JPH11119229A - 液晶表示素子および液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子および液晶表示素子の製造方法

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JPH11119229A
JPH11119229A JP27895097A JP27895097A JPH11119229A JP H11119229 A JPH11119229 A JP H11119229A JP 27895097 A JP27895097 A JP 27895097A JP 27895097 A JP27895097 A JP 27895097A JP H11119229 A JPH11119229 A JP H11119229A
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JP
Japan
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liquid crystal
substrates
pair
injection port
crystal display
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Application number
JP27895097A
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English (en)
Inventor
Kunio Fujii
邦夫 藤井
Takeshi Kohama
武史 小浜
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シール部材に異常が生じるのを防止すると共
に、液晶層に混入した気泡により表示品位が低下するの
を防止することが可能な液晶表示素子を提供する。 【解決手段】各基板12,13の表示領域16はアクリ
ル樹脂などから成る隔壁部材20を介して固定されてい
る。また、表示領域16の周縁部はエポキシ樹脂などか
ら成るシール部材19を介して固定されている。シール
部材19における各辺19a,19bと辺19cとの間
(両コーナー部分)には各スリット22が形成され、各
辺19a,19b間の途切れた部分が注入口21とな
る。各スリット22はラビング方向と平行に配置されて
いる。シール部材19および隔壁部材20を減圧下で加
熱硬化させる際に、シール部材19の内側にある空気や
各部材19,20から発生したアウトガスは、注入口2
1および各スリット22を通ってシール部材19の外側
へ排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子および
液晶表示素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】単純マトリックス方式の液晶表示素子
は、相対向する2枚の透明絶縁基板間に液晶層が封入さ
れて構成されている。各基板の内表面には複数条の透明
電極がストライプ状に形成され、各基板を相対向させた
状態において、各基板に形成された透明電極はそれぞれ
直交するように配置されている。そして、両基板におけ
る表示領域の周縁部は、一部が途切れた環状に形成され
たシール部材を介して貼り合わされている。シール部材
は、両基板間から液晶層が漏出するのを防ぐために設け
られている。また、両基板における表示領域は、線状に
形成された複数の隔壁部材を介して貼り合わされてい
る。隔壁部材は、両基板間に液晶層を封入するためのセ
ルギャップを設けるために用いられると共に、液晶表示
素子の交流駆動時に発生する両基板の振動を減少させ、
外部から両基板に圧力が加わった場合に液晶層の配向が
乱れるのを防止するために設けられている。
【0003】シール部材および隔壁部材を形成するに
は、まず、スクリーン印刷やディスペンサを用いてシー
ル部材となるエポキシ樹脂を一方の基板上に塗布し、そ
れと並行して、他方の基板上に隔壁部材となるアクリル
樹脂をスピンコート法を用いて塗布した後にパターニン
グする。次に、両基板を重ね合わせて真空硬化装置の密
閉容器内に収容し、続いて、真空硬化装置の密閉容器内
を減圧して加熱することにより、エポキシ樹脂およびア
クリル樹脂を硬化させ、これらを介して両基板を互いに
固定する。ここで、真空硬化装置の密閉容器内を減圧す
る目的は、両基板の内部を減圧することにより両基板を
加圧しながらエポキシ樹脂およびアクリル樹脂を硬化さ
せること、ならびに、加熱時にエポキシ樹脂およびアク
リル樹脂から発生するアウトガスを除去することであ
る。
【0004】両基板間に液晶層を封入するには、まず、
貼り合わされた両基板を注入機の密閉容器内に収容し、
次に、注入機の密閉容器内を減圧し、続いて、環状のシ
ール部材の途切れている部分を注入口として、当該注入
口から両基板間のセルギャップ内に液晶材料を注入し、
その後、当該注入口をエポキシ樹脂で封止してセルギャ
ップを密閉する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】基板の面積が大きい場
合やセルギャップが小さい場合には、シール部材の形成
時に真空硬化装置の密閉容器内に基板を収容して減圧す
る際に、環状のシール部材の内側を十分に減圧すること
が難しいため、環状のシール部材の内側に空気や前記ア
ウトガスなどの気体が残留することになる。その結果、
シール部材を加熱硬化させる際に、環状のシール部材の
内側に残留していた気体が膨張してシール部材の外側へ
逃げようとするため、シール部材に切れ目が生じたり、
シール部材が変形して流れたりする。
【0006】また、液晶材料の注入時に注入機の密閉容
器内に両基板を収容して減圧する際に、環状のシール部
材の内側に残留していた気体が膨張してシール部材の外
側へ逃げようとするため、シール部材や隔壁部材が剥が
れたりする。また、シール部材に異常が生じない場合で
も、環状のシール部材の内側に残留していた気体から成
る気泡が液晶層中に混入して表示ムラの原因となる。
【0007】ところで、特開平8−95069号公報に
は、液晶表示素子の表示面が矩形であり、前記基板の各
辺の端部に沿って形成されたシール部にシール材料のな
い2個以上の開口を設けた液晶表示素子が開示されてい
る。このように、シール部材の途切れている部分を2箇
所以上設ければ、基板の面積が大きい場合やセルギャッ
プが小さい場合でも、シール部材の形成時に真空硬化装
置の密閉容器内に基板を収容して当該密閉容器内を減圧
する際に、環状のシール部材の内側を十分に減圧するこ
とが可能になり、環状のシール部材の内側に気体が残留
するのを防止することができる。その結果、上記した諸
問題が生じるのを回避することができる。
【0008】しかし、同公報には、隔壁部材については
何らの記載もなされていない。また、同公報に記載の製
造方法では、貼り合わされた両基板を液晶が収容された
容器内に浸漬することにより、両基板間のセルギャップ
に液晶材料を注入しており、当該容器内を減圧して液晶
材料を注入する旨の記載はなされていない。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、シール部材に異常が生
じるのを防止すると共に、液晶層に混入した気泡により
表示品位が低下するのを防止することが可能な液晶表示
素子およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる問題点を解決する
ためになされた請求項1に記載の発明は、相対向して配
設された一対の基板と、当該一対の基板にそれぞれスト
ライプ状に形成された電極と、前記一対の基板の各電極
が交差した領域から形成された表示領域とに加えて、各
配向膜,各隔壁部材,シール部材,液晶層,封止部材を
備える。各配向膜は、表示領域における前記一対の基板
の表面にそれぞれ形成されてラビング処理が施されてい
る。各隔壁部材は、前記一対の基板間に挟持されて、前
記表示領域を複数の領域に分割する。シール部材は、前
記一対の基板間に挟持されて前記表示領域の周縁部を囲
み、液晶層を形成するための液晶材料の注入口と、少な
くとも当該注入口と反対側に形成されたスリットとが設
けられている。液晶層は、前記隔壁部材および前記シー
ル部材により前記一対の基板間に形成されたセルギャッ
プ内に封入されている。封止部材は、前記注入口および
前記スリットを封止する。
【0011】従って、本発明によれば、一対の基板間に
挟持された各隔壁部材により、液晶表示素子の交流駆動
時に発生する両基板の振動を減少させ、外部から両基板
に圧力が加わった場合に液晶層の配向が乱れるのを防止
することができる。また、隔壁部材およびシール部材を
加熱硬化型合成樹脂材料にて形成する際に、当該樹脂材
料から発生するアウトガスを除去するために減圧状態で
加熱するとき、シール部材の内側にある空気やアウトガ
スは、注入口およびスリットを通ってシール部材の外側
へ排出されるため、シール部材の外側と内側とに圧力差
が生じにくく、内側を十分に減圧することが可能にな
り、シール部材の内側に空気やアウトガスが残留するの
を防止することができる。そのため、シール部材が変形
して流れたりするおそれはない。さらに、減圧状態で加
熱されたシール部材および各隔壁部材の中のアウトガス
はほぼ完全に除去されるため、液晶材料の注入時に、シ
ール部材に切れ目が生じたり、シール部材や各隔壁部材
が剥がれたりするおそれはない。また、シール部材の内
側に残留するアウトガスから成る気泡が液晶層中に混入
するおそれもない。
【0012】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の液晶表示素子において、前記一対の基板間に挟
持され、前記注入口における前記表示領域以外に配置さ
れて前記シール部材と前記隔壁部材とを接続する接続部
材を備えている。従って、本発明によれば、注入口にて
シール部材と隔壁部材とを接続する接続部材が設けられ
ているため、注入口から注入された液晶材料は配向膜や
各隔壁部材の表面に付着していた不純物をこそげ取って
内包しながらセルギャップ中を流入し、シール部材の内
側における注入口とは反対側の端部から接続部材の近傍
に溜まる。ここで、接続部材は表示領域以外に配置され
ているため、接続部材の近傍に溜まった不純物により液
晶表示素子の表示品位が低下するのを防止することがで
きる。
【0013】次に、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の液晶表示素子において、前記ス
リットは、前記配向膜のラビング処理におけるラビング
方向と並行に配置されている。従って、本発明におい
て、特に層構造を有する液晶については、封止部材によ
るスリットの封止が不十分で間隙が生じた場合、その間
隙からシール部材の内側に浸入した気体が気泡となって
液晶層中に混入した際に、液晶層中の液晶分子はラビン
グ方向には動きにくくラビング方向と直交する方向には
動きやすい。そのため、スリットに生じた気泡は、動き
にくい液晶分子に妨げられ、表示領域にまで到達するこ
とはなく、その気泡により表示ムラが生じて液晶表示素
子の表示品位が低下するのを防止することができる。
【0014】次に、請求項4に記載の発明は、相対向し
て配設された一対の基板と、当該一対の基板にそれぞれ
ストライプ状に形成された電極と、前記一対の基板の各
電極が交差した領域から形成された表示領域と、当該表
示領域における前記一対の基板の表面にそれぞれ形成さ
れてラビング処理が施された各配向膜と、前記一対の基
板間に挟持され、前記表示領域を複数の領域に分割する
各隔壁部材と、前記一対の基板間に挟持されて前記表示
領域の周縁部を囲み、液晶層を形成するための液晶材料
の注入口と、少なくとも当該注入口と反対側に形成され
たスリットとが設けられたシール部材とを備えた液晶表
示素子の製造方法である。そして、前記隔壁部材および
前記シール部材が形成された前記一対の基板を減圧状態
で加熱する工程と、前記スリットを封止部材によって封
止する工程と、前記隔壁部材と前記シール部材と前記封
止部材とにより前記一対の基板間に形成されたセルギャ
ップ内に前記注入口から液晶材料を封入して液晶層を形
成する工程と、前記注入口を封止部材によって封止する
工程とを備える。
【0015】従って、本発明によれば、一対の基板間に
挟持された各隔壁部材により、液晶表示素子の交流駆動
時に発生する両基板の振動を減少させ、外部から両基板
に圧力が加わった場合に液晶層の配向が乱れるのを防止
することができる。また、隔壁部材およびシール部材を
加熱硬化型合成樹脂材料にて形成する際に、当該樹脂材
料から発生するアウトガスを除去するために減圧状態で
加熱する工程において、シール部材の内側にある空気や
アウトガスは、注入口およびスリットを通ってシール部
材の外側へ排出されるため、シール部材の外側と内側と
に圧力差が生じにくく、内側を十分に減圧することが可
能になり、シール部材の内側に空気やアウトガスが残留
するのを防止することができる。そのため、シール部材
が変形して流れたりするおそれはない。さらに、減圧状
態で加熱されたシール部材および各隔壁部材の中のアウ
トガスはほぼ完全に除去されるため、液晶材料を注入し
て液晶層を形成する工程において、シール部材に切れ目
が生じたり、シール部材や各隔壁部材が剥がれたりする
おそれはない。また、シール部材の内側に残留するアウ
トガスから成る気泡が液晶層中に混入するおそれもな
い。
【0016】次に、請求項5に記載の発明は、請求項4
に記載の液晶表示素子の製造方法において、前記一対の
基板間に挟持され、前記注入口における前記表示領域以
外に配置されて前記シール部材と前記隔壁部材とを接続
する接続部材を形成する工程を備える。
【0017】従って、本発明によれば、請求項4に記載
の発明の効果に加えて、注入口にてシール部材と隔壁部
材とを接続する接続部材が設けられているため、注入口
から注入された液晶材料は配向膜や各隔壁部材の表面に
付着していた不純物をこそげ取って内包しながらセルギ
ャップ中を流入し、シール部材の内側における注入口と
は反対側の端部から接続部材の近傍に溜まる。ここで、
接続部材は表示領域以外に配置されているため、接続部
材の近傍に溜まった不純物により液晶表示素子の表示品
位が低下するのを防止することができる。
【0018】次に、請求項6に記載の発明は、請求項5
に記載の液晶表示素子の製造方法において、前記接続部
材は、前記シール部材と同一材料により同一工程にて形
成される。また、請求項7に記載の発明は、請求項5に
記載の液晶表示素子の製造方法において、前記接続部材
は、前記隔壁部材と同一材料により同一工程にて形成さ
れる。
【0019】従って、これらの発明によれば、接続部材
のみを形成する工程を設ける必要がないため、液晶表示
素子の製造工程が複雑化するのを防止することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明を具体化した第1実施形
態を図面と共に説明する。図1は、本実施形態の液晶表
示素子11の要部平面図である。図2は、図1における
X−X線断面図である。
【0021】図2に示すように、単純マトリックス方式
の液晶表示素子11は、相対向する2枚の透明絶縁基板
12,13の間に例えば反強誘電性の液晶層14が封入
されて構成されている。各基板12,13には複数条の
透明電極15がストライプ状に形成され、各基板12,
13を相対向させた状態において、各基板12,13に
形成された透明電極15はそれぞれ直交するように配置
されている。そして、各基板12,13の透明電極15
の直交する各部分により、1つずつの画素がそれぞれ構
成される。各基板12,13において、画素が形成され
ている部分が液晶表示素子11の表示領域16となる。
【0022】各基板12,13の表示領域16上には、
各透明電極15を覆うように絶縁膜17が形成され、そ
の絶縁膜17上には配向膜18が形成されている。基板
12において、表示領域16の周縁部の絶縁膜17上に
はシール部材19が形成されている。基板13の配向膜
18上には、ストライプ状の各透明電極15間に対応す
る位置に線状の各隔壁部材20が形成されている。
【0023】そして、各基板12,13の表示領域16
は、各隔壁部材20を介して互いに接続固定されてい
る。各隔壁部材20は、各基板12,13間に液晶層1
4を封入するためのセルギャップを設けるために用いら
れると共に、液晶表示素子11の交流駆動時に発生する
各基板12,13の振動を減少させ、外部から各基板1
2,13に圧力が加わった場合に液晶層14の配向が乱
れるのを防止するために設けられている。
【0024】また、各基板12,13の表示領域16の
周縁部は、シール部材19を介して互いに接続固定され
ている。シール部材19は、各基板12,13間から液
晶層14が漏出するのを防ぐために設けられている。
尚、基板12の内表面にはカラーフィルタ41が形成さ
れ、カラーフィルタ41上には保護膜42が形成され、
保護膜42上に透明電極15が形成されている。
【0025】図1に示すように、シール部材19は一部
が途切れた環状に形成され、そのシール部材19の途切
れている部分が各基板12,13の一辺に配置されて、
後述する液晶注入工程における液晶材料の注入口21と
なる。すなわち、シール部材19は矩形状の表示領域1
6の周縁部に沿って形成された3つの辺19a〜19c
から成るコの字状に配置され、相対向する2つの辺19
a,19bの間の途切れた部分が注入口21となってい
る。そして、シール部材19において、各辺19a,1
9bと辺19cとの間(すなわち、シール部材19の両
コーナー部分)には各スリット22がそれぞれ形成され
ている。尚、各スリット22は、後述するラビング工程
におけるラビング方向と平行に配置されている。基板1
2において、注入口21に対応する絶縁膜17(図1で
は図示略)上には複数個の島状のシール部材23が点在
配置されている。注入口21および各スリット22は封
止部材24によって封止されている。
【0026】次に、上記のように構成された液晶表示素
子11の製造工程を、図3に示すフローチャートに沿っ
て説明する。まず、基板12上にカラーフィルタ41,
保護膜42,透明電極15,絶縁膜17,配向膜18を
順次形成する。また、基板13上に透明電極15,絶縁
膜17,配向膜18を順次形成する。
【0027】次に、隔壁形成工程において、基板13の
配向膜18上にアクリル樹脂などをスピンコート法を用
いて所定の膜厚に成膜し、その膜をフォトリソグラフィ
技術を用いてパターニングすることにより、隔壁部材2
0を形成する。続く、ラビング工程において、各基板1
2,13の配向膜18にそれぞれ液晶分子配向用のラビ
ング処理を施す。尚、各基板12,13の配向膜18の
ラビング方向は、各基板12,13を重ね合わせた状態
で、反対方向になるように設定する。
【0028】次に、シール形成工程において、基板12
の絶縁膜17上にエポキシ樹脂などをスクリーン印刷や
ディスペンサを用いて塗布することにより、各シール部
材19,23を形成する。尚、各基板12,13にはガ
ラス基板または石英基板などを用いる。カラーフィルタ
41には顔料分散方式によって作成された高分子材料な
どを用いる。保護膜42にはアクリル樹脂などを用いる
る。透明電極15にはITO(Indium Tin Oxide)膜
または酸化スズ膜などを用い、その成膜にはPVD(Ph
ysical Vapor Deposition)法を用い、当該膜を各基
板12,13の全面に成膜した後にフォトエッチング法
にて所望の形状にパターニングする。絶縁膜17には酸
化タンタル膜などを用いる。配向膜18にはポリイミド
系樹脂などを用いる。
【0029】続く、基板重ね合わせ工程において、各基
板12,13を各シール部材19,23および各隔壁部
材20を介して重ね合わせる。次に、シール・隔壁硬化
工程において、図4に示すように、重ね合わされた各基
板12,13を、上面にフィルムシート31が設けられ
た真空硬化装置の密閉容器32内に収容し、真空ポンプ
33を用いて真空硬化装置の密閉容器32内を減圧して
フィルムシート31から各基板12,13へ圧力を加え
た状態で加熱することにより、各シール部材19,23
および各隔壁部材20を硬化させ、これらを介して各基
板12,13を互いに固定する。
【0030】ここで、真空硬化装置の密閉容器32内を
減圧するのは、フィルムシート31によって各基板1
2,13を加圧すると共に、加熱時に各シール部材1
9,23および各隔壁部材20から発生するアウトガス
を除去するためである。このとき、シール部材19の内
側にある空気やアウトガスは、注入口21および各スリ
ット22を通ってシール部材19の外側へ排出される。
注入口21と各スリット22とはそれぞれ各基板12,
13の両端部に配置されているため、シール部材19の
外側と内側とに圧力差が生じにくく、内側を十分に減圧
することが可能になり、シール部材19の内側に空気や
アウトガスが残留するのを防止することができる。従っ
て、シール部材19,23および各隔壁部材20を加熱
硬化させる際に、シール部材19に切れ目が生じたり、
シール部材19が変形して流れたりするおそれはない。
【0031】続く、真空加熱工程において、各基板1
2,13を高真空状態に減圧した真空硬化装置の密閉容
器32内に収容したままで、140℃程度の温度を保っ
て12時間程度放置する。その結果、液晶表示素子11
を構成する樹脂材料(カラーフィルタ41、保護膜4
2、絶縁膜17、配向膜18、シール部材19,23、
隔壁部材20)中のアウトガスはほぼ完全に除去され
る。
【0032】尚、真空加熱工程における加熱温度の範囲
は80〜220℃が適当であり、望ましくは100〜1
80℃、特に望ましくは140〜160℃である。この
範囲より高くなるとシール部材19が変形したり剥がれ
たりする傾向があり、低くなると特に樹脂材料中の水分
の除去が困難になるという傾向がある。
【0033】次に、スリット封止工程において、各基板
12,13を大気中に戻して各スリット22を封止部材
24によって封止する。封止部材24にはUV硬化型エ
ポキシ樹脂などを用いる。続く、液晶注入工程におい
て、貼り合わされた各基板12,13を注入機の密閉容
器内に収容し、注入機の密閉容器内を減圧し、注入口2
1から各基板12,13間のセルギャップ内にスメクチ
ック液晶材料を注入することにより、液晶層14を形成
する。
【0034】このとき、真空加熱工程において液晶表示
素子11を構成する樹脂材料中のアウトガスはほぼ完全
に除去されているため、シール部材19の内側にアウト
ガスが残留するのを防止することができる。従って、液
晶材料の注入時に、シール部材19や隔壁部材20が剥
がれたりするおそれはない。また、シール部材19の内
側に残留するアウトガスから成る気泡が液晶層14中に
混入するおそれもない。
【0035】ところで、図5に示すように、スリット封
止工程において封止部材24による各スリット22の封
止が不十分で間隙が生じた場合、その間隙からシール部
材19の内側に浸入した気体が気泡43となって液晶層
14中に混入するおそれがある。しかし、層構造を有す
るスメクチック液晶から成る液晶層14において、液晶
分子はラビング方向には動きにくくラビング方向と直交
する方向には動きやすい。各スリット22はラビング方
向と平行に配置されているため、各スリット22に生じ
た気泡43は、動きにくい液晶分子に妨げられ、表示領
域16にまで到達することはない。従って、各スリット
22の封止が不十分で気泡43が発生した場合でも、そ
の気泡43により表示ムラが生じて表示品位が低下する
ことはない。
【0036】それに対して、図6に示すように、各スリ
ット22をラビング方向と直交して配置した場合には、
各スリット22に生じた気泡43が、動きやすい液晶分
子に妨げられることなく、表示領域16にまで到達する
おそれがあり、その気泡43により表示ムラが生じて表
示品位が低下することになる。
【0037】最後に、注入口封止工程において、各基板
12,13を大気中に戻して注入口21を封止部材24
によって封止してセルギャップを密閉することにより、
液晶表示素子11が完成する。以上詳述したように、本
実施形態によれば、シール部材19に異常が生じるのを
防止すると共に、液晶層14に混入した気泡により表示
品位が低下するのを防止することが可能な液晶表示素子
11を得ることができる。
【0038】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態を図面と共に説明する。尚、本実施形態
において、第1実施形態と同じ構成部材については符号
を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0039】図7は、本実施形態の液晶表示素子51の
要部平面図である。液晶表示素子51において、第1実
施形態の液晶表示素子11と異なるのは、注入口21の
近傍にてシール部材19の各辺19a,19bと各隔壁
部材20とをそれぞれ接続する各接続部材52が形成さ
れている点だけである。尚、各接続部材52は表示領域
16以外に配置されている。また、各接続部材52は各
シール部材19,23と同一材料により同一工程にて形
成される。従って、接続部材52のみを形成する工程を
設ける必要がないため、液晶表示素子51の製造工程が
複雑化するのを防止することができる。
【0040】液晶表示素子51の製造工程は、液晶表示
素子11と同じである。シール・隔壁硬化工程におい
て、各スリット22と注入口21とはそれぞれ各基板1
2,13の両端部に配置されているため、各接続部材5
2から注入口21側にある空気やアウトガスは注入口2
1を通ってシール部材19の外側へ排出され、各接続部
材52から各スリット22側にある空気やアウトガスは
各スリット22を通ってシール部材19の外側へ排出さ
れる。そのため、各接続部材52が設けられていても、
シール部材19の外側と内側とに圧力差が生じにくく、
内側を十分に減圧することが可能になり、シール部材1
9の内側に空気やアウトガスが残留するのを防止するこ
とができる。従って、シール部材19,23および各隔
壁部材20を加熱硬化させる際に、シール部材19に切
れ目が生じたり、シール部材19が変形して流れたりす
るおそれはない。
【0041】また、図8に示すように、液晶注入工程に
おいて、注入口21から各基板12,13間のセルギャ
ップ内に注入された液晶材料は、配向膜18や各隔壁部
材20の表面に付着している不純物をこそげ取って内包
しながらセルギャップ内を流入してゆく。このとき、シ
ール部材19の各辺19a,19bと各隔壁部材20と
の間の各セルギャップ53にはそれぞれ接続部材52が
設けられているため、注入口21から注入された液晶材
料は、各セルギャップ53には流入せず、各隔壁部材2
0間の各セルギャップ54から流入する。そのため、図
8の矢印Aに示すように、配向膜18や各隔壁部材20
の表面に付着していた不純物は、シール部材19の内側
における注入口21とは反対側の端部からセルギャップ
53を通って、各接続部材52の近傍に溜まることにな
る。ここで、各接続部材52は表示領域16以外に配置
されているため、各接続部材52の近傍に溜まった不純
物55により表示品位が低下するおそれはない。
【0042】それに対して、各接続部材52を設けない
液晶表示素子11において、注入口21から注入された
液晶材料は、各隔壁部材20間のセルギャップ54だけ
でなく、シール部材19の各辺19a,19bと各隔壁
部材20との間のセルギャップ53にも流入する。ここ
で、配向膜18およびカラーフィルタ41は、表示領域
16にのみ形成されており、セルギャップ53に相当す
る部分には形成されていない。そのため、図2に示すよ
うに、配向膜18およびカラーフィルタ41が形成され
ていない分だけ、セルギャップ54に比べてセルギャッ
プ53の断面積は大きくなっている。従って、セルギャ
ップ53における液晶材料の流入速度は、セルギャップ
54におけるそれに比べて速くなる。その結果、図9の
矢印Bに示すように、配向膜18や各隔壁部材20の表
面に付着していた不純物は、セルギャップ53からシー
ル部材19の内側における注入口21とは反対側の端部
を通って、各セルギャップ54間に溜まることになる。
従って、表示領域16に対応する各セルギャップ54間
に溜まった不純物55により、液晶表示素子11の表示
品位は低下することになる。
【0043】尚、本発明は上記各実施形態に限定される
ものではなく、以下のように変更してもよく、その場合
でも、上記実施形態と同様の作用および効果を得ること
ができる。 (1)シール部材19においてスリット22を1箇所ま
たは3箇所以上に設ける。この場合、シール部材19の
コーナー部分には気体が残留しやすいため、スリット2
2はコーナー部分に設けることが望ましい。
【0044】(2)第2実施形態において、各接続部材
52を各隔壁部材20と同一材料により同一工程にて形
成する。この場合にも、接続部材52のみを形成する工
程を設ける必要がないため、液晶表示素子51の製造工
程が複雑化するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の液晶表示素子の要部平面図。
【図2】図1におけるX−X線断面図。
【図3】第1および第2実施形態の液晶表示素子の製造
工程を説明するためのフローチャート。
【図4】第1および第2実施形態の液晶表示素子の製造
工程を説明するための説明図。
【図5】第1実施形態の液晶表示素子の作用を説明する
ための要部平面図。
【図6】第1実施形態の液晶表示素子の作用を説明する
ための要部平面図。
【図7】第2実施形態の液晶表示素子の要部平面図。
【図8】第2実施形態の液晶表示素子の作用を説明する
ための要部平面図。
【図9】第2実施形態の液晶表示素子の作用を説明する
ための要部平面図。
【符号の説明】
12,13…基板 14…液晶層 15…透明電極
16…表示領域 18…配向膜 19…シール部材 20…隔壁部材
21…注入口 22…スリット 24…封止部材 52…接続部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向して配設された一対の基板と、 当該一対の基板にそれぞれストライプ状に形成された電
    極と、 前記一対の基板の各電極が交差した領域から形成された
    表示領域と、 当該表示領域における前記一対の基板の表面にそれぞれ
    形成されてラビング処理が施された各配向膜と、 前記一対の基板間に挟持され、前記表示領域を複数の領
    域に分割する各隔壁部材と、 前記一対の基板間に挟持されて前記表示領域の周縁部を
    囲み、液晶層を形成するための液晶材料の注入口と、少
    なくとも当該注入口と反対側に形成されたスリットとが
    設けられたシール部材と、 前記隔壁部材および前記シール部材により前記一対の基
    板間に形成されたセルギャップ内に封入された液晶層
    と、 前記注入口および前記スリットを封止する封止部材とを
    備えたことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液晶表示素子におい
    て、 前記一対の基板間に挟持され、前記注入口における前記
    表示領域以外に配置されて前記シール部材と前記隔壁部
    材とを接続する接続部材を備えたことを特徴とする液晶
    表示素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の液晶表
    示素子において、 前記スリットは、前記配向膜のラビング処理におけるラ
    ビング方向と並行に配置されたことを特徴とする液晶表
    示素子。
  4. 【請求項4】 相対向して配設された一対の基板と、 当該一対の基板にそれぞれストライプ状に形成された電
    極と、 前記一対の基板の各電極が交差した領域から形成された
    表示領域と、 当該表示領域における前記一対の基板の表面にそれぞれ
    形成されてラビング処理が施された各配向膜と、 前記一対の基板間に挟持され、前記表示領域を複数の領
    域に分割する各隔壁部材と、 前記一対の基板間に挟持されて前記表示領域の周縁部を
    囲み、液晶層を形成するための液晶材料の注入口と、少
    なくとも当該注入口と反対側に形成されたスリットとが
    設けられたシール部材とを備えた液晶表示素子の製造方
    法であって、 前記隔壁部材および前記シール部材が形成された前記一
    対の基板を減圧状態で加熱する工程と、 前記スリットを封止部材によって封止する工程と、 前記隔壁部材と前記シール部材と前記封止部材とにより
    前記一対の基板間に形成されたセルギャップ内に前記注
    入口から液晶材料を封入して液晶層を形成する工程と、 前記注入口を封止部材によって封止する工程とを備えた
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の液晶表示素子の製造方
    法において、 前記一対の基板間に挟持され、前記注入口における前記
    表示領域以外に配置されて前記シール部材と前記隔壁部
    材とを接続する接続部材を形成する工程を備えたことを
    特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の液晶表示素子の製造方
    法において、 前記接続部材は、前記シール部材と同一材料により同一
    工程にて形成されることを特徴とする液晶表示素子の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の液晶表示素子の製造方
    法において、 前記接続部材は、前記隔壁部材と同一材料により同一工
    程にて形成されることを特徴とする液晶表示素子の製造
    方法。
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