金属を添加した銀合金よりなること
を特徴とする反射型表示装置用電極基板としたものであ
る。
【0018】銀系薄膜は、その膜厚が50nmを超えたあた
りから光反射率が高くなり、膜厚 200nm付近で光反射率
はほぼ飽和し、膜厚 300nmを超えても光反射率は変わら
なくなる。そのため、銀系薄膜の膜厚を 300nmより厚く
形成しても良いが、光反射率や経済面(製造コスト)の
点で、銀系薄膜の膜厚を厚くしても、あまり意味のある
ものとはいえない。
【0019】従って、請求項5に係わる発明は、銀系薄
膜の膜厚が、50nm〜300nmの範囲にあることを
特徴とする反射型表示装置用電極基板としたものであ
る。
【0020】STN型液晶用などの単純マトリクス(ス
トライプ状)等の駆動電極として加工された、接着層と
銀系薄膜とからなる2層構成の導電膜は端子部を形成
し、端子部にて電気的接続をとる必要があるため、無機
絶縁膜を形成する際、無機絶縁膜で端子部を覆わない形
とすることが肝要といえる。端子部に無機絶縁膜を形成
しないことは、端子部を薄い金属板や樹脂板等よりなる
所定の開口パターンを有するマスクでカバーした後、ス
パッタリング法にて無機絶縁膜を形成することで可能と
なる。
【0021】すなわち、請求項6に係わる発明は、基板
上に、接着層と銀系薄膜の2層構成の導電膜パターンを
配設せしめた反射型表示装置用電極基板の製造方法にお
いて、表示面に相当する導電膜パターンの表示部上に、
所定の開口部を有するマスクを用いたスパッタリング成
膜により無機絶縁膜を積層し、かつ、電気的接続をとる
導電膜パターンの端子上には無機絶縁膜を積層しないこ
とを特徴とする反射型表示装置用電極基板の製造方法と
したものである。
【0022】ここで、反射型表示装置用電極基板とし
て、大画面、かつ、微細なパターンとした導電膜パター
ンを有していた場合、本発明の反射型表示装置用電極基
板を得るべく、絶縁性の無機薄膜を形成することは比較
的困難といえる。すなわち、無機絶縁膜は、RF(高周
波)スパッタリングの手法で形成することが一般的とい
えるが、この手法では、スパッタリング時に導電膜に電
荷が溜まったり、また、パターン形状によってはRFに
より誘導されて導電膜パターン上で電場の不均一が発生
し、均質な膜付けが出来ず、色ムラや膜厚ムラを生じや
すいためである。これを解決するために、本発明者ら
は、導電性のターゲットを用いてDCスパッタリング
し、絶縁性の無機薄膜を形成すれば良いことを見いだし
た。
【0023】すなわち、請求項7に係わる発明は、無機
絶縁膜のスパッタリング成膜に用いるターゲットが導電
性ターゲットであり、かつ、スパッタリングにより導電
膜上に形成された薄膜が実質的に電気絶縁性となること
を特徴とする反射型表示装置用電極基板の製造方法とし
たものである。なお、上述したDCスパッタリング時、
軽くRF(高周波)をのせても良いものである。
【0024】無機絶縁膜のスパッタリング成膜の具体的
手法として、B(ホウ素)やP(リン)をドーピングし
て導電性を付与したシリコンをスパッタリングターゲッ
トとして用い、酸素を少量導入しながら、DCないし、
RF−DCスパッタリングにより、SiO2 (ないし、
SiO)として基板に成膜する手法がある。または、金
属マグネシウム、金属セリウム、アルミニウム等の金属
ターゲットを出発物質とし、上述したのと同様に酸素を
導入しながら、また、必要に応じて基板加熱を行いつ
つ、スパッタリングを行い、絶縁性の金属酸化物として
成膜する手法もある。
【0025】さらには、例えば、絶縁性のCeO2 (酸
化セリウム)の粉末(パウダー)と、導電性のIn2
3 (酸化インジウム)の粉末(パウダー)とを混合し成
形、焼結させた、CeO2 −In2 3 のターゲットを
用いてスパッタリングにより成膜し、絶縁性の無機膜を
基板上に成膜する手法も有る。なお、CeO2 の粉末
と、In2 3 の粉末とを混合し成形、焼結すること
で、CeO2 とIn2 3とが相分離して、ターゲット
として導電性が確保できるものである。
【0026】これら上述した手法により、大画面かつ、
微細な導電膜パターン上に、色ムラや膜厚ムラの無い、
均質な無機絶縁膜を形成することが出来る。
【0027】すなわち、請求項8に係わる発明は、無機
絶縁膜のスパッタリング成膜に用いるターゲットが、酸
化セリウムを含有したターゲットであることを特徴とす
る反射型表示装置用電極基板の製造方法としたものであ
る。
【0028】次いで、本発明の反射型表示装置用電極基
板に用いる基板は透明である必要はなく、反射型表示装
置の用途に応じて、白色、黒色またはその他の色に着色
された基板であっても構わない。さらに、基板自体が、
電気回路の形成された基板、または、太陽電池が形成さ
れた基板であっても良く、アモルファスシリコン、ポリ
シリコン、または、MIM(ダイオード素子)等の半導
体素子が形成された基板であっても良い。さらには、偏
光素子、回折格子、ホログラム、光散乱膜、λ/4波長
板、位相差フィルム、マイクロレンズ、カラーフィルタ
等を本発明の反射型表示装置用電極基板上に直接もしく
は間接的に形成しても良い。
【0029】また、本発明に係わる導電膜(反射膜)
は、低抵抗であるため、TFT(薄膜トランジスタ)や
MIM等の素子の信号線やバスラインに使用でき、これ
らと画素電極とに同時に用いることが出来る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、発明の実施の形態例につ
き、図面に基づいて説明する。 <実施例1>図1に示すように、本実施例1に係わる反
射型表示装置用電極基板17は、厚さ0.7mmのガラス基板1
0(日本板硝子(株)製、Hコート品)と、ガラス基板1
0上に順次積層された、SiO2 薄膜11(膜厚40nm)
と、酸化インジウムを基材とする接着層12(膜厚25nm)
と、銀系薄膜13(膜厚 150nm)と、無機絶縁膜14(膜厚
65nm)とでその主要部が構成されている。
【0031】ここで、本実施例1の無機絶縁膜14は、酸
化ニオブを15重量%含有した酸化セリウム混合酸化物よ
りなるスパッタリングターゲットを用い、スパッタリン
グ成膜で形成した。
【0032】接着層12は、基材である酸化インジウム
に、酸化セリウム、酸化スズおよび酸化チタンを添加し
たものである。その組成は、金属元素換算の原子パーセ
ント(酸素元素はノーカウントとする)にて、インジウ
ム88at%(原子パーセント)、セリウム 8.5at%(原子
パーセント)、スズ 3at%(原子パーセント)、チタン
0.5at%(原子パーセント)とした。
【0033】また、銀系薄膜13は、銀に、金 1at%(原
子パーセント)、銅 1at%(原子パーセント)を含有さ
せた銀合金とした。
【0034】本実施例1に係わる反射型表示装置用電極
基板17は、以下の製造プロセスにて形成したものであ
る。
【0035】まず、洗浄したガラス基板10を、真空槽
(スパッタリング装置)内に収納し、真空引きした。次
いで、ガラス基板10を真空槽から取り出すことなく、ス
パッタリング法にて、SiO2 薄膜11と、接着層12と、
銀系薄膜13とを連続成膜した。なお、スパッタリングの
際、基板に意図的な加熱は行わなかった。
【0036】上述した積層成膜後、ガラス基板10を真空
槽から取り出し、銀系薄膜13上にフォトレジストを塗布
した後、所定のパターンを有する露光用パターンマスク
を介し、ガラス基板10にパターン露光を行った。次い
で、ガラス基板10に現像を行い、所定のパターンに従っ
て導電膜(接着層12と銀系薄膜13との2層構成)を露出
したフォトレジストパターンを得た。すなわち、現像後
のフォトレジストパターンは、最終的に必要となる部位
以外の導電膜部位を露出させている。
【0037】次いで、硝酸第2セリウムアンモニウム1
重量%を含む硫酸系エッチャントを用い、フォトレジス
トパターンより露出した導電膜部位を溶解除去した。こ
のあと、フォトレジストパターンを、図1中に示す表示
面15に相当するところのみ再露光し、この部分のみフォ
トレジストパターンを剥離除去した。すなわち、図1中
に示す端子部16に相当する部位のフォトレジストは残し
ているものである。
【0038】次いで、スパッタリング装置を用いて、無
機絶縁膜をガラス基板10全面に成膜した。その後、ガラ
ス基板10全面に再露光を行い、しかる後、有機アルカリ
液を用い端子部16部位にあるフォトレジストパターンを
除去した。この処理により、端子部16部位では、無機絶
縁膜14より銀系薄膜13が露出した状態となる。
【0039】次に、温度 230℃にて1時間加熱を行うア
ニーリング処理を行い、図1に示す反射型表示装置用電
極基板17を得た。
【0040】上述した製造プロセスで得られた反射型表
示装置用基板17に 300℃前後の熱処理を掛けても、表示
面15部位は、白濁することなく光反射率の低下も見られ
なかった。また、端子部16部位は白濁するものの、端子
部16に電気的な実装を行っても、端子部16の接続抵抗は
十分に低く、かつ、高温、高湿の耐久性テスト(温度60
℃、湿度90%の条件下に基板を1000時間放置する)後の
信頼性評価も問題なく良好であった。
【0041】なお、本実施例1における無機絶縁膜の成
膜時、無機絶縁膜の色ムラや膜厚ムラを避けるため、ス
パッタリング装置および、トレー(ガラス基板10を入れ
る金属製の枠)と、ガラス基板10とを、電気的に完全に
浮かす(すなわち、絶縁する)工夫を行ったものであ
る。
【0042】<実施例2>図2に示すように、本実施例
2に係わる反射型表示装置用電極基板27は、厚さ0.7mm
の無アルカリガラス基板20(コーニング社製、1737
材)と、ガラス基板20上に順次積層された、接着層22
(膜厚25nm)と、銀系薄膜23(膜厚 150nm)と、無機絶
縁膜24(膜厚65nm)とでその主要部が構成されている。
【0043】ここで、本実施例2に係わる無機絶縁膜24
は、酸化セリウム、酸化チタン、および酸化インジウム
からなる混合酸化物ターゲットを用い、若干量の酸素を
導入しながらDCスパッタリングにて成膜したものであ
る。なお、混合酸化物ターゲットの組成は、金属元素換
算の原子パーセント(酸素元素はノーカウントとする)
にて、セリウム40at%(原子パーセント)、チタン1at
%(原子パーセント)、インジウム59at%(原子パーセ
ント)とした。
【0044】また、接着層22および銀系薄膜23は、上記
実施例1と同じ組成とした。さらに、本実施例2の反射
型表示装置用電極基板27の製造プロセスは、最終プロセ
スであるアニーリング処理の条件を温度 300℃にて1時
間加熱とした以外は、上記実施例1の製造プロセスと同
一とした。
【0045】本実施例2に係わる反射型表示装置用電極
基板27に 300℃前後の熱処理をかけても、表示面25に相
当する部位では、白濁等の外見的変化は観察されず、さ
らに光反射率の低下もなかった。また、端子部26の実装
に関しても、端子部26の電気的接続抵抗は、一般的なI
TO(酸化インジウムと酸化スズとの混合酸化物)から
なる透明電極の電気的接続抵抗より低く、また、高温、
高湿の耐久性テスト(温度60℃、湿度90%の条件下に基
板を1000時間放置する)後の信頼性評価も問題なく良好
であり、端子部26の信頼性は十分なものであった。
【0046】さらに、無機絶縁膜の形成による導電膜の
色ムラや着色も見られず、良好な反射型表示装置用電極
基板27が得られた。
【0047】なお、本実施例2に係わる反射型表示装置
用電極基板27の光反射率は、光の波長 550nmのところで
約95%と、アルミニウムを反射膜とした場合と比較して
10%程度高い、良好な光反射率であった。
【0048】
【発明の効果】本発明により、接着層と銀系薄膜との2
層構成とした導電膜で構成された従来の基板では不十分
であった、高温(例えば、 300℃前後)での耐熱性を有
し、かつ、銀の高光反射率を十分に活かした反射型表示
装置用電極基板を得ることができる。
【0049】さらに加えて、本発明の反射型表示装置用
電極基板では、反射電極である銀系薄膜上に無機絶縁膜
を形成することを構成要件とするため、従来STN型液
晶等を用いる場合に液晶用表示電極の上に積層されてい
たオーバーコートと呼称される無機絶縁膜の形成プロセ
スを省略でき、反射型表示装置用電極基板の製造プロセ
スの簡略化が可能になる等のメリットを有するものであ
る。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射型表示装置用電極基板の一実施例
を示す説明図。
【図2】本発明の反射型表示装置用電極基板の他の実施
例を示す説明図。
【図3】反射型液晶表示装置の例を模式的に示す説明
図。
【符号の説明】
2 液晶表示装置 10、20、30 基板 11 SiO2 薄膜 12、22 接着層 13、23 銀系薄膜 14、24 絶縁膜 15、25 表示面 16、26 端子部 17、27 電極基板 31 反射膜 32 カラーフィルタ 33 オーバーコート層 34、36 透明電極 35 TFT(薄膜トタンジス
タ) 38 AG(反射防止)フィルム 39 液晶

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、接着層と銀系薄膜の2層構成の
    導電膜パターンを配設せしめた反射型表示装置用電極基
    板において、表示面に相当する導電膜パターンの表示部
    上に無機絶縁膜を積層し、かつ、電気的接続をとる導電
    膜パターンの端子部上には無機絶縁膜を積層しないこと
    を特徴とする反射型表示装置用電極基板。
  2. 【請求項2】接着層が、金属薄膜あるいは金属酸化物薄
    膜の少なくとも一方より選択される接着層であることを
    特徴とする請求項1に記載の反射型表示装置用電極基
    板。
  3. 【請求項3】接着層が、酸化インジウムあるいは酸化亜
    鉛を基材とする混合酸化物であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の反射型表示装置用電極基板。
  4. 【請求項4】銀系薄膜が、銀に、白金、パラジウム、
    金、銅、ニッケルから1種以上選択される金属を添加し
    た銀合金よりなることを特徴とする請求項1、2または
    3に記載の反射型表示装置用電極基板。
  5. 【請求項5】銀系薄膜の膜厚が、50nm〜300nm
    の範囲にあることを特徴とする請求項1、2、3または
    4に記載の反射型表示装置用電極基板。
  6. 【請求項6】基板上に、接着層と銀系薄膜の2層構成の
    導電膜パターンを配設せしめた反射型表示装置用電極基
    板の製造方法において、表示面に相当する導電膜パター
    ンの表示部上に、所定の開口部を有するマスクを用いた
    スパッタリング成膜により無機絶縁膜を積層し、かつ、
    電気的接続をとる導電膜パターンの端子上には無機絶縁
    膜を積層しないことを特徴とする反射型表示装置用電極
    基板の製造方法。
  7. 【請求項7】無機絶縁膜のスパッタリング成膜に用いる
    ターゲットが導電性ターゲットであり、かつ、スパッタ
    リングにより導電膜上に形成された薄膜が実質的に電気
    絶縁性となることを特徴とする請求項6に記載の反射型
    表示装置用電極基板の製造方法。
  8. 【請求項8】無機絶縁膜のスパッタリング成膜に用いる
    ターゲットが、酸化セリウムを含有したターゲットであ
    ることを特徴とする請求項6または7に記載の反射型表
    示装置用電極基板の製造方法。
  9. 【請求項9】エッチングにより導電膜パターンを形成せ
    しめたあと、端子部のみフォトレジストパターンを残し
    て、これを無機絶縁膜のスパッタリング成膜時のマスク
    として用いることを特徴とする請求項6、7または8に
    記載の反射型表示装置用電極基板の製造方法。
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