JP2004162024A - 長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法 - Google Patents

長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法 Download PDF

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敏一 奈須
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Abstract

【課題】耐久性が向上した長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法であり、連続生産の安定性が向上した製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂と繊維を含む長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットを製造する方法であって、該方法は、熱可塑性樹脂が可塑化装置によって溶融混練される工程と、溶融混練された熱可塑性樹脂が連続した繊維束に含浸される工程を含むものであり、該方法に含まれる熱可塑性樹脂が可塑化装置によって溶融混練される工程において、熱可塑性樹脂と不活性ガスとが、可塑化装置の材料供給口から、前記不活性ガスの供給量(単位:リットル)と前記熱可塑性樹脂の供給量(単位:kg)との比(不活性ガスの供給量/熱可塑性樹脂の供給量)が1以上である条件で供給されることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、耐久性が向上した長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法であり、連続生産の安定性が向上した製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
繊維内に樹脂がより均一に分配されるとともに、ロービング内に含まれる空気がほぼ完全に除去される長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法の一形態として、クロスヘッド型の被覆ダイス内でロービング連続繊維を熱可塑性樹脂で被覆(含浸)することにより連続した長繊維で強化された熱可塑性樹脂製異形断面材の製造方法が、特開昭63−264326号公報に記載されている。
【0003】
上記の特開昭63−264326号公報に記載されている製造方法においては、ダイ内で、溶融混練された熱可塑性樹脂を繊維に十分に含浸させるため、熱可塑性樹脂の溶融混練において、押出機のシリンダーおよびクロスヘッドダイの設定温度を高くして、溶融混練された熱可塑性樹脂の粘度を下げる操作が行われている。熱可塑性樹脂の溶融混練において、押出機のシリンダーおよびクロスヘッドダイの設定温度が高く設定されているため、安定した連続生産が困難であったり、長繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の添加剤が劣化し、金属接触環境下における耐久性が低下することがあった。
【0004】
また、繊維フィラメントのマトリックスである熱可塑性樹脂中への分散性が向上し、引く抜き成形法での生産性が改良された繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法として、特開平6−254857号公報には、ダイボックス内に設けられたロールにより開繊された補強用繊維の束に、ダイボックスに設けられた樹脂注入口から溶融樹脂を注入し、連続的に樹脂を被覆(含浸)する繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法が記載されており、そして、特開平6−254976号公報には、ダイボックス内の溶融樹脂の充満状態を飢餓状態に制御しながら被覆(含浸)を行う繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法が記載されている。さらに、上記の特開平6−254857号公報および特開平6−254976号公報のいずれにも、ダイ内部に空隙がある場合は、窒素ガス等の不活性ガスでダイ内部を置換することも記載されている。
【0005】
しかし、上記の特開平6−254857号公報および特開平6−254976号公報のいずれに記載されている繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法においても、押出機から押出された溶融熱可塑性樹脂に同伴する酸素の混入を抑制することはできないため、繊維強化熱可塑性樹脂組成物が劣化することがあり、特に、ダイボックスの上流側にある押出機のシリンダー内での溶融樹脂の劣化を抑えることは困難であった。また、ダイボックスを用いるものであるため、溶融樹脂がダイボックス内で滞留し、劣化しやすく、劣化した溶融樹脂を除くためのダイボックスの掃除も困難であった。
【0006】
また、特開平8−80576号公報には、機械的強度の高い繊維強化熱可塑性樹脂材料を、高速で安定して製造する方法として、繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させる工程と、スクイズバーにより余分な樹脂を絞り取る工程とを、不活性ガス雰囲気下に行う長繊維強化熱可塑性樹脂成形材料の製造法が記載されている。
【0007】
しかし、上記の特開平8−80576号公報に記載されている製造法においても、押出機から溶融熱可塑性樹脂とともに同伴された酸素を抑制することはできないため、長繊維強化熱可塑性樹脂成形材料が劣化することがあり、特に、繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させる含浸槽より上流側での長繊維強化熱可塑性樹脂成形材料の劣化を抑えることは困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭63−264326号公報
【特許文献2】
特開平6−254857号公報
【特許文献3】
特開平6−254976号公報
【特許文献4】
特開平8−80576号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐久性が向上した長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法であり、連続生産の安定性が向上した製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる実状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
熱可塑性樹脂と繊維を含む長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットを製造する方法であって、該方法は、熱可塑性樹脂が可塑化装置によって溶融混練される工程と、溶融混練された熱可塑性樹脂が連続した繊維束に含浸される工程を含むものであり、該方法に含まれる熱可塑性樹脂が可塑化装置によって溶融混練される工程において、熱可塑性樹脂と不活性ガスとが、可塑化装置の材料供給口から、前記不活性ガスの供給量(単位:リットル)と前記熱可塑性樹脂の供給量(単位:kg)との比(不活性ガスの供給量/熱可塑性樹脂の供給量)が1以上である条件で供給される長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の長繊維強化熱可塑性樹脂樹脂組成物ペレットの製造方法において、溶融混練された熱可塑性樹脂を連続した繊維束に含浸する方法としては、プルトルージョン成形法(引き抜き成形法)が用いられる。プルトルージョン成形法は、基本的には連続した繊維束を引きながら樹脂を含浸する方法であり、例えば、
▲1▼樹脂、エマルジョン、サスペンションまたは溶液を入れた含浸液の中に繊維束を通し含浸する方法、
▲2▼樹脂の粉末を繊維束に吹き付けた後、または、粉末を入れた槽の中に繊維束を通し繊維に樹脂を付着させた後、樹脂を溶融して含浸する方法、
▲3▼クロスヘッドの中に繊維束を通しながら可塑化装置からクロスヘッドに樹脂を供給し含浸する方法
等が知られている。
【0012】
上記のプルトルージョン成形法における樹脂の含浸操作は1段で行ってもよく、少なくとも2段に分けて行ってもよい。そして、本発明において、特に好ましくは、クロスヘッドを用いる上記の方法▲3▼である。
【0013】
本発明で用いられる可塑化装置とは、熱可塑性樹脂をその融点以上に加熱し、溶融状態になった熱可塑性樹脂に攪拌を加える装置のことである。本発明で用いられる可塑化装置としては、例えば、バンバリミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、単軸押出機、二軸同方向回転押出機(例えば、Wernw Pfleideren製 ZSK[登録商標]、東芝機械(株)製 TEM[登録商標]、日本製鋼所(株)製 TEX[登録商標]等が挙げられる。)、二軸異方向回転押出機(日本製鋼所(株)製 CMP[登録商標]、TEX[登録商標]、神戸製鋼所(株)製 FCM[登録商標]、NCM[登録商標]、LCM[登録商標]等が挙げられる。)が挙げられる。特に好ましくは、生産性を向上させるという観点から、単軸押出機、二軸同方向回転押出機、二軸異方向回転押出機である。
【0014】
可塑化装置の設定温度(例えば、可塑化装置が押出機の場合、押出機のシリンダーの設定温度)は、溶融混練された熱可塑性樹脂の繊維への含浸性、樹脂の劣化の防止や安定した連続生産の観点から、通常、250〜500℃であり、好ましくは250〜450℃であり、特に好ましくは260〜400℃である。
【0015】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂が挙げられ、ポリエチレン樹脂としては、エチレン単独重合体やエチレン−α−オレフィンランダム共重合体が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートが挙げられる。また、酸変性ポリオレフィン樹脂、ゴム等を含有していてもよい。これらの樹脂は単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。
【0016】
ポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレンを単独重合した後にエチレンとプロピレンを共重合して得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの重合体または共重合体は、単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。
【0017】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂の形状として、作業性を向上させるという観点から、好ましくはペレット状である。
【0018】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂には、目的に応じ所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂に添加される物質を配合してもよい。例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、中和剤、紫外線吸収等の安定剤、気泡防止剤、難燃剤、難燃助剤、分散剤、帯電防止剤、滑剤、シリカ等のアンチブロッキング剤、染料や顔料等の着色剤、可塑剤等を配合してもよい。また、ガラスフレーク、マイカ、ガラス粉、ガラスビーズ、タルク、クレー、アルミナ、カーボンブラック、ウォルスナイト等の板状、粉粒状の無機化合物、または、ウィスカー等を配合してもよい。
【0019】
本発明で用いられる繊維とは、熱可塑性樹脂を強化できる繊維であり、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、芳香族ポリアミド繊維等が挙げられ、好ましくはガラス繊維である。
【0020】
本発明で用いられる不活性ガスとは、化学的に不活性なガスであり、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が挙げられる。好ましくは、安価であることから、窒素である。不活性ガスの可塑化装置への供給は、1段で行ってもよく、少なくとも2段に分けて行ってもよい。
【0021】
本発明において、可塑化装置の材料供給口から、熱可塑性樹脂と共に供給される不活性ガスの供給量(単位:リットル)は、可塑化装置に供給される熱可塑性樹脂(単位:kg)に対する比(不活性ガスの供給量/可塑化装置に供給される熱可塑性樹脂)で示した場合に、1〜200リットル/kgであり、好ましくは2〜150リットル/kgであり、特に好ましくは4〜100リットル/kgである。なお、不活性ガスの供給量(単位:リットル)は、標準状態での不活性ガスの体積である。
【0022】
不活性ガスの供給量が、熱可塑性樹脂に対して、1リットル/kg未満の場合、生産安定性が不充分であることがあり、200リットル/kgを超えた場合、可塑化装置への材料の供給が不安定になることがある。
【0023】
本発明の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法の具体例を、図を参照して、以下に説明する。
図1は、本発明の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法の具体的な構成を示す概略図であり、1は開繊されたウエブ状の連続繊維束であり、2はクロスヘッドダイであり、3は押出機であり、4は賦形ダイであり、5はプラーであり、そして、6はペレタイザーである。
【0024】
図2は、クロスヘッドダイ2と押出機3の概略図であり、7は材料供給口であり、8は熱可塑性樹脂であり、9は窒素である。
図3は、クロスヘッドダイ2の概略図であり、10は吐出口である。
【0025】
図1において、開繊されたウエブ状の連続繊維束1は、ロービングからくりだされる連続繊維束を予熱した後、開繊工程において開繊されたものであり、押出機3に供給された熱可塑性樹脂8と窒素9が、押出機3の内で溶融混練され、クロスヘッドダイ2の内へ溶融混練された状態で供給される。そして、クロスヘッドダイ2の内を通過する開繊されたウエブ状の連続繊維束1に、クロスヘッドダイ2の内で押出機3から押出された溶融熱可塑性樹脂8が含浸される。このとき、窒素9は溶融熱可塑性樹脂8と共にクロスヘッドダイ2の内へ供給される。
【0026】
次いで、溶融熱可塑性樹脂8が含浸された連続繊維束1は、賦形ダイ4へ送られ、所定の断面形状で賦形され、プラー5によって引き出される。賦形ダイ4は、クロスヘッドダイ2と一体型であってもよく、別体型であってもよい。賦形ダイ4で賦形され、プラー5によって引き出された連続繊維束1は、ペレタイザー6によって所定の長さに切断され、ペレット状の製品とされる。ストランド状の製品を製造する場合は、ペレタイザーを用いる必要はない。また、賦形ダイを適宜選択することによって、板状、リボン状、フイルム状、テープ状、シート状、または、帯状の製品とすることも可能である。
【0027】
図2において、材料供給口7から熱可塑性樹脂8と窒素9が供給される。窒素9は押出機3の途中からも供給してもよく、少なくとも2段に分けて供給してもよい。押出機3の内で溶融混練された熱可塑性樹脂は、窒素9と共にクロスヘッドダイ2へ吐出され、連続繊維束1に含浸される。
【0028】
図3において、開繊された連続繊維束1がクロスヘッドダイ2の内に連続導入され、窒素9を含有した溶融熱可塑性樹脂8が吐出口10から連続的に吐出され、開繊された連続繊維束1に溶融熱可塑性樹脂8が含浸される。
【0029】
【実施例】
本発明を、以下に、実施例および比較例によって説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における評価方法を以下に示す。
(1)評価用サンプルの射出成形
下記の日本製鋼所製成形機を用いて、得られたペレットを下記条件で射出成形して、評価用サンプルを作成した。
(日本製鋼所製成形機)
型締力 :150t
スクリュー :長繊維深溝スクリュー
スクリュー径 :46mm
スクリューL/D:20.3
(射出成形の条件)
シリンダー温度:250℃
金型温度 :50℃
背圧 :0MPa
【0030】
(2)耐久性試験(銅板接触下での耐熱老化性試験)
(2−1)耐熱老化性試験用(銅板接触下)サンプルの作成
上記の(1)で得られた射出成形品である評価用サンプル(厚み:3mm)を、下記条件で熱プレスし、厚み1mmに再成形し、耐熱老化性試験用(銅板接触下)サンプルを得た。
(熱プレス成形の条件)
予熱:230℃で5分
成形:230℃、4.9MPaで5分
冷却:30℃、4.9MPaで5分
【0031】
(2−2)耐久性試験
上記の(2−1)で得られた耐熱老化性試験用サンプル(厚み:1mm)を直径25mmの円形状に打ち抜き、直径15mmの円形状銅板(厚み:1mm)2枚で両側から挟んで固定し(銅板と試験片を接触)、160℃のギヤーオーブン中に入れ、銅板接触下での耐熱老化性試験を実施した。老化時間は、試験片の円形状銅板接触部周辺が変色劣化し始める時間とした。上記方法で測定された老化時間を、耐熱老化性試験用サンプルの原料である長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの耐久性の指標とした。
【0032】
実施例1
プロピレン単独重合体(MFR:120g/10分)90重量部と、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR:40g/10分、マレイン酸グラフト量:0.2重量%)10重量部からなるポリプロピレン樹脂 100重量部に対して、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン 0.10重量部、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト 0.10重量部、ジミリスチルチオジプロピオネート 0.30重量部、ステアリン酸カルシウム 0.05重量部を添加したポリプロピレン樹脂と窒素とを、押出機の材料供給口7から、ポリプロピレン樹脂に対する窒素の比(窒素/ポリプロピレン樹脂)を10リットル/kgにして、含浸温度が270℃であり、引取速度が12m/分である条件で、ガラス繊維含有量が40重量%であり、ペレット長が9mmである長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットを製造した。なお、プロピレン単独重合体とマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂のMFR(メルトフローレート)は、A.S.T.M. D1238に従って、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。得られたペレットの評価結果を表1に示した。
【0033】
比較例1
窒素を供給しなかった以外は、実施例1と同様にして、長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットを製造した。得られたペレットの評価結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
Figure 2004162024
【0035】
本発明の要件を満足する製造方法で製造された実施例1のペレットは耐久性(老化時間(銅板接触下))に優れるものであり、これに対して、本発明の要件を満足しない製造方法で製造された比較例1のペレットは耐久性(老化時間(銅板接触下))が不充分なものであることが分かる。
【0036】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明の製造方法によれば、耐久性が向上した長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットを、安定して連続生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法の構成を示す概略図
【図2】クロスヘッドダイと押出機の概略図
【図3】クロスヘッドダイの概略図
【符号の説明】
1.開繊されたウエブ状の連続繊維束
2.クロスヘッドダイ
3.押出機
4.賦形ダイ
5.プラー
6.ペレタイザー
7.材料供給口
8.熱可塑性樹脂
9.窒素
10.吐出口

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂と繊維を含む長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットを製造する方法であって、該方法は、熱可塑性樹脂が可塑化装置によって溶融混練される工程と、溶融混練された熱可塑性樹脂が連続した繊維束に含浸される工程を含むものであり、該方法に含まれる熱可塑性樹脂が可塑化装置によって溶融混練される工程において、熱可塑性樹脂と不活性ガスとが、可塑化装置の材料供給口から、前記不活性ガスの供給量(単位:リットル)と前記熱可塑性樹脂の供給量(単位:kg)との比(不活性ガスの供給量/熱可塑性樹脂の供給量)が1以上である条件で供給されることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法。
  2. 不活性ガスが、窒素であることを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1または3に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法。
  5. 可塑化装置を用いて熱可塑性樹脂を溶融混練する工程、および、溶融混練された熱可塑性樹脂を連続した繊維束に含浸する工程の設定温度が、250℃以上であることを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法。
  6. 可塑化装置の材料供給口から供給される熱可塑性樹脂が、ペレット状であることを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法。
  7. 溶融混練された熱可塑性樹脂を連続した繊維束に含浸する工程が、クロスヘッドダイ中で行われることを特徴とする請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法
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