JPH11116349A - 繊維強化セラミック成形体及び焼結体 - Google Patents

繊維強化セラミック成形体及び焼結体

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JPH11116349A
JPH11116349A JP10194559A JP19455998A JPH11116349A JP H11116349 A JPH11116349 A JP H11116349A JP 10194559 A JP10194559 A JP 10194559A JP 19455998 A JP19455998 A JP 19455998A JP H11116349 A JPH11116349 A JP H11116349A
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fiber
powder
weight
synthetic polymer
parts
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JP10194559A
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Yuji Miki
有治 三木
Atsushi Koizumi
淳 小泉
Naoki Ito
直紀 伊藤
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度を有するとともに不良品のリサイクル
が可能な繊維強化セラミック成形体を提供する。 【解決手段】 本発明の繊維強化セラミック成形体に
は、300〜1000μmの平均長さ及び2.5〜30μmの平均直
径を有する合成高分子繊維が、セラミック粉末と焼結助
剤粉末との合計量100重量部当たり0.2〜3重量部の割合
で均一に分散されている。合成高分子繊維はポリエステ
ル、ナイロンなどの合成高分子の繊維であり、親水性処
理されているのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高強度を有するとと
もにリサイクル性に優れた繊維強化セラミック成形体及
びその焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】セラミ
ック成形体を製造する代表的な方法として、スリップキ
ャスティング法がある。このスリップキャスティング法
は、通常石膏等の吸水性を有する材料からなる成形型を
用い、この成形型のキャビティ内に注入したスリップ
(セラミック粉末の懸濁液)から水分を吸収してスリッ
プを固化することにより行われている。得られた成形体
は焼成して最終セラミック部材となる。この方法は、一
般的に複雑形状の成形体を製造するのに適している。
【0003】スリップキャスト成形を行う場合、成形体
の乾燥強度を向上させるために、一般的にポリアミド、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール等の有機バインダーをスリップに添加
する(例えば特開昭61-6172号参照)。しかし有機バイ
ンダーを添加すると成形体の収縮率が大きくなるため、
離型時及び乾燥時に成形体にクラックが入りやすくな
る。
【0004】またガラスウィスカー(特表平5-505588号
参照)や、酸化アルミニウム及び窒化珪素等の無機繊維
(特開平7-267737号参照)や、微細セルロース繊維(特
開平7-33534号参照)をスリップに添加することも行わ
れている。しかし無機繊維は焼成後も残留し、焼結体の
特性に影響を及ぼすので、添加できる無機繊維の種類や
添加量は制限される。また無機繊維を配合するためには
その径及び長さを揃える粉砕・分級等の前処理が必要で
ある。さらに無機繊維による粉塵の発生の問題があるの
みならず、成形不良品から無機繊維を除去できないので
原料のリサイクル性が低いという問題もある。また、微
細セルロース繊維には、繊維径が小さすぎて十分な補強
効果が得られないという問題がある。
【0005】従って本発明の目的は、高強度を有すると
ともに不良品のリサイクルが可能な繊維強化セラミック
成形体、及びそれからなる焼結体を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、セラミック粉末に合成高分子繊
維を配合することにより、セラミック成形体の強度が向
上するだけでなく、不良品のリサイクルも可能であるこ
とを発見し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明の繊維強化セラミック成形
体は、合成高分子繊維が均一に分散されていることを特
徴とする。
【0008】また本発明のセラミック焼結体は、上記繊
維強化セラミック成形体を焼成してなることを特徴とす
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [1] セラミック組成物 本発明の繊維強化セラミック成形体を製造するのに使用
するセラミック組成物は、セラミック粉末に合成高分子
繊維を配合したものである。焼結性を向上するために焼
結助剤を添加するのが好ましく、またスリップキャステ
ィング法を利用する場合にはさらに分散剤を配合する。
以下セラミック粉末として窒化珪素粉末を使用する場合
について、詳細に説明する。
【0010】(a) 窒化珪素粉末 窒化珪素粉末としてはα型及びβ型のいずれも使用する
ことができる。またその製造法としては、Siの直接窒化
法、シリカの還元・窒化法、シリコンジイミドの熱分解
法、SiH4+NH3+N2の気相反応法等がある。窒化珪素粉
末は平均粒径が0.01〜3μmのものが好ましく、より好
ましくは0.1〜1.3μmである。また、比表面積は9〜13
m2/gであるのが好ましい。
【0011】(b) 焼結助剤粉末 窒化珪素粉末に添加する焼結助剤粉末としては、Al
2O3、Y2O3、Yb2O3、HfO2、AlN、MgO及び周期律表のIIIa
族元素の化合物等が挙げられる。焼結助剤粉末の平均粒
径は0.1〜8μmが好ましく、0.3〜5μmがより好まし
い。また、比表面積は1〜15 m2/gであるのが好まし
い。
【0012】焼結助剤粉末の配合量は、窒化珪素粉末と
焼結助剤粉末との総量を100重量部として、0.5〜15重量
部とするのが好ましく、1〜5重量部とするのがより好
ましい。焼結助剤粉末の配合量が0.5重量部未満である
と、焼結体の緻密化が十分に進行せず、また15重量部を
超えると焼結体の高温強度が不十分となる。
【0013】(c) 合成高分子繊維 合成高分子繊維としてはナイロン、ポリエステル等の合
成高分子の繊維が挙げられる。本発明において用いる合
成高分子繊維は特定の種類のナイロン(ポリアミド)及
びポリエステルに限定されず、例えば、ナイロン6、ナ
イロン66、その他のナイロン、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)及びその他のポリエステルが使用できる。
【0014】合成高分子繊維の平均直径は2.5〜30μm
が好ましく、2.5〜20μmがより好ましい。平均直径が
2.5μm未満であると、スラリーの粘度が高くなり、成
形が困難になる。一方、平均直径が30μmを超えると、
焼結体の強度が低下するだけでなく、欠陥が生じるおそ
れもある。
【0015】合成高分子繊維の平均長さは300〜1000μ
mが好ましく、300〜700μmがより好ましい。平均長さ
が300μm未満であると、合成高分子繊維の添加による
成形体の補強効果が十分に得られない。一方、平均長さ
が1000μmを超えると、スラリーの粘度が急激に上昇
し、成形が困難になる。
【0016】合成高分子繊維の添加量は、窒化珪素粉末
と焼結助剤粉末との総量を100重量部として、0.2〜3重
量部とするのが好ましく、0.2〜1重量部がより好まし
い。添加量が0.2重量部未満であると、有機合成高分子
繊維の添加による成形体の補強効果が十分に得られず、
一方、3重量部を超えると合成高分子繊維の分散性が低
下し、焼結体の強度が低下するだけでなく、欠陥が生じ
るおそれもある。
【0017】合成高分子繊維はそのまま使用することが
できるが、表面の親水性を向上させて合成高分子繊維の
分散をよくするために、プラズマ処理等の表面処理をす
るのが好ましい。
【0018】(d) 分散剤 スリップキャスティングの場合にセラミック粉末及び合
成高分子繊維を均一に分散させるために、分散剤を添加
するのが好ましい。分散剤の添加量は、窒化珪素粉末と
焼結助剤粉末との総量を100 重量部として、0.05〜0.5
重量部とするのが好ましく、0.1 〜0.3 重量部とするの
がより好ましい。分散剤が0.05重量部未満であるとセラ
ミック粉末の分散が不十分であり、また0.5 重量部を超
えるとスラリーの粘度が高くなりすぎる。
【0019】(e) 水性分散媒 窒化珪素粉末と焼結助剤粉末との総量を100重量部とし
て、水などの水性分散媒の配合量を35〜50重量部とする
のが好ましく、40〜43重量部とするのがより好ましい。
35重量部未満であると流動性が不十分であり、また50重
量部を超えるとスラリーの粘度が低すぎ、また成形体の
乾燥も困難になる。
【0020】[2] 成形体の製造方法 スリップキャスティング法を例にとって説明すると、ま
ず窒化珪素粉末、焼結助剤粉末、及び分散剤をボールミ
ル等を用いて水性分散媒に15〜30℃で均一に分散させ、
スラリーとする。そののち合成高分子繊維をスラリーに
加え、均一に分散するまで15〜30℃で混合する。このと
き混合時間は2時間以上が好ましい。混合時間が2時間
未満であると、合成高分子繊維の分散が十分ではない。
混合時間は10〜16時間が分散、効率の両面で有効であ
り、より好ましい。このようにして得られた合成高分子
繊維を添加したスラリーの粘度は、25℃で0.01〜0.2 Pa
・sであるのが好ましい。
【0021】スラリーを石膏のように吸水性及び透水性
を有する材質からなる成形型に鋳込み、成形型内に15〜
30℃で1〜4時間保持して脱水する。セラミックスの着
肉が完了したら脱型し、成形体を120〜150℃で10〜30時
間十分に乾燥する。成形体は合成高分子繊維により補強
されているため、脱水・乾燥中に破損や亀裂が発生する
おそれはない。このようにして有機合成高分子繊維が均
一に分散したセラミック成形体が得られる。
【0022】[3] 焼結体の製造方法 本発明のセラミック焼結体は、上記のようにして得られ
たセラミック成形体を焼成、好ましくは、550〜650℃で
1〜5時間脱脂処理し、更に1300〜1700℃で0.5〜8時
間仮焼した後に焼成することにより製造する。焼成は通
常、窒素ガスなどの不活性雰囲気中、1750〜1950℃、2
〜2000 kgf/cm2の加圧下で1〜8時間行う。このように
して得られたセラミック焼結体は400〜900 MPaの曲げ強
度を示す。
【0023】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】実施例1〜2 (1) スラリーの調製 窒化珪素粉末(平均粒径0.4μm、比表面積10.6 m2/g)
96.5重量部と、焼結助剤粉末であるY2O3粉末(平均粒径
5.0μm、比表面積3.0 m2/g)2.5重量部及びAl 2O3粉末
(平均粒径0.4μm、比表面積7.0 m2/g)1.0重量部から
なる100重量部の粉末混合物に、純水43重量部及び分散
剤(SNディスパーサント7347C)0.18重量部を混合
し、窒化珪素ボール200重量部とともに64時間ボールミ
ル粉砕した。次に表1に示す合成高分子繊維を2時間混
合し、スラリーを作製した。得られたスラリーの粘度を
図1に示す。粘度は、東京計器(株)製のE型粘度計
(2.5 rpm)を用いて、25℃で測定した。図1から明ら
かなように、合成高分子繊維を添加した実施例1〜2の
いずれも実用可能なスラリー粘度を有していた。
【0025】 表1 平均直径 平均長さ 添加量 例No. 合成高分子繊維 (μm) (μm) (重量部) 実施例1 PET (1) 7.2 500 0.4 実施例2 ナイロン66 7.9 500 0.4 注:(1) ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)。
【0026】(2) クラックの発生状況 得られた各スラリーを図2に示すラジアルタービンモデ
ル用の石膏型で鋳込み成形し、180 ℃で16時間乾燥した
ところ、亀裂のない良好な成形体が得られた。図2に示
す成形体の各部(翼1、水掻2、ハブ3)におけるクラ
ックの発生状況を観察し、下記の基準により判定した。
結果を表2に示す。 ◎:クラックなし、 ○:クラック3個所以下、 △:クラック5個所以下、 ×:全体にクラックあり。
【0027】次いで成形体をモレキュラーシーブ中に埋
設して50℃/時間の昇温速度で600℃まで昇温し、3時
間脱脂処理を行った。脱脂した成形体をBN粉末中に埋
設し、1400℃まで徐々に昇温してから1時間仮焼を行っ
た。成形体、脱脂体及び仮焼体のクラックの発生状況を
上記と同様に翼、水掻及びハブの部分について観察し
た。結果を表2に示す。表2から明らかなように、クラ
ックの発生が少なく、実用に適していることが分かっ
た。
【0028】 表2 クラックの発生状況 成形体 脱脂体 仮焼体実施例 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 1 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ 2 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎
【0029】(3) 焼結体の強度試験 各スラリーを石膏型で鋳込み成形し、得られた40mm×5
mm×4mmの成形体を自然乾燥後、50℃/時間の昇温速度
で600 ℃まで昇温し、3時間脱脂処理を行った。次に上
記(2)と同じ条件で仮焼を行った後、1900℃及び9.5 kgf
/cm2の窒素雰囲気中で4時間焼成を行った。得られた焼
結体の3点曲げ強度(支点間距離30mm)を測定した。結
果を図3に示す。図3から明らかなように、合成高分子
繊維を添加した実施例1〜2のいずれも実用可能な焼結
体強度を有していた。
【0030】実施例3、比較例1 (1) スラリーの調製 PET繊維の添加量を0.1〜0.6重量部とした以外は実施例
1と同じ方法でスラリーを調製した。また比較のために
合成高分子繊維を添加しないスラリーも調製した(比較
例1)。実施例1と同じ方法で各スラリーの粘度を測定
した。結果を図4に示す。図4から明らかなように、PE
T繊維の添加によりスラリーの粘度が若干増加したが、
成形性に影響を与えるほどではなかった。
【0031】(2) 成形性の評価 各スラリーを実施例1と同様にして石膏型で鋳込み成形
し、100mm×10mm×10mmの成形体を作製した。得られた
成形体を用いて破断試験(3点曲げ試験、支点間距離50
mm)を行い、一次クラック停止荷重を求めた。結果を図
5に示す。なお一次クラック停止荷重は成形体の破断試
験過程において、クラックが一旦停止する時点での荷重
であり、成形性を評価する抗クラック性の一つの基準と
した。図5から明らかなように、PET繊維の添加量が0.2
重量部未満では一次クラック停止荷重が低く、成形性が
十分ではなかった。
【0032】(3) クラックの発生状況 各スラリーを実施例1と同じ方法でラジアルタービンモ
デル用の石膏型で鋳込み成形した。得られた成形体を実
施例1と同じ条件で脱脂処理及び仮焼を行った。成形
体、脱脂体及び仮焼体のクラックの発生状況を、実施例
1と同様にして翼、水掻、ハブの部位について観察し
た。結果を表3に示す。表3から明らかなように、添加
量が0.1重量部では仮焼体の翼にクラックの発生が見ら
れた。これは成形時のマイクロクラックが成長したと考
えられる。
【0033】 表3 PET繊維の添加量とクラックの発生状況との関係 添加量 成形体 脱脂体 仮焼体(重量部) 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 0.1 ○ ◎ ◎ △ ◎ ○ × ◎ △ 0.2 ◎ ◎ ◎ △ ◎ ○ △ ◎ △ 0.3 ◎ ◎ ◎ △ ◎ ◎ △ ◎ ○ 0.4 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ 0.5 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ 0.6 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○
【0034】(4) 焼結体強度の測定 本実施例のスラリーを使用し、実施例1の(3)と同様に
して作製した焼結体に対して、3点曲げ強度を複数回測
定した。3点曲げ強度の測定値の平均値、最大値及び最
小値を図6に示す。図6に示す通り、PET繊維の添加量
が少ないと、焼結体の曲げ強度の最小値が低下する傾向
が見られた。
【0035】実施例4 (1) スラリーの調製 PET繊維の平均長さを300〜900μmとした以外は実施例
1と同じ方法によりスラリーを調製し、実施例1と同じ
方法で粘度を測定した。結果を比較例1の結果とあわせ
て図7に示す。図7から明らかなように、PET繊維の平
均長さが1000μmを超えると、スラリーの粘度が急激に
増大し、成形が困難になることが予想された。
【0036】(2) 成形性の評価 各スラリーを実施例1と同様にして鋳込み成形し、得ら
れた100mm×10mm×10mmの成形体の破断試験を行い、一
次クラック停止荷重を求めた。結果を図8に示す。図8
から明らかなように、平均長さが300〜700μmでは比較
例1(PET繊維を無添加)より一次クラック停止荷重の
著しい向上が見られた。
【0037】(3) クラックの発生状況 各スラリーを実施例1と同じ方法でラジアルタービンモ
デル用の石膏型で鋳込み成形し、次いで実施例1と同じ
条件で脱脂処理及び仮焼を行った。成形体、脱脂体及び
仮焼体のクラックの発生状況を、実施例1と同様にして
翼、水掻、ハブの部位について観察した。結果を表4に
示す。
【0038】 表4 PET繊維の長さとクラックの発生状況との関係 平均長さ 成形体 脱脂体 仮焼体(μm) 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 300 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ △ 400 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ △ 500 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ 700 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ △ ◎ ◎
【0039】(4) 焼結体強度の測定 本実施例のスラリーを使用し、実施例1の(3)と同様に
して作製した焼結体に対して、3点曲げ強度を複数回測
定した。3点曲げ強度の測定値の平均値、最大値及び最
小値を図9に示す。平均長さが1000μmを超えると、焼
結体の曲げ強度の最小値が顕著に低下することが予想さ
れた。
【0040】実施例5 (1) スラリーの調製 PET繊維(平均直径:5.5μm、平均長さ:500μm)の
混合時間をそれぞれ2時間及び12時間とした以外は実施
例1と同じ方法によりスラリーを調製し、粘度を測定し
た。結果を図10に示す。図10から明らかなように、混合
時間を長くするとスラリーの粘度の低下が見られた。
【0041】(2) 成形性の評価 各スラリーを実施例1と同様にして鋳込み成形し、得ら
れた100mm×10mm×10mmの成形体の破断試験を行い、一
次クラック停止荷重を求めた。結果を図11に示す。図11
から明らかなように、混合時間を長くすると一次クラッ
ク停止荷重が増加し、成形性の改善が見られた。
【0042】実施例6 (1) スラリーの調製 PET繊維の平均直径を2.5〜45.3μmとした以外は実施例
1と同じ方法によりスラリーを調製した。なお平均直径
5.5μm以下の場合には、PET繊維の混合時間を12時間と
し、平均直径7.2μm以上の場合には、PET繊維の混合時
間を2時間とした。実施例1と同じ方法で各スラリーの
粘度を測定した。結果を図12に示す。図12から明らかな
ように、PET繊維の平均直径が大きくなるほど、スラリ
ーの粘度は低下した。
【0043】(2) 成形性の評価 各スラリーを実施例1と同様にして鋳込み成形し、得ら
れた100mm×10mm×10mmの成形体の破断試験を行い、一
次クラック停止荷重及び成形体の破壊強度を求めた。結
果を図13に示す。図13から明らかなように、PET繊維の
平均直径が大きくなるほど、一次クラック停止荷重及び
破壊強度はともに低下した。
【0044】(3) クラックの発生状況 各スラリーを実施例1と同じ方法でラジアルタービンモ
デル用の石膏型で鋳込み成形した。得られた成形体を実
施例1と同じ条件で脱脂処理及び仮焼を行った。成形
体、脱脂体及び仮焼体のクラックの発生状況を実施例1
と同様にして翼、水掻、ハブの部位について観察した。
結果を表5に示す。表5から明らかなように、PET繊維
の平均直径が30μmを超えて大きくなり過ぎると、脱脂
体及び仮焼体にクラックの発生が顕著に増加した。
【0045】 表5 PET繊維の平均直径とクラックの発生状況との関係 平均直径 成形体 脱脂体 仮焼体(μm) 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 2.5 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 5.5 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 7.2 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ 11.9 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ △ ○ 32.6 ○ ◎ ◎ △ ○ ◎ × × △ 45.3 ○ ◎ ◎ × ◎ ◎ × × ◎
【0046】(4) 焼結体強度の測定 本実施例のスラリーを使用し、実施例1の(3)と同様に
して作製した焼結体に対して3点曲げ強度を測定した。
結果を図14に示す。図14から明らかなように、PET繊維
の平均直径が30μmを超えると、焼結体の曲げ強度が低
下した。
【0047】実施例7 (1) スラリーの調製 合成高分子繊維としてプラズマ処理したPET繊維(平均
直径:5.5μm、平均長さ:500μm)を用いた以外は実
施例1と同じ方法によりスラリーを調製した。また同じ
条件で表面未処理のPET繊維を用いたスラリーも調製し
た。実施例1と同じ方法で各スラリーの粘度を測定し
た。結果を図15に示す。図15から明らかなように、プラ
ズマ処理したPET繊維を用いるとスラリーの粘度は低下
し、成形性が向上した。
【0048】(2) 成形性の評価 各スラリーを実施例1と同様にして鋳込み成形し、得ら
れた100mm×10mm×10mmの成形体を用いて破断試験を行
い、一次クラック停止荷重及び成形体の破壊強度を求め
た。結果を図16に示す。図16から明らかなように、プラ
ズマ処理したPET繊維を用いても成形体の一次クラック
停止荷重及び破壊強度はあまり変化しなかった。
【0049】(3) 焼結体強度 本実施例のスラリーを使用し、実施例1の(3)と同様に
して作製した焼結体に対して、3点曲げ強度を測定し
た。結果を図17に示す。図17から明らかなように、プラ
ズマ処理したPET繊維を用いると、焼結体の曲げ強度が
増加した。
【0050】実施例8〜9 (1) スラリーの調製 合成高分子繊維としてそれぞれ平均直径5.5μm、平均
長さ500μmのPET繊維0.6重量部(実施例8)、及び平
均直径2.5μm、平均長さ500μmのPET繊維0.4重量部
(実施例9)を用いた以外は実施例1と同じ方法により
スラリーを調製した。なお合成高分子繊維の混合時間は
ともに12時間とした。
【0051】(2) クラックの発生状況 各スラリーを実施例1と同じ方法でそれぞれバッフル板
及びディフューザー用の石膏型で鋳込み成形した。得ら
れた成形体を実施例1と同じ条件で脱脂処理及び仮焼を
行い、焼成を行った。成形体及び焼結体について、クラ
ックの発生状況を調べた結果、いずれもクラックがなか
った。
【0052】実施例10〜12 (1) スラリーの調製 合成高分子繊維としてそれぞれ実施例8及び9と同じPE
T繊維、及び実施例7のプラズマ処理品を用いた以外は
実施例1と同じ方法によりスラリーを調製した。なおPE
T繊維の添加量はそれぞれ0.6重量部(実施例10)、0.4
重量部(実施例11)、及びプラズマ処理品0.4重量部
(実施例12)とし、合成高分子繊維の混合時間をともに
12時間とした。
【0053】(2) クラックの発生状況 各スラリーを実施例1と同じ方法でそれぞれHTロータ
ー用の石膏型で鋳込み成形した。得られた成形体を実施
例1と同じ条件で脱脂処理及び仮焼を行い、焼成及びH
IP焼成(1900℃、1000気圧、1.5時間)を行った。成
形体、脱脂体、仮焼体及びHIP焼結体のクラックの発
生状況を実施例1と同様にして翼、水掻及びハブの部位
について観察した。またHIP焼結体の密度も測定し
た。結果を表6にあわせて示す。
【0054】 表6 HTローターのクラックの発生状況 成形体 脱脂体 仮焼体実施例 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 翼 水掻 ハブ 10 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 11 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 12 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
【0055】 表6 HTローターのクラックの発生状況(つづき) 焼結体 焼結体密度 実施例 翼 水掻 ハブ (g/cm3 10 ○ ◎ ◎ 3.188 11 ○ ◎ ◎ 3.191 12 ○ ◎ ◎ 3.210
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のセラミッ
ク組成物は、セラミック粉末に有機合成高分子繊維を均
一に分散させているので、成形体の強度が向上し、成形
体の破損や亀裂が大幅に減少する。そのためセラミック
成形体の歩留りが非常に向上するだけでなく、成形が困
難な複雑形状の成形体を作製することができる。また合
成高分子繊維は分離が容易であるので、成形不良があっ
ても、そのセラミック粉末の再利用が可能になり、セラ
ミック粉末の利用効率が向上する。また、本発明のセラ
ミック成形体を焼結してなるセラミック焼結体はクラッ
クの発生が少なく、実用上十分な機械強度を有するの
で、特に、自動車用部品などとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜2におけるスラリーの粘度を示す
グラフである。
【図2】 本発明を適用するラジアルタービンモデルの
概略断面図である。
【図3】 実施例1〜2における焼結体の曲げ強度を示
すグラフである。
【図4】 実施例3及び比較例1におけるPET繊維の添
加量とスラリーの粘度との関係を示すグラフである。
【図5】 実施例3及び比較例1におけるPET繊維の添
加量と成形体の一次クラック停止荷重との関係を示すグ
ラフである。
【図6】 実施例3及び比較例1におけるPET繊維の添
加量と焼結体の曲げ強度との関係を示すグラフである。
【図7】 実施例4におけるPET繊維の平均長さとスラ
リーの粘度との関係を示すグラフである。
【図8】 実施例4におけるPET繊維の平均長さと成形
体の一次クラック停止荷重との関係を示すグラフであ
る。
【図9】 実施例4におけるPET繊維の平均長さと焼結
体の曲げ強度との関係を示すグラフである。
【図10】 実施例5における混合時間とスラリーの粘度
との関係を示すグラフである。
【図11】 実施例5における混合時間と成形体の一次ク
ラック停止荷重との関係を示すグラフである。
【図12】 実施例6におけるPET繊維の平均直径とスラ
リーの粘度との関係を示すグラフである。
【図13】 実施例6におけるPET繊維の平均直径と成形
体の一次クラック停止荷重及び破壊強度との関係を示す
グラフである。
【図14】 実施例6におけるPET繊維の平均直径と焼結
体の曲げ強度との関係を示すグラフである。
【図15】 実施例7におけるPET繊維のプラズマ処理の
有無とスラリーの粘度との関係を示すグラフである。
【図16】 実施例7におけるPET繊維のプラズマ処理の
有無と成形体の一次クラック停止荷重及び破壊強度との
関係を示すグラフである。
【図17】 実施例7におけるPET繊維のプラズマ処理の
有無と焼結体の曲げ強度との関係を示すグラフである。
【符号の簡単な説明】
1・・・翼 2・・・水掻 3・・・ハブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成高分子繊維が均一に分散されている
    ことを特徴とする繊維強化セラミック成形体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の繊維強化セラミック成
    形体において、前記合成高分子繊維がポリエステル又は
    ナイロンの繊維であることを特徴とする繊維強化セラミ
    ック成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれかに記載の繊維強
    化セラミック成形体において、前記合成高分子繊維の平
    均長さが300〜1000μmであり、平均直径が2.5〜30μm
    であることを特徴とする繊維強化セラミック成形体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強
    化セラミック成形体において、前記合成高分子繊維は親
    水性処理されていることを特徴とする繊維強化セラミッ
    ク成形体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化
    セラミック成形体において、セラミック粉末、焼結助剤
    粉末、前記合成高分子繊維及び任意成分としての分散剤
    を含むことを特徴とする繊維強化セラミック成形体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の繊維強化セラミック成
    形体において、前記合成高分子繊維の添加量は前記セラ
    ミック粉末と前記焼結助剤粉末との合計量を100重量部
    として0.2〜3重量部であることを特徴とする繊維強化
    セラミック成形体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強
    化セラミック成形体において、前記セラミック粉末、前
    記セラミック粉末と前記焼結助剤粉末との合計量100重
    量部に対して0.5〜15重量部の前記焼結助剤粉末、前記
    セラミック粉末と前記焼結助剤粉末との合計量100重量
    部に対して0.2〜3重量部の前記合成高分子繊維、前記
    セラミック粉末と前記焼結助剤粉末との合計量100重量
    部に対して35〜50重量部の水性分散媒及び前記セラミッ
    ク粉末と前記焼結助剤粉末との合計量100重量部に対し
    て0.05〜0.5重量部の前記任意成分としての分散剤とを
    含有するセラミック組成物をスリップキャスト成形して
    なることを特徴とする繊維強化セラミック成形体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強
    化セラミック成形体を焼成してなることを特徴とするセ
    ラミック焼結体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011507140A (ja) * 2007-12-21 2011-03-03 モーセッド・テクノロジーズ・インコーポレイテッド 電力削減機能を有する不揮発性半導体メモリデバイス

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