JPH111191A - 自転車とその製造方法 - Google Patents

自転車とその製造方法

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JPH111191A
JPH111191A JP9212804A JP21280497A JPH111191A JP H111191 A JPH111191 A JP H111191A JP 9212804 A JP9212804 A JP 9212804A JP 21280497 A JP21280497 A JP 21280497A JP H111191 A JPH111191 A JP H111191A
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main frame
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reinforced
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隆夫 斧
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清 竹原
Osamu Kawanami
理 河波
Hiroshi Nakano
博 中野
Takichi Morimoto
太吉 森本
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62JCYCLE SADDLES OR SEATS; AUXILIARY DEVICES OR ACCESSORIES SPECIALLY ADAPTED TO CYCLES AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, e.g. ARTICLE CARRIERS OR CYCLE PROTECTORS
    • B62J11/00Supporting arrangements specially adapted for fastening specific devices to cycles, e.g. supports for attaching maps
    • B62J11/10Supporting arrangements specially adapted for fastening specific devices to cycles, e.g. supports for attaching maps for mechanical cables, hoses, pipes or electric wires, e.g. cable guides
    • B62J11/13Supporting arrangements specially adapted for fastening specific devices to cycles, e.g. supports for attaching maps for mechanical cables, hoses, pipes or electric wires, e.g. cable guides specially adapted for mechanical cables

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)
  • Steering Devices For Bicycles And Motorcycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維強化合成樹脂を用いた自由でスマートな
デザインでかつローコストな自転車およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 繊維強化合成樹脂を用いて形成した中空
の前フレーム1は前車輪12の軸受けを保持する前ホー
ク10にハンドルバー6の操作を伝達する前ホークステ
ム4を回動自在に保持するヘッドパイプ部1aと、ギヤ
クランク28の軸を回転自在に保持するハンガー部1b
と、サドル24を保持する立パイプ部1gとを有し、ハ
ンガー部1bにおいて右チェーンステー16、左チェー
ンステー18と結合し右チェーンステー16と左チェー
ンステー18によって後車輪22を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自転車や電動自転
車の車体構造とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】手軽な乗用手段としての自転車は長い歴
史の間に極限に近い改良が進み、一方大量に安価に生産
するために構成部品の標準化、規格化が進んでいる。た
とえば日本工業規格(以下JISと略称する)D 94
01においてフレーム体を構成する各部材の寸法が規定
されており、そのため車体の主要部は略直線的なパイプ
部材によって構成される結果、形状が画一的となり、自
由なデザインの楽しみが制約されているのが現状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、デザイン面での
新規性を実現するために車体の主要部であるフレーム体
をガラス繊維、炭素繊維などで強化したプラスチックで
形成する試みがなされている。このようなフレーム体の
形成にはフレーム体の骨格をナイロンなどのプラスチッ
ク製のパイプにガラス繊維や炭素繊維で強化したエポキ
シ樹脂等の未硬化のシートを巻き付けて金属製の金型に
内挿してプラスチック製のパイプ内に空気を送り込んで
金型内面にエポキシ樹脂等の合成樹脂材料を拡張圧接さ
せながら高温でエポキシ樹脂を硬化させ、硬化後に金型
から取り出す内圧成型法が用いられている。
【0004】この内圧成型法はプラスチック製のパイプ
に繊維強化合成樹脂シートを巻き付ける段階で手作りに
近い作業が必要であり、フレーム体には前車輪を支える
前ホークにハンドルの操作を伝達する前フォークステム
を回動自在に保持する部分、ギヤクランクの軸を回転自
在に保持する部分、サドルを保持する部分、および後車
輪の軸受けを保持する部分があり、特に後車輪の軸受け
を保持する部分は両側から車軸を挟持するために2分割
しなければならないので金型構造が複雑となり、また骨
格となるプラスチック製のパイプの構成も複雑となり、
したがって繊維強化合成樹脂シートの巻き付け作業にも
手間がかかるなど、コスト上昇の要因となり、製品が高
価となっていた。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決し、繊維
強化合成樹脂でフレーム体の主要部を構成し自由なデザ
インを施すことが可能でありながら加工が容易で低コス
トで製作できる自転車とその製造方法を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の自転車は、請求項1において、前車輪の軸受
けを保持する前ホークにハンドルの操作を伝達する前ホ
ークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの
軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分と
を有し繊維強化合成樹脂を用いて中空に形成した主フレ
ームと、主フレームに結合され後車輪の軸の一端を保持
する第1の副フレームと、同じく主フレームに結合され
後車輪の軸の他端を保持する第2の副フレームとを備え
た構成となっている。
【0007】このような構成によって、主フレームが繊
維強化合成樹脂を用いて中空に形成されているために金
型によって自由な形に形成でき、スマートなデザインを
実現することができるとともに、後車輪の軸受けを保持
する部分は第1および第2の副フレームによって別部材
で構成されているので、この部分の複雑な金型が不用で
金型費用が安価になり、またこの部分の金型への装着作
業が不用となるため作業工数が小となるなどの有利な効
果が得られる。
【0008】また請求項2においては、請求項1の構成
に加えて、主フレームの第1および第2の副フレームと
当接する面が平面に形成されているものであり、この構
成により、この部分に設けた後車輪を駆動するためのク
ランク軸の下方側を広く取ることができ、取り付けのボ
ルトの間隔も広く取れて、結合を強固にして取り付け強
度を確保できるとともに、荷重が分散され、耐久性も向
上する。このようにフレーム強度を確保しながら乗り降
りしやすい自転車フレームを提供することができる。
【0009】また請求項3においては、請求項1の構成
に加えて第1および第2の副フレームが一体に形成され
ている構成であり、この構成によってあらかじめ両フレ
ームを一体または組み立てた状態で主フレームに組み合
わせることができ、作業性が向上するものである。
【0010】また請求項4においては、請求項1の構成
に加えて、第1の副フレームは凹所を有しこの凹所に後
車輪を駆動するための各部品を収容することができるも
のであり、この構成により、この凹部をカバーで覆えば
美観を保ち、泥、ごみの侵入を防ぐとともに着衣等の駆
動部分や車輪への巻き込みを防止することができる。
【0011】また請求項5においては、請求項2に記載
の自転車において、ギヤクランクの軸を回転自在に保持
するためのハンガーチューブが複数の互いに離れた取り
付け孔を有する取り付け部材と一体に形成され主フレー
ムと第1および第2の副フレームとの結合時に前記取り
付け部材の取り付け孔を介してそれらと一体に結合され
た構成であり、この構成によってハンガーチューブは長
期間の使用にも主フレームに対してガタや抜けを生じる
ことがない。
【0012】また請求項6においては、請求項1の構成
に加えて、主フレーム内部の中空部に繊維強化合成樹脂
を含む隔壁を設けたものであり、この構成によって隔壁
によって主フレームの強度をさらに高めることができ
る。
【0013】また請求項7においては、請求項1の構成
に加えて、主フレーム内部の中空部内に設けた繊維強化
合成樹脂を含む隔壁と主フレームの内壁との間に設けた
空間に制御用のワイヤまたは電気配線を通したものであ
り、隔壁で仕切られた空間には制御用のワイヤや電気配
線等を通すことができる。
【0014】さらに請求項8においては、主フレームの
内部の中空部に設けた空間とハンドルバー内部の空間は
前ホークステム内部の空間を介して外部から見えないよ
うに連結されておりハンドルバーに設けた制御レバーの
動きをこのように連結された空間の少なくとも2以上に
わたって連続しかつ外部に露出しない制御用のワイヤを
介して被制御部分に伝達する構成である。
【0015】また請求項9においては、請求項4の構成
に加えて、主フレームの内部の中空部に設けた空間はハ
ンドルバー内部の空間と前ホークステム内部の空間を介
して外部から見えないように連結されかつ第2の副フレ
ームの凹所とも連結されておりハンドルバーに設けた制
御レバーの動きをこのように連結された空間の少なくと
も2以上にわたって連続しかつ外部に露出しない制御用
のワイヤを介して被制御部分に伝達する構成である。
【0016】これら請求項8,9の構成によって、制御
用のワイヤが外部に露出することなく処理でき、デザイ
ン性を高めることができる。
【0017】つぎに請求項10の自転車は、前車輪の軸
受けを保持する前ホークにハンドルの操作を伝達する前
ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランク
の軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分
とを有し繊維強化合成樹脂を用いて中空に形成した主フ
レームと、主フレームに結合され後車輪の軸の一端を保
持する副フレームとを有する自転車において、副フレー
ムには後泥よけを設けるとともに、この泥よけには側面
に後車輪の半径の約半分の幅の平面部を設けた構成であ
り、この構成によって着衣等が車輪に巻き込まれること
を防止することができる。
【0018】つぎに請求項11の自転車は、請求項1の
ものにおいて、主フレームは全体を第1の材質の繊維で
強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とする
部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹
脂を積層した構成であり、請求項12の自転車は、請求
項1のものにおいて、主フレームは全体を第1の材質の
繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要
とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化
合成樹脂を積層し、さらに強度を必要とする部分には第
2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂の層に加え
てさらに第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂
を積層した構成である。
【0019】そして請求項13のものは、請求項11の
ものにおいて、より強度を必要とする部分は前車輪の軸
受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達す
る前ホークステムを回動自在に保持する部分との接続部
分、ギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とその
周辺、およびサドルを保持する部分としたものであり、
請求項14の自転車は、請求項12のものにおいて、さ
らに強度を必要とする部分はサドルを保持する部分とし
たものである。
【0020】請求項11ないし14のような構成によっ
て、第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を主
フレーム全体に用いて主フレームがたわみやすく乗り心
地を改善し、強度を必要とする部分には重点的に第2ま
たは第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用
いることによって必要な強度を確保しながら比較的コス
トも低く、かつ乗り心地のよい自転車を提供することが
できる。
【0021】請求項15の自転車は、請求項1のものに
おいて、主フレームと第1および第2の副フレームとの
結合は緩衝材を介して行うように構成したものである。
このような構成により副フレームが主フレームに対して
サスペンション効果を有し、しなやかさも増すことがで
きる。
【0022】つぎに請求項16の自転車の製造方法は、
前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操
作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分
とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドル
を保持する部分とを有する中空の主フレームを繊維強化
合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に形成する工程と、
主フレームに後車輪の軸の一端を保持する第1の副フレ
ームと同じく後車輪の軸の他端を保持する第2の副フレ
ームとを結合する工程とを有するものである。
【0023】この製造方法によって、主フレームが繊維
強化合成樹脂を用いて中空に形成するために金型によっ
て自由な形に形成でき、スマートなデザインを実現する
ことができるとともに、後車輪の軸受けを保持する部分
は第1および第2の副フレームによって別部材で構成さ
れているので、この部分の複雑な金型が不用で金型費用
が安価になり、またこの部分の金型への装着作業が不用
となるため作業工数が小となるなどの有利な効果が得ら
れる。
【0024】また請求項17の自転車の製造方法は、請
求項16に記載の主フレームの形成工程において主フレ
ーム内部の中空部に繊維強化合成樹脂を含む隔壁を設け
るものであり、この方法を用いれば隔壁によって主フレ
ームの強度をさらに高めることができ、また隔壁で仕切
られた中空部または空間には制御用のワイヤや電気配線
等を通すことができる。
【0025】また請求項18の自転車の製造方法は、請
求項16または17に記載の工程に加えて、主フレーム
に前ホークステムを介してハンドルバーを取り付けハン
ドルバー内部の空間は前ホークステム内部の空間を介し
て主フレームの内部の中空部に設けた空間に接続する工
程と、ハンドルバーに設けた制御レバーに取り付けた制
御用のワイヤを接続された空間の少なくとも2以上にわ
たって連続しかつ外部に露出しないように被制御部分に
取り付ける工程とを有するものである。
【0026】さらに請求項19の自転車の製造方法は請
求項18に記載の工程に加えて、主フレームの内部の中
空部内に設けた空間を第1の副フレームに設けた凹所に
接続する工程と、ハンドルバーに設けた制御レバーに取
り付けた制御用のワイヤを接続された空間の少なくとも
2以上にわたって連続しかつ外部に露出しないように第
1の副フレームに設けた凹所まで連結する工程とを有す
るものである。
【0027】このような請求項18,19の製造方法に
より、制御用のワイヤが外部に露出することなく処理で
き、デザイン性を高めることができる。
【0028】つぎに請求項20の自転車の製造方法は、
請求項16に記載の製造方法において、前車輪の軸受け
を保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前
ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランク
の軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分
とを有する中空の主フレームを繊維強化合成樹脂を用い
て内圧成形法で中空に形成する工程において主フレーム
は全体を第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂
を用いより強度を必要とする部分のみに第2の材質の繊
維で強化した繊維強化合成樹脂を積層するものであり、
請求項21の自転車の製造方法は、請求項16に記載の
製造方法において、前車輪の軸受けを保持する前ホーク
にハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動
自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保
持する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主
フレームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空
に形成する工程において主フレームは全体を第1の材質
の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必
要とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強
化合成樹脂を積層し、さらに強度を必要とする部分には
第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂の層に加
えてさらに第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹
脂を積層するものである。
【0029】請求項22の自転車の製造方法は、請求項
20に記載の製造方法において、より強度を必要とする
部分は前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバ
ーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持す
る部分との接続部分、ギヤクランクの軸を回転自在に保
持する部分とその周辺、およびサドルを保持する部分で
あるとしたもので、請求項23の自転車の製造方法は、
請求項21に記載の製造方法において、さらに強度を必
要とする部分はサドルを保持する部分であるとしたもの
である。
【0030】請求項20ないし23の製造方法によっ
て、第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を主
フレーム全体に用いて主フレームがたわみやすく乗り心
地を改善し、強度を必要とする部分には重点的に第2ま
たは第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用
いることによって必要な強度を確保しながら比較的コス
トも低く、かつ乗り心地のよい自転車を提供することが
できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、図1の本発明の第1の実施形
態の自転車の右側面図、図2の同じくその左側面図、図
3のフレームの組み立て状態を示す分解斜視図、および
図4の制御用のワイヤの引き回しを示す斜視図により本
発明の第1の実施形態の自転車について説明する。まず
フレーム体の構成を説明すると、繊維強化合成樹脂を用
いて内圧成形法で内部が中空になるように形成された主
フレームである前フレーム1の前方にあるヘッドパイプ
部1aには内部にベアリングを嵌挿したヘッド部品2
a,2bによって上下から締め付けることによって前ホ
ークステム4を回動自在に保持し、前ホークステム4は
その上部においてハンドルバー6の中央にハンドルステ
ム8を介して結合し、下部においては2股に分岐した前
ホーク10に結合し、前ホーク10は、その下端で前車
輪12のホイール12aの中心を回転自在に軸支する回
転軸12bを保持している。これでハンドルバー6を操
作することによって前ホークステム4を介して前車輪1
2の回転軸12bの方向を制御することができる。
【0032】前フレーム1はヘッドパイプ部1aから後
方にかけて下降して、下方において両側面にハンガー部
1bの平面部1c,1dを設ける。この平面部1c,1
dの中央もしくは中央より上方に孔1eを、その周辺に
は3個の孔1fを設け、平面部1c側から3本のパイプ
14aを孔1fに挿入し、フランジ14bに溶接された
ハンガーチューブ14cを孔1eに挿入し、さらに平面
部1d側からフランジ14dを当てて接着する。3本の
パイプ14a、フランジ14bに溶接されたハンガーチ
ューブ14cとフランジ14dの接着された前フレーム
1の平面部1c側からさらに右チェーンステー16を当
て、平面部1d側から左チェーンステー18を当て、各
3本のボルト20aとナット20bで結合する。パイプ
14aは締め付けによって前フレーム1の平面部1c,
1dが凹まないようにするためである。
【0033】平面部1c,1dを広く取ることにより、
ハンガーチューブ14c下方側を広く取ることができ、
また3本のボルト20aの間隔も広く取ることができ、
結合を強固にして取り付け強度を確保できるとともに、
広い面積で取り付けられるために荷重が分散され、耐久
性も向上する。これによって主としてサドル24に搭乗
した運転者の体重により前フレーム1と右、左のチェー
ンステー16,18の取り付け部とにかかる外力と搭乗
した運転者がペダル28bを踏み込んだときにかかる外
力に対抗し剛性と耐久性を高め、フランジ14bにハン
ガーチューブ14cを溶接したことによってハンガーチ
ューブ14cは長期間の使用にも前フレーム1に対して
ガタや抜けは生じない。このようにフレーム強度を確保
しながら乗り降りしやすい自転車フレームを提供するこ
とができる。
【0034】第1の副フレームである右チェーンステー
16は先端で後車輪22の軸22aの一端を保持するも
ので、凹部16aを設け、後述するように駆動部材を収
納する。第2の副フレームである左チェーンステー18
は、先端で後車輪22の軸22aの他端を保持する。こ
れらはアルミニウムやマグネシウムまたはそれらの合金
を切削加工または鋳造したものか、または金属板をプレ
ス加工したものを用いる。これは前フレーム1と同様の
材質であってもよい。
【0035】ここでは右チェーンステー16と左チェー
ンステー18とは別体のものとして説明したが、両者は
一体に形成または組み立てて一体にしてから前フレーム
1と組み合わせてもよい。
【0036】前フレーム1はさらにこのハンガー部の平
面部1c,1dから斜め上方に立ち上がった立パイプ部
1gを有しており、その端部1hは3本のすり割りを入
れ、外周にテーパー状の雄ねじを切っておきサドル24
を固定したサドルポスト24aの先端を挿入して高さを
定め、内面に雌ねじを切ったシート固定金具26を回動
させて、そのテーパー状の雄ねじが雌ねじによって内方
に圧縮されて3本のすり割りの入った部分の内面がサド
ルポスト24aを圧迫して保持するように構成するの
で、従来のシートピン方式に比べてねじ部が露出せず、
引っかかりがない。24bはサドルポスト24aの外周
に取り付けた蛇腹状の装飾材である。サドルの高さ調節
はこの他にも従来多用された方法を用いることができ
る。
【0037】つぎに駆動装置について説明する。ギヤク
ランク28を取り付けたクランク軸28aの軸受け28
cは前フレーム1中のハンガーチューブ14c中に固定
されている。右チェーンステー16の凹部16aにクラ
ンク軸28aに直結されたフロント歯付きプーリー30
が収納され、同じく凹部16aの左方にリヤ歯付きプー
リー32がフリーホイール34に係合されておりフリー
ホイール34は後車輪22に係合されている。フロント
歯付きプーリー30とリヤ歯付きプーリー32に共通に
架張されたチェーンまたは歯付きベルト38よってペダ
ル28bを介してギヤクランク28に加えられた駆動力
がフリーホイール34に伝達され、フリーホイール34
のラチェット機構によって、ギヤクランク28が後車輪
22の前進方向に回転されたときだけ駆動力が伝達され
る。この凹部16aは美観を保ち、泥、ごみの侵入を防
ぐとともに着衣等の車輪への巻き込み防止のためにカバ
ー36で覆ってある。またカバー36を省略するには凹
部16aを右チェーンステー16の後車輪22側に設け
ることによって、泥、ごみの侵入防止の効果は低下する
が美観と車輪への巻き込み防止の効果は得られる。
【0038】つぎに制動装置について説明すると、制御
レバーの1つである右ブレーキレバー39の回動軸39
aの反対側の作用点に結合された制御用のワイヤの1つ
であるブレーキワイヤ40はハンドルバー6のパイプの
中を通り、結合部で前ホークステム4の中に入り、この
パイプの中を通って前ホーク10の内側に沿って前ブレ
ーキ本体42に結合されている。ハンドルバー6と前ホ
ークステム4の結合点では、両者はほぼ直交するのでブ
レーキワイヤ40をハンドルバー6から直接前ホークス
テム4中に挿入するのは困難である。そこで図4に示す
ようにいったんハンドルバー6の開口部6aからブレー
キワイヤ40を引き出し、開口部4aから前ホークステ
ム4内に挿入する。そしてこの部分をカバー8aでカバ
ーすることによってハンドルバー6内部空間と前ホーク
ステム4内部空間とは連結され、制御レバーであるブレ
ーキレバー39の動きをこのカバー8aで連結されたハ
ンドルバー6内部と前ホークステム4内部という空間の
少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しな
い制御用のワイヤであるブレーキワイヤ40を介して被
制御部分である前ブレーキ本体42に伝達し前ブレーキ
本体42の図示しないブレーキシューを拡張または圧縮
することによって前車輪を制動することができる。
【0039】同様に制御レバーの1つであるダイナモ起
倒レバー43においてもレバー43aの他端に結合した
制御用のワイヤの1つであるダイナモワイヤ44をハン
ドルバー6の開口部6aから前ホークステム4の開口部
4a内に挿入し前ホークステム4下端から引き出して、
2本の前ホーク10の間に固定して図示しないばねでタ
イヤ12cに圧接されたダイナモ46に結合している。
ダイナモ起倒レバー43を押すとダイナモワイヤ44が
引かれてダイナモ46をタイヤ12cから引き離してダ
イナモ起倒レバー43内の図示しないラッチ機構によっ
てこの状態を保持し、プッシュボタン43bを押すとラ
ッチ機構が外れてダイナモワイヤ44がゆるみ、ダイナ
モ46をタイヤ12cに圧接させてタイヤ12cの回転
に伴う発電が可能となる。
【0040】左ブレーキレバー48についても右ブレー
キレバー39と同様であるがブレーキワイヤ50は図4
の開口部4bから前フレーム1の中に入り、この中の中
空部を通って右チェーンステー16と左チェーンステー
18の中間部にでてくる。そうして左チェーンステーの
内側に沿って後車輪の軸22aに取り付けた後ブレーキ
本体52に結合されていて、左ブレーキレバー48の操
作によってブレーキワイヤ50を引き、後ブレーキ本体
52に伝達して後ブレーキ本体52の図示しないブレー
キシューを拡張または圧縮することによって後車輪を制
動することができる。
【0041】ここでは変速切り替えの例示をしていない
が、同様の構成と動作によって達成できることは説明す
るまでもない。また上記説明の制御ワイヤの通路を灯火
用や制御用の電気配線を通しても差し支えない。
【0042】その他の構成部品の前泥よけ54、後泥よ
け56は樹脂成形品であり、後泥よけ56は図示のよう
に少なくとも前部側面に半径の約半分の平面部56aを
有し、スカート等の衣服の巻き込みを防止する形状とし
ている。その他のバスケット58、前照灯60等につい
ては通常の構成のものを用いればよく、説明は省略す
る。
【0043】つぎに図5ないし図8を用いて前フレーム
1の加工方法について説明する。図5は本発明の一実施
の形態における炭素繊維強化合成樹脂シートの加工工程
の説明概念図、図6は同じく金型内に挿入した状態を示
す説明概念図、図7は同じくその金型内の断面図、図8
は成型硬化したものの断面図である。ここでは炭素繊維
を用いる場合を説明する。図5(a)のように炭素繊維
を多数本同一方向に展張したものにエポキシ樹脂を含浸
させて炭素繊維強化合成樹脂シート70を作る。この炭
素繊維強化合成樹脂シート70を未硬化の状態で図5
(b)のように2本のナイロン製チューブ72,74に
それぞれ複数層巻き付ける。その後、2本のナイロンチ
ューブを一括したものに耐熱性の弾性チューブ76を添
えて束ね、図5(c)のように束ねた上からさらに炭素
繊維強化合成樹脂シート70を巻き付ける。この際各層
の炭素繊維強化合成樹脂シート70の炭素繊維の配列方
向を層ごとに変え、かつ完成品の状態で加えられる力の
方向を考慮して繊維方向を重点的に配列する。また完成
品の太い部分には層の数を増やす。
【0044】そしてこのように加工したものを図6の下
型78に挿入して上型80を圧着する。図7はその状態
での金型内の状態の断面を示す。そしてナイロン製チュ
ーブ72,74内に空気を注入し加圧しながら高温で硬
化させる。内部からの加圧によって炭素繊維とエポキシ
樹脂とは金型の内面の形に沿って密着し金型の形状に成
形されながら硬化される。硬化後に金型78,80から
取り出して耐熱性の弾性チューブ76を抜き取ると図8
のものが得られる。炭素繊維強化合成樹脂シート70は
空気の内圧によって金型内面に圧接されて硬化される。
このようになった成型品を仕上げ加工と塗装を行って完
成させる。
【0045】このように加工することによって図8のよ
うに完成品の内部の中空空間には中央にナイロンチュー
ブ72、炭素繊維強化合成樹脂シート70およびナイロ
ンチューブ74の3層の隔壁82を形成し、また下方で
はナイロンチューブ74と炭素繊維強化合成樹脂シート
70の2層の隔壁84を形成して、この隔壁によって前
フレーム1の強度をさらに高めることができ、またその
下の中空部86には制御用のワイヤや電気配線等を通す
ことができる。耐熱性弾性チューブ76を用いないとき
は中空部86はないが、代わりに中空部88,90に制
御用のワイヤを通すことができる。
【0046】このように本実施形態によれば、前車輪、
サドル、ハンガー部等を保持して繊維強化合成樹脂を用
いて内圧成形法で形成された中空の前フレーム1に、後
車輪の軸の一端を保持する右チェーンステー16と、後
車輪の軸の他端を保持する左チェーンステー18とを結
合する構成としたことによって、主フレームを内圧成型
法で自由な形状に形成しながら、金型構造も簡単で加工
も容易であり低コストでデザインの優れた自転車を提供
することができる。
【0047】なお実施の形態で説明したものは一例であ
り、請求の範囲に示された範囲内で細部を変更して実施
することができる。たとえば上記説明では主フレームの
素材に炭素繊維強化合成樹脂シートを用いたが、これは
ガラス繊維で強化したものでも、また他の素材を用いた
ものでもよく、また複数の素材を重複して用いてもよ
い。その他各部の素材、形状等は自由に組み合わせて用
いればよい。
【0048】また上記実施形態では、人力を駆動力とす
る自転車の例を用いて説明してきたが、本発明は電動機
等を駆動力または人力の補助駆動力とする電動自転車や
電動補助自転車への適用をも包括するものである。
【0049】(第2の実施形態)第1の実施形態で主フ
レームである前フレーム1の素材は炭素繊維強化合成樹
脂シート、ガラス繊維で強化した強化合成樹脂シートま
たは他の素材で強化した強化合成樹脂シートを用いたも
のでもよく、複数の素材を重複して用いてもよいとして
説明したが、前フレーム1に要求される条件は加えられ
る力に耐える強度を有すること以外に適度にたわむこと
によって乗り心地を改善することである。ここでは主フ
レーム各部に加わる応力に応じて素材の組合せを変える
ことによって、必要な強度を確保するとともに乗り心地
のよい自転車を提供するための構成を示す。前フレーム
1の要部斜視図の図9においてヘッドパイプ部1aには
図1に示すように前ホークステム4を回動自在に保持
し、前ホークステム4は下部において2またに分岐した
前ホーク10に結合し、前ホーク10は、その下端で前
車輪12のホイール12aの中心を回転自在に軸支する
回転軸12bを保持しているので自転車走行時には主と
して矢印a,b方向に捻れる力を受ける。したがってヘ
ッドパイプ部1aと前フレーム1の本体との接合部分1
iには大きな応力が加わることになる。
【0050】つぎにハンガー部1bの孔1e内にはギヤ
クランク28の軸が回転することになりこの操作によっ
て主として矢印c方向の力が加わることになり、ヘッド
パイプ部1aから矢印d方向の力も受けることになる。
そうして立パイプ1gの上方にはサドルポスト24aを
介してサドル24上に搭乗した運転者の体重により矢印
e方向の力が加えられる。
【0051】そこで前フレーム1全体に基本をたわみや
すい第1の素材であるガラス繊維強化合成樹脂シートを
第1の実施形態において説明したように各層のガラス繊
維強化合成樹脂シートのガラス繊維の配列方向を層ごと
に変えながら、たとえば全体的に10層を積層する。そ
うしてヘッドパイプ部1aと前フレーム1の本体との接
合部分1i、ハンガー部1bおよびその周辺、および立
パイプ1g部分には、さらに硬い第2の素材である炭素
繊維強化合成樹脂シートを、たとえばさらに5層だけ積
層する。必要により、最も大きい力の加わる立パイプ1
g部分には高弾性の第3の材質であるPBT繊維強化合
成樹脂シートを2層とか3層適宜積層し実施の形態1と
同様に形成する。複数の材質の積層される部分は、たと
えば第1の材質の上に第2の材質というように順次に重
ねてもよく、また第1と第2さらに第3の材質を交互に
重ねてもよいものである。
【0052】第1の材質としてはガラス繊維のほかにア
ルミ合金繊維等、また第2の材質としてはSic繊維、
アラミド繊維等、また第3の材質としてはボロン繊維、
PBT繊維、場合によっては炭素繊維等をそれぞれ含ん
だ繊維強化合成樹脂シートを用いればよい。これらは場
所によって材質を変えて組み合わせてもよい。上記にお
いて積層する層数は一例であり、必要な強度や単位とな
る繊維強化合成樹脂シートの構成によっても異なるもの
である。
【0053】このように本実施形態では、主フレームで
ある前フレーム1の全体を第1の材質の繊維強化樹脂を
積層してたわみやすくし、前車輪の軸受けを保持する前
ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステム
を回動自在に保持する部分との接続部分、ギヤクランク
の軸を回転自在に保持する部分とその周辺、およびサド
ルを保持する部分等、より強度を必要とする部分には、
その上に第2の材質の繊維強化樹脂を積層し、さらに強
度を必要とする部分には、その上に第3の材質の繊維強
化樹脂を積層することによって必要な強度を確保しなが
ら比較的コストも低く、かつ乗り心地のよい自転車を提
供することができる。
【0054】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態において第1の実施形態における主フレームと
第1および第2の副フレームとの結合方法のさらに改良
された構成を示す。図10は第3の実施形態におけるフ
レームの組み立て状態を示す分解斜視図、図11はその
要部断面図である。
【0055】前フレーム1のハンガー部1bの平面部1
c,1dの中央もしくは中央より上方の孔1eにはハン
ガーチューブ13を挿入し、その周辺の3個の孔1fに
は合成樹脂製のチューブ状の緩衝材15中に通したパイ
プ14aを挿入し、前フレーム1の平面部1c側からさ
らに第1の副フレームである右チェーンステー16を当
て、平面部1d側から第2の副フレームである左チェー
ンステー18を当て、各3本のボルト20aを孔18
a,パイプ14a、孔16bに通してナット20bで結
合する。
【0056】パイプ14aの長さは前フレーム1の平面
部1cと1d間の寸法よりわずかに大となっており、ハ
ンガーチューブ13の両端の段差部13a,13bはそ
れぞれ右チェーンステー16の孔16c、左チェーンス
テー18の孔18bに嵌合してその間の寸法も前フレー
ム1の平面部1cと1d間の寸法よりわずかに大となっ
ているので、前フレーム1の平面部1c,1dと右チェ
ーンステー16、左チェーンステー18との間は僅かに
空いている。またハンガーチューブ13と前フレーム1
との間も僅かに空くように孔1eよりハンガーチューブ
13の直径をやや小にしているので、右左のチェーンス
テー16,18は緩衝材15を介して前フレーム1に対
してハンガーチューブ13を軸として僅かに回動するこ
とができ、後車輪のサスペンション効果を発揮すること
ができる。また緩衝材の材質の選定によって僅かではあ
るがフレームのしなやかさを得ることができる。
【0057】これらの効果を助けるために前フレーム1
の平面部1c,1dと右チェーンステー16、左チェー
ンステー18との間にグリースを塗布するとか、または
右チェーンステー16、左チェーンステー18内面にふ
っ素樹脂加工をする等の対策によりその効果が高められ
る。
【0058】以上のように本実施形態によれば、主フレ
ームである前フレーム1と第1および第2の副フレーム
である右、左チェーンステー16,18との結合の際に
その間に緩衝材を入れたので、副フレームが主フレーム
に対してサスペンション効果を有し、しなやかさも増す
ことができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1の
自転車および請求項16の自転車の製造方法によれば、
主フレームが前車輪の軸受けを保持する前ホークにハン
ドルの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持
する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分
とサドルを保持する部分とを有し繊維強化合成樹脂を用
いて中空に形成したものであり、この主フレームに後車
輪の軸の一端を保持する第1の副フレームと後車輪の軸
の他端を保持する第2の副フレームとを結合したものを
基本構成としたことによって、金型によって自由な形に
形成でき、スマートなデザインを実現することができる
とともに、後車輪の軸受けを保持する部分は第1および
第2の副フレームによって別部材で構成されているの
で、この部分の複雑な金型が不用で金型費用が安価にな
り、またこの部分の金型への装着作業が不用となるため
作業工数が小となるなどの有利な効果が得られる。
【0060】そして請求項2の構成によって、主フレー
ムと副フレームとの結合部分に設けた後車輪を駆動する
ためのクランク軸の下方側を広く取ることができ、取り
付けのボルトの間隔も広く取れて、結合を強固にして取
り付け強度を確保できるとともに、荷重が分散され、耐
久性も向上する。このようにフレーム強度を確保しなが
ら乗り降りしやすい自転車フレームを提供することがで
きる。
【0061】また請求項3の構成によって主フレームと
副フレームの結合の作業性が向上するものであり、また
請求項4の構成により第1の副フレームの凹部をカバー
で覆えば美観を保ち、泥、ごみの侵入を防ぐとともに着
衣等の駆動部分や車輪への巻き込みを防止することがで
きる。
【0062】また請求項5の構成によってハンガーチュ
ーブは長期間の使用にも主フレームに対してガタや抜け
を生じることがない。
【0063】また請求項6の構成および請求項17の自
転車の製造方法により隔壁によって主フレームの強度を
さらに高めることができ、また請求項7の構成の中空部
には制御用のワイヤや電気配線等を通すことができる。
【0064】また請求項8,9の構成および請求項1
8,19の自転車の製造方法により、制御用のワイヤが
外部に露出することなく処理でき、デザイン性を高める
ことができる。
【0065】また請求項10の構成により着衣等が車輪
に巻き込まれることを防止することができる。
【0066】また請求項11ないし14の構成および請
求項20ないし23の自転車の製造方法により、必要な
強度を確保しながら比較的コストも低く、かつ乗り心地
のよい自転車を提供することができる。
【0067】さらに請求項15の構成により副フレーム
が主フレームに対してサスペンション効果を有し、しな
やかさも増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の自転車の右側面図
【図2】同じくその左側面図
【図3】同じくフレームの組み立て状態を示す分解斜視
【図4】同じく制御用のワイヤの引き回しを示す斜視図
【図5】同じく炭素繊維強化合成樹脂シートの加工工程
の説明概念図
【図6】同じく金型内に挿入した状態を示す説明概念図
【図7】同じくその金型内の断面図
【図8】同じく成型硬化したものの断面図
【図9】同じく第2の実施形態における前フレームの要
部斜視図
【図10】同じく第3の実施形態におけるフレームの組
み立て状態を示す分解斜視図
【図11】同じくその要部断面図
【符号の説明】
1 前フレーム 1a ヘッドパイプ部 1b ハンガー部 1g 立パイプ部 1c,1d 平面部 4 前ホークステム 4a,4b,6a,6b 開口部 6 ハンドルバー 8 ハンドルステム 8a カバー 10 前ホーク 12 前車輪 13 ハンガーチューブ 15 緩衝材 16 右チェーンステー 18 左チェーンステー 22 後車輪 24 サドル 24a サドルポスト 28 ギヤクランク 39 右ブレーキレバー 40,50 ブレーキワイヤ 44 ダイナモワイヤ 42 前ブレーキ本体 43 ダイナモ起倒レバー 44 ダイナモワイヤ 46 ダイナモ 48 左ブレーキレバー 52 後ブレーキ本体 56 後泥よけ 56a 平面部 70 炭素繊維強化合成樹脂シート 72,74 ナイロン製チューブ 76 耐熱性弾性チューブ 78,80 金型 82,84 隔壁 86,88,90 中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森本 太吉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前車輪の軸受けを保持する前ホークにハ
    ンドルの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保
    持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部
    分とサドルを保持する部分とを有し繊維強化合成樹脂を
    用いて中空に形成した主フレームと、 前記主フレームに結合され後車輪の軸の一端を保持する
    第1の副フレームと、 同じく前記主フレームに結合され前記後車輪の軸の他端
    を保持する第2の副フレームとを備えた自転車。
  2. 【請求項2】 主フレームの第1および第2の副フレー
    ムと当接する面が平面に形成されている請求項1に記載
    の自転車。
  3. 【請求項3】 第1および第2の副フレームが一体に形
    成されている請求項1に記載の自転車。
  4. 【請求項4】 第1の副フレームは凹所を有しこの凹所
    に後車輪を駆動するための各部品を収容することができ
    る請求項1に記載の自転車。
  5. 【請求項5】 ギヤクランクの軸を回転自在に保持する
    ためのハンガーチューブが複数の互いに離れた取り付け
    孔を有する取り付け部材と一体に形成され主フレームと
    第1および第2の副フレームとの結合時に前記取り付け
    部材の取り付け孔を介してそれらと一体に結合された請
    求項2に記載の自転車。
  6. 【請求項6】 主フレーム内部の中空部に繊維強化合成
    樹脂を含む隔壁を設けた請求項1に記載の自転車。
  7. 【請求項7】 主フレーム内部の中空部または中空部内
    に設けた繊維強化合成樹脂を含む隔壁と主フレームの内
    壁との間に設けた空間に制御用のワイヤまたは電気配線
    を通した請求項1に記載の自転車。
  8. 【請求項8】 主フレームの内部の中空部に設けた空間
    とハンドルバー内部の空間は前ホークステム内部の空間
    を介して外部から見えないように連結されており前記ハ
    ンドルバーに設けた制御レバーの動きをこのように連結
    された空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外
    部に露出しない制御用のワイヤを介して被制御部分に伝
    達する自転車。
  9. 【請求項9】 主フレームの内部の中空部に設けた空間
    はハンドルバー内部の空間と前ホークステム内部の空間
    を介して外部から見えないように連結されかつ第2の副
    フレームの凹所とも連結されており前記ハンドルバーに
    設けた制御レバーの動きをこのように連結された空間の
    少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しな
    い制御用のワイヤを介して被制御部分に伝達する請求項
    4に記載の自転車。
  10. 【請求項10】 前車輪の軸受けを保持する前ホークに
    ハンドルの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に
    保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する
    部分とサドルを保持する部分とを有し繊維強化合成樹脂
    を用いて中空に形成した主フレームと、前記主フレーム
    に結合され後車輪の軸の一端を保持する副フレームとを
    有する自転車において、 前記副フレームには後泥よけを設けるとともに、この泥
    よけには側面に後車輪の半径の約半分の幅の平面部を設
    けた自転車。
  11. 【請求項11】 主フレームは全体を第1の材質の繊維
    で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とす
    る部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成
    樹脂を積層した請求項1に記載の自転車。
  12. 【請求項12】 主フレームは全体を第1の材質の繊維
    で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とす
    る部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成
    樹脂を積層し、さらに強度を必要とする部分には第2の
    材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂の層に加えてさ
    らに第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積
    層した請求項1に記載の自転車。
  13. 【請求項13】 より強度を必要とする部分は前車輪の
    軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達
    する前ホークステムを回動自在に保持する部分との接続
    部分、ギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とそ
    の周辺、およびサドルを保持する部分である請求項11
    に記載の自転車。
  14. 【請求項14】 さらに強度を必要とする部分はサドル
    を保持する部分である請求項12に記載の自転車。
  15. 【請求項15】 主フレームと第1および第2の副フレ
    ームとの結合は緩衝材を介して行う請求項1に記載の自
    転車。
  16. 【請求項16】 前車輪の軸受けを保持する前ホークに
    ハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自
    在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持
    する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主フ
    レームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に
    形成する工程と、 前記主フレームに後車輪の軸の一端を保持する第1の副
    フレームと同じく前記後車輪の軸の他端を保持する第2
    の副フレームとを結合する工程とを有する自転車の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の主フレームの形成
    工程において主フレーム内部の中空部に繊維強化合成樹
    脂を含む隔壁を設ける自転車の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項16または17に記載の工程に
    加えて、 主フレームに前ホークステムを介してハンドルバーを取
    り付け前記ハンドルバー内部の空間は前ホークステム内
    部の空間を介して主フレームの内部の中空部または中空
    部内に設けた繊維強化合成樹脂を含む隔壁と主フレーム
    の内壁との間に設けた空間に接続する工程と、 ハンドルバーに設けた制御レバーに取り付けた制御用の
    ワイヤを前記接続された空間の少なくとも2以上にわた
    って連続しかつ外部に露出しないように被制御部分に取
    り付ける工程とを有する自転車の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の工程に加えて、 主フレームの内部の中空部または中空部内に設けた繊維
    強化合成樹脂を含む隔壁と主フレームの内壁との間に設
    けた空間を第1の副フレームに設けた凹所に接続する工
    程と、 ハンドルバーに設けた制御レバーに取り付けた制御用の
    ワイヤを接続された空間の少なくとも2以上にわたって
    連続しかつ外部に露出しないように第1の副フレームに
    設けた凹所まで連結する工程とを有する自転車の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前車輪の軸受けを保持する前ホークに
    ハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自
    在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持
    する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主フ
    レームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に
    形成する工程において主フレームは全体を第1の材質の
    繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要
    とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化
    合成樹脂を積層する請求項16に記載の自転車の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前車輪の軸受けを保持する前ホークに
    ハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自
    在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持
    する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主フ
    レームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に
    形成する工程において主フレームは全体を第1の材質の
    繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要
    とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化
    合成樹脂を積層し、さらに強度を必要とする部分には第
    2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂の層に加え
    てさらに第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂
    を積層する請求項16に記載の自転車の製造方法。
  22. 【請求項22】 より強度を必要とする部分は前車輪の
    軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達
    する前ホークステムを回動自在に保持する部分との接続
    部分、ギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とそ
    の周辺、およびサドルを保持する部分である請求項20
    に記載の自転車の製造方法。
  23. 【請求項23】 さらに強度を必要とする部分はサドル
    を保持する部分である請求項21に記載の自転車の製造
    方法。
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