JPH11119427A - 感光性組成物及び感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性組成物及び感光性平版印刷版

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JPH11119427A
JPH11119427A JP28195097A JP28195097A JPH11119427A JP H11119427 A JPH11119427 A JP H11119427A JP 28195097 A JP28195097 A JP 28195097A JP 28195097 A JP28195097 A JP 28195097A JP H11119427 A JPH11119427 A JP H11119427A
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group
photosensitive
photosensitive composition
structural unit
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JP28195097A
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Shigeto Goto
成人 後藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下記〜のポジ型PS版とそれ用の感光性
組成物を提供する。 感度と現像性の低下なしに耐刷力が向上した平版印刷
版が得られる。感度と現像性の低下なしに耐刷力の向
上による感光層の薄膜化(現像で生じるスラッジの低減
と製造コスト低下)が可能。耐刷力の低下なしに従来
より低pHのアルカリ性現像液で現像可能。 【解決手段】 o−キノンジアジド化合物を含有する感
光性組成物において、下記の構造単位と下記の構造
単位とを分子中に有するビニル系共重合体を含有する感
光性組成物及び該組成物からなる感光層を有する感光性
平版印刷版。 下記一般式(1)で表される構造単位 カルボキシル基を持つ芳香族構造単位、オキシアルキ
レン基を持つ構造単位、スルホンアミド基を持つ芳香族
構造単位又はイミド基を持つ芳香族構造単位 【化11】 1,R2,R3:H,アルキル基又はフェニル基; X:−O−又は−NH−; Y:F,シアノ基,カルバモイル基,−NHCOC
3,メトキシ基又はメトキシカルボニル基。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、o−キノンジアジ
ド化合物を含有する感光性組成物及び該感光性組成物か
らなるポジ型感光層を支持体上に有する感光性平版印刷
版に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、水と油とが本質的には混
じり合わない性質を巧みに利用した印刷方式である。ポ
ジ型感光性平版印刷版は、感光層に画像露光を施し、次
いで現像すると、露光部のインキ受容性である感光層は
除去されて親水性支持体の表面が露出する一方、露光さ
れない部分のインキ受容性である感光層は支持体上に残
留してインキ受容層を形成する。
【0003】このようなポジ型感光性平版印刷版に求め
られる性能の1つとして耐刷力がある。通常、耐刷力を
向上させる技術としては、感光性組成物中のバインダー
の分子量を増大する、感光体の分子量を増大する等の技
術が一般的に知られているが、これらの技術により耐刷
力の向上を図ると、感度が低下したり、現像性が劣化す
る等の問題が生じる。
【0004】また、ポジ型感光性平版印刷版は、現像時
に感光層の溶け出しによって発生するスラッジの低減、
製造コストの低減等のためには感光層の厚さを薄くする
ことが有効である。しかし、感光層を薄膜化すると、感
度及び現像性は向上するが、耐刷力が劣化する問題が発
生する。
【0005】また、従来、ポジ型感光性平版印刷版の現
像処理にはケイ酸塩を含有するアルカリ水溶液が現像液
として使用されており、pHが12.5以上の高pHの
現像液が用いられている。しかし、現像液の仕込みや廃
棄時に手に触れたり、目に入ったりする危険性や作業安
全上の問題があり、また、現像液の廃液処理もやりにく
いという点も指摘されている。これらの点から、pHが
12.5未満の現像液で現像可能な技術として、感光層
のバインダーとして多価フェノールかつカルボキシル基
を含有するバインダーを用いる技術が報告されているが
(特開昭58−134631号、特開昭57−1011
833号、特開昭57−101834号)、該技術には
耐刷力が劣化する問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
に、感度の低下及び現像性の劣化なしに耐刷力が向上し
た平版印刷版が得られる感光性平版印刷版及びその感光
層を形成する感光性組成物を提供することであり、第2
に、感度の低下及び現像性の劣化なしに耐刷力が向上し
た平版印刷版が得られることによって感光層の薄膜化を
可能にし、それによって、現像で生じるスラッジの低減
が可能な感光性平版印刷版及びその感光層を形成する感
光性組成物を提供することであり、第3に、耐刷力の低
下なしに従来よりも低いpHの現像液で現像可能な感光
性平版印刷版及びその感光層を形成する感光性組成物を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は下記(1)〜(10)である。
【0008】(1)o−キノンジアジド化合物を含有す
る感光性組成物において、該感光性組成物が下記一般式
(1)で示される構造単位から選ばれる少なくとも1つ
の構造単位と、カルボキシル基を持つ芳香族構造単位を
有するビニル系重合体を含有することを特徴とする感光
性組成物。
【0009】一般式(1)
【0010】
【化5】
【0011】〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原
子、アルキル基又はフェニル基を表し、Xは−O−又は
−NH−を表し、Yはシアノ基、フッ素原子、カルバモ
イル基、−NHCOCH3、メトキシ基又はメトキシカ
ルボニル基を表す。〕 (2)o−キノンジアジド化合物を含有する感光性組成
物において、該感光性組成物が上記一般式(1)で示さ
れる構造単位から選ばれる少なくとも1つの構造単位
と、オキシアルキレン基を持つ構造単位を有するビニル
系重合体を含有することを特徴とする感光性組成物。
【0012】(3)o−キノンジアジド化合物を含有す
る感光性組成物において、該感光性組成物が上記一般式
(1)で示される構造単位から選ばれる少なくとも1つ
の構造単位と、スルホンアミド基を持つ構造単位を有す
るビニル系重合体を含有することを特徴とする感光性組
成物。
【0013】(4)o−キノンジアジド化合物を含有す
る感光性組成物において、該感光性組成物が上記一般式
(1)で示される構造単位から選ばれる少なくとも1つ
の構造単位と、イミド基を持つ構造単位を有するビニル
系重合体を含有することを特徴とする感光性組成物。
【0014】(5)一般式(1)で示される構造単位が
30mol%以上であることを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0015】(6)ビニル系重合体の重量平均分子量が
1000〜50000の範囲であることを特徴とする上
記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の感光性組成
物。
【0016】(7)ビニル系重合体が芳香環を持つ構造
単位50〜100mol%で構成されていることを特徴
とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の感光
性組成物。
【0017】(8)上記(1)〜(7)のいずれか1項
に記載の感光性組成物で形成された感光層を支持体上に
有することを特徴とする感光性平版印刷版。
【0018】(9)感光層の膜厚が18mg/dm2
下であることを特徴とする上記(8)に記載の感光性平
版印刷版。
【0019】(10)上記(8)又は(9)に記載の感
光性平版印刷版がpH12.5以下の現像液で現像され
ることを特徴とする感光性平版印刷版。
【0020】以下、本発明について詳述する。
【0021】請求項1〜10に係る発明における感光性
組成物が含有するビニル系共重合体が有する構造単位を
表す一般式(1)において、R1、R2及びR3は好まし
くは水素原子又はメチル基である。次に、一般式(1)
で表される構造単位の代表的具体例を挙げる。
【0022】
【化6】
【0023】請求項1に係る発明のビニル系共重合体
(以下「ビニル系共重合体」ともいう)が有するカル
ボキシル基を有する構造単位(以下「構造単位」とも
いう)の具体例を次に挙げる。
【0024】
【化7】
【0025】請求項2に係る発明のビニル系共重合体
(以下「ビニル系共重合体」ともいう)が有するオキ
シアルキレン基を有する構造単位(以下「構造単位」
ともいう)の具体例を次に挙げる。
【0026】
【化8】
【0027】請求項3に係る発明のビニル系共重合体
(以下「ビニル系共重合体」ともいう)が有するスル
ホンアミド基を有する構造単位(以下「構造単位」と
もいう)の具体例を次に挙げる。
【0028】
【化9】
【0029】請求項4に係る発明のビニル系共重合体
(以下「ビニル系共重合体」ともいう)が有するイミ
ド基を有する構造単位(以下「構造単位」ともいう)
の具体例を次に挙げる。
【0030】
【化10】
【0031】ビニル系共重合体〜は、一般式(1)
で表される構造単位及び構造単位〜以外の、ビニル
系モノマーから形成される構造単位を有することができ
る。また、ビニル系共重合体は構造単位〜を有し
ていてもよく、ビニル系共重合体は構造単位、及
び/又はを有していてもよく、ビニル系共重合体及
びについても同様である。
【0032】上記一般式(1)で表される構造単位及び
構造単位〜以外の構造単位を形成するモノマーの例
としては、(1)脂肪族ヒドロキシル基を有するアクリ
ル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類、例えば2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(2)アク
リル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等のα,β−不
飽和カルボン酸、(3)アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル等の(置換)アルキルアクリレート、(4)メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート(置換)アル
キルメタクリレート、(5)アクリルアミド、メタクリ
ルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド
類、(6)エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエー
テル類、(7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテ
ート等のビニルエステル類、(8)スチレン、メチルス
チレン等のスチレン類、(9)メチルビニルケトン、エ
チルビニルケトン等のビニルケトン類、(10)エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類、(1
1)芳香族性ヒドロキシル基を有するビニル単量体等が
挙げられる。
【0033】請求項1〜10に係る発明において、ビニ
ル系共重合体は一般式(1)で表される構造単位が30
mol%以上であることが本発明の目的をより高度に達
成し得る点から好ましく、30〜60mol%の範囲が
より好ましい。
【0034】請求項1〜10に係る発明において、ビニ
ル系共重合体の重量平均分子量は100〜50000の
範囲であることが本発明の目的をより高度に達成し得る
点から好ましい。
【0035】請求項1〜10に係る発明において、ビニ
ル系共重合体は、芳香環を持つ構造単位が50〜100
mol%であることが本発明の目的をより高度に達成し
得る点から好ましい。
【0036】次に、請求項1〜10に係る発明のビニル
系共重合体の具体例を挙げる。ただし、下記具体例にお
いて、(o)は、p−ヒドロキシフェニルメタクリルア
ミド、(p)はメチルメタクリレート、(q)はアクリ
ロニトリル、(r)はベンジルメタクリレートから形成
される構造単位を表し、比はmol比を表す。また、下
記(1)〜(9)及び(14)〜(16)はビニル系共
重合体、(10)及び(11)はビニル系共重合体
、(12)はビニル系共重合体、(13)はビニル
系共重合体のそれぞれ具体例を示したものである。
【0037】 (1) (a)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (2) (b)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (3) (c)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (4) (d)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (5) (e)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (6) (f)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (7) (g)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (8) (h)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (9) (b)/(o)/(p)/(q)/(i) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (10)(b)/(o)/(p)/(q)/(k) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (11)(b)/(o)/(p)/(q)/(l) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (12)(b)/(o)/(p)/(q)/(m) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (13)(b)/(o)/(p)/(q)/(n) =40/30/10/10/10 Mw=35000 (14)(b)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=900 (15)(b)/(o)/(p)/(q)/(j) =40/30/10/10/10 Mw=55000 (16)(b)/(o)/(p)/(q)/(j) =20/10/40/20/10 Mw=35000 請求項1〜10に係る発明の感光性組成物が含有するo
−キノンジアジド化合物としては、ポジ型感光性平版印
刷版の感光層に感光性成分として用いられるo−キノン
ジアジド化合物を適用することができる。そのような化
合物として、例えば、フェノール、クレゾール及び/又
はピロガロール等の多価フェノールをホルマリン、アセ
トン等の活性カルボニル化合物で重縮合させた樹脂にo
−キノンジアジドスルホン酸でエステル化したもの、あ
るいは、ポリヒドロキシベンゾフェノン類又はビスフェ
ノール等のポリヒドロキシ多核化合物にo−ナフトキノ
ンジアジドスルホン酸でエステル化したものが挙げられ
る。
【0038】請求項1〜10に係る発明における感光性
組成物において、o−キノンジアジドの量は6〜60重
量%の範囲が好ましく、より好ましくは10〜50重量
%である。また、ビニル系共重合体〜の量は、40
〜94重量%の範囲が好ましい。
【0039】また、請求項1〜10に係る発明における
感光性組成物は、o−キノンジアジド化合物を含有する
感光性組成物からなるポジ型感光層を有する感光性平版
印刷版において該感光性組成物に含有させることができ
る添加剤を含有することができる。例えば、ノボラッ
ク、フェノール性水酸基を有するビニル系共重合体、特
開昭55−57841号公報に記載されている多価フェ
ノールとアルデヒド又はケトンとの縮合樹脂等、感脂化
剤(例えば、p−tert−ブチルフェノールホルムア
ルデヒド樹脂、p−n−オクチルフェノールホルムアル
デヒド樹脂やこれらの樹脂がo−キノンジアジド化合物
で部分的にエステル化されている樹脂等)、露光により
可視画像を形成するプリントアウト材料(例えば、色素
や変色剤等)、塗布性向上剤(例えば、フッ素系界面活
性剤、ノニオン界面活性剤、エチルセルロースポリアル
キレンエーテル等)、塗膜の柔軟性や耐摩耗性を付与す
るための可塑剤(例えば、フタル酸エステル類、ポリエ
チレングリコール、クエン酸トリブチル、トリフェニル
ホスフェート類、マレイン酸エステル類等)、安定剤
(例えば、リン酸、亜リン酸、有機酸(クエン酸、シュ
ウ酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、4
−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン−5−スル
ホン酸、酒石酸等)等)、現像促進剤(例えば、高級ア
ルコール、酸無水物等)が挙げられる。これらの添加剤
の添加量はその使用対象によって異なるが、一般に感光
性組成物の全固形分に体して0.01〜30重量%であ
る。
【0040】請求項8〜10に係る発明の感光性平版印
刷版は、請求項1〜7に係る発明の感光性組成物を、溶
剤に溶解させ、これを適当な支持体の表面に塗布し乾燥
して感光層を形成させて感光性平版印刷版が得られる。
【0041】使用し得る溶媒としては、メチルセロソル
ブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、
エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
イソプロピルエーテル、プロピレングリコール、プロピ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジ
カルボン酸メチルエーテル、ジプロピレングリコールメ
チルエチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸
ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン
酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロ
ヘキサノン、ジアセトンアルコール、アセチルアセト
ン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒
は、単独あるいは2種以上混合して使用することができ
る。
【0042】塗布方法としては、従来公知の回転塗布、
ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、
ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等を用いる
ことができる。
【0043】塗布液の濃度は1〜50重量%の範囲とす
ることが望ましい。この場合、塗布液の塗布量は、通
常、固形分として0.2〜10g/m2程度が適当であ
る。
【0044】請求項8〜10に係る発明において、感光
性平版印刷版の支持体としては、感光性平版印刷版の支
持体として使用されるものであればよい。代表的な支持
体として、粗面化したアルミニウム支持体が挙げられ
る。粗面化方法としては、機械的に表面を粗面化する方
法、電気化学的に粗面化する方法、アルカリ又は酸或い
はそれらの混合物からなるエッチング剤で表面を粗面化
する化学的粗面化方法、及びこれらを組み合わせた方法
を用いることができる。粗面化処理されたアルミニウム
支持体は必要により陽極酸化処理及び封孔処理が施され
る。アルミニウム支持体には親水性層を設けることがで
きる。更に、感光性平版印刷版を重ねたときの感光層へ
の擦れ傷を防ぐため、及び現像時、現像液中へのアルミ
ニウム成分の溶出を防ぐために、支持体裏面に保護層を
設けることができる。支持体の詳細は英国特許公開第
2,030,309A号明細書等を参照することができ
る。
【0045】請求項8〜10に係る発明の感光性平版印
刷版において、感光層の膜厚は18mg/dm2以下で
あることが、本発明の目的をより高度に達成する点から
好ましく、10〜17mg/dm2の範囲がより好まし
い。
【0046】請求項1〜7に係る発明の感光性組成物か
らなる感光層を支持体上に有する感光性平版印刷版及び
請求項8又は9に係る発明の感光性平版印刷版は、pH
が12.5未満の現像液で処理することができ、かつ得
られた平版印刷版の耐刷力が優れているという特徴を有
している。
【0047】このような現像液として、水を主たる溶媒
とする(現像液の溶媒の50重量%以上が水である)p
Hが12.5以下のアルカリ性の現像液が好ましい。
【0048】請求項10に係る発明において、現像液の
組成は、pHが12.5以下であるという条件以外はo
−キノンジアジド化合物を感光成分とする感光性平版印
刷版の現像に通常用いられる現像液の組成であることが
でき、アルカリ剤の他に、例えば有機カルボン酸及びそ
の塩、アニオン型、ノニオン型、カチオン型各界面活性
剤、有機溶媒等を含有することができる。
【0049】上記の現像液が含有するアルカリ剤として
は、例えば珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸
ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウ
ム、第二リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第
二リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモ
ニウムなどのような無機アルカリ剤、モノ−、ジ−また
はトリエタノールアミンおよび水酸化テトラアルキルア
ンモニウムのような有機アルカリ剤および有機珪酸アン
モニウム等が有用である。
【0050】アルカリ剤の現像液中における含有量は少
なくとも0.05〜20重量%の範囲であることができ
る。
【0051】上記現像液には、水溶性又はアルカリ可浴
性の有機および無機の還元剤を含有させることができ
る。
【0052】有機の還元剤としては、例えばハイドロキ
ノン、メトール、メトキシキノン等のフェノール化合
物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジン等のアミ
ン化合物があり、無機の還元剤としては、例えば亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜
硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸
塩、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸
水素ナトリウム、亜リン酸水素カリウム、亜リン酸二水
素ナトリウム、亜リン酸水素二カリウム等のリン酸塩、
ヒドラジン、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリ
ウム等を挙げることができる。
【0053】これら水溶性又はアルカリ可溶性還元剤は
少なくとも0.1〜10重量%を含有させることができ
る。
【0054】前記有機カルボン酸には、炭素原子数6〜
20の脂肪族カルボン酸、およびベンゼン環またはナフ
タレン環にカルボキシル基が置換した芳香族カルボン酸
が包含される。
【0055】脂肪族カルボン酸としては炭素数6〜20
のアルカン酸が好ましく、具体的な例としては、カプロ
ン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸等があり、特に好ましいのは炭素数6〜12
のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する
脂肪酸でも、枝分れした炭素鎖のものでもよい。上記脂
肪族カルボン酸はナトリウムやカリウムの塩またはアン
モニウム塩として用いてもよい。
【0056】芳香族カルボン酸の具体的な化合物として
は、安息香酸、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香
酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、p−tert−ブチル安息香酸、o−アミノ安息香
酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香
酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロ
キシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5
−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−
2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2
−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−
ナフトエ酸等がある。
【0057】上記芳香族カルボン酸はナトリウムやカリ
ウムの塩またはアンモニウム塩として用いてもよい。
【0058】脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸の含
有量は少なくとも0〜30重量%を含有させることがで
きる。
【0059】上記現像液は、下記のようなノニオン型、
カチオン型、アニオン型及び両性型の各界面活性剤及び
有機溶媒を含有することができる。
【0060】ノニオン界面活性剤にはポリエチレングリ
コール型と多価アルコール型があるが、どちらも使用で
きる。現像性能の点からはポリエチレングリコール型の
ノニオン界面活性剤が好ましく、その中でもエチレンオ
キシ基(−CH2CH2O−)を3以上有し、かつHLB
値(HLBはHydrophile−Lipophil
e Balanceの略)が5以上(より好ましくは8
〜20、更に好ましくは15〜20)のノニオン界面活
性剤がより好ましい。
【0061】また、ノニオン界面活性剤のうち、エチレ
ンオキシ基とプロピレンオキシ基の両者を有するものが
特に好ましく、そのなかでHLB値が8以上のものがよ
り好ましい。ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポ
リエチレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテル、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミ
ン、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキ
シエチレンオレイン酸アミド、ポリオキシエチレンヒマ
シ油、ポリオキシエチレンアビエチルエーテル、ポリオ
キシエチレンラノリンエーテル、ポリオキシエチレンモ
ノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、
ポリオキシエチレングリセリルモノオレート、ポリオキ
シエチレングリセルモノステアレート、ポリオキシエチ
レンプロピレングリコールモノステアレート、オキシエ
チレンオキシプロピレンブロックポリマー、ジスチレン
化フェノールポリエチレンオキシド付加物、トリベンジ
ルフェノールポリエチレンオキシド付加物、オクチルフ
ェノールポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加
物、グリセロールモノステアレート、ソルビタンモノラ
ウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト等が挙げられる。
【0062】ノニオン界面活性剤の重量平均分子量は3
00〜10000の範囲が好ましく、500〜5000
の範囲が特に好ましい。ノニオン型界面活性剤は1種を
単独で含有させても、また2種以上を併用してもよい。
【0063】カチオン界面活性剤はアミン型と第四アン
モニウム塩型に大別されるが、これらの何れをも用いる
ことができる。
【0064】アミン型の例としては、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン、N−アルキルプロピレンアミン、N
−アルキルポリエチレンポリアミン、N−アルキルポリ
エチレンポリアミンジメチル硫酸塩、アルキルビグアニ
ド、長鎖アミンオキシド、アルキルイミダゾリン、1−
ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン、1−ア
セチルアミノエチル−2−アルキルイミダゾリン、2−
アルキル−4−メチル−4−ヒドロキシメチルオキサゾ
リン等がある。
【0065】また、第四アンモニウム塩型の例として
は、長鎖第1アミン塩、アルキルトリメチルアンモニウ
ム塩、ジアルキルジメチルエチルアンモニウム塩、アル
キルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジ
ルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキル
キノリニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、アルキ
ルピリジニウム硫酸塩、ステアラミドメチルピリジニウ
ム塩、アシルアミノエチルジエチルアミン塩、アシルア
ミノエチルメチルジエチルアンモニウム塩、アルキルア
ミドプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩、脂肪酸
ポリエチレンポリアミド、アシルアミノエチルビリジニ
ウム塩、アシルコラミノホルミルメチルピリジニウム
塩、ステアロオキシメチルピリジニウム塩、脂肪酸トリ
エタノールアミン、脂肪酸トリエタノールアミンギ酸
塩、トリオキシエチレン脂肪酸トリエタノールアミン、
脂肪酸ジブチルアミノエタノール、セチルオキシメチル
ピリジニウム塩、p−イソオクチルフェノキシエトキシ
エチルジメチルベンジルアンモニウム塩等がある。(上
記化合物の例の中の「アルキル」とは炭素数6〜20
の、直鎖または一部置換されたアルキルを示し、具体的
には、ヘキシル、オクチル、セチル、ステアリル等の直
鎖アルキルが好ましく用いられる。)これらの中では、
特に水溶性の第四アンモニウム塩型のカチオン界面活性
剤が有効で、その中でも、アルキルトリメチルアンモニ
ウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、エ
チレンオキシド付加アンモニウム塩等が好適である。ま
た、カチオン成分をくり返し単位として有する重合体も
広い意味ではカチオン界面活性剤であり、本発明のカチ
オン界面活性剤に含包される。特に、親油性モノマーと
共重合して得られた第四アンモニウム塩を含む重合体は
好適に用いることができる。
【0066】該重合体の重量平均分子量は300〜50
000の範囲であり、特に好ましくは500〜5000
の範囲である。これらのカチオン界面活性剤は単独で使
用するほか、2種以上を併用してもよい。
【0067】アニオン型界面活性剤としては、高級アル
コール(C8〜C22)硫酸エステル塩類〔例えば、ラウ
リルアルコールサルフェートのナトリウム塩、オクテル
アルコールサルフェートのナトリウム塩、ラウリルアル
コールサルフェートのアンモニウム塩、「Teepol
−81」(商品名・シエル化学製)、第二ナトリウムア
ルキルサルフェートなど〕、脂肪族アルコールリン酸エ
ステル塩類(例えば、セチルアルコールリン酸エステル
のナトリウム塩など)、アルキルアリールスルホン酸塩
類(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム
塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウム
塩、ジナフタリンジスルホン酸のナリトウム塩、メタニ
トロベンゼンスルホン酸のナトリウム塩など)、アルキ
ルアミドのスルホン酸塩類(例えば、C1733CON
(CH3)CH2SO3Naなど)、二塩基性脂肪酸エス
テルのスルホン酸塩類(例えば、ナトリウムスルホコハ
ク酸ジオクチルエステル、ナトリウムスルホコハク酸ジ
ヘキシルエステルなど)がある。これらの中で特にスル
ホン酸塩類が好適に用いられる。
【0068】両性界面活性剤としては、例えばN−メチ
ル−N−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウムのような化
合物を用いることができる。
【0069】界面活性剤は、現像液に0.01〜10重
量%の範囲の濃度で含有させるのが好ましい。
【0070】有機溶媒としては20℃おける水に対する
溶解度が10重量%以下のものが挙げられ、例えば酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、エ
チレングリコールモノブチルアセート、乳酸ブチル、レ
プリン酸ブチルのようなカルボン酸エステル;エチルブ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ンのようなケトン類;エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコー
ル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコー
ル、メチルアミルアルコールのようなアルコール類;キ
シレンのようなアルキル置換芳香族炭化水素;メチレン
ジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロルベン
ゼンのようなハロゲン化炭化水素などがある。これらの
有機溶媒は一種以上を用いてもよい。
【0071】上記現像液には現像性能を高めるために以
下のような添加剤を加えることができる。例えば特開昭
58−75152号公報記載のNaCl、KCl、KB
r等の中性塩、特開昭59−190952号公報記載の
EDTA,NTA等のキレート剤、特開昭59−121
336号公報記載の〔Co(NH3)〕6Cl3等の錯
体、特開昭56−142528号公報記載のビニルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸ナ
トリウムの共重合体等の両性高分子電解質、特開昭58
−59444号公報記載の塩化リチウム等の無機リチウ
ム化合物、特公昭50−34442号公報記載の安息香
酸リチウム等の有機リチウム化合物、特開昭59−75
255号公報記載のSi,Ti等を含む有機金属界面活
性剤、特開昭59−84241号公報記載の有機硼素化
合物が挙げられる。
【0072】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0073】支持体の作成 厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050,調質
H16)を、65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水
溶液中で1分間脱脂処理を行った後、水洗し、25℃に
保たれた10%硫酸水溶液中に1分間浸漬し、中和し、
更に水洗した。このアルミニウム板を1.0wt%の塩
酸水溶液中において、温度25℃、電流密度100A/
dm2、処理時間60秒の条件で交流電流により電解粗
面化を行った。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液中
で60℃、10秒間のデスマット処理を行い、その後、
20%硫酸溶液中で、温度20℃、電流密度3A/dm
2、処理時間1分間の条件で陽極酸化処理を行った。そ
の後、80℃に保たれた1%酢酸アンモン水溶液中に3
0秒間浸漬し、水洗後80℃で3分間乾燥した。更に、
85℃に保たれたカルボキシメチルセルロースの水溶液
(濃度0.1wt%)に30秒間浸漬した後、80℃で
5分間乾燥し、支持体を作成した。
【0074】感光層用塗布液の作成 感光層用塗布液A ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール/のモル比が1 0/54/36、重量平均分子量4000) 6.7g ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量3000)とo−ナフトキノンジア ジド−5−スルホニルクロライドの縮合物(エステル化率30%)1.5g ビクトリアプュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−ト リアジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g メチルエチルケトン/乳酸メチル=5/5(重量比) 100ml ビニル系共重合体の例示化合物(1) 0.2g 感光層用塗布液B〜U 感光層用塗布液Aの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(1)を例示化合物(221)に変えた以外は感光
層用塗布液Aと同じ組成の感光層用塗布液B〜Uを作成
した。
【0075】 感光層用塗布液V レゾルシン−ベンズアルデヒド樹脂の1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5 −スルホン酸エステル 3.00g クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 9.00g 没食子酸−レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂 1.20g ビクトリアプュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−ト リアジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g メチルエチルケトン/乳酸メチル=50/50(重量比) 100ml ビニル系共重合体の例示化合物(2) 0.2g 感光層用塗布液W 感光層用塗布液Vの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(2)を例示化合物(9)に変えた以外は感光層用
塗布液Vと同じ組成の感光層用塗布液Wを作成した。
【0076】感光層用塗布液X 感光層用塗布液Vの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(2)を例示化合物(10)に変えた以外は感光層
用塗布液Vと同じ組成の感光層用塗布液Xを作成した。
【0077】感光層用塗布液Y 感光層用塗布液Vの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(2)を例示化合物(12)に変えた以外は感光層
用塗布液Vと同じ組成の感光層用塗布液Yを作成した。
【0078】感光層用塗布液Z 感光層用塗布液Vの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(2)を例示化合物(13)に変えた以外は感光層
用塗布液Vと同じ組成の感光層用塗布液Zを作成した。
【0079】感光層用塗布液AA 感光層用塗布液Vの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(2)を下記比較用ビニル系共重合体(17)に変
えた以外は感光層用塗布液Vと同じ組成の感光層用塗布
液AAを作成した。
【0080】感光層用塗布液AB 感光層用塗布液Vの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(2)を下記比較用ビニル系共重合体(18)に変
えた以外は感光層用塗布液Vと同じ組成の感光層用塗布
液ABを作成した。
【0081】感光層用塗布液AC 感光層用塗布液Vの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(2)を下記比較用ビニル系共重合体(19)に変
えた以外は感光層用塗布液Vと同じ組成の感光層用塗布
液ACを作成した。
【0082】感光層用塗布液AD 感光層用塗布液Vの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(2)を下記比較用ビニル系共重合体(20)に変
えた以外は感光層用塗布液Vと同じ組成の感光層用塗布
液ADを作成した。
【0083】感光層用塗布液AE 感光層用塗布液Vの組成中のビニル系共重合体の例示化
合物(2)を下記比較用ビニル系共重合体(21)に変
えた以外は感光層用塗布液Vと同じ組成の感光層用塗布
液AEを作成した。
【0084】 比較用ビニル系共重合体 (17)(b)/(o)/(p)/(q) =40/30/20/10 Mw=35000 (18)(o)/(p)/(q)/(r)/(j) =30/30/20/10/10 Mw=35000 (19)(o)/(p)/(q)/(r)/(k) =30/30/20/10/10 Mw=35000 (20)(o)/(p)/(q)/(r)/(m) =30/30/20/10/10 Mw=35000 (21)(o)/(p)/(q)/(r)/(n) =30/30/20/10/10 Mw=35000 (注)b、j、k、m、n、o、p、q及びrは前記構成単位を意味する。
【0085】感光性平版印刷版試料の作製 前記支持体上に感光層用塗布液Aをワイヤーバーを用い
て塗布し、80℃で1分間乾燥し、感光性平版印刷版試
料1を作製した。乾燥後の感光層の膜厚を16mg/d
2とした。
【0086】感光層用塗布液Aの代わりに感光層用塗布
液B〜AEをそれぞれ用いた以外は感光性平版印刷版試
料1と同様にして感光性平版印刷版試料2〜31を作製
した。
【0087】これらの感光性平版印刷版試料について、
感度、耐刷力及び低pHの現像液による現像性を下記の
方法で試験した。該試験に使用した現像液は下記であ
る。
【0088】現像液A:SDR−1(コニカ(株)製)
を水で6倍に希釈した水溶液、pH 現像液B:下記の現像液原液を水で4倍に希釈した液、
pH10.0 現像液原液 炭酸ナトリウム・1水塩 7g 炭酸水素ナトリウム 4.5g エチレンジアミン酢酸水 2g 水 100g 感度 感光性平版印刷版試料に感度測定用ステップタブレット
(イーストマンコダック社製No.2、濃度差0.15
ずつで21段階のグレースケール)を密着して、4kW
メタルハライドランプ(大日本スクリーン(株)製vi
o Quick)を光源にして90cmの距離から露光
した。次に、この試料を上記現像液Aで27℃で20秒
間現像する。上記ステップタブレットの3.0段が完全
にクリアになる露光時間を感度とした。
【0089】耐刷力 感光性平版印刷版試料に感度測定用ステップタブレット
(イーストマンコダック社製No.2、濃度差0.15
ずつで21段階のグレースケール)を密着して、4kW
メタルハライドランプ(大日本スクリーン(株)製vi
o Quick)を光源にして90cmの距離から露光
する。次に、この試料を上記現像液Aで27℃で20秒
間現像する。
【0090】得られた平版印刷版をハイデルベルグ
(株)製印刷機GTOにかけ、コート紙、印刷インキ
(東洋インキ製造(株)製HYECOO紅)及び湿し水
(コニカ(株)製SEU−3、2.5%)を使用して印
刷を行い、印刷物の画像のベタ部に着肉不良が現れるか
又は非画像部にインキが着肉するまで印刷を続け、その
時の印刷枚数で評価した。
【0091】低pHの現像液による現像性(残膜による
汚れのテスト) 感光性平版印刷版試料を上述の露光条件で露光した後、
上記現像液Bを使用した現像条件で各試料に3本の画像
部(5mm×15mm)を形成させ、消去液(SIR−
15、コニカ(株)製)により画像部を消去した。消去
時間を3水準(下記表1に示す)に分け、その時の消去
によるフリンジ汚れを現像インキ(SPO−1、コニカ
(株)製)盛りして評価した。下記表1中の記号の意味
は下記である。
【0092】 ○:良好 △:消去跡が現れる(インキは着肉しないが残膜が明ら
かに確認できる) ×:汚れる(インキが着肉する) 以上の結果を下記表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、感度の低下及び現像性
の劣化なしに耐刷力が向上した平版印刷版が得られる感
光性平版印刷版及びその感光層を形成する感光性組成
物、感度の低下及び現像性の劣化なしに耐刷力を向上さ
せることによって感光層の薄膜化を可能にし、それによ
って現像で生じるスラッジの低減が可能な感光性平版印
刷版及びその感光層を形成する感光性組成物並びに耐刷
力の低下なしに従来よりも低いpHの現像液で現像可能
な感光性平版印刷版及びその感光層を形成する感光性組
成物を提供することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 o−キノンジアジド化合物を含有する感
    光性組成物において、該感光性組成物が下記一般式
    (1)で示される構造単位から選ばれる少なくとも1つ
    の構造単位と、カルボキシル基を持つ芳香族構造単位を
    有するビニル系重合体を含有することを特徴とする感光
    性組成物。 一般式(1) 【化1】 〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子、アルキル基
    又はフェニル基を表し、Xは−O−又は−NH−を表
    し、Yはシアノ基、フッ素原子、カルバモイル基、−N
    HCOCH3、メトキシ基又はメトキシカルボニル基を
    表す。〕
  2. 【請求項2】 o−キノンジアジド化合物を含有する感
    光性組成物において、該感光性組成物が下記一般式
    (1)で示される構造単位から選ばれる少なくとも1つ
    の構造単位と、オキシアルキレン基を持つ構造単位を有
    するビニル系重合体を含有することを特徴とする感光性
    組成物。 一般式(1) 【化2】 〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子、アルキル基
    又はフェニル基を表し、Xは−O−又は−NH−を表
    し、Yはシアノ基、フッ素原子、カルバモイル基、−N
    HCOCH3、メトキシ基又はメトキシカルボニル基を
    表す。〕
  3. 【請求項3】 o−キノンジアジド化合物を含有する感
    光性組成物において、該感光性組成物が下記一般式
    (1)で示される構造単位から選ばれる少なくとも1つ
    の構造単位と、スルホンアミド基を持つ構造単位を有す
    るビニル系重合体を含有することを特徴とする感光性組
    成物。 一般式(1) 【化3】 〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子、アルキル基
    又はフェニル基を表し、Xは−O−又は−NH−を表
    し、Yはシアノ基、フッ素原子、カルバモイル基、−N
    HCOCH3、メトキシ基又はメトキシカルボニル基を
    表す。〕
  4. 【請求項4】 o−キノンジアジド化合物を含有する感
    光性組成物において、該感光性組成物が下記一般式
    (1)で示される構造単位から選ばれる少なくとも1つ
    の構造単位と、イミド基を持つ構造単位を有するビニル
    系重合体を含有することを特徴とする感光性組成物。 一般式(1) 【化4】 〔式中、R1、R2及びR3は各々水素原子、アルキル基
    又はフェニル基を表し、Xは−O−又は−NH−を表
    し、Yはシアノ基、フッ素原子、カルバモイル基、−N
    HCOCH3、メトキシ基又はメトキシカルボニル基を
    表す。〕
  5. 【請求項5】 一般式(1)で表される構造単位が30
    mol%以上であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の感光性組成物。
  6. 【請求項6】 ビニル系重合体の重量平均分子量が10
    00〜50000の範囲であることを特徴とする請求項
    1〜5いずれか1項に記載の感光性組成物。
  7. 【請求項7】 ビニル系重合体が芳香環を持つ構造単位
    50〜100mol%で構成されていることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感
    光性組成物からなる感光層を支持体上に有することを特
    徴とする感光性平版印刷版。
  9. 【請求項9】 感光層の膜厚が18mg/dm2以下で
    あることを特徴とする請求項8記載の感光性平版印刷
    版。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の感光性平版印刷
    版がpH12.5以下の現像液で現像されることを特徴
    とする感光性平版印刷版。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20120190810A1 (en) * 2009-09-15 2012-07-26 Mylan Group Copolymers, polymeric particles comprising said copolymers and copolymeric binders for radiation-sensitive coating compositions for negative-working radiation-sensitive lithographic printing plates
US20140221591A1 (en) * 2010-09-14 2014-08-07 Mylan Group Copolymers for near-infrared radiation-sensitive coating compositions for positive-working thermal lithographic printing plates

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