JPH11116051A - カプセル輸送方法及び装置 - Google Patents

カプセル輸送方法及び装置

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JPH11116051A
JPH11116051A JP27761497A JP27761497A JPH11116051A JP H11116051 A JPH11116051 A JP H11116051A JP 27761497 A JP27761497 A JP 27761497A JP 27761497 A JP27761497 A JP 27761497A JP H11116051 A JPH11116051 A JP H11116051A
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JP
Japan
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capsule
line
air
section
transport
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JP27761497A
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Tomoji Fujisawa
友二 藤沢
Hitoshi Ishizuka
仁司 石塚
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜の大きい、あるいは曲率半径の小さいと
ころでも、大規模な動力設備を要することなく、カプセ
ルの走行を可能にすること、ブースタステーションにお
ける空気加圧手段を簡易にしてトラブルの発生を少なく
すること、建設コストを低減し適用範囲を拡大可能にす
る。 【解決手段】 複数地点間を結ぶパイプライン1のパイ
プ内を積み荷を積載したカプセル3を走行させて輸送す
るものであって、永久磁石33を所定間隔で環状に配設
したカプセル3を使用し、パイプラインの地下埋設区間
においては、ブロワー8により供給される空気力により
カプセル3の空気輸送を行い、パイプラインの傾斜区間
または曲路区間、積み降しステーション、ブースタース
テーションにおいては、該区間をリニアチューブ5aま
たは5bで構成するとともに、空気力とリニアモータ方
式による電磁推進力の両方を使用してカプセルの輸送を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の物資を運搬
するカプセル式輸送システムにおけるカプセル輸送方法
及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カプセルの輸送方式として、空気輸送方
式(例えば、実開昭63−136622号)とリニア輸
送方式(例えば、特開平3−111331号)がある。
【0003】(1)空気輸送方式 この方式は、物資を積載したカプセルを輸送管内に挿入
し、ブロワーによる空気流によってカプセルを走行させ
目的地まで輸送する方法である。しかし、この方式には
以下のような問題がある。 カプセルを走行させるのに空気の流体抵抗を利用して
いるため、パイプラインの全長にわたって、及び駆動部
において気密シールが必要であり、パイプラインの構造
が複雑になる。 空気輸送の場合、次式のような流体抵抗で推力を得て
いるため、小型のシール型のカプセルを除き、流速を上
げない限り傾斜の登坂が難しかった。そのため、距離や
傾斜が長く大きくなるほど流速を上げなければならず、
圧損が大きくなり、極端に大きな動力が必要となるた
め、経済性から、5〜10゜の傾斜が限度であった。空
気による推力Fdは、(1)式で求められる。 Fd=ρ・Cd・S・V/2g ……(1) Cd:抗力係数 N・m/s S :投影面積 m2 ρ :空気密度 kg/m3 g :重力加速度 m/s2 V :速度 m/s また、空気圧損Paは、(2)式で求められる。 Pa=ρ・λ・L/D・V2 /2g ……(2) λ :管摩擦係数 L :管長 m D :管径 m 空気輸送の場合、ベンド部でカプセルの受圧面が管面
に対して大きく傾くためシール部との隙間が増加し、推
進力の極端な低下をもたらすため曲率半径を小さくする
ことができなかった(例えば、φ600mmで30mR
以上)。 輸送距離を長くするためには5〜10kmごとにブー
スタステーションを設ける必要があり、ブースタ用のブ
ロワー等で加圧する必要があった。空気を加圧する際、
カプセルを誘導ラインに誘導するが、慣性力を利用して
いる場合があり、ゲート等に衝突したり、ゲートの前で
停止して、再起動が必要となるなどの弊害があった。ま
た、カプセルの移動用に別の駆動装置や空気圧ラインを
必要としていた。
【0004】(2)リニア輸送方式 この方式は、リニアモータ方式でカプセルを走行させる
ものであり、リニアチューブ上に所定間隔でコイルを巻
き、カプセルの所定位置に環状の永久磁石を取り付け、
センサでカプセルの位置を検知しながらコイルに流す電
流を制御し、所定速度に制御しながらカプセルを走行さ
せ、輸送する方法である。しかし、この方式には以下の
ような問題がある。 位置検出用のセンサや区間毎にコイルに流す電流を切
り替えるためのトランジスタあるいはサイリスタを取り
付ける必要があり、これらのメンテナンスのため、リニ
アチューブを直接埋設することができず、布設はトンネ
ル内や高架などに限られていた。 コイルの取付や非磁性のチューブを使用することから
高価となり、全ラインをリニアモータ方式のチューブと
するには、膨大なコストがかかっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記2つの
方式における問題点を解決するためになされたもので、
傾斜の大きい、あるいは曲率半径の小さいところでも、
大規模な動力設備を要することなく、カプセルの走行を
可能にすること、ブースタステーションにおける空気加
圧手段を簡易にしてトラブルの発生を少なくすること、
建設コストを低減し、適用範囲を拡大可能にすることな
どを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るカプセル輸
送方法は、複数地点間を結ぶパイプラインのパイプ内を
積み荷を積載したカプセルを走行させて輸送する方法に
おいて、永久磁石を所定間隔で環状に配設したカプセル
を使用し、前記パイプラインの地下埋設区間において
は、ブロワーにより供給される空気力により前記カプセ
ルの空気輸送を行い、前記パイプラインの傾斜区間また
は曲路区間においては、該区間をリニアチューブで構成
するとともに、前記空気力とリニアモータ方式による電
磁推進力の両方を使用して前記カプセルの輸送を行うこ
とを特徴とするものである。
【0007】本発明は、空気輸送方式とリニアモータ方
式の併用型としたものであり、カプセルは両方式に共通
のものとする。そして、部分的にエネルギーが必要な箇
所、すなわち、傾斜区間や曲路区間では、リニアモータ
方式による電磁推進力を付加することにより、空気の流
速を上げなくてもカプセルの走行が可能となる。また、
このような構成とすることによって、地下埋設区間のみ
が空気輸送ラインとなり、リニアチューブの局所的な使
用によりメンテナンスを低減することができるため、空
気動力の節減、建設コストの低減、適用範囲の拡大が可
能となる。
【0008】また、本発明のブースタステーションにお
いては、前記カプセルの空気輸送を行う空気輸送ライン
の途中にリニアチューブからなる誘導ラインを接続し、
該誘導ラインに前記カプセルを誘導して減速または一旦
停止させ、入口端ゲートバルブを閉め、輸送用空気を上
流側空気輸送ラインから分岐してブロワーにより加圧
し、前記カプセルが前記誘導ラインで加速されて出た
後、その出口端をゲートバルブで閉鎖するとともに、前
記加圧された空気を前記ゲートバルブと前記カプセルの
間の下流側空気輸送ラインに送入することとしたもので
ある。
【0009】この構成により、誘導ラインにおいて、リ
ニアモータ方式によりカプセルを確実に誘導・停止させ
ることができるため、ゲートバルブとの衝突等のトラブ
ルを回避可能である。さらに、輸送用空気を分岐し、ブ
ロワーで加圧し、この加圧された空気を、誘導ラインか
ら出た加速されたカプセルと誘導ラインの出口端を閉じ
たゲートバルブとの間に送入することで、容易に昇圧す
ることができ、長距離の輸送や傾斜区間あるいは曲路区
間での推力補強を容易に達成することができる。
【0010】本発明の前記カプセル輸送方法は、永久磁
石を所定間隔で環状に配設したカプセルと、パイプライ
ンの地下埋設区間に布設された空気輸送ラインと、空気
輸送ラインに圧縮空気を供給するブロワーと、パイプラ
インの傾斜区間または曲路区間において空気輸送ライン
と接続されるとともに、励磁コイルを外周に等間隔また
は一部取り外して巻装し、各励磁コイルの間にカプセル
の位置を検出する位置センサを配設したリニアチューブ
とを備えたカプセル輸送装置とすることで達成される。
また、ブースタステーションにおける構成を、空気輸送
ラインの途中に接続され、直管状のリニアチューブから
なる誘導ラインと、誘導ラインの入口及び出口をそれぞ
れ開閉するゲートバルブと、空気輸送ラインの上流側及
び下流側を接続する分岐管と、分岐管に設けられたブー
スタ用のブロワーとを備えたものとすることで、輸送用
空気の加圧が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明のカプセル輸送装置
を示す構成図で、積み荷の積み降しステーションにおけ
る構成を示す。ステーション間を結ぶパイプライン1
は、積み降しライン11、発車ライン12、空気輸送ラ
イン13、および制動ライン14を接続した構成となっ
ている。このうち、積み降しライン11、発車ライン1
2及び制動ライン14はリニアモータ方式により構成さ
れ、空気輸送ライン13はブロワーによる空気圧送方式
により構成されている。各ラインはそれぞれゲートバル
ブ15a、15b、15c、15dを介して接続されて
いる。また、空気輸送ライン13は地下に埋設される。
【0012】積み荷の積み降しステーション10におい
て、荷物やごみ等を収納したインナーカプセル2を、積
み降しライン11上に停止しているカプセル3に積載
し、またはカプセル3から荷降しする。このインナーカ
プセル2の積み降しは積み降し装置4により自動的に行
われる。
【0013】積み荷を積載されたカプセル3は、積み降
しライン11と発車ライン12との間にあるゲートバル
ブ15bを開いた後、積み降しライン11から発車ライ
ン12へ送り込まれる。カプセル3の移動は、後述する
位置センサによりカプセル3の位置を検知しながらこれ
らのラインを構成するリニアチューブ5の各励磁コイル
6に流す電流を制御器7により制御することで、速度を
制御する。
【0014】発車ライン12において、カプセル3は、
前方のゲートバルブ15aを開き、後方のゲートバルブ
15bを閉じた後、空気輸送ライン13に向けて発車さ
れる。このとき、発車ライン12のカプセル3にはブロ
ワー8から供給される空気圧と発車ライン12における
リニアモータ方式の電磁推進力の両方が与えられ、カプ
セル3を加速させる。
【0015】別のステーションから輸送されてきたカプ
セル3は、ゲートバルブ15dを開いて制動ライン14
に入り、制動ライン14において制御器7により走行方
向と逆方向の推進力(制動力)を与えてカプセル3にブ
レーキをかける。その後、制動ライン14の前方のゲー
トバルブ15cを開き、カプセル3を積み降しライン1
1に送り込み、所定の位置に停止させる。そして再び、
積み降し装置4により積み荷の積み降しを行う。また、
カプセル3の空気輸送に使用された空気は消音器30を
経て大気に放出される。以上がカプセル3の輸送(加速
・減速・停止)並びに積み荷の積み降しの概要であり、
上記の動作を繰り返すことにより大量の輸送ができる。
【0016】図2に、カプセルの概略構成を示す。図3
はカプセルの正面図である。カプセル3は、前後の車輪
装置31に半筒状の荷台32を軸により振り子状に懸架
したものであり、さらに前後の位置にそれぞれ永久磁石
33を環状に取り付けるとともに、耐摩耗性のシール部
材34を取り付けてなるものである。永久磁石33の取
付間隔は、例えばコイル6の間隔の3.5倍以上とされ
ている。また、車輪装置31に設けられる複数(例えば
片側で5〜6個)の車輪35は円周方向に等分割で配置
され、各車輪35はスプリングやゴム等で半径方向に拡
縮自在なサスペンション機構36により支持されてい
る。前後の車輪装置31に懸架された荷台32は振り子
型となっており、重心位置を低くして常に荷物が上向き
となるようにしている。この荷台32に荷物を収納され
たインナーカプセル2が積載される。上記のように構成
されたカプセル3は連結器(図示せず)で複数連結する
ことが可能で、この例では2連式となっている。
【0017】積み降しライン11のリニアチューブ5
は、図2に示すように、SUS404等からなる非磁性
チューブ51に上部開口部52を設けて半割状に形成
し、その外周にコイル6を等間隔または一部取り外して
巻装または装着し、各コイル6のピッチで磁気センサン
等からなる位置センサ74(図4参照)を配置してなる
ものである。半割部分では鞍型のコイル61となってい
る。また、ケーブル類の接続部の絶縁のため非磁性チュ
ーブ51の全体を耐熱絶縁テープ53で覆い、さらにそ
の外側に鉄板54を巻装することでコイル6、61の磁
路の改善、保護と磁気シールドをしている。そして、カ
プセル3は開口部52にて停止し、開口部52を通じて
インナーカプセル2の積み降しを行う。発車ライン12
及び制動ライン14のリニアチューブ5の構成も上記と
ほぼ同様であり、非磁性チューブ51の外周にコイル6
を等間隔または一部取り外して巻装し、各コイル6間に
位置センサ74を配置し、さらに全体を耐熱絶縁テープ
53で覆い、その上を鉄板54で覆う構成となってい
る。また、コイル6の巻き数は、ラインの水平部で少な
く、傾斜部や曲がり部で多くしている。
【0018】図4はリニアチューブの1つのセクション
における配線図である。図1に示す同期型リニアモータ
駆動システムでは、各ラインのリニアチューブ5は複数
のセクション70に分けられており、図4に示すように
セクション70毎に駆動電源用の多相ケーブル71a、
71b、71cからパワートランジスタ等で構成される
切替器72を経てケーブル73a、73b、73cで並
列に配線される。セクション70内の各励磁コイル6へ
のケーブル73a、73b、73cの配線は、相ごとに
シリーズ結線し、端末を結ぶ多相スター結線となってい
る。また位置センサ74も相ごとにケーブル75a、7
5b、75cでシリーズ結線し、分岐回路で2つに分
け、一方は増幅器76を介して制御器7へ、他方はOR
の論理回路77を経てセクション70毎にまとめた信号
を信号変換器78を介して制御器7と切替器72へ送る
ようにしている。このようにして、カプセル3が現在ど
このセクションにいるかを検知している。つまり、カプ
セル3がそのセクション70内の位置センサ74で検知
されている限り、切替器72が信号を受けて電気的に接
続され、電流が流れるが、そのセクション70から外れ
ると電源が切れることになる。これはまた、セクション
70の入口と出ロにそれぞれセクション検出用の位置セ
ンサ79を設けて電源の入り・切りをしてもよい。
【0019】積み降しライン11及び発車ライン12に
おけるリニアチューブ5内でのカプセル3の駆動は、位
置センサ74によってカプセル3の位置を検知し、カプ
セル3の厚み方向に磁化した一方の永久磁石33に対し
て吸着し、通過後停止、反発になるように極性を変えて
各ケーブル73a、73b、73cを経て励磁コイル6
に電流を流す。さらに、半周期ずれた位置に取り付けた
他方の永久磁石33に対しても同様に励磁コイルに電流
を流す。これを繰り返すことにより、一定方向に均一な
推力をカプセル3に与えることができ、カプセル3を走
行させることができる。なお、制動ライン14において
は上記と反対の極性となるように励磁コイル6に電流を
流す。カプセル3の走行制御は、励磁コイル6への電流
供給によって外部から制御することができる。制御器7
は、位置センサ74の間隔と検知インターバルとからカ
プセル3の走行速度を算出し、供給電流をPWMで制御
してカプセル3の速度を制御している。
【0020】空気輸送ライン13におけるパイプ内での
カプセル3の駆動は、ブロワー8から圧縮空気を供給す
ることにより、流速とカプセル3の速度差からカプセル
3の周りに空気が流れ、カプセル3の前後に圧力差
(0.3〜0.5kg/cm2 程度)が生じ、(2)式
のような推力が得られ、最終的にカプセル3の走行速度
は流体速度と同じとなる。また、空気輸送ライン13
は、一般に地下に埋設されるが、傾斜部やベンド部で
は、空気輸送のみでは推力が不足する。そこで、傾斜区
間あるいはベンド区間(曲路区間)では空気輸送方式と
リニアモータ方式の両方を使用してカプセルを走行させ
る。
【0021】図5は傾斜区間の構成を示し、図6はベン
ド区間の構成を示すものである。傾斜区間においては、
図5に示すように、所定の傾斜を持つリニアチューブ5
aを前後の空気輸送ライン13に接続して傾斜ライン1
6を構成する。傾斜ライン16はトレンチ17等の内部
に配設されている。傾斜が大きくなると、カプセル3の
重量の分力抵抗が大きくなって推力が不足するが、カプ
セル3が傾斜ライン16のリニアチューブ5a内を走行
するとき、カプセル3には下方(上流側)の空気輸送ラ
イン13を通して給気される空気圧と前述のように構成
されたリニアチューブ5aの励磁コイル6による電磁推
進力の両方が付与されるため、カプセル3を登坂させる
ことができる。したがって、空気の流速を上げなくても
電磁推進力でカプセル3の登坂力を十分にカバーするこ
とができるので、大きな傾斜でも走行可能である。ま
た、ベンド区間においては、図6に示すように、所定の
曲率半径を持つリニアチューブ5bを前後の空気輸送ラ
イン13に接続してベンドライン18を構成する。この
ベンドライン18も同様にトレンチ17等の内部に配設
されている。ベンド部の曲率半径が小さいと、図6のよ
うにカプセル3はリニアチューブ5bに対して傾くため
隙間が大きくなり、空気がカプセル3の周りを吹き抜け
やすくなる。このため、推力が低下し、走行が難しくな
る。この場合も、カプセル3には上流側の空気輸送ライ
ン13からの空気圧とリニアチューブ5bの励磁コイル
6による電磁推進力の両方が付与されるため、小さい曲
率半径(例えばφ600mmサイズで約6mR程度以
上)のベンド部でも十分に走行可能である。
【0022】輸送距離が長くなると空気圧を加圧する必
要が生じてくる。このため、空気輸送ライン13の途中
にブースタステーションが設けられる。本発明における
ブースタステーションの構成と作用を図7に示す。ブー
スタステーション20において、前記制動ライン14と
同様の構成からなる誘導ライン19を両側の空気輸送ラ
イン13の間に接続する。さらに、誘導ライン19のリ
ニアチューブ5cの入口と出口にゲートバルブ21a、
21bを設け、上流側及び下流側を分岐管22で接続
し、分岐管22にブースタ用のブロワー23を配設す
る。24は入側バルブ、25は出側バルブである。
【0023】空気圧を加圧する際には、まず図7(a)
に示すように、入側バルブ24、出側バルブ25を開
き、入口のゲートバルブ21aを開き、出口のゲートバ
ルブ21bを閉じておき、カプセル3を誘導ライン19
に誘導するように準備する。そして、空気輸送に使用さ
れた空気aは分岐管21で分けられ、ブースタ用のブロ
ワー23に送られて加圧され、この加圧された空気が下
流側の空気輸送ライン13に送入される。次に、図7
(b)に示すように、カプセル3を誘導ライン19に誘
導し、リニアチューブ5cの励磁コイル6により制動力
を加えてカプセル3を減速または一旦停止させた後、ゲ
ートバルブ21aを閉じ、ゲートバルブ21bを開く。
その後、図7(c)に示すように、カプセル3を誘導ラ
イン19から加速しながら前進させ、ゲートバルブ21
bを閉じ、加圧された空気圧でカプセル3を目的のステ
ーションまで空気輸送する。また、カプセル3が誘導ラ
イン19で加速されて出るとゲートバルブ21bが閉じ
られるため、閉鎖したゲートバルブ21bと加速された
カプセル3の間の空間に、ブロワー23により加圧され
た空気を送入することにより、容易に昇圧することがで
きる。このように、カプセル3が走行しながら容易に昇
圧を達成することができる。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ステー
ション間を結ぶパイプラインの地下埋設区間を空気輸送
ラインとし、傾斜区間または曲路区間をリニア輸送ライ
ンとして該区間においては空気輸送とリニア輸送の両方
式でカプセルを輸送するようにしたので、空気流速を上
げなくても、すなわち大規模な空気動力設備を使用しな
くても、急傾斜や曲率半径の小さい箇所でもカプセルの
走行が可能となる。したがって、動力の削減、システム
の小型化及び建設コストの低減が可能となる。また、逆
に傾斜を大きくとることや曲率半径を小さくすることが
できるため、スペースの削減やラインの布設を容易に
し、システムの適用範囲を拡大することができる。
【0025】また、ブースタステーションにおいて、リ
ニアチューブからなる誘導ラインを空気輸送ラインに接
続したので、カプセルをリニアモータ方式で確実に停止
させることができ、ゲートとの衝突や停止などのトラブ
ルの発生を回避することができる。さらに、輸送用空気
を分岐してブロワーで加圧し、この加圧された空気を誘
導ラインで加速されて出たカプセルと誘導ラインの出口
端を閉鎖したゲートバルブの間に送入するようにしたの
で、簡単な空気加圧手段により容易に昇圧を達成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカプセル輸送装置の構成図である。
【図2】カプセルの概略構成を示す斜視図である。
【図3】カプセルの正面図である。
【図4】リニアチューブの配線図である。
【図5】傾斜ラインの構成図である。
【図6】ベンドラインの構成図である。
【図7】ブースタステーションの構成と作用を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 パイプライン 2 インナーカプセル 3 カプセル 5、5a、5b、5c リニアチューブ 6、61 励磁コイル 7 制御器 8 加速用ブロワー 9 減速用ブロワー 10 積み降しステーション 11 積み降しライン 12 発車ライン 13 空気輸送ライン 14 制動ライン 15a、15b、15c、15d ゲートバルブ 16 傾斜ライン 18 ベンドライン 19 誘導ライン 20 ブースタステーション 21a、21b ゲートバルブ 22 分岐管 23 ブースタ用ブロワー 31 車輪装置 32 荷台 33 永久磁石 74 位置センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数地点間を結ぶパイプラインのパイプ
    内を積み荷を積載したカプセルを走行させて輸送する方
    法において、 永久磁石を所定間隔で環状に配設したカプセルを使用
    し、 前記パイプラインの地下埋設区間においては、ブロワー
    により供給される空気力により前記カプセルの空気輸送
    を行い、 前記パイプラインの傾斜区間または曲路区間において
    は、該区間をリニアチューブで構成するとともに、前記
    空気力とリニアモータ方式による電磁推進力の両方を使
    用して前記カプセルの輸送を行うことを特徴とするカプ
    セル輸送方法。
  2. 【請求項2】 前記カプセルの空気輸送を行う空気輸送
    ラインの途中にリニアチューブからなる誘導ラインを接
    続し、該誘導ラインに前記カプセルを誘導して減速また
    は一旦停止させ、入口端ゲートバルブを閉め、 輸送用空気を上流側空気輸送ラインから分岐してブロワ
    ーにより加圧し、 前記カプセルが前記誘導ラインで加速されて出た後、そ
    の出口端をゲートバルブで閉鎖するとともに、前記加圧
    された空気を前記ゲートバルブと前記カプセルの間の下
    流側空気輸送ラインに送入することを特徴とする請求項
    1記載のカプセル輸送方法。
  3. 【請求項3】 複数地点間を結ぶパイプラインのパイプ
    内を積み荷を積載したカプセルを走行させて輸送する装
    置において、 永久磁石を所定間隔で環状に配設したカプセルと、 前記パイプラインの地下埋設区間に布設された空気輸送
    ラインと、 前記空気輸送ラインに圧縮空気を供給するブロワーと、 前記パイプラインの傾斜区間または曲路区間において前
    記空気輸送ラインと接続されるとともに、励磁コイルを
    外周に等間隔または一部取り外して巻装し、各励磁コイ
    ルの間に前記カプセルの位置を検出する位置センサを配
    設したリニアチューブと、を備えたことを特徴とするカ
    プセル輸送装置。
  4. 【請求項4】 前記空気輸送ラインの途中に接続され、
    直管状の前記リニアチューブからなる誘導ラインと、 前記誘導ラインの入口及び出口をそれぞれ開閉するゲー
    トバルブと、 前記空気輸送ラインの上流側及び下流側を接続する分岐
    管と、 前記分岐管に設けられたブースタ用のブロワーと、を備
    えたことを特徴とする請求項3記載のカプセル輸送装
    置。
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