JPH11116740A - ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法

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JPH11116740A
JPH11116740A JP29767797A JP29767797A JPH11116740A JP H11116740 A JPH11116740 A JP H11116740A JP 29767797 A JP29767797 A JP 29767797A JP 29767797 A JP29767797 A JP 29767797A JP H11116740 A JPH11116740 A JP H11116740A
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JP
Japan
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polyolefin resin
polyolefin
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organic peroxide
melt
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JP29767797A
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Hiroshi Takei
洋 武井
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Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃強度の高い加工製品が得られる高い流動
性を有するポリオレフィン樹脂組成物を1つの工程で製
造し得る技術を提供する。 【解決手段】押出機の上流側の第1原料投入口よりポリ
オレフィンと有機過酸化物とを含む混合物を、下流側の
第2原料投入口よりエラストマー成分を供給し、場合に
よりさらに下流側の第3投入口よりガラスチョップドス
トランドを供給してポリオレフィン樹脂組成物を製造す
る。また、少なくとも二つの原料投入口を有する押出機
において、上流側の第1原料投入口よりポリオレフィン
と有機過酸化物とを含む混合物を、下流側の第2原料投
入口よりエラストマー成分を供給して溶融混練されて得
られた樹脂溶融液を、連続繊維束が通過するように該押
出機の先端に設けられている溶融樹脂含浸槽に流入し、
該含浸槽内の樹脂溶融液を連続繊維束に含浸させてポリ
オレフィン樹脂組成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性と耐衝撃性
に優れたポリオレフィン樹脂組成物の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン樹脂を有機過酸化物の存
在下で溶融混練することにより、分子量を下げ、流動性
を向上させる手法は広く知られている。また、ポリオレ
フィン樹脂にエラストマー成分を練り混むことによりの
耐衝撃性を向上させる手法も広く知られている。しか
し、高い流動性と耐衝撃性とを同時に付与させようとし
た場合、ポリオレフィン樹脂とエラストマー成分とを有
機過酸化物の存在下で溶融混練すると、エラストマー成
分がゲル化してしまい、流動性は逆に低下してしまう。
従って高い流動性と耐衝撃性とを同時に付与させるため
には、一度有機過酸化物の存在下で溶融混練した高流動
性のポリオレフィン樹脂を製造し、該高流動性ポリオレ
フィン樹脂とエラストマー成分とを混合して、再度溶融
混練する最低限2つの工程が必要となる。また、高い流
動性と耐衝撃性とを有するガラス短繊維強化ポリオレフ
ィン樹脂を製造する場合においても、ゲル化による流動
性低下を防止するため、ポリオレフィンと不飽和酸と
を、有機過酸化物の存在下で溶融混練した変性ポリオレ
フィンを製造して後、該変性ポリオレフィンとエラスト
マー成分およびガラス短繊維とを混合して、再度溶融混
練する最低限2つの工程が必要となる。
【0003】さらに、押出機先端部に設けた含浸ダイス
中に溶融樹脂と連続繊維束とを供給し、連続繊維束中に
溶融樹脂を含浸させて製造されるタイプの長繊維強化ポ
リオレフィン樹脂においては、含浸性を向上させるため
に低粘度のポリオレフィン樹脂(不飽和酸変性ポリオレ
フィン樹脂)を用いる必要がある。さらにエラストマー
成分を混入する場合には、上記のようにポリオレフィン
樹脂と不飽和酸とを有機過酸化物の存在下で溶融混練し
て変性ポリオレフィンを製造して後、該変性ポリオレフ
ィンとエラストマー成分とを混合して再度溶融混練して
含浸槽に導き、連続繊維束に含浸させる最低限2つの工
程が必要となる。かりに、ポリオレフィン樹脂、不飽和
酸、エラストマー成分および有機過酸化物との混合物を
同時に溶融混練して粘度の上昇した状態の樹脂成分を原
料として用いて連続繊維に含浸させた場合、繊維束に対
する含浸性が極端に低下して機械的特性の低下や外観不
良(繊維の未分散物)の問題も生ずる。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来
技術の問題点を解決することを目的とするものであり、
衝撃強度の高い加工製品が得られる高い流動性を有する
ポリオレフィン樹脂組成物を1つの工程で製造し得る技
術を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明のポリオレフィン樹脂組成物の第一の製造
方法は、少なくとも二つの原料投入口を有する押出機に
おいて、上流側に設けた原料投入口(第1投入口)より
ポリオレフィンと有機過酸化物とを含む混合物を供給
し、下流側に設けた原料投入口(第2投入口)よりエラ
ストマー成分を供給し、溶融混練して押し出すことを特
徴とする。他の態様としては前記第2投入口よりさらに
下流側に設けた原料投入口(第3投入口)よりガラスチ
ョップドストランドを供給することからなる。
【0006】(2)本発明のポリオレフィン樹脂組成物
の第二の製造方法は、少なくとも二つの原料投入口を有
する押出機において、上流側に設けた原料投入口(第1
投入口)よりポリオレフィンと有機過酸化物とを含む混
合物を供給し、下流側に設けた原料投入口(第2投入
口)よりエラストマー成分を供給して溶融混練して得ら
れた樹脂溶融液を、連続繊維束が通過するように該押出
機の先端に設けられている溶融樹脂含浸槽に流入し、該
含浸槽内の樹脂溶融液を連続繊維束に含浸させることを
特徴とする。
【0007】前記(1)(2)において、好ましくは、
ポリオレフィン樹脂と有機過酸化物とを含む混合物が、
ポリオレフィン樹脂および有機過酸化物;ポリオレフィ
ン樹脂、有機過酸化物および不飽和カルボン酸;ポリオ
レフィン樹脂、有機過酸化物および不飽和カルボン酸の
誘導体;またはポリオレフィン樹脂、有機過酸化物、不
飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸の誘導体であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法に用いるポリオ
レフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オ
クテン、1-デセンなどの炭素数通常2〜10個程度のα−
オレフィンの結晶性単独重合体もしくは結晶性共重合
体、またはこれらの2種以上からなる組成物などを包含
する概念である。中でも実用的にはポリプロピレン、ま
たはプロピレンを主成分とするプロピレンと他のα−オ
レフィンとの結晶性共重合体が汎用性に富んでいる。
【0009】本発明の製造方法に用いる有機過酸化物
は、ポリオレフィン樹脂の分子鎖を切断し、流動性を向
上させるとともに、不飽和カルボン酸またはその誘導体
を添加する場合には、ポリオレフィンの分子鎖にこれら
の不飽和酸をグラフトさせるための触媒のはたらきをす
る。具体的には、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドが例示で
きる。これら有機過酸化物の添加量は特に制限はない
が、ポリオレフィン樹脂に対して0.01〜0.5重量%の範
囲が適切である。
【0010】本発明の製造方法に用いるエラストマー成
分とは、エチレン−プロピレン共重合エラストマーおよ
びエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合エラスト
マーから選ばれる1種以上のオレフィン系エラストマー
である。オレフィン系エラストマーとしては、エチレン
と他のα−オレフィン1種以上との共重合体があげられ
る。好ましくは、プロピレンおよび1−ブテンから選ば
れた少なくとも一種とエチレンとの共重合によって形成
される低結晶性または非晶性弾性体、さらに該共重合に
第3成分として少量の非共役ジエンを加えた三元以上の
共重合体を示すことができる。例えば、エチレン−プロ
ピレン共重合エラストマー(EPR)、エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエン共重合エラストマー(EPD
M)、エチレン−1−ブテン共重合エラストマー(EB
M)、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合エラ
ストマー(EBDM)の他に、エチレン−プロピレン−
ブテン−非共役ジエン共重合エラストマー(EPBD
M)を挙げることができる。これらの非共役ジエン共重
合エラストマーに用いられる非共役ジエンとしては、5ー
エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、または1,4-ヘ
キサジエンであるが、ジシクロペンタジエン(DCP
D)などが示される。これらエラストマー成分の添加量
は、特に制限はないが樹脂組成物に対して好ましくは5
〜60重量%、より好ましくは10〜40重量%の範囲
である。
【0011】本発明の製造方法に用いる繊維材または連
続繊維束とは、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、高分
子繊維など、公知のものを幅広く例示できる。これら
は、単独または2種以上組み合わせて用いられる。ガラ
ス繊維は入手の容易な点と耐衝撃性のすぐれた加工品を
得られる点で好ましく用いられる。さらには熱可塑性樹
脂に対する界面接着性を付与するためのシランカップリ
ング剤などの表面処理を施されたものが好ましい。これ
ら繊維材または連続繊維束の添加量は、特に制限はない
が樹脂組成物に対して好ましくは5〜80重量%の範
囲、より好ましくは10〜60重量%である。本発明の
第一の製造方法における繊維材としては、たとえばガラ
スチョップドストランドが示される。通常、平均繊維径
6〜23μmが示される。本発明の第二の製造方法にお
ける連続繊維束として使用される市販されている連続状
ガラス繊維束としては、ガラスロービングが挙げられ
る。通常、平均繊維径4〜30μ、フィラメント集束本数4
00〜10,000本、テックス番手300〜20,000g/km、好まし
くは平均繊維径9〜23μ、集束本数1,000〜6,000本のも
のが示される。
【0012】本発明の第一の製造方法における第3投入
口より繊維材としてガラスチョップドストランドを供給
する方法、または本発明の第二の製造方法における溶融
混練されて得られた樹脂溶融液を連続繊維束に含浸させ
る方法においては、ポリオレフィン樹脂および有機過酸
化物の混合物に、さらに不飽和カルボン酸および/また
はその誘導体を混合するのが好ましい。不飽和カルボン
酸および/またはその誘導体が有機過酸化物の存在下で
ポリオレフィン樹脂にグラフト反応することにより、用
いられるガラスチョップドストランドもしくは連続繊維
束とポリオレフィン樹脂との界面の接着性が向上して、
耐衝撃性など強度の優れた加工品の提供可能な樹脂組成
物が得られる。
【0013】不飽和カルボン酸もしくはその誘導体とし
ては、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、フマル酸
またはこれらの無水物、エステル類、金属塩などが挙げ
られる。特に無水マレイン酸が耐衝撃性など強度の優れ
た加工品の提供可能な樹脂組成物を得るのに有効であ
る。これら不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の添加
量は、特に制限はないが樹脂組成物に対して好ましくは
0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜1.0重
量%の範囲である。
【0014】本発明の製造方法に用いる少なくとも二つ
の原料投入口を有する押出機とは、上流側にポリオレフ
ィン樹脂と有機過酸化物を含む混合物を定量供給できる
装置を設けた原料投入口を設け、下流側にエラストマー
成分を定量供給できる装置を設けた原料投入口を有した
押出機であり、その他特に制限はない、二軸もしくは単
軸の押出機を用いられるが、二軸押出機が混練性がよ
い。上流側第1投入口からに投入されるポリオレフィン
樹脂は有機過酸化物の存在下により低粘度化され、これ
に下流側の第2投入口より供給するエラストマー成分が
均一分散される。好ましくは、その押出機は第1投入口
から第2投入口までのL/D(ここでLはスクリューの
長さを表し、Dはダイスの径を表す)は10以上であ
り、さらに好ましくは15〜20の範囲であり、第2投
入口から出口ダイスまでのL/Dは3以上が好ましく、
さらに好ましくは5〜10の範囲のものが好ましい。ま
た、第1投入口と第2投入口との間、および第2投入口
からダイまでの間にニーディングゾーンを設けることは
混練性を向上させるために好ましく。さらに、第2投入
口からダイまでの間にベントを設けることは脱気のため
に好ましい。
【0015】本発明の第一の製造方法における、前記第
2投入口よりさらに下流側に設けた原料投入口(第3投
入口)よりガラスチョップドストランドを供給すること
からなる製造方法に用いる押出機は、少なくとも三つの
原料投入口を有すものである。すなわち、最上流側に少
なくともポリオレフィン樹脂と有機過酸化物を含む混合
物を定量供給できる装置を設けた原料投入口と中間にエ
ラストマー成分を定量供給できる装置を設けた原料投入
口(第2投入口)を有し、さらに最下流側に少なくとも
ガラスチョップドストランドを定量供給できる原料投入
口(第3投入口)を設けた押出機であれば特に制限はな
く、二軸もしくは単軸の何れかの押出機を用いることが
できる。混練性の点では二軸押出機が好ましい。また、
上流側の第1投入口からに投入されるポリオレフィン樹
脂は有機過酸化物の存在下により低粘度化され、これに
下流側の第2投入口より供給するエラストマー成分が均
一分散される。好ましくは、その押出機は第1投入口か
ら第2投入口までのL/D(ここでLはスクリューの長
さを表し、Dはダイスの径を表す)は10以上であり、
さらに好ましくは15〜20の範囲である。第2投入口
から出口ダイスまでのL/Dは好ましくは3以上であ
り、さらに好ましくは5〜10の範囲のものである。ま
た、第1投入口と第2投入口との間、および第2投入口
からダイまでの間にニーディングゾーンを設けることは
混練性を向上させるために好ましく。さらに、第2投入
口からダイまでの間にベントを設けることは脱気のため
に好ましい。
【0016】本発明のポリオレフィン樹脂組成物の第二
の製造方法は、少なくとも二つの原料投入口を有する押
出機の先端に樹脂溶融液を連続繊維束に含浸させる溶融
樹脂含浸槽を設け、上流側に設けた原料投入口(第1投
入口)よりポリオレフィンと有機過酸化物とを含む混合
物を供給し、かつ下流側に設けた原料投入口(第2投入
口)よりエラストマー成分を供給して溶融混練する。以
下、図1により説明する。上記溶融混練により得られた
樹脂溶融液を樹脂溶融液流入口2から該溶融樹脂含浸槽
1に流入し、該溶融樹脂含浸槽の他方(連続繊維束導入
口3)から連続繊維束4を導入して該含浸槽1の樹脂溶
融液6を連続繊維束4に含浸させ、この連続繊維束4を
開繊ピン5にに巻き付けながら、出口ノズル7(樹脂含
浸繊維束取出口)より引き抜くことにより樹脂含浸繊維
束8を製造、または該繊維束を乾燥して後カットしてペ
レット状とすることからなる。
【0017】この溶融樹脂含浸槽1とは、押出機で溶融
混練されて得られる樹脂溶融液を所定量貯留させながら
流動させるための槽であり、ヒーターを装備して、使用
する樹脂の融点より高い温度に温度調節できるのが好ま
しく、通常160〜300℃である。また、この溶融樹
脂含浸槽1は、樹脂溶融液供給口2、連続繊維束導入口
3、含浸槽内開繊ピン5および出口ノズル7(樹脂含浸
繊維束取出口)を備える。 〈樹脂溶融液供給口2〉通常、樹脂溶融液供給口2は溶
融樹脂含浸槽1の天板、底板または上流側境壁に設けら
れる。 〈連続繊維束導入口3〉通常、連続繊維束導入口3は溶
融樹脂含浸槽1の上流側の境壁または天板に設けられ
る。上流側境壁に設けられる場合、その形状は、連続繊
維束4(繊維集束体)の断面形状、もしくは該繊維束4
を数列に並べたものの断面に適合するようなスリット形
状であれば足りる。上流側の天板に設けられる場合は、
樹脂溶融液6が連続繊維束導入口3から漏れる心配がな
いために大きな開口部分でもよく、また上記のような形
状でも問題ない。
【0018】〈溶融樹脂含浸槽内開繊ピン5〉連続繊維
束4を開繊して含浸させる手段として、断面がほぼ円形
状の部材(通常は開繊ピン5と称される)が用いられ
る。溶融樹脂含浸槽1内で、連続繊維束4をこの開繊ピ
ン5に千鳥状に巻き付けながら引くことにより、樹脂溶
融液6を連続繊維束4に含浸させることができる。開繊
ピン5は少なくとも一本設けることが好ましい。 〈出口ノズル7(樹脂含浸繊維束取出口)〉連続繊維束
4への樹脂溶融液6の含浸量の調節は、溶融樹脂含浸槽
の最下流部に設けられた出口ノズル7の径を調節するこ
とにより行う。それ故に、同じ番手の繊維束を用いた場
合ノズル径が大きければ付着する樹脂量が増えて繊維含
有量は少なくなり、反対に小さければ付着する樹脂量が
減少して繊維含有量は多くなる。さらに、樹脂溶融液の
含浸された繊維束(樹脂含浸繊維束8)は、出口ノズル
7以降に設置された冷却設備、引取ロールにより、必要
に応じてペレタイザーによりペレット化されて、本発明
のポリオレフィン樹脂組成物が得られる。
【0019】
【実施例】以下の実施例、比較例にて本発明のポリオレ
フィン樹脂組成物の製造方法を説明する。実施例、比較
例で得られたポリオレフィン樹脂組成物はつぎに示す方
法で評価した。 (流動性の評価1:メルトフローレート)JIS K7210に
準拠して行なった。 (流動性の評価2:バーフロー)肉厚3mm、巾25mm、ダ
イレクトゲートφ8のバーフロ−測定用金型を用い、シ
リンダー温度250℃、金型温度50℃、射出圧力10
0MPa、射出速度15mm/秒の条件で成形し、成形
品の流動長を測定した。 (機械的特性の評価;ノッチ付きアイゾット衝撃強度強
度)JIS K7110に準拠して行った。試験片は、
組み合わせテストピース金型を用い、シリンダー温度2
50℃、金型温度50℃、金型内圧力30MPaの条件
で成形したものを使用した。また測定は−30℃の雰囲
気中で実施した。 (繊維の分散性の評価)中央にダイレクトゲートを有す
る円盤状金型(φ150×3mm)を用い、成形温度2
50℃、金型温度50℃、金型内圧力30MPaの条件
で30枚成形し、その内、ガラス繊維の分散不良が認め
られた成形品の枚数を測定した。
【0020】
【実施例1】2つの原料投入口を有するφ30mmの二
軸押出機(L/D;全体=30,第1〜第2投入口=1
6,第2投入口からベント=7: ニーディングゾーン
のL/D;第1〜第2投入口=7,第2投入口からベン
ト=4)を用い、第1投入口より、ポリプロピレンパウ
ダー(プロピレン単独重合体;メルトフローレート2g
/10min)の79.85重量部、有機過酸化物(ジ-
t-ブチルパーオキサイド)の0.05重量部および酸化
防止剤(商品名;イルガノックス1010/日本チバガ
イギー社製)の0.10重量部の混合物を供給し、さら
に第1投入口の下流に設けられた第2投入口よりエチレ
ン−プロピレン共重合エラストマー(EPR,商品名;
EP02P/日本合成ゴム社製)の20重量部を供給
し、温度250℃、スクリュー回転数200rpm、全
吐出量15kg/Hで溶融混練後、冷却水槽で冷却後、
ペレタイザーによりペレット化してポリオレフィン樹脂
組成物を得た。得られた組成物を所定の方法で評価した
結果を表1に示す。
【0021】
【実施例2〜3】ポリプロピレンパウダー(PP)およ
び有機過酸化物の供給量を代える以外は実施例1に準じ
て行った。
【0022】
【比較例1】実施例1のポリプロピレンパウダー、有機
過酸化物および酸化防止剤の混合物にさらにEPRの2
0重量部を混合して第1投入口より供給し、第2投入口
を使用しない以外は実施例1に準じて行った。
【0023】
【比較例2〜3】ポリプロピレンパウダー(PP)およ
び有機過酸化物の供給量を代える以外は比較例1に準じ
て行った。
【0024】
【実施例4】3つの原料供給口を有するφ45mmの二
軸押出機(L/D; 全体=40,第1〜第2投入口=
18,第2〜第3投入口=7,第3投入口からベント=
7:ニーディングゾーンのL/D;第1〜第2投入口=
7,第2〜第3投入口=4,第3投入口からベント=4)
を用い、第1投入口より、ポリプロピレンパウダー(プ
ロピレン単独重合体;メルトフローレート2g/10m
in)の59.61重量部、有機過酸化物(ジ-t-ブチ
ルパーオキサイド)の0.03重量部、不飽和酸(無水
マレイン酸)0.030重量部および酸化防止剤(商品
名;イルガノックス1010/日本チバガイギー社製)
の0.06重量部の混合物を供給し、また第2投入口よ
りエチレン−プロピレン共重合エラストマー(EPR,
商品名;EP02P/日本合成ゴム社製)の20重量部
を供給し、さらに第2投入口より下流に設けられた第3
投入口よりガラスチョップドストランド(平均繊維径1
3μm;旭ファイバーグラス社製)20重量部を供給
し、温度250℃、スクリュウー回転数200rpm、
全吐出量30kg/Hで溶融混練後、冷却水槽により冷
却し、によりペレット状としてポリオレフィン樹脂組成
物を得た。得られた組成物を所定の方法で評価した結果
を表2に示す。
【0025】
【実施例5〜6】ポリプロピレンパウダー(PP)およ
び有機過酸化物の供給量を代える以外は実施例4に準じ
て行った。
【0026】
【比較例4】実施例4のポリプロピレンパウダー、有機
過酸化物、不飽和酸および酸化防止剤の混合物にさらに
EPRの20重量部を混合して第1投入口より供給し、
第2投入口を使用しない以外は実施例4に準じて行っ
た。
【0027】
【比較例5〜6】ポリプロピレンパウダー(PP)およ
び有機過酸化物の供給量を代える以外は比較例4に準じ
て行った。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例7】2つの原料供給口を有する二軸押出機(実
施例1と同じ)とその先端部に設けた溶融樹脂含浸槽か
らなる装置を用い、第1投入口よりポリプロピレンパウ
ダー(プロピレン単独重合体;メルトフローレート2g
/10min)の49.68重量部、有機過酸化物(ジ-
t-ブチルパーオキサイド)の0.02重量部、不飽和酸
(マレイン酸)0.25重量部および酸化防止剤(商品
名;イルガノックス1010/日本チバガイギー社製)
の0.05重量部の混合物を供給し、さらに第1投入口
の下流に設けられた第2投入口よりエチレン−プロピレ
ン共重合エラストマー(EPR,商品名;EP02P/
日本合成ゴム社製)の20重量部を供給し、温度250
℃、スクリュー回転数200rpmで溶融混練後、得ら
れた樹脂溶融液を溶融樹脂含浸槽1(図1参照)に流入
し、該含浸槽温度を250℃に保った。一方、該含浸槽
の上部に設けられた連続繊維束導入口3からガラスロー
ビング4(平均繊維径17μm、本数4000本;日本
電機ガラス社製)を該含浸槽に導き含浸槽内の開繊ピン
5に巻き付けながら、樹脂溶融液6を該ガラスロービン
グ4に(樹脂液70%、ガラス30%の比率で)含浸さ
せ樹脂溶融液の含浸されたガラスロービング(樹脂含浸
繊維束8)を樹脂含浸繊維束取出口7から引き取り速度
10m/分で引きだし、冷却水槽で冷却後、10mmの
長さにカットしてペレット化されたポリオレフィン樹脂
組成物を得た。得られた組成物を所定の方法で評価した
結果を表3に示す。
【0031】
【実施例8〜9】ポリプロピレンパウダー(PP)およ
び有機過酸化物の供給量を代える以外は実施例7に準じ
て行った。
【0032】
【比較例7】実施例7のポリプロピレンパウダー、有機
過酸化物、不飽和酸および酸化防止剤の混合物にさらに
EPRの20重量部を混合して第1投入口より供給し、
第2投入口を使用しない以外は実施例7に準じて行っ
た。
【0033】
【比較例8〜9】ポリプロピレンパウダー(PP)およ
び有機過酸化物の供給量を代える以外は比較例7に準じ
て行った。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】ポリオレフィン樹脂とエラストマー成分
を区別して供給する本発明の第一の製造方法による実施
例(1〜6)の何れの例でも、得られた樹脂組成物の流
動性は優れている。これに対して、ポリオレフィン樹
脂、有機過酸化物、酸化防止剤、不飽和酸およびEPR
の混合物を同一投入口より供給した比較例では、エラス
トマー成分がゲル化していまい、流動性が逆に低下して
しまい、さらに耐衝撃性も低い値であった。これは有機
過酸化物がポリオレフィン樹脂、不飽和酸との反応前
に、エラストマー成分をゲル化させてしまうためと考え
られる。また、本発明の第二の製造方法で得られた実施
例7〜9では高い流動性と耐衝撃性が得られ、成形品中
のガラス繊維の分散状態も良好であったのに対し、比較
例7〜9では、流動性、耐衝撃性とも低く、エラストマ
ー成分のゲル化による粘度上昇により、ガラス繊維の分
散状態も非常に悪い結果であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における連続繊維束に溶融樹
脂液を含浸する概略説明図である。
【符号の説明】
1 溶融樹脂含浸槽 2 樹脂溶融液流入口 3 連続繊維束導入口 4 連続繊維束 5 開繊ピン 6 樹脂溶融液 7 樹脂含浸繊維束取出口 8 樹脂含浸繊維束

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二つの原料投入口を有する押
    出機において、上流側に設けた原料投入口(第1投入
    口)よりポリオレフィンと有機過酸化物とを含む混合物
    を供給し、下流側に設けた原料投入口(第2投入口)よ
    りエラストマー成分を供給し、溶融混練して押し出すこ
    とを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2投入口よりさらに下流側に設け
    た原料投入口(第3投入口)より繊維材を供給すること
    からなる請求項1記載のポリオレフィン樹脂組成物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも二つの原料投入口を有する押
    出機において、上流側に設けた原料投入口(第1投入
    口)よりポリオレフィンと有機過酸化物とを含む混合物
    を供給し、下流側に設けた原料投入口(第2投入口)よ
    りエラストマー成分を供給して溶融混練して得られた樹
    脂溶融液を、連続繊維束が通過するように該押出機の先
    端に設けられている溶融樹脂含浸槽に流入し、該含浸槽
    内の樹脂溶融液を連続繊維束に含浸させることを特徴と
    するポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンと有機過酸化物とを含む
    混合物が、ポリオレフィン樹脂および有機過酸化物;ポ
    リオレフィン樹脂、有機過酸化物および不飽和カルボン
    酸;ポリオレフィン樹脂、有機過酸化物および不飽和カ
    ルボン酸の誘導体;またはポリオレフィン樹脂、有機過
    酸化物、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸の誘
    導体である請求項2または請求項3に記載のポリオレフ
    ィン樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012533648A (ja) * 2009-07-14 2012-12-27 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 高いメルトフローおよびアイゾット延性を有する耐衝撃性ポリプロピレンコポリマー

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